説明

空気調和機のリモコン装置および機能設定方法

【課題】管理者は、空気調和機の各種機能をパスワードで管理するか否かを自由に選択することができ、管理されている機能か否かを事前に把握可能な空気調和機のリモコン装置および機能設定方法を提供するようにする。
【解決手段】LCDユニット13に表示されるメニュー画面には、管理機能メニューと設定項目メニューとがある。MPUボード12は、入力部14からLCDユニット13に表示されたメニュー画面のうち管理機能メニューが選択されると、管理者であることを確認するためのパスワード入力画面をLCDユニット13に表示させる。MPUボード12は、入力部14から入力されたパスワードとメモリ17に記憶されているパスワードデータとを照合し、一致した場合に設定内容の中から選択的に設定された設定項目を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機のリモコン装置および機能設定方法に関し、特に、一般ユーザと管理者とがリモコン装置を共用しながら空気調和機の各種設定を行う空気調和機のリモコン装置および機能設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、所定のシステムに備わっている各機能毎にパスワード属性情報が付与され、そのシステムの各機能に対してアクセスする際に、各機能に付与されているパスワード属性情報に基づいて、当該機能のパスワード管理を行い、パスワード属性情報に基づいて、パスワード入力を必要とする機能については、パスワード属性情報に規定されたパスワードが入力されたか否かによって使用の可否を決定する暗証管理システムおよび防災システムおよび暗証管理方法が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−63963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、従来の暗証管理システムは、パスワードを用いてシステムの機能管理を行っていた。しかしながら、このような暗証管理システムにあっては、システム機能の設定や変更に用いるリモコン装置を一般ユーザと管理者とで共用する場合、管理者のみが設定変更可能な機能はパスワードで管理し、一般ユーザでも設定変更可能な機能についてはパスワード入力を不要としたが、パスワードで管理すべき機能が予め固定されており、容易に変更できないため、管理者や一般ユーザにとって使い難いシステムであった。
【0005】
また、この暗証管理システムは、どの機能がパスワードで管理されているのかを事前に把握することができないという問題があった。つまり、従来の暗証管理システムは、ある機能を設定変更しようとしてパスワードが要求されて初めて管理されている機能であることがわかる。このため、管理されている機能か否かの全体の機能管理状況を把握するには、取り扱い説明書を読むなど、機器の操作とは別の作業が必要であった。
【0006】
さらに、この暗証管理システムは、各機能単位でパスワードが設定されていることから、複数の機能をまとめて設定変更しようとすると、各機能毎に毎回パスワードが要求されるため、設定変更操作が非常に面倒になるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、空気調和機の各種機能をパスワードで管理するか否かを管理者が自由に選択することができ、管理されている機能か否かを事前に把握することのできる空気調和機のリモコン装置および機能設定方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、管理者と一般ユーザとが共用するリモコン装置を使って空気調和機の各種機能を選択しその設定内容を変更可能な空気調和機のリモコン装置であって、前記各種機能を選択するメニュー画面および前記設定内容を操作する設定画面を表示する表示部と、前記各種機能の選択および前記設定内容の操作に必要な情報と、任意のパスワードとを入力する入力部と、前記入力部で入力された情報に基づいて、選択された前記メニュー画面および前記設定画面を前記表示部に表示しながら空気調和機の各種機能の設定処理を行う制御部と、前記メニュー画面や前記設定画面を表示するための画像データと、予め設定されたパスワードデータと、予め前記設定内容の中から選択的に設定された設定項目と、前記各種機能の設定処理を行うプログラムデータとを記憶する記憶部と、を備え、前記表示部に表示される前記メニュー画面には、予め管理者により前記設定内容の中から選択的に設定された設定項目を表示する管理機能メニューと、前記管理者あるいは前記一般ユーザが各設定項目の内容を閲覧する設定項目メニューとがあり、前記制御部は、前