説明

空調靴

【課題】 靴内部に送風する送風空気を冷却手段および加熱手段の少なくとも一方を用いて冷却、加熱するようにして、靴内部空間を空調する靴がない。
【解決手段】 空気流通路101内の空気を、靴内部空間11dに送風する送風機27と、送風機27により送風される空気に熱を伝達するペルチェ素子34、ヒータ39とを備え、温度センサ30により検出される靴内部温度T1が設定温度TSを維持するように、制御手段29aが送風機27、ペルチェ素子34、ヒータ39の作動、停止を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調を行う靴に関するもので、靴の温度制御に適用して有効である。
【背景技術】
【0002】
従来の靴(例えば革靴、スニーカー、長靴等)は通気性、換気性が悪く、特に夏場は足の発汗作用により靴内部の温度、温度が上昇して不快に感じることがあった。また、寒冷地では、冬に靴が冷却されて足先が冷たくなって足に霜焼けができることがあった。
【0003】
そこで、靴内部の高温度、高温度対策としては靴内の空気を換気するものや靴内温度を冷却するように、靴内の低温度対策としては靴内温度を加熱するようにしたものが出願されている。
【0004】
上記背景技術をより具体的に説明すると、冷却手段、加熱手段の両方を用いるものとしては、靴の適宜部位にペルチェ素子を設け、図示せざるスイッチをONにして靴内を冷却し、さらに、ペルチェ素子に対する電源からの電流の流れを正逆反転させて靴内を加熱するものが特許登録されており、伝熱手段としてポンプやモータを用いたファンの駆動によって生ずる空気の動きを利用している(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、靴外装部の内面に配置され、足部を冷却、加熱する複数のペルチェ素子と、このペルチェ素子近傍に、それぞれ設けられた温度センサと、靴の底部に設けられ、歩行に伴う機械力で発電する発電機と、発電機で発電された電気を得る電源回路と、電源回路の出力によって駆動するマイコンとを備え、上記温度センサの検出値と設定値とをマイコンで比較してペルチェ素子を冷却または加熱して靴内の温度を調整しようとするものが出願されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
また、冷却手段、加熱手段のうち、冷却手段のみ用いるものとして、冷却パッドの内部に冷媒が循環する経路を設け、上記経路に冷媒、例えば冷水を循環させるものが出願されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0007】
また、冷却手段、加熱手段のうち、加熱手段のみ用いるものとして、空気圧送手段と、上記空気圧送手段を駆動する駆動手段と、上記駆動手段の動力源となる電源と、空気圧送手段により圧送する空気を加熱する熱発生手段とを設けたケースと、一端が靴内部側に開口するとともに、他端が側部に開口する空気流路を有する中敷とを備え、上記空気圧送手段と中敷側部に開口する空気流路とを連結し、熱発生手段により加熱された空気を靴内部に送風するものが出願されている(例えば、特許文献4参照)。
【0008】
【特許文献1】特許3017618号
【特許文献2】特開平10−229902号公報
【特許文献3】特開2002−209602号公報
【特許文献4】特開平7−194407号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記特許文献1は、伝熱手段としてポンプやモータを用いたファンの駆動によって生ずる空気の動きを利用する方法が例示されているが、ライナーに、靴内部空間に送風する空気穴が設けられておらず、靴内部空間を空調することができない。
【0010】
また、ペルチェ素子に対する電源からの電流の流れを正逆反転させる手段が明示されていない。上記正逆反転させる手段が図示せざるスイッチの場合には、靴内の温度に応じて操作者が自分でスイッチを切り替えなければならない。上記構成によれば、靴内部の温度を検出する手段、靴内の温度を自動的に、所定の温度になるように制御する手段がないので、靴内の温度を自動的に、かつ所定の温度に維持することが困難である。
【0011】
なお、上記特許文献1は、ペルチェ素子を空気の冷却のみ、あるいは加熱のみで使用するように、制御できるが、上記と同様の理由により、靴内の温度を自動的に、かつ所定の温度に維持することができない。
【0012】
また、特許文献2は、温度センサの検出値と設定値とをマイコンで比較してペルチェ素子を冷却または加熱して靴内の温度を調整するものであるが、特許文献1と同様に、空調ができない。しかも、ペルチェ素子の排熱手段がないので、次第にペルチェ素子の冷却能力、加熱能力が低下する。その結果、靴内の温度を自動的に、かつ所定の温度に維持することができない。
【0013】
なお、上記特許文献2のように、空調する構造ではなく、ペルチェ素子を靴外装部の内面、靴底等の複数箇所に設け、靴本体を熱伝達手段にして、足部または靴内部空間を冷却、加熱する構造では、ペルチェ素子の保護手段と排熱手段が必要となり、靴全体が大きくなる傾向がある。
【0014】
また、特許文献3も、上記特許文献2と同様に、空調ができない。しかも、冷却パッドの内部を循環する冷水の温度を自動的に、所定の温度になるように制御する手段がないので、靴内の温度を自動的に、かつ所定の温度に維持することが困難であった。
【0015】
また、特許文献4では、圧送される空気の温度を自動的に、所定の温度になるように制御する手段がないので、靴内の温度を自動的に、かつ所定の温度に維持することが困難であった。
【0016】
なお、特許文献1〜特許文献4は、靴内部に送風する送風空気を冷却する冷却手段および送風空気を加熱する加熱手段の少なくとも一方を備えているが、効率よく靴内の換気をすることができず、除湿することもできない。
【0017】
本発明は上記点に鑑み、靴内部に送風する送風空気を冷却手段および加熱手段の少なくとも一方を用いて冷却、加熱することで、靴内の温度を所定の温度に自動制御可能な空調靴を提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明は上記点に鑑み、靴内部に送風する送風空気を冷却する冷却手段および送風空気を加熱する加熱手段の少なくとも一方を備えた靴において、効率よく換気を行うように制御できる空調靴を提供することを他の目的とする。
【0019】
さらに、靴内部に送風する送風空気を冷却する冷却手段および送風空気を加熱する加熱手段の両方を用いて、靴内部空間を除湿し、適温に制御された空気を送風できる空調靴を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、靴内部空間(11d)に一端が開口し、他端が靴内部空間(11d)および外気のどちらか一方に開口して空気が流通する空気流通路(101、103)が形成されており、
空気流通路(101、103)内の空気を、靴内部空間(11d)に送風する送風手段(27)と、
送風手段(27)により送風される空気に熱を伝達する熱伝達手段とを備え、
さらに、靴内部空間(11d)の靴内部温度(T1)を検出する温度検出手段(30)と、
温度検出手段(30)により検出される靴内部温度(T1)と、所定の温度(TS)との比較結果に基づいて送風手段(27)、熱伝達手段の作動および停止のどちらか一方を行う制御手段(29a)と、
送風手段(27)、熱伝達手段、制御手段(29a)に電気を供給して作動させる電源装置(25)とを備えており、
制御手段(29a)は、靴内部温度(T1)が所定の温度(TS)を維持するように、送風手段(27)、熱伝達手段の作動、停止を制御する機能を有していることを特徴とする。
【0021】
これによれば、空気流通路(101、103)内の空気が、熱伝達手段によって熱が伝達され、送風手段(27)によって靴内部空間(11d)に送風される。その際、制御手段(29a)は、温度検出手段(30)により検出される靴内部温度(T1)が所定の温度(TS)を維持するように、送風手段(27)、熱伝達手段の作動、停止を制御する。上記送風手段(27)、熱伝達手段、制御手段(29a)は、電源装置(25)から電気が供給されて作動する。
【0022】
その結果、靴内部空間(11d)の靴内部温度(T1)が所定の温度(TS)を維持するように、自動制御することができる。また、送風手段(27)、熱伝達手段、制御手段(29a)は、電源装置(25)から電気が供給されて作動するので、歩行時でなくとも、上記のように自動制御することができる。
【0023】
請求項2に記載の発明では、請求項1において、熱伝達手段が、送風手段(27)により送風される空気を冷却する空気冷却手段(34)と、送風手段(27)により送風される空気を加熱する空気加熱手段(38)の両方で構成されており、
少なくとも、靴内部温度(T1)>所定の温度(TS)の場合には、空気冷却手段(34)を作動させて空気流通路(101、103)内の空気を冷却するとともに、冷却された空気を、送風手段(27)を作動させて靴内部空間(11d)に送風するように制御し、
少なくとも、靴内部温度(T1)<所定の温度(TS)の場合には、空気加熱手段(38)を作動させて空気流通路(101、103)内の空気を加熱するとともに、加熱された空気を、送風手段(27)を作動させて靴内部空間(11d)に送風するように制御する機能を有していることを特徴とする。
【0024】
これによれば、靴内部温度(T1)>所定の温度(TS)の場合には、空気流通路(101、103)内の空気を冷却して靴内部空間(11d)に送風することができ、靴内部温度(T1)<所定の温度(TS)の場合には、空気流通路(101、103)内の空気を加熱して靴内部空間(11d)に送風することができる。
【0025】
その結果、靴内部空間(11d)の靴内部温度(T1)が所定の温度(TS)を維持するように、自動制御することができる。
【0026】
請求項3に記載の発明では、請求項2において、送風手段(27)を作動させた際の空気流れ上流側に空気冷却手段(34)を、空気冷却手段(34)の下流側に空気加熱手段(38)を配置し、
送風手段(27)を作動させて発生した空気流れ上流側の空気を、最初に空気冷却手段(34)を作動させて冷却して除湿し、
次に、冷却して除湿された空気を、空気加熱手段(38)を作動させて、適温に再加熱し、靴内部空間(11d)に送風することを特徴とする。
【0027】
これによれば、除湿され、かつ適温に制御された空気が靴内部空間(11d)に送風されるので、爽快感を得ることができる。
【0028】
請求項4に記載の発明では、請求項1において、熱伝達手段が、送風手段(27)により送風される空気を冷却する空気冷却手段(34、35)で構成されており、
少なくとも、靴内部温度(T1)>所定の温度(TS)の場合には、空気冷却手段(34、35)を作動させて空気流通路(101、103)内の空気を冷却するとともに、冷却された空気を、送風手段(27)を作動させて靴内部空間(11d)に送風するように制御し、
少なくとも、靴内部温度(T1)<所定の温度(TS)の場合には、空気冷却手段(34、35)および送風手段(27)のうち、少なくとも空気冷却手段(34、35)を停止するように制御する機能を有していることを特徴とする。
【0029】
