説明

空調家具

【課題】部屋の中央部の空気やパーティションで仕切られた部分の空気については,空調或いは空気循環の対象になりにくいという問題,及び空調などの空気循環に伴って浮遊する埃などを有効に捕集するシステムを低コストに実現すること。
【解決手段】家具上部と下部にそれぞれ設けられ,上部の温度を検出する上部温度センサ及び下部の温度を検出する下部温度センサと,家具内部に形成され,家具上部の開口と家具下部の開口とを連通する空気通路内に設けられた送風ファンと,上記上部温度センサと下部温度センサとにより検出された家具上部と下部の温度差に基づいて,上記送風ファンを駆動する制御部と,を備えてなる空調家具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,空調機能付き家具に係り,さらに詳しくは,パーティションなどの間仕切り,スクリーン,食器棚,本棚,台所に据付けられた流し台やトレー,冷蔵庫などの家具の内部に,上下方向の空気通路を形成すると共に,この空気通路に送風ファンを設けて,空気の循環を促進することで,快適な室温調整を可能として空調機能付き家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば,室温は上部と下部との間で偏りを生じやすい。冬場には室内を暖房するが,暖かい空気は天井に沿ってたまりやすく,夏場の冷房時には,冷たい空気が足元にたまりやすい。そのような温度の偏りは快適な生活環境を阻害する。
そのため部屋の壁に空気循環を促進するファンを取り付けるといった工夫が行われるが,壁に近い部分では空気の循環が促進されても,部屋の中央或いはパーティション(間仕切り)で仕切られた空間内の空気は容易に循環することがないので,室温の偏りは簡単には解消しない。
もちろん風速を増加させれば遠くまで空気を送ることも出来るが,冬場の風速増加は,肌寒い感覚を生じさせ,ユーザは,かえって不快な感覚に悩まされる。
また,部屋の中にたまった埃や雑菌,花粉或いは臭気やホルムアルデヒドなどは,空調のための空気の循環に伴って拡散され,住環境を悪化させ,場合によっては健康を阻害するので,何らかの方法で取り除くことが望ましい。
かかる埃や雑菌などは微小であるので容易に浮遊する特質があり,効率よく室内空気を循環できるのであれば,その循環の途中で捕集し除去することが望ましい。このようなことに配慮した家具が,特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2005−65986
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように,従来は,部屋を囲む壁に空気循環器を取り付ける事が一般的であったため,部屋の中央部の空気やパーティションで仕切られた部分の空気については,空調或いは空気循環の対象になりにくいという問題があった。
また,空調などの空気循環に伴って浮遊する埃などを有効に捕集するシステムが必要であるが,それは空調との併合で処理することが,別々に行うよりもコストの点で有利であると考えられる。
【0004】
従って本発明は,上記の課題を解決するためになされたもので,パーティション(間仕切り)などの家具に,上部から下部まで貫通する空気通路を設けると共に,この空気通路内に送風ファンを取り付け,上記家具の上部と下部との温度差に応じて上記ファンを駆動することで,室内の任意の場所における快適な温度環境を創成することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明に係る空調家具には,
家具の上部と下部にそれぞれ家具の上部の温度と下部の温度を検出する上部温度センサ及び下部温度センサとが設けられる。
さらにこの家具内部には,家具上部の開口と家具下部の開口とを連通する空気通路が形成される。この空気通路内には,送風ファンが設けられる。
上記ファンは,上記上部温度センサと下部温度センサとにより検出された家具の上部と下部の温度差に基づいて駆動される。
駆動は制御部により行われる。
