説明

空気調和機

【課題】データ送受信ケーブルを1本で行うマイコン間通信の耐ノイズ性能を向上することができる空気調和機を提供することを目的とする。
【解決手段】室内の空気を排気・給気する空気調和機において、制御回路部9に制御手段としてマイコンa17と、前記制御回路から有線によって離れた場所で操作する前記操作部10に操作を判定する判定手段としてマイコンb18を設け、マイコンa17とマイコンb18でデータを送受信する構成において、マイコンa17とマイコンb18の送受信状態が常に対象の状態にあることで、マイコンa・マイコンb間の送受信用ケーブル1本でデータ送受信する構成において、マイコンa・マイコンbの送受信状態切り換え時にある一定時間経過後、送受信状態を切り替える構造を設け、操作部から操作を受けていない状態でも常にデータの送受信を繰り返すことで、正常にデータの送受信を行うことを特徴とする空気調和機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の排気と給気を行うために、有線のリモコンを介して制御部と通信する住宅用する空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の空気調和機には図6に示すようにデータを送受信するためにマイコンA101と、マイコンB102と、マイコンA101・マイコンB102間を連結させるために、連結コネクタA103・連結コネクタB104を介して電源ケーブル105とGNDケーブル106と送受信ケーブル107の3本のケーブルで構成されている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2−25656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような従来の方法では、送受信ケーブルが長くなるとデータの遅れにより、正常にデータの送受信が行えないという課題があった。
【0005】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、各マイコンの送受信状態切り換え時にある一定時間経過後、送受信状態を切り替える構造を設け、操作部から操作を受けていない状態でも常にデータの送受信を繰り返すことで、正常にデータの送受信を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明の空気調和機は、室内の汚れた空気を排気する排気口と、給気フィルタを通して室外の空気を給気する給気口と、排気と給気の風路には排気と給気の熱量を交換する熱交換素子と、両軸に排気用の羽根と給気用の羽根をそれぞれ備えて排気と給気を同時に行う1つのDCモータと、前記DCモータを制御する制御回路部に制御手段としてマイコンaと、前記制御回路から有線によって離れた場所で操作する操作部と、前記操作部に操作を判定する判定手段としてマイコンbを設け、マイコンaとマイコンbでデータを送受信する構成において、マイコンaとマイコンbはリセット解除後、マイコンaは受信状態、マイコンbは送信状態になり、マイコンaは受信状態でマイコンbからデータを受けると送信状態に切り替り、マイコンbはマイコンaにデータを送信後に受信状態に切り替り、マイコンaからのデータを受信する状態になり、マイコンaとマイコンbの送受信状態が常の対象に関係状態にあることで、電源用データ線1本とグランド用データ線1本とマイコンa・マイコンb間の送受信用ケーブル1本で前記制御部と前記操作部のデータ送受信する構成において、マイコンa・マイコンbの送受信状態切り換え時にある一定時間経過後、送受信状態を切り替える構造を設け、操作部から操作を受けていない状態でも常にデータの送受信を繰り返すことで、送受信用ケーブルを長くしても正常にデータの送受信を行うことが可能であるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、室内の汚れた空気を排気する排気口と、給気フィルタを通して室外の空気を給気する給気口と、排気と給気の風路には排気と給気の熱量を交換する熱交換素子と、両軸に排気用の羽根と給気用の羽根をそれぞれ備えて排気と給気を同時に行う1つのDCモータと、前記DCモータを制御する制御回路部に制御手段としてマイコンaと、前記制御回路から有線によって離れた場所で操作する操作部と、前記操作部に操作を判定する判定手段としてマイコンbを設け、マイコンaとマイコンbでデータを送受信する構成において、マイコンaとマイコンbはリセット解除後、マイコンaは受信状態、マイコンbは送信状態になり、マイコンaは受信状態でマイコンbからデータを受けると送信状態に切り替り、マイコンbはマイコンaにデータを送信後に受信状態に切り替り、マイコンaからのデータを受信する状態になり、マイコンaとマイコンbの送受信状態が常の対象に関係状態にあることで、電源用データ線1本とグランド用データ線1本とマイコンa・マイコンb間の送受信用ケーブル1本で前記制御部と前記操作部のデータ送受信する構成において、マイコンa・マイコンbの送受信状態切り換え時にある一定時間経過後、送受信状態を切り替える構造を設け、操作部から操作を受けていない状態でも常にデータの送受信を繰り返すことで、送受信用ケーブルを長くしても正常にデータの送受信を行うことができる空気調和機が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1の空気調和機の取り付け状態図
