説明

空気調和機

【課題】 人体を検知する検知手段を備えた空気調和機において、運転停止時における所謂待機電力を低減できる空気調和機を提供することを目的とする。
【解決手段】 リモートコントローラ32の操作信号により空気調和機の運転が停止され、停止した状態から人検知手段6による人の存在が所定時間、確認されなかったら室内機制御部12は、第二開閉スイッチ30を開放し、電源線27を介した駆動回路18への電源供給を遮断する。これにより、本体側送受信手段4は送受信状態を停止させ、赤外線(IR)方式に比較して消費電力が大きい本体側送受信手段4での消費電力を低減させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関わり、より詳細には運転停止時の待機電力低減に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の空気調和機では、室内機に人体の検知手段を備え空調運転を効率的に行うものが知られている。例えば、図5は空気調和機の制御ブロック50を示しており、同空気調和機は、人体の存在方向と室内機からの距離を検知する位置検知手段51を備えるとともに、主制御手段52と、設定温度変更手段53と、風向変更手段54と、風速変更手段55とを備えている。風向変更手段54は風向制御翼駆動手段56を介して上下風向板 及び左右風向板等の風向制御翼58を駆動し、風速変更手段55は送風機駆動手段57を介して送風機59の送風速度を変更するようになっている(特許文献1参照)。
【0003】
空気調和機は位置検知手段51により人の存在位置の検知を行い、人が室内機の一定距離内に進入したかどうかを判定する。一定距離内で検知されれば、設定温度変更手段53により設定温度の変更を行い、例えば暖房運転の場合には、やや高めに設定温度の変更を行ない、また、風向変更手段54により人に向けて吹出方向を変更するようになっている。
【0004】
また、位置検知手段51により人が検知されない場合、一定時間が経過すると、主制御手段52を介して冷暖房運転が停止される一方、再び、人が検知されると運転を再開するようになっている。運転中においては、機器操作者がリモートコントローラを用いて、上記した設定温度の変更あるいは、吹出方向の変更等を任意に行うこともできるようになっている。
【0005】
空気調和機に使用されているリモートコントローラは、赤外線(IR)方式を採用しているが、赤外線(IR)方式は指向性が高く、障害物の影響も受けやすいため、リモコンを機器に向けて操作しなければならないという不具合があり、また、リモートコントローラと操作される機器との通信速度が比較的低く、双方向通信が困難であるとの問題を抱えていた。この為、最近になって赤外線の代わりに高周波(RF)の電波を用いる無線リモコンが使用され始めている。指向性がなく、障害物に強い無線リモコンによる双方向無線通信を利用して、リモートコントローラから室内機に対して遠隔操作や各種設定を行い、室内機から各種運転情報をリモートコントローラが取得すると、リモートコントローラの表示手段にそれらの情報を表示させて、運転管理や各種設定に利用できるようになっている。
【0006】
しかしながら、室内機に設けられる無線リモコンの受信部は赤外線リモコンの受光部に比べて消費電力が大きく、運転停止時に、無線リモコンの受信部が受信待機状態であると空気調和機としての待機電力が増加してしまうという問題を抱えていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−187682号(7頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑み、人体を検知する検知手段を備えた空気調和機において、運転停止時における所謂待機電力を低減できる空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、空気調和機本体と、同空気調和機本体の運転操作を行うためのリモコンとからなり、前記リモコンは前記空気調和機本体に対し操作信号を送信するリモコン側送信手段を備え、前記空気調和機本体は前記リモコンから操作信号を受信する本体側受信手段を備えると共に、人の有無を検知する人検知手段を備えた空気調和機であって、前記空気調和機本体は、運転の停止中に所定時間、人を検知しなかった場合に前記本体側受信手段への通電を遮断する一方、遮断した後に人を検知した際には前記本体側受信手段への通電を再開する構成となっている。
【0010】
