空気調和機
【課題】室内機のコンパクト化を実現する。
【解決手段】吸込口から吸い込んだ室内空気をこの吸込口の内面側に沿って設けられたフイルタを通過した後、熱交換器で熱交換して前記吹出口より吹き出すものに於いて、フィルタを移動させる移動経路と、この移動経路にはオープンパネルと熱交換器との間にS字状屈曲部が形成され、移動経路の途中にフィルタ移動装置とフィルタを清掃するダストボックスを備え、このダストボックスは前記前面カバーとオープンパネルの間に設けた空間16に位置し、ダストボックスの一側壁には突起を、他端側壁には左右方向に摺動自在に突出するスライドレバー設け、突起およびスライドレバーに対向する前面カバーには、突起およびスライドレバーが挿入される穴が設けられ、スライドレバーの摺動によりダストボックス17を空間に着脱自在に取り付けるものである。
【解決手段】吸込口から吸い込んだ室内空気をこの吸込口の内面側に沿って設けられたフイルタを通過した後、熱交換器で熱交換して前記吹出口より吹き出すものに於いて、フィルタを移動させる移動経路と、この移動経路にはオープンパネルと熱交換器との間にS字状屈曲部が形成され、移動経路の途中にフィルタ移動装置とフィルタを清掃するダストボックスを備え、このダストボックスは前記前面カバーとオープンパネルの間に設けた空間16に位置し、ダストボックスの一側壁には突起を、他端側壁には左右方向に摺動自在に突出するスライドレバー設け、突起およびスライドレバーに対向する前面カバーには、突起およびスライドレバーが挿入される穴が設けられ、スライドレバーの摺動によりダストボックス17を空間に着脱自在に取り付けるものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気調和機に関するもので、特にエアフィルタの自動清掃機能を供えた空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機に於いては、送風ファンにより吸い込んだ室内空気を、熱交換器を通過させることにより冷却または加熱して室内へと返流させるが、空気中に浮遊する塵埃が熱交換器を汚染するのを防止するため、熱交換器の前面側にエアフィルタが設けられている。このフィルタに塵埃が付着して目詰まりが生じて通風抵抗が増大すると、熱交換が妨げられるために空気調和機の空調能力が低下すると共に、消費電力が増大する。このような不都合を解消するため、フィルタの自動清掃機能を供えた空気調和機が種々提案されている。
【0003】
また、フィルタを自動的に清掃する場合、フィルタの全面を清掃ブラシで掃除するため、フィルタと清掃ブラシとの少なくともいずれか一方を移動させる必要がある。フィルタを移動させる方法としては、例えば特許文献1に開示されているように、フィルタを移動させる移送手段と、この移動過程においてフィルタに付着した塵埃を除去する清掃手段とを備えて成り、更に、フィルタを通常使用位置に保持する通常ガイド部と、この通常ガイド部の一端部に連なると共に、湾曲部に対向して接触する回転ブラシを備え、前記フィルタを移動させることによって、通常ガイド部の一端部に位置するフィルタの先端部が、通常ガイド部から湾曲部でU字状に折返されて前記ブラシによって自動清掃を行うものであり、清掃後のゴミは前面側から取り付けられるダストボックスに集められるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4175409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この従来例の空気調和機ではフィルタの移動経路がU字状に形成され、フイルタの移動を折り返えして行う構造であるために、空気調和機の奥行き寸法が大きくなり、空気調和機のコンパクト化の妨げとなるものであった。
