説明

空気調和装置

【課題】イオンを用いた空気清浄の能力の悪化を抑制することができる空気調和装置を提供する。
【解決手段】流入口13から流入した空気にイオンを含ませて放出口から放出する空気調和装置において、空気の経路は、放出口の縁の一部を含む縁部分141につながる第1経路17と放出口の中央を含む中央部分142につながる第2経路18とに分岐される。第1経路17は空気の上流から下流にかけて連続的に狭くなっており、第1経路17を通過する空気は、加速し、第2経路18を通過する空気よりも高速で放出される。第2経路18を通過して放出される空気に含まれるイオンは、第1経路17を通過して放出される高速の空気によって、放出口の周囲の帯電しているものから遮断され、中和されずに空間に拡散する。このため、空気の清浄化が安定して行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中にイオンを放出することによって空気調和を行う空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気中にイオンを放出することによって空気を清浄化する空気調和装置が用いられている。このような空気調和装置は、正イオンであるH+ (H2 O)m と負イオンであるO2-(H2 O)n とを発生するイオン発生器を備え、発生したイオンを空気中に放出する。ここで、m及びnは任意の自然数である。空気中に放出されたイオンは空気中の菌類、細菌又はウイルス等の周りを取り囲んで付着し、付着の際に反応生成される活性種の水酸化ラジカルの作用により、菌類、細菌又はウイルス等が不活性化する。このような技術は、例えば特許文献1〜3に開示されている。
【0003】
また、建物の床下に空気調和装置を設置する技術が特許文献4に開示されている。空気調和装置を床下に設置した場合は、空気の放出口が建物の床に設けられることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−47651号公報
【特許文献2】特開2002−319472号公報
【特許文献3】特開2010−055960号公報
【特許文献4】特開2010−243075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
建物の床下に空気調和装置を設置した状態では、空気の放出口の近傍の床面が絨毯で覆われている等、帯電した物体が放出口の付近に配置されていることがある。この場合は、放出口周囲の空間が帯電することがある。放出口周囲の空間が帯電している場合、放出口から放出された空気中のイオンの一部が中和されて消滅し、空気調和装置から空気中に放出されるイオンの量が減少し、空気調和装置が空気を清浄化する能力が悪化することがある。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、イオンの一部を中和させず放出することにより、イオンを用いた空気清浄の能力の悪化を抑制することができる空気調和装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る空気調和装置は、外部から空気が流入する流入口と、外部へ空気を放出する放出口と、イオン発生器とを備え、前記イオン発生器が発生したイオンを含んだ空気を前記放出口から放出する空気調和装置において、前記流入口から前記放出口へ空気が通過する経路の途中に前記イオン発生器を設けてあり、前記経路は、前記放出口の縁の少なくとも一部を含む部分から空気を放出させるための第1経路と、前記放出口の他の部分から空気を放出させるための第2経路とを含んでおり、前記第1経路を通って放出される空気の流速が前記第2経路を通って放出される空気の流速よりも高速になるようにしてあることを特徴とする。
【0008】
本発明においては、流入口から流入した空気にイオンを含ませて放出口から放出する空気調和装置は、空気の経路が、放出口の縁の一部を含む部分につながる第1経路と他の部分につながる第2経路とを含む。第1経路を通過する空気は、第2経路を通過する空気よりも高速で放出されるようになっている。第2経路を通過して放出される空気に含まれるイオンは、第1経路を通過して放出される高速の空気によって、放出口の周囲の帯電しているものから遮断される。
【0009】
本発明に係る空気調和装置は、前記第1経路が、空気の上流から下流へ向けて連続的に狭くなっていることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、第1経路は空気の上流から下流にかけて連続的に狭くなっているので、第1経路を通過する空気は徐々に加速された上で放出される。
【0011】
