空気調和機
【課題】空気調和機の乾燥モードで乾燥のための送出範囲での単位時間当たりの風量を増やし、効率的に乾燥対象全体に送風する。
【解決手段】風向を可変するルーバーを吹出口に設け、室内ファンの回転により吹出口から空気を送出する空気調和機において、空気調和機はルーバーが予め定められた第1揺動範囲を揺動して第1送出範囲に空気を送出する通常モードと、第1送出範囲よりも狭い第2送出範囲での単位時間当たりの風量が前記通常モードよりも多い乾燥モードを備える。
【解決手段】風向を可変するルーバーを吹出口に設け、室内ファンの回転により吹出口から空気を送出する空気調和機において、空気調和機はルーバーが予め定められた第1揺動範囲を揺動して第1送出範囲に空気を送出する通常モードと、第1送出範囲よりも狭い第2送出範囲での単位時間当たりの風量が前記通常モードよりも多い乾燥モードを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は部屋に空気を送風し、衣類などの乾燥対象に送風を行う乾燥モードを有する空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機は室内の空気を吸入し、温度や湿度を調整した後、空気を室内に送風する(吐出する)。一方、濡れた衣類などに風を当てると、乾燥時間が短くなることが知られている。送風により衣類近辺の高湿度な空気を吹き飛ばせるためと考えられる。そして、空気調和機を乾燥機として用いる観点から、衣類などを乾燥させる乾燥モードを搭載した空気調和機が存在する。このような乾燥モードを有する空気調和機の一例が特許文献1に記載されている。
【0003】
具体的に特許文献1には、室内ファンと圧縮機を有する空気調和機を操作部からの指令に基づいて乾燥運転を行い、乾燥運転時、冷房運転モード、送風運転モード、暖房運転モードといったモードによって、風向きやスイング制御を異ならせる空気調和機の乾燥運転方法が記載されている。この構成により、洗濯物の乾燥を効率的に行おうとする(特許文献1:請求項1〜3、段落0004等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−279027
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
空気調和機の吹出口は室内干しされる洗濯物(例えば、室内用物干しに干された洗濯物やカバー類)よりも上に位置することが多い。そこで、上方特許文献1記載の発明は乾燥モードでは送風をやや下向き(斜め下向き)とする。また、空気調和機にはリモートコントロール装置で風向(送出範囲)を切替可能なものがある。そこで、乾燥モードでは、使用者がリモートコントロール装置により乾燥対象に風が当たるように風向を設定する場合もある。
【0006】
また、近年では送風により除菌や脱臭を行うことがある。出願人はプラスイオンとマイナスイオンを空気中に放出し、このイオン放出により除菌や脱臭を図る独自の技術を有する。除菌や脱臭の観点からみてもイオンを含む風を乾燥対象の全体に対して効率的に風を吹き付けることが好ましい。ところが、従来の空気調和機では、細かな送出範囲の設定ができず送出範囲は固定的であるため、スイングによる送出範囲のうち、乾燥対象が存在しない範囲に送風を行うことがある。また、乾燥モードでスイングを止める設定がなされていれば、衣類全体に送風がなされない可能性が高い。そのため、従来、乾燥対象全体に効率的に送風できていないという問題もある。
【0007】
ところが、特許文献1の発明では、送出範囲は通常運転にしても、乾燥運転にしても固定的である。そのため、効率的に乾燥対象全体に送風するという問題を解決できない。
【0008】
本発明は乾燥モードで効率的に乾燥対象全体に送風することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、風向を可変するルーバーを吹出口に設け、前記室内ファンの回転により前記吹出口から空気を送出する空気調和機において、前記ルーバーが予め定められた第1揺動範囲を揺動して第1送出範囲に空気を送出する通常モードと、前記第1送出範囲よりも狭い第2送出範囲での単位時間当たりの風量が前記通常モードよりも多い乾燥モードを備えることとした。
【0010】
この構成によれば、乾燥モードでは、通常モードのときよりも単位時間当たりの風量が多い第2送出範囲が設けられる。これにより、意図的に単位時間当たりの風量を増加させる第2送出範囲が設けられ、従来よりも乾燥対象(洗濯物や衣類など)に多くの風を当てることができる。また、多くの風を吹き当てることにより乾燥対象全体に風が行き渡り易くなる。従って、乾燥対象の湿気を速やかにとばして乾きやすくすることができる。
【0011】
また、上記の空気調和機において、空気調和機の動作設定を受け付ける設定部を含ませ前記設定部は前記第2送出範囲を可変させる使用者の操作を受け付けることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、設定部は第2送出範囲を定める操作(設定指示)を受け付ける。これにより、ルーバーをスイングさせる範囲を設定し、第2送出範囲を乾燥対象が存在する範囲にあわせることができる。従って、乾燥対象が存在しない範囲への送風をなくし、乾燥対象全体に効率的に送風を行い乾燥させることができる。
【0013】
また、上記の空気調和機において、前記設定部は前記第2送出範囲の端を可変させる操作を受け付けることも好ましい。
【0014】
この構成によれば、設定部は第2送出範囲の端を可変させる(端位置を定める)入力を受け付ける。これにより、第2送出範囲を細かく設定することができる。
【0015】
また、上記の空気調和機において、前記乾燥モードのとき、前記ルーバーは前記第2送出範囲に空気を送出する第2揺動範囲でのみ揺動することも好ましい。
【0016】
この構成によれば、乾燥モードのとき、通常モードでの送出範囲よりも狭い送出範囲(第2送出範囲)でのみ送風が行われるようにルーバーはスイングする。これにより、通常モードと同様の風量で送風を行っても、第2送出範囲は通常モードより狭いので、第2送出範囲では通常モードのときよりも単位時間当たりの風量が増える。従って、乾燥対象を存在させる第2送出範囲での単位時間当たりの風量を増加させて乾燥対象を乾きやすくすることができる。
【0017】
また、前記乾燥モードのとき、前記ルーバーは前記第2送出範囲を含み前記第2送出範囲よりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動する期間と、前記第2送出範囲に空気を送出する第2揺動範囲でのみ揺動する期間とを有することも好ましい。
【0018】
また、上記の空気調和機において、前記乾燥モードのとき、前記ルーバーは前記第2送出範囲を含み前記第2送出範囲よりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動し、前記第2送出範囲に送出しているとき、前記第2送出範囲外に送出しているときよりも可変速度が遅くなることも好ましい。
【0019】
また、上記の空気調和機において、前記乾燥モードのとき、前記ルーバーは前記第2送出範囲を含み前記第2送出範囲よりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動し、前記室内ファンは、前記第2送出範囲に送出しているとき、前記第2送出範囲外に送出しているときよりも回転速度が速くすることも好ましい。
【0020】
乾燥モードでは第2送出範囲よりも広い範囲に送風はなされるが、意図的に第2送出範囲では通常モードのときよりも単位時間当たりの風量が増えるように送風がなされる(これらいずれ複数を組み合わせてもよい)。これにより、乾燥対象を存在させる第2送出範囲に吹き出される単位時間当たりの風量を増加させて乾燥対象を乾きやすくすることができる。また、第2送出範囲よりも広い範囲にも送風が行われるので、乾燥対象から蒸発して第2送出範囲周辺に滞留する高湿度の空気を吹き飛ばし、乾燥対象を乾きやすくすることができる。
【0021】
また、上記の空気調和機において、前記乾燥送出範囲は前記第1送出範囲とすることも好ましい。
【0022】
この構成によれば、乾燥モードでの乾燥送出範囲は通常モードでの送出範囲(第1送出範囲)とされる。これにより、乾燥モードでも通常モードと同様の送風能力(送出範囲)を確保することができる。又、乾燥モードは通常モードと送出範囲が大きく異なるといった違和感を与えずにすむ。
【0023】
また、上記の空気調和機において、前記ルーバーは上下方向で風向を可変し、前記乾燥モードのとき、次第に前記第2揺動範囲の上限位置を下げていくことも好ましい。
【0024】
この構成によれば、乾燥モードのとき、次第に第2送出範囲の上限位置は下がる。乾燥対象の水分は干していると下方に伝わっていき下部ほど乾き難いところ、これにより、乾燥対象の下方への単位時間当たりの風量を増加させることができる。従って、乾燥対象全体を速やかに乾かすことができる。
【0025】
また、上記の空気調和機は、イオンを発生させるイオン発生装置を備え、前記吹出口からの吹出空気は前記イオン発生装置が発生させたイオンを含むことも好ましい。
【0026】
この構成によれば、吹出空気にはイオンが含まれる。これにより、除菌性や消臭性を有するイオンを室内に吹き出させることができる。従って、乾燥対象の除菌を行うと共に乾燥対象からの臭い発生を防ぎ、快適な乾燥を行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、乾燥モードで乾燥のための送出範囲(第2送出範囲)の単位時間当たりの風量を通常モードのときよりも意図的に増やすことができる。そして、効率的に乾燥対象全体に送風し、乾燥対象を乾きやすくして迅速、快適な乾燥モードを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係る空気調和機の一例を示す模式図であり、(a)は室内部の一例を示し、(b)は室外部の一例を示す。
【図2】第1実施形態に係る空気調和機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係るリモートコントロール装置の一例を示し、(a)はカバーを閉じた状態、図3(b)はカバーを開いた状態の一例を示す。
【図4】第1実施形態での乾燥モードでの送出範囲と通常モードでの送出範囲を説明するための説明図である。
【図5】第1実施形態での第2送出範囲の調整の一例を説明するための説明図である。
【図6】第1実施形態における乾燥モードでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。
【図8】第3実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。
【図9】第4実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。
【図10】第5実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。
【図11】第5実施形態における乾燥モードでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】第6実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
乾燥対象を効率的、迅速に乾燥させるには、乾燥対象への送出範囲における単位時間当たりの風量を効果的に増やすことが理想的である。しかし、従来の空気調和機では乾燥のために単位時間当たりの風量を積極的に増やしていないという問題がある(例えば、上述の従来発明は通常運転に比べて積極的に乾燥対象への送出範囲における単位時間当たりの風量を増やそうと意図したものではない)。又、従来、乾燥対象全体に効率的に送風できていないという問題もある。そこで、各実施形態では、乾燥モードで乾燥のための送出範囲での単位時間当たりの風量を増やし、効率的に乾燥対象全体に送風する。そこで、本発明の実施形態を図1〜12を用いて説明する。まず、図1〜図6を用いて第1の実施形態を説明する。
【0030】
ここで、単位時間について説明しておく。単位時間は任意に定めることができる時間である。尚、以下に説明する例では10分間や2分間とを例に挙げて説明している。単位時間は乾燥モードで乾燥のための送出範囲(以下の例では第2送出範囲Rとして説明)への風量が通常モードよりも明確に多いと把握できるように、一定の間隔(例えば、10分間や2分間)と定めることができる。又、単位時間は1分間としても良いし1時間としてもよく、10分間や2分間に限られない。尚、一定の間隔分の秒(例えば、10分間なら600秒、2分間なら120秒)で一定の間隔での合計風量を割れば、1秒を単位時間とした単位時間当たりの風量を得ることができる。又、一定の間隔分の分(例えば、10分間なら10、2分間なら2)で一定の間隔での合計風量を割れば、1分を単位時間とした単位時間当たりの風量を得ることができる。このように、単位時間を任意に定めて、通常モードと乾燥モードでの乾燥モードで乾燥のための送出範囲への風量を比較することができる。尚、風量は後述する室内ファン23の仕様と回転速度(回転速度に対して送出する風量)によって求めることができる。
【0031】
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて第1の実施形態に係る空気調和機1の概要を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る空気調和機1の一例を示す模式図であり、(a)は室内部2の一例を示し、(b)は室外部3の一例を示す。
【0032】
図1(a)に示すように、本実施形態の空気調和機1は室内部2(室内機)を含む。室内部2は室内の空気を吸入し、熱交換後の空気を室内に吹き出す。例えば、室内部2の空気の吹出口21は室内部2の全面下方に設けられる。
【0033】
また、図1(b)に示すように本実施形態の空気調和機1は室外部3(室外機)を含む。室外部3は冷媒の室内部2とのやり取りや、室外気との熱交換を行う。
【0034】
(空気調和機1のハードウェア構成)
次に、図2を用いて第1の実施形態に係る空気調和機1のハードウェア構成の一例を説明する。図2は第1の実施形態に係る空気調和機1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
上述したように、本実施形態の空気調和機1は室内部2と室外部3を含む。そこで、室内部2から説明する。リモートコントロール装置41からの動作や設定指示を示す信号を受信する受信部42が室内部2に設けられる。赤外線や無線により信号を発信する発信部がリモートコントロール装置41に設けられ、受信部42は赤外線や電波を受信する。これにより、使用者はリモートコントロール装置41で空気調和機1の動作を操作することができる(リモートコントロール装置41の詳細は後述)。
【0036】
また、リモートコントロール装置41に依らずに動作や設定指示を行えるように、パネル状の操作部43が室内部2に設けられても良い。従って、リモートコントロール装置41と受信部42や操作部43が空気調和機1の設定を受け付ける設定部4として機能する。また、本実施形態の空気調和機1は空気調和機1の運転状態などの各種情報を表示ランプや表示パネルなどにより表示する表示部22を備える。
【0037】
また、室内部2は空気調和機1の動作を制御する制御部5を含む。例えば、制御部5は演算処理装置としてのCPU51や、空気調和機1の制御プログラムや制御用データを記憶する記憶部52(例えば、RAMやROMを含む)や、時間を計時する計時部53を実装した回路基板である。特に、乾燥モードで設けられる第2送出範囲Rに対して通常モードと異なる送風を行うため、記憶部52は乾燥モードでの送風方法に関するデータやプログラムを記憶する。制御部5は受信部42及び操作部43からの信号を受け入れ、使用者の指示にあわせて空気調和機1を制御する。また、制御部5は表示部22へ表示信号を与える。
【0038】
室内ファン23と室内ファン23を回転させて熱交換された空気を吹出口21から室内に吹き出させる室内ファンモーター23Mが室内部2に配される。制御部5は室内ファンモーター23Mの駆動を制御する。具体的に、制御部5は室内ファンモーター23MのON/OFFや、室内ファンモーター23Mの回転速度を制御する。尚、本実施形態では制御部5が室内ファンモーター23Mの動作を制御する例を説明するが、制御部5外に室内ファンモーター23Mの駆動回路を別途設け、制御部5が駆動回路に指示を与え、制御部5が間接的に室内ファンモーター23Mの動作を制御してもよい。
【0039】
また、室内ファン23によって送風される空気の上下方向における吹出方向を調節するためのルーバー24が室内部2に設けられる。また、ルーバー24を動かして上下方向で送風方向をスイングさせるルーバーモーター24Mが室内部2に設けられる。制御部5はルーバーモーター24Mの動作を制御することにより送出範囲を制御することができる。
【0040】
