説明

空気調和機

【課題】電気料金の算出を正確に行い、電気料金の誤表示を防止することができる空気調和機を提供すること。
【解決手段】本発明は、日時を記憶するリモコン側記憶部25と、データを送受信するリモコン側送受信部20とを有するリモコン装置2と、リモコン装置2から送信されるデータを受信する室内側送受信部10を有する室内機1とを備え、所定時間周期毎にリモコン側送受信部20から日時のデータを送信することによって、自動的に日時情報を合わせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消費した電気料金をユーザーに知らせる機能を有する空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境の維持と改善のため家電商品の消費電力の低減が求められる様になり、ユーザーが空気調和機の消費電力量の目安として電気料金に関して、より詳細な情報を求める風潮が高まっている。
【0003】
また、近年高まりつつあるユニバーサルデザインにも配慮し、必要な情報がすぐに分かる表示形態が必要となっている。
【0004】
従来から空気調和機の分野においても、運転に係る電力に対応する電気料金を自動的に算出し、表示する空気調和機が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。特許文献1においては、昼間の単位電力料金と深夜の単位電力料金とを入力可能とされ、入力された単位電力料金を元に電気料金を算出し、一度に先月までの累計料金、今月切り累計料金、現在の料金を表示部に一度に表示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−355891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、日時データが正確である場合には有効であるものの、日時データが正確でない場合には、電気料金の算出ができず、実際に消費した電気料金と異なる電気料金を誤って表示してしまうという課題を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、電気料金の算出を正確に行い、電気料金の誤表示を防止することができる空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために本発明は、日時を記憶するリモコン側記憶部と、データを送受信するリモコン側送受信部とを有するリモコン装置と、リモコン装置から送信されるデータを受信する室内側送受信部を有する室内機本体とを備え、所定時間周期毎にリモコン側送受信部から日時のデータを送信することにより、室内機とリモコン装置のいずれかが日時情報を有していない場合であっても、自動的に日時情報を合わせることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、電気料金の算出を正確に行い、電気料金の誤表示を防止することができる空気調和機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1における空気調和機のブロック図
【図2】同実施の形態1における時間帯別単価設定の表示部の遷移図
【図3】同実施の形態1における時間帯別単価設定の表示部の遷移図
【図4】同実施の形態1における時間帯別単価設定に掛かるフローチャート
【図5】同実施の形態1における電気料金表示に掛かるフローチャート
【図6】同実施の形態1における電気料金表示に掛かる表示部の模式図
【図7】同実施の形態1における表示部の模式図
【図8】同実施の形態1における表示部への表示内容図
【図9】他の実施の形態における電気料金単価設定に掛かる表示部の模式図
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の発明は、日時を記憶するリモコン側記憶部と、データを送受信するリモコン側送受信部とを有するリモコン装置と、リモコン装置から送信されるデータを受信する室内側送受信部を有する室内機本体とを備え、所定時間周期毎にリモコン側送受信部から日時のデータを送信することにより、室内機とリモコン装置のいずれかが日時情報を有していない場合であっても、自動的に日時情報を合わせることができる。
【0012】
第2の発明は、特に第1の発明において、リモコン装置に、時間帯に応じた単位電力量当たりの電気料金単価を設定する電気料金単価設定部をさらに備え、設定した電気料金単価をリモコン側送受信部から送信し、室内機本体にて電気料金単価に基づいて空気調和機の運転に係る電気料金を計算し、リモコン装置からの要求に基づいて電気料金を室内側送受信部から送信し、リモコン装置に設けた表示部に表示することにより、ユーザーが時間帯別で電気料金の単価が異なる電力契約をしている場合には、正確な電気料金を表示することができる。
