空気調和装置の室外機
【課題】加湿機能を有する室外機のダウンサイジングを図りながら、室外機の熱交換の性能の低下を防止する。
【解決手段】加湿ユニット60は、外気から吸湿するため送風機室41に配置されている吸湿部61と、放湿して空気を加湿するための放湿部62とを有している。また、加湿ユニット60は、放湿部62で加湿された空気を室内機20に送るためのターボファン75を有している。このターボファン75は、機械室42に配置されている。
【解決手段】加湿ユニット60は、外気から吸湿するため送風機室41に配置されている吸湿部61と、放湿して空気を加湿するための放湿部62とを有している。また、加湿ユニット60は、放湿部62で加湿された空気を室内機20に送るためのターボファン75を有している。このターボファン75は、機械室42に配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿ユニットを有する空気調和装置の室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
加湿機能を有する従来の空気調和装置の中には、空気調和装置の室外機と加湿ユニット(又は加湿装置)とが一体化されたタイプのものがある。このような空気調和装置は、例えば、特許文献1(特開2004−353898号公報)や特許文献2(特開2008−241212号公報)に記載されているように、仕切板によって室外機が上下に仕切られている。そして、これら特許文献1や特許文献2に記載されている室外機においては、加湿ユニットが仕切板の上方に設置され、熱交換器や熱交換器に送風するファンが仕切板の下方に配置されている。
【0003】
このような加湿機能を有する室外機のダウンサイジングを図るため、特許文献1や特許文献2に記載の空気調和装置では、加湿ユニットの加湿ロータ(吸着回転体やデシカントローター)が水平に設置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような構成でも室外機のダウンサイジングが十分ではなく、また室外機のコンパクト化のために加湿ユニットを小型化し、送風機室内に格納すると、加湿ユニットによって送風機室内の送風抵抗が大きくなり、熱交換の性能が低下する傾向がある。
【0005】
本発明の課題は、加湿機能を有する室外機のダウンサイジングを図りながら、室外機の熱交換の性能の低下を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る空気調和装置の室外機は、空気調和を行うために室内機に接続される空気調和装置の室外機であって、機械室及び外気が通過する送風機室を有するケーシングと、送風機室に設置され、外気との間で熱交換を行う室外熱交換器と、送風機室に配置され、室外熱交換器に外気を送風する室外ファンと、外気から吸湿するため前記送風機室に配置されている吸湿部、放湿して空気を加湿するための放湿部、及び前記機械室に配置されて前記放湿部で加湿された空気を前記室内機に送るための加湿ファンを有する加湿ユニットとを備える。
【0007】
第1観点に係る室外機によれば、加湿ファンが機械室にあることで、加湿ファンが室外熱交換器への送風の妨げになることを防止することができる。一方、加湿ファンが機械室内に配置されるため、外観に拘らずに機械室内の他の部品との位置関係を決定できてコンパクト化し易くなる。
【0008】
本発明の第2観点に係る空気調和装置の室外機は、第1観点に係る室外機において、送風機室と機械室とを仕切る仕切部材をさらに備える。
【0009】
第2観点の室外機によれば、室外ファンによる室外熱交換器への送風が仕切部材によって加湿ファンに当たることがないため、送風が加湿ファンにより妨げられることを確実に防止できる。
【0010】
本発明の第3観点に係る空気調和装置の室外機は、第2観点の室外機において、加湿ユニットは、放湿部から加湿ファンに空気を導くための加湿用ダクトをさらに有し、加湿用ダクトが仕切部材を横切って設置されている。
【0011】
第3観点の室外機によれば、仕切部材よりも機械室側に在る加湿用ダクトの一部も送風の妨げにならなくなる。
【0012】
本発明の第4観点に係る空気調和装置の室外機は、第1観点又は第2観点の室外機において、加湿ユニットは、加湿部の少なくとも一部を機械室に配置しているものである。
【0013】
第4観点の室外機によれば、仕切部材よりも機械室側に在る加湿部の少なくとも一部及び加湿用ダクトも送風の妨げにならなくなる。
【0014】
本発明の第5観点に係る空気調和装置の室外機は、第1観点から第4観点のいずれかの室外機において、加湿ファンは、遠心送風機であり、遠心送風機の回転軸の延びる方向を前後に向けて設置されている。
【0015】
第5観点の室外機によれば、遠心送風機が回転軸の延びる方向よりもそれに垂直な方向の方が大きいため、加湿ファンを設置するための前後方向の寸法が小さくてすみ、室外機の前後方向の寸法を小さくできる。
【0016】
本発明の第6観点に係る空気調和装置の室外機は、第1観点から第4観点のいずれかの室外機において、加湿ファンは、遠心送風機であり、遠心送風機の回転軸の延びる方向をケーシングの長手方向に向けて設置されている。
【0017】
第6観点の室外機によれば、遠心送風機が回転軸の延びる方向よりもそれに垂直な方向の方が大きいため、加湿ファンを設置するための長手方向の寸法が小さくてすみ、室外機の長手方向の寸法を小さくできる。
【0018】
本発明の第7観点に係る空気調和装置の室外機は、第1観点から第6観点のいずれかの室外機において、加湿ユニットは、吸湿部及び放湿部を構成するため送風機室に略水平に配置されている円盤状の加湿ロータをさらに有する。
【0019】
第7観点の室外機によれば、円盤状の加湿ロータを略水平に配置することで、加湿ユニットが室外熱交換器の前にあっても送風抵抗の増加を抑制できる。一方、加湿ロータが円盤状で平らであるため、室外機の高さ方向の寸法を小さく設定し易くなる。
【0020】
本発明の第8観点に係る空気調和装置の室外機は、第1観点から第7観点のいずれかの室外機において、加湿ユニットは、放湿部と加湿ファンとの間に配置され、放湿部から加湿ファンに送られる空気の逆流を妨げるダンパ又は逆止弁をさらに有する。
【0021】
第8観点の室外機によれば、ダンパ又は逆止弁のような小さな部品で、簡単に加湿ファンから室内機への空気の逆流を防止できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の第1観点に係る空気調和装置の室外機では、室外機のダウンサイジングを図りながら、室外機の熱交換の性能の低下を防止することができる。
【0023】
本発明の第2観点に係る空気調和装置の室外機では、送風が加湿ファンに当たるのを仕切部材によって防ぐことができ、熱交換の性能低下の防止効果を十分に引き出すことができる。
【0024】
本発明の第3観点に係る空気調和装置の室外機では、加湿用ダクトで発生する送風抵抗を減らし、熱交換の性能低下の防止効果を十分に引き出すことができる。
【0025】
本発明の第4観点に係る空気調和装置の室外機では、放湿部及び加湿用ダクトで発生する送風抵抗を減らし、熱交換の性能低下の防止効果を十分に引き出すことができる。
【0026】
本発明の第5観点に係る空気調和装置の室外機では、室外機の前後方向の寸法を小さくするダウンサイジングが容易になる。
【0027】
本発明の第6観点に係る空気調和装置の室外機では、室外機の長手方向の寸法を小さくするダウンサイジングが容易になる。
【0028】
本発明の第7観点に係る空気調和装置の室外機では、室外機の高さ方向の寸法を抑えて室外機のダウンサイズを図りながら、加湿ユニットの送風抵抗の増加を防いで熱交換能力の低下を抑制できる。
【0029】
本発明の第8観点に係る空気調和装置の室外機では、加湿経路少しでも機械室内に入れて逆流を防止することで、室外熱交換器を通った冷たい外気が加湿経路に当たって熱ロスが増加するのを防ぐ効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】一実施形態に係る空気調和装置の構成の概要を示す概念図。
【図2】空気調和装置の室外機の概要を示す回路図。
【図3】グリルや室外熱交換器が取り外された状態の室外機の外観を示す斜視図。
【図4】天板が取外された状態の室外機の上面図。
【図5】前板、天板及び左側板などが取り外されている状態の室外機の外観を示す斜視図。
【図6】図1のI−I線断面図。
【図7】前方右斜め上から見た加湿ユニットの斜視図。
【図8】後方右斜め上から見た加湿ユニットの斜視図。
【図9】加湿ユニット周辺の外気の流れを説明するための室外機の部分拡大断面図。
【図10】加湿ロータとヒータを示す分解斜視図。
【図11】加湿ユニットのヒータ周辺の部材の底面図。
【図12】室外機の加湿ユニット周辺の部分拡大断面図。
【図13】一実施形態の変形例による空気調和装置の室外機の概要を示す回路図。
【図14】天板が取外された状態の図13の変形例に係る室外機の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明にかかる空気調和装置の室外機の実施形態は、以下に説明する実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0032】
<一実施形態>
(1)空気調和装置の構成の概要
本発明の一実施形態に係る空気調和装置10は、図1に示されているように、室内機20と室外機30とが連絡配管12によって接続されて構成されている。この空気調和装置10は、冷房運転、暖房運転、除湿運転、加湿運転、給気運転及び排気運転などの複数の運転モードを持っており、これらの運転モードを適宜組み合わせることもできる。
【0033】
冷房運転や暖房運転においては、室内の空気を冷やしたり温めたりするため、室内機20及び室外機30でそれぞれ熱交換が行われ、連絡配管12を通して室内機20と室外機30との間で熱の移動がある。このような熱交換と熱の移動とを行わせるために、例えば空気調和装置10には図2に示されている冷媒回路が形成される。冷媒回路を形成するため、図2の室内機20には室内熱交換器21が設けられ、室外機30には圧縮機31、四路切換弁32、室外熱交換器33、電動弁34、フィルタ35、アキュムレータ36、液閉鎖弁37及びガス閉鎖弁38が設けられている。また、室内機20と室外機30とを結ぶ液冷媒配管14及びガス冷媒配管16が連絡配管12の中に通っている。