また、室内ファン23によって送風される空気の左右方向における吹出方向を調節するため、左右ルーバー25が室内部2に設けられる。左右ルーバー25として吹出口21近傍に垂直方向に伸びる複数枚の板が左右方向に並べられる。また、左右ルーバー25を動かして左右方向での送風方向を調節する左右ルーバーモーター25Mが室内部2に設けられる。制御部5は左右ルーバーモーター25Mの動作を制御することにより送出範囲を制御することができる。
【0041】
また、室内ファン23により室内部2内に吸い込まれた空気と熱交換する室内熱交換器26が室内部2に設けられる。また、室内温度を検知するための温度検知部27が設けられる。温度検知部27は温度により出力値(例えば、電圧値)が異なるセンサーである。制御部5は温度検知部27の出力電圧に基づき室内温度を認識する。例えば、温度検知部27の出力値と温度の関係を示すテーブルが記憶部52に記憶される。そして、制御部5は設定温度になると運転を小休止するなど、設定された温度に近づくように空気調和機1を制御する。
【0042】
また、イオン発生装置28が室内部2に設けられる。イオン発生装置28は室内空気の吸入口から吹出口21までの送風通路内に設けられる。例えば、イオン発生装置28は自然界にあるプラスイオン(H+(H2O)m(mは自然数))とマイナスイオン(O2-(H2O)n(nは自然数))を、プラズマ放電により作り出し空気中に放出する。その結果、プラスイオンやマイナスイオンを含む風が吹き出される。イオンを含む風により、アレル物質、ウイルス、菌の作用低減を図ることができ、空気調和機1に除菌や消臭機能を持たせることができる。制御部5はイオン発生装置28と接続され、イオン発生装置28の駆動のON/OFFの切替を行える。
【0043】
次に、室外部3を説明する。例えば、室外部3は屋外の地面上に設置される。室外部3は圧縮機31と圧縮機31を動作させるたるめの圧縮機駆動回路32を含む。制御部5は圧縮機駆動回路32に指示を与え圧縮機31の動作を制御する。
【0044】
そして、室外部3には室外ファン33と室外ファンモーター33Mが設けられる。制御部5は室外ファンモーター33Mを制御し、室外部3での吸い込み、吹き出しを制御する。室外ファンモーター33Mは室外ファン33を回転させて熱交換する為の空気を室外部3内に吸い込む。そして、吹き出させる。また、室外ファンモーター33Mの駆動により室外ファン33が回転し、空気が室外部3に設けられる室外熱交換器34に吹き付けられ、空気が室外に排出される。これにより室外部3内に吸い込まれた空気の熱交換がなされる。
【0045】
冷凍サイクル29を構成する四方弁35や減圧器36(例えば、電子膨張弁やキャピラリーチューブ)が室外部3に設けられる。制御部5は、四方弁35を制御し、圧縮機31が圧縮した冷媒の流れる方向を、暖房運転/冷房運転(除湿運転)に応じて切り替える。減圧器36は、圧縮機31が圧縮した高圧(放熱)側の冷媒と、膨張した低圧(吸熱)側の冷媒との圧力差を維持する。
【0046】
(リモートコントロール装置41)
次に、図3を用いて第1の実施形態に係るリモートコントロール装置41の一例を説明する。図3は第1の実施形態に係るリモートコントロール装置41の一例を示し、(a)はカバー411を閉じた状態、図3(b)はカバー411を開いた状態の一例を示す。
【0047】
リモートコントロール装置41は設定内容などを示す表示部410(例えば、液晶表示部)を正面上方に有する。そして、リモートコントロール装置41は、空気調和機1の基本的な動作指示を行うための5つの基本ボタンを含む。具体的には、冷房で空気調和機1を運転させる時に押される冷房ボタンB1、暖房で空気調和機1を運転させる時に押される暖房ボタンB2、運転を停止する為の停止ボタンB3、除湿で空気調和機1を運転させる時に押される除湿ボタンB4、設定された温度に従って自動的に冷暖房運転を行う時に押される自動運転ボタンB5を備えている。又、基本ボタンの下方には、所望する温度や湿度を設定するための温度設定ボタンB6や湿度設定ボタンB7が設けられる。
【0048】
又、より細かな設定を行うためのボタンがカバー411の下方に設けられる。使用者は風向きやタイマー設定を行うとき、カバー411を開けて各種ボタンを露出させる。カバー411を開けることにより現れるボタンの中に、上下方向の風向きを設定するための上下風向ボタンB8や左右方向の風向きを設定するための左右風向ボタンB9が設けられる。
【0049】
又、ボタンのなかには衣類の乾燥を行う乾燥モードでの運転を指示するための生活除湿ボタンB10が設けられる(乾燥モードと付されたボタンが設けられても良い)。この生活除湿ボタンB10を押すことにより、リモートコントロール装置41から室内部2の受信部42に乾燥モードでの運転すべき旨の信号が送信される。受信部42で受信された信号は制御部5に送られる。その結果、制御部5は乾燥モードで運転すべき旨を認識する。
【0050】
(通常モードと乾燥モード)
次に、図4を用いて第1の実施形態の通常モードと乾燥モードでの送風の概要を説明する。図4は第1の実施形態での乾燥モードでの送出範囲と通常モードでの送出範囲を説明するための説明図である。
【0051】
制御部5はルーバーモーター24Mを動作させることにより、上下方向において水平方向(0度)からほぼ鉛直下方向の範囲で吹出口21から空気を吹き出させることができる。尚、以下の説明では水平方向を基準の0度とし、本実施形態の空気調和機1は約0度〜約−90度の範囲で送風可能であるとして説明する。
【0052】
制御部5は乾燥モードが指示されていないとき、空気調和機1を通常モードで動作させる。言い換えると、暖房や冷房を問わず、乾燥モード以外の運転モードが通常モードであると言える。そして、図4の破線で示すように、制御部5はルーバーモーター24Mを制御しルーバー24をスイングさせることにより(第1揺動範囲でルーバー24を揺動させることにより)、例えば、通常モードでは上下方向において約0度〜約−90度の範囲で送風を行う。言い換えると、通常モードでの送出範囲(以下、「第1送出範囲」と称する)は、約0度〜約−90度となる。
【0053】
一方、第1の実施形態では、図4に示すように、乾燥モードでの送出範囲(図4において実線で示す範囲以下、「第2送出範囲R」と称する。)は、通常モードの送出範囲(第1送出範囲)よりも狭い。通常、洗濯物のような乾燥対象Dは、物干しやハンガーなどに吊され、天井に付くほどの高さで干されることは少ない。そのため、普通、吹出口21の水平方向に送風を行っても乾燥対象Dが存在しない。そこで、乾燥モードでは通常モードよりも送出範囲を狭め、乾燥対象Dが存在しない範囲への送風を無くす(死角を減らす)。そして、使用者は狭められた送出範囲に対応して、乾燥対象D全体に風が当たるように乾燥対象Dを干す位置を微調整する。
【0054】
第2送出範囲Rは、任意に定めることができるが、例えば、40〜45度のスイング幅程度とすることができる(例えば、20度〜60度や、30度〜75度の範囲)。具体的には、制御部5はルーバー24が約40〜45度程度回転すると反転されるようにルーバーモーター24Mを制御する。従って、本実施形態の空気調和機1では、乾燥モードでのスイング幅(第2送出範囲R)は通常モードのスイング幅(第1送出範囲)に比べて約1/2とされる。尚、空気調和機1の機種により、最適な第2送出範囲Rは異なり得るので、乾燥モードでの第2送出範囲Rでのスイング幅(第2送出範囲Rの幅)は空気調和機1の機種に応じて適宜定められる。
【0055】
このように、本実施形態では乾燥モードでの送出範囲は通常モードよりも狭くされるので、ルーバー24のスイング速度(揺動速度)が通常モードと同じで室内ファン23の回転速度も通常モードと同じである場合、第2送出範囲Rでの単位時間当たりの風量を増やすことができる。例えば、通常モードにおいて、10分間のうち、ルーバー24は第1送出範囲に送風するように10往復スイングするとする(第1送出範囲10往復の送風。第1送出範囲に第2送出範囲Rが含まれるので、第2送出範囲Rに対しても10往復の送風)。このとき、第2送出範囲Rが、第1送出範囲の2分の1であるとする。そうすると、乾燥モードにおいて、10分間に、ルーバー24は第2送出範囲に送風するように20往復スイングできる(第2送出範囲への20往復の送風)。よって、10分間という単位時間において、通常モードよりも乾燥モードの単位時間当たりの風量を増やすことができる。
【0056】
又、制御部5は室内ファンモーター23Mを制御し、乾燥モードでの室内ファンモーター23Mの回転数を通常モードでの室内ファンモーター23Mの回転数よりも増やすようにしてもよい。少なくとも、通常モードでの最も強い風と同等とする。このようにすれば、乾燥モードでの第2送出範囲Rでの第2送出範囲Rでの単位時間当たりの風量を通常モードよりも確実に増やすことができる。
【0057】
(第2送出範囲Rの調整)
次に、図5を用いて、第1の実施形態における第2送出範囲Rの調整を説明する。図5は第1の実施形態での第2送出範囲Rの調整の一例を説明するための説明図である。
【0058】
例えば、図5の最上段の図に示すように、乾燥対象Dを設置して乾燥モードを実行したところ、乾燥対象Dの全体に風が当たらない場合がある。本実施形態の空気調和機1では、乾燥モードが選択されると、約−45度を中心角として、約40〜45度の幅で送風がなされるように予め設定されている。言い換えると、第2送出範囲Rは予めセットされ、例えば、送出範囲を約25度〜約70度とするための制御データが記憶部53に記憶されている(プリセット)。乾燥モードが選択されると、制御部5はこの予め設定された値を読み出してルーバーモーター24Mを制御し、ルーバー24を予め定められた第2揺動範囲で揺動し、予め定められた第2送出範囲Rに送風を行う。
【0059】
しかし、図5の最上段の図に示すように、乾燥対象D全体に対して送風されるように第2送出範囲Rをずらしたい場合がある。そこで、本実施形態ではスイングにおける中心角度をずらして第2送出範囲Rの調整を可能とする。
【0060】
具体的に、第2送出範囲Rを調整するとき、リモートコントロール装置41での上下風向ボタンB8を押す。これにより、第2送出範囲Rの調整が開始される。上下風向ボタンB8が押されると制御部5はルーバーモーター24Mを制御し、予め定められた第2送出範囲Rを越えて(送風可能な範囲全体に送風されるように)ルーバー24をスイングさせる。
【0061】
例えば、プリセット位置よりも第2送出範囲Rを下向きにしたい場合、ルーバー24が下向きに移動しているときであって所望する位置となったときに上下風向ボタンB8を押す。これにより、下限が設定される。又、例えば、プリセット位置よりも第2送出範囲Rを上向きにしたい場合、ルーバー24が上向きに移動しているときであって所望する位置となったときに上下風向ボタンB8を押す。これにより、上限が設定される。このように第2送出範囲Rの吹き出し角度(第2送出範囲Rの中心角度)を変更することができる。
【0062】
尚、第2送出範囲Rの調整がなされても予め定められた送出範囲の幅(例えば、約40度〜45度の幅)で送風がなされる。言い換えると、制御部5はルーバー24の第2揺動範囲(揺動角)や第2送出範囲Rの広さ(幅)自体は変えずに送風を行わせる。従って、下限が設定されると上限が自動的に定まり、上限が設定されると下限が自動的に設定される。これにより、第2送出範囲Rを調整して万遍なく乾燥対象Dに風を当てることができる。
【0063】
(乾燥モードでの処理の流れ)
次に、図6を用いて第1の実施形態における乾燥モードでの処理の流れを説明する。図6は第1の実施形態における乾燥モードでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0064】
図6のスタートは、空気調和機1が運転状態であり、例えば、リモートコントロール装置41で生活除湿ボタンB10が押され、空気調和機1のモードを乾燥モードに移行すべきことを制御部5が認識した時点である。
【0065】
乾燥モードに移行すると、制御部5はルーバーモーター24Mを制御して、予め定められた第2送出範囲Rで送風がなされるようにルーバー24のスイングを行わせる(ステップ♯1)。言い換えると、制御部5は第2揺動範囲でルーバー24を揺動させる。次に、もしイオン発生装置28が動作していなければ、制御部5はイオン発生装置28を動作させる(ステップ♯2)。これにより、乾燥のための送風にイオンを含ませ除菌等を行うことができる。更に、制御部5は暖房で運転しているか否かを確認する(ステップ♯3)。
【0066】
もし、暖房で運転がなされていれば(ステップ♯3のYes)、制御部5は圧縮機31や室外ファン33を動作させて、暖房を行いつつ室内ファンモーター23Mの回転速度を通常モードよりも高める。これにより、吹出口21からの風量が通常モードよりも多くする暖房強風運転状態とする(ステップ♯4)。例えば、制御部5は通常モードでの最も大きな風量よりも乾燥モードでの送風量を多くする。
【0067】
そして、制御部5は強風運転開始から予め定められた第1乾燥時間が経過したか否かを確認する(ステップ♯5)。もし経過していなければ(ステップ♯5のNo)、フローはステップ♯4に戻る。尚、ステップ♯4とステップ♯5のループの間に、リモートコントロール装置41で上下風向ボタンB8が押されるなど第2送出範囲Rの調整指示があれば、使用者の指示入力にあわせて第2送出範囲R(の中心角度)の角度変更がなされる。
【0068】
第1乾燥時間が経過していれば、制御部5はルーバーモーター24Mを制御しルーバー24を動かして送風方向を水平で固定する(ステップ♯6)。そして、制御部5は予め定められた第1除湿時間の間、除湿運転を行わせる(ステップ♯7)。除湿運転では、冷房運転と同様に制御部5は室内熱交換器26の温度を下げて吸熱を行わせ、室外熱交換器34側で排熱を行わせる。室内熱交換器26により、空気中の水分が結露し、除湿がなされる。そして、乾燥モードの除湿では風量を暖房強風運転状態よりも落とす。
【0069】
乾燥対象Dに送風すると室内の湿度は高まる(例えば、1時間の送風で室内の湿度は90%を超えることもある)。そこで、第1乾燥時間の乾燥の後、制御部5は第1除湿時間で除湿運転する。又、ルーバー24を水平方向とするのは、除湿運転では吹出口21から冷風が吹き出るので、乾燥対象Dを冷やして湿気を帯びさせてしまうことを防ぐためである。
【0070】
一方、暖房運転でなければ(冷房や除湿での運転であれば、ステップ♯3のNo)、制御部5は圧縮機31や室外ファン33を停止し、冷房や除湿を行わずに室内ファンモーター23Mの回転速度を通常モードよりも高める。冷風を吹き付けて乾燥対象Dの温度が下がると返って湿ってしまうことがあるため、制御部5は熱交換を停止させる。これにより、制御部5は吹出口21からの風を冷やさず(冷房や除湿をせずに)、送風のみをおこないつつ風量を通常モードよりも多くする送風強風運転状態とする(ステップ♯8)。例えば、制御部5は通常モードでの最も大きな風量よりも乾燥モードでの送風量を多くする。
【0071】
そして、制御部5は送風強風運転開始から予め定められた第2乾燥時間が経過したか否かを確認する(ステップ♯9)。もし経過していなければ(ステップ♯9のNo)、フローはステップ♯8に戻る。尚、ステップ♯8とステップ♯9のループの間に、リモートコントロール装置41で上下風向ボタンB8が押されるなど第2送出範囲Rの調整指示があれば、使用者の指示入力にあわせて第2送出範囲R(の中心角度)の角度変更がなされる。
【0072】
第2乾燥時間が経過していれば、制御部5はルーバーモーター24Mを制御しルーバー24を動かして送風方向を水平で固定する(ステップ♯10)。そして、制御部5は予め定められた第2除湿時間の間、除湿運転を行わせる(ステップ♯11)。除湿運転の時間は異なるが除湿運転の内容はステップ♯6やステップ♯7と同様である。
【0073】
ここで、本実施形態の空気調和機1では、暖房運転の場合と冷房や除湿運転の場合とで、乾燥対象Dに送風する時間(第1乾燥時間と第2乾燥時間)を異ならせる。また、第2送出範囲Rに送風して乾燥を行った後の除湿運転でも、暖房運転の場合と冷房や除湿運転の場合とで、除湿を行う時間を異ならせる(第1除湿時間と第2除湿時間)。
【0074】
例えば、空気調和機1が暖房運転(暖房モード)であるとき、乾燥モードの全時間のうち最初の3/4の時間の間、暖房にて温められた空気を第2送出範囲Rに吹き出し、残りの1/4の時間の間、除湿運転により室内の湿度を下げる。例えば、乾燥モードでの運転時間が全部で4時間と予め定められたているとすると、暖房強風運転を3時間程度、除湿運転を1時間程度行う。尚、暖房での乾燥モードで、暖房強風運転と除湿運転の時間の割合は任意に定めることができるが、例えば、第1乾燥時間(暖房強風運転の時間)>第1除湿時間(暖房での除湿運転の時間)条件のもと、時間の割合が定められても良い。
【0075】
一方、空気調和機1が暖房運転でないとき(冷房や除湿)で乾燥モードでは、乾燥モードの全時間のうち最初の1/4の時間の間、熱交換しない空気を第2送出範囲Rに吹き出し、残りの3/4の時間の間、除湿運転により室内の湿度を下げる(温度を下げることもできる)。例えば、乾燥モードでの運転時間が全部で4時間と予め定められたているとすると、送風強風運転を1時間程度、除湿運転を3時間程度行う。尚、冷房や除湿での乾燥モードで、送風強風運転と除湿運転の時間の割合は任意に定めることができるが、例えば、第2乾燥時間(送風強風運転の時間)<第2除湿時間(暖房以外での除湿運転の時間)の条件のもと、時間の割合が定められても良い。