【0013】
第3の発明は、特に第2の発明において、電気料金単価は、予め設けられている項目に基づいて設定可能に構成されていることにより、例えば、予め「朝夜単価(7時〜10時、17時〜23時)」「昼単価(10時〜17時)」「深夜単価(23時〜翌7時)」の項目を用意しておくことで、ユーザーが時間帯を個別に指定しなくても簡単に電気料金単価を設定することができる。
【0014】
第4の発明は、特に第3の発明において、予め設けられている項目を、電力会社によって定められた電気料金体系にしておくことで、ユーザーが電気料金単価を個別に設定することはなく、契約している電力会社が提供している電気プランを選択するだけで自動的に電気料金単価を設定することができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における空気調和機の室内機およびリモコン装置を示すブロック図である。なお、本実施の形態における空気調和機は、室内に設置される室内機1と、室外に設置される室外機(図示せず)とを冷媒配管によって接続して構成される。
【0017】
まず、室内機1は、リモコン装置2からのデータを受信、またリモコン装置2へのデータを送信する室内側送受信部10と、日時データを保存し計時する本体計時部11と、空気調和機の消費電力を計測する電力計測部13と、室内機1を制御する制御部12と、電気料金単価や設定等を記憶する記憶部14を備える。
【0018】
次に、リモコン装置2は、室内機1へデータを送信、また室内機1からのデータを受信するリモコン側送受信部20と、各種運転情報を表示する表示手段である表示部21と、時間帯毎の電気料金単価を表示する電気料金単価設定部22と、表示部21へ電気料金の表示を指示するための電気料金表示指示手段である電気料金表示指示部23と、設定や運
転指示を行う操作部24を備える。
【0019】
なお、室内機1およびリモコン装置2の構成は、図1に記載の構成部のみに限定されるものではない。また、電気料金単価設定部22や電気料金表示指示部23は操作部24の一部である。
【0020】
まず、ユーザーは、リモコン装置2へ電池を入れた後、初期設定を行う。このとき、ユーザーが設定する情報は、日付情報(年・月・日)、時刻情報である。日付情報および時刻情報は操作部24を操作することによって設定され、情報の記憶領域を有するメモリ等で構成されたリモコン側記憶部25に日付情報および時刻情報が記憶され、表示部21には日付情報および時刻情報が表示される。
【0021】
そして、ユーザーがリモコン装置2の日時情報を設定した後に、日付情報および時刻情報を有する日時情報を室内機1へ送信する。一方、室内機1では日時情報を室内側送受信部10で受信し、本体計時部11に記憶する。これによって、リモコン装置2と室内機1との時刻情報の設定が完了する。なお、日時情報は記憶部14で記憶するようにしても何ら問題はない。
【0022】
次に、時間帯別電気料金単価の設定について説明する。近年は、時間帯によって電気料金の単価が異なる電気料金体系もある。そのため、本実施の形態における空気調和機に置いては、時間帯によって電気料金の単価が異なる電気料金体系にも可能な限り対応できるように、本実施の形態では電気料金単価を設定できるようにしている。
【0023】
まず、ユーザーはリモコン装置2の操作部24を操作することによって、時間帯別単価設定を行うことができるように表示部21を設定画面にする。例えば、図2のステップ21に示すように、表示部21に「時間帯別単価設定」という表示を行わせる。なお、表示はこれに限定されることはなく、例えば「オール電化設定」のような表示であっても問題は無い。
【0024】
次に、ステップ22では、時間帯別単価設定を行うかどうかを決定する。時間帯別単価設定を行わない場合には「なし」を選択し、時間帯別単価設定を行う場合には「あり」を選択する。
【0025】
まず、時間帯別の電気料金単価設定を「なし」と選択した場合の説明を行う。図2は時間帯別の電気料金単価設定が「なし」の場合の設定方法について説明した図である。
【0026】
ステップ22で「なし」を選択すると、ステップ23では時間に関わらない1kwh毎の単価設定を行う。1kwh毎の電気料金の単価は、1円から50円まで選択可能となっており、ステップ24では、ユーザーが契約している電力会社の電気料金体系を元に、ユーザー自身が電気料金の単価を設定することができる。
【0027】
この場合、ユーザー自身が大よその平均的な電気料金単価を入力する必要があるが、例えば、少し高めに設定しておくことで実際に空気調和機を運転した際には少し高めの電気料金表示がされるために、ユーザー自身の省エネ意識を啓蒙させることができ、ユーザー自身に電力使用を控えさせることができる。
【0028】