これによれば、靴内部温度(T1)>所定の温度(TS)の場合には、空気流通路(101、103)内の空気が冷却され、靴内部空間(11d)に送風される。また、靴内部温度(T1)<所定の温度(TS)の場合には、送風手段(27)、空気冷却手段(34、35)が停止するか、もしくは送風手段(27)が作動し、空気冷却手段(34、35)が停止する。
【0030】
ところで、外気の温度が所定の温度(TS)より高い環境では、送風手段(27)、空気冷却手段(34、35)が停止すると、所定の温度(TS)より高温の外気により空調靴全体が加熱され、引いては、靴内部空間(11d)が加熱される。また、送風手段(27)が作動し、空気冷却手段(34、35)が停止する場合は、所定の温度(TS)より高温の外気を靴内部空間(11d)に送風することができる。
【0031】
その結果、熱伝達手段が空気冷却手段(34、35)のみであっても、靴内部空間(11d)の靴内部温度(T1)が所定の温度(TS)を維持するように、自動制御することができる。また、靴内部温度(T1)<所定の温度(TS)の場合には、空気冷却手段(34、35)が停止するので、省エネ運転をすることができる。
【0032】
請求項5に記載の発明では、請求項1において、熱伝達手段が、送風手段(27)により送風される空気を加熱する空気加熱手段(38、39)で構成されており、
少なくとも、靴内部温度(T1)<所定の温度(TS)の場合には、空気加熱手段(38、39)を作動させて空気流通路(101、103)内の空気を加熱するとともに、加熱された空気を、送風手段(27)を作動させて靴内部空間(11d)に送風するように制御し、
少なくとも、靴内部温度(T1)>所定の温度(TS)の場合には、空気加熱手段(38、39)および送風手段(27)のうち、少なくとも空気加熱手段(38、39)を停止するように制御する機能を有していることを特徴とする。
【0033】
これによれば、靴内部温度(T1)<所定の温度(TS)の場合には、空気流通路(101、103)内の空気が加熱され、靴内部空間(11d)に送風される。また、靴内部温度(T1)>所定の温度(TS)の場合には、送風手段(27)、空気加熱手段(38、39)が停止するか、もしくは送風手段(27)が作動し、空気加熱手段(38、39)が停止する。
【0034】
ところで、外気の温度が所定の温度(TS)より低い環境では、送風手段(27)、空気加熱手段(38、39)が停止すると、所定の温度(TS)より低温の外気により空調靴全体が冷却され、引いては、靴内部空間(11d)が冷却される。また、送風手段(27)が作動し、空気加熱手段(38、39)が停止する場合は、所定の温度(TS)より低温の外気を靴内部空間(11d)に送風することができる。
【0035】
その結果、熱伝達手段が空気加熱手段(38、39)のみであっても、靴内部空間(11d)の靴内部温度(T1)が所定の温度(TS)を維持するように、自動制御することができる。また、靴内部温度(T1)>所定の温度(TS)の場合には、空気加熱手段(38、39)が停止するので、省エネ運転をすることができる。
【0036】
請求項6に記載の発明のように、請求項2乃至請求項5のいずれか1つにおいて、外気の外気温度(T2)を検出する外気温度検出手段(44)を備えており、
制御手段(29a)は、靴内部温度(T1)、所定の温度(TS)、外気温度(T2)の比較結果に基づいて、靴内部温度(T1)が所定の温度(TS)を維持するように、送風手段(27)、熱伝達手段の作動、停止を制御する機能を有していてもよい。
【0037】
請求項7に記載の発明では、請求項6において、制御手段(29a)は、靴内部温度(T1)>所定の温度(TS)>外気温度(T2)の場合、および靴内部温度(T1)<所定の温度(TS)<外気温度(T2)の場合には、熱伝達手段、送風手段(27)のうち、少なくとも熱伝達手段を停止するように制御する機能を有していることを特徴とする。
【0038】
これによれば、靴内部温度(T1)>所定の温度(TS)>外気温度(T2)の場合、靴内部温度(T1)<所定の温度(TS)<外気温度(T2)の場合には、熱伝達手段、送風手段(27)の両方が停止するか、もしくは送風手段(27)が作動し、熱伝達手段が停止する。
【0039】
上記のように、靴内部温度(T1)>所定の温度(TS)>外気温度(T2)の場合に、送風手段(27)、熱伝達手段が停止すると、所定の温度(TS)より低い外気温度(T2)の外気により空調靴全体が冷却され、引いては、靴内部空間(11d)が冷却される。また、送風手段(27)が作動し、熱伝達手段が停止する場合は、所定の温度(TS)より低い温度の外気を靴内部空間(11d)に送風することができる。
【0040】
また、靴内部温度(T1)<所定の温度(TS)<外気温度(T2)の場合に、送風手段(27)、熱伝達手段を停止させると、所定の温度(TS)より高い外気温度(T2)の外気により空調靴全体が加熱され、引いては、靴内部空間(11d)が加熱される。また、送風手段(27)が作動し、熱伝達手段が停止する場合は、所定の温度(TS)より高い温度の外気を靴内部空間(11d)に送風することができる。
【0041】
その結果、靴内部温度(T1)>所定の温度(TS)>外気温度(T2)の場合、靴内部温度(T1)<所定の温度(TS)<外気温度(T2)の場合には、熱伝達手段が停止するので、省エネ運転をすることができる。
【0042】
請求項8に記載の発明では、靴内部空間(11d)に一端が開口し、他端が靴内部空間(11d)および外気のどちらか一方に開口して空気が流通する空気流通路(101、103)とが形成されており、
空気流通路(101、103)内の空気を、靴内部空間(11d)に送風する送風手段(27)と、
送風手段(27)により送風される空気に熱を伝達する熱伝達手段と、
送風手段(27)、熱伝達手段に電気を供給して作動させる電源装置(25)と、
電源装置(25)と、送風手段(27)と、熱伝達手段とからなる回路(210)を、靴内部空間(11d)の靴内部温度(T1)に基いて自動的に通電および遮断のどちらか一方を行う開閉スイッチ(45)とを備えており、
開閉スイッチ(45)は、靴内部温度(T1)が所定の温度(TS)を維持するように、送風手段(27)、熱伝達手段の作動、停止を制御する機能を有していることを特徴とする。
【0043】
これによれば、温度検出手段(30)および制御手段(29a)を用いなくとも、開閉スイッチ(45)という簡単な手段で請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0044】
請求項9に記載の発明のように、請求項8において、熱伝達手段が、送風手段(27)により送風される空気を冷却する空気冷却手段(34)と、
送風手段(27)により送風される空気を加熱する空気加熱手段(38)の両方とで構成されるとともに、
回路(210)が、開閉スイッチ(45)、空気冷却手段(34)、電源装置(25)、送風手段(27)からなる冷却回路(CC)と、
開閉スイッチ(45)、空気加熱手段(38)、電源装置(25)、送風手段(27)からなる加熱回路(CH)とから構成されており、
開閉スイッチ(45)は、少なくとも、靴内部空間(11d)の靴内部温度(T1)>所定の温度(TS)の場合には、送風手段(27)、空気冷却手段(34)が作動するように冷却回路(CC)を通電させ、
少なくとも、靴内部温度(T1)<所定の温度(TS)の場合には、送風手段(27)、空気加熱手段(38)が作動するように加熱回路(CH)を通電させてもよい。
【0045】
請求項10に記載の発明のように、請求項8において、熱伝達手段が、送風手段(27)により送風される空気を冷却する空気冷却手段(34、35)で構成されるとともに、
回路(210)が、開閉スイッチ(45)、空気冷却手段(34、35)、電源装置(25)、送風手段(27)からなる冷却回路(CC)で構成されており、
開閉スイッチ(45)は、少なくとも、靴内部空間(11d)の靴内部温度(T1)>所定の温度(TS)の場合には、送風手段(27)、空気冷却手段(34、35)が作動するように冷却回路(CC)を通電させ、
少なくとも、靴内部温度(T1)<所定の温度(TS)の場合には、送風手段(27)、空気冷却手段(34、35)のうち、少なくとも空気冷却手段(34、35)が停止するように冷却回路(CC)を遮断させてもよい。
【0046】
請求項11に記載の発明のように、請求項8において、熱伝達手段が、送風手段(27)により送風される空気を加熱する空気加熱手段(38、39)で構成されるとともに、
回路(210)が、開閉スイッチ(45)、空気加熱手段(38、39)、電源装置(25)、送風手段(27)からなる加熱回路(CH)で構成されており、
開閉スイッチ(45)は、少なくとも、靴内部空間(11d)の靴内部温度(T1)<所定の温度(TS)の場合には、送風手段(27)、空気加熱手段(38、39)が作動するように加熱回路(CH)を通電させ、
少なくとも、靴内部温度(T1)>所定の温度(TS)の場合には、送風手段(27)、空気加熱手段(38、39)のうち、少なくとも空気加熱手段(38、39)を停止するように加熱回路(CH)を遮断させてもよい。
【0047】
請求項12に記載の発明では、請求項1乃至請求項7のいずれか1つにおいて、所定の温度(TS)を手動入力する入力手段(SW4、SW5)と、
入力手段(SW4、SW5)によって入力された所定の温度(TS)を表示する所定温度表示手段(DP1)と、
靴内部温度(T1)を表示する靴内部温度表示手段(DP2)とを備えたことを特徴とする。
【0048】
これによれば、入力手段(SW4、SW5)により、所定の温度(TS)を任意に設定でき、しかも、所定温度表示手段(DP1)、靴内部温度表示手段(DP2)により所定の温度(TS)、靴内部温度(T1)を目視確認できる。
【0049】
請求項13に記載の発明では、請求項1乃至請求項12のいずれか1つにおいて、靴内部空間(11d)を形成する靴内側表面(102)に、足(200)が挿入された際に、足(200)に隙間(16h、18d)を有して空気を配風する配風溝(16e、18c)が形成されており、
配風溝(16e、18c)に、空気流通路(101)の一端側が開口するとともに、空気流通路(101)の他端側が外気に開口しており、
配風溝(16e、18c)は外気に開口するように形成されている場合、および外気に開口しないように形成されている場合のどちらか1つであることを特徴とする。
【0050】
これによれば、配風溝(16e、18c)が、外気に開口するように形成されている場合は、空気流通路(101)内の空気が冷却または加熱され、空気流通路(101)の一端側から靴内部空間(11d)に送風される際、空気が配風溝(16e、18c)を経由して外気に排出されやすい。その結果、靴内部空間(11d)の空気を効率的に入れ替えることができる。
【0051】
また、配風溝(16e、18c)が、外気に開口しないように形成されている場合でも、配風溝(16e、18c)が全く形成されていない場合に比べ、足(200)全体に、効率的よく送風することができる。
【0052】
請求項14に記載の発明のように、請求項13において、空気流通路(101)とは別に、一端側が配風溝(16e、18c)に開口し、他端側が外気に開口する第2の空気流通路(104)が形成されていてもよい。
【0053】
請求項15に記載の発明では、請求項1乃至請求項12のいずれか1つにおいて、靴内部空間(11d)を形成する靴内側表面(102)に、足(200)が挿入された際に、足(200)に隙間(16h、18d)を有して空気を配風する配風溝(16e、18c)が形成されており、