【0076】
ここで、冷たい風を乾燥対象Dに吹き付け続けると乾燥対象Dが冷えてしまい湿気が乾燥対象Dに付きやすくなる。そこで、第1乾燥時間(暖房強風運転の時間)>第2乾燥時間(送風強風運転の時間)とする。これにより、乾燥モードでの暖房運転と冷房や除湿運転の運転時間が同じであれば、第1除湿時間(暖房での除湿運転の時間)<第2除湿時間(暖房以外での除湿運転の時間)の関係が導き出される。
【0077】
具体的に、運転状態(暖房、冷房、除湿)ごとに、送風の種類や送風量や第1乾燥時間、第2乾燥時間、第1除湿時間、第2除湿時間を定めたデータ(例えば、データテーブル形式)が記憶部52に記憶される。制御部5は記憶部52に記憶されたデータに沿って状況にあわせた乾燥モードを実現する。
【0078】
そして、第1除湿時間の間、あるいは、第2除湿時間の間、除湿が行われれば(ステップ♯7とステップ♯11の後)、本フローは終了する。例えば、本フローが終了すると、制御部5は空気調和機1の運転モードを通常モードとしてもよいし、運転を停止させてもよい。
【0079】
このようにして、本実施形態の空気調和機1は、風向を可変するルーバー(ルーバー24や左右ルーバー25)を吹出口21に設け、室内ファンの回転により吹出口21から空気を送出する空気調和機1において、ルーバーが予め定められた第1揺動範囲を揺動して第1送出範囲に空気を送出する通常モードと、第1送出範囲よりも狭い第2送出範囲Rでの単位時間当たりの風量が通常モードよりも多い乾燥モードを備える。これにより、意図的に単位時間当たりの風量を増加させる第2送出範囲Rが設けられ、従来よりも乾燥対象(洗濯物や衣類など)に多くの風を当てることができる。また、多くの風を吹き当てることにより乾燥対象全体に風が行き渡り易くなる。従って、乾燥対象の湿気を速やかにとばして乾きやすくすることができる。
【0080】
また、空気調和機1には空気調和機1の動作設定を受け付ける設定部4(操作部43、受信部42、リモートコントロール装置41)が含まれ、設定部4は第2送出範囲Rを可変させる使用者の操作を受け付ける。これにより、ルーバーをスイングさせる範囲を設定し、第2送出範囲Rを乾燥対象が存在する範囲にあわせることができる。従って、乾燥対象が存在しない範囲への送風をなくし、乾燥対象全体に効率的に送風を行い乾燥させることができる。
【0081】
具体的に、設定部4(操作部43、受信部42、リモートコントロール装置41)は第2送出範囲Rの端を可変させる操作を受け付ける。これにより、第2送出範囲Rを細かく設定することができる。例えば、風向を設定するための風向ボタンを含むリモートコントローラと、リモートコントローラからの信号を受信する受信部42が設定部4に含まれる。そして、設定部4は第2送出範囲Rの端位置を定める入力(例えば、上下風向ボタンB8の押下)を受け付け、制御部5は第2送出範囲Rの幅は維持しつつ、入力された端位置を第2送出範囲Rの端となるように第2送出範囲Rの位置を変化させる。これにより、従来からリモートコントロール装置41に備わる風向ボタンを用いて第2送出範囲Rを設定することができる。言い換えると、リモートコントロール装置41に備わるボタンの意味を変更して(別の意味を持たせて)実際の第2送出範囲Rを設定することができ、第2送出範囲Rを定めるためのボタンを新たに設けずに済む。
【0082】
また、乾燥モードのとき、ルーバー(ルーバー24等)は第2送出範囲Rに空気を送出する第2揺動範囲でのみ揺動(スイング)する。言い換えると、制御部5は乾燥モードのとき、通常モードでの送出範囲よりも狭い第2送出範囲Rで送風が行われるように、ルーバー24をスイングさせる。これにより、通常モードと同様の風量で送風を行っても、第2送出範囲Rは通常モードより狭いので、第2送出範囲Rでは通常モードのときよりも単位時間当たりの風量が増える。従って、乾燥対象を存在させる第2送出範囲Rでの単位時間当たりの風量を増加させて乾燥対象を乾きやすくすることができる。
【0083】
また、空気調和機1は、イオンを発生させるイオン発生装置28を備え、吹出口21からの吹出空気はイオン発生装置28が発生させたイオンを含む。吹出空気にイオンを含ませることができるので、除菌性や消臭性を有するイオンを室内に吹き出させることができる。従って、乾燥対象の除菌を行うと共に乾燥対象からの臭い発生を防ぎ、快適な乾燥を行うことができる。
【0084】
(第2の実施形態)
次に、図7を用いて、本発明の第2の実施形態に係る空気調和機1を説明する。図7は第2の実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。尚、図7では、便宜上、乾燥対象Dを破線で示している。
【0085】
第2の実施形態の空気調和機1は第1の実施形態と乾燥モードでの送風方法が異なるがハードウェア自体や乾燥モードでの処理の流れは同様でよい。そこで、第1の実施形態と共通する部分は、特に説明する場合を除き、援用するものとして、説明、図示を省略する。
【0086】
図7に示すように、第2の実施形態では乾燥モードでも通常モードの送出範囲よりも狭い第2送出範囲R(図7に第2送出範囲Rの上限と下限の一例を実線で図示)が設けられる点は第1の実施形態と同様である。例えば、第2送出範囲Rの範囲は約40〜45度のスイング幅である。
【0087】
しかし、本実施形態では乾燥モードでは第2送出範囲Rを含み、第2送出範囲Rよりも広い範囲(乾燥送出範囲)で送風は行われる。そして、本実施形態では、乾燥送出範囲は
通常モードでの送出範囲(第1送出範囲)と同様の範囲であるとして説明する。言い換えると、乾燥モードでも、制御部5はルーバー24を第1揺動範囲(=乾燥揺動範囲)でスイングさせ、約0度〜約−90度の範囲で送風を行わせる(図7で乾燥送出範囲の上限と下限の一例を破線で図示)。
【0088】
そして、第2の実施形態では制御部5は乾燥送出範囲(第1送出範囲)へのスイングS1の往復1回に対し、第2送出範囲Rのみに対するスイングS2の1又は複数回の往復を行う(図7では2回)。言い換えると、本実施形態では乾燥送出範囲に送風する期間(時間)と第2送出範囲Rに送風する期間(時間)が設けられる。具体的にいえば、第2の実施形態では、制御部5は第2送出範囲Rよりも広い範囲(乾燥送出範囲)に送風を1回を行うと、1又は複数回、第2送出範囲Rに対してのみの送風がなされるように、ルーバー24をスイング(揺動)させる。
【0089】
尚、乾燥モードでの送風の組み合わせにおいては、乾燥送出範囲への送風を1回とし、第2送出範囲Rへの送風を1回としてもよい。又、乾燥送出範囲への送風を2回とし、第2送出範囲Rへの送風を3回としてもよい。又、乾燥送出範囲への送風回数と第2送出範囲Rへの送風回数は固定されなくても良い。すなわち、単位時間の間に乾燥送出範囲(第1送出範囲)と第2送出範囲Rのみへの送風とが組み合わされるように、ルーバー24は揺動する。言い換えると、乾燥モードでは、ルーバー24は単位時間の間に乾燥送出範囲に送風は行いつつ、第2送出範囲Rのみへの送風を(少なくとも1回)行う。
【0090】
このように、本実施形態では、乾燥モードでルーバー24のスイング速度(揺動速度)が通常モードと同じで室内ファン23の回転速度も通常モードと同じである場合、乾燥モードでは第2送出範囲Rに対する送風回数が、乾燥送出範囲(第1送出範囲)よりも多くされる。これにより、第2送出範囲Rでの単位時間当たりの風量を増やすことができる。
【0091】
例えば、ルーバー24のスイング速度(揺動速度)や室内ファン23の回転速度は乾燥モードと通常モードとで同じであるとする。そして、通常モードにおいて、2分間の間に、ルーバー24は乾燥送出範囲(第1送出範囲、スイングS1の範囲)に送風するように2往復スイングするものとする(乾燥送出範囲への2往復の送風。乾燥送出範囲に第2送出範囲Rが含まれるので、第2送出範囲Rに対しても2往復の送風)。一方、乾燥モードでは、第2送出範囲Rが、乾燥送出範囲の約2分の1であるとする。また、乾燥モードではルーバー24がスイングS1の乾燥送出範囲に送風するように、2分間の間に、往復1回スイング(乾燥送出範囲への1往復の送風)した後、スイングS2の第2送出範囲Rに送風するスイング(第2送出範囲Rへの1往復の送風)を2回繰り返すとする。そうすると、単純計算で、通常モードでのスイングS1の乾燥送出範囲への2往復の送出の間に、乾燥モードでは第2送出範囲Rに対しては3往復の送出が行われる。よって、通常モードよりも乾燥モードの単位時間(例えば、2分間)当たりの風量を増やすことができる。
【0092】
これにより、第2送出範囲Rへの意図的な送風の集中がなされる。そして、乾燥対象Dを乾きやすくするとともに、第2送出範囲R周辺に滞留する高湿度の空気を吹き飛ばし、乾燥対象Dを乾きやすくすることができる。従って、第2送出範囲Rの単位時間当たりの風量は通常モードで0度〜約−90度の範囲で送風を行う場合に比べて多くなる。
【0093】
尚、第2の実施形態でも第1の実施形態と同様に第2送出範囲Rの調整を行うことができる。又、乾燥モードでの処理の流れも第1の実施形態と同様でよいが、暖房強風運転状態(ステップ♯4)や送風強風運転状態で(ステップ♯8)のとき(図7参照)、第1の実施形態では第2送出範囲Rにのみ送風が行われていたところ、第2の実施形態では第2送出範囲Rへの送風のスイング回数を増やしつつ、送風自体は第2送出範囲Rよりも広い範囲(乾燥送出範囲)になされる。
【0094】
このようにして、乾燥モードのとき、ルーバーは第2送出範囲を含み第2送出範囲よりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動する期間と、第2送出範囲Rに空気を送出する第2揺動範囲でのみ揺動する期間とを有する。言い換えると、制御部5は乾燥モードのとき、第2送出範囲Rよりも広い乾燥送出範囲に送風が行われるようにルーバー24をスイングさせるとともに、第2送出範囲Rでは通常モードのときよりも単位時間当たりの風量が増えるように送風させる。乾燥モードでは第2送出範囲Rよりも広い範囲に送風はなされるが、意図的に第2送出範囲Rでは通常モードのときよりも単位時間当たりの風量が増えるように送風がなされる。これにより、乾燥対象を存在させる第2送出範囲Rに吹き出される単位時間当たりの風量を増加させて乾燥対象を乾きやすくすることができる。また、第2送出範囲Rよりも広い範囲にも送風が行われるので、乾燥対象から蒸発して第2送出範囲R周辺に滞留する高湿度の空気を吹き飛ばし、乾燥対象を乾きやすくすることができる。
【0095】
また、空気調和機1において、乾燥送出範囲は第1送出範囲(通常モードでの送出範囲)とする。これにより、乾燥モードでも通常モードと同様の送風能力(送出範囲)を確保することができる。又、乾燥モードは通常モードと送出範囲が大きく異なるといった違和感を与えずにすむ。
【0096】
(第3の実施形態)
次に、図8を用いて、本発明の第3の実施形態に係る空気調和機1を説明する。図8は第3の実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。
【0097】
第3の実施形態の空気調和機1は第1や第2の実施形態と乾燥モードでの送風方法が異なるがハードウェア自体や乾燥モードでの処理の流れは同様でよい。そこで、第1や第2の実施形態と共通する部分は、特に説明する場合を除き、援用するものとして、説明、図示を省略する。
【0098】
図8に示すように、第2の実施形態では乾燥モードでも通常モードの送出範囲よりも狭い第2送出範囲R(図7に第2送出範囲Rの上限と下限の一例を実線で図示)が設けられる点は第1、第2の実施形態と同様である。例えば、第2送出範囲Rの範囲は約40〜45度のスイング幅である。
【0099】
しかし、本実施形態では乾燥モードでは第2送出範囲Rを含み、第2送出範囲Rよりも広い範囲(乾燥送出範囲=R+2R1)で送風は行われる。そして、本実施形態では、乾燥送出範囲は通常モードでの送出範囲(第1送出範囲)と同様の範囲であるとして説明する。言い換えると、乾燥モードでも、制御部5はルーバー24を第1揺動範囲(=乾燥揺動範囲)でスイングさせ、約0度〜約−90度の範囲で送風を行わせる(図7で乾燥送出範囲の上限と下限の一例を破線で図示)。
【0100】
そして、第3の実施形態では制御部5は乾燥送出範囲に空気が送出されるようにスイング自体を行わせつつ、第2送出範囲Rでは、制御部5はルーバーモーター24Mを制御してスイングの速度(ルーバー24の可変速度、更に言えば、ルーバーモーター24Mの回転速度)を、第2送出範囲R以外の範囲R1よりも落とす。これにより、第2送出範囲Rへの意図的な送風の集中がなされる。従って、第2送出範囲Rの単位時間当たりの風量は通常モードで0度〜約−90度の範囲で送風を行う場合に比べて多くなる。
【0101】
このように、本実施形態では、乾燥モードでルーバー24のスイング速度(揺動速度)は、第2送出範囲Rに送出するとき遅くする。これにより、第2送出範囲Rでの単位時間当たりの風量を増やすことができる。
【0102】
例えば、室内ファン23の回転速度は乾燥モードと通常モードとで同じであるとする。そして、通常モードにおいて、約2分間の間に、ルーバー24は乾燥送出範囲(第1送出範囲、スイングS1の範囲)に送風するように2往復スイングするものとする(乾燥送出範囲への2往復の送風、片道約30秒、第1送出範囲に第2送出範囲Rが含まれるので、第2送出範囲Rに対しても2往復の送風)。一方、乾燥モードでは、第2送出範囲Rが、乾燥送出範囲の約2分の1であるとする。また、乾燥モードでは、第2送出範囲R以外では通常モードと同じ速度でルーバー24が揺動し(片道での所要時間約15秒)、第2送出範囲Rでは通常モードよりも1/3の速度で揺動するとする(片道での所要時間約45秒)。従って、例えば、乾燥モードでは、約2分間の間に、ルーバー24は乾燥送出範囲(第1送出範囲、スイングS1の範囲)に送風するように1往復スイングするものとなる(乾燥送出範囲への1往復の送風)。
【0103】
そうすると、単純計算で、乾燥モードでは、単位時間(例えば、2分間)におけるルーバー24のスイング回数は通常モードよりも減少する。しかし、2分間のうち、通常モードでは第2送出範囲Rへの送風が約60秒であったのに対し、乾燥モードでは約45秒×2=約90秒となる。よって、通常モードよりも乾燥モードの単位時間(例えば、2分間)当たりの風量を増やすことができる。
【0104】
尚、第3の実施形態でも第1や第2の実施形態と同様に第2送出範囲Rの調整を行うことができる。又、乾燥モードでの処理の流れも第1や第2の実施形態と同様でよい。具体的に、暖房強風運転状態(ステップ♯4)や送風強風運転状態で(ステップ♯8)のとき(図7参照)、第1の実施形態では第2送出範囲Rにのみ送風が行われていたところ、第3の実施形態では乾燥送出範囲への送風を行いつつ第2送出範囲Rではスイング速度を落とす送風がなされる。
【0105】
このようにして、第3の実施形態では、乾燥モードのとき、ルーバー(ルーバー24等)は第2送出範囲Rを含み第2送出範囲Rよりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動し、第2送出範囲Rに送出しているとき、第2送出範囲R外に送出しているときよりも可変速度が遅くなる。言い換えると、制御部5は第2送出範囲Rでは第2送出範囲R以外の範囲よりもルーバー24の変化速度を遅らせる。乾燥モードでは第2送出範囲Rよりも広い範囲に送風はなされるが、意図的に第2送出範囲Rでは通常モードのときよりも単位時間当たりの風量が増えるように送風がなされる(上述の実施形態2と組み合わせてもよい)。これにより、乾燥対象を存在させる第2送出範囲Rに吹き出される単位時間当たりの風量を増加させて乾燥対象を乾きやすくすることができる。また、第2送出範囲Rよりも広い範囲にも送風が行われるので、乾燥対象から蒸発して第2送出範囲R周辺に滞留する高湿度の空気を吹き飛ばし、乾燥対象を乾きやすくすることができる。
【0106】
(第4の実施形態)
次に、図9を用いて、本発明の第4の実施形態に係る空気調和機1を説明する。図9は第4の実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。
【0107】
第4の実施形態の空気調和機1は第1〜第3の実施形態と乾燥モードでの送風方法が異なるがハードウェア自体や乾燥モードでの処理の流れは同様でよい。そこで、第1〜第3の実施形態と共通する部分は、特に説明する場合を除き、援用するものとして、説明、図示を省略する。
【0108】
図9に示すように、第3の実施形態では乾燥モードでも通常モードの送出範囲よりも狭い第2送出範囲R(図7に第2送出範囲Rの上限と下限の一例を実線で図示)が設けられる点は第1〜第3の実施形態と同様である。例えば、第2送出範囲Rの範囲は約40〜45度のスイング幅である。
【0109】