本発明に係る空気調和装置は、前記第1経路と前記第2経路とを仕切る仕切り板を、前記放出口から内部にかけて設けてあり、前記仕切り板は、空気の上流から下流へ向けて前記第1経路が狭くなるように傾けてあることを特徴とする。
【0012】
本発明においては、放出口から内部にかけて仕切り板を設けてあり、仕切り板で第1経路と第2経路とを仕切る。また、仕切り板の傾きによって、第1経路が空気の上流から下流にかけて連続的に狭くなっている。
【0013】
本発明に係る空気調和装置は、前記放出口を上側に設けてあることを特徴とする。
【0014】
本発明においては、空気の放出口は空気調和装置の上側に配置されており、空気調和装置は建物の床下に配置される。第1経路を通って放出口の縁から放出される空気は、放出口から異物が落下することを抑制する。
【発明の効果】
【0015】
本発明にあっては、空気調和装置の第2経路を通って放出される空気に含まれるイオンは、放出口の周囲が帯電した状態であっても、中和されずに空間に拡散される。このため、イオンによる空気清浄の能力の悪化が抑制され、安定した空気の清浄化が可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の空気調和装置を建物に設置した状態を示す概略図である。
【図2】空気調和装置の外観を示す模式図である。
【図3】空気調和装置の筐体内の構成を示す模式的斜視図である。
【図4】イオン発生器の模式的斜視図である。
【図5】筐体内の構成を上から見た概略図である。
【図6】制御装置の内部の機能構成を示すブロック図である。
【図7】動作中の空気調和装置の内部を示す模式図である。
【図8】空気調和装置の他の内部構成例を示す模式図である。
【図9】空気調和装置の他の内部構成例を示す模式図である。
【図10】空気調和装置の他の内部構成例を示す模式図である。
【図11】空気調和装置の他の内部構成例を示す模式図である。
【図12】空気調和装置の他の内部構成例を示す模式図である。
【図13】空気調和装置の他の内部構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、本発明の空気調和装置を建物に設置した状態を示す概略図である。本発明の空気調和装置1は、空気調和システムの一部をなし、建物5の床下に設置される。図1には、建物5を横から見た模式的な断面を示す。空気調和装置1は、上面が床51の上面とほぼ同一になるように、建物5の床51よりも下側に設置されている。建物5内には、空気調和装置1の動作を制御するための制御装置2が設置されている。また、建物5内には送風装置3が設置されており、送風装置3と空気調和装置1とはダクト4で連結されている。送風装置3はダクト4へ空気を送り出し、送り出された空気はダクト4内を流れて空気調和装置1へ流入し、空気調和装置1は流入した空気を床51よりも上側の空間へ放出する。図1中には、空気の流れを矢印で示す。
【0018】
図2は、空気調和装置1の外観を示す模式図である。空気調和装置1は、直方体形状の筐体11の上側に、網状構造の蓋部12が被さった構成となっている。図3は、空気調和装置1の筐体11内の構成を示す模式的斜視図である。図3中には、筐体11の外形を二点鎖線で示す。筐体11の底面には、空気の流入口13が形成されている。筐体11の底面にはダクト4が連結され、ダクト4内を流れてきた空気は流入口13から筐体11内へ流入する。筐体11の上面には、空気の放出口14が形成されている。流入口13から筐体11内へ流入した空気は、放出口14から放出される。蓋部12は、放出口14を覆う蓋となっている。空気調和装置1が設置された状態では、蓋部12の上面は床51の上面とほぼ同一面となっている。蓋部12は、網状構造となっているので、放出口14から放出される空気を通す一方で、異物が筐体11内へ落下することを防止する。
【0019】
空気調和装置1は、筐体11内に、二台のイオン発生器15,15を備えている。図4は、イオン発生器15の模式的斜視図である。イオン発生器15は、直方体状に形成されており、正イオンであるH+ (H2 O)m と負イオンであるO2-(H2 O)n とを発生する。イオン発生器15には、イオン放出面151が設けられており、イオン放出面151には、負イオン放出部152及び正イオン放出部153が設けられている。図4には、負イオン放出部152及び正イオン放出部153が二個ずつ設けられた形態を示す。負イオン放出部152と正イオン放出部153との間の距離は、負イオン放出部152同士の距離及び正イオン放出部153同士の距離よりも長くなっている。二台のイオン発生器15,15は、イオン放出面151を向かい合わせにして、夫々に筐体11の内側面に固定されている。イオン発生器15,15が設けられた位置は、流入口13から流入した空気が放出口14まで通過する経路の途中である。イオン発生器15,15は、通過する空気に対してイオンを放出する。