記入力部で前記管理機能メニューが選択されると、パスワード入力画面を前記表示部に表示し、前記入力部から任意のパスワードが入力されると、前記記憶部に記憶されているパスワードデータと入力パスワードとを照合し、一致した場合に前記設定内容の中から選択的に設定された設定項目を表示することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記制御部は、前記入力部で前記管理機能メニューが選択されると、パスワード入力画面を前記表示部に表示し、前記入力部からパスワードが入力されると、前記記憶部に記憶されているパスワードデータと入力パスワードとを照合し、一致した場合に前記設定内容の中から選択的に設定された設定項目に加えて、設定項目の追加/削除ボタンを表示し、前記追加/削除ボタンが選択されると、前記設定内容の中から選択的に設定された設定項目と、前記一般ユーザも設定変更可能な設定項目とが判別できる一覧表示を行うことが望ましい。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記制御部は、前記表示部に表示する前記設定内容の中から選択的に設定された設定項目と、前記一般ユーザも設定変更可能な設定項目とが判別できる一覧表示として、各設定項目毎に前記管理者のみが設定変更可能な項目か、前記一般ユーザも設定変更可能な項目かを示す属性情報を、前記管理者が前記入力部によって前記属性情報を変更することにより、ある設定項目を設定変更する際にパスワード入力を要する項目とするか否かを選択できるようにすることが望ましい。
【0011】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記制御部は、前記入力部で前記設定項目メニューが選択されると、選択された設定項目メニューに関連する設定画面を前記表示部に表示し、当該表示された設定画面が前記管理者のみが設定変更可能な設定項目の場合は、その旨を知らせるマークを追加表示することが望ましい。
【0012】
また、本発明は、管理者と一般ユーザとが共用するリモコン装置を使って空気調和機の各種機能を選択しその設定内容を変更可能な機能設定方法であって、前記リモコン装置は、表示部と、入力部と、制御部と、記憶部とを備え、前記表示部が、前記各種機能を選択するメニュー画面および前記設定内容を操作する設定画面を表示する表示工程と、前記入力部が、前記各種機能の選択および前記設定内容の操作に必要な情報と、任意のパスワードとを入力する入力工程と、前記制御部が、前記入力部で入力された情報に基づいて、選択された前記メニュー画面および前記設定画面を前記表示部に表示しながら空気調和機の各種機能の設定処理を行う設定工程と、を含み、前記表示工程で表示される前記メニュー画面には、予め管理者により前記設定内容の中から選択的に設定された設定項目を表示する管理機能メニューと、前記管理者あるいは前記一般ユーザが各設定項目の内容を閲覧する設定項目メニューとがあり、前記設定工程で前記入力部から前記管理機能メニューが選択されると、パスワード入力画面を前記表示部に表示し、前記入力部から任意のパスワードが入力されると、予め設定され前記記憶部に記憶されているパスワードデータと入力パスワードとを照合し、一致した場合に前記設定内容の中から選択的に設定された設定項目を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、表示部に表示されるメニュー画面には、予め管理者により設定内容の中から選択的に設定された設定項目を表示する管理機能メニューと、管理者あるいは一般ユーザが各設定項目の内容を閲覧する設定項目メニューとがあり、制御部は、入力部で管理機能メニューが選択されると、パスワード入力画面を表示部に表示し、入力部から任意のパスワードが入力されると、記憶部に記憶されているパスワードデータと入力パスワードとを照合し、一致した場合に設定内容の中から選択的に設定された設定項目を表示する。このため、管理者は、空気調和機の各種機能をパスワードで管理するか否かを自由に選択することができ、管理されている機能か否かを事前に把握できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本実施例にかかる空気調和機のリモコン装置の外観図である。
【図2】図2は、本実施例にかかる空気調和機の室内機とリモコン装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、本実施例にかかる空気調和機のリモコン装置を用いた各種機能の設定動作を説明するフローチャートである。
【図4】図4は、リモコン装置の表示部に表示されるモニター画面の表示例である。
