説明

空気供給式の編機

【課題】編成カムに比較的容易にアクセスできるようにしつつ、編成具の各構成要素に除塵効果をもたらす。
【解決手段】編成カム集合体(12)とニードルシリンダ(3)の間に構成されたエアガイド室(18)に空気を送り込むために利用されるエアフィード装置(21)を有する。このエアガイド室を通り、除塵用の空気が、編成カム集合体を格納する外側のケーシングを不要として、編成具(5)に直接供給される。ダイヤル及びそこに配置されるカム集合体との間から、当該するダイヤル針又はシンカーに空気を導く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念(所謂おいて部分、プリアンブル部分)に係る、編成具に空気が供給される編機に関する。
【背景技術】
【0002】
編機は通常、供給される糸から編地を編成するために、適切な駆動手段により往復運動される多数の編成具を有している。その際に編成具には、埃や糸屑、所謂リントが溜まるが、それにより編成工程に支障を来たす場合がある。
【0003】
特許文献1から、外周面に多数の針溝を設けたニードルシリンダを有する丸編機が知られている。これらの針溝には、夫々にバットを備えたベラ針が溝に沿って変位可能であるようにはめ合わされている。ベラ針のバットは針溝から突出して、ニードルシリンダを取り囲む多数の編成カムから成る円環状の編成カム集合体に接続されている。ニードルシリンダが回転する際に、針のバットが個々の編成カムの輪郭形状を追従することにより、針のフックが相応に上下に運動されるようになっている。
【0004】
編成カム集合体には外側から環状ケーシングが備えられ、これに濾過空気が送風機により供給されるようになっている。この環状ケーシングは、ニードルシリンダ及び/又はシンカー板の上縁部と共に、実質的に環状である一つのダクトを形成しており、空気はこれを通り、例えば針のフックの形を取る運動する作業部材に向かって吹き込まれるようになっている。
【0005】
そこでは除塵用のエアジェットを発生するために、編成カム集合体を丸ごとケーシングに格納することが必要であり、このため編成カムには、容易には手が届かないようになっている。編成カムで調整作業を行うためには、先ずケーシングを少なくとも部分的に取り外すことにより、夫々の編成カムへのアクセスを保証してやらなければならない。他にもこの公知の考え方により埃が吹き飛ばされるのは、編成具のフック、即ちその作業部材だけであり、それ以外のものについては、除塵効果が得られていない。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5737942号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、この従来技術から出発して、上述の短所を克服する編機を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、請求項1に記載の編機により解決される。
本発明に従った編機は、編成カム集合体と針床の間に構成されるエアガイド室に空気を送り込むエアフィード装置を有している。この針床は、例えば丸編機の円形ニードルシリンダであるとよいが、丸編機のダイヤルであってもかまわない。そのいずれの場合も、針床(ニードルシリンダ又はダイヤル)が運動される一方で、編成カム集合体は定置式に配置されている。
【0009】
エアガイド室は、編成カム集合体と針床の間に見出される、多少なりとも大きい空隙によって形成されるとよい。他にもこのエアガイド室の流れ断面には、針溝が大いに寄与している。さもなくとも存在する針床と編成カム間の空隙が、仮に殆どゼロまで減らされたとしても、尚もかなりの量の空気が、編成具により完全に埋め尽くされることがない針溝を通り流れることができる。それ以外にも編成具には、針溝内の気流抵抗を低減するために、エアガイド溝が備えられるとよい。最後に編成カムにもかなりの流れ断面を見出すことができるが、これもエアガイド室に寄与している。
【0010】
針床と編成カム集合体の間に空気を導くことにより、編成具の作業部材、即ち例えば当該する針のフック及びベラへ気流を適切に導くことができる。これは、編成カム集合体のケーシングへの格納を不要として達成される。このため、エアガイド部の囲い板又はその類を取り外したりする必要なく、編成カムへの外部からのアクセスが無制限で保証されるようになる。