このような構成によって,部屋のあちこちにおかれた家具の近傍において,温かい空気と冷たい空気とが交じり合い,大きい風速を必要とすることなく,家具近傍が効率よく空調される。
上記空調家具の変形例として,上記空気通路にヒータが設けられたものが,提案される。
ヒータを設けることによって,家具近傍の暖房が積極的に行われる。
このヒータは,上記送風ファンを駆動制御する制御部によって制御されてもよい。
【0006】
上記ヒータを駆動するのは暖房運転の時である。
暖房運転が必要な冬季には通常足元が寒いと感じることが多いから,ヒータによって温められた空気を,足元に吹きつけることが望ましい。
そのため,ヒータを使用する場合には,上記制御部は,空気が上部から下部に送られるように上記送風ファンの回転方向或いは空気通路内のシャッターの開閉を調整することが望ましい。
上記構成によれば,家具近傍の足元における暖房が促進される。
またこの空気循環系路に空気清浄用のフィルタを設けておくことで,室内の空気浄化が効率よく行われる。
上記フィルタとしては,徐塵用フィルタ,においフィルタ,除菌用フィルタ,殺菌用フィルタ,滅菌用フィルタ,ホルムアルデヒドの捕集或いは分解の機能を持つフィルタ,オゾン分解用のフィルタなどが考えられるが,これらは例示であって,本発明においてはこの例に限定されるものではない。また,これらは選択的に適用されても,複数が組み合わせられて適用されても良い。
上記徐塵用フィルタとしては種々のものが考えられる。部屋のダストが代表的であるが,その他花粉除去用のフィルタを含んでなるものであってもよい。
この空調家具は,上記のように空気の循環を積極的に行うものであるから,更に超音波イオン発生器を設けて,上記空気通路に超音波イオンを供給することで部屋にマイナスイオンなどを供給することもできる。
【0007】
この発明にかかる家具は,上記のように空調機能があるので,温度などの空調の度合いや埃の多さなどを表示する表示装置を,その表面に備えることで,ユーザに空調の度合いや埃の多さなどを知らせることができる。表示装置としては,温度表示部,空気清浄度表示部,イオン発生表示部,フィルタ詰まり表示部のいずれか或いは複数が考えられる。これらも例示的なものであるので,これ以外の表示装置も適用されうる。
【0008】
更に,ヒータ及びファンを駆動する加熱モードと,ファンのみを駆動する送風モードの切り替え手段を備え,該切り替え手段の切り替え操作に応じて,前記制御部が前記上記ヒータ及びファンを制御するようにしてもよい。
暖房モードと単純な空気循環用の送風モードを切り替え可能とすることで,ユーザは快適な生活環境を得ることができる。
本発明にかかる家具の一例としては,パーティションなどの間仕切り,移動用間仕切壁,スクリーン,たんす,食器棚,冷蔵庫のいずれか或いはその組み合わせが考えられる。これも一例であって,本発明はこれら以外のものでも家庭用或いは事務用その他の家具の範疇に入るものには適用可能である。
またその他として,上記フィルタには機械式,化学式なもののほか,たとえば静電気・帯電式あるいは放電式などを含むものであってもよい。
当該家具を,移動用のキャスタを備えて構成することもできる。これにより,空調する領域が広くなり,空調家具としての利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下,添付図面を参照して,本発明を具体化した実施形態について説明する。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る空調機能付パーティションの駆動系統を説明するブロック図,図2は同空調機能付パーティションの斜視図である。
【0010】
図に示すように,家具の一例であるパーティション1には,一般のパーティションと異なり,上部(天井部)に上部開口2aが形成され,下端部に下部開口2bが形成され,かつ上記上部開口2aと下部開口2bとが,パーティション1内に縦方向に形成された空気通路3によって連通されている。
