説明

空気入りタイヤ

【課題】操縦安定性能の低下を抑制しつつレイングルーブワンダー性能に優れた空気入りタイヤを提供すること。
【解決手段】複数の周方向ストレート溝で区画された複数の陸部をトレッドに有する空気入りタイヤにおいて、該周方向ストレート溝の少なくとも一方のエッジ部に沿って、タイヤ幅方向に切り込まれた複数の細溝を形成するとともに該細溝の切込み幅Wを相違させた複数種類のピッチを配置し、かつ、該細溝は以下の(a)、(b)および(c)を満足することを特徴とする空気入りタイヤ。
(a)最大切込み幅WL がWL <3.0mm、
(b)(最大切込み幅WL )−(最小切込み幅WS )≧0.5mm、
(c)接地長に対して、最大切込み領域と最小切込み領域の双方が存在すること、

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤに関する。更に詳しくは、操縦安定性能の低下を抑制しつつレイングルーブワンダー性能(以下、RGW性能という)に優れた空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
北米や欧州、日本(九州など)等の高速道路では、路面の排水性を良くするために、車両が進行する方向と平行に、所定のピッチ、所定の溝深さ、所定の溝幅で穿設された複数本の溝が路面に設けられていることがある。
【0003】
このような溝は一般に「レイングルーブ」と呼ばれ、ハイドロプレーニングが発生しにくいように舗装路面に排水用のために刻まれている。特に、路面のきめの細かいコンクリート舗装の高速道路に多く見られ、溝幅、溝深さともに3mm程度の溝が、20〜30mmのピッチで車両の進行方向に掘られているのが普通である。
【0004】
このレイングルーブの存在によって、タイヤ幅方向のタイヤ滑り抵抗は大きくなるが、車両が横に振られるグルーブワンダー現象が発生し、操縦安定性能が低下することがある。
【0005】
その主たる原因の一つがタイヤトレッドに設けられたストレート周方向溝のエッジがレイングルーブ内に落ち込むことであり、この周方向溝のエッジがレイングルーブに落ち込んだときに、ストレート周方向溝のエッジが撓み、タイヤと路面との接地圧が失われて横力(タイヤ幅方向の力)に変化が発生し、その結果、ハンドルがとられ車体がふらつくというグルーブワンダー現象が生ずる。
【0006】
このため、従来からRGW性能を向上させるための提案がされている。
【0007】
例えば、周方向溝をタイヤ周方向の全周にわたりクランク形状に形成して、周方向溝のエッジがレイングルーブに落ち込むことが連続しては発生しないようにして、該落ち込みを抑制しRGW性能を向上させる提案がある(特許文献1)。
【0008】
また、周方向溝のエッジ部に面取りをして、該周方向溝のエッジがレイングルーブに落ち込むことがないようにしてRGW性能を向上させる提案がある(特許文献2、3)。
【0009】
また、ストレート溝の立面(溝の側壁面)に溝深さ方向の間隔を有して複数のサイプを形成し、路面のレイングルーブのエッジとストレート溝のエッジが衝突する力を緩和させることによりRGW性能を向上させる提案がある(特許文献4)。
【0010】
また、周方向主溝を、ジグザグ状を呈して連続して屈曲させた形態の溝として形成させ、それにより、一般にポイントハイトと呼ばれる構造を形成させるという提案がある(特許文献5)。
【0011】
しかし、これら特許文献1−4の提案は、いずれも一方では、周方向溝、特にそのエッジ部の持つ機能を低下させているものであり操縦安定性の低下を招いているものであった。
【0012】
また、特許文献5の提案のものは、ポイントハイトを設けることにより、主溝エッジがレイングルーブに落ちたときに生ずる突発的な横力の変化を、分散化させて抑制することができ、耐RGW性能を向上させることができる。しかし、主溝がジグザグ状にあるいは湾曲状に形成されていることにより、ストレート溝に比べ、耐ハイドロ性能が劣るものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2009−6922号公報
【特許文献2】特開平9−71106号公報
【特許文献3】特開2009−6870号公報
【特許文献4】特開平6−115317号公報