【0011】
それ以外にも、除塵用の気流を編成カム集合体と針床の間に存在する空間に導くことにより、編成具の作業部材の除塵だけでなく、編成具及び針ガイド溝の除塵も可能となる。特に編成カムの領域に入り込む、又はそこで形成される摩耗粒子や埃を、針溝及び編成カムから除去できるようになる。このためエアガイド方式に関する本発明の考え方は、編機の作動信頼性の向上及び摩耗の低減に貢献するものである。特にカム領域及び針床、即ちニードルシリンダは、摩耗粒子のない状態に保持されるようになる。
【0012】
本発明の考え方は、例えばシンカー、目移し針、組合せ針、又はその類等、他の編成具に対しても適用することができる。そのいずれの場合にも、編成具の埃を吹き飛ばすために備えられる気流は、編成カム乃至はシンカーカムとシリンダ乃至は針床との間に存在する空間に可能な限り完全に通して導かれる。これは、理想的なケースにおいては、除塵用の気流全体について言える。
【0013】
編成カム集合体は、一般には一つのカム台板上に配置される複数の編成カム又はカムセグメントから成っている。丸編機の場合は、このカム台板が環状となっており、そこではカム台板が、並置される複数の個別セグメントにより構成されるとよい。これらのカムセグメントは、夫々の細長い側面のところで隣接する。好ましい実施形態の一例においては、カムセグメントを互いに対して封止するために、夫々のカムセントの間にパッキン材が配置されるようになっている。この対策により、空気損失が低減される。それ以外にも、除塵用の気流を損失ゼロで編目形成領域に導くために、適切なカバーによりカムセグメントの上縁部とシンカーリングとの間を覆い、この空気出口が塞がれるようにするとよい。しかし、幾つかの空気出口を適宜備えて、そこから除塵用気流の部分流が流れ出るようにしてもよい。この対策は、編成カム集合体の編成カム領域に生じる摩耗粒子を、これが編成具の作業部材に達することなく、編成カム集合体から適切に排出するために利用することができる。この目的のためには、場合によっては二つ又はそれ以上のカムセグメント間のパッキン材を省略するだけで十分かもしれない。
【0014】
エアフィード装置は、エアガイド室に加速された空気を送り込む送風機であると好適である。この送風機は、周囲空気を吸い込み、濾過して編機のエアガイド室に送り込む、別体のユニットとして構成されるとよい。この場合はエアフィード装置に、編機駆動装置から独立した専用の駆動装置が備えられる。この解決策には、エアフィード量を編機の動作速度に関係なく調整できるという長所がある。
【0015】
或いはその代わりに、構造が簡素化されるために多くのケースで模索されるべきであるが、送風機を編機に組み込むこともできる。この場合は送風機が、少なくとも一つの、しかし多くの場合は複数であると有意であるインペラ/エアブレードにより形成される。これらのインペラは、例えば丸編機のニードルシリンダの周囲に分散して配置される。その際にインペラは、編成カム集合体のセグメントの下側(即ち編成具の作業部材から遠く離れた側)に配置されて、吸い込まれた空気を、エアガイド室を通して上方の編機作業部材に向かって送り込むために利用される。その際に空気は、編成カムとニードルシリンダ間の中間室を通って流れ、それによりこの中間室も清浄な状態に保持される。空気は、カム台板の下側に延びるダクトから吸い込まれるとよい。この吸込みダクトには、吸い込まれた空気を、これが特にカム領域に吹き込まれる前に除塵するために、フィルタが備えられるとよい。
【0016】
本発明の拡張実施形態の特徴は、吸込みダクトに接続されたフィルタの除塵を、例えば折に触れて行うために備えられる除塵装置にあるといえる。この除塵装置は、例えばスイッチオンされると吸込みダクトに気流を送り込む別体の送風機として構成されるとよい。それによりフィルタは逆方向に動作されて、その外側に積もった埃が吹き飛ばされる。
【0017】
他にもフィルタを、カム台板の外周面に例えば円環形状に配置される、個別に交換可能な複数の個別セグメントとして構成すると有利であると思われる。