しかし、本実施形態では乾燥モードでは第2送出範囲Rを含み、第2送出範囲Rよりも広い範囲(乾燥送出範囲=R+2R2)で送風は行われる。そして、本実施形態では、乾燥送出範囲は通常モードでの送出範囲(第1送出範囲)と同様の範囲であるとして説明する。言い換えると、乾燥モードでも、制御部5はルーバー24を第1揺動範囲(=乾燥揺動範囲)でスイングさせ、約0度〜約−90度の範囲で送風を行わせる(図7で乾燥送出範囲の上限と下限の一例を破線で図示)。
【0110】
そして、第4の実施形態では、制御部5は乾燥送出範囲に空気が送出されるようにルーバーをスイングさせる(ルーバーは第1揺動範囲で動作する)。第2送出範囲R(図9での範囲R)では、制御部5は室内ファンモーター23Mを制御して室内ファンモーター23Mの回転速度を通常モードのときや第2送出範囲R以外の範囲R2のときより上げる。例えば、制御部5は通常モードや第2送出範囲R以外の範囲R2での最大風量のときの室内ファンモーター23Mの回転数よりも、第2送出範囲Rでの室内ファンモーター23Mの回転数を大きくする。これにより、第2送出範囲Rへの意図的な送風の集中がなされる。従って、第2送出範囲Rの単位時間当たりの風量は通常モードで0度〜約−90度の範囲で送風を行う場合に比べて多くなる。
【0111】
例えば、ルーバー24のスイング速度(揺動速度)は乾燥モードと通常モードとで同じであるとする。そして、通常モードにおいて、2分間の間に、ルーバー24は乾燥送出範囲(第1送出範囲、スイングS1の範囲)に送風するように2往復スイングするものとする(乾燥送出範囲への2往復の送風。乾燥送出範囲に第2送出範囲Rが含まれるので、第2送出範囲Rに対しても2往復の送風)。一方、乾燥モードでは、第2送出範囲Rが、乾燥送出範囲の約2分の1であるとする。また、乾燥モードでは、室内ファン23は第2送出範囲R以外では通常モードと同じ風量で送風し、第2送出範囲Rでは通常モードの風量Aの1.5倍で送風するとする。そうすると、単純計算で、乾燥モードでは通常モードよりも、第2送出範囲Rに対し1.5倍の風量(風量1.5A)とすることができる。よって、通常モードよりも乾燥モードの単位時間当たりの風量を増やすことができる。
【0112】
尚、第4の実施形態でも第1〜第3の実施形態と同様に第2送出範囲Rの調整を行うことができる。又、乾燥モードでの処理の流れも第1〜第3の実施形態と同様でよい。具体的に、暖房強風運転状態(ステップ♯4)や送風強風運転状態で(ステップ♯8)のとき(図7参照)、第1の実施形態では第2送出範囲Rにのみ送風が行われていたところ、第4の実施形態では、制御部5は乾燥送出範囲への送風を行いつつ第2送出範囲R以外に送風する場合に比べ第2送出範囲Rでの室内ファンモーター23Mの回転速度を速くする。
【0113】
このようにして、空気調和機1は、乾燥モードのとき、ルーバー(ルーバー24等)は第2送出範囲Rを含み第2送出範囲Rよりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動し、室内ファンは、第2送出範囲Rに送出しているとき、第2送出範囲R外に送出しているときよりも速く回転する。乾燥モードでは第2送出範囲Rよりも広い範囲に送風はなされるが、意図的に第2送出範囲Rでは通常モードのときよりも単位時間当たりの風量が増えるように送風がなされる。これにより、乾燥対象を存在させる第2送出範囲Rに吹き出される単位時間当たりの風量を増加させて乾燥対象を乾きやすくすることができる。また、第2送出範囲Rよりも広い範囲にも送風が行われるので、乾燥対象から蒸発して第2送出範囲R周辺に滞留する高湿度の空気を吹き飛ばし、乾燥対象を乾きやすくすることができる。
【0114】
又、第2〜第4の実施形態では、乾燥モードでは第2送出範囲Rよりも広い範囲に送風はなされるが、これらいずれか1つまたは複数を組み合わせ、意図的に第2送出範囲Rよりも広い範囲に第2送出範囲Rへの単位時間の風量を第2送出範囲R以外の範囲よりも増やしてもよい。
【0115】
(第5の実施形態)
次に、図10、図11を用いて第5の実施形態に係る空気調和機1を説明する。図10は第5の実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。図11は第5の実施形態における乾燥モードでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0116】
第5の実施形態の空気調和機1は第1〜第4の実施形態と乾燥モードでの送風方法が異なるがハードウェア自体は同様でよい。そこで、第1〜第4の実施形態と共通する部分は、特に説明する場合を除き、援用するものとして、説明、図示を省略する。
【0117】
乾燥対象Dの水分は時間が経つに従い降りてくる。そこで、本実施形態では乾燥モードに入り乾燥対象Dに送風を行ってから時間が経過するごとに第2送出範囲Rの上限を下限に近づける。このため、制御部5は時間を計時するとともに(例えば計時部53が計時)、乾燥モードでの送風開始から所定時間が経過したとき、あるいは、先の第2送出範囲Rの上限位置の変更から所定時間が経過したとき、ルーバーモーター24Mの制御内容を変更して第2送出範囲Rの上限位置を変更する。
【0118】
図10では、第2送出範囲Rの上限と下限の一例を実線で示している。例えば、乾燥モードに入って最初のうち、制御部5は第2送出範囲Rの上限位置をもっとも高い位置(上限位置P1)とする。最初の段階では、制御部5は上限位置P1と下限の下限位置P4との間の幅を第2送出範囲Rとしてルーバー24をスイングさせる。
【0119】
そして、乾燥モードでの送風開始から所定時間が経過すると、制御部5は第2送出範囲Rの上限位置を下げた位置(上限位置P2)とする。これにより、制御部5は上限位置P2と下限の下限位置P4との間の幅を第2送出範囲Rとしてルーバー24をスイングさせる。
【0120】
更に、上限位置P2としてから所定時間が経過すると、制御部5は第2送出範囲Rの上限位置を上限位置P3とする。これにより、制御部5は上限位置P3と下限位置P4との間の幅を第2送出範囲Rとしてルーバー24をスイングさせる。
【0121】
ここで、所定時間は任意に定めることができるが、乾燥のため第2送出範囲Rに送風を行う時間を第2送出範囲Rの段階数で割って所定時間を求めても良い。例えば、第2送出範囲Rに3時間の送風を行う場合、図10の例では第2送出範囲Rは3段階に変化するので、所定時間を1時間と定めても良い。又、所定時間は次第に長くなるように、あるいは、次第に短くなるように重みを持たせて定めても良い。
【0122】
次に、図11を用いて第5の実施形態における乾燥モードでの処理の流れを説明する。図11は第5の実施形態における乾燥モードでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。第5の実施形態のフローチャートは、第1〜第4の実施形態の処理の流れに第2送出範囲Rを狭めていく処理を加えたものである。
【0123】
図11のスタート〜ステップ♯24は、第1の実施形態のスタート〜ステップ♯4と同様で良いので説明を省略する(図6参照)。そして、暖房運転で暖房強風運転が開始されると(ステップ♯24)、制御部5は乾燥モード開始から、あるいは、先に第2送出範囲Rを狭めてから第1所定時間が経過したかを確認する(ステップ♯25)。尚、本実施形態の空気調和機1では暖房運転と暖房以外の運転(冷房や除湿)での所定時間を異ならせるので、便宜上、暖房運転での所定時間を第1所定時間と称する。
【0124】
もし、第1所定時間が経過していなければ(ステップ♯25のNo)、フローはステップ♯24に戻る。一方、第1所定時間が経過すれば(ステップ♯25のYes)、制御部5は第2送出範囲Rの上限位置を予め定められた角度だけ下げ、第2送出範囲Rを変更する(ステップ♯26)。これにより、以後の送風では第2送出範囲Rのうち下方への送風が重点的に行われる。そして、ステップ♯27に移行する。尚、ステップ♯27〜ステップ♯30は第1の実施形態のステップ♯5〜ステップ♯8と同様で良いので説明を省略する(図6参照)。
【0125】
一方、暖房以外の運転のときに送風強風運転が開始されると(ステップ♯30)、制御部5は乾燥モード開始から、あるいは、先に第2送出範囲Rを狭めてから第2所定時間が経過したかを確認する(ステップ♯31)。尚、本実施形態の空気調和機1では暖房以外の運転(冷房や除湿)では暖房運転のときよりも乾燥対象Dへの送風時間を短くするので、第2所定時間は第1所定時間よりも短くすることができる。
【0126】
もし、第2所定時間が経過していなければ(ステップ♯31のNo)、フローはステップ♯30に戻る。一方、第2所定時間が経過すれば(ステップ♯31のYes)、制御部5は第2送出範囲Rの上限位置を予め定められた角度だけ下げ、第2送出範囲Rを変更する(ステップ♯32)。これにより、以後の送風では第2送出範囲Rのうち下方への送風が重点的に行われる。そして、ステップ♯33に移行する。尚、ステップ♯33〜ステップ♯35は第1の実施形態のステップ♯9〜ステップ♯11と同様で良いので説明を省略する(図6参照)。
【0127】
尚、第5の実施形態は、上述した第1〜第4の実施形態のいずれか又は組み合わせとともに実施することができる。言い換えると、いずれかの実施の態様において、制御部5は乾燥モードで運転しているとき次第に第2送出範囲Rは上限が下限に近づくようにルーバー24のスイング幅を変化させる。
【0128】
このようにして、空気調和機1において、ルーバー24は上下方向で風向を可変し、乾燥モードのとき、次第に第2揺動範囲の上限位置を下げていく。乾燥対象の水分は干していると下方に伝わっていき下部ほど乾き難いところ、これにより、乾燥対象の下方への単位時間当たりの風量を増加させることができる。従って、乾燥対象全体を速やかに乾かすことができる。
【0129】
(第6の実施形態)
次に、図12を用いて、本発明の第6の実施形態に係る空気調和機1を説明する。図12は第6の実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。
【0130】
第6の実施形態の空気調和機1は第1〜第5の実施形態と乾燥モードで第2送出範囲Rを左右方向でも通常モードよりも狭める点で異なるがハードウェア自体や乾燥モードでの処理の流れは同様でよい。そこで、第1〜第5の実施形態と共通する部分は、特に説明する場合を除き、援用するものとして、説明、図示を省略する。
【0131】
図12は、上述の図面とは異なり、室内を上方から俯瞰した図である。そして、図12では、通常モードでの送出範囲の一例を破線で図示している。又、図12では第6の実施形態での第2送出範囲Rの第2送出範囲Rの左限と右限の一例を実線で図示している。
【0132】
第1〜第5の実施形態では、第2送出範囲Rは通常モードよりも上下方向の送風幅(送風角度)を狭くした。そして、第6の実施形態では、第2送出範囲Rを左右方向でも意図的に狭めることで通常モードよりも第2送出範囲Rへの単位時間の風量を増やす。具体的に、制御部5は乾燥モードが選択されると左右ルーバーモーター25Mを制御し、左右ルーバー25のスイング幅を通常モードよりも狭くし、左右方向における吹出を制御する。
【0133】
尚、上記で説明したように、通常モードなどでの送出範囲のうち、上下方向でのみ狭めた範囲を第2送出範囲Rとしてもよい。又、通常モードなどでの送出範囲のうち、左右方向でのみ狭めた範囲を第2送出範囲Rとしてもよい。あるいは、通常モードなどでの送出範囲のうち、上下方向かつ左右方向で狭めた範囲を第2送出範囲Rとしてもよい。
【0134】
このようにして、上下方向で送出範囲を定めるルーバー24を動かすルーバーモーター24Mと、左右方向で送出範囲を定めるルーバー24(左右ルーバー25)を動かすルーバーモーター24M(左右ルーバーモーター25M)がそれぞれ設けられ、制御部5は、送風可能な全範囲に対して上下方向、及び/又は、左右方向で狭い範囲を第2送出範囲Rとして乾燥モードでの送風を行わせる。これにより、第2送出範囲Rを細かく定めることができる。従って、乾燥対象Dの上下方向の長さと左右方向の長さに対応して第2送出範囲Rを定めることができる。
【0135】
他の実施形態を説明する。上記の実施形態では上下方向において水平方向(0度)からほぼ鉛直下方向(約−90度)の範囲で吹出口21から空気を吹き出させる空気調和機1の例を説明した。しかし、空気の吹出の角度は上記の例に限られない。例えば、空気調和機1は、水平よりも上方に空気が吹き出し可能であってもよい(例えば水平方向よりも上方20度〜30度に向けて空気を送出可能とする)。
【0136】
又、上記の実施形態では、乾燥送出範囲は通常モードでの送出範囲(第1送出範囲)と同じ範囲である例を説明した。しかし、乾燥送出範囲は第1送出範囲よりも広くても良いし狭くても良く同じ範囲でなくても良い。
【0137】
又、乾燥モードでは、第2送出範囲Rが、乾燥送出範囲(第1送出範囲)の約2分の1であるとして説明したが、乾燥送出範囲(第1送出範囲)よりも狭ければ、約2分の1よりも広い範囲(例えば、1.5分の1、約60度の幅(範囲))でもよいし、約2分の1よりも狭い範囲(例えば、3分の1、約30度の幅(範囲))でもよい。
【0138】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、空気調和機に利用することができる。
【符号の説明】
【0140】
1 空気調和機 2 室内部
21 吹出口 22 表示部
23 室内ファン 23M 室内ファンモーター
24 ルーバー 24M ルーバーモーター
25 左右ルーバー 25M 左右ルーバーモーター
26 室内熱交換器 27 温度検知部
28 イオン発生装置 3 室外部
31 圧縮機 32 圧縮機駆動回路
33 室外ファン 33M 室外ファンモーター
34 室外熱交換器 35 四方弁
36 減圧器 4 設定部
41 リモートコントロール装置 411 カバー
B1 冷房ボタン B2 暖房ボタン
B3 停止ボタン B4 除湿ボタン
B5 自動運転ボタン B6 温度設定ボタン
B7 湿度設定ボタン B8 上下風向ボタン
B9 左右風向ボタン B10 生活除湿ボタン
42 受信部 43 操作部
5 制御部 52 記憶部
D 乾燥対象 R 第2送出範囲
P1 上限位置 P2 上限位置
P3 上限位置 P4 下限位置
【技術分野】
【0001】
本発明は部屋に空気を送風し、衣類などの乾燥対象に送風を行う乾燥モードを有する空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機は室内の空気を吸入し、温度や湿度を調整した後、空気を室内に送風する(吐出する)。一方、濡れた衣類などに風を当てると、乾燥時間が短くなることが知られている。送風により衣類近辺の高湿度な空気を吹き飛ばせるためと考えられる。そして、空気調和機を乾燥機として用いる観点から、衣類などを乾燥させる乾燥モードを搭載した空気調和機が存在する。このような乾燥モードを有する空気調和機の一例が特許文献1に記載されている。
【0003】
具体的に特許文献1には、室内ファンと圧縮機を有する空気調和機を操作部からの指令に基づいて乾燥運転を行い、乾燥運転時、冷房運転モード、送風運転モード、暖房運転モードといったモードによって、風向きやスイング制御を異ならせる空気調和機の乾燥運転方法が記載されている。この構成により、洗濯物の乾燥を効率的に行おうとする(特許文献1:請求項1〜3、段落0004等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−279027
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
空気調和機の吹出口は室内干しされる洗濯物(例えば、室内用物干しに干された洗濯物やカバー類)よりも上に位置することが多い。そこで、上方特許文献1記載の発明は乾燥モードでは送風をやや下向き(斜め下向き)とする。また、空気調和機にはリモートコントロール装置で風向(送出範囲)を切替可能なものがある。そこで、乾燥モードでは、使用者がリモートコントロール装置により乾燥対象に風が当たるように風向を設定する場合もある。
【0006】
また、近年では送風により除菌や脱臭を行うことがある。出願人はプラスイオンとマイナスイオンを空気中に放出し、このイオン放出により除菌や脱臭を図る独自の技術を有する。除菌や脱臭の観点からみてもイオンを含む風を乾燥対象の全体に対して効率的に風を吹き付けることが好ましい。ところが、従来の空気調和機では、細かな送出範囲の設定ができず送出範囲は固定的であるため、スイングによる送出範囲のうち、乾燥対象が存在しない範囲に送風を行うことがある。また、乾燥モードでスイングを止める設定がなされていれば、衣類全体に送風がなされない可能性が高い。そのため、従来、乾燥対象全体に効率的に送風できていないという問題もある。
【0007】
ところが、特許文献1の発明では、送出範囲は通常運転にしても、乾燥運転にしても固定的である。そのため、効率的に乾燥対象全体に送風するという問題を解決できない。
【0008】