また上記空気通路3内には,図1に示すモータMにより駆動される送風ファン4が設けられ,この送風ファン4の回転方向を切り換えることで,空気通路3内の空気が,下部開口2bから吸い込まれて上部開口2aへ吹き出され(矢印X1,X2で示す),あるいは上部開口2aから吸い込まれて下部開口2bから室内へ(矢印Y1,Y2で示す)送り出される。
上記パーティション1の上部には,上部温度センサ5aが,また下部には下部温度センサ5bがそれぞれ設けられ,各温度センサ5a,5bによる室温情報は,制御部6へ送られる。
【0011】
上記制御部6は,インバータあるいはモータ駆動回路7を介して前記送風ファン4を駆動するファンモータMと接続されており,上記制御部6は,上記温度センサ5aおよび5bからの温度情報に基づいて上記ファンモータMの回転方向および回転数を制御する。
すなわち,温度センサ5aおよび5bからの情報から,温度センサ5aによって測定されたパーティション1上部の空気の温度が,温度センサ5bによって測定されたパーティション1の下部の空気温度より高いと制御部6が判断した場合には,上下の温度の均一性を高めることが快適性を増す事になることから温度の高い上部の空気を下部に送るべく,上記送風ファン4を上部の空気を下部に送る方向に回転駆動する。送風ファン4はある程度の回転数範囲において,回転数が高いほど風量が多い。従って,上記制御部6は,上記上部温度センサ2aと下部温度センサ2bとの温度差に応じてファンモータ7の回転数をも制御する。
【0012】
上記上部温度センサ5aあるいは下部温度センサ5bにより測定された室温,あるいはそれから適宜の演算により取得された床から適宜の高さの温度,または上記上部温度センサ5aと下部温度センサ5bによる温度差は,パーティション1の壁面に取り付けられた温度表示部8に表示される。これにより,ユーザは室温や温度差などを知る事ができ,場合によっては,上記壁面に設けられたスイッチSWを操作して,ファンモータ7を強制的に回転させる事もできる。
なお,上記下部開口2bや上部開口2aには適宜のベーンを設けて,空気の吹き出し方向を調整する事も可能である。適宜のモータによってベーンの吹き出し方向を変化させることもこの発明の範囲内の変形である。
【0013】
上記パーティション1は,下部に設けた支持脚9によって,支えられている。支持脚9は床に固定されてもよいが,通常は床に載置されるだけであり,パーティション1ごと自由に置き場所を変更する事ができる。これにより必要な場所で前記した空気循環をさせる事ができ,室内での快適性が向上する。
上記支持脚9の下面など床に対向する面に車輪などのキャスタ9aを設けて,パーティション1を移動自在とすることもできる。これにより広い空調空間が得られる。
次に上記したパーティション1の種々の変形例を以下に説明する。
【実施例1】
【0014】
上の実施形態では,部屋の上部と下部の温度を測定して,単純にその温度差に応じてファン4を駆動し,上下の温度差を少なくすることでの空調が行われていた。
これに対して次の実施例では,上記空気通路3にヒータHが設けられ,空気通路3を通る循環空気が加熱され,積極的な暖房運転が可能である。このヒータHも前記制御部6により制御される。
すなわち,上記制御部6は,前記温度センサ5a,5bにより測定された室温あるいは室温と前記上下の温度差の両方に基づいて上記ヒータHへの供給電流を制御することで,空気通路3を通る空気の温度を調整する。
上記のようにヒータHを駆動する場合には,上記制御部は,空気が上部から下部に送られるように上記送風送風ファン4の回転方向を設定する。これにより,温かい空気が足元に送り出され,足元の暖房効果が向上する。
【実施例2】
【0015】
次の実施例では,上記空気通路3内に空気清浄用のフィルタ10が設けられる。
上記フィルタ10は,種々のものが考えられるが,徐塵用フィルタ,においフィルタ,除菌用フィルタ,殺菌用フィルタ,滅菌用フィルタ,ホルムアルデヒドの捕集或いは分解の機能を持つフィルタ,オゾン分解用のフィルタ,或いは,光触媒酸化チタンフィルタなどが好ましい実施例としてあげられる。これらはもちろん例示的なもので,これら以外のフィルタや,あるいはこれらのフィルタの組み合わせであってもかまわない。