それに追加して、又はその代わりに、編成具及び/又はカムに潤滑剤を供給するために、気流に潤滑流体が添加されるようにするとよい。潤滑剤の供給は、連続方式で行われるとよいが、所望される場合は一時的に行うだけにしてもよい。そのためには、気流が例えば編成カムに到達する前に気流に潤滑剤を添加する潤滑装置が備えられるとよい。潤滑装置の適正な制御を通じて、潤滑剤の配量を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施形態のその他の有利な特徴は、図面、発明の詳細な説明、又は特許請求の範囲の対象となっている。図面には本発明の実施例が示されている。
図1には、適例として丸編機として構成された編機1が示されている。その針床2は、ニードルシリンダ3の形状を有しており、その外周面には、垂直に延びる、即ちその回転軸と平行に延びる複数の針溝4が備えられている。夫々の針溝4には、編成具が、例えば図示されるベラ針6の形状で配置されて、夫々の針溝4に沿って変位できるようになっている。ベラ針6はその端部に、針溝4から突出するフック7を有しており、フック7は、揺動式に支承されるベラ8と組み合わされている。ベラ針6の軸は、針溝4の内部に延びており、ベラ針6の駆動に利用されるバット9がこれに備えられている。
【0019】
稼動時には、ニードルシリンダ3が回転する一方で、その周囲を取り囲む環状のカム台板10は定置式に保持されている。カム台板10は、その実質的に平坦な上面11に、多数のカム乃至はカムセグメント13から成る編成カム集合体12を端持している。即ちこの編成カム集合体12は、ニードルシリンダ3を環状に取り囲んでいる。そのカムセグメント13は、ベラ針6のバット9と協働して、ニードルシリンダ3が回転する際にベラ針6を適切に運動させる、少なくとも一つの、しかし好ましくは複数のカム面として構成されたカムプロフィール14を有している。カムセグメント13は、例えばボルト16及び位置決めピン17の形状を取る適切な取付け手段15により、カム台板10に保持されている。
【0020】
ニードルシリリンダ3と編成カム集合体12の間には、エアガイド室18が構成されている。これには、ニードルシリンダ3の輪郭形状と編成カム集合体12との間に構成される空隙19が含まれている。他にもこのエアガイド室18には、編成具5により場所を取られたり塞がれたりしていない限りにおいて針溝4が含まれると共に、カムセグメントの自由空間及び中空室も含まれている。
【0021】
エアガイド室18には、エアフィード装置20が接続されている。これは、図1に示される実施例においては、少なくとも一つの、しかし好適かつ理性的には多数のインペラ21により形成されている。インペラ21は、例えば締付けボルト22により、概ねカム台板10の高さのところでニードルシリンダ3の外周部に締結されている。インペラ21は、一種の円環のように配置され、それにより一つのファンを形成している。インペラ21は、例えばニードルシリンダ3の回転軸に対して斜めに配置されることにより、軸流ファンを形成する。
【0022】
カム台板10のリセスは、夫々のカムセグメント13のリセスと共に、環状の送風機室23を定義しており、インペラ21はその内部で回転する。送風機室23は、カム台板10の下面に開口している、少なくとも一つの、しかし好ましくは非常に多くの通気孔24の上方に備えられる。これらの通気孔24は、吸気口として直接利用される。これらの通気孔24には、エアフィルタが直接備えられるとよい。しかし図1に示される実施例においては、環状のカバープレート25が備えられ、このカバープレート25は、カム台板10の下面と平行にそこから離して保持されて、カム台板10の下面と共に、半径方向に延びる空隙状の吸込みダクト26を規定している。この吸込みダクト26は、カム台板10の外周面で開口している。そこから空気を低速で吸い込み、その際に同時にその除塵を行うために、吸込みダクト26の好ましくは漏斗状に拡幅された入口には、エアフィルタ27が備えられる。エアフィルタ27は、複数のセグメントに分割されている、即ち個別に交換することができる複数の例えば長方形又は正方形の個別フィルタセグメントを円環状に並べたものから成ると好適である。
【0023】