また、ダストボックスは室内機の表面に取り付けられているのでダストボックスの取付が悪かったり、ダストボックスが変形して隙間が生じる場合には室内機の前面に直接ゴミが飛び出す心配があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明はこの点に着目し上記欠点を解決する為、特にその構成を、本体ケーシングと前面カバーとオープンパネルで筐体を構成する室内機の、上面に吸込口を前面又は底面に吹出口を備え、前記吸込口から吸い込んだ室内空気をこの吸込口の内面側に沿って設けられたフイルタを通過した後、熱交換器で熱交換して前記吹出口より吹き出すものに於いて、前記フィルタを移動させる移動経路と、この移動経路にはオープンパネルと熱交換器との間にS字状屈曲部が形成され、移動経路の途中にフィルタ移動装置とフィルタを清掃するダストボックスを備え、このダストボックスは前記前面カバーとオープンパネルの間に設けた空間に位置し、ダストボックスの一側壁には突起を、他端側壁には左右方向に摺動自在に突出するスライドレバー設け、前記突起およびスライドレバーに対向する前面カバーには、突起およびスライドレバーが挿入される穴が設けられ、前記スライドレバーの摺動によりダストボックスを前記空間に着脱自在に取り付けるものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、フィルタの自動清掃を行うためのフイルタ移動経路をS字状に形成することで、空気調和機の奥行き寸法を小さくコンパクトにすることができた。
また、ダストボックスは前記前面カバーとオープンパネルの間に設けた空間に位置させることで、たとえダストボックスが故障した場合でも直接室内機の外へゴミが飛び出すようなことはない。
また、ダストボックスを縦長板状の突起とスライドレバーによって取り付けているので、着脱も極めて簡単で、着脱の際にゴミがこぼれるようなこともないものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明一実施例の斜視図。
【図2】同展開図。
【図3】同断面図。
【図4】同開蓋状態のダストボックス斜視図。
【図5】同中央を省略したダストボックス正面図。
【図6】同ダストボックス左側面に対向する要部断面図。
【図7】同ダストボックス右側面に対向する要部断面図。
【図8】同フィルタの斜視図。
【図9】同フィルタ回転軸の斜視図。
【図10】同フイルタ押えの斜視図。
【図11】同前面カバーの内側の斜視図。
【図12】同駆動部の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、この発明の空気調和機の実施の形態について、図面を基に説明する。1はセパレート式空気調和機の室内機で、本体ケーシング2と前面カバー3とオープンパネル4で筐体を形成し、前記前面カバー3の更に前面に位置する前記オープンパネル4上部左右には取付軸5を設け、この取付軸5を支点として前面カバー3の前方へ開閉自在に取付られる。前記前面カバー3上面には横長格子状の吸込口6を備え、前記前面カバー3下方から底面には斜め前方に温度調節された空気を吹き出す横長の吹出口7を設け、吸込口6から吹出口7の間に送風経路8を形成している。この送風経路8の前記吸込口6内側には横長のフィンチューブ式の熱交換器9が、その前後方向の中間部を頂部として側面視で逆V字状に配置されている。また前記熱交換器9は本体ケーシング2に対向する後側熱交換器10と前面カバー3に対向する前側熱交換器11を形成し、この熱交換器9の下方には横長のクロスフローファンから成る送風ファン12を配置している。
【0010】
前記吹出口7には運転時に上下方向の吹出風の風向を調整し、停止時には自動的に吹出口7を閉じる上下風向板13と左右方向の吹出風の風向を調整する左右風向板14を設けている。
前記吸込口6の内側には、空気中に浮遊する塵埃が前記熱交換器9を汚染するのを防止するために樹脂製網から形成される左右一対のフイルタ15が設けられている。
前記前面カバー3とオープンパネル4の間には、空間16が設けられダストボックス17を着脱自在に取り付けられるように、前記空間16の左側壁18には上下に長い左長穴19を、右側壁20にも同様に右長穴21を設けている。
前記ダストボックス17は、内部に集められたゴミを貯蔵するダストボックス本体22と、前面から上面を覆う蓋23と、フイルタ15に張り付いたゴミを掻き落とすブラシ24で構成し、前記蓋23の端部にはブラシ24に絡みついたゴミを落とす櫛部25を設けている。