また,非常に効果的な実施例として,上記徐塵フィルタが花粉除去用のフィルタや動物の毛を取り除く適宜のメッシュのフィルタを含んでなる場合が考えられる。
これらの実施例は,種々の花粉症やアレルギーに悩むユーザにとって福音となるであろう。
【0016】
また現在,健康に悪影響を与えるシックハウス症候群が問題視されている。このシックハウス症候群は,建材や家具等から室内に放散される化学物質等を人が吸い込むことで,咳,頭痛,目やのどの痛み吐き気などの症状を起こすことをいう。近年,高気密住宅等,住宅の気密性向上に加え,エアコンディショナーの使用に伴い,室内の換気が長時間行われないことから,シックハウス症候群が増加する傾向にある。かかるシックハウス症候群は,アレルギー性疾患を有する人,乳幼児,老人等への悪影響は特に大きく,住宅のみならず,学校や医療施設等,その影響が特に問題となる場所において,効果的な対策が緊急に求められている。一方,かかるシックハウス症候群の原因となる化学物質として,特に,VOCの一つとしてのホルムアルデヒドが注目されている。このことから,2003年の改正建築基準法によれば,ホルムアルデヒドの放出量が大幅に制限されている。
【0017】
このホルムアルデヒドは,合板等の建材,壁紙,家具等で,接着剤や防腐剤として幅広く使用されている。よって,今回の建築基準法改正により,建材や壁紙等については,ホルムアルデヒド発散量の少ないものを使用したり,ホルムアルデヒド含有量の少ない接着剤を使用したりすることにより,ホルムアルデヒド対策が講じられようとしている。
一方,家具についても,建材や壁紙等と同様,ホルムアルデヒドの含有量や発散量の少ない材料を使用することにより,ホルムアルデヒド対策とすることが考えられる。しかし,ホルムアルデヒドの含有量や発散量の少ない材料を使用したとしても,その材料からは,やはり,一定量のホルムアルデヒドが室内環境へ放散されてしまう。よって,材料中から放散されるホルムアルデヒドを,積極的に吸着したり分解したりする機能を効果的に発揮する家具を提供できれば,シックハウス症候群対策として,最も理想的である。
本実施例におけるフィルタは,上記のようなホルムアルデヒドを積極的に吸着したり分解したりする機能を効果的に発揮するフィルタを含むものである。これによりシックハウス症候群と呼ばれる病状に対して,本発明にかかる空調家具は著しい効果を発揮することとなる。
【0018】
このようなホルムアルデヒド吸着の技術としては,建築用パネルや家具用パネル等から発生するホルムアルデヒド等の有害物質を吸着し,周囲の湿気を吸収する脱臭ボードが好適である。このような技術は,特開2000−127274号公報に開示されている。この脱臭ボードは,粒状活性体同士の接触部のみを接着して,表裏に通じる連続通気孔を多数有する活性炭層を形成し,その活性炭層の表裏に,通気性を有するシートを部分接着したものである。上記特許文献によれば,この脱臭ボードは,フラッシュ構造を有する家具の天板,側板,棚板等に入れることにより,合板の接着剤から発生するホルムアルデヒド等を吸着するとされており,本発明の家具の空気通路に設けることによって,ホルムアルデヒド吸着に所定の効果を発揮する。
【0019】
また特開2002−144459号公報には,ホルムアルデヒド等を吸着する素材を設けた板状芯材が開示されている。この板状芯材は,紙製のハニカム状板に,炭酸カルシウムの方解石型構造による結晶体構造を備えた貝殻を粉砕した貝殻粉末を付着したものである。上記特許文献によれば,この板状芯材を用いた天井材,壁板,家具,畳等は,ホルムアルデヒド等を吸着するとされている。このようなハニカム状フィルターは,空気抵抗が少ないので,本発明のような狭い空気通路に設けるフィルタに適用して好適である。
【0020】
また別の変形例として上記フィルタの1例として,例えば光触媒酸化チタンフィルタを有しており,空気中に浮遊する微細な塵埃を吸着分解し,空気中の細菌を除菌し,滅菌するものが適用可能である。光触媒酸化チタンフィルタの場合,例えば紫外線ランプで紫外線を照射することで,フィルタの清浄化が達成されるので,フィルタが老化せず,長期にわたって使用可能である。但し,最近の研究によると,照射する光線は純粋な紫外線でなくても,紫外線を含む日光などでもよいことが確認されている。