【特許文献5】特開昭60−189607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、操縦安定性能の低下を抑制しつつ、特にタイヤ摩耗時のレイングルーブワンダー性能において優れた空気入りタイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した目的を達成する本発明の空気入りタイヤは、以下の(1)の構成を有する。
(1)複数の周方向ストレート溝で区画された複数の陸部をトレッドに有する空気入りタイヤにおいて、該周方向ストレート溝の少なくとも一方のエッジ部に沿って、タイヤ幅方向に切り込まれた複数の細溝を形成するとともに該細溝の切込み幅Wを相違させた複数種類のピッチを配置し、かつ、該細溝は以下の(a)、(b)および(c)を満足することを特徴とする空気入りタイヤ。
(a)最大切込み幅WL がWL <3.0mm、
(b){(最大切込み幅WL )−(最小切込み幅WS )}≧0.5mm、
(c)接地長に対して、最大切込み領域と最小切込み領域の双方が存在すること、
【0016】
また、かかる本発明の空気入りタイヤにおいて、好ましくは、以下の(2)〜(6)のいずれかの構成を有するものである。
(2)前記接地長に対して、最大切込み領域の周方向長さの合計と最小切込み領域の周方向長さの合計が、それぞれ30%以上であることを特徴とする上記(1)記載の空気入りタイヤ。
(3)前記細溝の深さが、最大主溝深さの90%以上であることを特徴とする上記(1)または(2)記載の空気入りタイヤ。
(4)前記複数種類のピッチのうち、細溝が形成されていないピッチが存在することを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(5)前記複数種類のピッチのうち、隣接するピッチ同士で切込み量が相違することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
(6)前記複数種類のピッチが、タイヤ周方向に規則的に配置されていることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【発明の効果】
【0017】
請求項1にかかる本発明の空気入りタイヤによれば、複数の周方向ストレート溝で区画された複数の陸部をトレッドに有する空気入りタイヤにおいて、周方向ストレート溝の少なくとも一方のエッジ部に沿って、タイヤ幅方向に切り込まれた複数の細溝を形成するとともに該細溝の切込み幅Wを相違させた複数種類のピッチを配置し、かつ、該細溝は前述の(a)、(b)および(c)を満足するように空気入りタイヤを構成したことにより、ストレート周方向溝のエッジがレイングルーブ内に落ち込むことを分散させることができ、最小切込み幅であるピッチによる良好な操縦安定性の維持と、最大切込み幅であるピッチによるRGW性能の向上が両立できる空気入りタイヤが提供される。
【0018】
請求項2〜6にかかる発明の空気入りタイヤによれば、請求項1にかかる本発明の空気入りタイヤのRGW性能をより向上させてより大きな効果を確実に得ることができる空気入りタイヤが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)、(b)は、いずれも本発明にかかる空気入りタイヤのトレッドの要部をモデル的に示した平面図であり、(a)と(b)は同じ形態のものであるが、(b)は、特に細溝部分を詳しく説明したものである。
【図2】本発明にかかる空気入りタイヤにおける細溝の形態を示した斜視図である。
【図3】本発明にかかる空気入りタイヤにおける細溝の形態をタイヤ幅方向から見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、更に詳しく本発明の空気入りタイヤについて説明する。
【0021】
本発明の空気入りタイヤは、複数の周方向ストレート溝で区画された複数の陸部をトレッドに有する空気入りタイヤにおいて、該周方向ストレート溝の少なくとも一方のエッジ部に沿って、タイヤ幅方向に切り込まれた複数の細溝を形成するとともに該細溝の切込み幅Wを相違させた複数種類のピッチを配置し、かつ、該細溝は以下の(a)、(b)および(c)を満足することを特徴とする。