前記フィルタ15は吸込口6からオープンパネル4の内側の左右及び中央に形成された溝部26に沿って移動経路27を移動する。
【0011】
28はフィルタ移動装置としてのフィルタ送り軸で、回転によりフィルタ15を移動させるもので、円柱の中央と左右にフィルタ15の縦枠29に係合する送り車30と、右端に駆動部31と係合する歯車部32と、前記送り車30の間に2カ所設けたビード33を備えている。前記駆動部31は前記前面カバー3の右側壁20の内側に取り付けられ、フイルタ送り軸28とブラシ24をそれぞれ回転する2個のステップモータ31aと、このモータ31aの回転を伝達する多数の歯車31bを備えている。
【0012】
前記吸込口6は縦桟34と横桟35によって格子状に多数の横長穴36を形成し、前記縦桟34の内側にはフィルタ15側にレール状凸部37を設け、フィルタ15移動時にフィルタ15の横枠38や横桟39が吸込口6の横桟35に引っかかってフィルタ15の移動を妨げない様にするものであり、フィルタ15の縦桟40とレール状凸部37を対向する位置関係で、且つレール状凸部37の厚さを前側に近いほど厚くすることで、フィルタ15が移動経路27の上溝部41側からS字状屈曲部42側へよりスムーズに移動できる様に配慮している。
【0013】
前記フィルタ15は前記左右の片面を凹凸状に形成した前記縦枠29と上下の横枠38で外枠を形成し、この外枠内を2本の縦桟40と2本の横桟39で区画した中に柔軟な薄網43を一体成型して作られる。また、フイルタ15は通常状態では吸込口6内側の上溝部41側に位置し、フィルタ自動清掃を開始するとフィルタ送り軸28とブラシ24が回転し、フイルタ15が下溝部44側に移動しながらブラシ24によってフィルタ15表面に堆積したゴミが剥ぎ取られダストボックス本体22内に蓄えられるものであり、前記移動経路27の上溝部41側と下溝部44側の間をS字状に屈曲して(前記S字状屈曲部42)ブラシ24とフイルタ送り軸28を設けることで室内機1の奥行き寸法を小さくすることができ、コンパクト化をすることができるものである。また、S字状屈曲部42にてブラシ24とフィルタ15の接触をブラシ24の外周の1/4以上とすることで、ブラシ24とフィルタ15の接触面積を大きく取ることができ効率的にゴミを掻き落とすことができるものである。
【0014】
45はフイルタ押えで、前記フィルタ送り軸28と下溝部44の前方に設けられ、フィルタ送り軸28との間にフイルタ15を挟んで、フィルタ送り軸28の回転によってフィルタ15のS字状屈曲部42での移動がスムーズに行われるようにするものであり、左右側端に一対備えた回動軸46によって前記前面カバー3に回動自在に取り付けられる。
【0015】
47は前記熱交換器9の前側で発生する結露水を受ける前部ドレンパンで、前記吹出口7の上面の壁と一体に形成している。48は前記熱交換器9の背面側で発生する結露水を受ける後部ドレンパンで、前記本体ケーシング2と一体に形成している。49は内部に制御基板(図示せず)等の電子部品を収納する電装ボックスで、前記本体ケーシング2の右前方に取り付けられている。50は表示部で、運転ランプやタイマランプ等のランプ類(図示せず)によって運転状態を表示するものである。
【0016】
前記ダストボックス本体22の左右の側壁51には上下方向に長い長丸状突起52を設け、一方蓋23左右に下方に延出した端部53には下部が円形で上部が細長い穴54を設け、閉蓋時には前記突起52が穴54の上部に係合することで開蓋を防止するものであり、ダストボックス本体22から蓋23を上方に引き上げて、突起52が穴54の円形の下部に達すれば、穴54下部を中心に蓋23を回動して開くことができ、ダストボックス本体22内に集められたゴミを捨てることができる。蓋23を閉じるにはこの逆をすれば良く、極めて簡単に蓋の開閉ができると共に、蓋23を閉じて前面カバー3にセットすれば突起52と穴54の上部が係合して蓋23が勝手に開くようなことはないものである。
【0017】
