説明

空気調和機の分岐ユニット装置

【課題】除湿運転時に室内機ファンの風量制御を行い、冷風感の低減を図るようにした空気調和機の分岐ユニット装置を提供することで、冷風感のない無気流感覚の除湿制御を行うために必要な接続配管の結露防止のための断熱処理を施工できない箇所等において、冷風感防止のための制御を有する室内機の、冷風感のない無気流感覚の除湿制御を行う。
【解決手段】冷風感のない無気流感覚の除湿制御を行うための可変風量の送風用ファンモータとその駆動回路を有する室内機1と、少なくとも1台以上の室内機と室外機2を制御する分岐制御部3と、前記冷風感のない無気流感覚の除湿制御の有無の切り替えを行う切り替えスイッチ4を備えた空気調和機の分岐ユニット装置で、分岐ユニット装置の切り替えスイッチにより全室内機の冷風感のない無気流感覚の除湿制御の有無の切り替えを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の室内ファンの制御に関し、さらに詳しくは、除湿運転時に室内機風量制御を行い、冷風感の低減を図るようにした空気調和機の分岐ユニット装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の空気調和機は除湿運転時の冷風感防止のため、室内負荷により室内送風機の風量を変更させることで、お客様の設定温度に応じて除湿量を確保しつつ、ローコストに、低騒音で冷風感のない無気流感覚の除湿制御をしているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−147822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の空気調和機では、冷風感のない無気流感覚の除湿制御を行うために空気調和機の接続配管を結露防止として断熱処理施工する必要があるため、この除湿制御に必要となる接続配管の断熱処理を施工できない箇所等において、室内機のこの除湿制御の有無の切り替えを行わなくてはいけないという課題を有していた。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、冷風感のない無気流感覚の除湿制御の有無の切り替えを行うことを可能とした空気調和機の分岐ユニット装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記従来の課題を解決するために、本発明の空気調和機の分岐ユニット装置は、冷風感のない無気流感覚の除湿制御の有無の切り替えを行う切り替えスイッチを備えたものである。
【0006】
これによって、冷風感のない無気流感覚の除湿制御に必要となる接続配管の断熱処理を施工できない箇所等において、全室内機のこの除湿制御の有無の切り替えを、分岐ユニット装置上で行えることとなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の空気調和機の分岐ユニット装置は、冷風感のない無気流感覚の除湿制御の有無の切り替えをスイッチにより行うことで、この除湿制御に必要となる接続配管の断熱処理を施工できない箇所等において、全室内機のこの除湿制御の有無の切り替えを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、可変風量の送風用ファンモータとその駆動回路を有する室内機と、少なくとも1台以上の室内機と室外機を制御する分岐制御部と、冷風感のない無気流感覚の除湿制御の有無の切り替えを行う切り替えスイッチを備えた分岐ユニット装置とすることにより、前記室内機の除湿制御の有無の切り替えを分岐ユニット装置で行えることとなり、この除湿制御に必要となる接続配管の断熱処理を施工できない箇所等において、全室内機のこの除湿制御の有無の切り替えを、分岐ユニット装置で設定することができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明の前記冷風感のない無気流感覚の除湿制御の有無の切り替え
を行う切り替えスイッチを室内機1台に対し1つのスイッチを備えた分岐ユニット装置とすることにより、室内機1台毎に冷風感のない無気流感覚の除湿制御の有無の切り替えを、分岐ユニット装置で設定することができる。
【0010】
第3の発明は、室内機1台毎に冷風感のない無気流感覚の除湿制御の有無の切り替えと、この除湿制御のための室内機風量を変更できる多接点スイッチを備えた分岐ユニット装置とすることにより、室内機1台毎に前記冷風感のない無気流感覚の除湿制御の有無の切り替えと、この除湿制御のための室内機風量の調整を分岐ユニット装置で設定することができる。
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における空気調和機の制御系統を示したブロック図を示すものである。通信回路1は分岐制御装置との通信を行う回路であり、また室内機風量を制御するファンモータ3とそれを制御するファンモータ駆動回路2であり、マイクロコンピュータ4と有機的に関連して室内制御装置を構成している。
【0013】
また、通信回路5は室内制御装置との通信を行う回路であり、通信回路6は室外制御装置との通信を行う回路であり、スイッチ7は室内機の風量を抑える制御の有無の切り替えを行う切り替えスイッチであり、マイクロコンピュータ8と有機的に関連して分岐ユニット装置を構成している。
【0014】
図2は、本発明の制御方法を示すフローチャートである。まず室内機が運転開始をした際に、スイッチ7の状態を調べ(S1)、スイッチ7の状態が冷風感のない無気流感覚の除湿制御を有と設定している場合、室内機の風量を抑える制御が有効となり(S2)、室内機が運転状態の時に、室内機の風量を抑える制御の開始条件を判定し(S3)、開始条件が成立した場合(S4)、室内負荷により室内機の風量を抑える制御を行う(S5)。
【0015】
また、スイッチ7の状態が冷風感のない無気流感覚の除湿制御を無と設定している場合、室内負荷により冷風感のない無気流感覚の除湿制御が無効となり(S1)、室内機が運転状態の時に、冷風感のない無気流感覚の除湿制御を行わない(S2)。
【0016】
以上のように、本実施の形態においては、分岐ユニット装置に冷風感のない無気流感覚の除湿制御の有無を切り替えるスイッチを備えることにより、この除湿制御に必要となる接続配管の断熱処理を施工できない箇所等において、全室内機のこの除湿制御の有無の切り替えを、分岐ユニット装置で行えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
以上のように、本発明にかかる空気調和機の分岐ユニット装置は、冷風感のない無気流感覚の除湿制御を有する全ての室内機の、この除湿制御の有無の切り替えを行うことが可能となるので、何らかの理由で冷風感のない無気流感覚の除湿制御を無効にしたい場合において有益である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1における空気調和機の制御系統を示したブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における空気調和機のフローチャート
【符号の説明】
【0019】
1 通信回路(分岐ユニット制御装置との通信用)
2 ファンモータ駆動回路
3 ファンモータ
4 マイクロコンピュータ(室内制御装置)
5 通信回路(室内制御装置との通信用)
6 通信回路(室外制御装置との通信用)
7 スイッチ
8 マイクロコンピュータ(分岐ユニット制御装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変風量の送風用ファンモータとその駆動回路を有する室内機と、少なくとも1台以上の室内機と室外機を制御する分岐制御部と、前記室内機の冷風感のない無気流感覚の除湿制御の有無の切り替えを行う切り替えスイッチを備えたことを特徴とする空気調和機の分岐ユニット装置。
【請求項2】
切り替えスイッチを、室内機1台に対し1つ備えたことを特徴とする請求項1記載の空気調和機の分岐ユニット装置。
【請求項3】
可変風量の送風用ファンモータとその駆動回路を有する室内機と、少なくとも1台以上の室内機と室外機を制御する分岐制御部と、前記冷風感のない無気流感覚の除湿制御において、室内機1台毎に前記冷風感のない無気流感覚の除湿制御の有無の切り替えと、冷風感のない無気流感覚の除湿制御のための室内機風量を調整することができる多接点スイッチを備えたことを特徴とする空気調和機の分岐ユニット装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−155254(P2007−155254A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352975(P2005−352975)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】