配風溝(16e、18c)に空気流通路(103)の一端側および他端側が開口しており、
配風溝(16e、18c)は外気に開口するように形成されている場合、および外気に開口しないように形成されている場合のどちらか1つであることを特徴とする。
【0054】
これによれば、配風溝(16e、18c)が、外気に開口していない場合は、空気流通路(103)と、配風溝(16e、18c)との間で、空気が循環するように流れるので、冷却または加熱された空気を再び使用することができ、空気流通路(103)の一端側付近および他端側付近で温度差を少なくできる。しかも、配風溝(16e、18c)が、外気に開口していない場合は、靴内部空間(11d)の空気が外気側に漏れにくくなり、靴内部空間(11d)の温度変化を少なくできる。
【0055】
その結果、空気流通路(103)の空気を冷却、または加熱をする電力が少なくなるので、省エネ運転ができ、しかも、外気の温度が変動しても、靴内部温度(T1)を維持し易い。
【0056】
また、配風溝(16e、18c)が、外気に開口していてもよく、靴内部温度(T1)を維持しながら、靴内部空間(11d)の空気を換気するようにできる。
【0057】
請求項16に記載の発明のように、請求項1乃至請求項15のいずれか1つにおいて、熱伝達手段を停止させた状態で、空気流通路(101、103)のうち、一端側および他端側のどちらか一方から他方に、空気流通路(101、103)の空気を送風するように送風手段(27)を作動させてもよい。
【0058】
請求項17に記載の発明では、請求項1乃至請求項16のいずれか1つにおいて、熱伝達手段がペルチェ素子のみで構成されており、
ペルチェ素子の排熱手段(22f)を備えていることを特徴とする。
【0059】
これによれば、熱伝達手段にペルチェ素子を用いてもよく、その際、ペルチェ素子の排熱手段(22f)を備えているので、ペルチェ素子が空気流通路(101、103)内の空気を連続的に熱伝達できる。その結果、ペルチェ素子を連続的に使用することができる。
【0060】
請求項18に記載の発明では、請求項1乃至請求項17のいずれか1つにおいて、空気流通路(101、103、104、105)を遮蔽する遮蔽手段を備えていることを特徴とする。
【0061】
これによれば、遮蔽手段によって、空気流通路(101、103、104、105)を遮蔽できるので、空気流通路(101、103、104、105)から靴内部空間(11d)に雨水が浸入しにくくするようにできる。
【0062】
因みに、上記各手段のかっこ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0063】
(第1実施形態)
第1実施形態および第1実施形態以降の各実施形態を説明するにあたり、以下で説明する「排気」について説明する。「排気する(される)」とは、靴内部空間11dから空気流通路を流通し、外気に送風する(される)ことを言うものとする。
【0064】
また、以下で説明する配風溝18cであるが、挿入口11aまで形成されている場合を図31に、挿入口11a手前まで形成されている場合を図32に示す。なお、図31、図32のように配風溝18cを描くと図が複雑になり、分かり難いので、図1、図10、図16、図22、図25、図26、図29では、配風溝18cの一部を省略して図示するものとする。
【0065】
第1実施形態では、空気流通路の一端が靴内部空間に、他端が外気に開口しており、空気流路の他端側(外気側)から一端側(靴内部空間側)に送風するようにした。
【0066】
第1実施形態を説明するにあたり、最初に本発明の空調靴の構造について説明する。図1は本発明の第1実施形態の空調靴の断面正面図を、図2は空気流通路を説明する一部断面平面図を、図3は足底板の断面図を、図4は空調靴を足底板上方から見た平面図を示している。
【0067】
空調靴100のうち靴本体部11は、図1に示すように、足200を挿入する挿入口11aを有しており、足200の足裏部200aを支持する底部12と、足200の甲部200b等を覆うアッパー13から構成されている。なお、以下の説明において、靴本体部11のうち、足200のつま先部200c側の端部を靴先端部11b、足200のかかと部200d側の端部を靴後端部11c、底部12とアッパー13とで囲まれる領域を靴内部空間11d、靴内部空間11dのうち、足200のつま先部200c近傍を足先部空間11eと称するものとする。
【0068】
底部12は路面と直接接地するアウトソール14、アウトソール14の上側に貼り合わされ、着地時の衝撃を緩和するミッドソール15、さらにミッドソール15の上側に配置され、足200を支持する足底板16から構成されている。
【0069】
ここで、本発明の空気流通路101について説明する。アウトソール14のうち、靴後端部11c側には、後述する空調ユニット本体部22の第2開口部22cと、外気とを連通する連通路14aが形成されている。なお、アウトソール14の連通路14aのうち、外気側の開口部を外気開口部14bと称するものとする。
【0070】
ミッドソール15の上面15aには、図1、図2に示すように、上側に開口する溝部15bが形成されており、この溝部15bと、後述する空調ユニット本体部22の第1開口部22bとを連通する連通路15cが形成されている。
【0071】
また、足底板16の下面16aには、図3、図4に示すように、上記ミッドソール15の溝部15bに開口する開口部16bが、所定間隔を有して複数形成されている。
【0072】
また、上記足底板16の上面16dには、径方向断面が矩形で、靴内部空間11d側に開口して直交する配風溝16eが形成されている。上記開口部16bと上記配風溝16eとの間には、開口部16bと配風溝16eとを連通する連通穴16fが形成されている。
【0073】
なお、以下の説明において、配風溝16eに形成される空間を隙間16h、連通穴16fのうち、靴内部空間11d側に形成される開口部位を靴内開口部16jと称するものとする。
【0074】
したがって、上記構成によれば、後述する空調ユニット20の送風機27が図2の紙面上方から見て、反時計回りに作動すると、外気は、アウトソール14の外気開口部14bから吸い込まれて、連通路14a、空調ユニット本体部22の第2開口部22c、後述する送風路22a、第1開口部22b、ミッドソール15の連通路15c、溝部15b、足底板16の開口部16b、連通穴16fの順に流通し、足底板16の靴内開口部16jから送風される。上記アウトソール14の外気開口部14bから足底板16の靴内開口部16jに至る経路は、本発明の空気流通路101を構成する。
【0075】
また、アッパー13は、図1に示すように、表革17、裏革18を縫製して形成されており、裏革18の靴内部空間11d側の裏革表面18aには突出部18bが接着されている。なお、以下の説明において、突出部18bが接着されることによって形成される溝を配風溝18c、配風溝18cに形成される空間を隙間18dと称するものとする。
【0076】
上記配風溝18cは、靴本体部11の挿入口11aまで形成されており、外気が空気流通路101を経由して、靴内開口部16jから靴内部空間11dに送風される際、靴内部空間11d内の空気が隙間16h、隙間18dを経由して挿入口11aから排出される。
【0077】
なお、上記足底板16、裏革18、突出部18bから形成される靴の内側部位を、靴内側表面102と称するものとする。
【0078】
次に、発明の空調装置19について説明する。アウトソール14とミッドソール15の間には、空調装置19が配置されており、上記空調装置19は空調ユニット20、制御ユニット21より構成されている。
【0079】
最初に、空調ユニット20について説明する。空調ユニット20は、空調ユニット本体部22、空調器23、電源装置25、フタ部26、送風機27により構成されている。以下、具体的に説明する。
【0080】
空調ユニット本体部22には、図5、図6に示すように、空気が流通する送風路22aが形成されている。送風路22aのうち、靴先端部11b側には、ミッドソール15の連通路15cに開口する第1開口部22bが、靴後端部11c側には、アウトソール14の連通路14aに開口する第2開口部22cが形成されている。
【0081】
上記空調ユニット本体部22は、アルミ合金製で、後述する送風機27が破損しにくい強度を有している。チタン合金、マグネシウム合金を用いてもよい。
【0082】
上記送風路22aのうち、靴先端部11b側から靴後端部11c側に伸びるように形成された部位を水平部位22dと称するものとすると、上記水平部位22dのうち、靴後端部11c側には、送風機27が配置されている。送風機27は本発明の送風手段を構成するものであって、第1実施形態では、軸流式のものが用いられている。
【0083】
また、送風機27の空気流れ下流側には、送風路22aの水平部位22dの下側に空調器23を収納する収納室22eが形成され、送風路22aの水平部位22dの上側に電源装置25が配置されている。また、上記収納室22eの下側には、熱交換部22fが設けられている。この熱交換部22fは、複数の穴部22gが直交するように形成されている。熱交換部22fは、本発明の排熱手段を構成する。
【0084】
なお、アウトソール14には、熱交換部22fの穴部22gと、外気とを連通する熱交換用の連通路が設けられており、外気が上記穴部22gを出入りできるようになっている。したがって、空調器23で発生した熱は、熱交換部22fに伝達され、熱交換部22fと、外気との間で熱交換を行うことができる。
【0085】
空調器23は、図7に示すように、靴後端部11c側に本発明の空気冷却手段を構成するペルチェ素子34と、靴先端部11b側に本発明の空気加熱手段を構成するヒータ38、ペルチェ素子34、ヒータ38を保持する保持器40、ペルチェ素子34、ヒータ38を保護するクッション部材41から構成されている。なお、ペルチェ素子は公知の技術であり、詳細は省略する。なお、上記空気冷却手段、空気加熱手段は、本発明の熱伝達手段を構成する。
【0086】
なお、第1実施形態では空気冷却手段を1個のペルチェ素子で構成したが、複数で構成してもよい。また、空気加熱手段を1個のヒータで構成したが、複数で構成してもよい。
【0087】
上記空調器23は、空調ユニット本体部22の収納室22eに収納された後、防水シール42を挿入し、押え金具43を図示しないねじを用いて空調ユニット本体部22に固定して防水される。
【0088】
上記ペルチェ素子34は、送風機27の空気流れ下流側に配置され、電源装置25から電気が供給された際に、送風路22aの空気を冷却するように接続されている。なお、ペルチェ素子34の両熱交換面のうち、送風路側の熱交換面を送風路側熱交換面34a、反対側の面を熱交換部側熱交換面34bと称するものとする。
【0089】
また、ヒータ38は平板状のセラミックヒータで、セラミックの中に電熱線を埋設したものである。ヒータ38は、ペルチェ素子34の空気流れ下流側に配置されている。
【0090】
保持器40は絶縁性の樹脂を用いており、上部が浅皿状に開口している。そして、この開口した部位に、ペルチェ素子34の伸び縮みと、歩行の際の衝撃を吸収するために、弾力性のあるシリコン樹脂製のクッション部材41が配置されている。
【0091】