また、前記空気調和機本体は、前記リモコンに対し運転情報を送信する本体側送信手段を備え、前記リモコンは、前記空気調和機本体から送信された運転情報を受信するリモコン側受信手段と、受信した運転情報を表示する表示手段とを備える構成となっている。
【0011】
また、前記リモコンは、前記リモコン側送信手段から操作信号を送信した際に、前記リモコン側受信手段を受信待ち状態とするとともに、同受信待ち状態を所定時間で解除する受信限定手段と、前記空気調和機本体へ運転情報を要求する要求信号を送信した際に、前記リモコン側受信手段を受信待ち状態とするとともに、前記受信待ち状態を一定時間で解除する運転情報待ち受け手段を有する構成となっている。
【0012】
また、前記リモコンは、前記本体側受信手段への通電を遮断するまでの残時間情報を前記空気調和機本体から受信した際、前記表示手段に前記残時間情報を表示する構成となっている。
【0013】
また、前記リモコンは、前記本体側受信手段への通電を遮断するまでの残時間情報を受信した後、前記残時間をカウントするカウント手段を備え、前記残時間が経過した後に、前記リモコンから前記空気調和機本体へ運転情報を要求する要求信号を送信するとともに前記リモコン側受信手段を受信待ち状態とし、前記運転情報を受信しなかった場合には前記表示手段に前記本体側受信手段の通電遮断状態を表示する構成となっている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、空気調和機の運転が停止された後、人体を所定時間、検知しなかった場合に本体側受信手段への通電を遮断する一方、人体を検知した際には本体側受信手段への通電を再開することにより、運転停止中の待機電力を削減することができるようになっている。
【0015】
また、赤外線(IR)方式よりも消費電力の大きい、高周波(RF)の電波による無線式双方向通信リモコンを用いても、運転停止時における消費電力、所謂、待機電力の低減を図ることができるようになっている。
【0016】
また、受信待ち状態を所定時間で解除する受信限定手段と、運転情報の要求信号を送信した際に、受信待ち状態を一定時間で解除する運転情報待ち受け手段を有することにより、リモコンの消費電力を低減することができる。
【0017】
また、リモコンに本体側送受信手段が停止するまでの残時間情報を表示することにより、待機電力の低減をはかるとともに機器操作者にとって利便性が向上するようになっている。
【0018】
また、リモコンに備えられたカウント手段により本体側送受信手段が停止するまでの残時間をカウントすることによりリモコン側送受信手段をOFFにすることができリモコンの消費電力を低減できる。また、本体側送受信手段が停止したらリモコンの表示部に表示させることにより機器操作者は空気調和機の状態を正確に知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による空気調和機を示す外観斜視図である。
【図2】本発明による空気調和機の室内機における制御ブロック図である。
【図3】本発明による空気調和機の第一実施例を示すフローチャートである。
【図4】本発明による空気調和機の第二実施例を示すフローチャートである。
【図5】従来の空気調和機の制御装置を示す制御ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
本発明による空気調和機は、図1の外観斜視図で示すように、本体1の前面にオープンパネル2を設け、前面下部に、上下風向板19により遮蔽可能な吹出口3を設けている。本体1の上面には図示しない上面吸込口が設けられ、オープンパネル2は本体1の前面に設けられた前面吸込口を開閉可能としている。
【0022】
本体1の前面下部の一側には、複数のLEDを連設させた表示部5が設けられ、同表示部5の下方にはリモートコントローラ32からの信号を受信するとともに、運転情報のデータをリモートコントローラ32に送信する本体側送受信手段4が設けられている。また、本体1の前面下部中央には、人体の存在を検知する人検知手段6が設けられている。
【0023】
本体側送受信手段4及び後述するリモートコントローラ32のリモコン側送受信手段との通信には、高周波(RF)の電波による無線通信が用いられている。無線通信を用いることにより、リモートコントローラ32はリモコン側送受信手段を本体側送受信手段4に向けなくても本体の操作が可能であり利便性が高くなっている。また、赤外線(IR)方式に比べて障害物の影響を受けにくい為、他室からの操作もできるようになっている。
【0024】