【0034】
また、加湿運転、給気運転及び排気運転では、室内に外気を供給したり室内の空気を排出したりするため、連絡配管12の給気ダクト18を通して室内機20と室外機30との間で空気の移動がある。特に、加湿運転では、水分を多く含んだ湿度の高い空気を室外機30から室内機20に供給するため室外機30において外気から水分を取り込む。そのために、室外機30には、外気から水分を取り込む機能を持つ加湿ユニット60が設けられている。
【0035】
(1−1)冷媒回路の動作
冷媒回路の動作は従来からあるものと変わらないが、図2に示されている冷媒回路の動作について簡単に説明する。
【0036】
冷房時には、四路切換弁32が実線の接続になっており、圧縮機31で圧縮されて吐出された冷媒が四路切換弁32を介して室外熱交換器33に送られる。室外熱交換器33で外気との熱交換が行われて熱を奪われた冷媒は、電動弁34に送られる。高圧液状の冷媒が電動弁34で低圧状態に変化する。電動弁34で膨張した冷媒は、フィルタ35を介して液閉鎖弁37及び液冷媒配管14を通って室内熱交換器21に入る。室内熱交換器21で室内空気との熱交換が行われて熱を奪って温度が上昇した冷媒は、ガス冷媒配管16を通って四路切換弁32に送られる。四路切換弁32では、ガス閉鎖弁38とアキュムレータ36とが接続されている。そのため、ガス冷媒配管16を通って室内熱交換器21から送られてきた冷媒は、アキュムレータ36を介して圧縮機31に送られる。
【0037】
暖房時には、四路切換弁32が点線の接続になっており、圧縮機31で圧縮されて吐出された冷媒が室内熱交換器21に送られる。そして、冷房時とは逆の経路をたどって、室外熱交換器33を出た冷媒は圧縮機31に戻ってくる。つまり、圧縮機31、四路切換弁32、ガス冷媒配管16、室内熱交換器21、液冷媒配管14、電動弁34、室外熱交換器33、四路切換弁32、アキュムレータ36及び圧縮機31の順に冷媒が循環する。
【0038】
(2)室内機の構成
室内機20には、室内熱交換器21の他に、図2に示されているように、モータで駆動される室内ファン22が室内熱交換器21の下流側に設けられている。この室内ファン22はクロスフローファンである。室内ファン22が駆動されると、図1に示されている室内機20上部の吸込口23から吸い込まれた室内空気が、室内熱交換器21を通過して室内機20下部の吹出口24から吹き出される。
【0039】
また、室内機20には、給気ダクト18の給気口25が、室内熱交換器21の上流側空間に設けられている。給気ダクト18は加湿ユニット60に接続されており、加湿ユニット60から送られてくる湿度の高い空気が給気口25から室内熱交換器21の上流側空間に供給される。このような湿度の高い空気が給気口25から供給されている状態で室内ファン22を駆動することにより、室内機20の吹出口24から吹き出される調和空気の湿度を高くすることができる。例えば、このとき同時に室内熱交換器21を蒸発器として用いて、室内機20に、加湿運転と冷房運転を同時に行わせることができる。
【0040】
(3)室外機の構成
(3−1)室外機の構成の概要
室外機30は、ケーシング40と仕切板43とを備えており、図2に示すように、ケーシング40の内部空間が仕切板43によって送風機室41と機械室42とに分けられている。室外機30では、送風機室41から機械室42に風が回り込まないように、送風機室41と機械室42とが仕切板43によって遮蔽されている。
【0041】
室外機30には、冷媒回路を構成する上述の機器や加湿ユニット60の他に、図2に示されているように、ファンモータ39aによって駆動される室外ファン39が室外熱交換器33の下流側に設けられている。この室外ファン39はプロペラファンであり、ファンモータ39aによって駆動されるプロペラ39bを有している。室外ファン39が駆動されると、室外熱交換器33の後面側から室外熱交換器33を通して吸い込まれた外気が、室外機30の吹出口44から吹き出される。図1に示すように吹出口44の前面は、グリル45で覆われ、室外ファン39のプロペラ39bが室外機30の外部にある物と接触しないよう構成されている。このグリル45は、ケーシング40の前板46に取り付けられている。
【0042】
この室外機30の送風機室41には加湿ユニット60が設けられており、加湿ユニット60が室外熱交換器33の前に配置されている。加湿ユニット60が室外熱交換器33の前に配置されるということは、室外熱交換器33を通過する送風経路に加湿ユニット60の一部が掛かっているということである。このような場所にある加湿ユニット60には、室外熱交換器33を通過する送風経路の送風抵抗の増加を抑えるために、後述するような形状と配置位置とが与えられている。
【0043】
(3−2)ケーシング
図3は、室外機30の斜視図であり、図1の室外機30からグリル45などが取り外された状態を示している。図4は、室外機30の平面図であり、室外機30の天板48が取外された状態を示している。図5は、室外機30の斜視図であり、前板46、天板48及び左側板50などが取り外されている状態を示している。また、図6は、図1のI−I線断面図である。
【0044】
室外機30のケーシング40は、図3に示されている前板46、右側板47、天板48及び底板49を備えている。また、図4に示されているように室外熱交換器33は上面視L型の形状であり、ケーシング40の左側面には、L字型の室外熱交換器33の左側面部332に正対して左側板50が取り付けられている。図4からは視認できないが、室外熱交換器33に外気を導くため、左側板50が格子形状に成形されている。室外熱交換器33の後面部331のために送風機室41の後側が開放されており、図示省略されているが、送風機室41の後側には室外熱交換器33の後面部331を覆う保護金網が取り付けられている。
【0045】
ケーシング40を送風機室41と機械室42とに仕切る仕切板43は、図5に示されているように、右側板47に略並行に配置されている。この仕切板43は、室外熱交換器33の右端から前方に向かって延びるとともに、底板49から天板48まで上下に延びている。この仕切板43の前方部は、前板46に接して取り付けられる。右側板47は、室外熱交換器33の後面部51の右端から右側面に至る後面及び右側面全体を覆っている。
【0046】
また、仕切板43には開口部43bが形成されている(図5参照)。図4に示されている電装品箱55がこの開口部43bに配置され、パワーデバイスを冷却するためのフィンが開口部43bから送風機室41内に向かって突出して配置される。
【0047】
ところで、前板46には図3に示されている円形の吹出口44が形成されており、吹出口44の周囲にリング状のベルマウス52が取り付けられている。プロペラ39bの一部がこのベルマウス52で囲まれた空間内に入るように配置されている。
【0048】
プロペラ39bの回転軸をファンモータ39aの駆動軸に結合させるため、プロペラ39bの後面側にファンモータ39aが取り付けられている。このファンモータ39aを支持するためのファンモータ台53は、プロペラ39bの後面側にある上下に長い金属製の部材である。このファンモータ台53は、プロペラ39bによる外気の流れを妨げないように、上下に延びる2本の支柱部と、これらの支柱部をファンモータ39aや室外熱交換器33の上端33bや底板49の付近で繋ぐ複数の横桟部とで構成されている。そして、ファンモータ台53は、底板49と室外熱交換器33の上端33bとに取り付けられている。
【0049】
(3−3)室外熱交換器
室外熱交換器33は、既に説明したように、ケーシング40の後側に配置される後面部331と左側面側に配置される左側面部332を有しており、上面視においてL字型の形状を呈する。この室外熱交換器33は、高さ方向に長く延びる多数のフィンと、フィンを貫いて水平に取り付けられて多数のフィンと熱的に接続されている伝熱管とを有している。そして、室外熱交換器33は、底板49から天板48に達する背丈を持っている。伝熱管は、室外熱交換器33の両端部で複数回折り返されることによって高さ方向に多数列配置されている。例えば、冷房時には、室外熱交換器33の最下層の列の伝熱管から高温の冷媒が入って上の列ほど冷媒温度が下がるように配置され、暖房時には、最上層の列の伝熱管から低温の冷媒が入って下の列ほど冷媒温度が上がるように配置される。このような配置にすると、暖房時には、室外熱交換器33の上部付近で冷やされた外気が加湿ユニット60の吸湿用ダクト68に導かれる。
【0050】
(3−3−1)室外熱交換器と加湿ユニットの配置
図7及び図8には、室外熱交換器33の前に配置されている加湿ユニット60が示されている。図7は、加湿ユニット60を取り出して、加湿ユニット60の前方右斜め上から見た斜視図であり、図8は、加湿ユニット60の後方右斜め上から見た斜視図である。ただし、図7及び図8は、図4及び図5に示されている上部カバー67を取外した状態を示している。
【0051】
室外熱交換器33の前に加湿ユニット60が剥き出しで配置されているのが、この室外熱交換器30の特徴である。加湿ユニット60の上面60aの位置の高さは、室外熱交換器33の上端33b(頂部)の高さと一致する。加湿ユニット60は、比較的複雑な外観をそのままに、できるだけ容積が小さくなる形状が与えられている。
【0052】
(3−4)グリル
図1に示されているグリル56は、ケーシング40の前板46に取り付けられ、吹出口44を覆っている。グリル56には、外気を吹き出すため、図9に示されている開口部56aが多数形成されている。
【0053】
また、図9に示されているように、吸気口68aの正面側に面するグリル56の上部の領域Ar1にまで開口部56aが形成されている。図9に二点鎖線で示されている経路r1のように、グリル56の領域Ar1の開口部56aから吸い込まれた外気は、吸気口68aから吸気ダクト68を通り、加湿ロータ63を通過して、室外ファン39によって負圧になっている空間70へと導かれる。
【0054】
(3−5−1)吸湿部と放湿部
