説明

空気調和装置

【課題】ヒータ等の冷凍サイクル以外の構成を用いることなく、室外機の底板上の氷の成長を抑制させることが可能な空気調和装置を提供する。
【解決手段】圧縮機21、室外熱交換器23、室外電動膨張弁24および室内熱交換器41を有する空気調和装置1であって、室外ファン26、室外機ケーシング2Bおよびホットガスバイパス回路Hを備えている。室外機ケーシング2Bは、底板2bを有し、室外熱交換器23および室外ファン26を底板2bの上の空間に収容している。ホットガスバイパス回路Hは、室外ファン26の下方および室外熱交換器23の下方を通過するように配置されており、室内熱交換器41から室外電動膨張弁24にいたるまで延びている室内側液管Cもしくは室外電動膨張弁24から室外熱交換器23にいたるまで延びている室外側液管Dの少なくともいずれか一方と、圧縮機21の吐出側の吐出管Aと、をバイパスしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
暖房運転時には、室外機に設けられた熱交換器は、冷媒の蒸発器として機能する。このため、屋外の空気が室外熱交換器の表面に結露して、ドレン水が生じることがある。このような状況において、空気調和装置の室外機は、冬季には0℃以下の環境にさらされることがあるため、ドレン水が氷結してしまうことがある。このため、室外熱交換器の表面が氷で覆われてしまい、熱交換性能が低下してしまうことがある。
【0003】
これに対して、以下の特許文献1に示された空気調和装置では、室外機の室外熱交換器を支える底板の上面側にヒータを設置して、氷結を防止する技術が提案されている。このヒータを利用して解凍された水やドレン水は、底板に設けられた水抜き孔を介して排水されるため、底板の上面での氷の成長を抑制することができている。
【特許文献1】特開2008−96018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のような空気調和装置では、室外機の底板上における氷の成長を抑制させるために、冷凍サイクルとは別に、ヒータを用意する必要がある。このため、部品点数が増大してしまっている。
【0005】
本発明は上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、ヒータ等の冷凍サイクル以外の構成を用いることなく、室外機の底板上の氷の成長を抑制させることが可能な空気調和装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明に係る空気調和装置は、圧縮機構、熱源側熱交換器、膨張機構および利用側熱交換器を有する空気調和装置であって、送風機、筐体およびバイパス回路を備えている。送風機は、熱源側熱交換器に対して空気流れを供給する。筐体は、底板を有し、熱源側熱交換器および送風機を底板の上の空間に収容している。バイパス回路は、送風機の下方および熱源側熱交換器の下方を通過するように配置されており、利用側熱交換器から膨張機構にいたるまで延びている第1冷媒配管もしくは膨張機構から熱源側熱交換器にいたるまで延びている第2冷媒配管の少なくともいずれか一方と、圧縮機構の吐出側の第3冷媒配管と、をバイパスしている。
【0007】
この空気調和装置では、筐体の設置場所の環境によっては、雨水や熱源側熱交換器において生じたドレン水によって底板の上側が濡れることがある。これに対して、ここでは、筐体の底板のうち、送風機の下方および熱源側熱交換器の下方の部分近傍をバイパス回路が通過するように設けられている。このため、ヒータ等の別熱源を利用することなく、バイパス回路が通過する部分近傍を暖めることができる。よって、底板の上側が濡れることがあっても、底板のうち送風機の下方および熱源側熱交換器の下方において氷が成長してしまうことを抑制することができる。これにより、送風機の駆動が氷によって妨げられる状況や熱源側熱交換器の表面が氷で覆われて熱交換効率が低減してしまう状況を回避することができるようになる。
【0008】
第2発明の空気調和装置は、第1発明の空気調和装置において、バイパス回路は、第3冷媒配管から送風機の下方を通過した後に熱源側熱交換器の下方を通過して第1冷媒配管もしくは第2冷媒配管の少なくともいずれか一方まで延びている。
【0009】
この空気調和装置では、送風機の下方における氷の成長防止を優先的に行うことができる。
【0010】
第3発明の空気調和装置は、第2発明の空気調和装置において、底板は、平面視において熱源側熱交換器に対して送風機側に位置している部分には、板厚方向に貫通した開口を有していない。
【0011】
この空気調和装置では、底板は、送風機下方近傍に開口を有していない。このため、送風機が駆動した状態において、平面視において熱源側熱交換器に対して送風機側に位置している部分を通じることで熱源側熱交換器を通過しない空気流れが生じてしまうことを防止できる。また、底板のうち送風機の下方に水が付着した場合には近くに開口が存在しないために凍結が生じやすいが、この底板のうち送風機の下方に対してはバイパス回路を通じた冷媒による優先的な熱の供給が行われる。これにより、送風機によって生じる空気流れの熱源側熱交換器に対する通過効率を向上させつつ、送風機の下方における氷の成長を効率的に抑制することができる。
【0012】
第4発明の空気調和装置は、第2発明または第3発明の空気調和装置において、底板は、熱源側熱交換器の下方に板厚方向に貫通した排水口を有している。
【0013】
この空気調和装置では、底板のうち、熱源側熱交換器の下方にたまった水は、排水口によって排水を促すことができる。これに対して、底板のうち、送風機の下方にたまった水は、近くに開口が存在しないために、凍結が生じやすいが、この底板のうち送風機の下方に対してはバイパス回路を通じた冷媒による優先的な熱の供給が行われる。これにより、熱源側熱交換器の下方よりも水の凍結が生じやすい送風機の下方を優先させて、氷の成長を効率的に抑制することができる。
【0014】
第5発明の空気調和装置は、第1発明から第4発明のいずれかの空気調和装置において、熱源側熱交換器は、圧縮機構側の冷媒通過口である圧縮機構側通過口と、膨張機構側の冷媒通過口である膨張機構側通過口と、圧縮機構通過口から膨張機構通過口までの間で通過させる冷媒と外部の流体との間で熱交換を行わせるように延びている熱交流路と、を有している。熱交流路は、第1分岐点と、第1分岐点よりも膨張機構側通過口側に設けられた第2分岐点と、第1分岐点と第2分岐点とのを独立した経路で接続する第1分岐管および第2分岐管と、第2分岐点と膨張機構側通過口とを接続しており第1分岐管および第2分岐管の少なくともいずれか一方の下方を通過している合流管と、を有している。
【0015】
この空気調和装置では、第1分岐管および第2分岐管の両方に対して冷媒を供給することで、熱交換有効面積を増大させることができる。そして、合流管に集中的に流れる冷媒によって、熱源側熱交換器の下方に氷が形成されにくくすることができる。
【0016】
なお、第5発明を第2発明に適用して得られる発明では、以下の作用効果を奏することができる。すなわち、熱源側熱交換器の下方は合流管によって暖めるこができる。しかし、送風機の下方は周辺環境の変化に依存した温度となりやすく、氷の成長を抑制することが困難になる場合がある。これに対して第5発明を第2発明に適用して得られる発明では、熱源側熱交換器の下方に対するホットガスの供給よりも、送風機の下方に対するホットガスの供給を優先させるように、熱源側熱交換器の下方よりも先に送風機の下方にホットガスを送ることで、より確実に送風機の下方における氷の成長を抑制することができる。
【0017】
第6発明の空気調和装置は、第5発明の空気調和装置において、熱源側熱交換器は、フィンをさらに有している。フィンは、第1分岐管および第2分岐管の少なくともいずれか一方と合流管とを貫通させており、第1分岐管および第2分岐管の少なくともいずれか一方の貫通部分と合流管の貫通部分とが繋がっている。
【0018】
この空気調和装置では、第1分岐管および第2分岐管の少なくともいずれか一方の熱交換および合流管の熱交換のために1つのフィンを共通して用いることが可能になる。
【0019】
第7発明の空気調和装置は、第1発明から第6発明のいずれかの空気調和装置において、底板は、バイパス回路の通過部分近傍の少なくとも一部が、下方に沈み込むように形成されているバイパス溝を有している。バイパス溝の上面側であってバイパス溝の周囲よりも低い空間に、バイパス回路の少なくとも一部が配置されている。
【0020】
この空気調和装置では、底板のうちバイパス溝が形成されている部分には、ドレン水や雨水等が溜まりやすい。これに対して、ここでは、バイパス溝の上面側であってバイパス溝の周囲よりも低い空間に、バイパス回路の一部が配置されている。このため、バイパス溝における水や氷を、バイパス回路を通じて流れてくる冷媒によって暖めることができる。これにより、底板上方の氷の成長の抑制効果を向上させることが可能になる。
【0021】
第8発明の空気調和装置は、第7発明の空気調和装置において、バイパス溝は、傾斜部分を有している。底板は、バイパス溝の傾斜部分の下端近傍において板厚方向に貫通した溝開口を有している。ここで、第8発明の溝開口と第4発明の排水口とは同一の開口であってもよい。
【0022】
この空気調和装置では、バイパス溝に溜まったドレン水や氷が解凍して生じた水を、溝開口まで導いて、溝開口から排水させることができる。これにより、ドレン水の氷結や解凍して生じた水の再氷結が生じる前に水を排水させるように促すことが可能になる。