人検知手段6には、例えば焦電センサが用いられている。焦電センサは赤外線の量を検出するセンサであり、室内機から一定距離の範囲内に人が入ると、人体から発せられる赤外線を検知し、後述する室内機制御部12に検知信号を送出するようになっている。
【0025】
次に、図2に基づいて本発明の空気調和機における室内機及びリモートコントローラ32の制御ブロック図を説明する。尚、室内機を室内ユニット8として、室外機を室外ユニット9として説明する。室内ユニット8は商用交流電源線23を介して商用交流電源7に接続され、商用交流電源線23により供給される交流電圧を電源スイッチ11を介して室内機電源回路10に取込むようになっている。また、商用交流電源7の交流電圧をパワーリレー13を介して室外機の室外ユニット9に供給するようになっている。
【0026】
室内ユニット8に設けられた室内機電源回路10は、供給された交流電圧を降圧及び整流して、
後述する室内機制御部12と、駆動回路15〜18及びこれらに接続された本体側送受信手段4、人検知手段6等に電源を供給するようになっている。
【0027】
室内ユニット8にはマイコンを搭載した室内機制御部12が設けられており、同室内機制御部12は以下に説明する機器を制御するようになっている。また、室内ユニット8にはシリアル回路14が設けられ、室内機制御部12はシリアル回路14を介して室外ユニット9とデータ送受信を行い、室外ユニット9に設けられた図示しない室外機制御部と共に、空気調和機全体を制御するようになっている。
【0028】
室内ユニット8には、上記したオープンパネル2及び上下風向板19と、吹出口3内に設けられた左右風向板20を駆動する駆動回路15が設けられ、同駆動回路15は第一開閉スイッチ26を備えた電源線24により室内機電源回路10に接続され電源の供給を受けるとともに、室内機制御部12と信号線により接続され、同信号線から送出された信号によりオープンパネル2、上下風向板19及び左右風向板20を駆動するようになっている。
【0029】
また、室内ユニット8には、室内機に設けられたファンモータ22を駆動する駆動回路16が設けられ、同駆動回路16は上記した第一開閉スイッチ26と駆動回路15とを結ぶ電源線24から分岐した電源線28に接続されるとともに、室内機制御部12と信号線により接続されている。
【0030】
また、室内ユニット8には、上記した人検知手段6を駆動する駆動回路17と、本体側送受信手段4を駆動する駆動回路18とが設けられている。駆動回路17は、室内機電源回路10と第一開閉スイッチ26とを結ぶ電源線24から分岐した電源線25と接続され、駆動回路18は、電源線25から分岐し、第二開閉スイッチ30を備えた電源線27と接続されている。これにより、人検知手段6を駆動する駆動回路17には、室内機電源回路10がON状態であれば、常時、電源線25を介して電源が供給されるが、本体側送受信手段4を駆動する駆動回路18は、第二開閉スイッチ30が開放されると、室内機電源回路10からの電源供給が遮断されるようになっている。
【0031】
電源線24に設けられた第一開閉スイッチ26は、例えばリレーまたは半導体スイッチであり室内機制御部12と信号線29により接続され、同様に、電源線27に設けられた第二開閉スイッチ30は室内機制御部12と信号線31により接続されている。室内機制御部12から、信号線29と信号線31を介して指令信号が送出されると、第一開閉スイッチ26及び第二開閉スイッチ30は夫々、開閉動作を行うようになっている。
【0032】
リモートコントローラ32は、MPUボード32aと、室内機と電波により双方向通信を行なうリモコン側送受信手段32bと、操作内容、運転時間及び消費電力等を表示する表示部32cと、室内機を運転操作するキー操作部(KEY)32dと、タイマ32eを備えるとともに、これらに電源を供給する電池32fを備えている。また、MPUボード32a内には、操作後に所定時間、リモコン側送受信手段32bをOFFする受信限定手段32gと、受信待ち状態を一定時間で解除する運転情報待ち受け手段32hとが備えられている。
【0033】
次に、本発明の空気調和機の動作を図3のフローチャートに基づいて説明する。冷暖房運転中あるいは除湿運転中にリモートコントローラ32から停止信号が本体側送受信手段4に送信されると、室内機制御部12は信号線29に信号を送出して、第一開閉スイッチ26を開放させ、エアコンの運転を停止させる(STEP1)。これによりオープンパネル2及び上下風向板3と、左右風向板20を駆動する駆動回路15と、ファンモータ22を駆動する駆動回路16への室内機電源回路10からの電源供給が遮断され、また、パワーリレー13により室外ユニット9への電源供給も遮断されるようになっている。