加湿ユニット60は、図2や図5などに示されているように、外気から吸湿するための吸湿部61と、放湿して空気を加湿するための放湿部62とを有する。この加湿ユニット60においては、吸湿部61と放湿部62とは、図10に示されているような1枚の円盤状の加湿ロータ63によって構成されている。つまり、加湿ロータ63は、吸湿部61と放湿部62とを兼ねる吸放湿材である。この円盤状の加湿ロータ63は、ゼオライト等の焼成によって形成されたハニカム構造のゼオライトロータである。加湿ロータ63は、円盤の中心を回転軸として回転するように取り付けられ、加湿ロータ63の周囲に設けられているギア64に伝達されるロータ駆動用モータ(図示省略)の動力によって回転駆動される。
【0055】
加湿ロータ63を形成しているゼオライト等の吸着剤は、例えば常温で空気から吸湿し、ヒータ71で高温に加熱された空気により常温よりも高い温度になることによって放湿するという性質を持っている。つまり、加湿ロータ63のうちの高温の空気にさらされている側が吸湿部61になり、高温の空気にさらされている側が放湿部62になる。別の観点から見ると、加湿ロータ63は、加湿ロータ63の温度が低い側で吸湿し、加湿ロータ63の温度が高い側で放湿する。この加湿ロータ63が回転するので、吸湿部61での吸湿によって加湿ロータ63に吸着された水分は、加湿ロータ63の回転に連れて放湿部62に運ばれ、放湿部62での放湿によって吸着されていた水分が脱着されて放湿部62の周囲の空気が加湿される。加湿ロータ63の放湿部62を通過させる空気を加熱するため、放湿部62の上方にはヒータ71が設けられている。
【0056】
(3−5−2)包囲壁
図7及び図8に示されているように、円盤状の加湿ロータ63の外周の全周囲は、包囲壁65,66によって包囲されている。この加湿ユニット60では、吸湿部61の外周が包囲壁65によって覆われ、放湿部62の外周が包囲壁66によって覆われている。
【0057】
(3−5−3)吸湿用ダクト
吸湿部61の上部には、吸湿部61に外気を導くための吸湿用ダクト68が設けられている。吸湿用ダクト68を上から見ると、図4に示されているように、中心角αが180度より大きい扇形の吸湿部61の上を覆っている。
【0058】
吸湿用ダクト68は、前面側に向かって開口していて前面側から外気を吸い込む吸気口68aを有している。吸湿用ダクト68は、図6に示されているように、吸気口68aに続く傾斜部68bが吸湿用ダクト68の上部に形成されており、そのため、側面から見ると吸湿用ダクト68が下方に向けて湾曲している形になる。このような下方に向け湾曲した構造を吸湿用ダクト68が持っているため、下方から上に向かって送風されてくる外気が吸湿用ダクト68の吸気口68aから入り易くなる。また、吸湿用ダクト68は、吸気口68aから後面側に進むに従って上下に広がっており、吸気口68aから後面側に進む外気は、後面側に進むに従って上下に広がり、吸湿部61の全体に行き渡り易くなる。吸湿用ダクト68は、図4に示されているように吸湿部61の全面を覆っており、下方に配置されている加湿ロータ63を上から下に向けて外気が通過する。
【0059】
(3−5−4)排気口
排気口69は、加湿ロータ63の下方にある。そして、この排気口69は、吸湿用ダクト68の上面からの投影部分にほぼ等しい領域を占める。排気口69の下方には、図6や図9に示されているように、プロペラ39bが配置されている。つまり、この排気口69は、プロペラ39bが回転するときに負圧になる空間70に対向していることになる。このような構成によって、ベルマウス52からプロペラ39bによって吹き出して吸気口68aに入った外気が、図9に二点鎖線で記されている経路を通って、負圧の空間70の方に引かれて排気口69から送風機室41に吹き出される。そのため、室外ファン39のみによって外気が吸湿部61に送られ、従来必要であった吸湿部61に外気を送るための専用のファンを省くことができる。
【0060】
(3−5−5)ヒータ
図10に示されているように、放湿部62から放湿させるために、加湿ロータ63の放湿部62の上方にヒータ71が設けられている。図11は、ヒータ71及びヒータ支持部材74を下方から見た底面図である。ヒータ71は、筒状の筐体の中に電熱線(図示省略)が設けられた構造を持ち、吸入口72から吸入されて加湿ロータ63に送られる外気を電熱線で加熱する。加湿ロータ63のハニカム構造の開口を加熱された空気が通り抜けるときに、加湿ロータ63からの放湿によって加湿用ダクト73の空気が加湿される。
【0061】
ヒータ71は、図11に示されているように、ヒータ支持部材74の下側に取り付けられている。ヒータ支持部材74は、上面部74aと周囲の外壁部74bと固定板74cとを有し、上面と側面とが上面部74aと外壁部74bとで囲まれ下方が解放されている筒体である。ヒータ71の筐体及びヒータ支持部材74は、耐熱性を必要とするため板金によって形成されている。吸入口72は、ヒータ支持部材74の前面側かつ加湿ロータ63の下にあって、吸入口72から吸入されて加湿ロータ63を上に抜けた外気がヒータ71の筐体の中を前面側から後面側に向けて通過する。このとき、ヒータ71によって外気が加熱される。ヒータ71の筐体を通過した空気は、加湿ロータ63の上を通って後面側に進む。加湿ロータ63の後面側の下方が加湿用ダクト73(図5参照)に繋がっているので、加湿用ダクト73の上方に達した空気は、加湿ロータ63を下に向けて通過して加湿用ダクト73に吸い込まれる。加湿ロータ63は、ヒータ71によって温度が上昇した空気に晒されて放湿する。このように加湿ロータ63によって加湿された空気が加湿用ダクト73を経て室内機20へと導かれる。そのため、加湿ロータ63のうち、図10に示されているように、ヒータ支持部材74の下方が放湿部62になり、それ以外の部分が吸湿部61になる。加湿ロータ63は、上面から見て時計回りに回転しており、吸湿部61として機能した加湿ロータ63の部分が回転してヒータ支持部材74の下に来ると放湿部62として機能する。つまり、加湿ロータ63は、吸湿部61と放湿部62とを兼ねる吸放湿材である。
【0062】
ヒータ支持部材74は、板金で形成されていて熱伝達率が高いため、ヒータ支持部材74が冷えるとヒータ71によって加熱された空気から再び熱が奪われる。このような状況で空気を加熱しなければならないとすると電力消費が大きくなるので、ヒータ支持部材74から熱が逃げないよう、図4に示されている上部カバー67でヒータ支持部材74が覆われている。図5から分かるように、上部カバー67の上面67cの位置の高さは、室外熱交換器33の上端33b(頂部)の高さと一致する。
【0063】
ヒータ支持部材74が外気によって冷やされるのを防ぐため、図12に示されているように、上面部74aに断熱材74dを貼り付けることが好ましい。断熱材74dとしては発泡ポリエチレンなどが用いられる。
【0064】
(3−5−6)ターボファン及び加湿用ダクト
加湿用ダクト73は、上述のように、加湿ロータ63の下方後面側に位置するとともに室外熱交換器33の前方に位置するため、室外熱交換器33を通過する外気にとっての送風抵抗になる。また、ターボファン75も室外熱交換器33の前に配置されると送風抵抗を発生させる原因になるため、比較的占有容積の大きなターボファン75は、図2や図4に示されているように機械室42に設置されている。
【0065】
プロペラ39bが加湿ユニット60の下方に配置されており、プロペラ39bの回転する領域のうち最も高い位置でも、室外熱交換器33の上端33bに比べると加湿ユニット60の高さ方向の大きさ分だけ下に位置することになる。そのため、室外熱交換器33の上端近傍を通過した外気は、プロペラ39bに向かって斜め下に向かって流れる。このような外気の流路を加湿用ダクト73ができるだけ妨げないように、加湿用ダクト73はターボファン75に近い方が室外熱交換器33の上端33bの高さと同じ位置にくるように、ターボファン75に向かって斜めに配置されている。加湿用ダクト73には、図2に示されているようにダンパ78が取り付けられており、加湿運転時における加湿用ダクト73における逆流つまりターボファン75側から加湿ロータ63へ流れる空気の流れを防止している。
【0066】
ターボファン75は、図7に示されているように、前後方向に場所を取らない配置になっている。すなわち、ターボファン75の羽根車の回転軸が前後方向に伸びる縦置きの配置となっている。そして、ターボファン75の吸込口76は、加湿ユニット60の方を向いて水平に配置されている。また、ターボファン75の吐出口77は、下方に向けて斜めに配置されている。ダンパ78を加湿用ダクト73の側に設けるとともに吐出口76を斜め下方に向けて設けることによって、ターボファン75の吐出口77及び吐出口77近傍も室外機30の内部に収納されている。右側板47の開口部47aから露出しているターボファン75の吐出口77には、給気ダクト18が取り付けられる。
【0067】
(3−5−7)加湿ユニットの固定
図12は、加湿ユニット60の断面形状を示すための室外機30の部分断面図である。加湿ユニット60は、ファンモータ台53の上にビス53aで固定されている。また、加湿ユニット60の前方が前板46にまで達している。固定された状態では、加湿ユニット60は前後左右に移動しない。そのため、室外熱交換器33の前面33aと加湿ユニット60後面60bとの間に所定隙間Isが形成されている。この隙間Isは、後面60bに形成されているリブ60cによって確実に保たれる。また、吸湿用ダクト68の後面側には、傾斜部68cが形成され、図12に示されている包囲壁65は下方に行くに従って前方に張り出すように傾斜している傾斜部65cが設けられている。傾斜部65cが設けられて下方が図12に示されているように傾斜していると、外気の通りが良くなる。
【0068】
上述のように隙間Isが形成されているため、図12に示されている経路r2のように外気が流れ、加湿ユニット60の後面側にある室外熱交換器33を外気が通過してこの通過する外気が熱交換されるので、熱交換効率が低下するのを抑制できる。
【0069】
(4)特徴
(4−1)
図4及び図5などに示されているように、加湿ユニット60のうち、加湿ロータ63やその周辺の部材の多くは、送風機室41に設置されている。一方、ターボファン75(加湿ファン)はケーシング40の機械室42に設置されている。機械室42は、送風機室41から分離されている空間であって、室外熱交換器33を通過する外気は、機械室42に流れない構成になっている。機械室42が送風機室41から分離されて遮蔽されているのは、機械室42に配置される圧縮機31などの振動による騒音が外部に漏れないようにするなどの理由による。
【0070】