【0023】
第9発明の空気調和装置は、第8発明の空気調和装置において、バイパス回路は、溝開口の上方を通過する部分が下端となるように傾斜した部分を有している。
【0024】
この空気調和装置では、バイパス配管の下端近傍に沿うように流れる水も、傾斜によって溝開口の上方近傍まで導かれる。これにより、排水を促進させることが可能になる。
【0025】
第10発明の空気調和装置は、第8発明または第9発明の空気調和装置において、バイパス回路のうち熱源側熱交換器の下方を通過している部分の少なくとも一部は、溝開口の上方に位置している。
【0026】
この空気調和装置では、バイパス回路のうち熱源側熱交換器の下方を流れる部分の少なくとも一部が溝開口の上を通過しているため、氷結もしくは再氷結によって溝開口が塞がれる状態を防ぐことが可能になる。
【0027】
第11発明の空気調和装置は、第1発明から第10発明のいずれかの空気調和装置において、第3冷媒配管の圧縮機構側とは反対側の端部に接続された接続切換弁をさらに備えている。接続切換弁は、圧縮機構から吐出された冷媒を利用側熱交換器側に導く第1接続状態と、圧縮機構から吐出された冷媒を熱源側熱交換器側に導く第2接続状態と、を切換可能である。
【0028】
この空気調和装置では、冷房運転および暖房運転の両方を、接続状態の切換によって実現させることができる。
【0029】
なお、第5発明との関係では、冷房運転時に膨張機構へ送る冷媒であって合流管を流れる部分の過冷却度をそろえることができる。これにより、第1、第2分岐管を通じることで分岐配管毎に過冷却度に誤差が生じることがあっても、熱源側熱交換器から流れ出る冷媒の過冷却度をそろえることができるようになる。
【0030】
第12発明の空気調和装置は、第1発明から第11発明のいずれかの空気調和装置において、バイパス回路は、通過する冷媒の圧力を低下させる減圧機構を有しており、膨張機構から熱源側熱交換器にいたるまで延びている第2冷媒配管と、圧縮機構の吐出側の第3冷媒配管と、をバイパスしている。
【0031】
この空気調和装置では、圧縮機構から吐出された冷媒の圧力を下げて、バイパス先の圧力に近づけることができる。このため、バイパス回路を通じた第2冷媒配管へのホットガスの供給によって第2冷媒配管を流れる冷媒圧力が上昇する程度を抑えることができる。
【0032】
第13発明の空気調和装置は、第1発明から第12発明のいずれかの空気調和装置において、バイパス回路における冷媒の流れを許容する状態と許容しない状態とに切換可能なバイパス切換部をさらに備えている。
【0033】
この空気調和装置では、バイパス回路を利用する状態と利用しない状態とを切り換えることが可能になる。
【0034】
第14発明の空気調和装置は、第13発明の空気調和装置において、熱源側熱交換器に付着した霜を取り除くデフロスト運転を行う場合に、バイパス切換部の状態をバイパス回路における冷媒の流れを許容する状態に切り換える切換制御部をさらに備えている。
【0035】
この空気調和装置では、バイパス回路に対して常時冷媒を流すと、暖房能力が低減してしまう。これに対して、ここでは、デフロスト運転を行う場合に限定されているため、暖房能力の低下を小さく抑えることができる。
【発明の効果】
【0036】
第1発明の空気調和装置では、送風機の駆動が氷によって妨げられる状況や熱源側熱交換器の表面が氷で覆われて熱交換効率が低減してしまう状況を回避することができるようになる。
【0037】
第2発明の空気調和装置では、送風機の下方における氷の成長防止を優先的に行うことができる。
【0038】
第3発明の空気調和装置では、送風機によって生じる空気流れの熱源側熱交換器に対する通過効率を向上させつつ、送風機の下方における氷の成長を効率的に抑制することができる。
【0039】
第4発明の空気調和装置では、熱源側熱交換器の下方よりも水の凍結が生じやすい送風機の下方を優先させて、氷の成長を効率的に抑制することができる。
【0040】
第5発明の空気調和装置では、熱交換有効面積を増大させつつ、熱源側熱交換器の下方に氷が形成されにくくすることができる。
【0041】
第6発明の空気調和装置では、1つのフィンを共通して用いることが可能になる。
【0042】
第7発明の空気調和装置では、底板上方の氷の成長の抑制効果を向上させることが可能になる。
【0043】
第8発明の空気調和装置では、レン水の氷結や解凍して生じた水の再氷結が生じる前に水を排水させるように促すことが可能になる。
【0044】
第9発明の空気調和装置では、排水を促進させることが可能になる。
【0045】
第10発明の空気調和装置では、氷結もしくは再氷結によって溝開口が塞がれる状態を防ぐことが可能になる。
【0046】
第11発明の空気調和装置では、冷房運転および暖房運転の両方を、接続状態の切換によって実現させることができる。
【0047】
第12発明の空気調和装置では、バイパス回路を通じた第2冷媒配管へのホットガスの供給によって第2冷媒配管を流れる冷媒圧力が上昇する程度を抑えることができる。
【0048】
第13発明の空気調和装置では、バイパス回路を利用する状態と利用しない状態とを切り換えることが可能になる。
【0049】
第14発明の空気調和装置では、暖房能力の低下を小さく抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態における電磁誘導加熱ユニット6およびこれを備えた空気調和装置1について、例に挙げて説明する。
【0051】
<1−1>空気調和装置1
図1に、空気調和装置1の冷媒回路10を示す冷媒回路図を示す。
【0052】
空気調和装置1は、熱源側装置としての室外機2と、利用側装置としての室内機4とが冷媒配管によって接続されて、利用側装置が配置された空間の空気調和を行うものであって、圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電動膨張弁24、アキュームレータ25、室外ファン26、室内熱交換器41、室内ファン42、ホットガスバイパス弁27、キャピラリーチューブ28および電磁誘導加熱ユニット6等を備えている。
【0053】
圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電動膨張弁24、アキュームレータ25、室外ファン26、ホットガスバイパス弁27、キャピラリーチューブ28および電磁誘導加熱ユニット6は、室外機2内に収容されている。室内熱交換器41および室内ファン42は、室内機4内に収容されている。
【0054】
冷媒回路10は、吐出管A、室内側ガス管B、室内側液管C、室外側液管D、室外側ガス管E、アキューム管F、吸入管G、ホットガスバイパス回路H、分岐配管Kおよび合流配管Jを有している。室内側ガス管Bおよび室外側ガス管Eは、ガス状態の冷媒が多く通過するものではあるが、通過する冷媒をガス冷媒に限定しているものではない。室内側液管Cおよび室外側液管Dは、液状態の冷媒が多く通過するものではあるが、通過する冷媒を液冷媒に限定しているものではない。
【0055】
吐出管Aは、圧縮機21と四路切換弁22とを接続している。
【0056】
室内側ガス管Bは、四路切換弁22と室内熱交換器41とを接続している。
【0057】
室内側液管Cは、室内熱交換器41と室外電動膨張弁24とを接続している。 室外側液管Dは、室外電動膨張弁24と室外熱交換器23とを接続している。
【0058】
室外側ガス管Eは、室外熱交換器23と四路切換弁22とを接続されている。
【0059】
アキューム管Fは、四路切換弁22とアキュームレータ25とを接続しており、室外機2の設置状態で鉛直方向に伸びている。アキューム管Fの一部に対して、電磁誘導加熱ユニット6が取り付けられている。アキューム管Fのうち、少なくとも電磁誘導加熱ユニット6によって覆われている被加熱部分は、銅管F1の周囲をSUS(Stainless Used Steel:ステンレス鋼)管F2が覆って構成されている(図7参照)。冷媒回路10を構成する配管のうちSUS管以外の部分は、銅管で構成されている。なお、上記銅管の周囲を覆う管の材質はSUSに限定されるものではなく、例えば、鉄、銅、アルミ、クロム、ニッケル等の導体およびこれらの群から選ばれる少なくとも2種以上の金属を含有する合金等とすることができる。また、SUSとしては、例えば、フェライト系、マルテンサイト系、オーステナイト系の3種およびこれらの種類を組み合わせたものが例として挙げられる。また、ここでのアキューム管Fは、磁性体および磁性体を含有する材料を備えていなくてもよく、誘導加熱が行われる対象となる材質を含有するものであればよい。なお、磁性体材料は、例えば、アキューム管Fのすべてを構成していてもよいし、アキューム管Fの内側表面のみに形成されていてもよく、アキューム管F配管を構成する材料中に含有されることで存在していてもよい。このように電磁誘導加熱を行うことで、アキューム管Fを電磁誘導によって加熱させることができ、アキュームレータ25を介して圧縮機21に吸入される冷媒を暖めることができる。これにより、空気調和装置1の暖房能力を向上させることができる。また、例えば、暖房運転の起動時においては、圧縮機21が十分に暖まっていない場合であっても、電磁誘導加熱ユニット6による迅速な加熱によって起動時の能力不足を補うことができる。さらに、四路切換弁22を冷房運転用の状態に切り換えて、室外熱交換器23等に付着した霜を除去するデフロスト運転を行う場合には、電磁誘導加熱ユニット6がアキューム管Fを迅速に加熱することで、圧縮機21は迅速に暖められた冷媒を対象として圧縮することができる。このため、圧縮機21から吐出するホットガスの温度を迅速に上げることができる。これにより、デフロスト運転によって霜を解凍させるのに必要とされる時間を短縮化させることができる。これにより、暖房運転中に適時デフロスト運転を行うことが必要となる場合であっても、できるだけ早く暖房運転に復帰させることができ、ユーザの快適性を向上させることができる。
