説明

空気清浄装置

空気清浄装置(10)は、それを通って空気が通過され得る複数の開口部(18)を有する導電シート(16)と、各々開口部と連係される複数のコロナ放出器(22)を有する粒子充填領域(12)と、フィルタ(14)とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気清浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
空気から粒子状物体を清掃する一般的な方法はコロナワイヤおよび接地されたプレートからなる粒子充填配列を介して空気を通しかつ続いて電界中に充填された粒子を、代表的には高いおよび接地電位で交互に配置された一連の金属プレート上に沈殿させることである。この型の装置は静電式集塵器と一般に呼ばれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
通常の静電式集塵器には、これに関連付けられる多数の欠点がある。高効率に関して、コロナ充填ワイヤは粒子の均一な充填を保証するために慎重にかつ中央に置かれねばならない。これらのワイヤはワイヤの表面にゴミを迅速に集め、コロナ充填電流を減少しかつ低減された効率を結果として生じる不均一なコロナを発生する。コロナワイヤが清掃されるとき、それらの脆い性質のため、それらはしばしば屈曲されるかまたは配列からずれて移動される。正しく作動しているならば、コロナワイヤはそれらの長さに沿ってしかしそれらが支持構造に取着されねばならない、それらの端部でなく、良好な初期充填を達成する。ワイヤの端部を通って流れている空気は効果的に充填されずかつ全体の効率の減少を結果として生じる。また、高効率に関して、比較的大きな電流がコロナワイヤに供給される必要があり、結果として高いオゾンレベルおよび高価な電源を生じる。
【0004】
本発明の目的は改良された空気清浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、空気が通過し得る複数の開口部を有する導電性シートと、各々開口部と連係される複数のコロナ放出器を有する粒子充填領域と、フィルタとを有している空気清浄装置が提供される。
【0006】
前記開口部は好ましくは円形でありかつ各開口部はそれと連係するコロナ放出器を好ましくは有している。コロナ放出器は好ましくはその開口部の中央にある。放出器は導電性ロッド上に好ましくは支持される。放出器は好ましくは鋭い先端を有しかつ長さにおいて好ましくは3および30mmの間のピンの形状にすることもできる。変形例において放出器は三角形の歯の形状にであってもよい。
【0007】
放出器は位置決めされ、その結果それらの先端は導電性シートの後ろにある。変形例において放出器は実質上導電性シートと同一面にそれらの先端を有することができる。
【0008】
あらゆる適宜なフィルタが本発明の空気清浄装置に使用され得る。1つの好適な実施の形態において、フィルタは静電式フィルタであってもよい。他の好適な実施形態において、フィルタは繊維媒体フィルタにすることができる。さらに他の好適な実施形態において、フィルタはエレクトレットフィルタであってもよい。エレクトレットフィルタは一連の複数の溝付きプラスチックシート材料を好ましくは含んでいる。
【0009】
本発明のさらに他の好適な実施の形態において、フィルタは高電圧源に接続された層間に電極を有する一連の複数の溝付きプラスチックシート材料を含んでもよい。電極は好ましくはペーパーからなるかまたは導電性のインクを使用して形成される。
【0010】
導電性シートは金属プレートを含むことができる。加えて、孔付きプラスチックスクリーンは導電性シートの上流に設けられてもよい。プラスチックスクリーンは好ましくは1〜10mmの大きさ範囲の開口部を有する比較的平らなシートである。開口部は好ましくは円形または矩形である。変形例においてプラスチックスクリーンは、グリルのような、3次元構造を有することもできる。
【0011】
本発明の好適な実施形態において、導電性シートはコロナ放出器と連係する領域を除いて導電性材料で被覆されたその内面を有するプラスチックグリルを含んでもよい。それらの領域は好ましくは円形である。
【0012】
本発明のさらに他の好適な実施形態において、導電性シートはコロナ放出器と連係する領域を除いて非導電性材料で被覆されたその内面を有する金属グリルを含んでもよい。金属グリルはワイヤメッシュの形にすることができる。非導電性材料はペイントであるかまたはプラスチックからなることもできる。金属グリルの被覆された領域は好ましくは円形である。
【0013】
本発明の装置において前置フィルタを包含するのが好都合である。前置フィルタは前記充填領域の前に位置決めされることができるかまたは前記充填領域と前記フィルタの間に位置決めされてもよい。好適な前置フィルタは、大きさ範囲10〜80個のポア(孔)/インチ(ppi)、より好ましくは30〜60(ppi)において、好ましくはポリエステル型の網状の開放セルポリメリックフォームから作られることができる。好ましくは、前置フィルタは特定の用途の要求に依存して深さにおいて3mmおよび25mmの間にある。