【図5−1】図5−1は、リモコン装置の表示部に表示されるメインメニュー画面の表示例である。
【図5−2】図5−2は、図5−1のメインメニュー画面に表示されるメニューの一覧を示す図である。
【図6−1】図6−1は、リモコン装置の表示部に表示されるパスワード入力画面の表示例である。
【図6−2】図6−2は、リモコン装置の表示部に表示される管理機能メニュー画面の表示例である。
【図6−3】図6−3は、リモコン装置の表示部に表示される管理機能追加削除画面の表示例である。
【図6−4】図6−4は、図6−3の管理機能追加削除画面に表示される機能の一覧を示す図である。
【図6−5】図6−5は、図6−2の管理機能メニューに表示されたONタイマー画面の表示例である。
【図6−6】図6−6は、図6−2の管理機能メニューに表示された設定温度自動復帰の設定内容選択画面の表示例である。
【図6−7】図6−7は、図6−6の設定内容選択画面で動作/解除の設定を選択した場合の表示例である。
【図6−8】図6−8は、図6−6の設定内容選択画面で温度条件の設定を選択した場合の表示例である。
【図7−1】図7−1は、図5−1のメインメニュー画面で省エネメニューを選択した場合の表示例である。
【図7−2】図7−2は、図7−1の省エネメニュー画面でECONOMYを選択した場合の設定画面の表示例である。
【図7−3】図7−3は、図7−1の省エネメニュー画面で設定温度自動復帰を選択した場合の設定内容選択画面の表示例である。
【図7−4】図7−4は、図7−3の設定内容選択画面で動作/解除の設定を選択した場合の表示例である。
【図7−5】図7−5は、図7−3の設定内容選択画面で温度条件の設定を選択した場合の表示例である。
【図8−1】図8−1は、図5−1のメインメニュー画面でタイマーメニューを選択した場合の表示例である。
【図8−2】図8−2は、図8−1のタイマーメニューに表示されたONタイマー画面の表示例である。
【図8−3】図8−3は、図8−1のタイマーメニューに表示されたOFFタイマー画面の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明にかかる空気調和機のリモコン装置および機能設定方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0016】
まず、本実施例にかかる空気調和機のリモコン装置の構成について説明する。図1は、本実施例にかかる空気調和機のリモコン装置の外観図であり、図2は、本実施例にかかる空気調和機の室内機とリモコン装置の概略構成を示すブロック図である。
【0017】
本実施例にかかる空気調和機のリモコン装置1は、図1に示すように、リモコン装置1の操作情報や操作を行うエアコン室内機の運転情報(運転モード、設定温度、風量等)を表示する表示部としてのLCDユニット13が上半分側に設けられ、エアコン室内機を操作する入力部14が下半分側に配置されている。入力部14は、さらに十字ボタン14a、決定ボタン14b、運転モードボタン14c、メニューボタン14d、キャンセルボタン14e、風量ボタン14f、およびオン/オフボタン14gからなっている。運転表示ランプ14hは、ここではLEDが用いられ、オン/オフボタン14gによってエアコン室内機が運転中の間、点灯する。
【0018】
十字ボタン14aは、設定値を変更したり、選択項目を切り替えるためにLCDユニット13の画面上のカーソル位置を各ボタンの方向に移動させたりする。
【0019】
決定ボタン14bは、十字ボタン14aで変更した設定値を決定したり、切り替えた項目を選択したりするものである。
【0020】
運転モードボタン14cは、エアコン室内機の運転モード(冷房、暖房、除湿等)をサイクリックに切り替えるものである。
【0021】
メニューボタン14dは、メインメニュー画面を表示させるものである。
【0022】
キャンセルボタン14eは、選択中の項目の選択を解除したり、1つ前の階層に戻したりするものである。
【0023】
風量ボタン14fは、エアコン室内機の送風量(微、弱、中、強)をサイクリックに切り替えるものである。
【0024】
オン/オフボタン14gは、エアコン室内機の運転開始と運転停止を行うものである。
【0025】
空気調和機としてのエアコン室内機2の操作や機能設定を行うリモコン装置1は、図2に示すように構成されている。つまり、エアコン室内機2とリモコン装置1は、ここでは、RFモジュールによる双方向無線通信を利用して、リモコン装置1からエアコン室内機2に対して遠隔操作や各種設定を行い、エアコン室内機2から各種運転情報をリモコン装置1が取得すると、リモコン装置1のLCDユニット13にそれらの情報を表示させて、運転管理や各種設定に利用する。