編成カム集合体12の個々のカムセグメント13は、夫々の実質的に平坦な細長い側面のところで隣接している。その際に個々のカムセグメント13間には半径方向に延びる空隙が残されており、エアフィード装置20により発生された気流の一部は、そこを通り漏れ出てしまう。これは、特殊なケースにおいては、編成カム集合体12の領域に発生する摩耗粒子を外部に運び出すために、所望されるかもしれない。しかし通例は、複数のインペラ21から成る送風機の効率が限定されるために、夫々のカムセグメントを互いに対して封止することが望まれる。そのためには、上面11から夫々のカムセグメント13の上端部まで延びる、例えばゴム紐30の形状をした適切なパッキン材29が利用されるとよい。その際にこのゴム紐30は、図1に破線(31)で示されるように、ニードルシリンダ3に向かって取り廻されることにより、除塵用の気流にとり可能な限り狭い空気出口が形成されるようにするとよい。そうでない場合、ゴム紐30は、ニードルシリンダ3と概ね平行に延びることが好ましい。ゴム紐30の代わりに、シールリップやシーリングコンパウンド等、別の適切なシール材を使用してもよいし、夫々のカムセグメントの間に挟持されるラバーモールディングを外側から備えるようにしてもよい。
【0024】
気流を適切に編成具5の作業部材7に導くためには、カム集合体12とシンカーリング32との間に封止手段44が備えられるとよい。
この封止手段44は、例えばカバープレート等、適切なカバー45の形状に構成されている。これは、複数の部材又はセグメントから成るリングとして形成されて、夫々のカムセグメント13又はシンカーリング32のいずれかに公然周知の方法により取り付けられるとよい。シンカーリング32とカムセグメント13の間の中間室からの気流の漏出が防止されるように、シンカーリング32とカムセグメント13間の封止が適切なパッキン材により保証されるとよい。
【0025】
編機1の型式に関係なく、例えばニードルシリンダ3と一緒に回転する、編成具5と協働する編目形成に利用される複数のシンカー33を担持したシンカーリング32等、更に別の装置が備えられてもかまわない。シンカーリング32とニードルシリンダ3との間には通路34が備えられ、送風機から送られる空気はこれを通り抜けてフック7に達することができる。
【0026】
上記で説明した編機1は、次のように作動する。
稼働中、カム台板10及び編成カム集合体12は静止している一方で、ニードルシリンダ3及び場合により備えられるシンカーリング32は、編成具5乃至はシンカー33と共に回転する。その際に編成具5及びシンカー3はいずれも、垂直乃至は水平に往復運動を実行する。インペラ21は、ニードルシリンダ3と一緒に回転し、それにより、編成具5の動作方向に対して傾斜しているインペラ21外縁部の幾何形状の結果、図1においては上向きの、即ち編成カム集合体12に向かう気流が発生される。この気流は、編成カム集合体12とニードルシリンダ3間のエアガイド室18をくまなく巡り、最終的に編成具5の動作範囲に到達する。その際にこの気流は、針溝4及び編成具5の埃、繊維屑、糸屑及びその類を吹き飛ばすことにより、編成カム集合体12とニードルシリンダ3間に存在する空間の除塵も、又編成具5の除塵も行うようになっている。それに必要な空気は、複数のインペラ21から成る送風機により、吸込みダクト26からエアフィルタ27を通して吸い込まれる。
【0027】
以上で説明した編機1の実施形態は、様々な態様に変形させることができる。一例としてカム台板10は、多数の個別セグメントを並べたものから成ってもよい。その場合はカム台板10の夫々のセグメントが、夫々のカムセグメント13と円周方向に丁度同じ大きさであるとよい。この場合はカム台板10の夫々のセグメントにエアフィルタが個別に備えられるとよい。
【0028】
それ以外にも図2に示されるように、ホース36を介して吸込みダクト26に空気を送り込む別体の送風機35が備えられるとよい。この場合は、さもなければインペラ21により形成される送風機を省略することができる。気流は、エアガイド室18にも、一つの送風機、ここでは送風機35により送り込まれて、ニードルシリンダ3の回転数及び回転方向に関係なく、編成具5に送られる。エアフィルタ27は、送風機35に配置される。その他については、上記で既に取り上げた符合に基づいて行った、図1に示される実施例に関する説明が相応に当てはまる。
【0029】