【図2】制御回路部9と操作部10の回路構成図
【図3】マイコンa17、マイコンbのフローチャート
【図4】マイコンa17、マイコンbのタイムチャート
【図5】マイコンa17、マイコンbのタイムチャート
【図6】従来の空気調和機の図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の請求項1記載の空気調和機の発明は、室内の汚れた空気を排気する排気口と、給気フィルタを通して室外の空気を給気する給気口と、排気と給気の風路には排気と給気の熱量を交換する熱交換素子と、両軸に排気用の羽根と給気用の羽根をそれぞれ備えて排気と給気を同時に行う1つのDCモータと、前記DCモータを制御する制御回路部に制御手段としてマイコンaと、前記制御回路から有線によって離れた場所で操作する操作部と、前記操作部に操作を判定する判定手段としてマイコンbを設け、マイコンaとマイコンbでデータを送受信する構成において、マイコンaとマイコンbはリセット解除後、マイコンaは受信状態、マイコンbは送信状態になり、マイコンaは受信状態でマイコンbからデータを受けると送信状態に切り替り、マイコンbはマイコンaにデータを送信後に受信状態に切り替り、マイコンaからのデータを受信する状態になり、マイコンaとマイコンbの送受信状態が常の対象に関係状態にあることで、電源用データ線1本とグランド用データ線1本とマイコンa・マイコンb間の送受信用ケーブル1本で前記制御部と前記操作部のデータ送受信する構成において、マイコンa・マイコンbの送受信状態切り換え時にある一定時間経過後、送受信状態を切り替える構造を設け、操作部から操作を受けていない状態でも常にデータの送受信を繰り返すという構成を有する。
【0010】
これにより、送受信用ケーブルを長くしても正常にデータの送受信を行うという効果を奏する。
【0011】
また、請求項2記載の空気調和機の発明は、マイコンa・マイコンbは送信状態で受信データを受信しても、読み込み結果を無視するという構成を有する。
【0012】
これにより、ノイズの影響による誤データの入力を無効にできるという作用を有し、正常にデータの送受信を行うことができるという効果を奏する。
【0013】
また、請求項3記載の空気調和機の発明は、マイコンa・マイコンbは受信状態で、ある一定時間データを受信できない場合、送信状態になり再度データを出力するという動作を一定回数繰り返すという構成を有する。
【0014】
これにより、一定時間データを受信できない場合、送信状態になり再度データを出力することでノイズのよりデータが正常に読み取れなかった場合に再度通信するという作用を有し、正常にデータの送受信を行うことができるという効果を奏する。
【0015】
また、請求項4記載の空気調和機の発明は、前記操作部に通信エラーを表示するエラー表示手段を設け、通信が正常に行われていない場合に前記エラー表示手段に表示し、運転を停止するという構成を有する。
【0016】
これにより、通信が正常に行われていない場合に前記エラー表示手段に表示することでケーブルの断線や部品の故障が発生した状態を視覚的に確認できるという作用を有し、通信の状態を使用者に知らせることができるという効果を奏する。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1に示すように、本発明の空気調和機は、室内の天井裏に設置されており、本体1の下方にルーバー2で覆われた吸込口3を有し、また、本体1の一方の側面には、他の室内にダクトを介して接続された吸込口3および吸出口4を有し、他方の側面には、室外にダクトを介して接続された排気口5および給気口6が設けられている。
【0019】
本体1内部には、排気と給気の風路にあって排気と給気の熱量を交換する熱交換素子7と、熱交換素子7と給気口6の間には、室外の汚れた空気をきれいにしてから室内に給気するための給気フィルタ8を備えている。また、熱交換素子7と吸込口3および吸出口4の間には、両軸に排気用の羽根11と給気用の羽根12をそれぞれ備えて排気と給気を同時に行う1つのDCモータ13を備え、室内の空気は吸込口3から熱交換素子7を介して排気口5へ排気され、室外の空気は給気口6から給気フィルタ8および熱交換素子7を介して吸出口4から給気される。