【0014】
本発明を、添付図面に関連して、実施例としてのみ、以下で詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
添付図面の図1および図2を参照して、空気清浄装置10は粒子充填領域12およびフィルタ14を含んでいる。粒子充填領域12は開口部18有する接地された導電性シート16からなり、開口部18を通って空気は矢印の方向に引き出されるかまたは吹き出される。
【0016】
各円形の開口部18の後ろには、通常接地電位にある導電性シート16に関連して高圧で導電性ロッド22に支持される中央に置かれたコロナ放出ピン20が配置されている。放出ピン20によって発生された空気イオン24(鎖線で示されるような)の流れは導電性シート16への電界の影響により移動する。イオン24は放出ピン20の先端から円錐状分布で広がりそしてそれらは実質上すべて導電性シート16にかつとくに各円形の開口部18のまわりの周辺近くに堆積される。粒子充填領域12、コロナ放出ピン20および導電ロッド22の組み合わせは、コロナ放出および粒子充填が制御された電界内で行なわれるので、フィールドチャージャ(電界充填器)として言及される。
【0017】
装置10は、すべての空気流入が導電性シート16の円形の開口部18を通過すべきであるように設計されている。空気の流れ中に懸濁される粒子は各放出ピン20から出ている高速空気イオン24からなる円錐を通って移動すべきである。速く移動する空気イオン24は懸濁された粒子と衝突しかつそれらを電気的に充電する。
【0018】
空気中に懸濁された充電された粒子は、次いで、それらが静電力によって捕捉されかつ空気の流れから効果的に除去されるフィルタ14に流入する。適宜なフィルタ14は静電式集塵器の金属プレート繊維状媒体フィルタまたはエレクトレット材料からなるフィルタにすることができる。しかしながら、好適なフィルタは密閉された電極を有する一連の溝付きのプラスチックシート材料を使用している英国特許第2352658号に記載されたようなフィルタである。充填領域およびフィルタのかかる組み合わせの利点は、非常に高い効率が低い圧力降下および低いコロナ電流で達成され得るということである。
【0019】
粒子充填のために発生されるすべての空気イオンは、放出ピンのコロナ中に発生される。各ピンから出ているこの高速空気イオンの流れは、大きな粒子を吹き飛ばすことが可能であることによってピンが実質上きれいなままであることを保証し、他の方法では放出を停止又は減少するようにピン先端と衝突する。
【0020】
これに反して、添付図面の図3および図4に示されるような、通常の静電式集塵器において、コロナ放出はコロナワイヤ30の長さに沿って生じる。これは、その場合コロナ放電を抑制する大量のダストの粒子を集めるピン先端より非常に大きい露出された区域を示している。実験室での試験は数日間のみでコロナ電流かつそれゆえ有効性の著しい減少を示している。また、コロナワイヤ30の長さに沿うイオン「ウインド(流れ)」の速度はコロナ放出ピンの場合におけるよりも非常に少ない。これらの組み合わされた要因は、コロナ充填ワイヤを有する静電式空気清浄器(クリーナ)が粒子の高い効率の充填を維持するためにより頻繁な清浄を必要とすることを所望する。
【0021】
前述されたような通常の静電式集塵器の他の欠点は、コロナワイヤ30が比較的脆くかつそれらが清掃されるとき容易に屈曲されるかまたは配列がずれ、かくして効率の損失に至るということである。不変の高い効率を保証するために、コロナワイヤフィールドチャージャ32のコロナワイヤ30は中央にかつ2枚の接地プレート34に対して平行に保持されねばならない。さらに他の欠点は、コロナワイヤ30が支持構造に取着されるがそれから絶縁されねばならない場合に、コロナ放電はコロナワイヤ30の端部で有効に発生せず、再び、効率の損失に至るということである。
【0022】
通常の静電式集塵器のさらに他の欠点は、大きな分離距離が、プレート間の電気的故障を防止するために、接地コレクタプレート36と集塵部分40の高圧プレート38との間に必要とされる。代表的には、最大許容電界強度は500V/mmである。これに反して、英国特許第2352658号によって組み立てられた静電式フィルタは、あらゆる電気的故障の危険なしに5000V/mmの運転電界強度を達成することができる。電界強度
の10倍の増加は非常に高い濾過効率または非常に薄いフィルタを達成することができる。
【0023】
これに反して、図面の図1及び図2の実施形態において、すべての空気は円形穴18を通過することによって充填領域12に流入する。この配置の対称は、より高い捕捉効率を結果として生じているフィールドチャージャを通過している空気流中の粒子のすべての充填を確実にする。また、コロナ放出ピン20から放出された空気イオンの速度は、大きなゴミ粒子がピン先端から吹き飛ばされかつピン先端上にゴミの形成を発生するように張り付かないように高い。
【0024】