本発明は乾燥モードで効率的に乾燥対象全体に送風することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、風向を可変するルーバーを吹出口に設け、前記室内ファンの回転により前記吹出口から空気を送出する空気調和機において、前記ルーバーが予め定められた第1揺動範囲を揺動して第1送出範囲に空気を送出する通常モードと、前記第1送出範囲よりも狭い第2送出範囲での単位時間当たりの風量が前記通常モードよりも多い乾燥モードを備えることとした。
【0010】
この構成によれば、乾燥モードでは、通常モードのときよりも単位時間当たりの風量が多い第2送出範囲が設けられる。これにより、意図的に単位時間当たりの風量を増加させる第2送出範囲が設けられ、従来よりも乾燥対象(洗濯物や衣類など)に多くの風を当てることができる。また、多くの風を吹き当てることにより乾燥対象全体に風が行き渡り易くなる。従って、乾燥対象の湿気を速やかにとばして乾きやすくすることができる。
【0011】
また、上記の空気調和機において、空気調和機の動作設定を受け付ける設定部を含ませ前記設定部は前記第2送出範囲を可変させる使用者の操作を受け付けることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、設定部は第2送出範囲を定める操作(設定指示)を受け付ける。これにより、ルーバーをスイングさせる範囲を設定し、第2送出範囲を乾燥対象が存在する範囲にあわせることができる。従って、乾燥対象が存在しない範囲への送風をなくし、乾燥対象全体に効率的に送風を行い乾燥させることができる。
【0013】
また、上記の空気調和機において、前記設定部は前記第2送出範囲の端を可変させる操作を受け付けることも好ましい。
【0014】
この構成によれば、設定部は第2送出範囲の端を可変させる(端位置を定める)入力を受け付ける。これにより、第2送出範囲を細かく設定することができる。
【0015】
また、上記の空気調和機において、前記乾燥モードのとき、前記ルーバーは前記第2送出範囲に空気を送出する第2揺動範囲でのみ揺動することも好ましい。
【0016】
この構成によれば、乾燥モードのとき、通常モードでの送出範囲よりも狭い送出範囲(第2送出範囲)でのみ送風が行われるようにルーバーはスイングする。これにより、通常モードと同様の風量で送風を行っても、第2送出範囲は通常モードより狭いので、第2送出範囲では通常モードのときよりも単位時間当たりの風量が増える。従って、乾燥対象を存在させる第2送出範囲での単位時間当たりの風量を増加させて乾燥対象を乾きやすくすることができる。
【0017】
また、前記乾燥モードのとき、前記ルーバーは前記第2送出範囲を含み前記第2送出範囲よりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動する期間と、前記第2送出範囲に空気を送出する第2揺動範囲でのみ揺動する期間とを有することも好ましい。
【0018】
また、上記の空気調和機において、前記乾燥モードのとき、前記ルーバーは前記第2送出範囲を含み前記第2送出範囲よりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動し、前記第2送出範囲に送出しているとき、前記第2送出範囲外に送出しているときよりも可変速度が遅くなることも好ましい。
【0019】
また、上記の空気調和機において、前記乾燥モードのとき、前記ルーバーは前記第2送出範囲を含み前記第2送出範囲よりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動し、前記室内ファンは、前記第2送出範囲に送出しているとき、前記第2送出範囲外に送出しているときよりも回転速度が速くすることも好ましい。
【0020】
乾燥モードでは第2送出範囲よりも広い範囲に送風はなされるが、意図的に第2送出範囲では通常モードのときよりも単位時間当たりの風量が増えるように送風がなされる(これらいずれ複数を組み合わせてもよい)。これにより、乾燥対象を存在させる第2送出範囲に吹き出される単位時間当たりの風量を増加させて乾燥対象を乾きやすくすることができる。また、第2送出範囲よりも広い範囲にも送風が行われるので、乾燥対象から蒸発して第2送出範囲周辺に滞留する高湿度の空気を吹き飛ばし、乾燥対象を乾きやすくすることができる。
【0021】
また、上記の空気調和機において、前記乾燥送出範囲は前記第1送出範囲とすることも好ましい。
【0022】
この構成によれば、乾燥モードでの乾燥送出範囲は通常モードでの送出範囲(第1送出範囲)とされる。これにより、乾燥モードでも通常モードと同様の送風能力(送出範囲)を確保することができる。又、乾燥モードは通常モードと送出範囲が大きく異なるといった違和感を与えずにすむ。
【0023】
また、上記の空気調和機において、前記ルーバーは上下方向で風向を可変し、前記乾燥モードのとき、次第に前記第2揺動範囲の上限位置を下げていくことも好ましい。
【0024】
この構成によれば、乾燥モードのとき、次第に第2送出範囲の上限位置は下がる。乾燥対象の水分は干していると下方に伝わっていき下部ほど乾き難いところ、これにより、乾燥対象の下方への単位時間当たりの風量を増加させることができる。従って、乾燥対象全体を速やかに乾かすことができる。
【0025】
また、上記の空気調和機は、イオンを発生させるイオン発生装置を備え、前記吹出口からの吹出空気は前記イオン発生装置が発生させたイオンを含むことも好ましい。
【0026】
この構成によれば、吹出空気にはイオンが含まれる。これにより、除菌性や消臭性を有するイオンを室内に吹き出させることができる。従って、乾燥対象の除菌を行うと共に乾燥対象からの臭い発生を防ぎ、快適な乾燥を行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、乾燥モードで乾燥のための送出範囲(第2送出範囲)の単位時間当たりの風量を通常モードのときよりも意図的に増やすことができる。そして、効率的に乾燥対象全体に送風し、乾燥対象を乾きやすくして迅速、快適な乾燥モードを実現する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1実施形態に係る空気調和機の一例を示す模式図であり、(a)は室内部の一例を示し、(b)は室外部の一例を示す。
【図2】第1実施形態に係る空気調和機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係るリモートコントロール装置の一例を示し、(a)はカバーを閉じた状態、図3(b)はカバーを開いた状態の一例を示す。
【図4】第1実施形態での乾燥モードでの送出範囲と通常モードでの送出範囲を説明するための説明図である。
【図5】第1実施形態での第2送出範囲の調整の一例を説明するための説明図である。
【図6】第1実施形態における乾燥モードでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。
【図8】第3実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。
【図9】第4実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。
【図10】第5実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。
【図11】第5実施形態における乾燥モードでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図12】第6実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
乾燥対象を効率的、迅速に乾燥させるには、乾燥対象への送出範囲における単位時間当たりの風量を効果的に増やすことが理想的である。しかし、従来の空気調和機では乾燥のために単位時間当たりの風量を積極的に増やしていないという問題がある(例えば、上述の従来発明は通常運転に比べて積極的に乾燥対象への送出範囲における単位時間当たりの風量を増やそうと意図したものではない)。又、従来、乾燥対象全体に効率的に送風できていないという問題もある。そこで、各実施形態では、乾燥モードで乾燥のための送出範囲での単位時間当たりの風量を増やし、効率的に乾燥対象全体に送風する。そこで、本発明の実施形態を図1〜12を用いて説明する。まず、図1〜図6を用いて第1の実施形態を説明する。
【0030】
ここで、単位時間について説明しておく。単位時間は任意に定めることができる時間である。尚、以下に説明する例では10分間や2分間とを例に挙げて説明している。単位時間は乾燥モードで乾燥のための送出範囲(以下の例では第2送出範囲Rとして説明)への風量が通常モードよりも明確に多いと把握できるように、一定の間隔(例えば、10分間や2分間)と定めることができる。又、単位時間は1分間としても良いし1時間としてもよく、10分間や2分間に限られない。尚、一定の間隔分の秒(例えば、10分間なら600秒、2分間なら120秒)で一定の間隔での合計風量を割れば、1秒を単位時間とした単位時間当たりの風量を得ることができる。又、一定の間隔分の分(例えば、10分間なら10、2分間なら2)で一定の間隔での合計風量を割れば、1分を単位時間とした単位時間当たりの風量を得ることができる。このように、単位時間を任意に定めて、通常モードと乾燥モードでの乾燥モードで乾燥のための送出範囲への風量を比較することができる。尚、風量は後述する室内ファン23の仕様と回転速度(回転速度に対して送出する風量)によって求めることができる。
【0031】
(第1の実施形態)
まず、図1を用いて第1の実施形態に係る空気調和機1の概要を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る空気調和機1の一例を示す模式図であり、(a)は室内部2の一例を示し、(b)は室外部3の一例を示す。
【0032】
図1(a)に示すように、本実施形態の空気調和機1は室内部2(室内機)を含む。室内部2は室内の空気を吸入し、熱交換後の空気を室内に吹き出す。例えば、室内部2の空気の吹出口21は室内部2の全面下方に設けられる。
【0033】
また、図1(b)に示すように本実施形態の空気調和機1は室外部3(室外機)を含む。室外部3は冷媒の室内部2とのやり取りや、室外気との熱交換を行う。
【0034】
(空気調和機1のハードウェア構成)
次に、図2を用いて第1の実施形態に係る空気調和機1のハードウェア構成の一例を説明する。図2は第1の実施形態に係る空気調和機1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
上述したように、本実施形態の空気調和機1は室内部2と室外部3を含む。そこで、室内部2から説明する。リモートコントロール装置41からの動作や設定指示を示す信号を受信する受信部42が室内部2に設けられる。赤外線や無線により信号を発信する発信部がリモートコントロール装置41に設けられ、受信部42は赤外線や電波を受信する。これにより、使用者はリモートコントロール装置41で空気調和機1の動作を操作することができる(リモートコントロール装置41の詳細は後述)。
【0036】
また、リモートコントロール装置41に依らずに動作や設定指示を行えるように、パネル状の操作部43が室内部2に設けられても良い。従って、リモートコントロール装置41と受信部42や操作部43が空気調和機1の設定を受け付ける設定部4として機能する。また、本実施形態の空気調和機1は空気調和機1の運転状態などの各種情報を表示ランプや表示パネルなどにより表示する表示部22を備える。
【0037】
また、室内部2は空気調和機1の動作を制御する制御部5を含む。例えば、制御部5は演算処理装置としてのCPU51や、空気調和機1の制御プログラムや制御用データを記憶する記憶部52(例えば、RAMやROMを含む)や、時間を計時する計時部53を実装した回路基板である。特に、乾燥モードで設けられる第2送出範囲Rに対して通常モードと異なる送風を行うため、記憶部52は乾燥モードでの送風方法に関するデータやプログラムを記憶する。制御部5は受信部42及び操作部43からの信号を受け入れ、使用者の指示にあわせて空気調和機1を制御する。また、制御部5は表示部22へ表示信号を与える。
【0038】
室内ファン23と室内ファン23を回転させて熱交換された空気を吹出口21から室内に吹き出させる室内ファンモーター23Mが室内部2に配される。制御部5は室内ファンモーター23Mの駆動を制御する。具体的に、制御部5は室内ファンモーター23MのON/OFFや、室内ファンモーター23Mの回転速度を制御する。尚、本実施形態では制御部5が室内ファンモーター23Mの動作を制御する例を説明するが、制御部5外に室内ファンモーター23Mの駆動回路を別途設け、制御部5が駆動回路に指示を与え、制御部5が間接的に室内ファンモーター23Mの動作を制御してもよい。
【0039】
また、室内ファン23によって送風される空気の上下方向における吹出方向を調節するためのルーバー24が室内部2に設けられる。また、ルーバー24を動かして上下方向で送風方向をスイングさせるルーバーモーター24Mが室内部2に設けられる。制御部5はルーバーモーター24Mの動作を制御することにより送出範囲を制御することができる。
【0040】
また、室内ファン23によって送風される空気の左右方向における吹出方向を調節するため、左右ルーバー25が室内部2に設けられる。左右ルーバー25として吹出口21近傍に垂直方向に伸びる複数枚の板が左右方向に並べられる。また、左右ルーバー25を動かして左右方向での送風方向を調節する左右ルーバーモーター25Mが室内部2に設けられる。制御部5は左右ルーバーモーター25Mの動作を制御することにより送出範囲を制御することができる。
【0041】
また、室内ファン23により室内部2内に吸い込まれた空気と熱交換する室内熱交換器26が室内部2に設けられる。また、室内温度を検知するための温度検知部27が設けられる。温度検知部27は温度により出力値(例えば、電圧値)が異なるセンサーである。制御部5は温度検知部27の出力電圧に基づき室内温度を認識する。例えば、温度検知部27の出力値と温度の関係を示すテーブルが記憶部52に記憶される。そして、制御部5は設定温度になると運転を小休止するなど、設定された温度に近づくように空気調和機1を制御する。
【0042】
また、イオン発生装置28が室内部2に設けられる。イオン発生装置28は室内空気の吸入口から吹出口21までの送風通路内に設けられる。例えば、イオン発生装置28は自然界にあるプラスイオン(H+(H2O)m(mは自然数))とマイナスイオン(O2-(H2O)n(nは自然数))を、プラズマ放電により作り出し空気中に放出する。その結果、プラスイオンやマイナスイオンを含む風が吹き出される。イオンを含む風により、アレル物質、ウイルス、菌の作用低減を図ることができ、空気調和機1に除菌や消臭機能を持たせることができる。制御部5はイオン発生装置28と接続され、イオン発生装置28の駆動のON/OFFの切替を行える。
【0043】
次に、室外部3を説明する。例えば、室外部3は屋外の地面上に設置される。室外部3は圧縮機31と圧縮機31を動作させるたるめの圧縮機駆動回路32を含む。制御部5は圧縮機駆動回路32に指示を与え圧縮機31の動作を制御する。
【0044】
そして、室外部3には室外ファン33と室外ファンモーター33Mが設けられる。制御部5は室外ファンモーター33Mを制御し、室外部3での吸い込み、吹き出しを制御する。室外ファンモーター33Mは室外ファン33を回転させて熱交換する為の空気を室外部3内に吸い込む。そして、吹き出させる。また、室外ファンモーター33Mの駆動により室外ファン33が回転し、空気が室外部3に設けられる室外熱交換器34に吹き付けられ、空気が室外に排出される。これにより室外部3内に吸い込まれた空気の熱交換がなされる。
【0045】
冷凍サイクル29を構成する四方弁35や減圧器36(例えば、電子膨張弁やキャピラリーチューブ)が室外部3に設けられる。制御部5は、四方弁35を制御し、圧縮機31が圧縮した冷媒の流れる方向を、暖房運転/冷房運転(除湿運転)に応じて切り替える。減圧器36は、圧縮機31が圧縮した高圧(放熱)側の冷媒と、膨張した低圧(吸熱)側の冷媒との圧力差を維持する。
【0046】
(リモートコントロール装置41)
次に、図3を用いて第1の実施形態に係るリモートコントロール装置41の一例を説明する。図3は第1の実施形態に係るリモートコントロール装置41の一例を示し、(a)はカバー411を閉じた状態、図3(b)はカバー411を開いた状態の一例を示す。
【0047】
リモートコントロール装置41は設定内容などを示す表示部410(例えば、液晶表示部)を正面上方に有する。そして、リモートコントロール装置41は、空気調和機1の基本的な動作指示を行うための5つの基本ボタンを含む。具体的には、冷房で空気調和機1を運転させる時に押される冷房ボタンB1、暖房で空気調和機1を運転させる時に押される暖房ボタンB2、運転を停止する為の停止ボタンB3、除湿で空気調和機1を運転させる時に押される除湿ボタンB4、設定された温度に従って自動的に冷暖房運転を行う時に押される自動運転ボタンB5を備えている。又、基本ボタンの下方には、所望する温度や湿度を設定するための温度設定ボタンB6や湿度設定ボタンB7が設けられる。