なお、ステップ24では、1kwh毎の電気料金の単価を順送りで選択することができ、上限金額すなわち50円に到達すると、下限金額すなわち1円に戻って選択可能となっている。また、本実施の形態では1円から50円の間で設定可能としたが、これに限定されるものではない。
【0029】
また、ユーザーによっては電気料金単価設定を設定するのが煩わしく感じる場合もあるので、予め電気料金単価設定の初期値(例えば、22円)を設定しておくことで、初期値に基づいた電気料金の表示を行うことができる。なお、この初期値はメーカーにおいて予め設定しておくものであるが、22円に限定されるものではなく、例えば、電力会社毎の平均的な単価や一番契約者の多い単価を入力しておくことが考えられる。
【0030】
次に、時間帯別の電気料金単価設定を「あり」と選択した場合の説明を行う。図3は時間帯別の電気料金単価設定が「ある」場合の設定方法について説明した図である。本実施の形態では、「朝夜単価」「昼単価」「深夜単価」の3種類の設定ができるようにしている。
【0031】
まず、図2のステップ22で「あり」を選択すると、ステップ33で「朝夜単価」を設定するようにし、ステップ34にて1円から50円の幅で選択可能に構成している。「朝夜単価」を設定すると、続けてステップ35からステップ38で「昼単価」「深夜単価」を設定することができる。いずれも1円から50円の幅で選択可能となっている。
【0032】
また、本実施の形態では「朝夜単価」の設定時にまず表示される初期単価は「22円」となっており、この単価からユーザーが上下させることによって最終の単価を設定する。また「昼単価」の初期単価は「33円」、「深夜単価」の初期単価は「9円」としており、設定時には、これらの初期単価がまず表示される。
【0033】
一般的に電力会社によって電気料金体系は異なっているため、それぞれの時間帯による単価も電力会社毎に異なるが、初期単価には各電力会社の単価の平均値や、それに近しい単価を時間帯別毎に予め設定しておき、「朝夜単価(7時〜10時、17時〜23時)」「昼単価(10時〜17時)」「深夜単価(23時〜翌7時)」の複数の時間帯の単価の設定時に、まず予め設定されている初期単価を表示させることによって、ユーザーは初期単価から上下に単価を設定するだけなので楽に設定することができる。
【0034】
なお、本実施の形態では「朝夜単価」「昼単価」「深夜単価」の3種類から選択可能に構成したが、これに限定されることはなく、例えば、「朝単価」「昼単価」「夜単価」「深夜単価」の4種類としてもよいし、その他のような場合分けでもよい。
【0035】
以上のように構成することによって、ユーザーの電力会社との契約に基づいた電気料金単価を時間帯別で設定することができ、より正確な電気料金を得ることができる。
【0036】
以下、電気料金単価設定についてフローチャートを用いて説明する。図4は、電気料金単価設定に掛かるフローチャートである。
【0037】
まず、ステップ41において操作部24を操作することによって、時間帯別単価設定が設定可能な状態にする。そして、ステップ42において、時間帯別単価設定が「あり」または「なし」を選択する。
【0038】
ステップ43において、時間帯別単価設定に「あり」が選択された場合はステップ44へ進み、時間帯別単価設定に「なし」が選択された場合はステップ44−5へ進む。ステップ44では、リモコン装置2に時刻情報が設定されているかどうかを確認し、時刻情報が設定されている場合はステップ44−1へ進み、時刻情報が設定されていない場合はステップ44−4へ進む。
【0039】
ステップ44−1において、時間帯別単価設定「あり」という情報と、時刻情報とを室
内機1へ送信し、室内機1の設定をリモコン装置2と合わせる。これによって、時間帯別単価設定の内容と時刻情報とが室内機1に設定される。
【0040】
ステップ44−2において、時間帯ごとの電気料金の単価を設定し、ステップ44−3において室内機1へ時間帯ごとの電気料金の単価を送信する。これによって、時間帯ごとの電気料金の単価が室内機1に設定される。そしてステップ45で設定完了となる。
【0041】
また、ステップ44−4へ進んだ場合は、リモコン装置2には日時設定がされていないので、日時設定をするように警告する。例えば、日時設定をするように啓蒙するメッセージを表示したり、日時部分を点滅させたりしてユーザーに警告することが考えられる。
【0042】
また、ステップ44−5へ進んだ場合は、時間帯別単価設定「なし」という情報を室内機1へ送信し、室内機1に設定され、ステップ44−6へ進む。
【0043】
ステップ44−6では時間帯によらない電気料金の単価を設定し、ステップ44−7において室内機1へ電気料金の単価を送信する。これによって、時間帯によらない電気料金の単価が室内機1に設定される。
【0044】
