説明

空洞コンクリートブロックの原料配合方法

【課題】 この発明は、普通セメント、水、粗骨材、混和剤からなるコンクリート製の空洞ブロックにおいて、粗骨材に、適宜な割合の木質炭化物を混入する空洞コクンリートブロックの原料配合方法に関する。
【解決手段】 間伐材、木の皮、製材所からでる廃材を炭化処理し、木質炭化材(1)を、ブロック工場(Y)に集め、該ブロック工場で、普通セメント(2)、水(3)、砕砂(4a)、木質炭化物(1)、砂実(4b)からなる粗骨材(4)、混和剤(5)を原料としてコンクリート製の空洞ブロック(X)を製造するものであり、この発明の特徴は、普通セメント(2)、水(3)、粗骨材(4)、混和剤(5)からなるコンクリート製の空洞ブロックにおいて、粗骨材(4)の割合を、木質炭化物(1)を30%としたことを特徴とする空洞コンクリートブロックの原料配合方法から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空洞コクンリートブロックの原料配合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築用製品である、空洞コンクリーブロックは、昭和24〜25年頃、アメリカより生産効率の高いブロックマシンが導入されて以来、急速に普及したコンクリート製品であり、当初は補強コンクリートブロック造の1戸建住宅として普及したが、プレファブ住宅の普及に伴い、現在ではブロック塀、ビル建築の間仕切り、畜舎、貯蔵庫など簡易な建築構造物に広く用いられている。
【0003】
従って、この空洞コクンリートブロックは、事務所、工場、店舗等のビル建築現場等で床、壁等に使用されており、壁にはタイル、レザークロス、壁紙等を貼る方法がとられており、コンクリートは、吸水すると電離して陽イオンを帯び、その結果、デリケートな計器類の製造、あるいは、使用している事業所ではイオンによる狂いが生じたりしていることも事実である。
【0004】
また、一方、近年、森林の整備による間伐材や、木の皮や製材所からでる廃材は多く、資源ゴミとして大量に発生しているのが実状である。
【0005】
そこで、前述の空洞コンクリーブロックに、これらの木材の廃材を炭化させた木質炭化物の粉体を混入することにより、資源の再利用を図ると共に、木質炭化物の特徴である断熱性、吸臭性、陽イオン化の抑制効果を利用して陰イオン化(森林浴効果)を図ると共に、コンクリーブロックの骨材の節約を図る空洞コクンリートブロックの配合方法を求めるものである。
【0006】
そして、コンクリートブロックの材料に、木質炭化物を混入したものは、既に存在している。例えば、特許文献1のように。
【特許文献1】特開平2005−271409号公報
【0007】
しかしながら、上記特許文献1は、型枠の内面にコンクリートの凝結を遅延させる薬剤を塗布し、脱型後ブロック表面をブラスト処理をするという製造工程が煩雑であり、従ってコストも高くなるという欠点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこでこの発明は、普通セメント、水、粗骨材、混和剤からなるコンクリート製の空洞ブロックの材料であって、そのうちの粗骨材(砕砂と砂実)に、木質炭化物を最適な割合で混入することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、コンクリート製の空洞ブロックの素材である粗骨材の木質炭化物の割合を、砕砂40%、砂実30%、木質炭化物(木炭)30%とすることにより、建築用コンクリートブロック試験成績においても、全断面圧縮強さ(N/mm)4.4〜4.6の数値を示す空洞コンクリーブロックとするものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によると、建築用等のコンクリート製の空洞ブロックにおいて、粗骨材に、木質炭化物(木炭)30%を混入することにより、間伐材や、木の皮や製材所からでる廃材は、再利用されることにより、資源の再利用が図れ、また、粗骨材の節約にもなり、併せて、空洞コクンリートブロックの陽イオン化に対して、陰イオン化が図れる。
【0011】
また、この空洞コクンリートブロックをJAS A5406による試験方法で行ったところ、建築用コンクリートブロック試験成績(資料1)において示すように、全断面圧縮強さ(N/mm)4.4〜4.6の数値を示す空洞コンクリーブロックとすることが出来たものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面とともにこの発明による空洞コクンリートブロックの原料配合方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明のフローチャート図であり、この図1に従って詳述すると、間伐材、木の皮、製材所からでる廃材を炭化処理し、木質炭化材(1)を、ブロック工場(Y)に集め、該ブロック工場で、普通セメント(2)、水(3)、砕砂(4a)、木質炭化物(1)、砂実(4b)からなる粗骨材(4)、混和剤(5)を原料としてコンクリート製の空洞ブロック(X)を製造するものである。
【実施例】
【0013】
そこでこの発明の一実施例を詳述すると、この発明の特徴は、普通セメント(2)、水(3)、粗骨材(4)、混和剤(5)からなるコンクリート製の空洞ブロックにおいて、粗骨材(4)の割合を、木質炭化物(1)を30%としたことを特徴とする空洞コンクリートブロックの原料配合方法から構成されるものである。
【0014】
また、この空洞コンクリートブロックの原料配合方法に使用する木質炭化物(1)は、間伐材、木の皮、製材所から出る廃材を素材とし、該木質炭化物(1)の大きさは、7mm以下のサイズである。この理由は、砕砂(4a)と砂実(4b)とのふるい目の通過率からも判断できるように、砕砂(4a)は5mmで100%通過し、砂実(4b)は7mm程度で90%通過するものであり、従って、これらと根練される木質炭化物(1)も7mm以下としたものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の一実施例を示すフローチャート図である。
【図2】この発明の一実施例を示し、(a)は、示方配合の図であり、(b)は、物理試験の図である。
【図3】この発明の一実施例を示す通過率を示すグラフ図である。
【図4】この発明の一実施例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
1 木質炭化物
2 普通セメント
3 水
4 粗骨材
4a 砕砂
4b 砂実
5 混和剤
X コンクリート製の空洞ブロック
Y ブロック工場

【特許請求の範囲】
【請求項1】
普通セメント、水、粗骨材、混和剤からなる空洞コンクリートブロックにおいて、粗骨材のうち、木質炭化物の割合を、かさ密度で、30%としたことを特徴とする空洞コンクリートブロックの原料配合方法。
【請求項2】
木質炭化物が、間伐材、木の皮、製材所から出る廃材を素材とし、該素材のサイズが粒度7mm以下であることを特徴とする請求項1記載の空洞コンクリートブロックの原料配合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−280197(P2008−280197A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−124294(P2007−124294)
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【出願人】(507151696)
【Fターム(参考)】