電源装置25は、送風機27、制御ユニット21に電気を供給するもので、電池25a、安全装置25bから構成されている。上記電池25aは、2次電池を使用しており、安全用回路を内蔵した安全装置25bを備えている。1次電池を使用してもよい。電源装置25は、フタ部26により密閉される。
【0092】
次に、制御ユニット21、温度センサ30、センサボックス31、操作盤32について説明する。
【0093】
制御ユニット21は、制御部本体部28、制御基板29から構成されており、制御部本体部28に制御基板29が内蔵されている。上記制御基板29は、図8に示すように、温度センサ30によって検出される靴内部温度T1と、設定温度TSとを比較し、所定のプログラムに基いて送風機27、ペルチェ素子34、ヒータ38を制御、作動させる制御回路29aを搭載している。上記設定温度TSは本発明の所定の温度を、制御回路29aは本発明の制御手段を構成する。
【0094】
本発明の温度検出手段を構成する温度センサ30は、図1、図4に示すように、足底板16のうち、靴先端部11b近傍に配置されたセンサボックス31の内側に取り付けられ、足先部空間11e付近の靴内部温度T1を検出する。上記センサボックス31は温度センサ30を保護する。
【0095】
操作盤32は、図9に示すように、操作部32aと、表示部32bとから構成されている。
【0096】
操作部32aには、入/切スイッチSW1、風量切換スイッチSW2、モード選択スイッチSW3、温度+スイッチSW4、温度−スイッチSW5が設けられている。
【0097】
入/切スイッチSW1は、1回押すごとに、運転開始、運転停止を行う。
【0098】
風量切換スイッチSW2は風量の切り換えを行うものであり、風量切換スイッチSW2を押すごとに強風と弱風の2つの切り換えを行う。
【0099】
モード選択スイッチSW3は、1回押すごとに、後述する各制御モードM1〜M5を選択することができ、該当するモードに応じて、表示部32bの自動ランプLP1、手動ランプLP2、冷却表示ランプLP3、加熱表示ランプLP4が点灯、または消灯する。入/切スイッチSW1を押すことにより、運転を開始する。モード選択スイッチSW3は、本発明のモード選択手段を構成する。
【0100】
本発明の入力手段を構成する温度+スイッチSW4、温度−スイッチSW5は、靴内部空間11dの温度を操作者が所望する設定温度TSに設定、入力するもので、温度+スイッチSW4を押すごとに設定温度TSを1℃ずつ上昇させ、温度−スイッチSW5を押すごとに設定温度TSを1℃ずつ下降させることができる。操作者が所望する設定温度TSは後述する設定温度表示画面DP1に表示される。
【0101】
また、表示部32bには、自動ランプLP1、手動ランプLP2、冷却表示ランプLP3、加熱表示ランプLP4、運転中表示ランプLP5、バッテリ表示ランプLP6、上記温度+スイッチSW4、温度−スイッチSW5により入力された設定温度TSを数値表示する設定温度表示画面DP1、靴内部温度T1を数値表示する靴内部温度表示画面DP2が設けられている。上記設定温度表示画面DP1は本発明の所定温度表示手段を、上記靴内部温度表示画面DP2は本発明の靴内部温度表示手段を構成する。
【0102】
自動ランプLP1は自動運転時に、手動ランプLP2は手動運転時に点灯表示する。また、冷却表示ランプLP3は、後述する冷却/加熱モード、冷却モードで運転をする際に、加熱表示ランプLP4は後述する冷却/加熱モード、加熱モードで運転をする際に点灯表示する。運転中表示ランプLP5は、送風機27が作動しているときに点灯表示する。バッテリ表示ランプLP6は、電池25aが所定電圧以上で点灯表示する。
【0103】
ここで、以下の説明に先立ち、操作盤32のモード選択スイッチSW3を押すことによって選択される制御モードについて説明する。
【0104】
送風路22aの送風空気を冷却または加熱して自動的に温度調節する制御モードを、自動冷却/加熱モードM1、送風路22aの送風空気を冷却して温度調節する制御モードを、冷却モード、送風路22aの送風空気を加熱して温度調節する制御モードを、加熱モードと称するものとする。
【0105】
上記冷却モードは、自動運転により冷却制御を行う場合と、手動運転により冷却制御を行う場合に分けて、前者を自動冷却モードM2、後者を手動冷却モードM3と称するものとする。また、上記加熱モードは、自動運転により送風を行う場合と、手動運転により送風を行う場合に分けて、前者を自動加熱モードM4、後者を手動加熱モードM5と称するものとする。
【0106】
自動冷却/加熱モードM1が選択されると、自動ランプLP1、冷却表示ランプLP3、加熱表示ランプLP4が点灯、手動ランプLP2が消灯する。そして、入/切スイッチSW1が押されて運転を開始すると、温度センサ30によって検出された靴内部温度T1と、操作盤32から入力される靴内設定温度TSとを比較して、靴内部温度T1>設定温度TSのときには送風路22a内の空気をペルチェ素子34を作動させて冷却するとともに、送風機27を作動させて冷却された空気を靴内部空間11d側に送風するように制御する。冷却終了後、送風のみ行うようにしてもよい。送風時間が長い場合は、所定時間後、送風を停止するようにしてもよい。
【0107】
ペルチェ素子34は、送風路22a内の空気を冷却する際、送風路側熱交換面34a側が吸熱し、熱交換部側熱交換面34b側が放熱する。熱交換部側熱交換面34bからの放熱は、熱交換部22fに伝達され、穴部22gで外気と熱交換を行って排熱する。
【0108】
また、靴内部温度T1<設定温度TSのときには送風路22a内の空気をヒータ38を作動させて加熱するとともに、送風機27を作動させて加熱された空気を靴内部空間11d側に送風するように制御する。加熱終了後、送風のみ行うようにしてもよい。送風時間が長い場合は、所定時間後、送風を停止するようにしてもよい。
【0109】
自動冷却モードM2が選択されると、自動ランプLP1、冷却表示ランプLP3が点灯、手動ランプLP2、加熱表示ランプLP4が消灯する。そして、入/切スイッチSW1が押されて運転を開始すると、温度センサ30によって検出された靴内部温度T1と、操作盤32から入力される靴内設定温度TSとを比較して、靴内部温度T1>設定温度TSのときには送風路22a内の空気をペルチェ素子34を作動させて冷却するとともに、送風機27を作動させて冷却された空気を靴内部空間11d側に送風するように制御する。冷却終了後、送風のみ行うようにしてもよい。送風時間が長い場合は、所定時間後、送風を停止するようにしてもよい。
【0110】
また、靴内部温度T1<設定温度TSのときにはペルチェ素子34、送風機27を停止するように制御する。送風のみ行うようにしてもよい。送風時間が長い場合は、所定時間後、送風を停止するようにしてもよい。
【0111】
手動冷却モードM3が選択されると、手動ランプLP2、冷却表示ランプLP3が点灯、自動ランプLP1、加熱表示ランプLP4が消灯する。そして、入/切スイッチSW1が押されて運転を開始すると、送風路22a内の空気を、強制的にペルチェ素子34を作動させて冷却するとともに、送風機27によって冷却された空気を靴内部空間11d側に送風するように制御する。
【0112】
自動加熱モードM4が選択されると、自動ランプLP1、加熱表示ランプLP4が点灯、手動ランプLP2、冷却表示ランプLP3消灯する。そして、入/切スイッチSW1が押されて運転を開始すると、温度センサ30によって検出された靴内部温度T1と、操作盤32から入力される靴内設定温度TSとを比較して、靴内部温度T1<設定温度TSのときには送風路22a内の空気をヒータ38を作動させて加熱するとともに、送風機27を作動させて加熱された空気を靴内部空間11d側に送風するように制御する。加熱終了後、送風のみ行うようにしてもよい。送風時間が長い場合は、所定時間後、送風を停止するようにしてもよい。
【0113】
また、靴内部温度T1>設定温度TSのときにはヒータ38、送風機27を停止するように制御する。送風のみ行うようにしてもよい。送風時間が長い場合は、所定時間後、送風を停止するようにしてもよい。
【0114】
手動加熱モードM5が選択されると、手動ランプLP2、加熱表示ランプLP4が点灯、自動ランプLP1、冷却表示ランプLP3が消灯する。そして、入/切スイッチSW1が押されて運転を開始すると、送風路22a内の空気を、強制的にヒータ38を作動させて加熱するとともに、送風機27を作動させて加熱された空気を靴内部空間11d側に送風するように制御する。
【0115】
上記構成によれば、自動冷却/加熱モードM1で運転した場合で、靴内部温度T1>設定温度TSの場合には、送風機27が作動して空気流通路101内の空気が靴内部空間11dに送風される。その際、ペルチェ素子34が作動して靴内部空間11dに送風される空気を冷却するので、靴内部温度T1が下がるように作用する。また、靴内部温度T1<設定温度TSの場合には、送風機27が作動して空気流通路101内の空気が靴内部空間11dに送風される。その際、ヒータ38が作動して靴内部空間11dに送風される空気を加熱するので、靴内部温度T1が上がるように作用する。
【0116】
その結果、靴内部空間11dの靴内部温度T1が設定温度TSを維持するように、自動制御することができる。
【0117】
また、自動冷却モードM2で運転した場合で、靴内部温度T1>設定温度TSの場合には、送風機27が作動して空気流通路101内の空気が靴内部空間11dに送風される。その際、ペルチェ素子34が作動して靴内部空間11dに送風される空気を冷却するので、靴内部温度T1が下がるように作用する。また、靴内部温度T1<設定温度TSの場合には、ペルチェ素子34、送風機27を停止するので、夏場のアスファルト上や、鋳物工場の鋳造作業場など、外気が設定温度TSより高温の環境では、空調靴全体が加熱され、靴内部温度T1が上がるように作用する。靴内部温度T1<設定温度TSの場合に、送風機27のみ作動させると、設定温度TSより高温の外気が靴内部空間11dに送風され、靴内部温度T1が上がるように作用する。
【0118】
その結果、靴内部空間11dの靴内部温度T1が設定温度TSを維持するように、自動制御することができる。また、上述のように、外気が設定温度TSより高温の環境では、靴内部温度T1<設定温度TSの場合に、ペルチェ素子34が停止するので、自動冷却/加熱モードM1運転時より省エネできる。
【0119】
また、自動加熱モードM4で運転した場合で、靴内部温度T1<設定温度TSの場合には、送風機27が作動して空気流通路101内の空気が靴内部空間11dに送風される。その際、ヒータ38が作動して靴内部空間11dに送風される空気を加熱するので、靴内部温度T1が上がるように作用する。また、靴内部温度T1>設定温度TSの場合には、ヒータ38、送風機27を停止するので、冬場のスキー場や、冷凍室の中など、外気が設定温度TSより低温の環境では、空調靴全体が冷却され、靴内部温度T1が下がるように作用する。靴内部温度T1>設定温度TSの場合に、送風機27のみ作動させると、設定温度TSより低温の外気が靴内部空間11dに送風され、靴内部温度T1が下がるように作用する。
【0120】
その結果、靴内部空間11dの靴内部温度T1が設定温度TSを維持するように、自動制御することができる。また、上述のように、外気が設定温度TSより低温の環境では、靴内部温度T1>設定温度TSの場合に、ヒータ38が停止するので、自動冷却/加熱モードM1運転時より省エネできる。
【0121】