【0021】
ホルムアルデヒド捕捉能を有する建築用素材としては,植物ポリフェノール類が考えられる。ここに,上記植物ポリフェノール類は,フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3−オール誘導体,或いはフラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3−オール誘導体が採用されうる。
また上記植物ポリフェノール類の具体例として,茶由来のポリフェノール類,或いは,ケブラチオ,ミモザ,リンゴ,ブドウおよびローズマリーの中から選ばれた植物由来のものが採用可能である。
更に上記植物ポリフェノール類の含量が,シート状形成物および木質材料の場合は1〜500g/m2 ,接着剤の場合は0.1〜10%(w/w)であることが望ましい。
植物ポリフェノール類の含量としては,フィルタの場合は1〜500g/m2 程度が望ましいことが確認された。
【0022】
上記のような種々のフィルタ10を設けた場合,フィルタには常時同じ方向から空気を供給する必要があるので,フィルタの向きと空気の流通方向に工夫が必要である。
例えば,固定のフィルタを用いる場合には,常に一方向からのみ空気を流すようなことが考えられる。特に,室内のダストなどは部屋の床に集まる傾向があるので,フィルタを用いる場合は下部開口2bから吸い込んで上部開口2aから常に吐き出すような配慮が望ましい。
ただし,フィルタへの通路に開閉自在の遮蔽板(シャッター)をおいて,空気の送り方向に応じてフィルタへの空気の流れ込みを遮蔽するような構造を用いれば,空気の流れは上向き,下向き,いずれにも選択可能となる。
【0023】
次に上記のような送風ファン4を設けた場合,或いはさらにフィルタ10を設けた場合,ファン10による風切音や,空気がフィルタ10を通過することにより生じる音を低減させるために,通気性を有する消音材が充填された消音室11を設けることが好ましい。
【実施例3】
【0024】
別の実施例として,上記空気通路3に図外の超音波イオン発生器を備え,上記空気通路に超音波イオンを供給するものが提供される。このようなイオン発生器は,必ずしも空気通路3内に設ける必要はない。たとえば,空気の吹き出し口である上部開口2aあるいは下部開2bの近傍に設ける事もできる。
これによりたとえばマイナスイオンを室内の温度に応じて,或いはユーザの要求に基づいて(適宜のスイッチを操作することで),発生させることができる。
【実施例4】
【0025】
室温,室温の上下部温度差,ホコリセンサを用いた室内空気の清浄度,イオンの発生状況或いはフィルタ部における空気抵抗を測ることによるフィルタの目詰まりの度合いなどについては,パーティション1の表面にそれらの表示部8を設けて,ユーザに常時知らせるような構成が望ましい。例えば,温度表示部,空気清浄度表示部,イオン発生表示部,フィルタ詰まり表示部など,或いはそれらの組み合わせの表示部を設けることが望ましい。
【実施例5】
【0026】
更に,ヒータH及び送風ファン4を駆動する加熱モードと,送風ファン4のみを駆動する送風モードの切り替え手段として,図外の切り替えスイッチをパーティション1の表面に設けて,ユーザがヒータを用いた加熱モードを用いるか,ファンのみによる送風モードを用いるかを切り替え可能とすることも本発明の変形例の1つである。かかる切り替えスイッチによってユーザが最も快適と思うモードに簡単に切り替えることが可能となす。
【実施例6】
【0027】
上記実施形態及び実施例では,家具としてパーティションに本発明を適用した場合について説明した。しかし本発明における家具は,上記のようなパーティションに限らず,当該家具が,そのほかの間仕切り壁,例えば天井に敷設されたレールから吊り下げられて,レールに沿って移動する移動壁(移動用間仕切壁),たんす,食器棚,冷蔵庫そのほかの家具に適用される。移動壁は通常それ自身管理大型であるので,内部にファンなどを装着するスペースが十分ある。また,支持脚9が無くても傾くことは無いので,本発明に好適な実施例である。