添付図面の図5に戻って、本発明の第2の実施形態は図1及び図2の実施形態におけるより少ない深さの重点領域50および同様なフィルタ14´を有している。導電ロッド22´上のイオン放出ピン20は導電性シート16の円形開口部と同一の平面においてそれらの鋭い先端を有している。この配置により、イオン放出電流はコロナピンに印加されるあらゆる付与電圧の最大である。記載された実施の形態におけるコロナピンは通常3mm〜30mmの間の長さの鋭いピンであるがコロナ放出は鋸型の三角形歯のごときあらゆる鋭い導電性先端を使用して達成されることができる。この配置によるイオン電流の流れの検査は電流が導電性シート16の円形開口部18の外側および内側の両方に同時に流れることを示している。
【0025】
本発明の第3の実施形態は図面の図6に示されている。プラスチックスクリーンまたはグリルまたはメッシュ60は充填領域62の上流にかつそれに近接して配置される。このプラスチックスクリーン60は空気の自由な流れを許容するように本質的に開放されかつ電気的衝撃を阻止するために保護している。プラスチックスクリーンはそれらが導電性でないならばプラスチック材料から作られることができる。スクリーンは約1mm〜10mmの大きさ範囲の円形または矩形の穴を有する比較的平らなプラスチックシートにすることができるかまたは実質上3次元構造を有することができる。穴に近接してのプラスチックスクリーンの配置はイオン放出に強力に影響を与える。放出ピン上に付与される電圧に関して、電流はプラスチックスクリーンがない実施形態と比較して減少される。この配置についての条件を最適にするために、ピン上の電圧は導電性シート68の円形穴66の内側に実質上流れるイオン放出電流を増大するように増加され得る。
【0026】
添付図面の図7および図8は、図1に示した実施形態の充填領域の導電性シートに取って代わっているプラスチックグリル80を有する第4の実施形態を記載している。プラスチックグリル80は、イオン放出器86の位置決めに対応する円形領域84を除いて導電性被覆(コーティング)で覆われた内面82を有している。導電性被覆のない円形領域84は、イオンが導電性被覆された領域に拡散するのを保証する。この配置は空気流に対するより低い抵抗の利点を有している。
【0027】
第4の実施形態の変形例は、導電性の金属グリル、例えば、イオン放出器の位置決めに対応する非導電プラスチックまたはその内面に印刷されたペイントスクリーンの円形区域を有するワイヤメッシュを使用し、導電性のないこれらの円形領域はイオンが導電性被覆された領域に拡散するのを保証する。
【0028】
記載された実施形態は円形の開口部に関連している。しかしながら、正方形、矩形、第円形または六角形の開口部を含む他の開口形状も有効に利用することができる。
【0029】
本発明の実施形態のすべてに付加されるイオン放出電流を調整するための方法は放出ピンの長さを変化すること、放出ピン先端から開口部の平面への距離を変化すること、開口部の大きさ(20mm〜70mmの穴の大きさの範囲が試験された)を変化すること、放出ピンに印加される電圧を変化することおよびフィールドチャージャの深さを変化することを含んでいる。
【0030】
図1および図4に示されたような第1および第2の実施形態は、正方形または矩形の開口部に関連して中央に置かれるコロナ放出ピン20とともに導電性シートの正方形または矩形の開口部を使用することによって変更され得る。これらの開口部は、シート金属を切断または穴明けすることを含んでいる種々の手段によって、ロッドのグリッドを形成することによって、または、他の実施形態のすべてにより可能であるように、導電性プラスチックにそれらを形成することによって作られることができる。非常に低い圧力降下が要求される用途において、導電性シートの全体の区域に対する正方形または矩形の開口部の開放された区域の比率は最大にされる。
【0031】
本発明の他の実施形態は導電性シートの六角形の開口部を使用しかつコロナ放出ピン20が各六角形の開口部に関連して中央に置かれるので、他のすべての態様において、図1および図4の実施形態と同様である。
【0032】
4つの異なるフィールドチャージャの設計を使用している性能特性の比較を次に表1および2、およびチャート1に関連して記載する。
【0033】
共通のフィルタ(T464)が各異なるフィールドチャージャと連係して使用された。空気流は2.5メートル/秒の面速度で制御された。試験エアゾールが塩化ナトリウム粒子を使用して発生された。効率は空気清浄装置の上流および下流で0.3ミクロンの大きさの粒子を測定している粒子カウンタ(ライトハウス社手持ちモデル3016)を使用して決定された。
【0034】
フィルタ(T464)は、深さ25mm、カーボンインク電極の幅10mm、高さ1.5mmにより英国特許第2352658号によって組み立てられかつ8キロボルトの電位で作動する静電式フィルタであった。
【0035】
通常のワイヤおよびプレートフィールドチャージャ32(表1および図3参照)は22mmだけ離れて設定された金属プレート間で中央に嵌合された直径0.2mmのタングステンコロナワイヤ30を使用して構成された。プレートの深さは11mmであった。
【0036】