このような機械室42にターボファン75が設置されるため、ターボファン75は、送風機室41の送風の妨げにならない。ターボファン75が送風の妨げにならなくなることによって、室外機の熱交換の性能の低下を防止することができる。
【0071】
また、ターボファン75は機械室42内つまりケーシング40内にあって外観を構成しない。つまり、従来のように、ターボファン75が略直方体状の加湿ユニットの一部を形作る必要がなくなる。そのため、外観に拘らずに、できる限りターボファン75の占有容積が小さくなるように設置することができる。図7や図8に示されているターボファン75は、前後に扁平な円筒の一部(吸込口や吐出口)が長く延びた歪な形になっている。このような形状は、使用者の目には触れない機械室42の中にあるために美観が損なわれることを許容して、占有体積ができる限り小さくなるように作成されたものである。それにより、加湿ユニット60のコンパクト化が達成されている。
【0072】
(4−2)
送風機室41と機械室42とは、仕切部材43によって仕切られている。機械室42に設置されているターボファン75に、室外熱交換器33から室外ファン39に流れる外気が当たることがこの仕切部材43によって完全に防がれる。このような仕切部材43の働きによって、ターボファン75を機械室42に配置したことによる熱交換の性能低下の防止効果が十分に引き出される。
【0073】
(4−3)
放湿部61からターボファン75に空気を導くために加湿ユニット60が有している加湿用ダクト68は、仕切部材43を貫通して設置されている。加湿用ダクト63のうち仕切部材43よりも機械室42側に在るものは、送風の妨げにならなくなる。その結果、加湿用ダクト68で発生する送風抵抗を減らし、熱交換の性能低下の防止効果を十分に引き出すことができる。
【0074】
(4−4)
図5に示されているように、ターボファン75(遠心送風機)は、その回転軸の延びる方向D1を前後に向けて設置されている。ターボファン75が回転軸の延びる方向よりもそれに垂直な方向の方の寸法が大きくなるため、ターボファン75を設置するための前後方向の寸法が小さくてすみ、室外機30の前後方向の寸法を小さくできる。ターボファン75によって前後方向の寸法が大きくならないようにして、室外機30のダウンサイジングを図ることができる。
【0075】
(4−5)
図5や図12に示されているように、吸湿部61と放湿部62を兼ねる円盤状の加湿ロータ63が水平に配置されている。このような構成により、加湿ユニット60は、上下方向よりも前後方向の方が大きい扁平な形状になる。それにより、前面から見た加湿ユニット60の投影面積が小さくなり、加湿ユニット60の送風抵抗を小さくすることができる。また、加湿ユニット60の上下方向の大きさが小さくなることで、高さ方向のダウンサイジングも容易になる。
【0076】
(4−6)
図2に示されているダンパ78は、放湿部62とターボファン75(加湿ファン)との間に配置され、放湿部62からターボファン75に送られる空気の逆流を妨げる。ダンパ78のような小さな部品でターボファン75から室内機20への空気の逆流を防止できるので、逆流防止にダンパ78のような小型部品を使用することで室外機30のコンパクト化を妨げずに、室外機30の加湿機能の向上を図ることができる。なお、上記実施形態では空気調和装置10が排気運転も行うように構成されているためダンパ78を用いているが、排気運転を行わない場合にはダンパ78に代えて逆止弁を用いることもできる。
【0077】
(5)変形例
(5−1)
上記実施形態では、1台の室内機20に1台の室外機30が接続されているペア型の空気調和装置10について説明したが、本発明が適用できる空気調和装置のタイプはペア型には限られない。例えば、1台の室外機に複数台の室内機が接続されているマルチ型の空気調和装置にも本発明を適用することができる。
【0078】
(5−2)
上記実施形態では、室外機30のケーシング40内が、送風機室41と機械室42の2つに分割されている場合について説明したが、内部に送風機室41が設けられているケーシング40であれば本発明の室外機を構成することができる。例えば、送風機室41と機械室42以外に仕切られた空間が形成されていてもよく、例えば機械室42が他の機能も含む他の室として設けられていてもよい。
【0079】
(5−3)
上記実施形態では、室外熱交換器33が上面視L字型の形状を呈するものについて説明したが、本発明の室外機を構成する室外熱交換器は上述の形状には限られない。例えば、上面視I字型の形状を持つ室外熱交換器で構成することもできる。
【0080】
(5−4)
上記実施形態では、室外ファン39がプロペラ型のプロペラ39bを持つものについて説明したが、プロペラ型のプロペラ39bを持つものに限られない。プロペラ型以外のタイプのプロペラを持つ室外ファンでも本発明の室外機を構成することができる。
【0081】
(5−5)
上記実施形態では、吸湿部61が放湿部62よりも大きく、図4に示されているように、吸湿部61の中心角αが180度より大きい扇形になる場合について説明したが、吸湿部61と放湿部62の大きさは適宜設定できる。例えば。吸湿部61と放湿部62の大きさはほぼ等しくなるように、中心角をそれぞれ180度に設定することもできる。
【0082】
(5−6)
上記実施形態では、吸湿部61に外気を導くための専用のファンやそのファンを駆動するためのモータを省いているが、従来よりも小型化された専用ファンや専用ファン用のモータを取り付けてもよい。そのような場合であっても、室外ファン39によって吸湿部61に送風されるため、吸湿部61に外気を導くためだけの専用ファンや専用ファン用のモータを従来に比べて小型化できる分だけ従来よりも室外機をコンパクト化できる。
【0083】
(5−7)
上記実施形態では、仕切板43によって放湿部62とターボファン75との間を仕切り場合について説明したが、図13及び図14に示されている仕切板43によって吸湿部61と放湿部62との間で仕切るように構成することもできる。図13及び図14に示されているように、吸湿部61と放湿部62との境に仕切板43を配置することによって、放湿部62と加湿用ダクト73とターボファン75とを機械室42に設置するように構成することができる。それにより、室外熱交換器33を通過した外気によって放湿部62が冷やされるのを防ぐことができる。また、ターボファン75と加湿用ダクト73の一部だけでなく、放湿部62及び加湿用ダクト73の全体が室外熱交換器33を通過した外気の通路から外れるので、これらによる通風抵抗の増加を低減することができる。
【0084】
なお、図13及び図14では、放湿部62の全体が機械室42に配置される例が示されているが、放湿部62の一部が機械室42に配置されるように構成することもできる。放湿部62の一部が機械室42に配置される場合には、全体が機械室42に配置される場合に比べて通風抵抗の増加を低減する効果や放湿部62が冷やされることを防ぐ効果は小さくなるが、第1実施形態に比べればこれらの効果は向上する。
【0085】
(5−8)
上記実施形態では、ターボファン75が、その回転軸の延びる方向D1を前後に向けて設置される場合を例に挙げて説明したが、ターボファン75の設置方向はこの例に限られるものではない。例えば、図14に示されているように、回転軸の延びる方向D2をケーシング40の長手方向である左右方向に一致させるように構成することもできる。このように回転軸の延びる方向D2をケーシング40の長手方向に一致させることにより、ケーシングの長手方向の長さを短縮し易くなる。
【符号の説明】
【0086】
10 空気調和装置
20 室内機
30 室外機
33 室外熱交換器
39 室外ファン
40 ケーシング
60 加湿ユニット
63 加湿ロータ
68 吸湿用ダクト
73 加湿用ダクト
75 ターボファン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】特開2004−353898号公報
【特許文献2】特開2008−241212号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿ユニットを有する空気調和装置の室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
加湿機能を有する従来の空気調和装置の中には、空気調和装置の室外機と加湿ユニット(又は加湿装置)とが一体化されたタイプのものがある。このような空気調和装置は、例えば、特許文献1(特開2004−353898号公報)や特許文献2(特開2008−241212号公報)に記載されているように、仕切板によって室外機が上下に仕切られている。そして、これら特許文献1や特許文献2に記載されている室外機においては、加湿ユニットが仕切板の上方に設置され、熱交換器や熱交換器に送風するファンが仕切板の下方に配置されている。
【0003】
このような加湿機能を有する室外機のダウンサイジングを図るため、特許文献1や特許文献2に記載の空気調和装置では、加湿ユニットの加湿ロータ(吸着回転体やデシカントローター)が水平に設置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような構成でも室外機のダウンサイジングが十分ではなく、また室外機のコンパクト化のために加湿ユニットを小型化し、送風機室内に格納すると、加湿ユニットによって送風機室内の送風抵抗が大きくなり、熱交換の性能が低下する傾向がある。
【0005】
本発明の課題は、加湿機能を有する室外機のダウンサイジングを図りながら、室外機の熱交換の性能の低下を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る空気調和装置の室外機は、空気調和を行うために室内機に接続される空気調和装置の室外機であって、機械室及び外気が通過する送風機室を有するケーシングと、送風機室に設置され、外気との間で熱交換を行う室外熱交換器と、送風機室に配置され、室外熱交換器に外気を送風する室外ファンと、外気から吸湿するため前記送風機室に配置されている吸湿部、放湿して空気を加湿するための放湿部、及び前記機械室に配置されて前記放湿部で加湿された空気を前記室内機に送るための加湿ファンを有する加湿ユニットとを備える。
【0007】
第1観点に係る室外機によれば、加湿ファンが機械室にあることで、加湿ファンが室外熱交換器への送風の妨げになることを防止することができる。一方、加湿ファンが機械室内に配置されるため、外観に拘らずに機械室内の他の部品との位置関係を決定できてコンパクト化し易くなる。