【0026】
リモコン装置1は、エアコン室内機2との間で双方向無線通信を行うための送受信機やアンテナ等を含むRFモジュール11、各部を制御するMPU(マイクロプロセッサユニット)が搭載されたMPUボード12、メニュー画面や設定画面やエアコン室内機2の運転情報等を表示するLCDユニット13、エアコン室内機2の運転操作や各種機能の設定を行う入力部14、時間管理を行う計時専用のRTC(リアル・タイム・クロック)15、リモコン装置1の各部に電力を供給する電池16、および、LCDユニット13に表示する画面データや予め設定されたパスワードや各種機能の設定処理を行うプログラムデータ等を記憶する記憶部としてのメモリ17により構成されている。
【0027】
エアコン室内機2は、リモコン装置1のRFモジュール11と双方向無線通信を行うRFモジュール21、RFモジュール21で受信したリモコン装置1からのコマンドに基づいてエアコン室内機2の各部を制御すると共に、エアコン室内機2の運転情報を収集するMPUが搭載されたMPUボード22、および、計時手段としてのRTC23を備えている。
【0028】
本実施例にかかる空気調和機のリモコン装置1は、空気調和機の各種機能を設定する際に、LCDユニット13に表示されるメニュー画面や設定画面における表示内容や表示順序を工夫することで、パスワード入力の有無により管理する空気調和機の各種機能を変更したり、1度に複数の機能設定を行う場合でもパスワードの入力回数を少なくしたり、空気調和機の各種機能のうちどの機能がパスワードで管理されているのかが把握できるようにした点に特徴がある。
【0029】
図3は、本実施例にかかる空気調和機のリモコン装置を用いた各種機能の設定動作を説明するフローチャートであり、図4〜図8−3に示すモニター画面の表示例を参照しながら設定動作を説明する。
【0030】
まず、図1のリモコン装置1は、ユーザがオン/オフボタン14gを押下して、エアコン室内機2に電源が投入されると、エアコン室内機2の情報がRFモジュール21、11を介してリモコン装置1で取得され(ステップS100)、LCDユニット13にモニター画面として表示される(ステップS102)。このモニター画面では、図4に示すように、リビングにあるエアコン室内機2の運転モードが冷房(Cool)に設定され、設定温度が26℃で、風量が強(High)に設定されていることがわかる。
【0031】
ここで、ユーザがリモコン装置1のメニューボタン14dを押下すると(ステップS104でYes)、図5−1に示すようなメインメニュー画面が表示される(ステップS106)。このメインメニュー画面には、風向設定、省エネメニュー、タイマーメニュー、およびメンテナンスメニューが表示されているが、メインメニューの項目はこれに限らず、図5−2に示すように、さらに初期設定メニュー、管理機能メニュー、設定状況一覧、および、非表示の施工/サービスメニューなどがある。これらのメニューをLCDユニット13に表示するには、リモコン装置1の十字ボタン14bの上下ボタンを使ってメニューをスクロールさせる。
【0032】
メインメニュー画面には、図5−2に示すように、「06 管理機能メニュー」がある。この管理機能メニューとは、リモコン装置1を利用して空気調和機の運転内容や各種機能を設定するにあたって、パスワードを要求し、正しいパスワード入力がないと設定操作を受け付けないようにする機能を、管理者が選択する場合の管理者専用の特別なメニューである。この管理機能メニュー以外の設定項目メニューについては、一般ユーザも自由に利用することができる。ここでいう、管理者と一般ユーザとは、業務用エアコンなどの場合、運転管理を行う管理者とエアコンを利用する一般ユーザとの関係に置き換えることができる。また、家庭用エアコンの場合は、子供が悪戯でエアコンの設定を無闇に変更することがないよう、親を管理者、子供を一般ユーザに置き換えることができる。つまり、エアコンの各種機能の設定を管理者と一般ユーザに分けて管理するのは、エアコンの多機能化により設定項目が多くなると、常に適切な設定を行うことが難しく、不適切な設定が行われたことで無駄な電力消費や効率の悪い運転が行われるのを防止するためである。
【0033】
そこで、リモコン装置1のLCDユニット13に表示されたメインメニュー画面の中から、何が選択されるかにより、処理が異なってくる(ステップS108)。リモコン装置1のキャンセルボタン14eが押下されると、図4のモニター画面表示(ステップS102)に戻る。
【0034】