正方形、円形および六角形開口フィールドチャージャ(表1および図1参照)は直径3mmの導電スチールロッド22上に支持された長さ10mmおよび直径0.6mmのコロナ放出ピン20を備えた。
【0037】
表1
フィールドチャージャ型式 有効サイズ 深さ 開口数 開口部の大きさ
正方形グリッド 200×200mm 17mm 16 43
円形の穴 200×200mm 13mm 16 42
従来のワイヤ/プレート 200×200mm 11mm n/a n/a
六角形フィルタ型 200×200mm 16mm 33 40
フィルタT464 200×200mm 25mm n/a n/a
【0038】
表2の試験結果は、円形穴、正方形グリッド開口部、六角形開口部および従来のコロナワイヤおよびプレートフィールドチャージャを使用する濾過効率を示している。
【0039】
効率は表2に示されかつ図面の図9にプロットされたようなフィールドチャージャの各々に関してコロナ電流を増加して決定された。
【0040】
表2
種々のフィールドチャージャを使用する濾過効率(%)
コロナ電流 正方形グリッド 円形の穴 従来のワイヤ/プレート 六角形
(μA) (%) (%) (%) (%)
16 85.9 86.4 55.8 83.5
32 92.5 96.9 73.6 94.9
48 95.9 99.3 85.6 97.6
64 98.2 99.6 91.4 99.6
80 98.4 99.9 95.8 99.8
【0041】
理解され得ることは、コロナ電流のμA当たりの最高の効率が円形の開口部のフィールドチャージャによって達成されたということである。より低い効率は正方形グリッドおよび六角形の開口部により達成されそしてすべての最低の効率は従来のコロナワイヤよびプレートフィールドチャージャを使用して達成された。
【0042】
大量のダストの負荷が予想される場合、それらの用途における濾過効率の増加に関連するさらに他の改良は、プレフィルタ(前置フィルタ)、フィールドチャージャ、静電式主フィルタの組み合わせを使用することによって達成されることができる。
【0043】
前置フィルタはより大きい粒子および繊維を捕捉しかつ主フィルタにより小さい粒子を捕捉させるための手段を設けるために通常の媒体フィルタと組み合わせて通常使用される。前置フィルタなしで、主媒体フィルタは大きいおよび小さい粒子の両方を捕捉し結果としてフィルタを横切る圧力降下の急激な上昇を生じかつしたがってフィルタの寿命を短くする。市場の媒体フィルタの圧力降下が一定の値(しばしば、およそ250パスカル)を超えるとき、フィルタは取り除かれかつ新しいフィルタと交換される。それが適所に残されるならば、その場合に空気流比は減少され、ファンモータへの動力は増大しかつ空気流中のあらゆる空調設備のエネルギ効率比は著しく減少される。
【0044】
大きな粒子を捕捉するために適所の前置フィルタにより、組み合わされた前置フィルタおよび主フィルタは寿命圧力値の終りに到達するのを長くする。この用途において、前置フィルタの使用は、それがダストで負荷されるので、濾過の効率に顕著な影響を持たない。
【0045】
しかしながら、際立っているのは、組み合わされたフィールドチャージャと静電式フィルタを有する適宜な前置フィルタを備えることが過度に負荷されたフィルタ装置における効率の顕著な改善を生じ得るということである。
【0046】
添付図面の図10はフィールドチャージャと静電式フィルタの組み合わせの上流の前置フィルタ9の位置を示している。図面の図1におけるそれらと同様な部分は同一の参照番号が付与されている。前置フィルタは、大きさ範囲10〜80個のポア(孔)/リニアインチ(ppi)、より好ましくは30〜60ppiにおいて、好ましくはポリエステル型の網状開放セルポリメリックフォームを使用して好ましくは構成される。好ましくは、前置フィルタは特別な用途の要求に依存して深さにおいて3mmと25mmの間である。
【0047】
図面の図11は、前置フィルタ11がフィールドチャージャと静電式フィルタとの間に挟まれている、図10の実施形態についての変形例を示している。この配置は幾らかの空間節約を許容しかつそこで空間が制限されるそれらの状況に適用し得る。
【0048】
以下に続くのは、適切な前置フィルタの使用により達成される効率の改善を例示する試験の説明である。
【0049】
濾過効率および圧力降下は先ずダストによる負荷(表3および図11参照)前にかつまた負荷後に測定される。第1の場合に前置フィルタは使用されずかつ第2の場合に深さ12mm、45個のポア(孔)/インチの前置フィルタがフィルタX581の直ぐ上流に配置された。利用された試験ダストはASHRAE52:2の試験ダストでありかつ負荷は大きさ24×24インチのフィルタ上で150グラムの当量となった。これは大量のダスト負荷を示している。ダストが負荷された後、効率性能試験が、ライトハウス社手持ちモデル3016粒子カウンタを使用している0.3ミクロンの粒子サイズでの測定により塩化ナトリウムの試験エアゾールを使用して実施された。空気の流れはすべての試験にわたって2.5メートル/秒のフィルタ面速度で制御された。
【0050】
表3