【0008】
本発明の第2観点に係る空気調和装置の室外機は、第1観点に係る室外機において、送風機室と機械室とを仕切る仕切部材をさらに備える。
【0009】
第2観点の室外機によれば、室外ファンによる室外熱交換器への送風が仕切部材によって加湿ファンに当たることがないため、送風が加湿ファンにより妨げられることを確実に防止できる。
【0010】
本発明の第3観点に係る空気調和装置の室外機は、第2観点の室外機において、加湿ユニットは、放湿部から加湿ファンに空気を導くための加湿用ダクトをさらに有し、加湿用ダクトが仕切部材を横切って設置されている。
【0011】
第3観点の室外機によれば、仕切部材よりも機械室側に在る加湿用ダクトの一部も送風の妨げにならなくなる。
【0012】
本発明の第4観点に係る空気調和装置の室外機は、第1観点又は第2観点の室外機において、加湿ユニットは、加湿部の少なくとも一部を機械室に配置しているものである。
【0013】
第4観点の室外機によれば、仕切部材よりも機械室側に在る加湿部の少なくとも一部及び加湿用ダクトも送風の妨げにならなくなる。
【0014】
本発明の第5観点に係る空気調和装置の室外機は、第1観点から第4観点のいずれかの室外機において、加湿ファンは、遠心送風機であり、遠心送風機の回転軸の延びる方向を前後に向けて設置されている。
【0015】
第5観点の室外機によれば、遠心送風機が回転軸の延びる方向よりもそれに垂直な方向の方が大きいため、加湿ファンを設置するための前後方向の寸法が小さくてすみ、室外機の前後方向の寸法を小さくできる。
【0016】
本発明の第6観点に係る空気調和装置の室外機は、第1観点から第4観点のいずれかの室外機において、加湿ファンは、遠心送風機であり、遠心送風機の回転軸の延びる方向をケーシングの長手方向に向けて設置されている。
【0017】
第6観点の室外機によれば、遠心送風機が回転軸の延びる方向よりもそれに垂直な方向の方が大きいため、加湿ファンを設置するための長手方向の寸法が小さくてすみ、室外機の長手方向の寸法を小さくできる。
【0018】
本発明の第7観点に係る空気調和装置の室外機は、第1観点から第6観点のいずれかの室外機において、加湿ユニットは、吸湿部及び放湿部を構成するため送風機室に略水平に配置されている円盤状の加湿ロータをさらに有する。
【0019】
第7観点の室外機によれば、円盤状の加湿ロータを略水平に配置することで、加湿ユニットが室外熱交換器の前にあっても送風抵抗の増加を抑制できる。一方、加湿ロータが円盤状で平らであるため、室外機の高さ方向の寸法を小さく設定し易くなる。
【0020】
本発明の第8観点に係る空気調和装置の室外機は、第1観点から第7観点のいずれかの室外機において、加湿ユニットは、放湿部と加湿ファンとの間に配置され、放湿部から加湿ファンに送られる空気の逆流を妨げるダンパ又は逆止弁をさらに有する。
【0021】
第8観点の室外機によれば、ダンパ又は逆止弁のような小さな部品で、簡単に加湿ファンから室内機への空気の逆流を防止できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の第1観点に係る空気調和装置の室外機では、室外機のダウンサイジングを図りながら、室外機の熱交換の性能の低下を防止することができる。
【0023】
本発明の第2観点に係る空気調和装置の室外機では、送風が加湿ファンに当たるのを仕切部材によって防ぐことができ、熱交換の性能低下の防止効果を十分に引き出すことができる。
【0024】
本発明の第3観点に係る空気調和装置の室外機では、加湿用ダクトで発生する送風抵抗を減らし、熱交換の性能低下の防止効果を十分に引き出すことができる。
【0025】
本発明の第4観点に係る空気調和装置の室外機では、放湿部及び加湿用ダクトで発生する送風抵抗を減らし、熱交換の性能低下の防止効果を十分に引き出すことができる。
【0026】
本発明の第5観点に係る空気調和装置の室外機では、室外機の前後方向の寸法を小さくするダウンサイジングが容易になる。
【0027】
本発明の第6観点に係る空気調和装置の室外機では、室外機の長手方向の寸法を小さくするダウンサイジングが容易になる。
【0028】
本発明の第7観点に係る空気調和装置の室外機では、室外機の高さ方向の寸法を抑えて室外機のダウンサイズを図りながら、加湿ユニットの送風抵抗の増加を防いで熱交換能力の低下を抑制できる。
【0029】
本発明の第8観点に係る空気調和装置の室外機では、加湿経路少しでも機械室内に入れて逆流を防止することで、室外熱交換器を通った冷たい外気が加湿経路に当たって熱ロスが増加するのを防ぐ効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】一実施形態に係る空気調和装置の構成の概要を示す概念図。
【図2】空気調和装置の室外機の概要を示す回路図。
【図3】グリルや室外熱交換器が取り外された状態の室外機の外観を示す斜視図。
【図4】天板が取外された状態の室外機の上面図。
【図5】前板、天板及び左側板などが取り外されている状態の室外機の外観を示す斜視図。
【図6】図1のI−I線断面図。
【図7】前方右斜め上から見た加湿ユニットの斜視図。
【図8】後方右斜め上から見た加湿ユニットの斜視図。
【図9】加湿ユニット周辺の外気の流れを説明するための室外機の部分拡大断面図。
【図10】加湿ロータとヒータを示す分解斜視図。
【図11】加湿ユニットのヒータ周辺の部材の底面図。
【図12】室外機の加湿ユニット周辺の部分拡大断面図。
【図13】一実施形態の変形例による空気調和装置の室外機の概要を示す回路図。
【図14】天板が取外された状態の図13の変形例に係る室外機の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明にかかる空気調和装置の室外機の実施形態は、以下に説明する実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0032】
<一実施形態>
(1)空気調和装置の構成の概要
本発明の一実施形態に係る空気調和装置10は、図1に示されているように、室内機20と室外機30とが連絡配管12によって接続されて構成されている。この空気調和装置10は、冷房運転、暖房運転、除湿運転、加湿運転、給気運転及び排気運転などの複数の運転モードを持っており、これらの運転モードを適宜組み合わせることもできる。
【0033】
冷房運転や暖房運転においては、室内の空気を冷やしたり温めたりするため、室内機20及び室外機30でそれぞれ熱交換が行われ、連絡配管12を通して室内機20と室外機30との間で熱の移動がある。このような熱交換と熱の移動とを行わせるために、例えば空気調和装置10には図2に示されている冷媒回路が形成される。冷媒回路を形成するため、図2の室内機20には室内熱交換器21が設けられ、室外機30には圧縮機31、四路切換弁32、室外熱交換器33、電動弁34、フィルタ35、アキュムレータ36、液閉鎖弁37及びガス閉鎖弁38が設けられている。また、室内機20と室外機30とを結ぶ液冷媒配管14及びガス冷媒配管16が連絡配管12の中に通っている。
【0034】
また、加湿運転、給気運転及び排気運転では、室内に外気を供給したり室内の空気を排出したりするため、連絡配管12の給気ダクト18を通して室内機20と室外機30との間で空気の移動がある。特に、加湿運転では、水分を多く含んだ湿度の高い空気を室外機30から室内機20に供給するため室外機30において外気から水分を取り込む。そのために、室外機30には、外気から水分を取り込む機能を持つ加湿ユニット60が設けられている。
【0035】
(1−1)冷媒回路の動作
冷媒回路の動作は従来からあるものと変わらないが、図2に示されている冷媒回路の動作について簡単に説明する。
【0036】
冷房時には、四路切換弁32が実線の接続になっており、圧縮機31で圧縮されて吐出された冷媒が四路切換弁32を介して室外熱交換器33に送られる。室外熱交換器33で外気との熱交換が行われて熱を奪われた冷媒は、電動弁34に送られる。高圧液状の冷媒が電動弁34で低圧状態に変化する。電動弁34で膨張した冷媒は、フィルタ35を介して液閉鎖弁37及び液冷媒配管14を通って室内熱交換器21に入る。室内熱交換器21で室内空気との熱交換が行われて熱を奪って温度が上昇した冷媒は、ガス冷媒配管16を通って四路切換弁32に送られる。四路切換弁32では、ガス閉鎖弁38とアキュムレータ36とが接続されている。そのため、ガス冷媒配管16を通って室内熱交換器21から送られてきた冷媒は、アキュムレータ36を介して圧縮機31に送られる。
【0037】
暖房時には、四路切換弁32が点線の接続になっており、圧縮機31で圧縮されて吐出された冷媒が室内熱交換器21に送られる。そして、冷房時とは逆の経路をたどって、室外熱交換器33を出た冷媒は圧縮機31に戻ってくる。つまり、圧縮機31、四路切換弁32、ガス冷媒配管16、室内熱交換器21、液冷媒配管14、電動弁34、室外熱交換器33、四路切換弁32、アキュムレータ36及び圧縮機31の順に冷媒が循環する。
【0038】
(2)室内機の構成
室内機20には、室内熱交換器21の他に、図2に示されているように、モータで駆動される室内ファン22が室内熱交換器21の下流側に設けられている。この室内ファン22はクロスフローファンである。室内ファン22が駆動されると、図1に示されている室内機20上部の吸込口23から吸い込まれた室内空気が、室内熱交換器21を通過して室内機20下部の吹出口24から吹き出される。
【0039】
また、室内機20には、給気ダクト18の給気口25が、室内熱交換器21の上流側空間に設けられている。給気ダクト18は加湿ユニット60に接続されており、加湿ユニット60から送られてくる湿度の高い空気が給気口25から室内熱交換器21の上流側空間に供給される。このような湿度の高い空気が給気口25から供給されている状態で室内ファン22を駆動することにより、室内機20の吹出口24から吹き出される調和空気の湿度を高くすることができる。例えば、このとき同時に室内熱交換器21を蒸発器として用いて、室内機20に、加湿運転と冷房運転を同時に行わせることができる。
【0040】
(3)室外機の構成
(3−1)室外機の構成の概要