また、前記ダストボックス本体22の左の側壁51中央には縦長板状の突起55を設け、右の側壁51に突出し左右方向に摺動自在のスライドレバー56を設けている。前記前面カバー3の空間16へのダストボックス17の取付け手順について説明すれば、ダストボックス本体22に蓋23がセットされていることを確認後、前記左の側壁51の縦長板状突起55を前面カバー3の左長穴19に挿入し、右の側壁51のスライドレバー56を前面カバー3の右長穴21に挿入して係止すればブラシ24右端に備えたブラシ歯車57が駆動部31の歯車31bと噛み合い取付が完了する。また、取外しは前記の取付手順の逆を行えば良いものであり、極めて簡単にダストボックス17の着脱をすることができるものである。
【0018】
また、前記フィルタ15の着脱について説明すれば、前記オープンパネル4の下部を手前に引けば前面カバー3への係止が外れ取付軸5を中心に回転すればダストボックス17が現れる、これを前記の手順で取り外せば、S字状屈曲部42の部分に左右一対のフィルタ押え45が現れ、このフィル押え45の回動軸46を中心にフィルタ押え45を手前に引けば、フィルタ15の先端が開放されるのでフィルタ15を引き抜くことができるものである。もちろん、これとは逆の手順を行えば、通り外したフイルタ15を簡単にセットすることができるものであり、特に上溝部41側への挿入はフイルタ送り軸28のビード33にフィルタ15の縦桟40位置を合わせて行うことができるので、フイルタ15の位置がずれたり、曲がったりして正常にセットできないような事を防止している。
【0019】
フィルタ15の自動掃除運転は、室内機1の運転終了後や運転前に毎回行う方法や、室内機の積算運転時間に応じて定期的に行うものであり、ダストボックス本体22に溜まったゴミ捨ては室内に漂う塵埃の量やダストボックス本体22の容量等の条件によって異なり1年1回から10年1回適宜行われるものである。
【0020】
室内機1の運転終了後に自動掃除運転が行われた場合について説明すれば、まず室内機1の運転が終了し冷凍サイクルが停止すると共に送風ファン12が停止すれば、駆動部31の2つのモータ31aが回転を開始し、この回転がフイルタ送り軸28とブラシ24に伝わり、このフイルタ送り軸28の回転でフイルタ送り軸28とフイルタ押え45の間に挟まれた部分のフイルタ15からS字状屈曲部42を通過しながらブラシ24にてフィルタ15表面に付着したゴミを剥ぎ取ってダストボックス本体22へ導き、フィルタ15全体がS字状屈曲部42を通過して下溝部44側へ移動後、モータ31aの逆回転により、もう1回フイルタ15の表面を掃除しながら上溝部41側の通常位置へ戻って自動掃除を終了する。
【0021】
このように、フイルタ15の移動経路27をS字状に形成することで、空気調和機の奥行き寸法を小さくコンパクトにすることができる。
また、S字状屈曲部42の下方にフイルタ15から取り除かれたゴミを収納するダストボックス17を設けることで、フィルタ15のに付着したゴミを重力方向に効率よく集めることができるものである。
また、ダストボックス17は前記前面カバー3とオープンパネル4の間に設けた空間16に位置させることで、たとえダストボックス17が故障した場合でも直接室内機1の外へゴミが飛び出すようなことはない。
また、ダストボックス17を縦長板状の突起55とスライドレバー56によって取り付けているので、着脱も極めて簡単で、着脱の際にゴミがこぼれるようなこともないものである。
【符号の説明】
【0022】
2 本体ケーシング
3 前面カバー
4 オープンパネル
6 吸込口
7 吹出口
9 熱交換器
15 フィルタ
16 空間
17 ダストボックス
19 左長穴
21 右長穴
24 ブラシ
26 溝部
27 移動経路
42 S字状屈曲部
55 縦長板状突起
56 スライドレバー
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気調和機に関するもので、特にエアフィルタの自動清掃機能を供えた空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機に於いては、送風ファンにより吸い込んだ室内空気を、熱交換器を通過させることにより冷却または加熱して室内へと返流させるが、空気中に浮遊する塵埃が熱交換器を汚染するのを防止するため、熱交換器の前面側にエアフィルタが設けられている。このフィルタに塵埃が付着して目詰まりが生じて通風抵抗が増大すると、熱交換が妨げられるために空気調和機の空調能力が低下すると共に、消費電力が増大する。このような不都合を解消するため、フィルタの自動清掃機能を供えた空気調和機が種々提案されている。