また例えばたんすや食器棚の側面に沿って上下の空気通路をたんすや食器棚の内部に形成し,その空気通路にファンを設けて,たんすや食器棚の近傍における空気調和を図るようなことも極めて実現性が高い。
本発明では,その対象となる家具が必ずしも移動自在なものである必要はないが,移動可能な家具の場合には,床面に対向する面にキャスタなどの車輪を設けることが望ましい。これにより空調される場所を移動することができるので,その空調機能がひときわ充実することになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態に係る空調機能付パーティションの駆動系統を説明するブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係る空調機能付パーティションの斜視図。
【符号の説明】
【0029】
1…パーティション(家具の一例)
2a…上部開口
2b…下部開口
3…空気通路
4…ファン
5…温度センサ
5a…上部温度センサ
5b…下部温度センサ
6…制御部
7…モータ駆動回路など
8…表示部
9…支持脚
9a…キャスタ
10…フィルタ
11…消音室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具上部と下部にそれぞれ設けられ,上部の温度を検出する上部温度センサ及び下部の温度を検出する下部温度センサと,
家具内部に形成され,家具上部の開口と家具下部の開口とを連通する空気通路内に設けられた送風ファンと,
上記上部温度センサと下部温度センサとにより検出された家具上部と下部の温度差に基づいて,上記送風ファンを駆動する制御部と,
を備えてなることを特徴とする空調家具。
【請求項2】
上記空気通路にヒータが設けられ,上記制御部が,上記送風ファンと共に,上記ヒータを駆動してなる請求項1記載の空調家具。
【請求項3】
上記ヒータを駆動する場合には,上記制御部は,空気が上部から下部に送られるように上記送風ファンの回転方向を設定するものである請求項2記載の空調家具。
【請求項4】
上記空気通路内に空気清浄用のフィルタが設けられてなる請求項1〜3に記載の空調家具。
【請求項5】
上記フィルタが,徐塵用フィルタ,においフィルタ,除菌用フィルタ,殺菌用フィルタ,滅菌用フィルタ,ホルムアルデヒドの捕集或いは分解の機能を持つフィルタ,オゾン分解用のフィルタのいずれか1つ或いは複数を含んでなるものである請求項4に記載の空調家具。
【請求項6】
上記徐塵用フィルタが花粉除去用のフィルタを含んでなる請求項5に記載の空調家具。
【請求項7】
超音波イオン発生器を備え,上記空気通路に超音波イオンを供給するものである請求項1〜6のいずれかに記載の空調家具。
【請求項8】
当該家具がその表面に,温度表示部,空気清浄度表示部,イオン発生表示部,フィルタ詰まり表示部のいずれか或いは複数を備えてなる請求項1〜7のいずれかに記載の空調家具。
【請求項9】
更に,ヒータ及びファンを駆動する加熱モードと,ファンのみを駆動する送風モードの切り替え手段を備え,該切り替え手段の切り替え操作に応じて,前記制御部が前記上記ヒータ及びファンを制御してなる請求項2〜8のいずれかに記載の空調家具。
【請求項10】
当該家具が,間仕切り壁,移動用間仕切壁,スクリーン,たんす,食器棚,冷蔵庫のいずれか或いはその組み合わせを含んでなる請求項1〜8のいずれかに記載の空調家具。
【請求項11】
当該家具が,移動用のキャスタを備えてなる請求項1〜10のいずれかに記載の空調家具。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−198652(P2007−198652A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−16290(P2006−16290)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【出願人】(391006441)山田工業株式会社 (29)
【Fターム(参考)】