次に、電気料金表示について説明する。図5は、電気料金表示に掛かるフローチャート、図6は、電気料金表示に掛かる表示部の模式図である。なお、本実施の形態の電気料金は複数の表示形態を有しており、本実施の形態では運転中の電気料金、前回運転時の電気料金、今月の電気料金、前月の電気料金を有するが、これに限定されるものではない。
【0045】
まず、運転中もしくは運転停止中にリモコンの通常表示画面(図6の状態1)においてリモコン装置2に設けた操作部24の一部を構成する電気料金表示指示部23である電気代スイッチ(以下、電気代SW)を押下する(ステップ51)。
【0046】
そして電気代SWを押下すると、ステップ52において表示部21に複数の表示形態の一つである第一の表示形態(例えば、「電気代」)を表示する(図6の状態2)。これは運転中であれば現在の運転に掛かる電気料金を意味し、運転停止中であれば前回の運転に掛かる電気料金を意味する。
【0047】
そしてステップ52−1において、電気代SWの押下状態が解除されたかどうかを判断する。電気代SWの押下状態が解除された場合にはステップ52−2へ進み、解除されていない場合、すなわちユーザーが電気代SWを長押ししていると判断された場合はステップ53へ進む。
【0048】
ステップ52−2では、再度、電気代SWが押下されたかどうかを判断している。これは電気代SWを長押しして選択する場合と、電気代SWを複数回押して選択する場合とがあるため、いずれの作法であっても所望の電気代を表示できるように構成している。ステップ52−2で、電気代SWが押下された場合には、ステップ53へ進み、電気代SWが押下されていない場合はステップ52−3へ進む。
【0049】
ステップ52−3では、電気代SWの押下状態が解除された状態を所定の確定時間(例えば、1秒)継続されたかどうかを判断する。ステップ52−3において所定の確定時間継続されていないと判断された場合は、ステップ52−2へ戻り、所定の確定時間継続された場合は、ステップ52−4へ進む。このように、ユーザーが何を表示させようかと考えながら電気代SWを押下している場合であっても、所定の確定時間を設けることである程度余裕を設けることができ、ユーザーが望んでいない電気料金の確定を防止することができる。
【0050】
ステップ52−4では、第一の表示形態の選択を確定し、ステップ52−5へ進む。第一の表示形態の選択を確定すると、リモコン装置2から室内機1へ第一の表示形態が選択されたという情報を送信し、室内機1の制御部12において、電力計測部13で計測した消費電力と、記憶部に記憶されている電気料金の単価と、本体計時部11で計測している時間とから電気料金を算出し、室内機1からリモコン装置2へ電気料金の情報を送信する。
【0051】
このとき時間帯別単価設定がされている場合は、時間帯ごとの消費電力と、時間帯ごとの電気料金の単価と、時間帯ごとの運転時間から電気料金が算出され、時間帯別単価設定がされていない場合は、設定している電気料金の単価と、消費電力と、運転時間から電気料金が算出される。
【0052】
ステップ52−5では、第一の表示形態の名称(ここでは「電気代」)を表示させ、所定の名称表示時間(例えば、2秒)を表示し、ステップ52−6へ進む。ステップ52−6では、第一の表示形態に該当する電気料金(例えば、35円)を所定の金額表示時間(例えば、2秒)を表示し、ステップ52−7へ進む。
【0053】
ステップ52−7では所定の表示経過時間(例えば、12秒)が経過したかどうかを判断し、経過していない場合は、ステップ52−5へ戻り、経過した場合はステップ55へ進み、電気料金の表示を終了する(図6の状態1)。
【0054】
このように、所定の表示経過時間の間は、第一の表示形態の名称と、第一の表示形態の名称に該当する電気料金とを交互に表示させる(図6の状態5)ことで、よりユーザーの理解を深めることができる。なお、上述の確定時間、名称表示時間、金額表示時間、表示経過時間の値は、本実施の形態に限定されるものではない。
【0055】
次に、ステップ53へ進むと、複数の表示形態の一つである第二の表示形態(例えば、「今月電気代」)を表示部21に表示させる(図6の状態3)。ステップ53−1〜ステップ53−7は、ステップ52−1〜ステップ52−7と同様の動きをする。なお、今月電気代とは、月の初めから現在までの積算消費電力に掛かる電気料金である。
【0056】
次に、ステップ54へ進むと、複数の表示形態の一つである第三の表示形態(例えば、「前月電気代」)を表示部21に表示させる(図6の状態4)。ステップ551〜ステップ54−7は、ステップ52−1〜ステップ52−7と同様の動きをする。なお、前月電気代とは、前月の1日〜最終日までの積算消費電力に掛かる電気料金である。
【0057】
そして、ステップ551から続けて電気代SWの押下状態を継続させた場合、もしくはステップ552で電気代SWを再度押下した場合は、表示部21に表示されている電気料金の表示形態は、最初の第一の表示形態に戻り、以降、順番に表示される。