また、ステップS108において、メインメニューの中から「06 管理機能メニュー」が十字ボタン14aで選択され、決定ボタン14bが押下されると、図6−1に示すパスワード入力画面が表示される(ステップS110)。この画面で管理者が任意のパスワードを入力部により入力すると、リモコン装置1のMPUボード12は、入力されたパスワードとメモリ17に記憶されている設定パスワードと照合し、入力されたパスワードが正しければ適正な管理者と判断して(ステップS112でYes)、図6−2に示す管理機能メニュー画面をLCDユニット13に表示させる(ステップS114)。
【0035】
この管理機能メニューに表示されるメニューは、管理者が以前設定した内容により異なる。つまり、図6−2の管理機能メニュー画面に表示されるのは、管理者がパスワードにて管理すべき機能として設定した項目(図6−2では、「ONタイマー」と「設定温度自動復帰」)と、その設定変更(管理すべき機能として設定する項目の追加あるいは削除)を行うための(+追加/−削除)メニューとなる。管理者がパスワードにて管理すべき機能が無いと判断した場合は、管理機能メニュー画面には(+追加/−削除)メニューしか表示されないことになる。
【0036】
図6−2の管理機能メニューにおいて、管理者が何を選択するかによって処理が異なってくる(ステップS116)。リモコン装置1のキャンセルボタン14eが押下されると、図5−1のメインメニュー画面が表示される(ステップS106)。
【0037】
ステップS116において、管理機能メニューの中から「+追加/−削除」のメニューが十字ボタン14aで選択され、決定ボタン14bが押下されると、図6−3に示す管理機能追加削除画面が表示される(ステップS118)。この管理機能追加削除画面には、空気調和機の各種機能の設定項目が全て表示されており、各項目毎に管理者のみが設定変更可能でパスワード入力を要求する「Lock」と、一般ユーザも設定変更可能な「Free」のどちらに設定されているかの属性を表す属性情報を表示するようになっている。図6−3では、ONタイマー、スケジュールタイマー、消し忘れ防止タイマー、および設定温度自動復帰の4つの機能しか表示されていないが、画面をスクロールさせることにより、図6−4に示すような各項目を順次表示させることができる。
【0038】
そして、管理者がパスワードをかける機能を変更したい場合は、図6−3に示される管理機能追加削除画面の中の所定の項目を上下の十字ボタン14aを使って選択し、左右の十字ボタン14aを使って「Lock」と「Free」の切り替えを行い、決定ボタン14bを押下することで、設定が変更される(ステップS120でYes)。複数の項目を選択する場合は、個々に決定ボタン14bを押下せずに、変更したい全ての機能を選択した後、決定ボタン14bを押下すれば、複数の設定をまとめて変更できる。設定が変更されると、図6−2に示す、管理機能メニュー画面表示(ステップS114)に戻る。
【0039】
また、図6−2の管理機能メニュー画面で表示されている「ONタイマー」機能を選択した場合は(ステップS116→表示された機能)、図6−5に示すような「ONタイマー」の設定画面が表示される。ここでは、「ONタイマー」が動作(Enable)状態にあり、60分後に運転を開始する設定になっている。この設定内容を変更する場合は、管理者が十字ボタン14aを使って変更箇所を選択し、変更内容を選択して、決定ボタン14bを押下すれば良い。設定が変更された場合は(ステップS120でYes)、図6−2に示す、管理機能メニュー画面に戻る(ステップS114)。また、閲覧のみで設定変更しない場合は、キャンセルボタン14eを押下して管理機能メニュー画面表示(ステップS114)に戻る。
【0040】
また、図6−2の管理機能メニュー画面で表示されている「設定温度自動復帰」機能を選択した場合は(ステップS116→表示された機能)、図6−6に示すような「設定温度自動復帰」の設定内容選択画面が表示される。ここでは、動作(Enable)/解除(Disable)の設定項目と、温度条件の設定(Setting)の設定項目とが表示されている。「Enable/Disable」の項目を選択し、決定ボタン14bを押下すると、図6−7に示すように、設定温度自動復帰に関するEnableとDisableの選択画面が表示される。管理者は、十字ボタン14aを使ってEnableとDisableの何れかを選択し、決定ボタン14bを押下することで、「設定温度自動復帰」を動作させるか、解除するかを設定できる。また、図6−6において、管理者が温度条件の設定(Setting)を選択すると、図6−8に示すように、温度条件の設定画面が表示され、温度条件や復帰時間等の変更を行うことが可能になる。設定が変更された場合は(ステップS120でYes)、図6−2の管理機能メニュー画面表示(ステップS114)に戻る。また、閲覧のみで設定変更しない場合は、キャンセルボタン14eを押下することで管理機能メニュー画面表示(ステップS114)に戻る。
