説明

空洞を形成した対流式浄水器。

【課題】 この発明は、水入れ容器に沈設する浄水器において、浄水器の入った水入れ容器を冷蔵庫等で冷やす事により、容器内で発生する上下環状対流が浄水器内の濾材を繰り返し通過するように空洞を形成した対流式浄水器に関するものである。
【解決手段】 多孔を有する素材で形成され内部に空洞を有する外枠と内枠とを設け、外枠と内枠とを離間させ外枠と内枠の両端を固定する蓋を設け、外枠に内枠を挿設し外枠と内枠の一方に蓋を装着することにより器を形成し、該、器に濾材を充填し、外枠と内枠の他方に蓋を装着することにより、空洞を形成した対流式浄水器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水入れ容器に沈設する浄水器において、浄水器の入った水入れ容器を冷蔵庫等で冷やす事により、容器内で発生する上下環状対流が浄水器内の濾材を繰り返し通過するように空洞を形成した対流式浄水器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の浄水器には、水道の蛇口に浄水器を設置する、原水貯留器の下に浄水器を取り付ける、又は、沈設式浄水器の棒状の容器に濾材を充填する等の方式があるが、水道水が浄水器内の濾材を通過するのが速過ぎたり、濾材の中を水が通り難かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、水道の蛇口に浄水器を設置する、又は、原水貯留器の下に浄水器を取り付ける方法が有るが、水道水が濾材の中を通過するのが速く一過的であり、水道水が濾材と接触する時間も短い。
水入れ容器に濾材の詰った棒状の浄水器を沈設する方式は、温度差で発生する上下環状対流では浄水器の表面を流れるだけで、濾材の内部を水が通り難かった。
結果的にいずれの方式も、浄水器内部の濾材を有効に活用できていない。
したがって、水道水の中に溶け込んだ有害物質は濾材の微孔に有効に吸着されない、ミネラル分も溶け出しにくい等の欠点がある。
浄水器本体と予備濾材が高価である。
浄水器の濾材の交換が出来ない、又、濾材とミネラルを含む材料とを調合することが出来ない。
本発明は、以上のような欠点を無くするためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明は、多孔を有する素材で形成され内部に空洞を有する外枠と内枠と蓋とにより、筒状と球状の器を形成し、該、器に濾材を充填して蓋を装着したり、穴を穿設した切片からなる炭を素材とし、炭を紐で筒状に縫着したり、内部に空洞を設けた筒状の竹炭を素材とし、筒状の竹炭の側面に多数の穴を穿設する。
本発明は、以上の構成よりなる空洞を形成した対流式浄水器である。
【発明の効果】
【0005】
対流式浄水器の中央に空洞を設けてあり、水入れ容器に水道水と対流式浄水器を入れ冷蔵庫等で冷やすことにより、水道水は対流式浄水器の側面を下降し、対流式浄水器内の濾材を通過し、対流式浄水器に設けた空洞を上昇し、対流式浄水器の濾材を通過して側面に達する上下環状対流が発生する。
したがって、対流式浄水器の濾材の中を水道水が繰り返しゆっくり均等に通過することが可能となり、水の中に溶け込んだ有害物質は濾材の微孔に効率よく吸着され、安全で美味しい水となる。
対流式浄水器内の濾材の交換が可能で、安価で美味しい水を多量に作る事ができ、飲料用以外に炊飯・吸い物等の料理等にも使用でき、用途が広がる。
対流式浄水器に充填する濾材、及び、ミネラルを含有する材料を自分で調合することにより、ミネラルを含んだ自分独自の美味しい水作りを楽しむことが出来る。
対流式浄水器を湯沸しポットに入れて使用することにより、お湯を湯を沸かしながら浄水することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、この発明の実施をするための最良の形態について図1に基づいて説明すると、多孔を有する素材(M)で形成され内部に空洞を有する筒状の外枠(1)と筒状の内枠(2)とを設け、外枠と内枠とを離間させ外枠と内枠の両端を固定する蓋(3)を設け、外枠(1)に内枠(2)を挿設し外枠(1)と内枠(2)の一方に蓋(3)を装着することにより筒状の器(4)を形成し、該、器(4)に濾材(C)を充填し、外枠(1)と内枠(2)の他方に蓋(3)を装着する。
本発明は、以上のような構造でこれを使用するにあたっては、外筒(1)と内筒(2)の間に濾材(C)を充填することにより濾材(C)は筒状に形成され、且つ、内部に空洞(H)が確保される。水入れ容器に対流式浄水器と水道水を入れ冷蔵庫等で冷やすことにより、冷やされた水道水は対流式浄水器の側面を下降し、対流式浄水器の濾材(C)を通過し、対流式浄水器の内部に設けられた空洞(H)を上昇し、対流式浄水器の濾材(C)を通過し側面に達する上下環状対流が発生する。したがって、水入れ容器内の水道水は繰り返される上下環状対流と対流式浄水器により浄水される。
【0007】
