説明

空気循環要素を持った自動車のフロントノーズ部

【課題】
自動車のフロントノーズ部で空気循環要素を備えることである。
【解決手段】
空気循環要素の中央の空気注入口と側方の空気注入口の間に、空気冷却部への空気供給路を持ったエアブレードを供え、その場合、エアブレードは、事前組立位置で、中央の空気循環要素に折り曲がり、組立後位置では、折り曲げられ、側方の空気循環要素と結合可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念の空気循環要素を持った自動車のフロントノーズ部に関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許出願公開第10342168号明細書から、フロントノーズ部に配置された空気注入口を持った自動車は公知であり、この場合、中心と横に空気注入口が設けられている。そのほかに、欧州特許出願公開第0175655号明細書から、フロントノーズ部の側方の注入口上に、自動車の内燃機関の冷却装置に空気供給することは公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第10342168号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0175655号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動車のフロントノーズ部で空気循環要素を備えることが本発明の課題であり、それは、一方では、コンパクトな配送時の状態を保証し、他方では、自動車の組み立てのし易さを保証するものである。
【0005】
これらの課題は、請求項1に記載の発明の特徴により、解決される。その他の有利な形態は、下位の請求項に記載の通りである。
【0006】
本発明により主に達成される利点は、その都度、中央の空気循環装置と側方の空気循環装置の間に配置され、旋廻可能なエアブレードは、自動車キャリアに親しみすく、中央の空気循環要素の組み立てや、フロントノーズ部のすべてのモジュールのカバーを簡略化することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これは、空気循環要素の中央の空気注入口と空気循環要素の側方の空気注入口の間に、そのたびごとに、空気循環路を備えたエアブレードを配置されることによって実現することが可能である。エアブレードは、事前組立位置で中央の空気循環要素にパタンと折れ、そして、エアブレードは、エアブレードの組立後位置で、元の場所にパタンと折れて戻り、その度ごとに側方の空気循環器要素と連結している。
エアブレードは、事前組立位置及び組立後位置において、中央の空気循環要素の脚部の端部で、接続要素を介して接続されている。接続要素は、鉤形プラグから構成され、エアブレードの外側の脚部は、端部側で射出成形され、外側に向かって垂直に配置され、中央の空気循環要素の脚部は、対応する開口部で、差込み固定されている。エアブレードは、事前組立位置では、接続要素としての鉤形プラグを介して、自動車中央線(L)方向で、内側に向かって回転可能であり、組立後位置では、自動車外側(A)に向かって回転可能である。事前組立位置で、エアブレードは、内側に折れ、中央の空気循環要素と挟み結合可能である。
【0008】
中央の空気循環要素でのエアブレードの接続は、鉤形プラグを介して構成され、接続要素は、中央の空気循環要素の脚部の開口部で固定具を必要とするが、この結果、費用のかかるねじ手段等の補強をする必要がなくなる。
【0009】
鉤形プラグは、好ましい方法では、ある可能性を生じ、それは、事前組立位置でエアブレードは、中央の空気循環要素の脚部の間にほとんど構成され、配送時の状態で、小型化することができることである。
【0010】
組立工程の処理の後で、自動車のフロントノーズ部で、鉤型プラグを介して、エアブレードは、側方の空気循環要素に旋廻可能であり、提案によれば、組立後位置でエアブレードは、上下の接続要素を介して、側方の空気循環要素の脚部と固定連結されている。エアブレードの上の脚部の上の接続要素は、止め連結金具を持ったバック形状の収容からなる。組立後位置で、連結金具は、側方の空気循環要素の脚部の縁を支持し延在している。エアブレードの下の脚部のその他の下の接続要素は、いわゆる先端部プラグからなり、組立後位置で、先端プラグは、支持するために、側方の空気循環要素の脚部に嵌っている。エアブレードでの接続要素の構造や配置によって、より簡単な方法で、エアブレードは、側方の空気循環要素と固定連結されている。この場合、同様に、分解もより簡単な方法にすることができる。
【0011】
それゆえ、接続要素によって、エアブレードの組立と解体が、追加の補強部を必要とすることなしに可能になり、かつ、本発明により自動車業者に親しみ易く、かつ、フトントモジュール旋廻部を簡単な方法で提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】中心と横に空気注入口を持ったフロントノーズ部の正面図である。
【図2】空気循環要素を持ったフトントノーズ部を通る、線II―IIによる断面図である。
【図3】組立後位置でのエアブレードの斜視図である。
【図4】事前組立位置でのエアブレードの斜視図である。
【図5】中央の空気循環要素にエアブレードの上部接続要素(鉤形プラグ)を示したものである。
【図6】中央の空気循環要素にエアブレードの下部接続要素(鉤形プラグ)を示したものである。
【図7】側方の空気循環要素にエアブレードの上部接続要素(バック形状の収容部)を示したものである。
【図8】側方の空気循環要素にエアブレードの下部接続要素(先端部プラグ)を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施例を図面で描き、次に詳細に記述する。
【0014】
自動車のフトントノーズ部1は、中央の空気注入口2と側方の空気注入口3、4を備えている。フロントノーズ部の後ろに、中央の空気循環要素5と、側方の空気循環要素6と、それらの空気循環要素の間に配置された、ぱたんと折ることが可能なエアブレード7を有している。これは、事前の組立位置Iと組立後位置IIで接続要素8、9を介して、中央の空気循環要素と支持されており、組立位置Iで、反対の端部12で、更なる接続要素10、11を介して、側方の空気循環要素6と支持している。エアブレード7は、空気循環路13を有していて、空気循環路13は、自動車で、給気冷却部14に直接の空気供給を実現している。