【0041】
以上の設定動作は、管理者がメインメニューから管理機能メニューを選択して、パスワードをかける機能を変更したり、設定項目の設定内容を変更したりする場合である。このように、管理者用の管理機能メニューから入る場合は、最初にパスワード入力画面があって、ここで適正な管理者であることが確認できるため、管理機能メニューの中で複数の設定変更を行う場合であっても、一々パスワードを入力する必要がなくなり、設定変更手続きが煩わしくなくなる。また、パスワードをかける機能の項目を変更できるため、機能管理を柔軟に対応させることが可能となり、例えば管理者が居ない状況下で使われる場合にパスワード入力を省略するなど、状況に応じて使い勝手を改善することができる。さらに、管理機能メニューに表示される機能は、管理者のみが設定変更できる機能をまとめて表示するため、管理者にとってわかりやすくなる。また、管理機能追加削除画面では、全ての機能の設定変更項目を一覧表示し、パスワードが必要な「Lock」と、パスワードが不要な「Free」との何れかに属性情報を示すチェックを入れて表示しているため、設定変更項目の状態を容易に把握することができる。
【0042】
次に、図3のステップS106のメインメニュー画面表示(図5−1参照)において、管理機能メニュー以外の設定項目メニューが選択された場合について説明する(ステップS108→設定項目メニュー)。この設定項目メニューは、管理者に限らず一般ユーザもパスワード入力せずに利用することができる。
【0043】
図5−1に示すメインメニュー画面で、省エネメニューを十字ボタン14aで選択し、決定ボタン14bが押下されると(ステップS108→設定項目メニュー)、図7−1に示すように、設定項目メニューである省エネメニュー画面が表示される(ステップS126)。この省エネメニューには、「ECONOMY」、「設定温度自動復帰」、「設定温度範囲制限」、「セットバック/セットアップ」の各メニューが表示されている(ステップS128)。図7−1では、「ECONOMY」が選択された状態で、リモコン装置1の決定ボタン14bを押下すると、図7−2に示す、「ECONOMY」の設定画面が表示される(ステップS130)。図7−2の「ECONOMY」の設定は、図6−4に示すように「Free」に該当するため、パスワードを入力することなく一般ユーザも設定変更できる(ステップS132でNo)。十字ボタン14aで動作(Enable)あるいは解除(Disable)を選択して決定ボタン14bが押下されると、設定が変更されて(ステップS138でYes)、図7−1の設定項目メニュー画面に戻る。また、設定変更が行われず、キャンセルボタン14eが押下された場合も(ステップS140)、現在の設定状態のまま図7−1の設定項目メニュー画面に戻る。
【0044】
また、図7−1の省エネメニュー画面が表示されている状態で(ステップS126)、「設定温度自動復帰」が選択された場合は、図7−3に示すように、設定内容選択するメニュー画面が表示される(ステップS128)。図7−3では、「設定温度自動復帰」の動作(Enable)/解除(Disable)の設定を行うか、温度条件の設定(Setting)を行うかを選択する(ステップS128→選択)。動作/解除の設定を選択した場合は、図7−4に示す設定画面が表示される(ステップS130でYes)。図7−4に示す、「設定温度自動復帰」の設定は、図6−4に示すように、「Lock」に該当するため、パスワード入力が必要となる設定項目である。つまり、管理者のみが設定変更可能である(ステップS132でYes)。このため、リモコン装置1のMPUボード12は、図6−7で使用した画像データに、括弧付きの「P」マーク(パスワードマーク)20を付加することにより(ステップS134)、この設定変更にはパスワード入力が必要なことがわかる。管理者であれば、パスワードを入力して設定変更することも可能であるが(図3のフローチャートでは省略)、一般ユーザの場合は、パスワードを知らないため、キャンセルボタン14eを押下して、ステップS126の設定項目メニュー画面に戻る。
【0045】
また、図7−3で温度条件の設定(Setting)を選択すると(ステップS128→選択)、図7−5に示す温度条件と時間の設定画面が表示される(ステップS130でYes)。この「設定温度自動復帰」の設定は、図6−4に示すように、「Lock」に該当するため、パスワード入力が必要となる設定項目である。つまり、管理者のみが設定変更可能であるため(ステップS132でYes)、リモコン装置1のMPUボード12は、図6−8で使用した画像データに、括弧付きの「P」マーク(パスワードマーク)20を付加することで(ステップS134)、これを設定変更するにはパスワード入力が必要なことがわかる。管理者であれば、パスワードを入力して設定変更することも可能であるが(図3のフローチャートでは省略)、一般ユーザの場合は、パスワードを知らないため、キャンセルボタン14eを押下して、ステップS126の設定項目メニュー画面に戻る。