【0060】
吸入管Gは、アキュームレータ25と圧縮機21の吸入側とを接続している。
【0061】
ホットガスバイパス回路Hは、吐出管Aの途中に設けられた分岐点A1と室外側液管Dの途中に設けられた分岐点D1とを接続している。ホットガスバイパス回路Hは、途中に冷媒の通過を許容する状態と許容しない状態とを切換可能なホットガスバイバス弁27が配置されている。
【0062】
分岐配管Kは、室外熱交換器23の一部を構成しており、熱交換を行うための有効表面積を増大させるために、室外熱交換器23のガス側出入口23eから伸びる冷媒配管が後述する分岐合流点23kで複数本に分岐した配管である。この分岐配管Kは、分岐合流点23kから合流分岐点23jまでそれぞれ独立して延びている第1分岐配管K1、第2分岐配管K2および第3分岐配管K3を有しており、これらの各分岐配管K1、K2、K3は合流分岐点23jで合流している。なお、合流配管J側から見ると、合流分岐点23jで分岐して分岐配管Kが延びている。
【0063】
合流配管Jは、室外熱交換器23の一部を構成しており、合流分岐点23jから室外熱交換器23の液側出入口23dまで伸びている配管である。合流配管Jは、冷房運転時に室外熱交換器23から流れ出る冷媒の過冷却度を統一させることができるとともに、暖房運転時に室外熱交換器23の下端近傍に着霜した氷を解凍させることができる。合流配管Jは、各分岐配管K1、K2、K3の断面積の略3倍の断面積を有しており、通過冷媒量が、各分岐配管K1、K2、K3の略3倍になっている。
【0064】
四路切換弁22は、冷房運転サイクルと暖房運転サイクルとを切換可能である。図1では、暖房運転を行う際の接続状態を実線で示し、冷房運転を行う際の接続状態を点線で示している。暖房運転時には、室内熱交換器41が冷媒の冷却器として、室外熱交換器23が冷媒の加熱器として機能する。冷房運転時には、室外熱交換器23が冷媒の冷却器として、室内熱交換器41が冷媒の加熱器として機能する。
【0065】
室外熱交換器23は、ガス側出入口23e、液側出入口23d、分岐合流点23k、合流分岐点23j、分岐配管K、合流配管Jおよび熱交フィン23zを有している。ガス側出入口23eは、室外熱交換器23の室外側ガス管E側の端部に位置しており、室外側ガス管Eと接続される。液側出入口23dは、室外熱交換器23の室外側液管D側の端部に位置しており、室外側液管Dと接続される。分岐合流点23kは、ガス側出入口23eから伸びる配管を分岐させており、流れる冷媒の方向に応じて冷媒を分岐もしくは合流させることができる。分岐配管Kは、分岐合流点23kにおける各分岐部分から複数本伸びている。合流分岐点23jは、分岐配管Kを合流させており、流れる冷媒の方向に応じて冷媒を合流もしくは分岐させることができる。合流配管Jは、合流分岐点23jから液側出入口23dまで伸びている。熱交フィン23zは、板状のアルミフィンが板厚方向に複数枚並んで、所定の間隔で配置されて構成されている。分岐配管Kおよび合流配管Jは、いずれも、熱交フィン23zを共通の貫通対象としている。具体的には、分岐配管Kおよび合流配管Jは、共通の熱交フィン23zの異なる部分で板圧方向に貫通して配置されている。
【0066】
室外機2内に配置される機器を制御する室外制御部12と、室内機4内に配置されている機器を制御する室内制御部13とが、通信線11aによって接続されることで、制御部11を構成している。この制御部11は、空気調和装置1を対象とした種々の制御を行う。
【0067】
<1−2>室外機2
図2に、室外機2の正面側の外観斜視図を示す。図3に、室外機2の背面側の外観斜視図を示す。図4に、室外熱交換器23および室外ファン26との位置関係についての斜視図を示す。図5に、室外熱交換器23および底板2bとの位置関係についての斜視図を示す。
【0068】
室外機2は、天板2a、底板2b、フロントパネル2c、左側面パネル2d、右側面パネル2fおよび背面パネル2eによって構成される略直方体形状の室外機ケーシングによって外表面を構成している。
【0069】
室外機2は、室外熱交換器23および室外ファン26等が配置されており左側面パネル2d側である送風機室と、圧縮機21や電磁誘導加熱ユニット6が配置されており右側面パネル2f側である機械室と、に仕切り板2h(図19等参照)を介して区切られている。なお、電磁誘導加熱ユニット6は、機械室のうちの左側面パネル2dおよび天板2aの近傍である上方の位置に配置されている。ここで、上述した室外熱交換器23の熱交フィン23zは、略水平方向に板厚方向が向くようにしつつ、板厚方向に複数並んで配置されている。合流配管Jは、室外熱交換器23の熱交フィン23zのうち最も下の部分において、熱交フィン23zを厚み方向に貫通することで配置されている。ホットガスバイパス回路Hは、室外ファン26および室外熱交換器23の下方を沿うように配置されている。
【0070】
<1−3>電磁誘導加熱ユニット6
図6に、電磁誘導加熱ユニット6の概略斜視図を示す。図7に、電磁誘導加熱ユニット6の断面図を示す。図8に、電磁誘導加熱ユニット6から遮蔽カバー75を取り除いた状態の外観斜視図を示す。
【0071】
電磁誘導加熱ユニット6は、アキューム管Fのうち被加熱部分を径方向外側から覆うように配置されており、電磁誘導加熱によって被加熱部分を加熱する。このアキューム管Fの被加熱部分は、内側の銅管F1と外側のSUS管F2とを有する二重管構造となっている。なお、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fへ固定する前に、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fに対して位置決めさせるため、図11に示すようなビィンディング97が用いられる。これにより、電磁誘導加熱ユニット6のアキューム管Fに対する位置が定まったままで、固定作業を行うことができ、作業性がよい。
【0072】
電磁誘導加熱ユニット6は、第1六角ナット61、第2六角ナット66、C型リング62、第1ボビン蓋63、第2ボビン蓋64、ボビン本体65、第1フェライトケース71、第2フェライトケース72、第3フェライトケース73、第4フェライトケース74、第1フェライト98、第2フェライト99、コイル68、遮蔽カバー75、サーミスタ14およびヒューズ15を備えている。
【0073】
第1六角ナット61は、樹脂製であって、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fに対して上端近傍で固定する。第2六角ナット66は、樹脂製であって、電磁誘導加熱ユニット6をアキューム管Fに対して下端近傍で固定する。
【0074】
C型リング62は、樹脂製であって、第1六角ナット61および第1ボビン蓋63と協同して、アキューム管Fに対して面接触して固定される。なお、図示しないが、第2六角ナット66および第2ボビン蓋64とも協同して、アキューム管Fに対して面接触して固定される。
【0075】
第1ボビン蓋63は、樹脂製であって、電磁誘導加熱ユニット6においてアキューム管Fとコイル68との相対位置を決める部材の1つであり、電磁誘導加熱ユニット6の上方でアキューム管Fを周囲から覆う。第2ボビン蓋64は、樹脂製であって、第1ボビン蓋63と同一形状であって、電磁誘導加熱ユニット6の下方でアキューム管Fを周囲から覆う。図13に、第1ボビン蓋63の上面図を示す。図14に、第1ボビン蓋63の下面図を示す。第1ボビン蓋63は、アキューム管Fを貫通させつつ、第1六角ナット61およびC型リング62と協同してアキューム管Fと電磁誘導加熱ユニット6とを固定させるための配管用筒状部63cを有している。第1ボビン蓋63は、コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cを通過させつつ保持するために、外周部分から内側に向けて形成された略T字形状のフック形状部63aを有している。第1ボビン蓋63は、ボビン本体65とSUS管F2との間に滞留している熱を外部に放出させるために上下方向に貫通した放熱開口65bを複数有している。第1ボビン蓋63は、第1〜第4フェライトケース71〜74をネジ69を介して螺着させるための、ネジ69用の螺着孔63dを4つ有している。さらに、第1ボビン蓋63は、ヒューズ差し込み開口63eおよびサーミスタ差し込み開口63fを有している。このヒューズ差し込み開口63dは、図16に示すヒューズ15を取り付ける際の開口であって、ヒューズ15の差し込み方向視における外縁形状に沿った形状の開口である。サーミスタ差し込み開口63fは、図15に示すサーミスタ14を取り付ける際の開口であって、サーミスタ14の差し込み方向視における外縁形状に沿った形状の開口である。なお、サーミスタ14およびヒューズ15は、電磁誘導加熱ユニット6の下方から取り付けられるため、第1ボビン蓋63のサーミスタ差し込み開口63fおよびヒューズ差し込み開口63dは、放熱開口63bと同様の放熱機能を発揮することになる。ここで、放熱しようとする暖かい空気はボビン本体65内の上方の空間に溜まるため、上方の放熱開口を下方よりも多く設けておくことで効率的な放熱を行うことが可能となっている。そして、第2ボビン蓋64のサーミスタ差し込み開口63fにはサーミスタ14が挿入され、第2ボビン蓋64のヒューズ差し込み開口63dにはヒューズ15が挿入され、それぞれ取り付けられる。図14に示すように、第1ボビン蓋63の下面側には、ボビン本体65の上端円筒部(後述する)の内側に位置することでボビン本体65と嵌り合うボビン用筒上部65gが下方に延びている。このボビン用筒上部65gは、上述した放熱開口63b、螺着孔63d、ヒューズ差し込み開口63eおよびサーミスタ差し込み開口63fの貫通状態を閉ざすことないように、各開口の外縁に沿った部分から貫通方向に延びて形成されている。なお、第1ボビン蓋63が有している開口や形状は、第2ボビン蓋64についても同様であり、第1ボビン蓋63における63番台の各部材番号は第2ボビン蓋64における64番台の部材番号にそれぞれ対応させて示し、説明は省略する。なお、第2ボビン蓋64についても、第1ボビン蓋63と同様に、配管用筒上部64cを有しており(図7参照)、ボビン本体65の下端円筒部(後述する)に対して嵌り合う。