【0058】
このように、ユーザーが電気料金を表示させる時は、表示部21へ表示させたい電気料金の表示形態の名称を選択し、その後、確定することによって、選択した表示形態に該当する電気料金を表示部21へ表示させることができる。
【0059】
また、本実施の形態では、第一の表示形態(「電気代」)を選択した場合において、運転中に選択した場合は、その運転中の電気料金とし、運転停止時に選択した場合は、前回運転時の電気料金としたが、例えば、図7に示すように、運転時に第一の表示形態を選択した場合には状態Aのように第一の表示形態a(例えば、「現在電気代」)を表示し、運転停止時第一の表示形態を選択した場合には状態Bのように第一の表示形態b(例えば、
「前回電気代」)を表示することも考えられる。
【0060】
すなわち、空気調和機の運転状態に応じて表示形態の名称を変更することで、ユーザーの理解をより深めることができる。
【0061】
なお、本実施の形態では、現在もしくは前回の電気代、今月電気代、前月電気代の順に表示するようにしたが、もちろんその順番は入れ替え可能であり、また表示する項目はこれに限定されるものではなく、例えば、CO2排出量のような項目をいれることも可能である。この場合、消費電力ごとの標準的なCO2排出量に基づいて、CO2排出量を算出することは可能である。
【0062】
次に、室内機1の設定とリモコン装置2の設定が異なる場合の表示について説明する。上述したように、室内機1とリモコン装置2の日時情報を設定しているが、何らかの理由で室内機1とリモコン装置2の日時情報が設定されていない場合がある。このような状態で電気代SWを押下した場合、正しい料金が表示されない可能性がある。
【0063】
そこで本実施の形態では、リモコン装置2から室内機1へ電気料金表示のリクエストを送信した後、室内機1とリモコン装置2とで設定が同じかどうかを確認し、設定が同じ場合のみリモコン装置2の表示部21に電気料金を表示している。図8はそれぞれの設定内容ごとの表示内容についてまとめた図である。
【0064】
まず、今回の電気料金または前回の電気料金の場合、室内機1とリモコン装置2の時刻情報が「あり」で、かつ、時間帯別単価設定の内容が同一である場合は、通常通りの料金表示が可能である。
【0065】
さらに、今回の電気料金または前回の電気料金の場合、日時によらず一回の運転に掛かる消費電力のため日時情報が不要であり、室内機1において運転開始からの経過時間を計測している。
【0066】
そのため、室内機1とリモコン装置2の時刻情報が相違している場合であっても、電気代SWを押下することによって、室内機1およびリモコン装置2の時間帯別単価設定がともに「なし」の場合のみ電気料金を表示するようにしている。これによって、ユーザーの使用性を向上させている。
【0067】
一方、今月または前月の電気料金の場合は、日時情報が必須である。そのため、室内機1およびリモコン装置2の設定が同じ場合のみ、電気料金を表示するようにし、それ以外は電気料金を表示していない。このようにすることによって、ユーザーに誤解を与えないようにすることができる。
【0068】
なお、室内機1で電気料金を算出しているため、室内機1に日時情報がある場合は、電気料金の算出が可能である。しかしながら、リモコン装置2に日時情報が設定されていないのに、リモコン装置2に電気料金を表示させてしまうと、ユーザーを困惑させてしまう可能性がある。そのため、本実施の形態では、室内機1とリモコン装置2の設定が同じ時と、時間帯別単価設定がともに「なし」で今回または前回の電気料金表示の時に限り、リモコン装置2に電気料金を表示させるようにして、ユーザーの使用性を向上させている。
【0069】
次に、日時情報が室内機1のみに保存されている時、もしくはリモコン装置2のみに保存されている時の動作について説明する。
【0070】
まず、リモコン装置2のみが日時情報を有しており、室内機1は日時情報を有していな
い場合は、リモコン装置2から所定時間周期毎(例えば、2時間毎)に日時情報を自動的にリモコン側送受信部20から室内側送受信部10へ送信する。
【0071】
そして、室内機1で日時情報を受信した場合は、受信した日時を設定し、リモコン装置2側へ日時情報を受信した旨の信号を送る。リモコン装置2は室内機1が日時情報を受信したことを確認する信号を受信すると、それ以降はリモコン装置2から室内機1へ自動的に日時情報の信号を送信するのを停止する。
【0072】
また、室内機1のみが日時情報を有しており、リモコン装置2は日時情報を有していない場合は、室内機1から所定時間周期毎(例えば、2時間毎)に日時情報を自動的に室内側送受信部10からリモコン側送受信部20へ送信する。
【0073】