【0020】
また、空気調和装置1は、流入口13から放出口14までの空気の経路を分岐させる仕切り板16,16を備えている。二枚の仕切り板16,16は、共に筐体11の長手方向に沿って配置され、放出口14から下方向に斜めにぶら下がるように配置されている。図5は、筐体11内の構成を上から見た概略図である。放出口14の中に、イオン発生器15,15及び仕切り板16,16が見え、奥に流入口13が見える。仕切り板16,16は、イオン発生器15,15よりも内側に配置され、流入口13の上側に配置されている。また、夫々の仕切り板16は、放出口14の中央よりも筐体11の側面に近い位置に配置されている。また、夫々の仕切り板16は、連結部161で筐体11の内壁に連結され、筐体11内の空間に固定されている。連結部161は図3中には図示していない。仕切り板16,16の上端は蓋部12に接触しており、下端は筐体11内の空間の途中に位置する。夫々の仕切り板16は、対向する筐体11の内側面との間の距離が放出口14に向かって徐々に狭くなるように、筐体11の内側面に対して傾いている。即ち、仕切り板16は垂直方向から傾いており、仕切り版16と筐体11の内側面との間の距離は放出口14に近くなるほど狭くなる。
【0021】
図6は、制御装置2の内部の機能構成を示すブロック図である。制御装置2は、空気調和装置1を制御するための演算を行う演算部及び演算に必要なデータを記憶する記憶部を含んで構成される制御部21を備える。制御部21には、使用者からの操作を受け付ける操作ボタンを含んでなる操作部22が接続されている。また制御部21には、操作のために必要な情報を表示する表示部23が接続されている。表示部23は例えば液晶パネルで構成されている。操作部22及び表示部23は、タッチパネルで構成されていてもよい。制御部21には、商用電源等の外部の電源20が接続されており、電源20から制御部21へ電力が供給される。また、制御部21は、空気調和装置1のイオン発生器15,15に接続されている。イオン発生器15,15と制御部21との間は、筐体11の側壁を介して接続が行われている。
【0022】
操作部22を使用者が操作することにより、動作開始の指示を操作部22で受け付けた場合、制御部21は、イオン発生器15,15を動作させる制御を行い、動作中の状態を示す情報を表示部23に表示させる。停止の指示を操作部22で受け付けた場合は、制御部21は、イオン発生器15,15を停止させる制御を行う。なお、制御装置2は、内部に電源を備えた形態であってもよい。また、制御部21は、空気調和装置1内に設けられていてもよい。この形態では、制御装置2内の操作部22及び表示部23は、空気調和装置1内の制御部21に接続されている。
【0023】
次に、空気調和装置1の動作を説明する。図7は、動作中の空気調和装置1の内部を示す模式図である。図7中には、空気調和装置1の内部を正面から見た図を示し、筐体11は断面で示している。送風装置3から送り出された空気は、ダクト4を通り、流入口13から空気調和装置1の内部へ流入する。流入した空気は、流入口13から放出口14まで流れる。流入口13から放出口14までの空気の経路の途中には、イオン発生器15,15がある。イオン発生器15,15は、イオン放出面151に沿って流れる空気へイオンを放出する。この結果、イオンを含んだ空気が放出口14へ向かって流れる。図7中には、空気の流れを矢印で示し、負イオンを丸に−で示し、正イオンを丸に+で示す。
【0024】
流入口13から放出口14までの空気の経路の内、イオン発生器15,15よりも下流の経路は、仕切り板16,16によって第1経路17,17と第2経路18とに分岐される。第1経路17は、夫々の仕切り板16と筐体11の内側面との間に挟まれた空間であり、第2経路18は、二枚の仕切り板16,16で挟まれた空間である。夫々の仕切り板16と筐体11の内側面との間の距離は、放出口14に向かって徐々に狭くなっているので、第1経路17は、空気の上流から下流に向かって連続的に狭くなる構成となっている。また、二枚の仕切り板16,16は、互いの間の距離が放出口14に向かって広がるように互いに傾けて配置されており、第2経路18は、空気の上流から下流に向かって連続的に広がる構成となっている。このため、第1経路17を通過する空気は徐々に加速し、第2経路18を通過する空気は徐々に減速する。
【0025】