【0034】
第一開閉スイッチ26が開放されても、第二開閉スイッチ30は閉状態が維持されるようになっている。第二開閉スイッチ30が接続されていない電源線25を介して人検知手段6を駆動する駆動回路17には継続して電源線が供給され運転停止状態でも人検知手段6は継続して室内の人も検知を行うとともに、第二開閉スイッチ30が閉状態であることにより電源線27を介して本体側送受信手段4を駆動する駆動回路18には電源が継続して供給されるようになっており、本体側送受信手段4はリモートコントローラ32からの信号を受信できる受信状態となっている。
【0035】
室内機制御部12は内蔵するタイマ12aにより予め設定された所定時間、例えば30分をカウントするようになっており、第一開閉スイッチ26が開放された際、タイマ12aはカウントを開始するようになっている(STEP2)。
【0036】
人検知手段6はタイマカウント中、室内の人の有無検知を継続して行い(STEP3)、人が検知されない状態で所定時間が経過すると(STEP3−YES且つSTEP4−YES)、室内機制御部12は信号線31を介して第二開閉スイッチ30に信号を送出し、同第二開閉スイッチ30を開放させるようになっている。
【0037】
第二開閉スイッチ30が開放されると、電源線27を介した駆動回路18への電源供給が遮断され、本体側送受信手段4は受信状態を停止する(STEP5)。一方、駆動回路17は室内機電源回路10から電源線25により電源の供給を受け続け、人検知手段6は継続して室内の人の有無検知を行なうようになっている(STEP6)。
【0038】
リモートコントローラ32の操作信号により空気調和機の運転が停止され、停止した状態から所定時間経過したら室内機制御部12が本体側送受信手段4の駆動回路18への電源供給を遮断することにより、本体側送受信手段4における消費電力をカットすることができるため、所謂待機電力を低減することができるようになっている。本体側送受信手段4として高周波(RF)の電波による無線通信を用いてリモートコントローラ32と信号あるいはデータの送受信を行えるようにした場合、赤外線(IR)方式に比較して消費電力が大きくなる傾向にあるが、運転停止の状態から所定時間が経過したら本体側送受信手段4及び駆動回路18への電源供給を遮断することにより、電源供給は人検知手段6及び駆動回路17に限定され、例えば、本体側での運転停止中の消費電力を60%程度、低減することができるようになっている。
【0039】
本体側送受信手段4への電源供給が遮断され(STEP5)、遮断が継続された状態において、人検知手段6が人を検知したら(STEP6−YES)、検知信号が室内機制御部12に送出され、同室内機制御部12は信号線31を介して第二開閉スイッチ30に信号を送出し、同第二開閉スイッチ30を閉じるようになっている。これにより、電源線27を介して駆動回路18への電源供給が再開され、本体側送受信手段4は受信状態に復帰するようになっている(STEP7)。
【0040】
機器操作者がリモートコントローラ32により、運転開始の信号を本体側送受信手段4に送出すると(STEP8−YES)、室内機制御部12は信号線29を介して第一開閉スイッチ26に信号を送出し、同第一開閉スイッチ26を閉じるようになっている。これにより、室内機電源回路10から駆動回路15、駆動回路16及び室外ユニット9への電源供給が行われ、冷暖房運転が再開されるようになっている(STEP9)。一方、運転開始の信号が受信されない場合は(STEP8−NO)、STEP2にリターンするようになっている。
【実施例2】
【0041】
次に、第二実施例について説明する。第二実施例は空気調和機の運転停止状態において、本体側とともにリモートコントローラ32のリモコン側の消費電力を低減させようとするものである。
尚、機器の符号は実施例1での符号を用いて説明する。
【0042】
最初にリモコン側の動作を説明し、次に本体側の動作について図4のフローチャートに基づいて説明する。リモートコントローラ32から運転停止信号を本体側に送信した後(STEP20)、本体側から送信されてくる運転情報を受信すれば(STEP21−YES)、リモートコントローラ32は備えられた表示部32cに運転状態(停止状態)を表示するようになっている(STEP22)。送受信状態が悪く運転情報のデータを受信できなかったら(STEP21−NO)、エラー表示(STEP23)を行ってSTEP20にリターンするようになっている。
【0043】