【0048】
又、より細かな設定を行うためのボタンがカバー411の下方に設けられる。使用者は風向きやタイマー設定を行うとき、カバー411を開けて各種ボタンを露出させる。カバー411を開けることにより現れるボタンの中に、上下方向の風向きを設定するための上下風向ボタンB8や左右方向の風向きを設定するための左右風向ボタンB9が設けられる。
【0049】
又、ボタンのなかには衣類の乾燥を行う乾燥モードでの運転を指示するための生活除湿ボタンB10が設けられる(乾燥モードと付されたボタンが設けられても良い)。この生活除湿ボタンB10を押すことにより、リモートコントロール装置41から室内部2の受信部42に乾燥モードでの運転すべき旨の信号が送信される。受信部42で受信された信号は制御部5に送られる。その結果、制御部5は乾燥モードで運転すべき旨を認識する。
【0050】
(通常モードと乾燥モード)
次に、図4を用いて第1の実施形態の通常モードと乾燥モードでの送風の概要を説明する。図4は第1の実施形態での乾燥モードでの送出範囲と通常モードでの送出範囲を説明するための説明図である。
【0051】
制御部5はルーバーモーター24Mを動作させることにより、上下方向において水平方向(0度)からほぼ鉛直下方向の範囲で吹出口21から空気を吹き出させることができる。尚、以下の説明では水平方向を基準の0度とし、本実施形態の空気調和機1は約0度〜約−90度の範囲で送風可能であるとして説明する。
【0052】
制御部5は乾燥モードが指示されていないとき、空気調和機1を通常モードで動作させる。言い換えると、暖房や冷房を問わず、乾燥モード以外の運転モードが通常モードであると言える。そして、図4の破線で示すように、制御部5はルーバーモーター24Mを制御しルーバー24をスイングさせることにより(第1揺動範囲でルーバー24を揺動させることにより)、例えば、通常モードでは上下方向において約0度〜約−90度の範囲で送風を行う。言い換えると、通常モードでの送出範囲(以下、「第1送出範囲」と称する)は、約0度〜約−90度となる。
【0053】
一方、第1の実施形態では、図4に示すように、乾燥モードでの送出範囲(図4において実線で示す範囲以下、「第2送出範囲R」と称する。)は、通常モードの送出範囲(第1送出範囲)よりも狭い。通常、洗濯物のような乾燥対象Dは、物干しやハンガーなどに吊され、天井に付くほどの高さで干されることは少ない。そのため、普通、吹出口21の水平方向に送風を行っても乾燥対象Dが存在しない。そこで、乾燥モードでは通常モードよりも送出範囲を狭め、乾燥対象Dが存在しない範囲への送風を無くす(死角を減らす)。そして、使用者は狭められた送出範囲に対応して、乾燥対象D全体に風が当たるように乾燥対象Dを干す位置を微調整する。
【0054】
第2送出範囲Rは、任意に定めることができるが、例えば、40〜45度のスイング幅程度とすることができる(例えば、20度〜60度や、30度〜75度の範囲)。具体的には、制御部5はルーバー24が約40〜45度程度回転すると反転されるようにルーバーモーター24Mを制御する。従って、本実施形態の空気調和機1では、乾燥モードでのスイング幅(第2送出範囲R)は通常モードのスイング幅(第1送出範囲)に比べて約1/2とされる。尚、空気調和機1の機種により、最適な第2送出範囲Rは異なり得るので、乾燥モードでの第2送出範囲Rでのスイング幅(第2送出範囲Rの幅)は空気調和機1の機種に応じて適宜定められる。
【0055】
このように、本実施形態では乾燥モードでの送出範囲は通常モードよりも狭くされるので、ルーバー24のスイング速度(揺動速度)が通常モードと同じで室内ファン23の回転速度も通常モードと同じである場合、第2送出範囲Rでの単位時間当たりの風量を増やすことができる。例えば、通常モードにおいて、10分間のうち、ルーバー24は第1送出範囲に送風するように10往復スイングするとする(第1送出範囲10往復の送風。第1送出範囲に第2送出範囲Rが含まれるので、第2送出範囲Rに対しても10往復の送風)。このとき、第2送出範囲Rが、第1送出範囲の2分の1であるとする。そうすると、乾燥モードにおいて、10分間に、ルーバー24は第2送出範囲に送風するように20往復スイングできる(第2送出範囲への20往復の送風)。よって、10分間という単位時間において、通常モードよりも乾燥モードの単位時間当たりの風量を増やすことができる。
【0056】
又、制御部5は室内ファンモーター23Mを制御し、乾燥モードでの室内ファンモーター23Mの回転数を通常モードでの室内ファンモーター23Mの回転数よりも増やすようにしてもよい。少なくとも、通常モードでの最も強い風と同等とする。このようにすれば、乾燥モードでの第2送出範囲Rでの第2送出範囲Rでの単位時間当たりの風量を通常モードよりも確実に増やすことができる。
【0057】
(第2送出範囲Rの調整)
次に、図5を用いて、第1の実施形態における第2送出範囲Rの調整を説明する。図5は第1の実施形態での第2送出範囲Rの調整の一例を説明するための説明図である。
【0058】
例えば、図5の最上段の図に示すように、乾燥対象Dを設置して乾燥モードを実行したところ、乾燥対象Dの全体に風が当たらない場合がある。本実施形態の空気調和機1では、乾燥モードが選択されると、約−45度を中心角として、約40〜45度の幅で送風がなされるように予め設定されている。言い換えると、第2送出範囲Rは予めセットされ、例えば、送出範囲を約25度〜約70度とするための制御データが記憶部53に記憶されている(プリセット)。乾燥モードが選択されると、制御部5はこの予め設定された値を読み出してルーバーモーター24Mを制御し、ルーバー24を予め定められた第2揺動範囲で揺動し、予め定められた第2送出範囲Rに送風を行う。
【0059】
しかし、図5の最上段の図に示すように、乾燥対象D全体に対して送風されるように第2送出範囲Rをずらしたい場合がある。そこで、本実施形態ではスイングにおける中心角度をずらして第2送出範囲Rの調整を可能とする。
【0060】
具体的に、第2送出範囲Rを調整するとき、リモートコントロール装置41での上下風向ボタンB8を押す。これにより、第2送出範囲Rの調整が開始される。上下風向ボタンB8が押されると制御部5はルーバーモーター24Mを制御し、予め定められた第2送出範囲Rを越えて(送風可能な範囲全体に送風されるように)ルーバー24をスイングさせる。
【0061】
例えば、プリセット位置よりも第2送出範囲Rを下向きにしたい場合、ルーバー24が下向きに移動しているときであって所望する位置となったときに上下風向ボタンB8を押す。これにより、下限が設定される。又、例えば、プリセット位置よりも第2送出範囲Rを上向きにしたい場合、ルーバー24が上向きに移動しているときであって所望する位置となったときに上下風向ボタンB8を押す。これにより、上限が設定される。このように第2送出範囲Rの吹き出し角度(第2送出範囲Rの中心角度)を変更することができる。
【0062】
尚、第2送出範囲Rの調整がなされても予め定められた送出範囲の幅(例えば、約40度〜45度の幅)で送風がなされる。言い換えると、制御部5はルーバー24の第2揺動範囲(揺動角)や第2送出範囲Rの広さ(幅)自体は変えずに送風を行わせる。従って、下限が設定されると上限が自動的に定まり、上限が設定されると下限が自動的に設定される。これにより、第2送出範囲Rを調整して万遍なく乾燥対象Dに風を当てることができる。
【0063】
(乾燥モードでの処理の流れ)
次に、図6を用いて第1の実施形態における乾燥モードでの処理の流れを説明する。図6は第1の実施形態における乾燥モードでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0064】
図6のスタートは、空気調和機1が運転状態であり、例えば、リモートコントロール装置41で生活除湿ボタンB10が押され、空気調和機1のモードを乾燥モードに移行すべきことを制御部5が認識した時点である。
【0065】
乾燥モードに移行すると、制御部5はルーバーモーター24Mを制御して、予め定められた第2送出範囲Rで送風がなされるようにルーバー24のスイングを行わせる(ステップ♯1)。言い換えると、制御部5は第2揺動範囲でルーバー24を揺動させる。次に、もしイオン発生装置28が動作していなければ、制御部5はイオン発生装置28を動作させる(ステップ♯2)。これにより、乾燥のための送風にイオンを含ませ除菌等を行うことができる。更に、制御部5は暖房で運転しているか否かを確認する(ステップ♯3)。
【0066】
もし、暖房で運転がなされていれば(ステップ♯3のYes)、制御部5は圧縮機31や室外ファン33を動作させて、暖房を行いつつ室内ファンモーター23Mの回転速度を通常モードよりも高める。これにより、吹出口21からの風量が通常モードよりも多くする暖房強風運転状態とする(ステップ♯4)。例えば、制御部5は通常モードでの最も大きな風量よりも乾燥モードでの送風量を多くする。
【0067】
そして、制御部5は強風運転開始から予め定められた第1乾燥時間が経過したか否かを確認する(ステップ♯5)。もし経過していなければ(ステップ♯5のNo)、フローはステップ♯4に戻る。尚、ステップ♯4とステップ♯5のループの間に、リモートコントロール装置41で上下風向ボタンB8が押されるなど第2送出範囲Rの調整指示があれば、使用者の指示入力にあわせて第2送出範囲R(の中心角度)の角度変更がなされる。
【0068】
第1乾燥時間が経過していれば、制御部5はルーバーモーター24Mを制御しルーバー24を動かして送風方向を水平で固定する(ステップ♯6)。そして、制御部5は予め定められた第1除湿時間の間、除湿運転を行わせる(ステップ♯7)。除湿運転では、冷房運転と同様に制御部5は室内熱交換器26の温度を下げて吸熱を行わせ、室外熱交換器34側で排熱を行わせる。室内熱交換器26により、空気中の水分が結露し、除湿がなされる。そして、乾燥モードの除湿では風量を暖房強風運転状態よりも落とす。
【0069】
乾燥対象Dに送風すると室内の湿度は高まる(例えば、1時間の送風で室内の湿度は90%を超えることもある)。そこで、第1乾燥時間の乾燥の後、制御部5は第1除湿時間で除湿運転する。又、ルーバー24を水平方向とするのは、除湿運転では吹出口21から冷風が吹き出るので、乾燥対象Dを冷やして湿気を帯びさせてしまうことを防ぐためである。
【0070】
一方、暖房運転でなければ(冷房や除湿での運転であれば、ステップ♯3のNo)、制御部5は圧縮機31や室外ファン33を停止し、冷房や除湿を行わずに室内ファンモーター23Mの回転速度を通常モードよりも高める。冷風を吹き付けて乾燥対象Dの温度が下がると返って湿ってしまうことがあるため、制御部5は熱交換を停止させる。これにより、制御部5は吹出口21からの風を冷やさず(冷房や除湿をせずに)、送風のみをおこないつつ風量を通常モードよりも多くする送風強風運転状態とする(ステップ♯8)。例えば、制御部5は通常モードでの最も大きな風量よりも乾燥モードでの送風量を多くする。
【0071】
そして、制御部5は送風強風運転開始から予め定められた第2乾燥時間が経過したか否かを確認する(ステップ♯9)。もし経過していなければ(ステップ♯9のNo)、フローはステップ♯8に戻る。尚、ステップ♯8とステップ♯9のループの間に、リモートコントロール装置41で上下風向ボタンB8が押されるなど第2送出範囲Rの調整指示があれば、使用者の指示入力にあわせて第2送出範囲R(の中心角度)の角度変更がなされる。
【0072】
第2乾燥時間が経過していれば、制御部5はルーバーモーター24Mを制御しルーバー24を動かして送風方向を水平で固定する(ステップ♯10)。そして、制御部5は予め定められた第2除湿時間の間、除湿運転を行わせる(ステップ♯11)。除湿運転の時間は異なるが除湿運転の内容はステップ♯6やステップ♯7と同様である。
【0073】
ここで、本実施形態の空気調和機1では、暖房運転の場合と冷房や除湿運転の場合とで、乾燥対象Dに送風する時間(第1乾燥時間と第2乾燥時間)を異ならせる。また、第2送出範囲Rに送風して乾燥を行った後の除湿運転でも、暖房運転の場合と冷房や除湿運転の場合とで、除湿を行う時間を異ならせる(第1除湿時間と第2除湿時間)。
【0074】
例えば、空気調和機1が暖房運転(暖房モード)であるとき、乾燥モードの全時間のうち最初の3/4の時間の間、暖房にて温められた空気を第2送出範囲Rに吹き出し、残りの1/4の時間の間、除湿運転により室内の湿度を下げる。例えば、乾燥モードでの運転時間が全部で4時間と予め定められたているとすると、暖房強風運転を3時間程度、除湿運転を1時間程度行う。尚、暖房での乾燥モードで、暖房強風運転と除湿運転の時間の割合は任意に定めることができるが、例えば、第1乾燥時間(暖房強風運転の時間)>第1除湿時間(暖房での除湿運転の時間)条件のもと、時間の割合が定められても良い。
【0075】
一方、空気調和機1が暖房運転でないとき(冷房や除湿)で乾燥モードでは、乾燥モードの全時間のうち最初の1/4の時間の間、熱交換しない空気を第2送出範囲Rに吹き出し、残りの3/4の時間の間、除湿運転により室内の湿度を下げる(温度を下げることもできる)。例えば、乾燥モードでの運転時間が全部で4時間と予め定められたているとすると、送風強風運転を1時間程度、除湿運転を3時間程度行う。尚、冷房や除湿での乾燥モードで、送風強風運転と除湿運転の時間の割合は任意に定めることができるが、例えば、第2乾燥時間(送風強風運転の時間)<第2除湿時間(暖房以外での除湿運転の時間)の条件のもと、時間の割合が定められても良い。
【0076】
ここで、冷たい風を乾燥対象Dに吹き付け続けると乾燥対象Dが冷えてしまい湿気が乾燥対象Dに付きやすくなる。そこで、第1乾燥時間(暖房強風運転の時間)>第2乾燥時間(送風強風運転の時間)とする。これにより、乾燥モードでの暖房運転と冷房や除湿運転の運転時間が同じであれば、第1除湿時間(暖房での除湿運転の時間)<第2除湿時間(暖房以外での除湿運転の時間)の関係が導き出される。
【0077】
具体的に、運転状態(暖房、冷房、除湿)ごとに、送風の種類や送風量や第1乾燥時間、第2乾燥時間、第1除湿時間、第2除湿時間を定めたデータ(例えば、データテーブル形式)が記憶部52に記憶される。制御部5は記憶部52に記憶されたデータに沿って状況にあわせた乾燥モードを実現する。
【0078】
そして、第1除湿時間の間、あるいは、第2除湿時間の間、除湿が行われれば(ステップ♯7とステップ♯11の後)、本フローは終了する。例えば、本フローが終了すると、制御部5は空気調和機1の運転モードを通常モードとしてもよいし、運転を停止させてもよい。
【0079】
このようにして、本実施形態の空気調和機1は、風向を可変するルーバー(ルーバー24や左右ルーバー25)を吹出口21に設け、室内ファンの回転により吹出口21から空気を送出する空気調和機1において、ルーバーが予め定められた第1揺動範囲を揺動して第1送出範囲に空気を送出する通常モードと、第1送出範囲よりも狭い第2送出範囲Rでの単位時間当たりの風量が通常モードよりも多い乾燥モードを備える。これにより、意図的に単位時間当たりの風量を増加させる第2送出範囲Rが設けられ、従来よりも乾燥対象(洗濯物や衣類など)に多くの風を当てることができる。また、多くの風を吹き当てることにより乾燥対象全体に風が行き渡り易くなる。従って、乾燥対象の湿気を速やかにとばして乾きやすくすることができる。
【0080】
また、空気調和機1には空気調和機1の動作設定を受け付ける設定部4(操作部43、受信部42、リモートコントロール装置41)が含まれ、設定部4は第2送出範囲Rを可変させる使用者の操作を受け付ける。これにより、ルーバーをスイングさせる範囲を設定し、第2送出範囲Rを乾燥対象が存在する範囲にあわせることができる。従って、乾燥対象が存在しない範囲への送風をなくし、乾燥対象全体に効率的に送風を行い乾燥させることができる。
【0081】
具体的に、設定部4(操作部43、受信部42、リモートコントロール装置41)は第2送出範囲Rの端を可変させる操作を受け付ける。これにより、第2送出範囲Rを細かく設定することができる。例えば、風向を設定するための風向ボタンを含むリモートコントローラと、リモートコントローラからの信号を受信する受信部42が設定部4に含まれる。そして、設定部4は第2送出範囲Rの端位置を定める入力(例えば、上下風向ボタンB8の押下)を受け付け、制御部5は第2送出範囲Rの幅は維持しつつ、入力された端位置を第2送出範囲Rの端となるように第2送出範囲Rの位置を変化させる。これにより、従来からリモートコントロール装置41に備わる風向ボタンを用いて第2送出範囲Rを設定することができる。言い換えると、リモートコントロール装置41に備わるボタンの意味を変更して(別の意味を持たせて)実際の第2送出範囲Rを設定することができ、第2送出範囲Rを定めるためのボタンを新たに設けずに済む。
【0082】
また、乾燥モードのとき、ルーバー(ルーバー24等)は第2送出範囲Rに空気を送出する第2揺動範囲でのみ揺動(スイング)する。言い換えると、制御部5は乾燥モードのとき、通常モードでの送出範囲よりも狭い第2送出範囲Rで送風が行われるように、ルーバー24をスイングさせる。これにより、通常モードと同様の風量で送風を行っても、第2送出範囲Rは通常モードより狭いので、第2送出範囲Rでは通常モードのときよりも単位時間当たりの風量が増える。従って、乾燥対象を存在させる第2送出範囲Rでの単位時間当たりの風量を増加させて乾燥対象を乾きやすくすることができる。