また、設定温度TSを温度+スイッチSW4、温度−スイッチSW5により設定できるので、操作者が、設定温度TSを足200が快適と感じる温度、あるいは好みの温度に設定できる。さらに、環境に応じ、モード選択スイッチSW3で選択して、各モードM1〜M5を任意に選択できる。
【0122】
また、靴内側表面102に、挿入口11aまで、足200に空気を配風する配風溝16e、18cが形成されているので、足200に空気を行き渡らせることができる。また、空気流通路101内の空気が冷却または加熱され、靴内開口部16jから靴内部空間11dに送風される際、空気が配風溝16e、18cを経由して挿入口11aから排出されやすい。その結果、靴内部空間11dの空気を効率よく入れ替えることができる。
【0123】
(第2実施形態)
第1実施形態では、空気流通路の一端が靴内部空間11dに、他端が外気に開口しており、空気流通路の他端側(外気側)から一端側(靴内部空間11d側)に送風するようにしたが、空気流通路の一端側および他端側の両方を靴内部空間11dに開口するようにして、空気流通路と、足底板の隙間とで、空気を循環するようにしてもよい。
【0124】
制御ユニット21、空調器23、各制御モードは、第1実施形態と同様であるので、主に第1実施形態との相違点である空気流通路103、足底板16等について説明する。
【0125】
最初に、空調ユニット本体部22について説明する。上記空調ユニット本体部22には、図10、図14に示すように、空気を送風する送風路22aが上側にU字状に開放するように形成されている。また、図15に示すように、送風路22aの第1開口部22bは第1実施形態と同様に形成されており、第2開口部22cは後述する足底板16の開口部16cに開口するように形成されている。なお、送風路22aの途中に設けられた送風機27は、第2実施形態では、貫流式のものを用いている。
【0126】
ミッドソール15は、図11に示すように、第1実施形態と同様の構成で、溝部15b、連通路15cが形成されている。
【0127】
また、足底板16は、図12に示すように、開口部16b、配風溝16e、連通穴16f、隙間16hが第1実施形態と同様に形成されており、さらに、空調ユニット本体部22の第2開口部22cに開口する開口部16cと、上記開口部16cと配風溝16eとを連通する連通穴16gが形成されている。連通穴16gは、連通穴16fと区別するために、図13において、●印で示した。
【0128】
なお、第2実施形態では、連通穴16fのうち、靴内部空間11d側に形成される開口部位を靴内開口部16k、連通穴16gのうち、靴内部空間11d側に形成される開口部位を靴内開口部16mと称するものとする。上記靴内開口部16kは、第1実施形態の靴内開口部16jに相当する。靴内開口部16kは本発明の第1の靴内開口部を、靴内開口部16mは本発明の第2の靴内開口部を構成する。
【0129】
したがって、上記構成によれば、空調ユニット本体部22の送風機27が図10の紙面上方から見て、時計回りに作動すると、靴内部空間11dにおける靴内部空間11dの空気は、足底板16の靴内開口部16mから吸い込まれ、足底板16の連通穴16g、開口部16c、空調ユニット本体部22の第2開口部22c、送風路22a、第1開口部22b、ミッドソール15の連通路15c、溝部15b、足底板16の開口部16b、連通穴16fの順に送風され、靴内開口部16kから吐出される。上記足底板16の靴内開口部16mから靴内開口部16kに至る経路は、本発明の空気流通路103を構成する。
【0130】
ところで、上記靴内開口部16kから吐出された空気は、足裏部200aに吹き付けられながら、配風溝16eの隙間16hを経由して再び足底板16の靴内開口部16mから吸い込まれる。すなわち、靴内部空間11dの空気が、上記空気流通路103と、足底板16の隙間16hとで循環し、その途中で、冷却または加熱をすることができる。
【0131】
また、アッパー13の配風溝18cは、第1実施形態では、靴本体部11の挿入口11aまで形成されていたが、第2実施形態では、挿入口11a手前まで形成されている。
【0132】
上記構成によれば、空気流通路103と、配風溝16e、18cとの間で、空気が循環するように流れるので、空調された空気を再び使用することができ、靴内開口部16k付近と、靴内開口部16m付近とで温度差を少なくできる。その結果、空気流通路101の空気を冷却、または加熱をする電力が少なくなるので、省エネ運転ができる。
【0133】
また、足200に空気を配風する配風溝16e、18cが挿入口11a近傍まで形成されているので、空気流通路103内の空気が靴内部空間11dに送風される際、上記空気を足200に、容易に行き渡らせることができる。
【0134】
しかも、靴内部空間11dの空気が挿入口11aから排出されにくくなっており、靴内部空間11dの温度変化を少なくできる。その結果、外気の温度が変動しても、靴内部温度T1を維持し易い。
【0135】
(第3実施形態)
第3実施形態のように、第1実施形態に示す空気流通路101とは別に、一端側が靴内部空間11dに開口し、他端側が外気に開口する第2の空気流通路を設けてもよい。主に、第2実施形態との相違点である空気流通路104、アウトソール14、ミッドソール15等について説明する。
【0136】
最初に、足底板16について説明する。足底板16は、図12、図13に示す第2実施形態と同様の形状で構成されている。なお、第3実施形態では、第2実施形態の靴内開口部16kに相当する開口部位を靴内開口部16n、第2実施形態の靴内開口部16mに相当する開口部位を靴内開口部16pと称するものとし、それぞれ、図12、図13において、(16n)、(16p)と図示した。上記靴内開口部16nは、本発明の第1の靴内開口部を、上記靴内開口部16pは、本発明の第2の靴内開口部を構成する。
【0137】
次に、空調ユニット本体部22について説明する。図16、図17に示すように、上記空調ユニット本体部22には、2つの送風路22a、22hが形成されている。上記送風路22aの両端には第1開口部22b、第2開口部22cが形成されており、送風機27が上記送風路22aの途中に配置されている。
【0138】
また、送風路22hは、靴先端部11b側に第3開口部22jが、靴後端部11c側に第4開口部22kが形成されている。上記第3開口部22jは、足底板16の開口部16cに、上記第4開口部22kは、後述するミッドソール15の連通路15dに開口している。
【0139】
アウトソール14の連通路14aは、形状は異なるが、第1実施形態と同様に構成されている。連通路14aのうち、靴後端部11c側に形成された開口部を外気開口部14cと称するものとする。外気開口部14cは、本発明の第1の外気開口部を構成する。
【0140】
ミッドソール15のうち、靴後端部11c側には、送風路22aの第4開口部22kと外気を連通する連通路15dが形成されている。なお、連通路15dのうち、靴後端部11c側に形成された開口部を、外気開口部15eと称するものとする。外気開口部15eは本発明の第2の外気開口部を構成する。
【0141】
上記構成によれば、送風機27が、図16の紙面上方から見て時計回りに作動すると、外気がアウトソール14の外気開口部14cから吸い込まれ、アウトソール14の連通路14a、空調ユニット本体部22の第2開口部22c、送風路22a、第1開口部22b、ミッドソール15の連通路15c、溝部15b、足底板16の開口部16b、連通穴16fの順に送風され、靴内開口部16nから靴内部空間11dに供給される。
【0142】
そして、靴内部空間11dに供給された空気は、足底板16の配風溝16eの隙間16h、アッパー13の配風溝18cの隙間18dを流通した後、足底板16の靴内開口部16pから吸い込まれ、足底板16の連通穴16g、開口部16c、空調ユニット本体部22の第3開口部22j、送風路22h、第4開口部22k、ミッドソール15の連通路15dの順に送風され、外気開口部15eから外気に吐き出される。
【0143】
上記アウトソール14の外気開口部14cから靴内開口部16nまでの経路は本発明の空気流通路101を、足底板16の靴内開口部16pからミッドソール15の外気開口部15eまでの経路は本発明の第2の空気流通路104を構成する。
【0144】
上記構成のように、空気流通路を複数設けてもよい。また、上記構成によれば、靴内側表面102に、挿入口11aまで、足200に空気を配風する配風溝16e、18cが形成されているので、第1実施形態と同様に、空気が配風溝16e、18cを効率的に流通する。その結果、靴内部空間11dの靴内部空間11dの空気を容易に入れ替えることができる。
【0145】
(第4実施形態)
第1実施形態では、ペルチェ素子34とヒータ38の少なくとも一方を作動させて空気流通路101内の空気を冷却、加熱したが、第4実施形態では、第1実施形態で説明した空調器23のヒータ38の代わりに、ペルチェ素子35を用い、ペルチェ素子34と併せて、空気流通路101内の空気を冷却するようにした。
【0146】
空調靴100のうち靴本体部11、底部12、アッパー13、空気流通路101等は第1実施形態と同様であるので、主に、第1実施形態との相違点である空調器23の構成、制御モード等について、以下に説明する。
【0147】
図18に示すように、空調器23には、ペルチェ素子34、35が配置されており、両ペルチェ素子34、35は、電源装置25から電気が供給された際に、送風路22aの空気を冷却するように接続されている。なお、ペルチェ素子35の両熱交換面のうち、送風路側の熱交換面を送風路側熱交換面35a、反対側の面を熱交換部側熱交換面35bと称するものとする。上記ペルチェ素子34、35は、どちらか一方のみ作動させてもよい。ペルチェ素子35は、本発明の空気冷却手段を構成する。
【0148】
また、制御ユニット21の制御回路29aは、図19に示すように、温度センサ30によって検出される靴内部温度T1と、設定温度TSとを比較し、所定のプログラムに基いて送風機27、ペルチェ素子34、35を制御、作動させる。
【0149】
操作盤32の操作部32aの各スイッチSW1〜SW5、表示部32bの各ランプLP1〜LP6、各表示画面DP1、DP2は、第1実施形態と同様であるが、加熱表示ランプLP4は、設けなくてもよい。
【0150】
ここで、以下の説明に先立ち、操作盤32のモード選択スイッチSW3を押すことによって選択される制御モードについて説明する。
【0151】
送風路22aの送風空気を冷却して温度調節する制御モードを冷却モードと称するものとする。上記冷却モードは、自動運転により冷却制御を行う場合と、手動運転により冷却制御を行う場合に分けて、前者を自動冷却モードM11、後者を手動冷却モードM12と称するものとする。
【0152】
上記自動冷却モードM11は、第1実施形態の自動冷却モードM2に相当する。また、上記手動冷却モードM12は、第1実施形態の手動冷却モードM3に相当する。
【0153】
自動冷却モードM11が選択されると、自動ランプLP1、冷却表示ランプLP3が点灯、手動ランプLP2、加熱表示ランプLP4が消灯する。そして、入/切スイッチSW1が押されて運転を開始すると、温度センサ30によって検出された靴内部温度T1と、操作盤32から入力される靴内設定温度TSとを比較して、靴内部温度T1>設定温度TSのときには送風路22a内の空気をペルチェ素子34、35を作動させて冷却するとともに、送風機27を作動させて冷却された空気を靴内部空間11d側に送風するように制御する。冷却終了後、送風のみ行うようにしてもよい。送風時間が長い場合は、所定時間後、送風を停止するようにしてもよい。
