説明

空気汚染の信頼性できる、個別に設定された測定及び警告のための方法、並びに関連する装置

本方法は、先ず、汚染の測定に干渉する空気中の化合物を可逆的に吸収する物質を介して、又はその上で、特定の汚染物質の含量が測定されるべき空気を循環することにある。これらの吸収性物質は、使用後、廃棄することができ、測定される空気と測定手段の間に配置される自己定着型のパッチ又は膜の形態で採用される。これらのパッチ又は膜は、たとえば、電子センサー又は比色分析指示計(この場合、膜は有利に透明である)のようなあらゆる種類の測定手段に使用することができる。従って、この実際の空気の前処理によって、環境条件(湿気、そのほかの汚染物質等の存在)にかかわらず、信頼性があり、再現性がある測定が可能である。湿気については、たとえば、膜はシリカゲル又は綿ウールから成る。第1の適用は、オゾン汚染又はイオウ及び酸化窒素の汚染のピークの存在に対して喘息患者に警報を出すための、上着の裏又は腕で持ち運べる個別に設定された警告装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染された空気に暴露されるリスクの可能性がある集団、特に喘息患者に警告するための、空気汚染のピークを測定し、警報を出す方法、及び関連する装置に関する。
前記方法は、その記載が示すように、身近な環境で、我々が呼吸する空気に存在し、その濃度が公共医療施設によって危険であると特定されたレベルを超える汚染物質を検出し、個別に設定された警報を提供するのに適する。
【背景技術】
【0002】
呼吸器疾患に罹っている人は、喘息患者の場合のように、空気汚染が特定のレベルを超えた場合、空気汚染の存在下、戸外の活動を限定し、多くの場合、要求の多い身体活動に従事することを控えなければならないのは周知のことである。
今まで、喘息患者が、たとえば、オゾン、酸化窒素又は酸化イオウのような空気汚染物質のレベルに関して外出のリスクを知りたい場合、彼女/彼は、汚染のピークがその日遅くなって散発的に起きないことを確信することなく、様々なメディア(テレビ、ラジオ)を頼るしかなかった。
さらに、人が情報源から隔離されている場合、他の予防解決法はない。
【0003】
オゾンの検出器及びモニター、並びにイオウ及び窒素の検出器及びモニターの形態での装置は、とりわけ分光計に基づいて市場に存在するが、その大きなサイズで用法が限定され、それらは紛れもなく、着用できない。さらに、その複雑さによって子供による操作は不可能である。
小型の試料採取装置も見出すことができるが、それらは、普通、後日、特殊な研究室で行われる試料のさらなる分析を必要とする。
最後に、特定の汚染物質が存在する場合、色を変える電子センサー及び比色分析指示計に基づいた小型の汚染検出器及びモニターがあるが、湿度(オゾン吸収剤)のような多数のパラメータによって、十分な方式(1〜10の因子)での測定に混乱を来たし、敏感な人に効果的に且つ信頼性をもって警告するのが不可能になっている。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、不健康な汚染物質レベルに達した場合、間違いなく警報を提供する、信頼性のある且つ操作し易い方法及び小型装置によって、リスクの可能性の存在に気付かない人、とりわけ喘息患者の主要な問題を解消することを目的とする。
本発明の方法は、汚染を測定するのを干渉する空気中の化合物を可逆的な方法で吸収することが可能である物質を介して又はその上で、測定される所定の汚染物質にてその濃度を有することを目標とした空気を事前に循環させる工程にある。
【0005】
これらの吸収性物質は、磁石、機械的で可逆的な糊、又は自己接着布によって自己付着型であり、使用後使い捨てである(使用される吸収剤の量によって1日で、1週間で若しくは1ヵ月で予防的方法にて、又は装置の空気ポンプレベルでの排出圧の喪失によって検出可能な、汚染物質及び埃によって多孔性が危うくされてすぐに)パッチ又は多孔性の膜の形態で導入される。空気がパッチ又は膜を介して循環する場合、種々の化合物を吸収する物質を多層状形態で配置することができる。空気がパッチ又は膜の上を循環する場合、同様の吸収性物質が単層で配置される。
【0006】
たとえば、パッチ又は多孔性の膜で使用される物質の1つは、湿気を吸収するシリカゲル又は親水性の綿であればよい。オゾン濃度の測定は、たとえば、雨天条件下と同様に乾燥条件にて正確である。
酸化窒素又は酸化イオウを吸収するには、具体的には、活性炭、対象とするこれらの分子が使用される。
【0007】
さらに、これらの吸収性物質は、低濃度の吸収した気体と共に環境を移動する際に吸収した気体のすべて又は一部を解放し、吸収性物質の再生を助けることができ、干渉する気体濃度の変動をならすように可逆的でなければならない。
湿気の場合、人が戸外の位置(冬期では10%の湿度レベルが異常ではない)から室内の位置(湿度レベルは90%に達することができる)へ移動する際、綿のような親水性の物質が過剰の湿気を吸収する。
【0008】
人が戸外に戻るや否や、綿はその湿気を解放してセンサー上の空気の湿気の変化をさらに漸進的にする。
ちょうどそんな具合に、この純粋な空気の前処理によって大気の条件にかかわりなく、電子センサー又は比色分析指示計のための同一の最適な測定条件が確保される。異なった警報レベルを管理することに関与する電子基板によって信頼性のある、視覚的警告、振動又は鳴り響く音が提供される。有利なことに、分析される空気とパッチ又は膜(最外層上)の間に疎水性の内張りが位置取りして、雨中での操作又は手が濡れている場合の操作を可能にする。図1は、それを介して空気の循環を可能にする比色分析指示計又は微細多孔性膜を伴った本発明の関連装置の一例の模式的断面図を示す。