【0046】
また、図5−1に示すメインメニュー画面で、タイマーメニューを十字ボタン14aで選択し、決定ボタン14bが押下されると(ステップS108→設定項目メニュー)、図8−1に示すように、設定項目メニューであるタイマーメニュー画面が表示される(ステップS126)。このタイマーメニューには、「ONタイマー」、「OFFタイマー」、「Weeklyタイマー」、「消し忘れ防止タイマー」の各メニューが表示されている。図8−1では、「ONタイマー」が選択された状態で、リモコン装置1の決定ボタン14bを押下すると、図8−2に示す、「ONタイマー」の設定画面が表示される(ステップS130でYes)。図8−2の「ONタイマー」の設定は、図6−4に示すように「Lock」に該当するため、パスワード入力が必要となる設定項目である。つまり、管理者のみが設定変更可能である(ステップS132でYes)。このため、リモコン装置1のMPUボード12は、図6−5で使用した画像データに、括弧付きの「P」マーク(パスワードマーク)20を付加することで(ステップS134)、設定変更にはパスワード入力が必要なことがわかる。管理者であれば、パスワードを入力して設定変更することも可能であるが(図3のフローチャートでは省略)、一般ユーザの場合は、パスワードを知らないため、キャンセルボタン14eを押下して、ステップS126の設定項目メニュー画面に戻る。
【0047】
さらに、図8−1で「OFFタイマー」が選択された状態で、リモコン装置1の決定ボタン14bを押下すると、図8−3に示す、「OFFタイマー」の設定画面が表示される(ステップS130でYes)。図8−3の「OFFタイマー」の設定は、図6−4に示すように「Free」に該当するため、パスワードを入力することなく一般ユーザも設定変更できる(ステップS132でNo)。従って、この場合は、括弧付きの「P」マーク(パスワードマーク)20は付加しない。十字ボタン14aで動作(Enable)あるいは解除(Disable)を選択するか、動作までの時間の設定を変更した後、決定ボタン14bを押下することで設定が変更され(ステップS138でYes)、図8−1の設定項目メニュー画面に戻る。また、設定変更を行わずにキャンセルボタン14eが押下された場合も(ステップS140)、現在の設定状態のまま図8−1の設定項目メニュー画面に戻る。
【0048】
以上の設定動作は、一般ユーザあるいは管理者がメインメニューから個別の設定項目メニューを選択して、各設定項目における設定内容を閲覧する場合である。各設定項目における設定画面を閲覧する場合は、当該設定項目が管理者のみ設定変更可能か否かを括弧付きの「P」マーク(パスワードマーク)20を付加したため、マークを見るだけで容易に判別可能となる。また、管理者であれば、そこからパスワードを入力して設定変更を行うことも可能となる。このため、上記した管理機能メニューを選択した場合の画像データをそのまま利用して、「P」マークを付加するだけで良く、画像データを保存するメモリ容量が小さくて済み、低コスト化できるという効果が得られる。
【0049】
なお、上記実施例では、設定項目メニューを選択した場合に、設定変更時にパスワードを要する設定画面に括弧付きの「P」マーク(パスワードマーク)20を付加して判別できるようにしたが、これに限定されず、種々のマーク、あるいは、画面の少なくとも一部の領域の色を変えて判別できるようにしても良い。
【0050】
なお上記実施例では、「P」マーク(パスワードマーク)20が付加された画面で管理者がパスワードを入力すれば設定変更を可能としたが、これに限定されず、「P」マークが付加された画面から設定変更をできるようにせず、管理機能メニューからのみ設定変更するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明に係る空気調和機のリモコン装置および機能設定方法は、業務用あるいは家庭用のエアコン等の操作を行う空気調和機のリモコン装置および機能設定方法に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 リモコン装置
11 RFモジュール
12 MPUボード
13 LCDユニット
14 入力部
15 RTC
16 電池
17 メモリ
2 エアコン室内機
20 パスワードマーク
21 RFモジュール
22 MPUボード
23 RTC