【0154】
また、靴内部温度T1<設定温度TSのときには送風機27、ペルチェ素子34、35を停止するように制御する。送風のみ行うようにしてもよい。送風時間が長い場合は、所定時間後、送風を停止するようにしてもよい。
【0155】
手動冷却モードM12が選択されると、手動ランプLP2、冷却表示ランプLP3が点灯、自動ランプLP1、加熱表示ランプLP4が消灯する。そして、入/切スイッチSW1が押されて運転を開始すると、送風路22a内の空気を、強制的にペルチェ素子34、35を作動させて冷却するとともに、送風機27を作動させて冷却された空気を靴内部空間11d側に送風するように制御する。
【0156】
上記構成によれば、自動冷却モードM11で運転した場合で、靴内部温度T1>設定温度TSの場合には、送風機27が作動して空気流通路101内の空気が靴内部空間11dに送風される。その際、ペルチェ素子34、35が作動して靴内部空間11dに送風される空気を冷却するので、靴内部温度T1が下がるように作用する。また、靴内部温度T1<設定温度TSの場合には、ペルチェ素子34、35、送風機27を停止するので、外気温度が設定温度TSより高温の環境では、空調靴全体が加熱され、靴内部温度T1が上がるように作用する。靴内部温度T1<設定温度TSの場合に、送風機27のみ作動させると、設定温度TSより高温の外気が靴内部空間11dに送風され、靴内部温度T1が上がるように作用する。
【0157】
その結果、靴内部空間11dの靴内部温度T1が設定温度TSを維持するように、自動制御することができる。
【0158】
(第5実施形態)
第1実施形態では、ペルチェ素子34とヒータ38の少なくとも一方を作動させて空気流通路101内の空気を冷却、加熱したが、第5実施形態では、第1実施形態で説明した空調器23のペルチェ素子34の代わりに、ヒータ39を用い、ヒータ38と併せて、空気流通路101内の空気を加熱するようにした。
【0159】
空調靴100のうち靴本体部11、底部12、アッパー13、空気流通路101等は第1実施形態と同様であるので、主に、第1実施形態との相違点である空調器23の構成、制御モード等について、以下に説明する。
【0160】
図20に示すように、空調器23には、ヒータ38、39が配置されており、両ヒータ38、39は、電源装置25から電気が供給された際に、送風路22aの空気を加熱するように接続されている。上記両ヒータ38、39は、どちらか一方のみ作動させてもよい。ヒータ39は、本発明の空気加熱手段を構成する。
【0161】
また、制御ユニット21の制御回路29aは、図21に示すように、温度センサ30によって検出される靴内部温度T1と、設定温度TSとを比較し、所定のプログラムに基いて送風機27、ヒータ38、39を制御、作動させる。
【0162】
操作盤32の操作部32aの各スイッチSW1〜SW5、表示部32bの各ランプLP1〜LP6、各表示画面DP1、DP2は、第1実施形態と同様であるが、冷却表示ランプLP3は、設けなくてもよい。
【0163】
ここで、以下の説明に先立ち、操作盤32のモード選択スイッチSW3を押すことによって選択される制御モードについて説明する。
【0164】
送風路22aの送風空気を加熱して温度調節する制御モードを、加熱モードと称するものとする。上記加熱モードは、自動運転により送風を行う場合と、手動運転により送風を行う場合に分けて、前者を自動加熱モードM21、後者を手動加熱モードM22と称するものとする。
【0165】
上記自動加熱モードM21は、第1実施形態の自動加熱モードM4に相当する。また、上記手動加熱モードM22は、第1実施形態の手動加熱モードM5に相当する。
【0166】
自動加熱モードM21が選択されると、自動ランプLP1、加熱表示ランプLP4が点灯、手動ランプLP2、冷却表示ランプLP3が消灯する。そして、入/切スイッチSW1が押されて運転を開始すると、温度センサ30によって検出された靴内部温度T1と、操作盤32から入力される靴内設定温度TSとを比較して、靴内部温度T1<設定温度TSのときには送風路22a内の空気をヒータ38、39によって加熱するとともに、送風機27によって加熱された空気を靴内部空間11d側に送風するように制御する。加熱終了後、送風のみ行うようにしてもよい。送風時間が長い場合は、所定時間後、送風を停止するようにしてもよい。
【0167】
また、靴内部温度T1>設定温度TSのときには送風機27、ヒータ38、39を停止するように制御する。送風のみ行うようにしてもよい。送風時間が長い場合は、所定時間停止するようにしてもよい。
【0168】
手動加熱モードM22が選択されると、手動ランプLP2、加熱表示ランプLP4が点灯、自動ランプLP1、冷却表示ランプLP3が消灯する。そして、入/切スイッチSW1が押されて運転を開始すると、送風路22a内の空気を、強制的にヒータ38、39を作動させて加熱するとともに、送風機27を作動させて加熱された空気を靴内部空間11d側に送風するように制御する。
【0169】
上記構成によれば、自動加熱モードM21で運転した場合で、靴内部温度T1<設定温度TSの場合には、送風機27が作動して空気流通路101内の空気が靴内部空間11dに送風される。その際、ヒータ38、39が作動して靴内部空間11dに送風される空気を加熱するので、靴内部温度T1が上がるように作用する。また、靴内部温度T1>設定温度TSの場合には、ヒータ38、39、送風機27を停止するので、外気温度が設定温度TSより低温の環境では、空調靴全体が冷却され、靴内部温度T1が下がるように作用する。靴内部温度T1>設定温度TSの場合に、送風機27のみ作動させると、設定温度TSより低温の外気が靴内部空間11dに送風され、靴内部温度T1が下がるように作用する。
【0170】
その結果、靴内部空間11dの靴内部温度T1が設定温度TSを維持するように、自動制御することができる。
【0171】
(第6実施形態)
第1実施形態では靴内部空間にのみ温度センサを設けたが、第6実施形態では、さらに外気温度T2を検出する検出センサを設けた。
【0172】
図22に示すように、アウトソール14の連通路14a近傍に、外気温度T2を検出する外気温度検出センサ44を配置した。外気温度検出センサ44を配置すると、靴内部温度T1、設定温度TS、外気温度T2の温度関係に応じて、送風機27、ペルチェ素子34、ヒータ38を細かに制御することが可能となる。外気温度検出センサ44は、本発明の外気温度検出手段を構成する。
【0173】
具体的には、自動冷却/加熱モードM1で運転する際、靴内部温度T1>設定温度TS>外気温度T2の場合、および靴内部温度T1<設定温度TS<外気温度T2の場合には、送風機27、ペルチェ素子34、ヒータ38が停止するか、もしくは送風機27が作動し、ペルチェ素子34、ヒータ38が停止するように制御する。
【0174】
上記構成によれば、靴内部温度T1>設定温度TS>外気温度T2の場合に、送風機27、ペルチェ素子34、ヒータ38が停止すると、設定温度TSより低い外気温度T2の外気により空調靴全体が冷却され、引いては、靴内部空間11dが冷却される。また、送風機27が作動し、ペルチェ素子34、ヒータ38が停止する場合は、設定温度TSより低い温度の外気を靴内部空間11dに送風することができる。
【0175】
また、靴内部温度T1<設定温度TS<外気温度T2の場合に、送風機27、ペルチェ素子34、ヒータ38を停止させると、設定温度TSより高い外気温度T2の外気により空調靴が加熱され、引いては、靴内部空間11dが加熱される。また、送風機27が作動し、ペルチェ素子34、ヒータ38が停止する場合は、設定温度TSより高い温度の外気を靴内部空間11dに送風することができる。
【0176】
その結果、靴内部温度T1>設定温度TS>外気温度T2の場合、靴内部温度T1<設定温度TS<外気温度T2の場合には、ペルチェ素子34、ヒータ38が停止するので、省エネ運転をすることができる。
【0177】
(第7実施形態)
第4実施形態において、第6実施形態と同様に、外気温度T2を検出する検出センサ44を設けてもよい。
【0178】
具体的には、靴内部温度T1>設定温度TS>外気温度T2の場合には、送風機27、ペルチェ素子34、35が停止するか、もしくは送風機27が作動し、ペルチェ素子34、35が停止するように制御する。
【0179】
上記構成によれば、送風機27、ペルチェ素子34、35が停止する場合は、設定温度TSより低い外気温度T2の外気により空調靴全体が冷却され、引いては、靴内部空間11dが冷却される。また、送風機27が作動し、ペルチェ素子34、35が停止する場合は、設定温度TSより低い外気温度T2の外気を靴内部空間11dに送風することができる。
【0180】
その結果、靴内部温度T1>設定温度TS>外気温度T2の場合には、ペルチェ素子34、35が停止するので、省エネ運転をすることができる。
【0181】
(第8実施形態)
第5実施形態において、第6実施形態と同様に、外気温度T2を検出する外気温度検出センサ44を設けた。
【0182】
具体的には、靴内部温度T1<設定温度TS<外気温度T2の場合には、送風機27、ヒータ38、39が停止するか、もしくは送風機27が作動し、ヒータ38、39が停止するように制御する。
【0183】
上記構成によれば、送風機27、ヒータ38、39が停止する場合は、設定温度TSより高い外気温度T2の外気により空調靴全体が加熱され、引いては、靴内部空間11dが加熱される。また、送風機27を作動させ、ヒータ38、39が停止する場合は、設定温度TSより高い外気温度T2の外気を靴内部空間11dに送風することができる。
【0184】
その結果、靴内部温度T1<設定温度TS<外気温度T2の場合には、ヒータ38、39が停止するので、省エネ運転をすることができる。
【0185】
(第9実施形態)
第1実施形態では、靴内部空間11dに送風する空気を冷却または加熱するようにしたが、第9実施形態のように、靴内部空間11dに送風する空気を冷却または加熱せずに、外気を靴内部空間11dに送風する、あるいは、靴内部空間11dの空気を外気に排気するようにしてもよい。
【0186】
以下、具体的に説明すると、図23に示すように、操作盤32の表示部32bに、送風ランプLP7、排気ランプLP8を設け、外気を靴内部空間11dに送風する、あるいは、靴内部空間11dの空気を外気に排気するように制御する制御モードを備えた。
【0187】
制御モードについて説明する。外気を靴内部空間11dに送風する制御モードを送風モードM6、靴内部空間11dの空気を外気に排気する制御モードを排気モードM7と称するものとする。
【0188】
図23に示すモード選択スイッチSW3は、1回押すごとに、後述する各制御モードM1〜M7を切り換えることができる。
【0189】
モード選択スイッチSW3を押して、送風モードM6を選択すると、手動ランプLP2、送風ランプLP7が点灯、自動ランプLP1、冷却表示ランプLP3、加熱表示ランプLP4、排気ランプLP8が消灯する。そして、入/切スイッチSW1が押されて運転を開始すると、ペルチェ素子34、ヒータ38を停止させ、送風機27を、図2の紙面上方から見て反時計回りに作動させて外気を靴内部空間11d側に送風するように制御する。
【0190】