【0009】
微細多孔性の透明な膜(1)は、やはり微細多孔性で透明な種々の層、及び空気の汚染の測定に干渉する空気中の化合物を吸収する物質で作られる。前記膜はそれ自体微細多孔性である(2)比色分析指示計上に直接設定される。
第1の層(7)は、雨天条件下での操作を可能にするように疎水性の物質である。第2の層(6)は、活性炭を主成分とするNO及びSOの吸収剤である。第3の層(5)は、シリカゲルからできた湿気吸収剤から成る。
電池(3)に接続された圧電微小ポンプ(4)によって、膜及び微細多孔性の比色分析指示計を介した、連続的で安定した流れが確保される。
【0010】
ポンプを満たす強度をモニターすることによってパッチ又は膜が詰まっているかどうかを明らかにすることができる。
電子センサーを使用する場合、パッチ又は微細多孔性の膜は、処理した空気をセンサーに向かって循環させるポンプ上に直接配置することができる。
パッチ又は膜は、非多孔性であることもできる。その場合、パッチとポンプの間に小さな空間を入れて、センサーに向かった空気がパッチ又は膜全体の上を循環して干渉物を取り除くことを可能にする。
【0011】
センサー自体は、特定のレベルに達した場合、LED、LCD、振動装置又はブザーを作動させる電子回路にも接続される。
圧電ポンプのような構成成分の小型化によって1ユーロコイン以下の大きさの装置を設計することを可能にした。
第1の適用は、オゾン又は酸化窒素及び酸化イオウの汚染ピークの存在を喘息患者に警告する、襟の折り返し又は手首に着用可能な個人用警報装置である。定期的に、最終ユーザーは、測定装置上の吸収用のパッチ又は膜を交換して、結果として生じる汚染の場合、彼/彼女が確実に警告されるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例の構成図である。
【符号の説明】
【0013】
1 膜
2 多孔性
3 電池
4 圧電微小ポンプ
5 第3の層
6 第2の層
7 第1の層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気汚染を測定し、信頼性のある、個別に設定された警報を提供する方法であって、測定する前に、前記警報に同意することが理解され、自己付着型のパッチ又は膜の形態での、使用後使い捨ての、測定される空気と測定手段の間に設定される具体的に選択される吸収性物質によって前記測定に干渉する空気中の化合物が除かれることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記具体的に選択される吸収性物質が可逆的であることを特徴とする請求項1に記載の空気汚染を測定し、信頼性のある、個別に設定された警報を提供する方法。
【請求項3】
空気汚染の測定に干渉する前記空気中の化合物を吸収する具体的な物質の1つが、たとえば、シリカゲルや綿のような親水性の物質であることを特徴とする請求項1に記載の方法を実行するための装置。
【請求項4】
空気汚染の測定に干渉する前記空気中の化合物を吸収する具体的な物質の1つが、酸化窒素を吸収することが可能である物質であることを特徴とする請求項1に記載の方法を実行するための装置。
【請求項5】
空気汚染の測定に干渉する前記空気中の化合物を吸収する具体的な物質の1つが、酸化イオウを吸収することが可能である物質であることを特徴とする請求項1に記載の方法を実行するための装置。
【請求項6】
測定される空気とパッチ又は膜の間に疎水性物質が設定されることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法を実行するための装置。
【請求項7】
空気ポンプによって、パッチ及び測定手段に向かう測定される空気の安定した流れを確保することを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の方法を実行するための装置。
【請求項8】
前記測定手段が、汚染レベルの調節に従って種々の警報を管理する電子回路に接続されることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の方法を実行するための装置。
【請求項9】
前記電子回路によって、パッチ又は膜のレベルでの圧力のさらなる降下の検出を可能にし、前記パッチ又は膜を交換するようにユーザーに注意を喚起することを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の方法を実行するための装置。
【請求項10】
微小ポンプ、汚染センサー、前記警報を管理する電子回路、空気汚染の測定の干渉物を吸収することが可能である物質で被覆され、不健康な汚染レベルに達したことを個人に警告するように導入されるパッチを含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。



【図1】
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【公表番号】特表2009−521695(P2009−521695A)
【公表日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548007(P2008−548007)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【国際出願番号】PCT/FR2006/002848
【国際公開番号】WO2007/077354
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(508193437)
【Fターム(参考)】