【0076】
ボビン本体65は、図9の概略斜視図に示すように、コイル68が巻き付けられる。ボビン本体65は、図10に示すように、円筒状の形状である円筒部65aを有している。ボビン本体65は、上端からわずかに下がった部分で径方向に突出して形成される第1巻き止め部65sと、下端からわずかに上がった部分で径方向に突出して形成される第2巻き止め部65tと、を有している。第1巻き止め部65sより上方には、上端円筒部65xが延びている。第2巻き止め部65tより下方には、下端円筒部65yが延びている。第1巻き止め部65sは、径方向外側にさらに突出した第1コイル保持部65bを有している。この第1コイル保持部65bは、コイル第1部分68bを挟み込むために径方向内側に窪んで形成されたコイル保持溝65cと、コイル第2部分68cを挟み込むために径方向内側に窪んで形成されたコイル保持溝65dと、を有している。第2巻き止め部65tは、第1巻き止め部65sと同様に、コイル保持溝65f、65gが形成された第2コイル保持部65eを有している。図12の電磁誘導加熱ユニット6の下面図に示すように、ボビン本体65に形成されているコイル保持溝65f、65gは、アキューム管Fが延びる方向からみた場合に、第2ボビン蓋64のフック形状部64aによって外側が覆われることで、コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cをより確実に保持することができている。また、コイル保持溝65f、65gと、フック形状部64aとは、アキューム管Fが延びている方向にずれて配置されるため、コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cが延びている方向の複数箇所において保持することができるため、コイル68に対して局所的な負荷が生じにくいようにすることができている。ボビン本体65には、アキューム管F側の内側において、アキューム管Fとの間に空間が形成されており、コイル68に電流が流れた際に生じる磁束がより効率的にアキューム管FのSUS管F2を通過するように距離をとっている。
【0077】
第1フェライトケース71は、第1ボビン蓋63と第2ボビン蓋64とをアキューム管Fの延びている方向から挟み込む。また、第1フェライトケース71は、後述する第1フェライト98および第2フェライト99を収容する部分を有している。第2フェライトケース72、第3フェライトケース73、第4フェライトケース74についても、第1フェライトケース71と同様であって、これらは、ボビン本体65、第1ボビン蓋63および第2ボビン蓋64を外側4方向から覆う位置に配置される。図6、図8および図12に示すように、第1ボビン蓋63は、第1〜第4フェライトケース71〜74それぞれと、金属製のネジ69を介して螺着され、固定される。
【0078】
第1フェライト98は、透磁率の高い素材であるフェライトによって構成されており、コイル68に電流を流した際に、SUS管F2以外の部分にも生じる磁束を集めて磁束の通り道を形成する。この第1フェライト98は、特に、電磁誘導加熱ユニット6の上端近傍および下端近傍の第1〜第4フェライトケース71〜74の収容部に収容される。第2フェライト99についても、配置位置および形状以外は上記第1フェライト98と同様であり、第1〜第4フェライトケース71〜74の収容部のうちボビン本体65の外側近傍の位置に配置される。ここで、第1フェライト98および第2フェライト99が設けられていない場合には、例えば、図17に示すように、周囲に磁束が漏れ出してしまうことになる。これに対して、本実施形態の電磁誘導加熱ユニット6では、コイル68の外側に第1フェライト98および第2フェライト99が設けられているために、図18に示すように磁束が流れ、漏れ磁束を低減させることができている。
【0079】
コイル68は、ボビン本体65の外側においてアキューム管Fの延びる方向を軸方向として螺旋状に巻き付けられているコイル巻き付け部分68a、コイル巻き付け部分68aに対してコイル68の一端側に延びているコイル第1部分68bと、コイル68の一端側とは反対側である他端側に延びているコイル第2部分68cと、を有している。このコイル68は、第1〜第4フェライトケース71〜74の内側に位置している。コイル第1部分68bおよびコイル第2部分68cは、図11に示すように、制御用プリント基板18と接続されている。そして、コイル68は、この制御用プリント基板18から高周波電流の供給を受ける。制御用プリント基板18は、制御部11によって制御されている。高周波電流の供給を受けると、コイル巻き付け部分68aが磁束を生じさせる。具体的には、図18において点線で示すように、SUS管F2のコイル巻き付け部68aからの最寄り部分と、第1フェライト98、第2フェライト99および遮蔽カバー75のコイル巻き付け部68aからの最寄り部分と、をアキューム管Fに対する径方向であってかつ軸方向に広がっている面上において略楕円形状となるように磁束が生じる。このようにして生じた磁束によって、SUS管F2は、電磁誘導によって電流(渦電流)が生じる。ここでSUS管F2を電流が流れる際に電気抵抗となる部分で発熱が生じることになる。このように、コイル68は、ボビン本体65の外側に巻き付けるだけで、軸方向がアキューム管Fの軸方向と略共通となるようにコイル68を配置させることができる。そして、コイル68が略筒状形状に配置されることで、アキューム管FのSUS管F2に対してより多くの磁束を供給することができ、加熱効率を向上させることができている。なお、ここでは、コイル68の材料として、効率よく磁束を生じさせる観点から、良導体である銅線を用いている。なお、コイル68の材料としては、電気を流せるものであれば特に限定されるものではない。
【0080】
遮蔽カバー75は、図6と図8を比較すると分かるように、電磁誘導加熱ユニット6の最外周部分に配置されており、第1フェライト98および第2フェライト99だけでは呼び込みきれない磁束を集める。図6に示すように、遮蔽カバー75は、第1フェライトケース71に対して、ネジ70a、70b、70c、70dを介して螺着されることで固定されている。これにより、電磁誘導加熱ユニット6においては、この遮蔽カバー75の外側にはほとんど漏れ磁束が生じず、磁束の発生場所について自決することができている。
【0081】
サーミスタ14は、図15に示すように、アキューム管Fの外表面に対して直接接触するように取り付けられ、サーミスタ検知部14a、外側突起14b、側面突起14cおよびサーミスタ配線14dを有している。サーミスタ検知部14aは、アキューム管Fの外表面の湾曲形状に沿うような形状を有しており、実質的な接触面積を有している。外側突起14bは、サーミスタ14の取り付け状態において、アキューム管Fから離れる方向に突出した状態となる突起であって、第2ボビン蓋64のサーミスタ差し込み開口63fの縁に沿った形状となっている。側面突起14cも、外側突起14bと同様に第2ボビン蓋64のサーミスタ差し込み開口63fの縁に沿った形状となっており、外側突起14bから離れる向きに延びている。サーミスタ配線14dは、サーミスタ検知部14aの検知結果を信号にして制御部11まで伝える。なお、サーミスタ14は、図15において上方に向けて挿入されるが、外側突起14bおよび側面突起14cを有しているため、サーミスタ差し込み開口63fと同様に、挿入方向からみて非対称な形状となっている。このため、サーミスタ14の取り付け作業において間違いが生じないようにすることができており、取り付け作業性が向上している。
【0082】
ヒューズ15は、図16に示すように、アキューム管Fの外表面に対して直接接触するように取り付けられ、ヒューズ検知部15a、非対称形状15bおよびヒューズ配線15dを有している。ヒューズ検知部15aは、アキューム管Fの外表面の湾曲形状に沿うように湾曲した窪み形状を有しており、実質的な接触面積を有している。非対称形状15bは、上述したサーミスタ14と同様に、図16において上方に向けて挿入されるが、ヒューズ差し込み開口63dと同様に、挿入方向からみて非対称な形状となっている。このため、ヒューズ15の取り付け作業において間違いが生じないようにすることができており、取り付け作業性が向上している。ヒューズ配線15dについても、制御部11にタイして接続されている。そして、ヒューズ15が所定温度を超える温度を検知した場合に、コイル68への電力供給を停止させる制御を、制御部11に開始させる。
【0083】
<1−4>室外機2の内部構造