(a)最大切込み幅WL がWL <3.0mm、
(b)(最大切込み幅WL )−(最小切込み幅WS )≧0.5mm、
(c)接地長に対して、最大切込み領域と最小切込み領域の双方が存在すること、
【0022】
図1(a)は、本発明にかかる空気入りタイヤのトレッド1の要部をモデル的に示した平面図であり、トレッド1は、複数の周方向ストレート溝2(2A、2B)で区画された複数の陸部を有してなっている。周方向ストレート溝2A、2Bは、それぞれ溝の両側にエッジ部31、32、33、34を有し、そのうちの少なくとも一本のエッジ部に沿って、タイヤ幅方向に切り込まれた複数の細溝4を形成するとともに該細溝4の切込み幅Wを相違させた複数種類のピッチP(P1i、P2i、P3i、P4i)が配置されている。図1(a)において、5はラグ溝(横溝)、6はサイプである。7はセンターライン(タイヤ赤道)である。
【0023】
本発明において、ピッチPは、図1(b)に示されているように、周方向ストレート溝2(2A、2B)の両側にあるエッジ部31、32、33、34のいずれか1本ないしは全部において、各エッジ部に沿って周方向の全体にわたり存在するものであり、ピッチはそれぞれ、ラグ溝(横溝)5とサイプ6で区切られるものである。
【0024】
そして、本発明では、各エッジ部において、それぞれのエッジに沿って存在するピッチは、該ピッチごとに細溝4の切込み幅Wが相違している複数種類のピッチとして配置されるものである。図1(b)の周方向ストレート溝2Aのタイヤ赤道側のエッジ31上で示せば、P1i(iは、1……n)は、P11、P12、P13、………というようにタイヤ周方向に全周にわたり繋がっていて、各ピッチ単位で細溝4の切込み幅Wが相違している。
【0025】
細溝4の切込み幅Wはゼロの場合でもよく、すなわち細溝4が形成されていないピッチがあってもよく、図1(b)で示したものは、各エッジ部が、ピッチ一つおきごとに細溝が形成されていないピッチとした例を示している。
【0026】
ピッチは、一つのエッジで3〜10個存在するのが好ましいが、基本的にピッチの数は、ラグ溝(横溝)5とサイプ6で区切られてピッチが形成されるものなので、そのラグ溝とサイプの存在によって定まる。切込み幅Wが相違している複数種類のピッチは、全ピッチで互いに相違するものである必要はなく、0.5mm単位程度で相違している実質的に数種類程度のものとするのが好ましい。
【0027】
また、細溝4は、全てのエッジ(図1では、31、32、33、34の4本)に形成されている必要はなく、少なくとも一本のエッジに形成されていればよい。あるいは、例えば、各周方向ストレート溝でタイヤ幅方向外側のエッジに形成させるなどでもよい。
【0028】
細溝4は、以下の(a)、(b)および(c)の3つの関係を満足するように形成されていることが重要である。
(a)最大切込み幅WL がWL <3.0mm、
(b){(最大切込み幅WL )−(最小切込み幅WS )}≧0.5mm、
(c)接地長に対して、最大切込み領域と最小切込み領域の双方が存在すること、
【0029】
本発明の空気入りタイヤは、上記のように、細溝の切込み幅Wを相違させた複数種類のピッチを配置していることにより、細溝のタイヤ幅方向の位置が一定しているものではないので、走行中のレイングルーブへのエッジの落ち込みを分散させることができ、タイヤ摩耗が進んでいっても、細溝のタイヤ幅方向の位置が一定しているものと比較して、細溝を設けている効果をより良好に維持して発揮できる。周方向の主溝がジクザグ状の溝である場合には、排水性能(ハイドロ性能)が悪くなるので、本発明には採用されない。
【0030】
細溝4の最大切込み幅WL は3.0mm以上のときは、その部分での落ち込みが大きくなり操縦安定性が低下する。また、{(最大切込み幅WL )−(最小切込み幅WS )}の値が0.5mm未満であると、細溝のタイヤ幅方向の位置が近くなり、該位置を分散させた効果が乏しくなるので好ましくない。
【0031】