【0020】
また、制御回路部9と制御回路部9よりケーブル16により接続される操作部10を設け、制御回路部9と操作部10はデータを送受信することでDCモータ13を制御する。操作部10には操作を選択する操作スイッチ14と故障時にエラーを表示するエラー表示部15を設けた構成となっている。
【0021】
図2は制御回路部9と操作部10の回路構成図である。制御回路部9にマイコンa17と操作部10にマイコンb18を設け、連結コネクタa19、連結コネクタb20に接続されるケーブル16により制御回路部9と操作部10は連結している構成である。
【0022】
マイコンb18がデータを出力すると、デジタルトランジスタc25がONすることで、抵抗a26にてプルアップしいて絶縁用フォトカプラa21がONし、抵抗b27よりプルアップされている5Vが抵抗e30を介してマイコンaにデータが入力される。
【0023】
マイコンaがデータを出力するとデジタルトランジスタa23がONすることで5Vが抵抗c28を介して絶縁用フォトカプラb22をONする。絶縁用フォトカプラb22がONすることでデジタルトランジスタb24がONし、抵抗d29によりプルアップされている5Vが抵抗f31を介してマイコンb18にデータを入力する。
【0024】
絶縁の構成が必要ない場合は絶縁用フォトカプラa21、絶縁用フォトカプラb22をデジタルトランジスタ、トランジスタとしてもよい。
【0025】
図3にマイコンa17、マイコンbのフローチャート図示す。電源投入後、マイコンa17は受信状態、マイコンb18は送信状態になる。操作スイッチ14により操作を選択すると、マイコンb18選択内容のデータを送信する。データ送信後、マイコンb18は受信状態に切り替わる。一方、マイコンa17は受信状態から前記マイコンb18の送信データを受信すると、送信状態に切り替わり、データを送信する。送信後、受信状態に切り替わる。マイコンb18は受信状態から前記マイコンa17の送信データを受信すると送信状態に切り替わりデータを送信する。マイコンa17とマイコンb18の送信・受信状態が常に対象になるように構成されている。
【0026】
また、マイコンa17・マイコンb18送信状態でデータを受信しても受信データを読み込まないことを特徴とする。上記図2の回路構成ではマイコンb18送信時、データを送信するとデジタルトランジスタc25がONすることで、デジタルトランジスタb24がONするためマイコンb18にデータが入力される。しかし、送信時は入力データを読み込まないことで、マイコンb18の誤動作を防ぐことができ、また、ノイズによってデータ誤入力などが原因の誤動作を防ぐことができる。
【0027】
また、マイコンa17・マイコンb18は受信状態から送信状態に、送信状態から受信状態に切り替わるとき、ある一定時間経過後、送受信状態を切り替える構造を設けたものである。図4に示すように、データ送信後、すぐに受信するのではなく、ある一定時間設け受信する。例えばここでは100ms後に状態を切り替える。状態を切り替えるまでにある一定時間経過後、送受信状態を切り替える構造を設けることで、マイコンa17・マイコンb18の内部処理時間のばらつきや、回路構成部品のばらつきなどにより、マイコンa17・マイコンb18の受信・送信状態がどちらも受信状態、またはどちらも送信状態になることを防ぐことができ、常に対象状態となる。
【0028】
また、マイコンa17・マイコンb18は操作部10にて操作の選択されていない時も常に、マイコンa17・マイコンb18間でデータの送受信を繰返していることを特徴とする。例えば、操作部10より操作を選択されると、マイコンb18はマイコンa17にデータを送信し、マイコンb18は受信状態になる。マイコンa17はマイコンb18のデータを受信すると送信状態に切り替わり、データを出力し受信状態に切り替わる。マイコンb18はマイコンa17のデータを受信すると送信状態に切り替わり、データを送信する。このように操作部10から一度操作を選択されると、次の操作が選択されるまで繰返すことを特徴とする。
【0029】
このように、マイコンa17・マイコンb18の送受信状態切り換え時にある一定時間経過後、送受信状態を切り替える構造を設け、操作部から操作を受けていない状態でも常にデータの送受信を繰り返すことで、ケーブル16を長くしても正常にデータの送受信を行うことが可能となる。
【0030】
また、常に送受信を繰返すことで、回路故障やケーブルの断線などの異常状態を迅速に判断することができる。
【0031】
(実施の形態2)
本実施の形態は前記実施の形態1と制御方法が同一であり、同一構成のものは同一番号を付して詳しい説明は省略する。
【0032】