図18に、室外機2の機械室の内部構造を示す全体前方斜視図を示す。図19に、室外機2の内部構造を示す全体後方斜視図を示す。図20に、室外機2の機械室の内部構造を示す斜視図を示す。図21に、室外機2の機械室の内部構造の右側面図を示す。図23に、室外機2の機械室の背面図を示す。
【0084】
図18、図19に示すように、室外機2は、室外熱交換器23、室外ファン26等が配置されている送風機室と、電磁誘導加熱ユニット6、圧縮機21、アキュームレータ25等が配置されている機械室と、を区切るように前方から後方に向けて上端から下端に掛けて延びている仕切り板2hを有している。また、室外機2は、底板2bに対して螺着されることで固定され、室外機2の最下端部を右側と左側において構成する室外機支持台2gを有している。
【0085】
圧縮機21およびアキュームレータ25は、室外機2の機械室の下方の空間に配置されている。そして、電磁誘導加熱ユニット6、四路切換弁22および室外制御部12は、室外機2の機械室の上方の空間であって、圧縮機21やアキュームレータ25等の上の空間に配置されている。
【0086】
図21、図22、図23に示すように、室外機2を構成する機能要素であって機械室に配置されている圧縮機21、四路切換弁22、室外熱交換器23、室外電動膨張弁24、アキュームレータ25、ホットガスバイパス弁27、キャピラリーチューブ28および電磁誘導加熱ユニット6は、図1において示した冷媒回路10を実現するように、吐出管A、室内側ガス管B、室外側液管D、室外側ガス管E、アキューム管F、ホットガスバイパス回路H等を介して接続されている。
【0087】
ここで、ホットガスバイパス回路Hは、後述するように、第1バイパス部分H1〜第9バイパス部分H9の、9つの部分が繋がって構成されており、ホットガスバイパス回路Hに冷媒が流れる際は、第1バイパス部分H1から順番に第9バイパス部分H9に向かう方向に流れる。
【0088】
室外電動膨張弁24、ホットガスバイパス弁27およびホットガスバイパス回路Hの第9バイパス部分H9は、1つの部材である連結部材29に対して固定されており、一体化されたASSYを構成している。
【0089】
図21、図22、図23および図1に示すように、室外熱交換器23から室外電動膨張弁24へと延びている室外側液管Dは、分岐点D1において、ホットガスバイパス回路Hと合流している。そして、分岐点D1で合流した冷媒が上方に流れていくことで、室外電動膨張弁24に至る。ここで室外熱交換器23から延びる室外側液管Dのうち分岐点D1に至る直前の部分が、配管巻き付け具29aによって保持されている。この配管巻き付け具29aは、ネジ29xを介して連結部材29に螺着されている。また、ホットガスバイパス回路Hの第9バイパス部分H9のうち、キャピラリーチューブ28との境界部分近傍は、配管巻き付け具29cによって保持されている。この配管巻き付け具29cも、ネジ29zを介して連結部材29に螺着されている。また、ホットガスバイパス弁27は、バイパス弁固定具29bによって保持されている。バイパス弁固定具29bも、ネジ29yを介して連結部材29に螺着されている。このようにして、室外側液管Dのうち分岐点D1に至る直前の部分と、第9バイパス部分H9のうちキャピラリーチューブ28との境界部分近傍と、ホットガスバイパス弁27とが、連結部材29に固定されることで、分岐点D1と室外側液管Dを介して接続されている室外電動膨張弁24、第9バイパス部分H9およびホットガスバイパス弁27がASSYとなっている。
【0090】
なお、ホットガスバイパス回路Hは、キャピラリーチューブ28を介して室外側液管Dに接続されているため、暖房運転時の室外電動膨張弁24による冷媒圧力の低下後の圧力に近づけることができる。このため、ホットガスバイパス回路Hを通じた室外側液管Dへのホットガスの供給によって室外側液管Dを流れる冷媒圧力が上昇する程度を抑えることができる。
【0091】
<1−5>室外機2の底板近傍の構造
図24に、室外機2の底板と室外熱交換器との斜視図を示す。図25に、室外機2の送風機構を取り除いた状態での平面図を示す。図26に、室外機2の底板の平面図を示す。
【0092】
上述したように、合流配管Jの断面積は、第1分岐配管K1、第2分岐配管K2および第3分岐配管K3の各配管の断面積相当の面積を有している。このため、室外熱交換器23のうち、第1分岐配管K1、第2分岐配管K2および第3分岐配管K3の部分では、合流配管Jよりも熱交換有効表面積を増大させることができている。また、合流配管Jの部分には、第1分岐配管K1、第2分岐配管K2および第3分岐配管K3の部分と比較して、大量の冷媒がまとまって集中的に流れているため、室外熱交換器23の下方における氷の成長をより効果的に抑制させることができている。
【0093】
合流配管Jは、冷房運転時に室外熱交換器23から流れ出る冷媒の過冷却度を統一させることができるとともに、暖房運転時に室外熱交換器23の下端近傍に着霜した氷を解凍させることができる。ここで、図24に示すように、合流配管Jは、第1合流配管部分J1、第2合流配管部分J2、第3合流配管部分J3および第4合流配管部分J4が互いに接続されることで構成されている。そして、室外熱交換器23のうち分岐配管Kを流れてきた冷媒は、合流分岐点23jにおいて合流され、冷媒回路10における冷媒の流れを1つにまとめられた状態で、室外熱交換器23の最下端部分を一往復するように配置されている。ここで、第1合流配管部分J1は、合流分岐点23jから室外熱交換器23の最縁部に配置された熱交フィン23zまで延びている。第2合流配管部分J2は、第1合流配管部分J1の端部から複数枚の熱交フィン23zを貫通するように延びている。また、第4合流配管部分J4は、第2合流配管部分J2と同様に、複数枚の熱交フィン23zを貫通するように延びている。第3合流配管部分J3は、第2合流配管部分J2と第4合流配管部分J4とを室外熱交換器23の端部において接続するU字管である。
【0094】
冷房運転時には、冷媒回路10における冷媒の流れは、分岐配管Kにおいて複数に分かれている流れを合流配管Jが1つにまとめることになるため、たとえ分岐配管Kを流れる冷媒の合流分岐点23jの直前部分における過冷却度が分岐配管Kを構成する個々の配管を流れる冷媒毎に異なっていたとしても、合流配管Jにおいて冷媒流れを1つにできることため、室外熱交換器23の出口の過冷却度を整えることができる。そして、暖房運転時おいてでフロスト運転をする場合には、ホットガスバイパス弁27を開けて、圧縮機21から吐出した温度の高い冷媒を、室外熱交換器23の他の部分より先に、室外熱交換器23の下端に設けられている合流配管Jに供給することができる。このため、室外熱交換器23の下方近傍に着霜した氷を効果的に解凍させることができる。
【0095】
ホットガスバイパス回路Hは、図24および図25に示すように、第1バイパス部分H1〜第8バイパス部分H8を有している。ここで、ホットガスバイパス回路Hは、吐出管Aから分岐点A1で分岐してホットガスバイパス弁27まで延びており、このホットガスバイパス弁27からさらに延びる部分が第1バイパス部分H1である。第2バイパス部分H2は、第1バイパス部分H1の端部から、背面側近傍において送風機室側に延びている。第3バイパス部分H3は、第2バイパス部分H2の端部から、正面側に向けて延びている。第4バイパス部分H4は、第3バイパス部分H3の端部から、機械室側とは反対側である左側に向けて延びている。第5バイパス部分H5は、第4バイパス部分H4の端部から、背面側に向けて、室外機ケーシングの背面パネル2eとの間に間隔が確保できる部分まで延びている。第6バイパス部分H6は、第5バイパス部分H5の端部から、機械室側である右側であってかつ背面側に向けて延びている。第7バイパス部分H7は、第6バイパス部分H6の端部から、機械室側である右側に向けて送風機室内を延びている。第8バイパス部分H8は、第7バイパス部分H7の端部から、機械室内を延びている。第9バイパス部分H9は、第8バイパス部分H8の端部から、キャピラリーチューブ28に至るまで延びている。
【0096】
このホットガスバイパス回路Hは、上述したように、ホットガスバイパス弁27が開けられた状態で、第1バイパス部分H1から順番に、第9バイパス部分H9に向けて冷媒を流していく。このため、圧縮機21から延びている吐出管Aの分岐点A1で分岐する冷媒は、第9バイパス部分H9を流れる冷媒よりも先に、第1バイパス部分H1側を流れる。このため、ホットガスバイパス回路Hを流れる冷媒は、全体として見ると、第4バイパス部分H4を流れた後の冷媒が、第5〜第8バイパス部分H8へと流れていき、第4バイパス部分H4を流れる冷媒温度のほうが、第5〜第8バイパス部分H8を流れる冷媒温度よりも高温となりやすい。
【0097】
(室外機2の底板2b)
図26に、室外機2の底板2bの平面図を示す。図27に、室外機の底板2bの正面図を示す。図28に、室外機2の底板2bの背面図を示す。図29に室外機2の底板2bの左側面図を示す。図30に、室外機の底板2bの右側面図を示す。
【0098】
底板2bは、略水平方向に広がっている底板本体80から延びる底板正面部81、底板背面部82、底板左側面部83および底板右側面部84を有している。底板正面部81は、底板本体80の前面側端部から鉛直上方に向けてわずかに延びており、フロントパネル2cの下端と螺合するために厚み方向に貫通したネジ穴81aを複数有している。底板背面部82は、底板本体80の背面側端部から鉛直上方に向けてわずかに延びており、背面パネル2eの下端と螺合するために厚み方向に貫通したネジ穴82aを複数有している。底板左側面部83は、底板本体80の左側面側端部から鉛直上方に向けてわずかに延びており、左側面パネル2dの下端と螺合するために厚み方向に貫通したネジ穴83aを複数有している。底板右側面部84は、底板本体80の右側面側端部から鉛直上方に向けてわずかに延びており、右側面パネル2fの下端と螺合するために厚み方向に貫通したネジ穴84aを複数有している。