次に、この発明の実施をするための最良の形態について図2に基づいて説明すると、多孔を有する素材(Ma)で形成され内部に空洞を有する半球状の外枠(1a)と半球状の内枠(2a)との周縁に係着部(5)(9)を設け、外枠(1a)の内側に離間壁(6)を設け、外枠(1a)に充填用の穴(7)を穿設し穴(7)と嵌合する蓋(8)を設け、内枠(2a)の係着部(9)を係着して球状の内子(10)を形成し、外枠(1a)に球状の内子(10)を内包し係着部(5)を係着することにより球状の器(4a)を形成し、該、器(4a)に濾材(C)を充埴し、穴(7)に蓋(8)を装着する。
本発明は、以上のような構造でこれを使用するにあたっては、球状の器(4a)に濾材(C)を充填することにより濾材(C)は球状に形成され、且つ、内部に空洞(Ha)が確保される。水入れ容器に対流式浄水器と水道水を入れ冷蔵庫等で冷やすことにより、冷やされた水道水は対流式浄水器の側面を下降し、対流式浄水器の濾材(C)を通過し、対流式浄水器の内部に設けられた空洞(Ha)を上昇し、対流式浄水器の濾材(C)を通過し側面に達する上下環状対流が発生する。したがって、水入れ容器内の水道水は繰り返される上下環状対流と対流式浄水器により浄水される。
尚、前記半球状の外枠と半球状の内枠とは、四面体・五面体・六面体等の多面体も言う。
【0008】
そして、この発明の実施をするための最良の形態について図3に基づいて説明すると、穴(11)を穿設した短冊状の切片からなる炭(12)を素材とし、炭(12)を紐(13)で筒状に縫着する。
本発明は、以上のような構造でこれを使用するにあたっては、筒状に縫着された炭(12)の内部に空洞(Hb)が確保される。水入れ容器に対流式浄水器と水道水を入れ冷蔵庫等で冷やすことにより、水入れ容器内の水道水は対流式浄水器の側面を降下し、対流式浄水器の穴(11)を通過し、対流式浄水器内部の空洞(Hb)を上昇し、対流式浄水器の穴(11)を通過し側面に達する上下環状対流が発生する。したがって、水入れ容器内の水道水は繰り返される上下環状対流と対流式浄水器により浄水される。
【0009】
さらに、この発明の実施をするための最良の形態について図4に基づいて説明すると、内部に空洞(Hc)を設けた筒状の竹炭(14)を素材とし、筒状の竹炭(14)の側面に多数の穴(15)を穿設する。
本発明は、以上のような構造でこれを使用するにあたっては、筒状の竹炭(14)の内部に空洞(Hc)が確保される。水入れ容器に対流式浄水器と水道水を入れ冷蔵庫等で冷やすことにより、水入れ容器内の水道水は浄水器の側面を降下し、対流式浄水器の穴(15)を通過し、対流式浄水器内部の空洞(Hc)を上昇し、対流式浄水器の穴(15)を通過し側面に達する上下環状対流が発生する。したがって、水入れ容器内の水道水は繰り返される上下環状対流と対流式浄水器により浄水される。
【産業上の利用可能性】
【0010】
この発明の空洞を形成した対流式浄水器は、製造技術・製造方法及び作業性を確立し、かつ寄与する点で、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明における請求項1の発明の一実施例を示し、部分断面図を含む斜視図である。
【図2】この発明における請求項2の発明の一実施例を示し、(A)は、分解斜視図であり、(B)は、部分断面図を含む斜視図である。
【図3】この発明における請求項3の発明の一実施例を示し、斜視図である。
【図4】この発明における請求項4の発明の一実施例を示し、斜視図である。
【符号の説明】
【0012】
1,1a, 外枠
2,2a, 内枠
3, 蓋
4,4a, 器
5,9, 係着部
6, 離間壁
7, 充填用の穴
8, 蓋
10, 内子
11, 穴
12, 炭
13, 紐
14, 竹炭
15, 多数の穴
M,Ma 多孔を有する素材
C, 濾材
H,Ha,Hb,Hc,空洞

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔を有する素材で形成され内部に空洞を有する外枠と内枠とを設け、外枠と内枠とを離間させ外枠と内枠の両端を固定する蓋を設け、外枠に内枠を挿設し外枠と内枠の一方に蓋を装着することにより器を形成し、該、器に濾材を充填し、外枠と内枠の他方に蓋を装着することにより、空洞を形成した対流式浄水器。
【請求項2】
多孔を有する素材で形成され内部に空洞を有する外枠と内枠との周縁に係着部を設け、外枠の内側に離間壁を設け、外枠に穴を穿設し穴と嵌合する蓋を設け、内枠の係着部を係着して内子を形成し、外枠に内子を内包し係着部を係着することにより器を形成し、該、器に濾材を充填し、穴に蓋を装着することにより、空洞を形成した対流式浄水器。
【請求項3】
穴を穿設した切片からなる炭を素材とし、炭を紐で筒状に縫着することにより空洞を形成した対流式浄水器。
【請求項4】
内部に空洞を設けた筒状の竹炭を素材とし、筒状の竹炭の側面に多数の穴を穿設することにより空洞を形成した対流式浄水器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−268510(P2007−268510A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−124407(P2006−124407)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(504203756)
【Fターム(参考)】