そして、リモコン装置2で日時情報を受信した場合は、受信した日時を設定し、室内機1側へ日時情報を受信した旨の信号を送る。室内機1はリモコン装置2が日時情報を受信したことを確認する信号を受信すると、それ以降は室内機1からリモコン装置2へ自動的に日時情報の信号を送信するのを停止する。
【0074】
このように構成することによって、室内機1とリモコン装置2のいずれかに日時情報を有していない場合であっても、自動的に日時情報を合わせることができるので、正確な金額表示を行うことができるようになる。なお、所定時間周期とは上述した2時間に限定されるものではなく、適宜変更することは可能である。
【0075】
また、本実施の形態では、「朝夜単価(7時〜10時、17時〜23時)」「昼単価(10時〜17時)」「深夜単価(23時〜翌7時)」の電気料金の単価を設定可能に構成しているが、このような構成では予め設定されている時間帯のみしか設定できない。
【0076】
そこで、他の実施の形態として、複数の予め設定されている時間帯の電気料金の単価を設定する以外に、ユーザーの好みの時間帯に区切って電気料金の単価を設定できるように構成してもよい。この場合、ユーザーはリモコン装置2で時間帯の始まりと終わりとを設定し、その時間帯に適用される電気料金の単価を設定することでより自由度の高い電気料金の単価の設定ができる。
【0077】
また、他の実施の形態として、電力会社の料金体系を設定できるように構成されていても良く、その場合は予めリモコン装置2に電力会社の料金体系が記憶された記憶領域を設けておく。例えば、リモコン装置2に「○○電力○○プラン」「○○電力△△プラン」「△△電力△△プラン」「××電力××プラン」等を設けておき、ユーザーは自身が契約している電力会社のプランを選択するだけで、電気料金の単価設定が可能となる。
【0078】
図9は、電力会社毎の料金体系を選択するモードを模式的に示した図である。図9に示すように、まず操作部24を操作することによって電力会社の選択モードとする。図9に示すように、まずユーザーが契約している電力会社を選択し、その後、選択した電力会社が提供している料金体系の名称を選択するようにする。
【0079】
このように設定可能に構成することによって、さらに正確な電気料金の表示を行うことができる。
【0080】
以上のように、本実施の形態の発明は、様々な形態で電気料金が提示可能に構成されているとともに、簡単な方法で複数の電気料金から一つを選択することができるため、非常に使用性の高いリモコン装置を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
以上のように本発明は、空気調和機を操作するリモコン装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 室内機
2 リモコン装置
10 室内側送受信部
11 本体計時部
12 制御部
13 電力計測部
14 記憶部
20 リモコン側送受信部
21 表示部
22 電気料金単価設定部
23 電気料金表示指示部
24 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
日時を記憶するリモコン側記憶部と、データを送受信するリモコン側送受信部とを有するリモコン装置と、前記リモコン装置から送信されるデータを受信する室内側送受信部を有する室内機本体とを備え、所定時間周期毎に前記リモコン側送受信部から前記日時のデータを送信することを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記リモコン装置に、時間帯に応じた単位電力量当たりの電気料金単価を設定する電気料金単価設定部をさらに備え、設定した電気料金単価を前記リモコン側送受信部から送信し、前記室内機本体にて前記電気料金単価に基づいて空気調和機の運転に係る電気料金を計算し、前記リモコン装置からの要求に基づいて前記電気料金を前記室内側送受信部から送信し、前記リモコン装置に設けた表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記電気料金単価は、予め設けられている項目に基づいて設定可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記予め設けられている項目は、電力会社によって定められた電気料金体系であることを特徴とする請求項3に記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−64565(P2013−64565A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204085(P2011−204085)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】