第1経路17を通過した空気は、放出口14の内、放出口14の縁を含む縁部分141から放出される。第2経路18を通過した空気は、放出口14の内、放出口14の中央を含む中央部分142から放出される。第1経路17を通過する空気は加速し、第2経路18を通過する空気は減速するので、放出口14の縁部分141から放出される空気の流速は、中央部分142から放出される空気の流速よりも高速である。図7中には、放出口14から放出される空気の流速を矢印の長さで示している。
【0026】
放出口14の縁部分141から放出される空気に含まれるイオンは、放出口14の周囲の帯電しているものを除電する。放出口14の中央部分142から放出される空気に含まれるイオンは、縁部分141から放出される高速の空気によって、放出口14の周囲の帯電しているものから遮断される。このため、放出口14の中央部分142から放出される空気に含まれるイオンは、中和されずに放出され、建物5内の空間に拡散される。拡散されたイオンは、建物5内の空気を清浄化する。このようにして、放出口14の周囲が帯電した状態であっても、空気の清浄化が安定して行われる。従って、本実施の形態に係る空気調和装置1は、イオンを用いた空気清浄の能力の悪化を抑制し、安定して空気を清浄化することが可能である。また、本実施の形態では、放出口14の縁部分141から高速で空気が放出されるので、放出口14の周囲から異物が空気調和装置1の内部へ落下することが抑制される。
【0027】
次に、空気調和装置1の他の構成例を説明する。図8〜図13の夫々は、空気調和装置1の他の内部構成例を示す模式図である。各図には、空気調和装置1の内部を正面から見た図を示し、筐体11は断面で示している。また各図中には、空気の流れを矢印で示す。図8には、一台のイオン発生器15を備えた空気調和装置1を示す。筐体11の一つの内側面にイオン発生器15が設けられている。この形態でも、イオン発生器15が発生したイオンを含む空気は、第1経路17,17を通過して加速して放出され、第2経路18を通過して減速して放出される。
【0028】
図9には、一枚の仕切り板16を備えた空気調和装置1を示す。一枚の仕切り板16によって空気の経路は第1経路17と第2経路18とに分岐される。この形態でも、イオン発生器15,15が発生したイオンを含む空気は、第1経路17を通過して加速して放出され、第2経路18を通過して減速して放出される。この形態では、放出口14の内、第1経路17を通過した空気が放出される縁部分141は、正面視で放出口14の片方のみの縁を含んでおり、他方の縁を含む部分は放出口14の中央部分142に含まれる。空気調和装置1が床51の端に配置されている状態では、放出口14の縁の内で床51の端に近い部分の付近には、帯電した物体が配置されることは少ない。そこで、放出口14の縁の内で中央部分142に含まれる部分が縁部分141に含まれる部分よりも床51の端に近くなるように空気調和装置1を配置することにより、中央部分142からイオンを中和させずに放出する作用が得られる。
【0029】
図10には、一枚の仕切り板16を備え、第1経路17と第2経路18との夫々の途中に、イオン発生器15を備えた空気調和装置1を示す。この形態では、イオン発生器15よりも下流で空気の経路を分岐するのではなく、第1経路17と第2経路18との夫々の途中にイオン発生器15が配置されている。第1経路17を通過する空気にイオン発生器15からイオンが放出され、イオンを含んだ空気が加速して外部へ放出される。また、第2経路18を通過する空気にイオン発生器15からイオンが放出され、イオンを含んだ空気が減速して外部へ放出される。
【0030】
図11及び図12には、一枚の仕切り板16と一台のイオン発生器15とを備えた空気調和装置1を示す。図11に示す空気調和装置1では、筐体11の内側面の内、第2経路18に近い内側面にイオン発生器15が設けられている。図12に示す空気調和装置1では、第1経路17に近い内側面にイオン発生器15が設けられている。これらの形態でも、イオン発生器15が発生したイオンを含む空気は、第1経路17を通過して加速して放出され、第2経路18を通過して減速して放出される。
【0031】
図13には、正面視で筐体11の内側面間の距離が空気の上流側から下流側にかけて連続的に狭くなるように筐体11が形成されている空気調和装置1を示す。図13中には、筐体11の外形が内側面に合わせた形状となった例を示しているが、筐体11の外側面は内側面に合わせた形状ではなくてもよい。二枚の仕切り板16,16は、共に、放出口14から下方向に垂直にぶら下がるように配置されている。第2経路18は、垂直な二枚の仕切り板16,16に挟まれており、空気の上流から下流に向かって広さが変化することはない。仕切り板16,16は垂直であるものの、筐体11の内側面間の距離が空気の上流側から下流側にかけて連続的に狭くなっている。即ち、仕切り板16は垂直であるものの内側面に対して傾いており、筐体11の内側面と仕切り板16とで挟まれた第1経路17は、空気の上流側から下流側にかけて連続的に狭くなっている。このため、第1経路17,17を通過する空気は徐々に加速する。このように、この形態でも、イオン発生器15が発生したイオンを含む空気は、第1経路17を通過して加速して放出され、第2経路18を通過して放出される。
