説明

空気清浄機

【課題】待機時の消費電力を低下させることを目的とした空気清浄機を提供する。
【解決手段】空気を吸い込む吸気口と、吸い込んだ空気を清浄する清浄手段と、清浄手段に通風する送風手段と、空気を吹き出す排気口と、ヒーター部に電圧を印加し、検知部を高温に保ち空気中の汚れ成分を検知するにおいセンサを備えた空気清浄機において、待機時にヒーター部の印加電圧をパルスにすることで消費電力を低下させたことを特徴とする空気清浄機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内空間に浮遊する埃や煙草などの汚染物質を含んだ汚染空気を吸い込んで清浄し、清浄後の空気を加湿機能により加湿し、室内に吹きだす機能を備えた空気清浄機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の加湿機能付き空気清浄機は下記に記載されたものが知られている。
【0003】
以下、その空気清浄機について図を参照しながら説明する。
【0004】
図8に示すように空気清浄機本体101には空気を吸い込む吸気口102と、空気を清浄するフィルター103と、フィルター103に通風するファン104と、清浄した空気を吹き出す排気口105と、大気中の汚れを検知するにおいセンサ106を備え、待機中でもにおいセンサ106は通電している (例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−136284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の空気清浄機では、センサが安定するまで時間がかかるため、待機中でもにおいセンサに通電する必要があった。そのため、使用していない時も電力を消費しており、消費電力を削減する事が要求されている。
【0007】
そこで本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、待機中はセンサの印加電圧をパルス電圧にすることで、消費電力を削減し、また、センサの安定までの時間を短縮することを特徴としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、この目的を達成するために、本発明の空気清浄機は、空気を吸い込む吸気口と、込んだ空気を清浄する清浄手段と、清浄手段に通風する送風手段と、空気を吹き出す排気口と、ヒーター部に電圧を印加し、検知部を高温に保ち空気中の汚れ成分を検知するにおいセンサを備えた空気清浄機において、待機時にヒーター部の印加電圧をパルスにするものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【0009】
この手段により、消費電力を削減できる加湿機能付き空気清浄機が得られる。
【0010】
また、本発明の空気清浄機は、待機時にヒーター部にパルス電圧を印加し、ヒーター部の温度を所定の温度に保つものである。
【0011】
この手段により、センサの安定までの時間を短縮できる加湿機能付き空気清浄機が得られる。
【0012】
また、本発明の空気清浄機は、パルス印加電圧のピーク値を時間により変化させたものである。
【0013】
この手段により、消費電力を削減し、また、センサの安定までの時間を短縮できる加湿機能付き空気清浄機が得られる。
【0014】
また、本発明の空気清浄機は、パルス印加電圧のデューティー比を変化させるものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【0015】
この手段により、消費電力を削減し、また、センサの安定までの時間を短縮できる加湿機能付き空気清浄機が得られる。
【0016】
また、本発明の空気清浄機は、使用者が選択可能なにおいモードスイッチを設け、においモード中はパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を高くするものである。
【0017】
この手段により、センサの安定までの時間を短縮できる加湿機能付き空気清浄機が得られる。
【0018】
また、本発明の空気清浄機は、使用者が選択可能な省エネモードスイッチを設け、省エネ中はパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を低くするものである。
【0019】
この手段により、センサの安定までの時間を短縮できる加湿機能付き空気清浄機が得られる。
【0020】
また、本発明の空気清浄機は、使用者が選択可能な自動モードスイッチを備え、自動モード中は待機時のヒーター部の印加電圧を汚れの検知結果によって変化させるものである。
【0021】
この手段により、消費電力を削減できる加湿機能付き空気清浄機が得られる。
【0022】
また、本発明の空気清浄機は、待機直前に汚れを検知していなければ待機時のパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を低くするものである。
【0023】
この手段により、消費電力を削減できる加湿機能付き空気清浄機が得られる。
【0024】
また、本発明の空気清浄機は、待機直前に汚れを検知していれば待機時のパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を高くするものである。
【0025】
この手段により、消費電力を削減し、また、センサの安定までの時間を短縮できる加湿機能付き空気清浄機が得られる。
【0026】
また、本発明の空気清浄機は、待機時のパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を高温と低温と繰り返すものである。
【0027】
この手段により、消費電力を削減できる加湿機能付き空気清浄機が得られる。
【0028】
また、本発明の空気清浄機は、待機時間の長さがある一定以上になると、待機時のパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を徐々に低くするものである。
【0029】
この手段により、消費電力を削減できる加湿機能付き空気清浄機が得られる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、待機時にヒーター部の印加電圧をパルスにすることで消費電力を削減できる空気清浄機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態1の空気清浄機の構成を示す斜影図