【0003】
また、フィルタを自動的に清掃する場合、フィルタの全面を清掃ブラシで掃除するため、フィルタと清掃ブラシとの少なくともいずれか一方を移動させる必要がある。フィルタを移動させる方法としては、例えば特許文献1に開示されているように、フィルタを移動させる移送手段と、この移動過程においてフィルタに付着した塵埃を除去する清掃手段とを備えて成り、更に、フィルタを通常使用位置に保持する通常ガイド部と、この通常ガイド部の一端部に連なると共に、湾曲部に対向して接触する回転ブラシを備え、前記フィルタを移動させることによって、通常ガイド部の一端部に位置するフィルタの先端部が、通常ガイド部から湾曲部でU字状に折返されて前記ブラシによって自動清掃を行うものであり、清掃後のゴミは前面側から取り付けられるダストボックスに集められるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4175409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この従来例の空気調和機ではフィルタの移動経路がU字状に形成され、フイルタの移動を折り返えして行う構造であるために、空気調和機の奥行き寸法が大きくなり、空気調和機のコンパクト化の妨げとなるものであった。
また、ダストボックスは室内機の表面に取り付けられているのでダストボックスの取付が悪かったり、ダストボックスが変形して隙間が生じる場合には室内機の前面に直接ゴミが飛び出す心配があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明はこの点に着目し上記欠点を解決する為、特にその構成を、本体ケーシングと前面カバーとオープンパネルで筐体を構成する室内機の、上面に吸込口を前面又は底面に吹出口を備え、前記吸込口から吸い込んだ室内空気をこの吸込口の内面側に沿って設けられたフイルタを通過した後、熱交換器で熱交換して前記吹出口より吹き出すものに於いて、前記フィルタを移動させる移動経路と、この移動経路にはオープンパネルと熱交換器との間にS字状屈曲部が形成され、移動経路の途中にフィルタ移動装置とフィルタを清掃するダストボックスを備え、このダストボックスは前記前面カバーとオープンパネルの間に設けた空間に位置し、ダストボックスの一側壁には突起を、他端側壁には左右方向に摺動自在に突出するスライドレバー設け、前記突起およびスライドレバーに対向する前面カバーには、突起およびスライドレバーが挿入される穴が設けられ、前記スライドレバーの摺動によりダストボックスを前記空間に着脱自在に取り付けるものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、フィルタの自動清掃を行うためのフイルタ移動経路をS字状に形成することで、空気調和機の奥行き寸法を小さくコンパクトにすることができた。
また、ダストボックスは前記前面カバーとオープンパネルの間に設けた空間に位置させることで、たとえダストボックスが故障した場合でも直接室内機の外へゴミが飛び出すようなことはない。
また、ダストボックスを縦長板状の突起とスライドレバーによって取り付けているので、着脱も極めて簡単で、着脱の際にゴミがこぼれるようなこともないものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明一実施例の斜視図。
【図2】同展開図。
【図3】同断面図。
【図4】同開蓋状態のダストボックス斜視図。
【図5】同中央を省略したダストボックス正面図。
【図6】同ダストボックス左側面に対向する要部断面図。
【図7】同ダストボックス右側面に対向する要部断面図。
【図8】同フィルタの斜視図。
【図9】同フィルタ回転軸の斜視図。
【図10】同フイルタ押えの斜視図。