【0099】
また、底板本体80は、鉛直方向において最下端に位置するように鉛直方向に凹んで形成されている底部分85を有している。
【0100】
(底板2bの凹凸および開口形状)
図31に、図26におけるB−B断面の断面図を示す。図32に、図26におけるC−C断面の断面図を示す。図33に、図26におけるD−D断面の断面図を示す。図34に、図26におけるN−N断面の近傍の構成図を示す。
【0101】
底板本体80は、室外ファン26や室外熱交換器23から落下してくるドレン水や雨水等を排水するために周囲よりもわずかに鉛直下方に凹んで形成されている排水溝部88を有している。排水溝部88は、主として、室外ファン26の下方に位置するファン羽根下方部88Aと、室外熱交換器23の下方に位置する室外熱交下方部88Bとを有している。この底板本体80に形成されている溝は、最も深い部分の深さが10mmである。
【0102】
ファン羽根下方部88Aは、仕切り板2hの位置する下端近傍から、機械室とは反対側である左側に向けて、送風機室内を底板左側面部83近傍まで延びている。このファン羽根下方部88Aは、室外ファン26の羽根部分のうち回転軸から最も離れた部分が通過する位置を下方に投影した位置に設けられている。室外ファン26は、風量を大きくするために回転軸から羽根の先端までの距離を大きくなりがちになる。このため、室外ファン26の羽根のうち回転軸から最も遠い部分は、設置状態において底板2bの上方面近傍を通過することになりやすい。このため、底板本体80のうち、この羽根の通過する部分の下方のエリアには、氷を成長させないことが好ましい。このファン羽根下方部88Aは、仕切り板2hの近傍である高部88aと、高部88aよりも高さ位置が低い低部88bと、この高部88aと低部88bとを結ぶ溝である傾斜部88abとを有している。傾斜部88abは、図34のN―N断面の近傍構成図に示すように、左側から機械室側に向かうにつれて上方に上がるように、水平方向に対して1度傾斜している。これにより、室外ファン26の下方の高部88aに落ちた水は、低部88bまで流れ落ちる。また、これにより、室外ファン26の形状を底板2b近傍まで延びている程度に大きくしても、氷によって羽根が損傷することを防止できる。
【0103】
室外熱交下方部88Bは、図33のD−D断面図に示すように、室外熱交換器23を下方に投影した位置に設けられており、前面左側角溝部88c、左側面溝部88d、背面左側角溝部88e、背面側溝部88f、および、背面機械室側溝部88gを有している。前面左側角溝部88cは、ファン羽根下方部88Aの低部88bと同じ高さで連続的に繋がった溝であり、左側端部近傍から背面側に向けて延びている。左側面溝部88dは、前面左側角溝部88eと同じ高さであって、さらに背面側に延びている。背面左側角溝部88eは、左側面溝部88dと同じ高さであって、左側面溝部88dの背面側端部から、背面側に向かうにつれて右側に位置するように延びている。背面側溝部88fは、背面左側角溝部88eと同じ高さであって、背面左側角溝部88eの端部近傍である背面側においてさらに右側に向けて延びている。背面機械室側溝部88gは、背面側溝部88fと同じ高さであって、背面側溝部88fの右側端部からさらに右側に延びて機械室側に到達している。
【0104】
左側面溝部88dには、ドレン水等の水を排水するために、溝の低い部分において底板本体80の厚み方向である鉛直方向に貫通した排水口86aが形成されている。背面左側角溝部88eには、溝の低い部分において底板本体80の厚み方向である鉛直方向に貫通した排水口86bが形成されている。背面側溝部88fには、溝の低い部分において底板本体80の厚み方向である鉛直方向に貫通した排水口86c、86d、86eが形成されている。
【0105】
なお、底板本体80のうち、背面左側角溝部88eよりも背面側であって、背面左側角溝部88eよりも左側の位置に、底板本体80の厚み方向である鉛直方向に貫通した外側排水口87が形成されている。この外側排水口87の周囲の底板本体80上面側には、室外機ケーシングと室外熱交換器23との間に隙間があるために、積雪や雨水が入り込むことがある。すなわち、図5に示すように、左側面パネル2dに空気流れ用の開口が複数設けられており、さらに、背面パネル2eにおいても空気流れ用の開口が複数設けられているため、これらの開口のいずれかを通じて雪や水が外側排水口87の周囲の底板本体80上面側に溜まり込むことがある。これに対して、ここでは、底板本体80のうち、背面左側角溝部88eよりも背面側であって、背面左側角溝部88eよりも左側の位置に、積雪や水の滞留が生じないように、外側排水口87を介して、水や雪を排出させることができている。
【0106】
底板本体80のうち、送風機室側であって、ファン羽根下方部88Aと室外熱交下方部88Bとの間に囲まれた部分には、図32のC−C断面図等において示すように、室外ファン26を支えるために周囲よりも上方に突出して形成されているファン台部89が設けられている。このファン台部89は、機械室側において室外ファン26を支える第1ファン台部分89aと、第1ファン台部分89a荷対して左側において室外ファン26を支える第2ファン台部分89bと、を有している。なお、第1ファン台部分89aの背面側には、図31のB−B断面図に示すように、背面側に向かうにつれて下方に位置するように傾斜した第1ファン背面傾斜部89cが設けられている。第2ファン台部分89bの背面側には、背面側に向かうにつれて下方に位置するように傾斜した第2ファン背面傾斜部89dが設けられている。この第1ファン背面傾斜部89cおよび第2ファン背面傾斜部89dの傾斜部があることによって、室外ファン26からのドレン水等であってファン羽根下方部88A側に落ちることなく背面側に落ちた水を、より背面側に導いて排水させることができるようになっている。
【0107】
なお、上述のように、底板本体80には、鉛直方向に貫通した開口である排水口86a〜86eおよび外側排水口87が形成されているが、平面視において室外熱交下方部88Bに対してファン羽根下方部88A側である室外ファン26が設置される側のエリアには、ネジ穴等を除いて、鉛直方向に貫通した開口が形成されていない。このため、室外ファン26が駆動した状態において、平面視において室外熱交換器23に対して室外ファン26側に位置している部分を通じることで室外熱交換器23を通過しない空気流れ(ショートカットの流れ)が生じてしまうことを防止している。また、底板2bのうち室外ファン26の下方に水が付着した場合には、近くに開口が存在しないために凍結が生じやすいが、この底板2bのうち室外ファン26の下方に対してはホットガスバイパス回路Hを通じて供給される暖かい冷媒によって、優先的な熱の供給が行われる。これにより、室外ファン26によって生じる空気流れの室外熱交換器23に対する通過効率を向上させつつ、室外ファン26の下方における氷の成長を効率的に抑制することができている。
【0108】
また、底板本体80には、上述のように、平面視において室外熱交下方部88Bに対してファン羽根下方部88A側である室外ファン26が設置される側のエリアには、ネジ穴等を除いて、鉛直方向に貫通した開口が形成されていないため、水が排水されずに凍結してしまうおそれがある。しかし、ここでは、ホットガスバイパス回路Hのうち分岐点A1により近い側が室外ファン26の下を流れているので、室外ファン26の下方に開口が設けられていない場合であっても、室外ファン26の下での氷の成長を抑制することができている。
【0109】
(ホットガスバイパス回路Hの形状)
図35に、室外機2の底板とホットガスバイパス回路Hとの配置関係について平面図で示す。図36に、室外ファン下傾斜部分における正面図を示す。
【0110】
ホットガスバイパス回路Hは、上述したように、底板2bの上において、第1バイパス部分H1〜第8バイパス部分H8までが繋がって存在している。ここで、第1バイパス部分H1と第2バイパス部分H2との境界部分は、巻き付け固定具91aによって巻き付けられている。この巻き付け固定具91aは、ネジ92aによって、底板本体80に螺着されている。第2バイパス部分H2と第3バイパス部分H3の境界近傍部分は、巻き付け固定具91bによって巻き付けられており、この巻き付け固定具91bは、ネジ92bによって、底板本体80に螺着されている。
【0111】
第3バイパス部分H3と第4バイパス部分H4の境界近傍部分は、巻き付け固定具91cによって巻き付けられており、この巻き付け固定具91cは、ネジ92cによって、底板本体80に螺着されている。第4バイパス部分H4と第5バイパス部分H5の境界近傍部分は、巻き付け固定具91dによって巻き付けられており、この巻き付け固定具91dは、ネジ92dによって、底板本体80に螺着されている。これによって、第4バイパス部分H4のいずれの部分も、正面視において、ファン羽根下方部88Aの溝形状部分の最下端部と、底板本体80のうちのファン羽根下方部88Aの溝形状部分の周囲の高い部分と、の間の高さに、最下端部が位置している。すなわち、第4バイパス部分H4が、ファン羽根下方部88Aの溝形状部分の空間に埋もれるようにして配置されている。これにより、ファン羽根下方部88Aの溝部分に氷が形成されて成長することをより効果的に抑制することができる。