【0015】
エアブレード7は、おおよそ、側方の境界板で中央の空気注入口2を配置し、空気路13は、空気冷却部14の端面を向いている。
【0016】
エアブレード7は、組立後位置IIで、中央の空気循環要素5に対して旋廻可能であり、事前組立位置Iで、接続要素8、9を有しており、接続要素8、9は、いわゆる鉤形プラグから構成されている。接続要素8、9は、空気循環要素5の脚部5a、5bで、それらに対応する開口部15、16とかみ合い、固定されている。鉤形プラグ8、9は、エアブレード7の外部脚部19、20に成形されるか、あるいは、射出成形され、おおよそ外へ垂直に延在している。鉤形プラグ8、9は、開口部15、16のへりに延び固定されている。
【0017】
組立後位置IIで、側方の空気循環要素6とのエアブレード7の結合は、接続要素10、11で行われる。この上の接続要素11は、上の脚部19で、バック(鞄)形状の収容部から構成され、バック形状の収容部は、角度のある連結金具21から構成され、連結金具21は、側方の空気循環要素6の上の脚部22に沿って伸びている。更に、下の接続要素11は、いわゆる先端部プラグから構成され、先端部プラグは、側方の空気循環要素6の下の脚部22aの切り口24で固定される。
【0018】
エアブレード7は、図4のような事前組立位置Iで、つまり、組立後位置IIから約180度周った供給時の状態で、ぱたんと折れ曲がることが可能である。この事前組立位置Iで、中央の空気循環要素5の脚部5a、5bの間に、エアブレード7が挟まれて備わっている。組立後位置IIで、接続要素8、9の周りを回転することにより、上の脚部22で接続要素10と、及び、下の脚部22aの切り口24で接続要素11と留め金のように固定される。それゆえ、簡単な方法で、エアブレードの組立と解体が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央の範囲及び側方の範囲に、空気注入口を備え、
空気注入口は、一方で、内燃機関の冷却部、他方で内燃機関の給気冷却部を向いている空気循環要素を持った自動車のフロントノーズ部であって、
空気循環要素(5、6)の中央の空気注入口(2)と、側方の空気注入口(3、4)の間に、空気供給路(13)を持った、エアブレード(7)が配置され、
前記エアブレード(7)は、
事前組立位置(I)で、側方の空気循環要素(6)から中央の空気循環要素(5)の方へ折り曲がり、
組立後位置(II)で、折り曲げられ、側方の空気循環要素(6)と結合可能であることを特徴とする自動車のフトントノーズ部。
【請求項2】
請求項1において、
前記エアブレード(7)は、事前組立位置(I)及び組立後位置(II)において、中央の空気循環要素(5)の脚部(5a、5b)の端部で、接続要素(8、9)を介して接続されていることを特徴とする自動車のフロントノーズ部。
【請求項3】
請求項1又は2において、
接続要素(8、9)は、鉤形プラグから構成され、
エアブレード(7)の外側の脚部(19、20)は、端部側で射出成形され、外側に向かって垂直に配置され、
中央の空気循環要素(5)の脚部(5a、5b)は、対応する開口部(15、16)で、差込み固定されていることを特徴とする自動車のフロントノーズ部。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
前記エアブレード(7)は、事前組立位置(I)では、接続要素(8、9)としての鉤形プラグを介して、自動車中央線(L)方向で、内側に向かって回転可能であり、
組立後位置(II)では、自動車外側(A)に向かって回転可能であることを特徴とする自動車のフロントノーズ部。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
事前組立位置(I)で、エアブレード(7)は、内側に折れ、
少なくとも空気循環要素(5)の上の脚部(5b)は、中央の空気循環要素(5)と、固定されていることを特徴とする自動車のフロントノーズ部。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つにおいて、
組立後位置(II)で、エアブレード(7)は、側方の空気循環要素(6)の脚部(22、22a)と、上及び下の接続要素(10、11)を介して支持され、結合可能であることを特徴とする自動車のフロントノーズ部。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一つにおいて、
エアブレード(7)の上の脚部(19)での上の接続要素(10)は、
連結金具(21)を持ったバック形状の収容部からなり、
組立後位置(II)で、連結金具(21)は、側方の空気循環要素(6)の脚部(22)端部を固定し、延在していることを特徴とする自動車のフロントノーズ部。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一つにおいて、
エアブレード(7)の下の脚部(20)での下の接続要素(11)は、
鉤形プラグからなり、
鉤形プラグは、組立後位置で、側方の空気循環要素(6)の脚部(22a)での切り口(24)で、はまりあっていることを特徴とする自動車のフロントノーズ部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−248969(P2009−248969A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−94359(P2009−94359)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(508174975)ドクトル イング ハー ツェー エフ ポルシェ アクチエンゲゼルシャフト (134)
【氏名又は名称原語表記】Dr. Ing. h.c. F. Porsche Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Porscheplatz 1, D−70435 Stuttgart, Germany