【図11】同前面カバーの内側の斜視図。
【図12】同駆動部の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、この発明の空気調和機の実施の形態について、図面を基に説明する。1はセパレート式空気調和機の室内機で、本体ケーシング2と前面カバー3とオープンパネル4で筐体を形成し、前記前面カバー3の更に前面に位置する前記オープンパネル4上部左右には取付軸5を設け、この取付軸5を支点として前面カバー3の前方へ開閉自在に取付られる。前記前面カバー3上面には横長格子状の吸込口6を備え、前記前面カバー3下方から底面には斜め前方に温度調節された空気を吹き出す横長の吹出口7を設け、吸込口6から吹出口7の間に送風経路8を形成している。この送風経路8の前記吸込口6内側には横長のフィンチューブ式の熱交換器9が、その前後方向の中間部を頂部として側面視で逆V字状に配置されている。また前記熱交換器9は本体ケーシング2に対向する後側熱交換器10と前面カバー3に対向する前側熱交換器11を形成し、この熱交換器9の下方には横長のクロスフローファンから成る送風ファン12を配置している。
【0010】
前記吹出口7には運転時に上下方向の吹出風の風向を調整し、停止時には自動的に吹出口7を閉じる上下風向板13と左右方向の吹出風の風向を調整する左右風向板14を設けている。
前記吸込口6の内側には、空気中に浮遊する塵埃が前記熱交換器9を汚染するのを防止するために樹脂製網から形成される左右一対のフイルタ15が設けられている。
前記前面カバー3とオープンパネル4の間には、空間16が設けられダストボックス17を着脱自在に取り付けられるように、前記空間16の左側壁18には上下に長い左長穴19を、右側壁20にも同様に右長穴21を設けている。
前記ダストボックス17は、内部に集められたゴミを貯蔵するダストボックス本体22と、前面から上面を覆う蓋23と、フイルタ15に張り付いたゴミを掻き落とすブラシ24で構成し、前記蓋23の端部にはブラシ24に絡みついたゴミを落とす櫛部25を設けている。
前記フィルタ15は吸込口6からオープンパネル4の内側の左右及び中央に形成された溝部26に沿って移動経路27を移動する。
【0011】
28はフィルタ移動装置としてのフィルタ送り軸で、回転によりフィルタ15を移動させるもので、円柱の中央と左右にフィルタ15の縦枠29に係合する送り車30と、右端に駆動部31と係合する歯車部32と、前記送り車30の間に2カ所設けたビード33を備えている。前記駆動部31は前記前面カバー3の右側壁20の内側に取り付けられ、フイルタ送り軸28とブラシ24をそれぞれ回転する2個のステップモータ31aと、このモータ31aの回転を伝達する多数の歯車31bを備えている。
【0012】
前記吸込口6は縦桟34と横桟35によって格子状に多数の横長穴36を形成し、前記縦桟34の内側にはフィルタ15側にレール状凸部37を設け、フィルタ15移動時にフィルタ15の横枠38や横桟39が吸込口6の横桟35に引っかかってフィルタ15の移動を妨げない様にするものであり、フィルタ15の縦桟40とレール状凸部37を対向する位置関係で、且つレール状凸部37の厚さを前側に近いほど厚くすることで、フィルタ15が移動経路27の上溝部41側からS字状屈曲部42側へよりスムーズに移動できる様に配慮している。
【0013】
前記フィルタ15は前記左右の片面を凹凸状に形成した前記縦枠29と上下の横枠38で外枠を形成し、この外枠内を2本の縦桟40と2本の横桟39で区画した中に柔軟な薄網43を一体成型して作られる。また、フイルタ15は通常状態では吸込口6内側の上溝部41側に位置し、フィルタ自動清掃を開始するとフィルタ送り軸28とブラシ24が回転し、フイルタ15が下溝部44側に移動しながらブラシ24によってフィルタ15表面に堆積したゴミが剥ぎ取られダストボックス本体22内に蓄えられるものであり、前記移動経路27の上溝部41側と下溝部44側の間をS字状に屈曲して(前記S字状屈曲部42)ブラシ24とフイルタ送り軸28を設けることで室内機1の奥行き寸法を小さくすることができ、コンパクト化をすることができるものである。また、S字状屈曲部42にてブラシ24とフィルタ15の接触をブラシ24の外周の1/4以上とすることで、ブラシ24とフィルタ15の接触面積を大きく取ることができ効率的にゴミを掻き落とすことができるものである。