図3には、図1に示される本発明に従った編機の別の変形例が示されている。エアガイド室18用の気流を発生する送風機は、ここでもインペラ21により形成されるようになっている。その限りにおいて、この変形例は図1に示される編機1と同様に作動する。しかしそこには更に追加して、カバープレート25の一つ又は複数の開口部のところで吸込みダクト26に接続できるようになっている、少なくとも短時間運転可能な送風機37が備えられている。この送風機37は、通常は使用されないようになっている。送風機37は、起動されると、吸込みダクト26内に僅かな超過圧力を発生する。それにより空気は、エアフィルタ27を通して外に吹き出される。この気流は、必要に応じてフィルタ27の除塵を行うために利用することができる。送風機37は、編機1の部材であるとよいが、例えば編機から編機へと移動できる携帯式又は自走式の送風機として編機1に接続されるものであってもよい。非使用時には、送風機37が接続される開口部38が塞がれるとよい。
【0030】
或いはその代わりに、吸引装置を使用して、フィルタ27に溜まった埃やリントを外に吸い出して除去するようにしてもよい。送風機37は、フィルタ27用の除塵装置37を形成している。
【0031】
図4には、図2に示される変形実施例に基づいた編機1の別の実施形態が示されている。そこには更に追加して、エアガイド室18を通って流れる気流を利用して編機1の内部に潤滑剤を送り込むように構成された潤滑装置40が備えられている。これは、連続方式で行われるとよいが、必要に応じて時々行うだけにしてもよい。潤滑装置40には、潤滑剤を吐き出すように構成されたポンプ41、潤滑剤リザーバ42、及び、潤滑剤を吸込みダクト26内や、他にも送風機37により発生される気流が巡るその他の適切な地点に送り込むための、少なくとも一つのディスペンサ又はノズル43が含まれている。例えば複数のノズル43が、ニードルシリンダ3の周囲に分散して配置されるとよい。これらのノズルは、必要に応じて同時に又は順次起動されて、夫々長時間又は短時間にわたり潤滑剤を放出するとよい。潤滑剤は、微細な液滴状に噴霧されると好適であるが、これはノズル43を適切に構成することにより実現することができる。
【0032】
それ以外にも、送風機37の内部で、送られる空気に潤滑剤を添加するようにしてもよい。この場合は、ホース36の油汚染の怖れが排除されるように、潤滑剤の稠度を選定しなければならない。潤滑剤の供給を、針溝4乃至は編成カム集合体12により近い位置で行うようにしてもよく、これはノズル43をカムセグメント13の付近に取り廻すことにより実現することができる。
【0033】
潤滑装置40は、図1又は図3に示される編機と組み合わせることもできる。その場合はノズル43が、例えば図4に示される実施例において既にそうなっているように、通気孔24の内部に噴霧するとよい。
【0034】
本発明に従った編機1は、編成カム集合体12とニードルシリンダ3の間に構成されたエアガイド室18に空気を送り込むために利用されるエアフィード装置21、35、37を有している。このエアガイド室を通り、除塵用の空気が、編成カム集合体を格納する外側のケーシングを不要として、編成具5に直接供給される。同様にして、ダイヤル及びそこに配置されるカムの間から、当該するダイヤル針又はシンカーに空気を導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】内蔵型の送風機を有する編機を、部分的に切り取って図式的に示した垂直断面図である。
【図2】外付け型の送風機を有する編機を、部分的に切り取って図式的に示した垂直断面図である。
【図3】除塵装置が備えられた図1に示す編機である。
【図4】潤滑装置が備えられた図2に示す編機である。
【符号の説明】
【0036】
1 編機
2 針床
3 ニードルシリンダ
4 針溝
5 編成具
6 ベラ針
7 フック、作業部材
8 ベラ
9 バット
10 カム台板
11 上面
12 編成カム集合体
13 カム、カムセグメント
14 カムプロフィール
15 取付け具
16 ボルト
17 位置決めピン
18 エアガイド室
19 空隙
20 エアフィード装置
21 インペラ
22 ボルト
23 送風機室
24 通気孔
25 カバープレート
26 吸込みダクト
27 エアフィルタ
28 細長い側面
29 パッキン材
30 ゴム紐
31 破線(ゴム紐)
32 シンカーリング
33 シンカー
34 通路
35 送風機
36 ホース
37 送風機
38 開口部
39 除塵装置
40 潤滑装置
41 ポンプ
42 潤滑剤リザーバ
43 ノズル
44 封止手段
45 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