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理者と一般ユーザとが共用するリモコン装置を使って空気調和機の各種機能を選択しその設定内容を変更可能な空気調和機のリモコン装置であって、
前記各種機能を選択するメニュー画面および前記設定内容を操作する設定画面を表示する表示部と、
前記各種機能の選択および前記設定内容の操作に必要な情報と、任意のパスワードとを入力する入力部と、
前記入力部で入力された情報に基づいて、選択された前記メニュー画面および前記設定画面を前記表示部に表示しながら空気調和機の各種機能の設定処理を行う制御部と、
前記メニュー画面や前記設定画面を表示するための画像データと、予め設定されたパスワードデータと、予め前記設定内容の中から選択的に設定された設定項目と、前記各種機能の設定処理を行うプログラムデータとを記憶する記憶部と、
を備え、前記表示部に表示される前記メニュー画面には、予め管理者により前記設定内容の中から選択的に設定された設定項目を表示する管理機能メニューと、前記管理者あるいは前記一般ユーザが各設定項目の内容を閲覧する設定項目メニューとがあり、
前記制御部は、前記入力部で前記管理機能メニューが選択されると、パスワード入力画面を前記表示部に表示し、前記入力部から任意のパスワードが入力されると、前記記憶部に記憶されているパスワードデータと入力パスワードとを照合し、一致した場合に前記設定内容の中から選択的に設定された設定項目を表示することを特徴とする空気調和機のリモコン装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記入力部で前記管理機能メニューが選択されると、パスワード入力画面を前記表示部に表示し、前記入力部からパスワードが入力されると、前記記憶部に記憶されているパスワードデータと入力パスワードとを照合し、一致した場合に前記設定内容の中から選択的に設定された設定項目に加えて、設定項目の追加/削除ボタンを表示し、前記追加/削除ボタンが選択されると、前記設定内容の中から選択的に設定された設定項目と、前記一般ユーザも設定変更可能な設定項目とが判別できる一覧表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機のリモコン装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記表示部に表示する前記設定内容の中から選択的に設定された設定項目と、前記一般ユーザも設定変更可能な設定項目とが判別できる一覧表示として、各設定項目毎に前記管理者のみが設定変更可能な項目か、前記一般ユーザも設定変更可能な項目かを示す属性情報を、前記管理者が前記入力部によって前記属性情報を変更することにより、ある設定項目を設定変更する際にパスワード入力を要する項目とするか否かを選択できるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の空気調和機のリモコン装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記入力部で前記設定項目メニューが選択されると、選択された設定項目メニューに関連する設定画面を前記表示部に表示し、当該表示された設定画面が前記管理者のみが設定変更可能な設定項目の場合は、その旨を知らせるマークを追加表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気調和機のリモコン装置。
【請求項5】
管理者と一般ユーザとが共用するリモコン装置を使って空気調和機の各種機能を選択しその設定内容を変更可能な機能設定方法であって、
前記リモコン装置は、表示部と、入力部と、制御部と、記憶部とを備え、
前記表示部が、前記各種機能を選択するメニュー画面および前記設定内容を操作する設定画面を表示する表示工程と、
前記入力部が、前記各種機能の選択および前記設定内容の操作に必要な情報と、任意のパスワードとを入力する入力工程と、
前記制御部が、前記入力部で入力された情報に基づいて、選択された前記メニュー画面および前記設定画面を前記表示部に表示しながら空気調和機の各種機能の設定処理を行う設定工程と、
を含み、前記表示工程で表示される前記メニュー画面には、予め管理者により前記設定内容の中から選択的に設定された設定項目を表示する管理機能メニューと、前記管理者あるいは前記一般ユーザが各設定項目の内容を閲覧する設定項目メニューとがあり、
前記設定工程で前記入力部から前記管理機能メニューが選択されると、パスワード入力画面を前記表示部に表示し、前記入力部から任意のパスワードが入力されると、予め設定され前記記憶部に記憶されているパスワードデータと入力パスワードとを照合し、一致した場合に前記設定内容の中から選択的に設定された設定項目を表示することを特徴とする機能設定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5−1】
image rotate

【図5−2】
image rotate

【図6−1】
image rotate

【図6−2】
image rotate

【図6−3】
image rotate

【図6−4】
image rotate

【図6−5】
image rotate

【図6−6】
image rotate

【図6−7】
image rotate

【図6−8】
image rotate

【図7−1】
image rotate

【図7−2】
image rotate

【図7−3】
image rotate

【図7−4】
image rotate

【図7−5】
image rotate

【図8−1】
image rotate

【図8−2】
image rotate

【図8−3】
image rotate


【公開番号】特開2013−98747(P2013−98747A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239740(P2011−239740)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】