室外機30は、ケーシング40と仕切板43とを備えており、図2に示すように、ケーシング40の内部空間が仕切板43によって送風機室41と機械室42とに分けられている。室外機30では、送風機室41から機械室42に風が回り込まないように、送風機室41と機械室42とが仕切板43によって遮蔽されている。
【0041】
室外機30には、冷媒回路を構成する上述の機器や加湿ユニット60の他に、図2に示されているように、ファンモータ39aによって駆動される室外ファン39が室外熱交換器33の下流側に設けられている。この室外ファン39はプロペラファンであり、ファンモータ39aによって駆動されるプロペラ39bを有している。室外ファン39が駆動されると、室外熱交換器33の後面側から室外熱交換器33を通して吸い込まれた外気が、室外機30の吹出口44から吹き出される。図1に示すように吹出口44の前面は、グリル45で覆われ、室外ファン39のプロペラ39bが室外機30の外部にある物と接触しないよう構成されている。このグリル45は、ケーシング40の前板46に取り付けられている。
【0042】
この室外機30の送風機室41には加湿ユニット60が設けられており、加湿ユニット60が室外熱交換器33の前に配置されている。加湿ユニット60が室外熱交換器33の前に配置されるということは、室外熱交換器33を通過する送風経路に加湿ユニット60の一部が掛かっているということである。このような場所にある加湿ユニット60には、室外熱交換器33を通過する送風経路の送風抵抗の増加を抑えるために、後述するような形状と配置位置とが与えられている。
【0043】
(3−2)ケーシング
図3は、室外機30の斜視図であり、図1の室外機30からグリル45などが取り外された状態を示している。図4は、室外機30の平面図であり、室外機30の天板48が取外された状態を示している。図5は、室外機30の斜視図であり、前板46、天板48及び左側板50などが取り外されている状態を示している。また、図6は、図1のI−I線断面図である。
【0044】
室外機30のケーシング40は、図3に示されている前板46、右側板47、天板48及び底板49を備えている。また、図4に示されているように室外熱交換器33は上面視L型の形状であり、ケーシング40の左側面には、L字型の室外熱交換器33の左側面部332に正対して左側板50が取り付けられている。図4からは視認できないが、室外熱交換器33に外気を導くため、左側板50が格子形状に成形されている。室外熱交換器33の後面部331のために送風機室41の後側が開放されており、図示省略されているが、送風機室41の後側には室外熱交換器33の後面部331を覆う保護金網が取り付けられている。
【0045】
ケーシング40を送風機室41と機械室42とに仕切る仕切板43は、図5に示されているように、右側板47に略並行に配置されている。この仕切板43は、室外熱交換器33の右端から前方に向かって延びるとともに、底板49から天板48まで上下に延びている。この仕切板43の前方部は、前板46に接して取り付けられる。右側板47は、室外熱交換器33の後面部51の右端から右側面に至る後面及び右側面全体を覆っている。
【0046】
また、仕切板43には開口部43bが形成されている(図5参照)。図4に示されている電装品箱55がこの開口部43bに配置され、パワーデバイスを冷却するためのフィンが開口部43bから送風機室41内に向かって突出して配置される。
【0047】
ところで、前板46には図3に示されている円形の吹出口44が形成されており、吹出口44の周囲にリング状のベルマウス52が取り付けられている。プロペラ39bの一部がこのベルマウス52で囲まれた空間内に入るように配置されている。
【0048】
プロペラ39bの回転軸をファンモータ39aの駆動軸に結合させるため、プロペラ39bの後面側にファンモータ39aが取り付けられている。このファンモータ39aを支持するためのファンモータ台53は、プロペラ39bの後面側にある上下に長い金属製の部材である。このファンモータ台53は、プロペラ39bによる外気の流れを妨げないように、上下に延びる2本の支柱部と、これらの支柱部をファンモータ39aや室外熱交換器33の上端33bや底板49の付近で繋ぐ複数の横桟部とで構成されている。そして、ファンモータ台53は、底板49と室外熱交換器33の上端33bとに取り付けられている。
【0049】
(3−3)室外熱交換器
室外熱交換器33は、既に説明したように、ケーシング40の後側に配置される後面部331と左側面側に配置される左側面部332を有しており、上面視においてL字型の形状を呈する。この室外熱交換器33は、高さ方向に長く延びる多数のフィンと、フィンを貫いて水平に取り付けられて多数のフィンと熱的に接続されている伝熱管とを有している。そして、室外熱交換器33は、底板49から天板48に達する背丈を持っている。伝熱管は、室外熱交換器33の両端部で複数回折り返されることによって高さ方向に多数列配置されている。例えば、冷房時には、室外熱交換器33の最下層の列の伝熱管から高温の冷媒が入って上の列ほど冷媒温度が下がるように配置され、暖房時には、最上層の列の伝熱管から低温の冷媒が入って下の列ほど冷媒温度が上がるように配置される。このような配置にすると、暖房時には、室外熱交換器33の上部付近で冷やされた外気が加湿ユニット60の吸湿用ダクト68に導かれる。
【0050】
(3−3−1)室外熱交換器と加湿ユニットの配置
図7及び図8には、室外熱交換器33の前に配置されている加湿ユニット60が示されている。図7は、加湿ユニット60を取り出して、加湿ユニット60の前方右斜め上から見た斜視図であり、図8は、加湿ユニット60の後方右斜め上から見た斜視図である。ただし、図7及び図8は、図4及び図5に示されている上部カバー67を取外した状態を示している。
【0051】
室外熱交換器33の前に加湿ユニット60が剥き出しで配置されているのが、この室外熱交換器30の特徴である。加湿ユニット60の上面60aの位置の高さは、室外熱交換器33の上端33b(頂部)の高さと一致する。加湿ユニット60は、比較的複雑な外観をそのままに、できるだけ容積が小さくなる形状が与えられている。
【0052】
(3−4)グリル
図1に示されているグリル56は、ケーシング40の前板46に取り付けられ、吹出口44を覆っている。グリル56には、外気を吹き出すため、図9に示されている開口部56aが多数形成されている。
【0053】
また、図9に示されているように、吸気口68aの正面側に面するグリル56の上部の領域Ar1にまで開口部56aが形成されている。図9に二点鎖線で示されている経路r1のように、グリル56の領域Ar1の開口部56aから吸い込まれた外気は、吸気口68aから吸気ダクト68を通り、加湿ロータ63を通過して、室外ファン39によって負圧になっている空間70へと導かれる。
【0054】
(3−5−1)吸湿部と放湿部
加湿ユニット60は、図2や図5などに示されているように、外気から吸湿するための吸湿部61と、放湿して空気を加湿するための放湿部62とを有する。この加湿ユニット60においては、吸湿部61と放湿部62とは、図10に示されているような1枚の円盤状の加湿ロータ63によって構成されている。つまり、加湿ロータ63は、吸湿部61と放湿部62とを兼ねる吸放湿材である。この円盤状の加湿ロータ63は、ゼオライト等の焼成によって形成されたハニカム構造のゼオライトロータである。加湿ロータ63は、円盤の中心を回転軸として回転するように取り付けられ、加湿ロータ63の周囲に設けられているギア64に伝達されるロータ駆動用モータ(図示省略)の動力によって回転駆動される。
【0055】
加湿ロータ63を形成しているゼオライト等の吸着剤は、例えば常温で空気から吸湿し、ヒータ71で高温に加熱された空気により常温よりも高い温度になることによって放湿するという性質を持っている。つまり、加湿ロータ63のうちの高温の空気にさらされている側が吸湿部61になり、高温の空気にさらされている側が放湿部62になる。別の観点から見ると、加湿ロータ63は、加湿ロータ63の温度が低い側で吸湿し、加湿ロータ63の温度が高い側で放湿する。この加湿ロータ63が回転するので、吸湿部61での吸湿によって加湿ロータ63に吸着された水分は、加湿ロータ63の回転に連れて放湿部62に運ばれ、放湿部62での放湿によって吸着されていた水分が脱着されて放湿部62の周囲の空気が加湿される。加湿ロータ63の放湿部62を通過させる空気を加熱するため、放湿部62の上方にはヒータ71が設けられている。
【0056】
(3−5−2)包囲壁
図7及び図8に示されているように、円盤状の加湿ロータ63の外周の全周囲は、包囲壁65,66によって包囲されている。この加湿ユニット60では、吸湿部61の外周が包囲壁65によって覆われ、放湿部62の外周が包囲壁66によって覆われている。
【0057】
(3−5−3)吸湿用ダクト
吸湿部61の上部には、吸湿部61に外気を導くための吸湿用ダクト68が設けられている。吸湿用ダクト68を上から見ると、図4に示されているように、中心角αが180度より大きい扇形の吸湿部61の上を覆っている。
【0058】
吸湿用ダクト68は、前面側に向かって開口していて前面側から外気を吸い込む吸気口68aを有している。吸湿用ダクト68は、図6に示されているように、吸気口68aに続く傾斜部68bが吸湿用ダクト68の上部に形成されており、そのため、側面から見ると吸湿用ダクト68が下方に向けて湾曲している形になる。このような下方に向け湾曲した構造を吸湿用ダクト68が持っているため、下方から上に向かって送風されてくる外気が吸湿用ダクト68の吸気口68aから入り易くなる。また、吸湿用ダクト68は、吸気口68aから後面側に進むに従って上下に広がっており、吸気口68aから後面側に進む外気は、後面側に進むに従って上下に広がり、吸湿部61の全体に行き渡り易くなる。吸湿用ダクト68は、図4に示されているように吸湿部61の全面を覆っており、下方に配置されている加湿ロータ63を上から下に向けて外気が通過する。
【0059】
(3−5−4)排気口
排気口69は、加湿ロータ63の下方にある。そして、この排気口69は、吸湿用ダクト68の上面からの投影部分にほぼ等しい領域を占める。排気口69の下方には、図6や図9に示されているように、プロペラ39bが配置されている。つまり、この排気口69は、プロペラ39bが回転するときに負圧になる空間70に対向していることになる。このような構成によって、ベルマウス52からプロペラ39bによって吹き出して吸気口68aに入った外気が、図9に二点鎖線で記されている経路を通って、負圧の空間70の方に引かれて排気口69から送風機室41に吹き出される。そのため、室外ファン39のみによって外気が吸湿部61に送られ、従来必要であった吸湿部61に外気を送るための専用のファンを省くことができる。