編成具(5)を受け入れるための多数の溝(4)を有する針床(2)と、
当該針床(2)の各溝(4)に沿って変位可能であり、作業部材(7)を有する多数の編成具(5)と、
前記針床(2)との間に少なくとも一つのエアガイド室(18)を規定するように、前記針床(2)に隣接して配置される、編成具(5)駆動のための編成カム集合体(12)と、
前記作業部材(7)に前記エアガイド室(18)を通して気流を導くために、前記エアガイド室(18)に接続される、エアフィード装置(21、35、37)と
を有する、編機(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の編機において、前記針床(2)が、丸編機のニードルシリンダ(3)により形成されることを特徴とする、編機。
【請求項3】
請求項1に記載の編機において、前記針床(2)が、丸編機のダイヤルにより形成されることを特徴とする、編機。
【請求項4】
請求項1に記載の編機において、前記編成具(5)が編針(6)であることを特徴とする、編機。
【請求項5】
請求項1に記載の編機において、前記編成具(5)がシンカー(33)であることを特徴とする、編機。
【請求項6】
請求項1に記載の編機において、前記編成カム集合体(12)が、互いに対して封止されて配置される複数のカムセグメント(13)から成ることを特徴とする、編機。
【請求項7】
請求項6に記載の編機において、前記各カムセグメント(13)の間にパッキン材(29)が配置されることを特徴とする、編機。
【請求項8】
請求項1に記載の編機において、前記エアフィード装置(21、35、37)が送風機であることを特徴とする、編機。
【請求項9】
請求項8に記載の編機において、前記送風機(37)に専用の駆動装置が備えられることを特徴とする、編機。
【請求項10】
請求項8に記載の編機において、前記送風機(35、37)が、少なくとも一つのエアホース(36)を介して編機(1)に接続される別体のユニットとして構成されることを特徴とする、編機。
【請求項11】
請求項1及び8に記載の編機において、前記エアフィード装置(20)に、編機(1)の前記ニードルシリンダ(3)に接続される少なくとも一つのインペラ(21)が含まれることを特徴とする、編機。
【請求項12】
請求項1及び8に記載の編機において、前記エアフィード装置(20)に、編機(1)の前記ダイヤル(32)に接続される少なくとも一つのインペラ(21)が含まれることを特徴とする、編機。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の編機において、複数のインペラ(21)が備えられ、これらが一つの円環状の翼車を形成することを特徴とする、編機。
【請求項14】
請求項1、11、12又は13に記載の編機において、前記エアフィード装置(20)が、編機(1)の一部を通過する吸込みダクト(26)に接続されることを特徴とする、編機。
【請求項15】
請求項14に記載の編機において、前記吸込みダクト(26)が、前記編成カム集合体(12)を担持するカム台板(10)の下に構成されることを特徴とする、編機。
【請求項16】
請求項14に記載の編機において、前記吸込みダクト(26)が、前記ニードルシリンダ(3)の半径方向に延びることを特徴とする、編機。
【請求項17】
請求項14に記載の編機において、前記吸込みダクト(26)の入口にフィルタ(27)が備えられることを特徴とする、編機。
【請求項18】
請求項17に記載の編機において、前記フィルタ(27)に対して除塵装置(39)が配置されることを特徴とする、編機。
【請求項19】
請求項1に記載の編機において、気流に潤滑剤を供給するために、潤滑装置(40)が備えられることを特徴とする、編機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−154403(P2007−154403A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−317033(P2006−317033)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(598132646)グロツ・ベッケルト コマンディートゲゼルシャフト (77)
【Fターム(参考)】