【図2】本発明の実施の形態1のにおいセンサ構造図
【図3】本発明の実施の形態1のパルス電圧波形図
【図4】本発明の実施の形態1のパルス電圧波形とヒーター部温度の関係を示す図
【図5】本発明の実施の形態1のパルス電圧ピーク値波形図
【図6】本発明の実施の形態1のパルス電圧デューティー波形図
【図7】本発明の実施の形態4の自動モードフローチャート
【図8】従来の空気清浄機の構成を示す斜影図
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の請求項1記載の空気清浄機は、空気を吸い込む吸気口と、込んだ空気を清浄する清浄手段と、清浄手段に通風する送風手段と、空気を吹き出す排気口と、ヒーター部に電圧を印加し、検知部を高温に保ち空気中の汚れ成分を検知するにおいセンサを備えた空気清浄機において、待機時にヒーター部の印加電圧をパルスにすることで、消費電力を削減できるという作用を有する。
【0033】
また、請求項2記載の空気清浄機は、待機時にヒーター部にパルス電圧を印加し、ヒーター部の温度を所定の温度に保つことで、センサの安定までの時間を短縮できるという作用を有する。
【0034】
また、請求項3記載の空気清浄機は、また、本発明の加湿機能付き空気清浄機は、パルス印加電圧のピーク値を時間により変化さることで、消費電力を削減し、また、センサの安定までの時間を短縮できるという作用を有する。
【0035】
また、請求項4記載の空気清浄機は、加湿機能付き空気清浄機は、パルス印加電圧のデューティー比を変化させることで、消費電力を削減し、また、センサの安定までの時間を短縮できるという作用を有する。
【0036】
また、請求項5記載の空気清浄機は、使用者が選択可能なにおいモードスイッチを設け、においモード中はパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を高くすることで、センサの安定までの時間を短縮できるという作用を有する。
【0037】
また、請求項6記載の空気清浄機は、使用者が選択可能な省エネモードスイッチを設け、省エネ中はパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を低くすることで、センサの安定までの時間を短縮できるという作用を有する。
【0038】
また、請求項7記載の空気清浄機は、使用者が選択可能な自動モードスイッチを備え、自動モード中は待機時のヒーター部の印加電圧を汚れの検知結果によって変化させることで、消費電力を削減できるという作用を有する。
【0039】
また、請求項8記載の空気清浄機は、待機直前に汚れを検知していなければ待機時のパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を低くすることで、消費電力を削減できるという作用を有する。
【0040】
また、請求項9記載の空気清浄機は、待機直前に汚れを検知していれば待機時のパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を高くすることで、消費電力を削減し、また、センサの安定までの時間を短縮できるという作用を有する。
【0041】
また、請求項10記載の空気清浄機は、待機時のパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を高温と低温と繰り返すことで、消費電力を削減できるという作用を有する。
【0042】
また、請求項11記載の空気清浄機は、待機時間の長さがある一定以上になると、待機時のパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を徐々に低くすることで、消費電力を削減できるという作用を有する。
【0043】
(実施の形態1)
図1に本発明の実施の形態における空気清浄機の構成を示す斜影図を示す。空気清浄機本体1に室内の空気を吸い込む吸気口2と、吸い込んだ空気を清浄するフィルター3と、フィルター3に通風するファン4と、空気を吹き出す排気口5と、印加電圧のパルスを制御するマイコン6と、においセンサ7と、においモードスイッチ8と、省エネモードスイッチ9と、自動モードスイッチ10を設け構成する。
【0044】
図2ににおいセンサ7の構造図を示す。
【0045】
大気中の汚れを検知する検知部11とヒーター部12を備え、ヒーター部12に電圧を印加することでヒーター部12の温度が上昇し、温度がある一定になると検知部11が安定し大気中の汚れを検知する構造となっている。例えば、ここではヒーター部12にDC5Vを印加すると温度が上昇し、400℃に安定すると、検知部11が安定状態になるとする。また、ヒーター部12に電圧を印加し始めて400℃になるまで30秒、検知部が安定状態になるまで90秒時間を要するとする。
【0046】
図3にヒーター部12への印加電圧の波形図示す。
【0047】
運転時はヒーター部12の温度を保つため、DC5Vを印加している。図3に示す様に待機時にマイコン6にて制御し印加電圧をパルスにする。例えば、待機時に時間幅5msのデューティー50%のDC5Vパルス電圧にすることで、ヒーター部12の温度を所定の温度に保ち、消費電力を運転時に対して50%削減することができる。
【0048】
このように、においセンサ7を必要としない待機時にだけ、印加電圧をパルス電圧にすることで、待機時の消費電力を削減することができる。
【0049】
また、待機時にヒーター部12の印加電圧をOFFすることで待機電力を削減することができるが、運転開始と同時にヒーター部12に電圧を印加し始めると、検知部11が安定するまでに120秒時間を必要とする。しかし、図4の印加電圧とヒーター部12の温度関係グラフに示すように、待機時にヒーター部12にパルス電圧を印加することで、ヒーター部12の温度を所定の温度を保つことで検知部11の安定までの時間を短縮することができる。
【0050】
また、図5に示すようにパルス電圧のピーク値を始めの数パルスだけ高くし、その後ピーク値を低くしてもよい。
【0051】
また、図6に示すようにパルス電圧のデューティー比を時簡により変化させてもよい。
【0052】
(実施の形態2)
本実施の形態は前記実施の形態1と制御方法が異なるのみであり、同一構成のものは同一番号を付して詳しい説明は省略する。
【0053】
においモードスイッチ8によりにおいモードに設定すると、待機時にヒーター部12に印加するパルス電圧のデューティー比率を上げ、ヒーター部12の温度を高く保つ。例えばここでは300℃とする。