【0083】
また、空気調和機1は、イオンを発生させるイオン発生装置28を備え、吹出口21からの吹出空気はイオン発生装置28が発生させたイオンを含む。吹出空気にイオンを含ませることができるので、除菌性や消臭性を有するイオンを室内に吹き出させることができる。従って、乾燥対象の除菌を行うと共に乾燥対象からの臭い発生を防ぎ、快適な乾燥を行うことができる。
【0084】
(第2の実施形態)
次に、図7を用いて、本発明の第2の実施形態に係る空気調和機1を説明する。図7は第2の実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。尚、図7では、便宜上、乾燥対象Dを破線で示している。
【0085】
第2の実施形態の空気調和機1は第1の実施形態と乾燥モードでの送風方法が異なるがハードウェア自体や乾燥モードでの処理の流れは同様でよい。そこで、第1の実施形態と共通する部分は、特に説明する場合を除き、援用するものとして、説明、図示を省略する。
【0086】
図7に示すように、第2の実施形態では乾燥モードでも通常モードの送出範囲よりも狭い第2送出範囲R(図7に第2送出範囲Rの上限と下限の一例を実線で図示)が設けられる点は第1の実施形態と同様である。例えば、第2送出範囲Rの範囲は約40〜45度のスイング幅である。
【0087】
しかし、本実施形態では乾燥モードでは第2送出範囲Rを含み、第2送出範囲Rよりも広い範囲(乾燥送出範囲)で送風は行われる。そして、本実施形態では、乾燥送出範囲は
通常モードでの送出範囲(第1送出範囲)と同様の範囲であるとして説明する。言い換えると、乾燥モードでも、制御部5はルーバー24を第1揺動範囲(=乾燥揺動範囲)でスイングさせ、約0度〜約−90度の範囲で送風を行わせる(図7で乾燥送出範囲の上限と下限の一例を破線で図示)。
【0088】
そして、第2の実施形態では制御部5は乾燥送出範囲(第1送出範囲)へのスイングS1の往復1回に対し、第2送出範囲Rのみに対するスイングS2の1又は複数回の往復を行う(図7では2回)。言い換えると、本実施形態では乾燥送出範囲に送風する期間(時間)と第2送出範囲Rに送風する期間(時間)が設けられる。具体的にいえば、第2の実施形態では、制御部5は第2送出範囲Rよりも広い範囲(乾燥送出範囲)に送風を1回を行うと、1又は複数回、第2送出範囲Rに対してのみの送風がなされるように、ルーバー24をスイング(揺動)させる。
【0089】
尚、乾燥モードでの送風の組み合わせにおいては、乾燥送出範囲への送風を1回とし、第2送出範囲Rへの送風を1回としてもよい。又、乾燥送出範囲への送風を2回とし、第2送出範囲Rへの送風を3回としてもよい。又、乾燥送出範囲への送風回数と第2送出範囲Rへの送風回数は固定されなくても良い。すなわち、単位時間の間に乾燥送出範囲(第1送出範囲)と第2送出範囲Rのみへの送風とが組み合わされるように、ルーバー24は揺動する。言い換えると、乾燥モードでは、ルーバー24は単位時間の間に乾燥送出範囲に送風は行いつつ、第2送出範囲Rのみへの送風を(少なくとも1回)行う。
【0090】
このように、本実施形態では、乾燥モードでルーバー24のスイング速度(揺動速度)が通常モードと同じで室内ファン23の回転速度も通常モードと同じである場合、乾燥モードでは第2送出範囲Rに対する送風回数が、乾燥送出範囲(第1送出範囲)よりも多くされる。これにより、第2送出範囲Rでの単位時間当たりの風量を増やすことができる。
【0091】
例えば、ルーバー24のスイング速度(揺動速度)や室内ファン23の回転速度は乾燥モードと通常モードとで同じであるとする。そして、通常モードにおいて、2分間の間に、ルーバー24は乾燥送出範囲(第1送出範囲、スイングS1の範囲)に送風するように2往復スイングするものとする(乾燥送出範囲への2往復の送風。乾燥送出範囲に第2送出範囲Rが含まれるので、第2送出範囲Rに対しても2往復の送風)。一方、乾燥モードでは、第2送出範囲Rが、乾燥送出範囲の約2分の1であるとする。また、乾燥モードではルーバー24がスイングS1の乾燥送出範囲に送風するように、2分間の間に、往復1回スイング(乾燥送出範囲への1往復の送風)した後、スイングS2の第2送出範囲Rに送風するスイング(第2送出範囲Rへの1往復の送風)を2回繰り返すとする。そうすると、単純計算で、通常モードでのスイングS1の乾燥送出範囲への2往復の送出の間に、乾燥モードでは第2送出範囲Rに対しては3往復の送出が行われる。よって、通常モードよりも乾燥モードの単位時間(例えば、2分間)当たりの風量を増やすことができる。
【0092】
これにより、第2送出範囲Rへの意図的な送風の集中がなされる。そして、乾燥対象Dを乾きやすくするとともに、第2送出範囲R周辺に滞留する高湿度の空気を吹き飛ばし、乾燥対象Dを乾きやすくすることができる。従って、第2送出範囲Rの単位時間当たりの風量は通常モードで0度〜約−90度の範囲で送風を行う場合に比べて多くなる。
【0093】
尚、第2の実施形態でも第1の実施形態と同様に第2送出範囲Rの調整を行うことができる。又、乾燥モードでの処理の流れも第1の実施形態と同様でよいが、暖房強風運転状態(ステップ♯4)や送風強風運転状態で(ステップ♯8)のとき(図7参照)、第1の実施形態では第2送出範囲Rにのみ送風が行われていたところ、第2の実施形態では第2送出範囲Rへの送風のスイング回数を増やしつつ、送風自体は第2送出範囲Rよりも広い範囲(乾燥送出範囲)になされる。
【0094】
このようにして、乾燥モードのとき、ルーバーは第2送出範囲を含み第2送出範囲よりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動する期間と、第2送出範囲Rに空気を送出する第2揺動範囲でのみ揺動する期間とを有する。言い換えると、制御部5は乾燥モードのとき、第2送出範囲Rよりも広い乾燥送出範囲に送風が行われるようにルーバー24をスイングさせるとともに、第2送出範囲Rでは通常モードのときよりも単位時間当たりの風量が増えるように送風させる。乾燥モードでは第2送出範囲Rよりも広い範囲に送風はなされるが、意図的に第2送出範囲Rでは通常モードのときよりも単位時間当たりの風量が増えるように送風がなされる。これにより、乾燥対象を存在させる第2送出範囲Rに吹き出される単位時間当たりの風量を増加させて乾燥対象を乾きやすくすることができる。また、第2送出範囲Rよりも広い範囲にも送風が行われるので、乾燥対象から蒸発して第2送出範囲R周辺に滞留する高湿度の空気を吹き飛ばし、乾燥対象を乾きやすくすることができる。
【0095】
また、空気調和機1において、乾燥送出範囲は第1送出範囲(通常モードでの送出範囲)とする。これにより、乾燥モードでも通常モードと同様の送風能力(送出範囲)を確保することができる。又、乾燥モードは通常モードと送出範囲が大きく異なるといった違和感を与えずにすむ。
【0096】
(第3の実施形態)
次に、図8を用いて、本発明の第3の実施形態に係る空気調和機1を説明する。図8は第3の実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。
【0097】
第3の実施形態の空気調和機1は第1や第2の実施形態と乾燥モードでの送風方法が異なるがハードウェア自体や乾燥モードでの処理の流れは同様でよい。そこで、第1や第2の実施形態と共通する部分は、特に説明する場合を除き、援用するものとして、説明、図示を省略する。
【0098】
図8に示すように、第2の実施形態では乾燥モードでも通常モードの送出範囲よりも狭い第2送出範囲R(図7に第2送出範囲Rの上限と下限の一例を実線で図示)が設けられる点は第1、第2の実施形態と同様である。例えば、第2送出範囲Rの範囲は約40〜45度のスイング幅である。
【0099】
しかし、本実施形態では乾燥モードでは第2送出範囲Rを含み、第2送出範囲Rよりも広い範囲(乾燥送出範囲=R+2R1)で送風は行われる。そして、本実施形態では、乾燥送出範囲は通常モードでの送出範囲(第1送出範囲)と同様の範囲であるとして説明する。言い換えると、乾燥モードでも、制御部5はルーバー24を第1揺動範囲(=乾燥揺動範囲)でスイングさせ、約0度〜約−90度の範囲で送風を行わせる(図7で乾燥送出範囲の上限と下限の一例を破線で図示)。
【0100】
そして、第3の実施形態では制御部5は乾燥送出範囲に空気が送出されるようにスイング自体を行わせつつ、第2送出範囲Rでは、制御部5はルーバーモーター24Mを制御してスイングの速度(ルーバー24の可変速度、更に言えば、ルーバーモーター24Mの回転速度)を、第2送出範囲R以外の範囲R1よりも落とす。これにより、第2送出範囲Rへの意図的な送風の集中がなされる。従って、第2送出範囲Rの単位時間当たりの風量は通常モードで0度〜約−90度の範囲で送風を行う場合に比べて多くなる。
【0101】
このように、本実施形態では、乾燥モードでルーバー24のスイング速度(揺動速度)は、第2送出範囲Rに送出するとき遅くする。これにより、第2送出範囲Rでの単位時間当たりの風量を増やすことができる。
【0102】
例えば、室内ファン23の回転速度は乾燥モードと通常モードとで同じであるとする。そして、通常モードにおいて、約2分間の間に、ルーバー24は乾燥送出範囲(第1送出範囲、スイングS1の範囲)に送風するように2往復スイングするものとする(乾燥送出範囲への2往復の送風、片道約30秒、第1送出範囲に第2送出範囲Rが含まれるので、第2送出範囲Rに対しても2往復の送風)。一方、乾燥モードでは、第2送出範囲Rが、乾燥送出範囲の約2分の1であるとする。また、乾燥モードでは、第2送出範囲R以外では通常モードと同じ速度でルーバー24が揺動し(片道での所要時間約15秒)、第2送出範囲Rでは通常モードよりも1/3の速度で揺動するとする(片道での所要時間約45秒)。従って、例えば、乾燥モードでは、約2分間の間に、ルーバー24は乾燥送出範囲(第1送出範囲、スイングS1の範囲)に送風するように1往復スイングするものとなる(乾燥送出範囲への1往復の送風)。
【0103】
そうすると、単純計算で、乾燥モードでは、単位時間(例えば、2分間)におけるルーバー24のスイング回数は通常モードよりも減少する。しかし、2分間のうち、通常モードでは第2送出範囲Rへの送風が約60秒であったのに対し、乾燥モードでは約45秒×2=約90秒となる。よって、通常モードよりも乾燥モードの単位時間(例えば、2分間)当たりの風量を増やすことができる。
【0104】
尚、第3の実施形態でも第1や第2の実施形態と同様に第2送出範囲Rの調整を行うことができる。又、乾燥モードでの処理の流れも第1や第2の実施形態と同様でよい。具体的に、暖房強風運転状態(ステップ♯4)や送風強風運転状態で(ステップ♯8)のとき(図7参照)、第1の実施形態では第2送出範囲Rにのみ送風が行われていたところ、第3の実施形態では乾燥送出範囲への送風を行いつつ第2送出範囲Rではスイング速度を落とす送風がなされる。
【0105】
このようにして、第3の実施形態では、乾燥モードのとき、ルーバー(ルーバー24等)は第2送出範囲Rを含み第2送出範囲Rよりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動し、第2送出範囲Rに送出しているとき、第2送出範囲R外に送出しているときよりも可変速度が遅くなる。言い換えると、制御部5は第2送出範囲Rでは第2送出範囲R以外の範囲よりもルーバー24の変化速度を遅らせる。乾燥モードでは第2送出範囲Rよりも広い範囲に送風はなされるが、意図的に第2送出範囲Rでは通常モードのときよりも単位時間当たりの風量が増えるように送風がなされる(上述の実施形態2と組み合わせてもよい)。これにより、乾燥対象を存在させる第2送出範囲Rに吹き出される単位時間当たりの風量を増加させて乾燥対象を乾きやすくすることができる。また、第2送出範囲Rよりも広い範囲にも送風が行われるので、乾燥対象から蒸発して第2送出範囲R周辺に滞留する高湿度の空気を吹き飛ばし、乾燥対象を乾きやすくすることができる。
【0106】
(第4の実施形態)
次に、図9を用いて、本発明の第4の実施形態に係る空気調和機1を説明する。図9は第4の実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。
【0107】
第4の実施形態の空気調和機1は第1〜第3の実施形態と乾燥モードでの送風方法が異なるがハードウェア自体や乾燥モードでの処理の流れは同様でよい。そこで、第1〜第3の実施形態と共通する部分は、特に説明する場合を除き、援用するものとして、説明、図示を省略する。
【0108】
図9に示すように、第3の実施形態では乾燥モードでも通常モードの送出範囲よりも狭い第2送出範囲R(図7に第2送出範囲Rの上限と下限の一例を実線で図示)が設けられる点は第1〜第3の実施形態と同様である。例えば、第2送出範囲Rの範囲は約40〜45度のスイング幅である。
【0109】
しかし、本実施形態では乾燥モードでは第2送出範囲Rを含み、第2送出範囲Rよりも広い範囲(乾燥送出範囲=R+2R2)で送風は行われる。そして、本実施形態では、乾燥送出範囲は通常モードでの送出範囲(第1送出範囲)と同様の範囲であるとして説明する。言い換えると、乾燥モードでも、制御部5はルーバー24を第1揺動範囲(=乾燥揺動範囲)でスイングさせ、約0度〜約−90度の範囲で送風を行わせる(図7で乾燥送出範囲の上限と下限の一例を破線で図示)。
【0110】
そして、第4の実施形態では、制御部5は乾燥送出範囲に空気が送出されるようにルーバーをスイングさせる(ルーバーは第1揺動範囲で動作する)。第2送出範囲R(図9での範囲R)では、制御部5は室内ファンモーター23Mを制御して室内ファンモーター23Mの回転速度を通常モードのときや第2送出範囲R以外の範囲R2のときより上げる。例えば、制御部5は通常モードや第2送出範囲R以外の範囲R2での最大風量のときの室内ファンモーター23Mの回転数よりも、第2送出範囲Rでの室内ファンモーター23Mの回転数を大きくする。これにより、第2送出範囲Rへの意図的な送風の集中がなされる。従って、第2送出範囲Rの単位時間当たりの風量は通常モードで0度〜約−90度の範囲で送風を行う場合に比べて多くなる。
【0111】
例えば、ルーバー24のスイング速度(揺動速度)は乾燥モードと通常モードとで同じであるとする。そして、通常モードにおいて、2分間の間に、ルーバー24は乾燥送出範囲(第1送出範囲、スイングS1の範囲)に送風するように2往復スイングするものとする(乾燥送出範囲への2往復の送風。乾燥送出範囲に第2送出範囲Rが含まれるので、第2送出範囲Rに対しても2往復の送風)。一方、乾燥モードでは、第2送出範囲Rが、乾燥送出範囲の約2分の1であるとする。また、乾燥モードでは、室内ファン23は第2送出範囲R以外では通常モードと同じ風量で送風し、第2送出範囲Rでは通常モードの風量Aの1.5倍で送風するとする。そうすると、単純計算で、乾燥モードでは通常モードよりも、第2送出範囲Rに対し1.5倍の風量(風量1.5A)とすることができる。よって、通常モードよりも乾燥モードの単位時間当たりの風量を増やすことができる。
【0112】
尚、第4の実施形態でも第1〜第3の実施形態と同様に第2送出範囲Rの調整を行うことができる。又、乾燥モードでの処理の流れも第1〜第3の実施形態と同様でよい。具体的に、暖房強風運転状態(ステップ♯4)や送風強風運転状態で(ステップ♯8)のとき(図7参照)、第1の実施形態では第2送出範囲Rにのみ送風が行われていたところ、第4の実施形態では、制御部5は乾燥送出範囲への送風を行いつつ第2送出範囲R以外に送風する場合に比べ第2送出範囲Rでの室内ファンモーター23Mの回転速度を速くする。
【0113】
このようにして、空気調和機1は、乾燥モードのとき、ルーバー(ルーバー24等)は第2送出範囲Rを含み第2送出範囲Rよりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動し、室内ファンは、第2送出範囲Rに送出しているとき、第2送出範囲R外に送出しているときよりも速く回転する。乾燥モードでは第2送出範囲Rよりも広い範囲に送風はなされるが、意図的に第2送出範囲Rでは通常モードのときよりも単位時間当たりの風量が増えるように送風がなされる。これにより、乾燥対象を存在させる第2送出範囲Rに吹き出される単位時間当たりの風量を増加させて乾燥対象を乾きやすくすることができる。また、第2送出範囲Rよりも広い範囲にも送風が行われるので、乾燥対象から蒸発して第2送出範囲R周辺に滞留する高湿度の空気を吹き飛ばし、乾燥対象を乾きやすくすることができる。
【0114】
又、第2〜第4の実施形態では、乾燥モードでは第2送出範囲Rよりも広い範囲に送風はなされるが、これらいずれか1つまたは複数を組み合わせ、意図的に第2送出範囲Rよりも広い範囲に第2送出範囲Rへの単位時間の風量を第2送出範囲R以外の範囲よりも増やしてもよい。
【0115】
(第5の実施形態)