【0060】
(3−5−5)ヒータ
図10に示されているように、放湿部62から放湿させるために、加湿ロータ63の放湿部62の上方にヒータ71が設けられている。図11は、ヒータ71及びヒータ支持部材74を下方から見た底面図である。ヒータ71は、筒状の筐体の中に電熱線(図示省略)が設けられた構造を持ち、吸入口72から吸入されて加湿ロータ63に送られる外気を電熱線で加熱する。加湿ロータ63のハニカム構造の開口を加熱された空気が通り抜けるときに、加湿ロータ63からの放湿によって加湿用ダクト73の空気が加湿される。
【0061】
ヒータ71は、図11に示されているように、ヒータ支持部材74の下側に取り付けられている。ヒータ支持部材74は、上面部74aと周囲の外壁部74bと固定板74cとを有し、上面と側面とが上面部74aと外壁部74bとで囲まれ下方が解放されている筒体である。ヒータ71の筐体及びヒータ支持部材74は、耐熱性を必要とするため板金によって形成されている。吸入口72は、ヒータ支持部材74の前面側かつ加湿ロータ63の下にあって、吸入口72から吸入されて加湿ロータ63を上に抜けた外気がヒータ71の筐体の中を前面側から後面側に向けて通過する。このとき、ヒータ71によって外気が加熱される。ヒータ71の筐体を通過した空気は、加湿ロータ63の上を通って後面側に進む。加湿ロータ63の後面側の下方が加湿用ダクト73(図5参照)に繋がっているので、加湿用ダクト73の上方に達した空気は、加湿ロータ63を下に向けて通過して加湿用ダクト73に吸い込まれる。加湿ロータ63は、ヒータ71によって温度が上昇した空気に晒されて放湿する。このように加湿ロータ63によって加湿された空気が加湿用ダクト73を経て室内機20へと導かれる。そのため、加湿ロータ63のうち、図10に示されているように、ヒータ支持部材74の下方が放湿部62になり、それ以外の部分が吸湿部61になる。加湿ロータ63は、上面から見て時計回りに回転しており、吸湿部61として機能した加湿ロータ63の部分が回転してヒータ支持部材74の下に来ると放湿部62として機能する。つまり、加湿ロータ63は、吸湿部61と放湿部62とを兼ねる吸放湿材である。
【0062】
ヒータ支持部材74は、板金で形成されていて熱伝達率が高いため、ヒータ支持部材74が冷えるとヒータ71によって加熱された空気から再び熱が奪われる。このような状況で空気を加熱しなければならないとすると電力消費が大きくなるので、ヒータ支持部材74から熱が逃げないよう、図4に示されている上部カバー67でヒータ支持部材74が覆われている。図5から分かるように、上部カバー67の上面67cの位置の高さは、室外熱交換器33の上端33b(頂部)の高さと一致する。
【0063】
ヒータ支持部材74が外気によって冷やされるのを防ぐため、図12に示されているように、上面部74aに断熱材74dを貼り付けることが好ましい。断熱材74dとしては発泡ポリエチレンなどが用いられる。
【0064】
(3−5−6)ターボファン及び加湿用ダクト
加湿用ダクト73は、上述のように、加湿ロータ63の下方後面側に位置するとともに室外熱交換器33の前方に位置するため、室外熱交換器33を通過する外気にとっての送風抵抗になる。また、ターボファン75も室外熱交換器33の前に配置されると送風抵抗を発生させる原因になるため、比較的占有容積の大きなターボファン75は、図2や図4に示されているように機械室42に設置されている。
【0065】
プロペラ39bが加湿ユニット60の下方に配置されており、プロペラ39bの回転する領域のうち最も高い位置でも、室外熱交換器33の上端33bに比べると加湿ユニット60の高さ方向の大きさ分だけ下に位置することになる。そのため、室外熱交換器33の上端近傍を通過した外気は、プロペラ39bに向かって斜め下に向かって流れる。このような外気の流路を加湿用ダクト73ができるだけ妨げないように、加湿用ダクト73はターボファン75に近い方が室外熱交換器33の上端33bの高さと同じ位置にくるように、ターボファン75に向かって斜めに配置されている。加湿用ダクト73には、図2に示されているようにダンパ78が取り付けられており、加湿運転時における加湿用ダクト73における逆流つまりターボファン75側から加湿ロータ63へ流れる空気の流れを防止している。
【0066】
ターボファン75は、図7に示されているように、前後方向に場所を取らない配置になっている。すなわち、ターボファン75の羽根車の回転軸が前後方向に伸びる縦置きの配置となっている。そして、ターボファン75の吸込口76は、加湿ユニット60の方を向いて水平に配置されている。また、ターボファン75の吐出口77は、下方に向けて斜めに配置されている。ダンパ78を加湿用ダクト73の側に設けるとともに吐出口76を斜め下方に向けて設けることによって、ターボファン75の吐出口77及び吐出口77近傍も室外機30の内部に収納されている。右側板47の開口部47aから露出しているターボファン75の吐出口77には、給気ダクト18が取り付けられる。
【0067】
(3−5−7)加湿ユニットの固定
図12は、加湿ユニット60の断面形状を示すための室外機30の部分断面図である。加湿ユニット60は、ファンモータ台53の上にビス53aで固定されている。また、加湿ユニット60の前方が前板46にまで達している。固定された状態では、加湿ユニット60は前後左右に移動しない。そのため、室外熱交換器33の前面33aと加湿ユニット60後面60bとの間に所定隙間Isが形成されている。この隙間Isは、後面60bに形成されているリブ60cによって確実に保たれる。また、吸湿用ダクト68の後面側には、傾斜部68cが形成され、図12に示されている包囲壁65は下方に行くに従って前方に張り出すように傾斜している傾斜部65cが設けられている。傾斜部65cが設けられて下方が図12に示されているように傾斜していると、外気の通りが良くなる。
【0068】
上述のように隙間Isが形成されているため、図12に示されている経路r2のように外気が流れ、加湿ユニット60の後面側にある室外熱交換器33を外気が通過してこの通過する外気が熱交換されるので、熱交換効率が低下するのを抑制できる。
【0069】
(4)特徴
(4−1)
図4及び図5などに示されているように、加湿ユニット60のうち、加湿ロータ63やその周辺の部材の多くは、送風機室41に設置されている。一方、ターボファン75(加湿ファン)はケーシング40の機械室42に設置されている。機械室42は、送風機室41から分離されている空間であって、室外熱交換器33を通過する外気は、機械室42に流れない構成になっている。機械室42が送風機室41から分離されて遮蔽されているのは、機械室42に配置される圧縮機31などの振動による騒音が外部に漏れないようにするなどの理由による。
【0070】
このような機械室42にターボファン75が設置されるため、ターボファン75は、送風機室41の送風の妨げにならない。ターボファン75が送風の妨げにならなくなることによって、室外機の熱交換の性能の低下を防止することができる。
【0071】
また、ターボファン75は機械室42内つまりケーシング40内にあって外観を構成しない。つまり、従来のように、ターボファン75が略直方体状の加湿ユニットの一部を形作る必要がなくなる。そのため、外観に拘らずに、できる限りターボファン75の占有容積が小さくなるように設置することができる。図7や図8に示されているターボファン75は、前後に扁平な円筒の一部(吸込口や吐出口)が長く延びた歪な形になっている。このような形状は、使用者の目には触れない機械室42の中にあるために美観が損なわれることを許容して、占有体積ができる限り小さくなるように作成されたものである。それにより、加湿ユニット60のコンパクト化が達成されている。
【0072】
(4−2)
送風機室41と機械室42とは、仕切部材43によって仕切られている。機械室42に設置されているターボファン75に、室外熱交換器33から室外ファン39に流れる外気が当たることがこの仕切部材43によって完全に防がれる。このような仕切部材43の働きによって、ターボファン75を機械室42に配置したことによる熱交換の性能低下の防止効果が十分に引き出される。
【0073】
(4−3)
放湿部61からターボファン75に空気を導くために加湿ユニット60が有している加湿用ダクト68は、仕切部材43を貫通して設置されている。加湿用ダクト63のうち仕切部材43よりも機械室42側に在るものは、送風の妨げにならなくなる。その結果、加湿用ダクト68で発生する送風抵抗を減らし、熱交換の性能低下の防止効果を十分に引き出すことができる。
【0074】
(4−4)
図5に示されているように、ターボファン75(遠心送風機)は、その回転軸の延びる方向D1を前後に向けて設置されている。ターボファン75が回転軸の延びる方向よりもそれに垂直な方向の方の寸法が大きくなるため、ターボファン75を設置するための前後方向の寸法が小さくてすみ、室外機30の前後方向の寸法を小さくできる。ターボファン75によって前後方向の寸法が大きくならないようにして、室外機30のダウンサイジングを図ることができる。
【0075】
(4−5)
図5や図12に示されているように、吸湿部61と放湿部62を兼ねる円盤状の加湿ロータ63が水平に配置されている。このような構成により、加湿ユニット60は、上下方向よりも前後方向の方が大きい扁平な形状になる。それにより、前面から見た加湿ユニット60の投影面積が小さくなり、加湿ユニット60の送風抵抗を小さくすることができる。また、加湿ユニット60の上下方向の大きさが小さくなることで、高さ方向のダウンサイジングも容易になる。
【0076】
(4−6)
図2に示されているダンパ78は、放湿部62とターボファン75(加湿ファン)との間に配置され、放湿部62からターボファン75に送られる空気の逆流を妨げる。ダンパ78のような小さな部品でターボファン75から室内機20への空気の逆流を防止できるので、逆流防止にダンパ78のような小型部品を使用することで室外機30のコンパクト化を妨げずに、室外機30の加湿機能の向上を図ることができる。なお、上記実施形態では空気調和装置10が排気運転も行うように構成されているためダンパ78を用いているが、排気運転を行わない場合にはダンパ78に代えて逆止弁を用いることもできる。