マイコンa17・マイコンb18は送信状態からデータを送信して、受信状態になったとき、ある一定時間データを受信できないと送信状態に切り替わり、データを送信して再度受信状態になる。例えば、図5に示すように、データを送信して受信状態に切り替わっても、500msデータを受信しない場合は、再度送信状態に切り替わりデータを送信する。そして、送受信が正常に行えるまで繰り返す。上記のように正常に送受信を行えなかった場合に送受信を繰返すことで、回路故障やケーブルの断線などの異常状態を迅速に判断することができる。また、ノイズの影響でデータの送受信が正常に行えなかった場合に再度トライすることで、耐ノイズ性能を向上させることができる。
【0033】
また前記送受信のトライがある一定回数正常に送受信できなかった場合、例えばここでは一定回数を50サイクルと設定すると、マイコンb18からマイコンa17にデータを送信し、マイコンa17がマイコンb18からデータを受信することでマイコンa17が送信状態に切り替わり、マイコンb18にデータを送信する。そのデータをマイコンb18が受信するまでを1サイクルとすると、前記送受信を50サイクル繰り返し、1度も正常にデータを送受信できなかった場合はエラー表示部15に表示する。エラー表示部15に表示することで使用者が視覚的に回路故障やケーブルの断線などの異常状態を判断することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明にかかる空気調和機は、送受信ケーブル1本でマイコン間通信を行う場合に、耐ノイズ性能を向上させるものであり、一般住宅などに用いられる空気調和機に有用である。
【符号の説明】
【0035】
1 本体
2 ルーバー
3 吸込口
4 吸出口
5 排気口
6 給気口
7 熱交換素子
8 給気フィルタ
9 制御回路部
10 操作部
11 排気用の羽根
12 給気用の羽根
13 DCモータ
14 操作スイッチ
15 エラー表示部
16 ケーブル
17 マイコンa
18 マイコンb
19 連結コネクタa
20 連結コネクタb
21 絶縁用フォトカプラa
22 絶縁用フォトカプラb
23 デジタルトランジスタa
24 デジタルトランジスタb
25 デジタルトランジスタc
26 抵抗a
27 抵抗b
28 抵抗c
29 抵抗d
30 抵抗e
31 抵抗f

【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の汚れた空気を排気する排気口と、給気フィルタを通して室外の空気を給気する給気口と、排気と給気の風路には排気と給気の熱量を交換する熱交換素子と、両軸に排気用の羽根と給気用の羽根をそれぞれ備えて排気と給気を同時に行う1つのDCモータと、前記DCモータを制御する制御回路部に制御手段としてマイコンaと、前記制御回路から有線によって離れた場所で操作する操作部と、前記操作部に操作を判定する判定手段としてマイコンbを設け、マイコンaとマイコンbでデータを送受信する構成において、マイコンaとマイコンbはリセット解除後、マイコンaは受信状態、マイコンbは送信状態になり、マイコンaは受信状態でマイコンbからデータを受けると送信状態に切り替り、マイコンbはマイコンaにデータを送信後に受信状態に切り替り、マイコンaからのデータを受信する状態になり、マイコンaとマイコンbの送受信状態が常の対象に関係状態にあることで、電源用データ線1本とグランド用データ線1本とマイコンa・マイコンb間の送受信用ケーブル1本で前記制御部と前記操作部のデータ送受信する構成において、マイコンa・マイコンbの送受信状態切り換え時に、ある一定時間経過後、送受信状態を切り替える構造を設け、操作部から操作を受けていない状態でも常にデータの送受信を繰り返すことで、送受信用ケーブルを長くしても外部からの耐ノイズ性能を向上させることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
マイコンa・マイコンbは送信状態で受信データを受信しても、読み込み結果を無視することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
マイコンa・マイコンbは受信状態で、ある一定時間データを受信できない場合、送信状態に切り替わり再度データを送信するという動作を一定回数繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記操作部に通信エラーを表示するエラー表示手段を設け、通信が正常に行われていない場合に前記エラー表示手段に表示し、運転を停止することを特徴とした請求項1・請求項3に記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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