【0032】
以上のように、図8〜図13に示した何れの形態においても、第1経路17を通過して放出口14の縁部分141から放出される空気は、第2経路18を通過して放出口14の中央部分142から放出される空気よりも高速で放出される。このため、放出口14の中央部分142から放出される空気に含まれるイオンは、縁部分141から放出される空気によって放出口14の周囲から遮断され、中和されずに建物5内の空間に拡散される。従って、建物5内の空気の清浄化が安定して行われる。
【0033】
なお、本実施の形態においては、仕切り板16で第1経路17と第2経路18とを分岐した形態を示したが、空気調和装置1は、筐体11に一体化した仕切りを形成しておく等、その他の方法で第1経路17と第2経路18とを形成した形態であってもよい。また、本実施の形態においては、空気の経路を途中で第1経路17と第2経路18とに分岐した形態を示したが、空気調和装置1は、流入口13から放出口14までの空気の経路を第1経路17と第2経路18とに完全に分離した形態であってもよい。第1経路17と第2経路18とを完全に分離した形態では、第1経路17及び第2経路18の夫々の途中にイオン発生器15が配置される。また、第1経路17及び第2経路18の形状は、一枚の板で仕切られた形状に限るものではなく、放出口14の縁の全周が縁部分141に含まれるようにした形状等、その他の形状であってもよい。
【0034】
また、本実施の形態においては、流入口13は筐体11の底面に形成された形態を示したが、空気調和装置1は、筐体11の側面に流入口13が形成された形態であってもよい。また、本実施の形態においては、空気調和装置1の外部に送風装置3がある形態を示したが、空気調和装置1は、ファン等の送風機構を内部に備えた形態であってもよい。また、本実施の形態においては、空気の放出口14が上側にあって空気調和装置1が床下に設けられる形態を示したが、空気調和装置1は、床下に設けられる形態に限るものではない。例えば、空気調和装置1は、空気の流入口13を上側に設け、放出口14を下側に設けてあり、建物5の天井に設けられる形態であってもよい。この形態でも、放出口14の周囲が帯電した状態で、空気調和装置1は空気の清浄化を安定に行うことができる。
【符号の説明】
【0035】
1 空気調和装置
11 筐体
12 蓋部
13 流入口
14 放出口
141 縁部分
142 中央部分
15 イオン発生器
16 仕切り板
17 第1経路
18 第2経路
2 制御装置
3 送風装置
4 ダクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から空気が流入する流入口と、外部へ空気を放出する放出口と、イオン発生器とを備え、前記イオン発生器が発生したイオンを含んだ空気を前記放出口から放出する空気調和装置において、
前記流入口から前記放出口へ空気が通過する経路の途中に前記イオン発生器を設けてあり、
前記経路は、前記放出口の縁の少なくとも一部を含む部分から空気を放出させるための第1経路と、前記放出口の他の部分から空気を放出させるための第2経路とを含んでおり、
前記第1経路を通って放出される空気の流速が前記第2経路を通って放出される空気の流速よりも高速になるようにしてあること
を特徴とする空気調和装置。
【請求項2】
前記第1経路は、空気の上流から下流へ向けて連続的に狭くなっていること
を特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記第1経路と前記第2経路とを仕切る仕切り板を、前記放出口から内部にかけて設けてあり、
前記仕切り板は、空気の上流から下流へ向けて前記第1経路が狭くなるように傾けてあること
を特徴とする請求項2に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記放出口は上側に設けてあることを特徴とする請求項1から3までの何れかに記載の空気調和装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−15303(P2013−15303A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150219(P2011−150219)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】