次に、図10、図11を用いて第5の実施形態に係る空気調和機1を説明する。図10は第5の実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。図11は第5の実施形態における乾燥モードでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0116】
第5の実施形態の空気調和機1は第1〜第4の実施形態と乾燥モードでの送風方法が異なるがハードウェア自体は同様でよい。そこで、第1〜第4の実施形態と共通する部分は、特に説明する場合を除き、援用するものとして、説明、図示を省略する。
【0117】
乾燥対象Dの水分は時間が経つに従い降りてくる。そこで、本実施形態では乾燥モードに入り乾燥対象Dに送風を行ってから時間が経過するごとに第2送出範囲Rの上限を下限に近づける。このため、制御部5は時間を計時するとともに(例えば計時部53が計時)、乾燥モードでの送風開始から所定時間が経過したとき、あるいは、先の第2送出範囲Rの上限位置の変更から所定時間が経過したとき、ルーバーモーター24Mの制御内容を変更して第2送出範囲Rの上限位置を変更する。
【0118】
図10では、第2送出範囲Rの上限と下限の一例を実線で示している。例えば、乾燥モードに入って最初のうち、制御部5は第2送出範囲Rの上限位置をもっとも高い位置(上限位置P1)とする。最初の段階では、制御部5は上限位置P1と下限の下限位置P4との間の幅を第2送出範囲Rとしてルーバー24をスイングさせる。
【0119】
そして、乾燥モードでの送風開始から所定時間が経過すると、制御部5は第2送出範囲Rの上限位置を下げた位置(上限位置P2)とする。これにより、制御部5は上限位置P2と下限の下限位置P4との間の幅を第2送出範囲Rとしてルーバー24をスイングさせる。
【0120】
更に、上限位置P2としてから所定時間が経過すると、制御部5は第2送出範囲Rの上限位置を上限位置P3とする。これにより、制御部5は上限位置P3と下限位置P4との間の幅を第2送出範囲Rとしてルーバー24をスイングさせる。
【0121】
ここで、所定時間は任意に定めることができるが、乾燥のため第2送出範囲Rに送風を行う時間を第2送出範囲Rの段階数で割って所定時間を求めても良い。例えば、第2送出範囲Rに3時間の送風を行う場合、図10の例では第2送出範囲Rは3段階に変化するので、所定時間を1時間と定めても良い。又、所定時間は次第に長くなるように、あるいは、次第に短くなるように重みを持たせて定めても良い。
【0122】
次に、図11を用いて第5の実施形態における乾燥モードでの処理の流れを説明する。図11は第5の実施形態における乾燥モードでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。第5の実施形態のフローチャートは、第1〜第4の実施形態の処理の流れに第2送出範囲Rを狭めていく処理を加えたものである。
【0123】
図11のスタート〜ステップ♯24は、第1の実施形態のスタート〜ステップ♯4と同様で良いので説明を省略する(図6参照)。そして、暖房運転で暖房強風運転が開始されると(ステップ♯24)、制御部5は乾燥モード開始から、あるいは、先に第2送出範囲Rを狭めてから第1所定時間が経過したかを確認する(ステップ♯25)。尚、本実施形態の空気調和機1では暖房運転と暖房以外の運転(冷房や除湿)での所定時間を異ならせるので、便宜上、暖房運転での所定時間を第1所定時間と称する。
【0124】
もし、第1所定時間が経過していなければ(ステップ♯25のNo)、フローはステップ♯24に戻る。一方、第1所定時間が経過すれば(ステップ♯25のYes)、制御部5は第2送出範囲Rの上限位置を予め定められた角度だけ下げ、第2送出範囲Rを変更する(ステップ♯26)。これにより、以後の送風では第2送出範囲Rのうち下方への送風が重点的に行われる。そして、ステップ♯27に移行する。尚、ステップ♯27〜ステップ♯30は第1の実施形態のステップ♯5〜ステップ♯8と同様で良いので説明を省略する(図6参照)。
【0125】
一方、暖房以外の運転のときに送風強風運転が開始されると(ステップ♯30)、制御部5は乾燥モード開始から、あるいは、先に第2送出範囲Rを狭めてから第2所定時間が経過したかを確認する(ステップ♯31)。尚、本実施形態の空気調和機1では暖房以外の運転(冷房や除湿)では暖房運転のときよりも乾燥対象Dへの送風時間を短くするので、第2所定時間は第1所定時間よりも短くすることができる。
【0126】
もし、第2所定時間が経過していなければ(ステップ♯31のNo)、フローはステップ♯30に戻る。一方、第2所定時間が経過すれば(ステップ♯31のYes)、制御部5は第2送出範囲Rの上限位置を予め定められた角度だけ下げ、第2送出範囲Rを変更する(ステップ♯32)。これにより、以後の送風では第2送出範囲Rのうち下方への送風が重点的に行われる。そして、ステップ♯33に移行する。尚、ステップ♯33〜ステップ♯35は第1の実施形態のステップ♯9〜ステップ♯11と同様で良いので説明を省略する(図6参照)。
【0127】
尚、第5の実施形態は、上述した第1〜第4の実施形態のいずれか又は組み合わせとともに実施することができる。言い換えると、いずれかの実施の態様において、制御部5は乾燥モードで運転しているとき次第に第2送出範囲Rは上限が下限に近づくようにルーバー24のスイング幅を変化させる。
【0128】
このようにして、空気調和機1において、ルーバー24は上下方向で風向を可変し、乾燥モードのとき、次第に第2揺動範囲の上限位置を下げていく。乾燥対象の水分は干していると下方に伝わっていき下部ほど乾き難いところ、これにより、乾燥対象の下方への単位時間当たりの風量を増加させることができる。従って、乾燥対象全体を速やかに乾かすことができる。
【0129】
(第6の実施形態)
次に、図12を用いて、本発明の第6の実施形態に係る空気調和機1を説明する。図12は第6の実施形態での乾燥モードでの送風を説明するための説明図である。
【0130】
第6の実施形態の空気調和機1は第1〜第5の実施形態と乾燥モードで第2送出範囲Rを左右方向でも通常モードよりも狭める点で異なるがハードウェア自体や乾燥モードでの処理の流れは同様でよい。そこで、第1〜第5の実施形態と共通する部分は、特に説明する場合を除き、援用するものとして、説明、図示を省略する。
【0131】
図12は、上述の図面とは異なり、室内を上方から俯瞰した図である。そして、図12では、通常モードでの送出範囲の一例を破線で図示している。又、図12では第6の実施形態での第2送出範囲Rの第2送出範囲Rの左限と右限の一例を実線で図示している。
【0132】
第1〜第5の実施形態では、第2送出範囲Rは通常モードよりも上下方向の送風幅(送風角度)を狭くした。そして、第6の実施形態では、第2送出範囲Rを左右方向でも意図的に狭めることで通常モードよりも第2送出範囲Rへの単位時間の風量を増やす。具体的に、制御部5は乾燥モードが選択されると左右ルーバーモーター25Mを制御し、左右ルーバー25のスイング幅を通常モードよりも狭くし、左右方向における吹出を制御する。
【0133】
尚、上記で説明したように、通常モードなどでの送出範囲のうち、上下方向でのみ狭めた範囲を第2送出範囲Rとしてもよい。又、通常モードなどでの送出範囲のうち、左右方向でのみ狭めた範囲を第2送出範囲Rとしてもよい。あるいは、通常モードなどでの送出範囲のうち、上下方向かつ左右方向で狭めた範囲を第2送出範囲Rとしてもよい。
【0134】
このようにして、上下方向で送出範囲を定めるルーバー24を動かすルーバーモーター24Mと、左右方向で送出範囲を定めるルーバー24(左右ルーバー25)を動かすルーバーモーター24M(左右ルーバーモーター25M)がそれぞれ設けられ、制御部5は、送風可能な全範囲に対して上下方向、及び/又は、左右方向で狭い範囲を第2送出範囲Rとして乾燥モードでの送風を行わせる。これにより、第2送出範囲Rを細かく定めることができる。従って、乾燥対象Dの上下方向の長さと左右方向の長さに対応して第2送出範囲Rを定めることができる。
【0135】
他の実施形態を説明する。上記の実施形態では上下方向において水平方向(0度)からほぼ鉛直下方向(約−90度)の範囲で吹出口21から空気を吹き出させる空気調和機1の例を説明した。しかし、空気の吹出の角度は上記の例に限られない。例えば、空気調和機1は、水平よりも上方に空気が吹き出し可能であってもよい(例えば水平方向よりも上方20度〜30度に向けて空気を送出可能とする)。
【0136】
又、上記の実施形態では、乾燥送出範囲は通常モードでの送出範囲(第1送出範囲)と同じ範囲である例を説明した。しかし、乾燥送出範囲は第1送出範囲よりも広くても良いし狭くても良く同じ範囲でなくても良い。
【0137】
又、乾燥モードでは、第2送出範囲Rが、乾燥送出範囲(第1送出範囲)の約2分の1であるとして説明したが、乾燥送出範囲(第1送出範囲)よりも狭ければ、約2分の1よりも広い範囲(例えば、1.5分の1、約60度の幅(範囲))でもよいし、約2分の1よりも狭い範囲(例えば、3分の1、約30度の幅(範囲))でもよい。
【0138】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、空気調和機に利用することができる。
【符号の説明】
【0140】
1 空気調和機 2 室内部
21 吹出口 22 表示部
23 室内ファン 23M 室内ファンモーター
24 ルーバー 24M ルーバーモーター
25 左右ルーバー 25M 左右ルーバーモーター
26 室内熱交換器 27 温度検知部
28 イオン発生装置 3 室外部
31 圧縮機 32 圧縮機駆動回路
33 室外ファン 33M 室外ファンモーター
34 室外熱交換器 35 四方弁
36 減圧器 4 設定部
41 リモートコントロール装置 411 カバー
B1 冷房ボタン B2 暖房ボタン
B3 停止ボタン B4 除湿ボタン
B5 自動運転ボタン B6 温度設定ボタン
B7 湿度設定ボタン B8 上下風向ボタン
B9 左右風向ボタン B10 生活除湿ボタン
42 受信部 43 操作部
5 制御部 52 記憶部
D 乾燥対象 R 第2送出範囲
P1 上限位置 P2 上限位置
P3 上限位置 P4 下限位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風向を可変するルーバーを吹出口に設け、前記室内ファンの回転により前記吹出口から空気を送出する空気調和機において、
前記ルーバーが予め定められた第1揺動範囲を揺動して第1送出範囲に空気を送出する通常モードと、前記第1送出範囲よりも狭い第2送出範囲での単位時間当たりの風量が前記通常モードよりも多い乾燥モードを備えたことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
空気調和機の動作設定を受け付ける設定部を含み、前記設定部は前記第2送出範囲を可変させる使用者の操作を受け付けることを特徴とする特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】
前記設定部は前記第2送出範囲の端を可変させる操作を受け付けることを特徴とする請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記乾燥モードのとき、前記ルーバーは前記第2送出範囲に空気を送出する第2揺動範囲でのみ揺動することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記乾燥モードのとき、前記ルーバーは前記第2送出範囲を含み前記第2送出範囲よりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動する期間と、前記第2揺動範囲で揺動する期間とを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記乾燥モードのとき、前記ルーバーは前記第2送出範囲を含み前記第2送出範囲よりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動し、前記第2送出範囲に送出しているとき、前記第2送出範囲外に送出しているときよりも可変速度が遅くなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記乾燥モードのとき、前記ルーバーは前記第2送出範囲を含み前記第2送出範囲よりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動し、
前記室内ファンは、前記第2送出範囲に送出しているとき、前記第2送出範囲外に送出しているときよりも速く回転することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記乾燥送出範囲は前記第1送出範囲であることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項9】
前記ルーバーは上下方向で風向を可変し、
前記乾燥モードのとき、次第に前記第2揺動範囲の上限位置を下げていくことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項10】
イオンを発生させるイオン発生装置を備え、前記吹出口からの吹出空気は前記イオン発生装置が発生させたイオンを含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項1】
風向を可変するルーバーを吹出口に設け、前記室内ファンの回転により前記吹出口から空気を送出する空気調和機において、
前記ルーバーが予め定められた第1揺動範囲を揺動して第1送出範囲に空気を送出する通常モードと、前記第1送出範囲よりも狭い第2送出範囲での単位時間当たりの風量が前記通常モードよりも多い乾燥モードを備えたことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
空気調和機の動作設定を受け付ける設定部を含み、前記設定部は前記第2送出範囲を可変させる使用者の操作を受け付けることを特徴とする特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】
前記設定部は前記第2送出範囲の端を可変させる操作を受け付けることを特徴とする請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記乾燥モードのとき、前記ルーバーは前記第2送出範囲に空気を送出する第2揺動範囲でのみ揺動することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記乾燥モードのとき、前記ルーバーは前記第2送出範囲を含み前記第2送出範囲よりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動する期間と、前記第2揺動範囲で揺動する期間とを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記乾燥モードのとき、前記ルーバーは前記第2送出範囲を含み前記第2送出範囲よりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動し、前記第2送出範囲に送出しているとき、前記第2送出範囲外に送出しているときよりも可変速度が遅くなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記乾燥モードのとき、前記ルーバーは前記第2送出範囲を含み前記第2送出範囲よりも広い範囲である乾燥送出範囲に空気を送出する乾燥揺動範囲で揺動し、
前記室内ファンは、前記第2送出範囲に送出しているとき、前記第2送出範囲外に送出しているときよりも速く回転することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記乾燥送出範囲は前記第1送出範囲であることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項9】
前記ルーバーは上下方向で風向を可変し、
前記乾燥モードのとき、次第に前記第2揺動範囲の上限位置を下げていくことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項10】
イオンを発生させるイオン発生装置を備え、前記吹出口からの吹出空気は前記イオン発生装置が発生させたイオンを含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の空気調和機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−163272(P2012−163272A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−24801(P2011−24801)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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