リモートコントローラ32のMPUボード32aは、上記したように、操作後に所定時間、リモコン側送受信手段32bをOFFする受信限定手段32gを有しており、同受信限定手段32gはリモートコントローラ32が表示部32cに運転情報を表示した後、本体側と送受信を行うリモコン側送受信手段32bの電源をOFFするようになっている(STEP24)。また、リモコン側送受信手段32bの電源がOFFされると、タイマ32eのカウントを開始し、カウント開始後、所定時間T1が経過すると(STEP25)、再びリモコン側送受信手段32bの電源をONにし(STEP26)、本体側に現在の運転状況の問い合わせを送信するようになっている(STEP27)。上記した所定時間T1としては、例えば後述する所定時間T2と同じか、より短い時間が予め設定されている。このように設定することで、本体側送受信手段4の機能を停止させる(STEP50)前に、本体側に現在の運転状況の問い合わせを送信できるようにしている(STEP27)。
【0044】
後述する本体側送受信手段4の停止までの残時間データが本体側から送信され、リモートコントローラ32がその残時間データを受信したら(STEP28−YES)、リモートコントローラ32は、リモコン側送受信手段32bの電源をOFFにするとともに(STEP29)、表示部32cに本体側送受信手段4の停止までの残時間を表示させるようになっている(STEP30)。残時間データを受信しなかったら(STEP28−NO),STEP24にリターンし再びリモコン側送受信手段32bの電源をOFFするようになっている。このように、MPUボード32aに備えられた運転情報待ち受け手段32hは、本体側への運転状況の問い合わせに対し(STEP27)、本体側からの返信の有無(STEP28)にかかわらず、リモコン側送受信手段32bの電源を一定時間で解除する機能を有している。
【0045】
リモートコントローラ32は表示部32cに、本体側送受信手段4の停止までの残時間を表示させたら内蔵するタイマ32eで残時間のカウントを自ら行い(STEP31)、カウントアップしたら、表示部32cに、本体側送受信手段4が停止されたことを表示するようになっている(STEP32)。
【0046】
これにより、機器操作者が、本体が設置された室内から退出して、例えば隣の部屋に居たとしても、リモートコントローラ32を携行していれば、本体側が本体側送受信手段4の停止までのタイマカウント中の場合、リモートコントローラ32の表示部32cで本体側送受信手段4が停止するまでの残時間を知ることができる。また、タイマ32eのカウントアップが終了している場合には、本体側送受信手段4が停止していることを知ることができ、使い勝手が向上するようになっている。また、上記したように、本体側との送受信の場合だけ、消費電力の大きいリモコン側送受信手段32bをONし、それ以外はOFFすることにより、リモートコントローラ32での消費電力低減を行えるようになっている。このように、消費電力の大きいリモコン側送受信手段32bの電源を必要に応じてON、OFFすることにより、消費電力を低減させ省エネ運転を行うようになっている。
【0047】
次に、本体側の動作について説明する。本体側はリモートコントローラ32から運転停止の操作信号を受信すると(STEP40)、運転を停止する(STEP41)。続いて運転情報(停止情報)のデータをリモートコントローラ32に送信する(STEP42)。本体側は、停止中においても、人検知手段6により室内の人の有無検知を継続して行い(STEP43)、もし機器操作者が室外に退出して、空気調和機が設置された室内に人が検知されなくなった場合、本体側の室内機制御部12は内蔵したタイマ12aを始動させる(STEP44)。
【0048】
タイマカウント中に、リモートコントローラ32のSTEP27における問い合わせがあれば(STEP45−YES)、本体側は、本体側送受信手段4が停止するまでの予め設定された所定時間T2、例えば30分に対し残時間を算出し、算出された残時間のデータをリモートコントローラ32に送信するようになっている(STEP46)。一方、問い合わせ受信がなければ(STEP45−NO)、後述するSTEP47にジャンプする。
【0049】
続いて、本体側は、所定時間T2が経過したか否かの判断を行い、所定時間T2が経過していなければ(STEP47−NO)、再び人検知手段6により室内の人の有無検知を行なう。機器操作者が再び入室して室内に人が居ることが検知されれば(STEP48−YES)、室内機制御部12はタイマ12aのカウントを停止させ(STEP49)、STEP43にリターンするようになっている。一方、室内に人が居ることが検知されない場合には(STEP48−NO)、STEP45にリターンするようになっている。