また、排気モードM7を選択すると、手動ランプLP2、排気ランプLP8が点灯、自動ランプLP1、冷却表示ランプLP3、加熱表示ランプLP4、送風ランプLP7が消灯する。そして、入/切スイッチSW1が押されて運転を開始すると、ペルチェ素子34、ヒータ38を停止させ、送風機27を、図2の紙面上方から見て時計回りに作動させて靴内部空間11dの空気を外気側に排気するように制御する。
【0191】
なお、第6実施形態のように、外気温度検出センサ44を設け、靴内部温度T1>設定温度TS>外気温度T2の場合に、自動的に送風または排気するようにしてもよい。同様に、外気温度検出センサ44を設け、靴内部温度T1<設定温度TS<外気温度T2の場合に、自動的に送風または排気するようにしてもよい。
【0192】
(第10実施形態)
第10実施形態に示すように、靴内部空間11dの空気を除湿するようにしてもよい。図23に示すように、操作盤32の表示部32bに、除湿ランプLP9を設け、靴内部空間11dの空気を除湿する除湿モードM8を備えた。ペルチェ素子34はヒータ38の空気流れ上流側に配置する。
【0193】
モード選択スイッチSW3を押して、除湿モードM8を選択すると、自動ランプLP1、冷却表示ランプLP3、加熱表示ランプLP4、除湿ランプLP9が点灯、手動ランプLP2が消灯する。そして、入/切スイッチSW1を押して運転を開始すると、送風路22a内の空気をペルチェ素子34によって、一端0℃近傍に冷却して除湿するとともに、送風機27によって冷却、除湿された空気をヒータ38側に送風するように制御する。
【0194】
次に、靴内部空間11dの靴内部温度T1が設定温度TSになるように、上記冷却、除湿された0℃近傍の空気を、ヒータ38によって加熱するとともに、送風機27によって加熱された空気を靴内部空間11d側に送風するように制御する。送風時間が長い場合は、所定時間後停止するようにしてもよい。
【0195】
ペルチェ素子34は、送風路22a内の空気を冷却する際、送風路側熱交換面34aで送風路22a内の空気から吸熱し、熱交換部側熱交換面34bで放熱する。熱交換部側熱交換面34bからの放熱は、熱交換部22fに伝達され、外気と熱交換を行って排熱される。
【0196】
なお、除湿の際に発生する凝縮水は、図示はしないが、高温熱源を用いて水蒸気にし、外気に排出してもよい。また、冷却、除湿を行う際、電源装置25の消費電力を押さえるために、ペルチェ素子34の送風路側熱交換面34aの温度を比較的高めにしてもよい。
【0197】
上記構成によれば、送風機27により、空気流通路101内の空気が、靴内部空間11dに送風される。その際、送風機27により送風される空気流通路101内の空気は、ペルチェ素子34によって、冷却して除湿される。
その後、上記冷却、除湿された空気は、ヒータ38によって加熱される。その際、制御回路29aによって、適温になるように、上記送風機27、ペルチェ素子34、ヒータ38を制御される。
【0198】
その結果、外気の湿度が高くても、除湿して靴内部空間11dの湿度を確実に低減し、しかも、外気温度に左右されることなく靴内部空間11dを適温にすることができる。また、挿入口11aから挿入された足200に、除湿され、適温に加熱された空気が送風されるので、足200の爽快感を得ることができる。
【0199】
(第11実施形態)
第1実施形態では、温度センサ30によって検出された靴内部温度T1と設定温度TSとの比較結果に基いて送風機27、ペルチェ素子34、ヒータ38を制御したが、温度センサ30を用いずに、バイメタル、サーモスタット等を用いてもよい。なお、各制御モードM1〜M5は第1実施形態と同様に構成される。以下、図24を参照しながら説明する。なお、図24は後述する冷却回路CC、加熱回路CHを分かりやすくした説明図であり、実際の回路図とは異なる。なお、送風機27は、実際には1つであるが、図24では冷却回路CC、加熱回路CHに分けて説明した。
【0200】
サーモスタット45、ペルチェ素子34、電源装置25、送風機27からなる冷却回路CCと、サーモスタット45、ヒータ38、電源装置25、送風機27からなる加熱回路CHを備え、サーモスタット45を靴内部温度T1に応じて開閉するようにする。サーモスタット45は、本発明の開閉スイッチを、冷却回路CC、加熱回路CHは本発明の回路を構成する。
【0201】
上記サーモスタット45は、温度によって回路、スイッチ等の開、閉を自動的に切り換える装置であり、第11実施形態では、操作者が不快と感じる温度と、快適と感じる温度の間で冷却回路CC、加熱回路CHのどちらか一方が通電するようものを選定している。
【0202】
そして、自動冷却/加熱モードM1で運転すると、上記サーモスタット45は、靴内部空間11dの靴内部温度T1>設定温度TSの場合には、送風機27、ペルチェ素子34が作動するように冷却回路CCを通電させる。また、靴内部温度T1<設定温度TSの場合には、送風機27、ヒータ38が作動するように加熱回路CHを通電させる。
【0203】
上記構成によれば、温度センサ30を用いなくとも、第1実施形態の自動冷却/加熱モードM1で運転した場合と同様の作用効果を得ることができる。なお、詳細は省略するが、自動冷却モードM2では、冷却回路CCのみが作動するように、自動加熱モードM4では、加熱回路CHのみが作動するようにすると、第1実施形態の自動冷却モードM2、自動加熱モードM4と同様の作用効果を得ることができる。
【0204】
(第12実施形態)
第2実施形態では、アウトソール14の外気開口部14bを、靴後端部11c側に開口するようにしていたが、図25に示すように、外気開口部46をかかと上部に設けてもよい。外気開口部46は、第1実施形態の外気開口部14bに相当する。
【0205】
(第13実施形態)
第1実施形態では、制御ユニット21を底部12に設けたが、図26に示すように、空調靴100の外側に設け、靴本体部11と分離可能に構成してもよい。
【0206】
また、図示はしないが、電源装置25を靴本体部11の外側に設け、靴本体部11と分離可能に構成してもよい。上記制御ユニット21と、電源装置25を一体に構成し、靴本体部11と分離可能に構成してもよい。
【0207】
また、空調ユニット20、制御ユニット21、電源装置25を靴本体部11の外側に設け、靴本体部11と分離可能に構成してもよい。上記空調ユニット20、制御ユニット21、電源装置25を一体に構成し、靴本体部11と分離可能に構成してもよい。
【0208】
また、操作盤32を靴本体部11と分離して構成し、操作盤32と制御ユニット21との間を無線通信させ、電源装置25から電気が供給された制御ユニット21によって、送風機27、ペルチェ素子34、ヒータ38を作動させてもよい。なお、第13実施形態に示した各構成は、第1実施形態の靴にのみ適用されるものではなく、第2実施形態〜第12実施形態にも適用される。
【0209】
(第14実施形態)
図27、図28に示すように、空気流通路の途中、または開口部において空気を遮蔽するシャッターを設けてもよい。以下、第1実施形態を例に、具体的に説明する。
【0210】
図27に示すように、軸径方向の断面が円状のシャフト47の一端側に、ソレノイド48が配置されている。ソレノイド48は表面が絶縁された銅線48aを、芯材48bに巻回したもので、通電すると磁力を発生する。銅線48aはカバー49によって保護されている。
【0211】
また、ソレノイド48と相対する位置には、上記シャフト47の軸線方向に摺動する鉄製の可動部材50が設けられている。上記ソレノイド48と、上記可動部材50との間には、スプリング51が付設されている。ソレノイド48が通電されないときは、スプリング51によってソレノイド48と可動部材50との間に隙間が形成される。
【0212】
そして、ソレノイド48が通電されると、図28に示すように、可動部材50がソレノイド48の磁力によってスプリング51の反発力に打ち勝ち、ソレノイド48の方向に移動する。上記可動部材50にはシャッター52が取り付けられており、ソレノイド48の方向に移動した際に空気流通路101を遮蔽することができる。
【0213】
上記シャフト47、ソレノイド48、カバー49、可動部材50、スプリング51、シャッター52は、本発明の遮蔽手段を構成する。
【0214】
上記構成によれば、空気流通路101を遮蔽することができるので、外部から空気流通路101を経由して靴内部空間に水が入りにくくすることができる。
【0215】
(第15実施形態)
また、第1実施形態〜第13実施形態では、送風手段に送風機を用いたが、ポンプでもよい。また、圧電ファンを用いてもよい。
【0216】
(第16実施形態)
第1実施形態では、冷却手段にペルチェ素子34を用い、加熱手段にヒータ38を用いたが、冷却手段と加熱手段の両方にペルチェ素子を用いてもよい。その場合、第1実施形態と同様に、ペルチェ素子の排熱手段たる熱交換部22f、穴部22gを備えるように構成する。
【0217】
(第17実施形態)
第1実施形態〜第16実施形態では、ペルチェ素子またはヒータを1つの空気流通路内の空気を冷却、または加熱するように配置したが、図29、図30に示すように、空気流通路を、冷却側と加熱側に分けてもよい。
【0218】
そこで、第17実施形態では、ペルチェ素子34、ペルチェ素子35の両側熱交換面のうち、加熱側の熱交換面を加熱側熱交換面34c、35c、冷却側の熱交換面を冷却側熱交換面34d、35dと定義して、以下、具体的に説明する。
【0219】
空調ユニット本体部22には、送風路22mが形成されており、この送風路22mの靴先端部11b側には第1開口部22bが、靴後端部11c側には第2開口部22cが、それぞれ形成されている。上記送風路22mは、送風機27の空気流れ下流側において、送風機27が送風した空気をバイパスするようになっている。
【0220】
上述の送風路22mのうち、アウトソール14側の送風路を冷却側空気送風路22n、挿入口11a側の空気流通路を加熱側空気送風路22pと称するものとすると、冷却側空気送風路22nと加熱側空気送風路22pの間には、空調器23が配置されている。
【0221】
上記空調器23には、ペルチェ素子34、35が配置されており、上記ペルチェ素子34、35の冷却側熱交換面34d、35dが冷却側空気送風路22n側に、加熱側熱交換面34c、35cが加熱側空気送風路22p側になるように保持されている。上記加熱側熱交換面34c、35c、冷却側熱交換面34d、35dには熱交換器53が設けられている。
【0222】
したがって、ペルチェ素子34、35が作動すると、冷却側空気送風路22nの空気が冷却され、加熱側空気送風路22pが加熱される。そして、冷却された冷却側空気送風路22nの空気と、加熱された加熱側空気送風路22pの空気は、第1開口部22bの手前で合流し、靴内部空間11dに送風される。
【0223】
ところで、第1開口部22bの手前には、冷却された冷却側空気送風路22nの空気と、加熱された加熱側空気送風路22pの空気とを混合するエアミックスドア54を備えており、図示しないモータが作動すると、支点54aを中心にして回転するようになっている。その際の角度Aは、靴内部温度T1が設定温度TSになるように、適宜、自動調整される。
【0224】
なお、図29に示すように、制御ユニット21、電源装置25が、金属製の支持板55に取り付けられている。この支持板55は、空調ユニット本体部22に、図示しないねじによって固定されており、アウトソール14側に、空調ユニット本体部22の第2開口部22cと外気とを連通する連通路55aが形成されている。なお、連通路55aのうち、外気側の開口部を外気開口部55b、上記外気開口部55bから靴内開口部16jに至る経路を空気流通路105と称するものとする。