また、本発明の効果を良好に発揮させる上で、接地長に対して、最大切込み領域と最小切込み領域の双方が存在することが重要である。ここで、最大切込み領域とは細溝の切込み幅Wが最も大きいピッチである領域をいい、最小切込み領域とは、細溝の切込み幅Wが最も小さいピッチである領域をいう。「接地長に対して……存在する」とは、空気入りタイヤにJATMAイヤーブック(2011年度版)に規定される空気圧−負荷能力対応表において、最大負荷能力に対応する空気圧をタイヤに充填し、その最大負荷能力の70%の荷重をかけて、平面に押し付けたときのフットプリントでタイヤ周方向長さ(そのエッジ部での周方向の端部位置間の長さ)を測定して得られる接地長に対して、その接地長の中で、上記の最大切込み領域と上記の最小切込み領域の双方が少なくとも存在することを意味し、この双方が接地時に同時に存在することが、走行時に本発明の効果を得る上で重要である。これにより、タイヤが接地している時に、常に、最大切込み領域と最小切込み領域の双方が同時に接地していることになり、細溝のタイヤ幅方向の位置が一定でないことによる効果を顕著に発揮させることができるからである。
【0032】
特に、接地長に対して、最大切込み領域の周方向長さの合計と最小切込み領域の周方向長さの合計が、それぞれ30%以上であることが好ましい。いずれかが30%に満たないと上述した分散効果が小さくなる方向であり、好ましくないからである。
【0033】
また、細溝4の深さは、周方向ストレート溝の最大溝深さの90%以上であることが好ましく、90%未満であると細溝を設けた効果が小さくなり好ましくなく、周方向ストレート溝の最大溝深さの90%以上とすることにより、タイヤ摩耗時においてもレイングルーブワンダリング性能を維持することが可能となる。
【0034】
前述したように、細溝が形成されていないピッチがあってもよく、むしろ、細溝が形成されていないピッチがあることにより、細溝が形成されているピッチとの間で、細溝の幅方向位置が確実に相違されていると言え、本発明の効果が顕著になり好ましい。
【0035】
また、一つのエッジに設けられる複数種類のピッチのうち、隣接するピッチ同士では切込み量が必ず相違する構成にすることが好ましく、本発明の効果がより明瞭なものとなる。
【0036】
また、複数種類のピッチは、タイヤ周方向に規則的に配置されていることが好ましく、そのようにすることで、本発明の効果を確実に得ることができ、さらに摩耗の進み方と効果の大きさの関係等も予測できるので好ましい。
【0037】
細溝4は、そのタイヤ周方向の幅C(図2)が0.5〜2.0mmであることが好ましい。細溝4の幅Cが0.5〜2.0mmの範囲内にあると、エッジ部の剛性が最適なものとなり、更にRGW性能を優れたものにすることができる。より好ましくは、幅Cは1.0〜1.5mmである。
【0038】
さらに、隣接する細溝4間の間隔t(図2)は1.0〜10.0mmの範囲とすることが好ましい。隣接する細溝4間の間隔tが1.0〜10.0mmの範囲内にあると、エッジ部の剛性を調整して最適なものにすることが容易であり、より優れたRGW性能を実現することが容易に可能である。より好ましい間隔tは4.0〜7.0mmである。
【0039】
また、細溝4は、図2、図3に形態例を示したように、タイヤ回転軸と直角の断面上で、タイヤ径方向に対して10°〜80°の傾斜角度θをもって陸部表面(トレッド1)からタイヤ内面側に穿設されていることが好ましい。傾斜角度をもって、細溝を穿設すると、エッジ部の剛性を落とすことができ、RGW性能をより優れたものにすることができるからである。最も好ましい傾斜角度θは30°〜60°である。
【実施例】
【0040】
実施例1〜4、比較例1〜4、従来例1
タイヤサイズ225/65R17であり、細溝4の切込み幅Wの大小、最大切込み領域の周方向長さの合計と最小切込み領域の周方向長さの合計のそれぞれの比率(%)、を変えて、本発明の実施例1〜4、比較例1〜4の計8種のタイヤを準備して、リムサイズ17×6.5のホイールにリム組して空気圧220kPaで空気を充填し試験タイヤを製造した。従来例1と比較例1は細溝を一切設けない例、比較例2は連続した面取り状部を設けた例である。
【0041】
各試験タイヤのトレッドのパターンは、図1に示したものと同様である。周方向溝は、実施例1〜4、比較例1〜4はすべて同様のストレート溝とし、従来例1は周方向溝をジグザグ溝(いわゆるポイントハイトと呼ばれるもの)とした。比較例2は、主溝のエッジ部の形態を面取り状にしたものであるが、該面取り状にしたブロックと、面取りも細溝も何も設けていないブロックを、交互に配置したもの(特開2008−230357号公報に記載の態様)である。その面取り幅は、表1の細溝切込み幅の欄に記載しているように1.5mmとし、面取り深さは表1の細溝深さの欄に記載しているように4.0mmとした。