【0112】
第5バイパス部分H5と第6バイパス部分H6の境界近傍部分は、巻き付け固定具91eによって巻き付けられており、この巻き付け固定具91eは、ネジ92eによって、底板本体80に螺着されている。第7バイパス部分H7の中央から左側にずれた部分は、巻き付け固定具91fによって巻き付けられており、この巻き付け固定具91fは、ネジ92fによって、底板本体80に螺着されている。第7バイパス部分H7と第8バイパス部分H8の境界近傍部分は、巻き付け固定具91gによって巻き付けられており、この巻き付け固定具91gは、ネジ92gによって、底板本体80に螺着されている。これによって、第5バイパス部分H5、第6バイパス部分H6、第7バイパス部分H7および第8バイパス部分H8のいずれの部分も、正面視において、室外熱交下方部88Bの溝形状部分の最下端部と、底板本体80のうちの室外熱交下方部88Bの溝形状部分の周囲の高い部分と、の間の高さに、最下端部が位置している。すなわち、第5バイパス部分H5、第6バイパス部分H6、第7バイパス部分H7および第8バイパス部分H8のいずれにおいても、室外熱交下方部88Bの溝形状部分の空間に埋もれるようにして配置されている。これにより、室外熱交下方部88Bの溝部分に氷が形成されて成長することをより効果的に抑制することができる。ここで、ホットガスバイパス回路Hの第5バイパス部分H5、第6バイパス部分H6、第7バイパス部分H7および第8バイパス部分H8と、室外熱交換器23の下端部との隙間は2.6mm程度の間隙が設けられている。
【0113】
なお、排水口86aの鉛直上方の近くに、ホットガスバイパス回路Hの第5バイパス部分H5が通過している。このため、排水口86a自体が、凍結によって塞がれてしまうことを防止することができている。同様に、排水口86bの鉛直上方の近くに、ホットガスバイパス回路Hの第6バイパス部分H6が通過している。このため、排水口86b自体が、凍結によって塞がれてしまうことを防止することができている。さらに、排水口86c、86d、86eの鉛直上方の近くに、ホットガスバイパス回路Hの第7バイパス部分H7が通過している。このため、排水口86c、86d、86e自体が、凍結によって塞がれてしまうことを防止することができている。
【0114】
図36に示すように、底板2bのうち、ファン羽根下方部88Aの傾斜部88abの上に配置される第4バイパス部分H4は、ファン羽根下方部88Aの傾斜部88abの傾斜と平行に傾斜して配置されている。そして、第4バイパス部分H4の下端部は、ファン羽根下方部88Aの溝形状部分に埋もれるように配置されている。これにより、室外ファン26の羽根部分の鉛直下方において氷が成長してしまうことがないように、また、ファン羽根下方部88Aの溝部分においても氷が成長してしまうことがないように、この近傍における水をより効果的に排水させることができる。そして、この第4バイパス部分H4には、暖房運転時においてデフロスト運転が行われると、室外熱交下方部88Bに流れる前の圧縮機21から吐出されてあまり冷やされていない温度の高い冷媒が、室外熱交下方部88Bよりも優先して供給される。このため、室外ファン26の羽根部分の鉛直下方において氷が形成されたとしても、ホットガスバイパス弁27を開いた運転によって、氷をより効果的に解凍させることができる。さらに、このようにして解凍されて生じる水は、傾斜部88abによって効果的に排水されるため、室外ファン26の羽根部分の下で再氷結することも効果的に防ぐことが可能になる。これにより、室外ファン26の羽根部分が底板本体80の上面に氷が形成されることによって損傷したり、回転駆動しなくなる状態を避けることができる。
【0115】
ここで、ネジによって固定された各ホットガスバイパス回路Hの部分は、固定された状態で、1mm程度底板2bの上面側から鉛直上方に浮いて存在している。
【0116】
なお、上述したデフロスト運転とは、四路切換弁22の接続状態を一時的に暖房運転接続状態から冷房運転接続状態に切り換えるのではなく、四路切換弁22が圧縮機21の吐出側と室内熱交換器41とを接続するような接続状態となっている暖房運転状態において、この四路切換弁22の接続状態を維持したままで、ホットガスバイパス弁27を開いた状態にすることを言う。
【0117】
<本実施形態の空気調和装置1の特徴>
本実施形態の空気調和装置1は、室外機2の設置場所の環境によっては、雨水や室外熱交換器23において生じたドレン水によって底板2bの上側が濡れることがある。
【0118】
しかし、本実施形態の空気調和装置1では、室外機ケーシングの底板2bのうち、室外ファン26の下方および室外熱交換器23の下方の部分近傍をホットガスバイパス回路Hが通過するように設けられている。このため、ヒータ等の別熱源を利用することなく、ホットガスバイパス回路Hが通過する部分近傍を、圧縮機21の吐出管Aから分岐して供給される高温冷媒によって暖めることができる。よって、底板2bの上側が濡れることがあっても、底板2bのうち室外ファン26の下方および室外熱交換器23の下方において氷が成長してしまうことを抑制することができる。これにより、室外ファン26の駆動が氷によって妨げられる状況や室外熱交換器23の表面が氷で覆われて熱交換効率が低減してしまう状況を回避することができている。
【0119】
また、ホットガスバイパス回路Hは、吐出管Aの分岐点A1で分岐した後、室外熱交換器23の下を通過する前に、室外ファン26の下を通過するように配置されている。このため、室外ファン26の下方における氷の成長をより優先的に防止することができる。
【0120】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0121】
(A)
上記実施形態では、デフロスト運転について、四路切換弁22が圧縮機21の吐出側と室内熱交換器41とを接続するような接続状態となっている暖房運転状態において、この四路切換弁22の接続状態を維持したままで、ホットガスバイパス弁27を開いた状態にする運転を例に挙げて説明した。
【0122】
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
【0123】
例えば、デフロスト運転が、四路切換弁22の接続状態を一時的に暖房運転接続状態から冷房運転接続状態に切り換える運転であってもよい。この場合には、暖房運転接続状態から一時的に冷房運転接続状態に切り換えられた時に、圧縮機21から吐出された冷媒が、室外熱交下方部88Bよりも先にファン羽根下方部88Aを通過するように、切り替え機構を備えた冷媒回路を利用する。
【0124】
(B)
上記実施形態では、ホットガスバイパス回路Hが吐出管Aの分岐点A1と室外側液管Dの分岐点D1とをバイパスしている冷媒回路10を例に挙げて説明した。
【0125】
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
【0126】
図37に示すように、例えば、吐出管Aの分岐点A1と、室内側液管Cの分岐点C1と、をバイパスするように設けられたホットガスバイパス回路Haを有する冷媒回路210を備えた空気調和装置201であってもよい。この場合でも、ホットガスバイパス回路Haは、室外ファン26の下を先に通過し、室外熱交換器23の下を後に通過するように設けることができる。
【0127】
(C)
上記実施形態では、底板本体80に設けられた排水口86a〜86eの上方を通過するホットガスバイパス回路Hは、いずれも水平方向に延びて配置されている場合を挙げて説明した。
【0128】
しかし、本発明はこれに限られるものではない。
【0129】
図38に示すように、例えば、ホットガスバイパス回路Hbのうち排水口86bの上方を通過する第6バイパス部分H6が、排水口86bの上に最下端が位置するように傾斜して配置されていてもよい。
【0130】
また、排水口86bと第6バイパス部分H6との組合せに限られず、排水口86a〜86eの上方を通過する部分が下端となるようにホットガスバイパス回路Hbが傾斜した部分を有していてもよい。
【0131】
これにより、ホットガスバイパス回路Hbの配管の下端に沿うように流れる水は、傾斜によって排水口86a〜86eの上方近傍まで導かれ、排水効果を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明を利用すれば、ヒータ等の冷凍サイクル以外の構成を用いることなく、室外機の底板上の氷の成長を抑制させることが可能なため、電磁誘導を用いて冷媒を加熱させる電磁誘導加熱ユニットおよび空気調和装置において特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の一実施形態にかかる空気調和装置の冷媒回路図である。
【図2】室外機の正面側を含む外観斜視図である。
【図3】室外機の内部配置構成斜視図である。
【図4】室外機の底板と室外熱交換器との位置関係等を示す斜視図である。
【図5】室外機の背面側を含む外観斜視図である。
【図6】電磁誘導加熱ユニットの外観斜視図である。
【図7】電磁誘導加熱ユニットの断面構成図である。
【図8】電磁誘導加熱ユニットから遮蔽カバーを取り除いた状態を示す外観斜視図である。
【図9】コイルが巻き付けられたボビン本体の外観斜視図である。
【図10】ボビン本体の正面図である。
【図11】電磁誘導加熱ユニットへの電力供給を示す概念図である。
【図12】電磁誘導加熱ユニットの遮蔽カバーが取り外された状態での下面図である。