【0054】
このように待機時のヒーター部12の温度を高く保つことで、検知部11の安定までの時間を短くすることができる。
【0055】
また、使用者の環境状況に応じた運転をすることができる。
【0056】
(実施の形態3)
本実施の形態は前記実施の形態1と制御方法が同一であり、同一構成のものは同一番号を付して詳しい説明は省略する。
【0057】
省エネモードスイッチ9により省エネモードに設定すると、待機時にヒーター部12に印加するパルス電圧のデューティー比率を下げ、ヒーター部12の温度を低く保つ。例えばここでは200℃とする。
【0058】
このように待機時のヒーター部12の温度を低く保つことで、待機時の消費電力を下げることができる。
【0059】
また、使用者の環境状況に応じた運転をすることができる。
【0060】
(実施の形態4)
本実施の形態は前記実施の形態1と制御方法が同一であり、同一構成のものは同一番号を付して詳しい説明は省略する。
【0061】
自動モードスイッチ10により自動モードに設定すると、待機状態になった時、待機状態になる前の一定時間の汚れ検知結果をマイコン6にて算出し、待機時のヒーター部12に印加するパルス電圧を制御する。
【0062】
図7に自動モードのフローチャートを示す。ここでは一定時間を30分とする。
【0063】
待機状態になったとき、マイコン6にて30分前から汚れを検知しているか算出する。30分以内に汚れを検知していた場合、待機時のパルス電圧のデューティー比を上げ、ヒーター部の温度を高く保つ。例えば、300℃に保つ。30分以内に汚れを検知していなかった場合、待機時のパルス電圧のデューティー比を下げ、ヒーター部12の温度を低く保つ。例えば200度に保つ。
【0064】
このように汚れ結果に応じてパルス電圧を制御することでにおいセンサ7を環境状況に応じた制御することができ、待機時の電力を削減でき、検知部11の安定までの時間を短くすることができる。
【0065】
(実施の形態5)
本実施の形態は前記実施の形態1と制御方法が同一であり、同一構成のものは同一番号を付して詳しい説明は省略する。
【0066】
待機状態がある一定以上の時間続くとパルス電圧のデューティー比を下げる。例えば、ここでは一定時間を2時間とすると、最初待機状態になったときにパルス電圧のデューティー比が50%とする、そして、2時間待機状態が続くとパルス電圧のデューティー比を40%とし、また、2時間待機状態が続くとパルス電圧のデューティー比を30%と下げる。このように、使用しない時間が長いと印加電圧を下げることで待機時の電力を削減できる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明にかかる空気清浄機は、加湿機能付き空気清浄機でも同様の手段を用いることで、待機時の消費電力を削減できる。
【符号の説明】
【0068】
1 空気清浄機本体
2 吸気口
3 フィルター
4 ファン
5 排気口
6 マイコン
7 においセンサ
8 においモードスイッチ
9 省エネモードスイッチ
10 自動モードスイッチ
11 検知部
12 ヒーター部
101 空気清浄機本体
102 吸気口
103 フィルター
104 ファン
105 排気口
106 においセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を吸い込む吸気口と、吸い込んだ空気を清浄する清浄手段と、清浄手段に通風する送風手段と、空気を吹き出す排気口と、ヒーター部に電圧を印加し、検知部を高温に保ち空気中の汚れ成分を検知するにおいセンサを備えた空気清浄機において、待機時にヒーター部の印加電圧をパルスにすることで消費電力を低下させたことを特徴とする空気清浄機。
【請求項2】
待機時にヒーター部にパルス電圧を印加し、ヒーター部の温度を所定の温度に保つことで、運転開始時に検知部の温度が安定するまでの時間を短縮することを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項3】
パルス印加電圧のピーク値を時間により変化させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気清浄機。
【請求項4】
パルス印加電圧のデューティー比を変化させることを特徴とした請求項1または請求項2に記載の空気清浄機。
【請求項5】
使用者が選択可能なにおいモードスイッチを設け、においモード中はパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を高くすることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項6】
使用者が選択可能な省エネモードスイッチを設け、省エネ中はパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を低くすることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項7】
使用者が選択可能な自動モードスイッチを備え、自動モード中は待機時のヒーター部の印加電圧を汚れの検知結果によって変化させることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄機。
【請求項8】
待機直前に汚れを検知していなければ待機時のパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を低くすることを特徴とする請求項7に記載の空気清浄機。
【請求項9】
待機直前に汚れを検知していれば待機時のパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を高くすることを特徴とする請求項7に記載の空気清浄機。
【請求項10】
待機時のパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を高温と低温と繰り返すことを特徴とした請求項7に記載の空気清浄機。
【請求項11】
待機時間の長さがある一定以上になると、待機時のパルス印加電圧のデューティー比を変化させ、ヒーター部の温度を徐々に低くすることを特徴とする請求項7に記載の空気清浄機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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