【0077】
(5)変形例
(5−1)
上記実施形態では、1台の室内機20に1台の室外機30が接続されているペア型の空気調和装置10について説明したが、本発明が適用できる空気調和装置のタイプはペア型には限られない。例えば、1台の室外機に複数台の室内機が接続されているマルチ型の空気調和装置にも本発明を適用することができる。
【0078】
(5−2)
上記実施形態では、室外機30のケーシング40内が、送風機室41と機械室42の2つに分割されている場合について説明したが、内部に送風機室41が設けられているケーシング40であれば本発明の室外機を構成することができる。例えば、送風機室41と機械室42以外に仕切られた空間が形成されていてもよく、例えば機械室42が他の機能も含む他の室として設けられていてもよい。
【0079】
(5−3)
上記実施形態では、室外熱交換器33が上面視L字型の形状を呈するものについて説明したが、本発明の室外機を構成する室外熱交換器は上述の形状には限られない。例えば、上面視I字型の形状を持つ室外熱交換器で構成することもできる。
【0080】
(5−4)
上記実施形態では、室外ファン39がプロペラ型のプロペラ39bを持つものについて説明したが、プロペラ型のプロペラ39bを持つものに限られない。プロペラ型以外のタイプのプロペラを持つ室外ファンでも本発明の室外機を構成することができる。
【0081】
(5−5)
上記実施形態では、吸湿部61が放湿部62よりも大きく、図4に示されているように、吸湿部61の中心角αが180度より大きい扇形になる場合について説明したが、吸湿部61と放湿部62の大きさは適宜設定できる。例えば。吸湿部61と放湿部62の大きさはほぼ等しくなるように、中心角をそれぞれ180度に設定することもできる。
【0082】
(5−6)
上記実施形態では、吸湿部61に外気を導くための専用のファンやそのファンを駆動するためのモータを省いているが、従来よりも小型化された専用ファンや専用ファン用のモータを取り付けてもよい。そのような場合であっても、室外ファン39によって吸湿部61に送風されるため、吸湿部61に外気を導くためだけの専用ファンや専用ファン用のモータを従来に比べて小型化できる分だけ従来よりも室外機をコンパクト化できる。
【0083】
(5−7)
上記実施形態では、仕切板43によって放湿部62とターボファン75との間を仕切り場合について説明したが、図13及び図14に示されている仕切板43によって吸湿部61と放湿部62との間で仕切るように構成することもできる。図13及び図14に示されているように、吸湿部61と放湿部62との境に仕切板43を配置することによって、放湿部62と加湿用ダクト73とターボファン75とを機械室42に設置するように構成することができる。それにより、室外熱交換器33を通過した外気によって放湿部62が冷やされるのを防ぐことができる。また、ターボファン75と加湿用ダクト73の一部だけでなく、放湿部62及び加湿用ダクト73の全体が室外熱交換器33を通過した外気の通路から外れるので、これらによる通風抵抗の増加を低減することができる。
【0084】
なお、図13及び図14では、放湿部62の全体が機械室42に配置される例が示されているが、放湿部62の一部が機械室42に配置されるように構成することもできる。放湿部62の一部が機械室42に配置される場合には、全体が機械室42に配置される場合に比べて通風抵抗の増加を低減する効果や放湿部62が冷やされることを防ぐ効果は小さくなるが、第1実施形態に比べればこれらの効果は向上する。
【0085】
(5−8)
上記実施形態では、ターボファン75が、その回転軸の延びる方向D1を前後に向けて設置される場合を例に挙げて説明したが、ターボファン75の設置方向はこの例に限られるものではない。例えば、図14に示されているように、回転軸の延びる方向D2をケーシング40の長手方向である左右方向に一致させるように構成することもできる。このように回転軸の延びる方向D2をケーシング40の長手方向に一致させることにより、ケーシングの長手方向の長さを短縮し易くなる。
【符号の説明】
【0086】
10 空気調和装置
20 室内機
30 室外機
33 室外熱交換器
39 室外ファン
40 ケーシング
60 加湿ユニット
63 加湿ロータ
68 吸湿用ダクト
73 加湿用ダクト
75 ターボファン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】特開2004−353898号公報
【特許文献2】特開2008−241212号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和を行うために室内機(20)に接続される空気調和装置(10)の室外機(30)であって、
機械室(42)及び外気が通過する送風機室(41)を有するケーシング(40)と、
前記送風機室に設置され、外気との間で熱交換を行う室外熱交換器(33)と、
前記送風機室に配置され、前記室外熱交換器に外気を送風する室外ファン(39)と、
外気から吸湿するため前記送風機室に配置されている吸湿部(61)、放湿して空気を加湿するための放湿部(62)、及び前記機械室に配置されて前記放湿部で加湿された空気を前記室内機に送るための加湿ファン(75)を有する加湿ユニット(60)と、
を備える、空気調和装置の室外機。
【請求項2】
前記送風機室と前記機械室とを仕切る仕切部材(43)をさらに備える、
請求項1に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項3】
前記加湿ユニットは、前記放湿部から前記加湿ファンに空気を導くための加湿用ダクト(73)をさらに有し、前記加湿用ダクトが前記仕切部材を横切って設置されている、
請求項2に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項4】
前記加湿ユニットは、前記加湿部の少なくとも一部を前記機械室に配置している、
請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項5】
前記加湿ファンは、遠心送風機であり、前記遠心送風機の回転軸の延びる方向を前後に向けて設置されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項6】
前記加湿ファンは、遠心送風機であり、前記遠心送風機の回転軸の延びる方向を前記ケーシングの長手方向に向けて設置されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項7】
前記加湿ユニットは、前記吸湿部及び前記放湿部を構成するため前記送風機室に略水平に配置されている円盤状の加湿ロータ(63)をさらに有する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項8】
前記加湿ユニットは、前記放湿部と前記加湿ファンとの間に配置され、前記放湿部から前記加湿ファンに送られる空気の逆流を妨げるダンパ(78)又は逆止弁をさらに有する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項1】
空気調和を行うために室内機(20)に接続される空気調和装置(10)の室外機(30)であって、
機械室(42)及び外気が通過する送風機室(41)を有するケーシング(40)と、
前記送風機室に設置され、外気との間で熱交換を行う室外熱交換器(33)と、
前記送風機室に配置され、前記室外熱交換器に外気を送風する室外ファン(39)と、
外気から吸湿するため前記送風機室に配置されている吸湿部(61)、放湿して空気を加湿するための放湿部(62)、及び前記機械室に配置されて前記放湿部で加湿された空気を前記室内機に送るための加湿ファン(75)を有する加湿ユニット(60)と、
を備える、空気調和装置の室外機。
【請求項2】
前記送風機室と前記機械室とを仕切る仕切部材(43)をさらに備える、
請求項1に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項3】
前記加湿ユニットは、前記放湿部から前記加湿ファンに空気を導くための加湿用ダクト(73)をさらに有し、前記加湿用ダクトが前記仕切部材を横切って設置されている、
請求項2に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項4】
前記加湿ユニットは、前記加湿部の少なくとも一部を前記機械室に配置している、
請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項5】
前記加湿ファンは、遠心送風機であり、前記遠心送風機の回転軸の延びる方向を前後に向けて設置されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項6】
前記加湿ファンは、遠心送風機であり、前記遠心送風機の回転軸の延びる方向を前記ケーシングの長手方向に向けて設置されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項7】
前記加湿ユニットは、前記吸湿部及び前記放湿部を構成するため前記送風機室に略水平に配置されている円盤状の加湿ロータ(63)をさらに有する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外機。
【請求項8】
前記加湿ユニットは、前記放湿部と前記加湿ファンとの間に配置され、前記放湿部から前記加湿ファンに送られる空気の逆流を妨げるダンパ(78)又は逆止弁をさらに有する、
請求項1から7のいずれか一項に記載の空気調和装置の室外機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−251690(P2012−251690A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123407(P2011−123407)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
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