【0014】
45はフイルタ押えで、前記フィルタ送り軸28と下溝部44の前方に設けられ、フィルタ送り軸28との間にフイルタ15を挟んで、フィルタ送り軸28の回転によってフィルタ15のS字状屈曲部42での移動がスムーズに行われるようにするものであり、左右側端に一対備えた回動軸46によって前記前面カバー3に回動自在に取り付けられる。
【0015】
47は前記熱交換器9の前側で発生する結露水を受ける前部ドレンパンで、前記吹出口7の上面の壁と一体に形成している。48は前記熱交換器9の背面側で発生する結露水を受ける後部ドレンパンで、前記本体ケーシング2と一体に形成している。49は内部に制御基板(図示せず)等の電子部品を収納する電装ボックスで、前記本体ケーシング2の右前方に取り付けられている。50は表示部で、運転ランプやタイマランプ等のランプ類(図示せず)によって運転状態を表示するものである。
【0016】
前記ダストボックス本体22の左右の側壁51には上下方向に長い長丸状突起52を設け、一方蓋23左右に下方に延出した端部53には下部が円形で上部が細長い穴54を設け、閉蓋時には前記突起52が穴54の上部に係合することで開蓋を防止するものであり、ダストボックス本体22から蓋23を上方に引き上げて、突起52が穴54の円形の下部に達すれば、穴54下部を中心に蓋23を回動して開くことができ、ダストボックス本体22内に集められたゴミを捨てることができる。蓋23を閉じるにはこの逆をすれば良く、極めて簡単に蓋の開閉ができると共に、蓋23を閉じて前面カバー3にセットすれば突起52と穴54の上部が係合して蓋23が勝手に開くようなことはないものである。
【0017】
また、前記ダストボックス本体22の左の側壁51中央には縦長板状の突起55を設け、右の側壁51に突出し左右方向に摺動自在のスライドレバー56を設けている。前記前面カバー3の空間16へのダストボックス17の取付け手順について説明すれば、ダストボックス本体22に蓋23がセットされていることを確認後、前記左の側壁51の縦長板状突起55を前面カバー3の左長穴19に挿入し、右の側壁51のスライドレバー56を前面カバー3の右長穴21に挿入して係止すればブラシ24右端に備えたブラシ歯車57が駆動部31の歯車31bと噛み合い取付が完了する。また、取外しは前記の取付手順の逆を行えば良いものであり、極めて簡単にダストボックス17の着脱をすることができるものである。
【0018】
また、前記フィルタ15の着脱について説明すれば、前記オープンパネル4の下部を手前に引けば前面カバー3への係止が外れ取付軸5を中心に回転すればダストボックス17が現れる、これを前記の手順で取り外せば、S字状屈曲部42の部分に左右一対のフィルタ押え45が現れ、このフィル押え45の回動軸46を中心にフィルタ押え45を手前に引けば、フィルタ15の先端が開放されるのでフィルタ15を引き抜くことができるものである。もちろん、これとは逆の手順を行えば、通り外したフイルタ15を簡単にセットすることができるものであり、特に上溝部41側への挿入はフイルタ送り軸28のビード33にフィルタ15の縦桟40位置を合わせて行うことができるので、フイルタ15の位置がずれたり、曲がったりして正常にセットできないような事を防止している。
【0019】
フィルタ15の自動掃除運転は、室内機1の運転終了後や運転前に毎回行う方法や、室内機の積算運転時間に応じて定期的に行うものであり、ダストボックス本体22に溜まったゴミ捨ては室内に漂う塵埃の量やダストボックス本体22の容量等の条件によって異なり1年1回から10年1回適宜行われるものである。
【0020】