【0042】
周方向ストレート溝2A(主溝幅9.0mm)は、タイヤ赤道から距離17.0mmの位置に設け、周方向ストレート溝2B(主溝幅8.0mm)は、タイヤ赤道から距離50.5mmの位置に設けた。センターラインと接地端間の距離は82.5mmである。
【0043】
各試験タイヤを国産SUV(スポーツユーティリティビークル)車両(FF駆動方式)に装着して、以下の方法によりRGW評価と、操縦安定性、ハイドロ性能の各評価を行った。
【0044】
それぞれについての評価結果を表1に示した。本発明によるものは、操縦安定性、RGW性能、ハイドロ性能のいずれも優れていることがわかる。
(1)RGW評価:
レイングルーブ路面(テストコース)を走行し、RGW性についてのフィーリング評価を行い、指数化して評価した。評価は、比較例1品を100とした指数評価で行い、数値が大きいほど良く、指数102以上で効果があると判断した。
(2)操縦安定性の評価:
周回路(テストコース)を走行させて、操縦安定性についてのフィーリング評価を行い、指数化して評価した。評価は、比較例1品を100とした指数評価で行い数値が大きいほど良い。
(3)ハイドロ性能の評価:
直進ハイドロプレーニング性能試験路(テストコース)、水深10mmとしてハイドロ発生速度を測定し、周方向ストレート溝(比較例1)品を100とした指数評価で行い、数値が大きいほど良い。
【0045】
【表1】

【符号の説明】
【0046】
1:タイヤトレッド
2、2A、2B:周方向ストレート溝
31、32、33、34:エッジ部
4:細溝
5:ラグ溝(横溝)
6:サイプ
7:センターライン(タイヤ赤道線)
P、P1i、P2i、……:ピッチ、
W、W1i、W2i、……:細溝4の切込み幅
L :最大切込み幅
S :最小切込み幅
C:細溝4の周方向幅
θ:細溝4の切込み角度
t:隣接する細溝4間の間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周方向ストレート溝で区画された複数の陸部をトレッドに有する空気入りタイヤにおいて、該周方向ストレート溝の少なくとも一方のエッジ部に沿って、タイヤ幅方向に切り込まれた複数の細溝を形成するとともに該細溝の切込み幅Wを相違させた複数種類のピッチを配置し、かつ、該細溝は以下の(a)、(b)および(c)を満足することを特徴とする空気入りタイヤ。
(a)最大切込み幅WL がWL <3.0mm、
(b){(最大切込み幅WL )−(最小切込み幅WS )}≧0.5mm、
(c)接地長に対して、最大切込み領域と最小切込み領域の双方が存在すること、
【請求項2】
前記接地長に対して、最大切込み領域の周方向長さの合計と最小切込み領域の周方向長さの合計が、それぞれ30%以上であることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
【請求項3】
前記細溝の深さが、最大主溝深さの90%以上であることを特徴とする請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
【請求項4】
前記複数種類のピッチのうち、細溝が形成されていないピッチが存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項5】
前記複数種類のピッチのうち、隣接するピッチどおしで切込み量が相違すること特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
【請求項6】
前記複数種類のピッチが、タイヤ周方向に規則的に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−35501(P2013−35501A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175118(P2011−175118)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)