【図13】第1ボビン蓋の外側に位置する部分を示す上面図である。
【図14】第1ボビン蓋の内側に位置する部分を示す下面図である。
【図15】サーミスタの外観斜視図である。
【図16】ヒューズの外観斜視図である。
【図17】遮蔽カバーが無い状態で生じる磁束の様子を示す図である。
【図18】遮蔽カバーを設けた状態で生じる磁束の様子を示す図である。
【図19】室外機の機械室の内部構造を示す全体前方斜視図である。
【図20】室外機の内部構造を示す全体後方斜視図である。
【図21】室外機の機械室の内部構造を示す斜視図である。
【図22】室外機の機械室の内部構造の右側面図である。
【図23】室外機の機械室の背面図である。
【図24】室外機の底板と室外熱交換器との斜視図である。
【図25】室外機の送風機構を取り除いた状態での平面図である。
【図26】室外機の底板の平面図である。
【図27】室外機の底板の正面図である。
【図28】室外機の底板の背面図である。
【図29】室外機の底板の左側面図である。
【図30】室外機の底板の右側面図である。
【図31】図26におけるB−B断面の断面図である。
【図32】図26におけるC−C断面の断面図である。
【図33】図26におけるD−D断面の断面図である。
【図34】図26におけるN−N断面の近傍の構成図である。
【図35】室外機の底板とホットガスバイパス回路との配置関係を示す平面図である。
【図36】ファン羽根下方部近傍における底板とホットガスバイパス回路との配置関係を示す正面図である。
【図37】他の実施形態(B)の冷媒回路図である。
【図38】他の実施形態(C)の冷媒回路図である。
【符号の説明】
【0134】
1 空気調和装置
2 室外機
2a〜2e 室外機ケーシング(筐体)
2b 底板
6 電磁誘導加熱ユニット
10 冷媒回路
11 制御部(切換制御部)
21 圧縮機(圧縮機構)
22 四路切換弁(接続切換弁)
23 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
23d 液側出入口(膨張機構側通過口)
23e ガス側出入口(圧縮機構通過口)
23j 合流分岐点(第2分岐点)
23k 分岐合流点(第1分岐点)
23z 熱交フィン(フィン)
24 電動膨張弁
25 アキュームレータ
26 室外ファン(送風機)
27 ホットガスバイパス弁(バイパス切換部)
28 キャピラリーチューブ(減圧機構)
41 室内熱交換器
61 第1六角ナット(位置決め部)
62 C型リング(位置決め部)
63 第1ボビン蓋(位置決め部)
64 第2ボビン蓋
65 ボビン本体
66 第2六角ナット
68 コイル
71 第1フェライトケース
72 第2フェライトケース
73 第3フェライトケース
74 第4フェライトケース
75 遮蔽カバー
86a〜86e 排水口(溝開口)
87 外側排水口
88A ファン羽根下方部(バイパス溝)
88B 室外熱交下方部(バイパス溝)
98 第1フェライト
99 第2フェライト
A 吐出管、冷媒配管(第3冷媒配管)
B 室内側ガス管、冷媒配管
C 室内側液管(第1冷媒配管)
D 室外側液管(第2冷媒配管)
E 室外側ガス管、冷媒配管
F アキューム管、冷媒配管
G 吸入管、冷媒配管
H ホットガスバイパス回路
J 合流配管(熱交流路、合流管)
K 分岐配管(熱交流路、)
K1 第1分岐配管(第1分岐管)
K2 第2分岐配管(第2分岐管)
K3 第3分岐配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機構(21)、熱源側熱交換器(23)、膨張機構(24)および利用側熱交換器(41)を有する空気調和装置(1)であって、
前記熱源側熱交換器(23)に対して空気流れを供給する送風機(26)と、
底板(2b)を有し、前記熱源側熱交換器(23)および前記送風機(26)を前記底板(2b)の上の空間に収容している筐体(2a〜2e)と、
前記送風機(26)の下方および前記熱源側熱交換器(23)の下方を通過するように配置されており、前記利用側熱交換器(41)から前記膨張機構(24)にいたるまで延びている第1冷媒配管(C)もしくは前記膨張機構(24)から前記熱源側熱交換器(23)にいたるまで延びている第2冷媒配管(D)の少なくともいずれか一方と、前記圧縮機構(21)の吐出側の第3冷媒配管(A)と、をバイパスしているバイパス回路(H)と、
を備えた空気調和装置(1)。
【請求項2】
前記バイパス回路(H)は、前記第3冷媒配管(A)から前記送風機(26)の下方を通過した後に前記熱源側熱交換器(23)の下方を通過して前記第1冷媒配管(C)もしくは前記第2冷媒配管(D)の少なくともいずれか一方まで延びている、
請求項1に記載の空気調和装置(1)。
【請求項3】
前記底板(2b)は、平面視において前記熱源側熱交換器(23)に対して前記送風機(26)側に位置している部分には、板厚方向に貫通した開口を有していない、
請求項2に記載の空気調和装置(1)。
【請求項4】
前記底板(2b)は、前記熱源側熱交換器(23)の下方に板厚方向に貫通した排水口(86a〜86e)を有している、
請求項2または3に記載の空気調和装置(1)。
【請求項5】
前記熱源側熱交換器(23)は、前記圧縮機構(21)側の冷媒通過口である圧縮機構側通過口(23e)と、前記膨張機構(24)側の冷媒通過口である膨張機構側通過口(23d)と、前記圧縮機構通過口(23e)から前記膨張機構通過口(23d)までの間で通過させる冷媒と外部の流体との間で熱交換を行わせるように延びている熱交流路(K、J)と、を有しており、
前記熱交流路(K、J)は、
第1分岐点(23k)と、
前記第1分岐点(23k)よりも前記膨張機構側通過口(23d)側に設けられた第2分岐点(23j)と、
前記第1分岐点(23k)と前記第2分岐点(23j)とのを独立した経路で接続する第1分岐管(K1)および第2分岐管(K2)と、
前記第2分岐点(23j)と前記膨張機構側通過口(23d)とを接続しており前記第1分岐管(K1)および前記第2分岐管(K2)の少なくともいずれか一方の下方を通過している合流管(J)と、
を有している、
請求項1から4のいずれか1項に記載の空気調和装置(1)。
【請求項6】
前記熱源側熱交換器(23)は、フィン(23z)をさらに有しており、
前記フィン(23z)は、前記第1分岐管(K1)および前記第2分岐管(K2)の少なくともいずれか一方と前記合流管(J)とを貫通させており、前記第1分岐管(K1)および前記第2分岐管(K2)の少なくともいずれか一方の貫通部分と前記合流管(J)の貫通部分とが繋がっている、
請求項5に記載の空気調和装置(1)。
【請求項7】
前記底板(2)は、前記バイパス回路(H)の通過部分近傍の少なくとも一部が、下方に沈み込むように形成されているバイパス溝(88A、88B)を有しており、
前記バイパス溝(88A、88B)の上面側であって前記バイパス溝の周囲よりも低い空間に、前記バイパス回路(H)の少なくとも一部が配置されている、
請求項1から6のいずれか1項に記載の空気調和装置(1)。
【請求項8】
前記バイパス溝(88A、88B)は、傾斜部分を有しており、
前記底板(2b)は、前記バイパス溝(88A、88B)の傾斜部分の下端近傍において板厚方向に貫通した溝開口(86a〜86e)を有している、
請求項7に記載の空気調和装置(1)。
【請求項9】
前記バイパス回路(H)は、前記溝開口(86a〜86e)の上方を通過する部分が下端となるように傾斜した部分を有している、
請求項8に記載の空気調和装置(1)。
【請求項10】
前記バイパス回路(H)のうち前記熱源側熱交換器(23)の下方を通過している部分の少なくとも一部は、前記溝開口(86a〜86e)の上方に位置している、
請求項8または9に記載の空気調和装置(1)。
【請求項11】
前記第3冷媒配管(A)の前記圧縮機構(21)側とは反対側の端部に接続された接続切換弁(22)をさらに備え、
前記接続切換弁(22)は、前記圧縮機構(21)から吐出された冷媒を前記利用側熱交換器(41)側に導く第1接続状態と、前記圧縮機構(21)から吐出された冷媒を前記熱源側熱交換器(23)側に導く第2接続状態と、を切換可能である、
請求項1から10のいずれか1項に記載の空気調和装置(1)。
【請求項12】
前記バイパス回路(H)は、通過する冷媒の圧力を低下させる減圧機構(28)を有しており、前記膨張機構(24)から前記熱源側熱交換器(23)にいたるまで延びている第2冷媒配管(D)と、前記圧縮機構(21)の吐出側の第3冷媒配管(A)と、をバイパスしている、
請求項1から11のいずれか1項に記載の空気調和装置(1)。
【請求項13】
前記バイパス回路(H)における冷媒の流れを許容する状態と許容しない状態とに切換可能なバイパス切換部(27)をさらに備えた、
請求項1から12のいずれか1項に記載の空気調和装置(1)。
【請求項14】
前記熱源側熱交換器(23)に付着した霜を取り除くデフロスト運転を行う場合に、前記バイパス切換部(27)の状態を前記バイパス回路(H)における冷媒の流れを許容する状態に切り換える切換制御部(11)をさらに備えた、
請求項13に記載の空気調和装置(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2010−71530(P2010−71530A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−238722(P2008−238722)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】