室内機1の運転終了後に自動掃除運転が行われた場合について説明すれば、まず室内機1の運転が終了し冷凍サイクルが停止すると共に送風ファン12が停止すれば、駆動部31の2つのモータ31aが回転を開始し、この回転がフイルタ送り軸28とブラシ24に伝わり、このフイルタ送り軸28の回転でフイルタ送り軸28とフイルタ押え45の間に挟まれた部分のフイルタ15からS字状屈曲部42を通過しながらブラシ24にてフィルタ15表面に付着したゴミを剥ぎ取ってダストボックス本体22へ導き、フィルタ15全体がS字状屈曲部42を通過して下溝部44側へ移動後、モータ31aの逆回転により、もう1回フイルタ15の表面を掃除しながら上溝部41側の通常位置へ戻って自動掃除を終了する。
【0021】
このように、フイルタ15の移動経路27をS字状に形成することで、空気調和機の奥行き寸法を小さくコンパクトにすることができる。
また、S字状屈曲部42の下方にフイルタ15から取り除かれたゴミを収納するダストボックス17を設けることで、フィルタ15のに付着したゴミを重力方向に効率よく集めることができるものである。
また、ダストボックス17は前記前面カバー3とオープンパネル4の間に設けた空間16に位置させることで、たとえダストボックス17が故障した場合でも直接室内機1の外へゴミが飛び出すようなことはない。
また、ダストボックス17を縦長板状の突起55とスライドレバー56によって取り付けているので、着脱も極めて簡単で、着脱の際にゴミがこぼれるようなこともないものである。
【符号の説明】
【0022】
2 本体ケーシング
3 前面カバー
4 オープンパネル
6 吸込口
7 吹出口
9 熱交換器
15 フィルタ
16 空間
17 ダストボックス
19 左長穴
21 右長穴
24 ブラシ
26 溝部
27 移動経路
42 S字状屈曲部
55 縦長板状突起
56 スライドレバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケーシングと前面カバーとオープンパネルで筐体を構成する室内機の、上面に吸込口を前面又は底面に吹出口を備え、前記吸込口から吸い込んだ室内空気をこの吸込口の内面側に沿って設けられたフイルタを通過した後、熱交換器で熱交換して前記吹出口より吹き出すものに於いて、
前記フィルタを移動させる移動経路と、この移動経路にはオープンパネルと熱交換器との間にS字状屈曲部が形成され、移動経路の途中にフィルタ移動装置とフィルタを清掃するダストボックスを備え、
このダストボックスは前記前面カバーとオープンパネルの間に設けた空間に位置し、ダストボックスの一側壁には突起を、他端側壁には左右方向に摺動自在に突出するスライドレバー設け、
前記突起およびスライドレバーに対向する前面カバーには、突起およびスライドレバーが挿入される穴が設けられ、前記スライドレバーの摺動によりダストボックスを前記空間に着脱自在に取り付けることを特徴とする空気調和機。
【請求項1】
本体ケーシングと前面カバーとオープンパネルで筐体を構成する室内機の、上面に吸込口を前面又は底面に吹出口を備え、前記吸込口から吸い込んだ室内空気をこの吸込口の内面側に沿って設けられたフイルタを通過した後、熱交換器で熱交換して前記吹出口より吹き出すものに於いて、
前記フィルタを移動させる移動経路と、この移動経路にはオープンパネルと熱交換器との間にS字状屈曲部が形成され、移動経路の途中にフィルタ移動装置とフィルタを清掃するダストボックスを備え、
このダストボックスは前記前面カバーとオープンパネルの間に設けた空間に位置し、ダストボックスの一側壁には突起を、他端側壁には左右方向に摺動自在に突出するスライドレバー設け、
前記突起およびスライドレバーに対向する前面カバーには、突起およびスライドレバーが挿入される穴が設けられ、前記スライドレバーの摺動によりダストボックスを前記空間に着脱自在に取り付けることを特徴とする空気調和機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−87969(P2012−87969A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233565(P2010−233565)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】
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