【0050】
機器操作者が再び入室せず、室内に人が検知されない状態で所定時間T2が経過した場合(STEP47−YES)、室内機制御部12は本体側送受信手段4への通電を遮断し、同本体側送受信手段4の機能を停止させるようになっている(STEP50)。これにより、本体側の運転停止状態における消費電力を低減できるようになっている。
【0051】
以上説明したように、第二実施例では、リモコン側送受信手段32bのON、OFFを必要に応じて行なうことによりリモートコントローラ32の消費電力を低減することができる。また、表示部32cに本体側送受信手段4が停止するまでの残時間情報を表示することにより、機器操作者が隣の部屋に居たとしても、本体側送受信手段4が停止するまでの残時間を知ることができる。また、残時間経過後には本体側送受信手段4が停止していることを知ることができ、使い勝手が向上するようになっている。本体側においても、人が検知されない際は、所定時間をおいて本体側送受信手段4をOFFすることにより待機電力を低減できるようになっている。
【符号の説明】
【0052】
1 本体
2 オープンパネル
3 吹出口
4 本体側送受信手段
5 表示部
6 人検知手段
7 商用交流電源
8 室内ユニット
9 室外ユニット
10 室内機電源回路
11 電源スイッチ
12 室内機制御部
13 パワーリレー
14 シリアル回路
15〜18 駆動回路
19 上下風向板
20 左右風向板
22 ファンモータ
24、25 電源線
26 第一開閉スイッチ
27、28 電源線
29 信号線
30 第二開閉スイッチ
31 信号線
32 リモートコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機本体と、同空気調和機本体の運転操作を行うためのリモコンとからなり、
前記リモコンは前記空気調和機本体に対し操作信号を送信するリモコン側送信手段を備え、 前記空気調和機本体は前記リモコンから操作信号を受信する本体側受信手段を備えると共に、人の有無を検知する人検知手段を備えた空気調和機であって、
前記空気調和機本体は、運転の停止中に所定時間、人を検知しなかった場合に前記本体側受信手段への通電を遮断する一方、遮断した後に人を検知した際には前記本体側受信手段への通電を再開することを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記空気調和機本体は、前記リモコンに対し運転情報を送信する本体側送信手段を備え、前記リモコンは、前記空気調和機本体から送信された運転情報を受信するリモコン側受信手段と、受信した運転情報を表示する表示手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】
前記リモコンは、前記リモコン側送信手段から操作信号を送信した際に、前記リモコン側受信手段を受信待ち状態とするとともに、同受信待ち状態を所定時間で解除する受信限定手段と、前記空気調和機本体へ運転情報を要求する要求信号を送信した際に、前記リモコン側受信手段を受信待ち状態とするとともに、前記受信待ち状態を一定時間で解除する運転情報待ち受け手段を有することを特徴とする請求項2記載の空気調和機。
【請求項4】
前記リモコンは、前記本体側受信手段への通電を遮断するまでの残時間情報を前記空気調和機本体から受信した際、前記表示手段に前記残時間情報を表示することを特徴とする請求項2または3に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記リモコンは、前記本体側受信手段への通電を遮断するまでの残時間情報を受信した後、前記残時間をカウントするカウント手段を備え、前記残時間が経過した後に、前記リモコンから前記空気調和機本体へ運転情報を要求する要求信号を送信するとともに前記リモコン側受信手段を受信待ち状態とし、前記運転情報を受信しなかった場合には前記表示手段に前記本体側受信手段の通電遮断状態を表示することを特徴とする請求項2ないし4に記載の空気調和機。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−24463(P2013−24463A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158714(P2011−158714)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】