負荷前の効率 負荷後の効率 負荷前の圧力降下 負荷後の圧力降下
(%) (%) (パスカル) (パスカル)
前置フィルタなし 98.7 36 35 45
前置フィルタあり 98.6 97.9 58 98
フィルタX581 静電式、37mm深さ 1.5mm溝 8kv
フィールドチャージャ型 5μA/ピンを有する円形の開口部
前置フィルタ型 VitecRS45−FR,12mm深さ、35ppi
【0051】
表3の結果は、前置フィルタなしで効率が98.7%から負荷後36%へ降下し、これに反して前置フィルタありで、効率が98.6%から負荷後97.9%へ降下したのみであることを示している。
【0052】
この型の空気清浄装置の他の利点は真空または洗浄によって容易に清掃され、かつ通常の媒体フィルタによる場合であるように、交換される必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施形態のフィールドチャージャおよびフィルタを通る断面図である。
【図2】あたかも観察者から離れた紙面に流れている空気とともに図1のフィールドチャージャを示す平面図である。
【図3】従来の静電式集塵器のコロナワイヤフィールドチャージャおよび集塵器を通る断面図である。
【図4】あたかも観察者から離れた紙面に流れている空気とともに図3の静電式集塵器を示す平面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態のレスディープフィールドチャージャおよびフィルタを通る断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態のレスディープフィールドチャージャおよびこのフィールドチャージャの前方にプラスチックスクリーンまたはグリルを有するフィルタを通る断面図である。
【図7】図1及び図2の実施形態の導電性シートに代わるプラスチックグリルを使用する第4の実施形態を示す図である。
【図8】図1及び図2の実施形態の導電性シートに代わるプラスチックグリルを使用する第4の実施形態を示す図である。
【図9】フィールドチャージャの性能のプロット図である。
【図10】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図11】図10の実施形態の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
10 空気清浄装置
12 粒子充填領域
14 フィルタ
16 導電性シート
18 開口部
20 コロナ放出ピン
22 導電ロッド
24 空気イオン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気が通過し得る複数の開口部を有する導電性シートと、各々開口部と連係される複数のコロナ放出器を有する粒子充填領域と、フィルタとを有していることを特徴とする空気清浄装置。
【請求項2】
前記開口部が円形であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
【請求項3】
前記開口部が正方形または矩形であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
【請求項4】
前記開口部が六角形であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
【請求項5】
各開口部がそれと連係するコロナ放出器を有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の空気清浄装置。
【請求項6】
各コロナ放出器が開口部の中央にあることを特徴とする請求項5記載の空気清浄装置。
【請求項7】
前記放出器が導電性ロッド上に支持されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載の空気清浄装置。
【請求項8】
前記放出器がピンであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項記載の空気清浄装置。
【請求項9】
前記ピンが長さにおいて3および30mmの間にあることを特徴とする請求項1記載の空気清浄装置。
【請求項10】
前記放出器が三角形の歯であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項記載の空気清浄装置。
【請求項11】
前記放出器が前記導電性シートの後ろにおいてそれらの先端を有することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項記載の空気清浄装置。
【請求項12】
前記放出器が前記導電性シートと実質上同一面内にそれらの先端を有することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項記載の空気清浄装置。
【請求項13】
前記フィルタが静電式フィルタであることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項記載の空気清浄装置。
【請求項14】
前記フィルタが繊維媒体フィルタであることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項記載の空気清浄装置。
【請求項15】
前記フィルタがエレクトレットフィルタであることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項記載の空気清浄装置。
【請求項16】
前記エレクトレットフィルタが一連の複数の溝付きプラスチックシート材料を含んでいることを特徴とする請求項15記載の空気清浄装置。
【請求項17】
前記フィルタが高電圧源に接続された層間に電極を有する一連の複数の溝付きプラスチックシート材料を含んでいることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項記載の空気清浄装置。
【請求項18】
前記電極がペーパーであることを特徴とする請求項17記載の空気清浄装置。
【請求項19】
前記導電性シートが金属プレートを含んでいることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1項記載の空気清浄装置。
【請求項20】
さらに、前記導電性プレートの上流に穴の明いたプラスチックスクリーンを含んでいることを特徴とする請求項14記載の空気清浄装置。
【請求項21】
前記プラスチックスクリーンが1〜10mmの大きさ範囲の開口部を有する比較的平らなシートであることを特徴とする請求項20記載の空気清浄装置。
【請求項22】
前記開口部が円形または矩形であることを特徴とする請求項21記載の空気清浄装置。
【請求項23】
前記プラスチックスクリーンが3次元構造を有することを特徴とする請求項20記載の空気清浄装置。
【請求項24】
前記プラスチックスクリーンがメッシュであることを特徴とする請求項23記載の空気清浄装置。
【請求項25】
前記導電性シートがコロナ放出器と連係する領域を除いて導電性材料で被覆されたその内面を有するプラスチックグリルを含んでいることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1項記載の空気清浄装置。
【請求項26】
前記領域が円形であることを特徴とする請求項25記載の空気清浄装置。
【請求項27】
前記導電性シートがコロナ放出器と連係する領域を除いて非導電性材料で被覆されたその内面を有する金属グリルを含んでいることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1項記載の空気清浄装置。
【請求項28】
前記金属グリルがワイヤメッシュであることを特徴とする請求項27記載の空気清浄装置。
【請求項29】
前記非導電性材料がペイントであるかまたはプラスチックからなることを特徴とする請求項27または28記載の空気清浄装置。
【請求項30】
前記領域が円形であることを特徴とする請求項27または28または29記載の空気清浄装置。
【請求項31】
前置フィルタを含んでいることを特徴とする請求項1ないし30のいずれか1項記載の空気清浄装置。
【請求項32】
前記前置フィルタが前記充填領域の前にあることを特徴とする請求項31記載の空気清浄装置。
【請求項33】
前記前置フィルタが前記充填領域と前記フィルタの間にあることを特徴とする請求項31記載の空気清浄装置。
【請求項34】
前記前置フィルタが網状の開放セルポリマフォームからなることを特徴とする請求項31,32また33記載の空気清浄装置。
【請求項35】
前記前置フィルタが10〜80ポア/インチを有することを特徴とする請求項31ないし34のいずれか1項記載の空気清浄装置。
【請求項36】
前記前置フィルタが30〜60ポア/インチを有することを特徴とする請求項35記載の空気清浄装置。
【請求項37】
前記前置フィルタが深さにおいて3および25mmの間にあることを特徴とする請求項31ないし34のいずれか1項記載の空気清浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2007−533445(P2007−533445A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−508970(P2007−508970)
【出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【国際出願番号】PCT/GB2005/001534
【国際公開番号】WO2005/102534
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(504083055)ダーウィン テクノロジー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Darwin Technology Limited
【住所又は居所原語表記】Beacon House, 1Willow Walk, Woodley Park, Skelmersdale, Lancashire,WN8 6UR, UK
【Fターム(参考)】