【0225】
上記構成のように、空気流通路を冷却側と加熱側にバイパスし、その後、冷却された空気と、加熱された空気を混合するようにしてもよい。
【0226】
(その他の実施形態)
空気流通路の構成は、上記実施形態によるものに限らない。例えば、アッパー13のうち、足200の甲部200b、つま先部200c、かかと部200dに相対する部位に、靴内部空間11dと、外気とを連通する連通路を設けてもよい。なお、配風溝18cは、図32に示すように、挿入口11a手前まで形成されている場合、図示はしないが、配風溝18cと外気を連通する連通孔を形成することにより、配風溝18cが挿入口11aまで形成されている場合と同様の効果が期待できる。
【0227】
また、第1実施形態では、設定温度TSは、手動入力するようにしたが、制御回路29aに予めプログラミングされていてもよい。
【0228】
また、図示はしないが、熱交換部22fを強制的に空冷する空冷手段、または水冷する水冷手段を設けてもよい。
【0229】
また、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第6実施形態、第12実施形態、第13実施形態の空調ユニット本体部22の水平部位22dのうち、空調器23付近に、第17実施形態に示した熱交換器53と同様の熱交換器を設けてもよい。
【0230】
また、本発明の空気冷却手段、空気加熱手段に、熱媒体を利用した冷凍サイクルを用い、運転する過程で発生する冷熱、温熱を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0231】
【図1】本発明の第1実施形態による空調靴の断面正面図である。
【図2】図1の空調靴の空気流通路を説明する一部断面平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による足底板の断面図である。
【図4】図1の空調靴を足底板上方から見た平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による空調ユニットの正面断面図である。
【図6】図5の平面断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態による空調器の断面正面図である。
【図8】本発明の第1実施形態による制御ブロック図である。
【図9】本発明の第1実施形態による操作盤の正面図である。
【図10】本発明の第2実施形態による空調靴の断面正面図である。
【図11】図10の空調靴の空気流通路を説明する一部断面平面図である。
【図12】本発明の第2、第3実施形態による足底板の断面図である。
【図13】本発明の第2、第3実施形態による空調靴を足底板上方から見た平面図である。
【図14】本発明の第2実施形態による空調ユニットの正面断面図である。
【図15】図14の平面断面図である。
【図16】本発明の第3実施形態による空調靴の断面正面図である。
【図17】本発明の第3実施形態による空調ユニットの正面断面図である。
【図18】本発明の第4実施形態による空調器の断面正面図である。
【図19】本発明の第4実施形態による制御ブロック図である。
【図20】本発明の第5実施形態による空調器の断面正面図である。
【図21】本発明の第5実施形態による制御ブロック図である。
【図22】本発明の第6実施形態による空調靴の断面正面図である。
【図23】本発明の第9実施形態による操作盤の正面図である。
【図24】本発明の第11実施形態による回路の説明図である。
【図25】本発明の第12実施形態による空調靴の断面正面図である。
【図26】本発明の第13実施形態による空調靴の断面正面図である。
【図27】本発明の第14実施形態によるシャッターの断面正面図である。
【図28】図27のシャッターが遮蔽した際の断面正面図である。
【図29】本発明の第17実施形態による空調靴の断面正面図である。
【図30】本発明の第17実施形態による空調ユニットの正面断面図である。
【図31】配風溝18cの形状を説明する第1の説明図である。
【図32】配風溝18cの形状を説明する第2の説明図である。
【符号の説明】
【0232】
11…靴本体部
11a…挿入口
11b…靴先端部
11c…靴後端部
11d…靴内部空間
11e…足先部空間
12…底部
13…アッパー
14…アウトソール
14a…連通路
14b…外気開口部
14c…外気開口部(第1の外気開口部)
15…ミッドソール
15a…上面
15b…溝部
15c…連通路
15d…連通路
15e…外気開口部(第2の外気開口部)
16…足底板
16a…下面
16b…開口部
16c…開口部
16d…上面
16e…配風溝
16f…連通穴
16g…連通穴
16h…隙間
16i…(欠番)
16j…靴内開口部
16k…靴内開口部(第1の靴内開口部)
16n…靴内開口部(第1の靴内開口部)
16l…(欠番)
16m、16p…靴内開口部(第2の靴内開口部)
16o…(欠番)
17…表革
18…裏革
18a…裏革表面
18b…突出部
18c…配風溝
18d…隙間
19…空調装置
20…空調ユニット
21…制御ユニット
22…空調ユニット本体部
22a…送風路
22b…第1開口部
22c…第2開口部
22d…水平部位
22e…収納室
22f…熱交換部(排熱手段)
22g…穴部
22h…送風路
22i…(欠番)
22j…第3開口部
22k…第4開口部
22l…(欠番)
22m…送風路
22n…冷却側空気送風路
22o…(欠番)
22p…加熱側空気送風路
23…空調器
24…(欠番)
25…電源装置
25a…電池
25b…安全装置
26…フタ部
27…送風機(送風手段)
28…制御部本体部
29…制御基板
29a…制御回路(制御手段)
30…温度センサ(温度検出手段)
31…センサボックス
32…操作盤
32a…操作部
32b…表示部
33…(欠番)
34…ペルチェ素子(空気冷却手段、熱伝達手段)
35…ペルチェ素子(空気冷却手段、熱伝達手段)
34a…送風路側熱交換面
35a…送風路側熱交換面
34b…熱交換部側熱交換面
35b…熱交換部側熱交換面
34c…加熱側熱交換面
35c…加熱側熱交換面
34d…冷却側熱交換面
35d…冷却側熱交換面
36…(欠番)
37…(欠番)
38…ヒータ(空気加熱手段、熱伝達手段)
39…ヒータ(空気加熱手段、熱伝達手段)
40…保持器
41…クッション部材
42…防水シール
43…押え金具
44…外気温度検出センサ(外気温度検出手段)
45…サーモスタッド(開閉スイッチ)
46…外気開口部
47…シャフト
48…ソレノイド
48a…銅線
49b…芯材
50…可動部材
51…スプリング
52…シャッター
53…熱交換器
54…エアミックスドア
54a…支点
55…支持板
55a…連通路
55b…外気開口部
100…空調靴
101…空気流通路
102…靴内側表面
103…空気流通路
104…空気流通路(第2の空気流通路)
105…空気流通路
200…足
200a…足裏部
200b…甲部
200c…つま先部
200d…かかと部
A…角度
CC…冷却回路(回路)
CH…加熱回路(回路)
DP1…設定温度表示画面(所定温度表示手段)
DP2…靴内部温度表示画面(靴内部温度表示手段)
LP1…自動ランプ
LP2…手動ランプ
LP3…冷却表示ランプ
LP4…加熱表示ランプ
LP5…運転中表示ランプ
LP6…バッテリ表示ランプ
LP7…送風ランプ
LP8…排気ランプ
LP9…除湿ランプ
M1…自動冷却/加熱モード
M2…自動冷却モード
M3…手動冷却モード
M4…自動加熱モード
M5…手動加熱モード
M6…送風モード
M7…排気モード
M8…除湿モード
M11…自動冷却モード
M12…手動冷却モード
M21…自動加熱モード
M22…手動加熱モード
SW1…入/切スイッチ
SW2…風量切換スイッチ
SW3…モード選択スイッチ(切換手段)
SW4…温度+スイッチ(入力手段)
SW5…温度−スイッチ(入力手段)
T1…靴内部温度
T2…外気温度
TS…設定温度(所定の温度)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴内部空間(11d)に一端が開口し、他端が前記靴内部空間(11d)および外気のどちらか一方に開口して空気が流通する空気流通路(101、103)が形成されており、
前記空気流通路(101、103)内の空気を、前記靴内部空間(11d)に送風する送風手段(27)と、
前記送風手段(27)により送風される空気に熱を伝達する熱伝達手段とを備え、
さらに、前記靴内部空間(11d)の靴内部温度(T1)を検出する温度検出手段(30)と、
前記温度検出手段(30)により検出される前記靴内部温度(T1)と、所定の温度(TS)との比較結果に基づいて前記送風手段(27)、前記熱伝達手段の作動および停止のどちらか一方を行う制御手段(29a)と、
前記送風手段(27)、前記熱伝達手段、前記制御手段(29a)に電気を供給して作動させる電源装置(25)とを備えており、
前記制御手段(29a)は、前記靴内部温度(T1)が前記所定の温度(TS)を維持するように、前記送風手段(27)、前記熱伝達手段の作動、停止を制御する機能を有していることを特徴とする空調靴。
【請求項2】
前記熱伝達手段が、前記送風手段(27)により送風される空気を冷却する空気冷却手段(34)と、前記送風手段(27)により送風される空気を加熱する空気加熱手段(38)の両方で構成されており、
少なくとも、前記靴内部温度(T1)>前記所定の温度(TS)の場合には、前記空気冷却手段(34)を作動させて前記空気流通路(101、103)内の空気を冷却するとともに、前記冷却された空気を、前記送風手段(27)を作動させて前記靴内部空間(11d)に送風するように制御し、
少なくとも、前記靴内部温度(T1)<前記所定の温度(TS)の場合には、前記空気加熱手段(38)を作動させて前記空気流通路(101、103)内の空気を加熱するとともに、前記加熱された空気を、前記送風手段(27)を作動させて前記靴内部空間(11d)に送風するように制御する機能を有していることを特徴とする請求項1に記載の空調靴。
【請求項3】
前記送風手段(27)を作動させた際の空気流れ上流側に前記空気冷却手段(34)を、前記空気冷却手段(34)の下流側に前記空気加熱手段(38)を配置し、
前記送風手段(27)を作動させて発生した前記空気流れ上流側の空気を、最初に前記空気冷却手段(34)を作動させて冷却して除湿し、
次に、前記冷却して除湿された空気を、前記空気加熱手段(38)を作動させて、適温に再加熱し、前記靴内部空間(11d)に送風することを特徴とする請求項2に記載の空調靴。
【請求項4】
前記熱伝達手段が、前記送風手段(27)により送風される空気を冷却する空気冷却手段(34、35)で構成されており、
少なくとも、前記靴内部温度(T1)>前記所定の温度(TS)の場合には、前記空気冷却手段(34、35)を作動させて前記空気流通路(101、103)内の空気を冷却するとともに、前記冷却された空気を、前記送風手段(27)を作動させて前記靴内部空間(11d)に送風するように制御し、
少なくとも、前記靴内部温度(T1)<前記所定の温度(TS)の場合には、前記空気冷却手段(34、35)および前記送風手段(27)のうち、少なくとも前記空気冷却手段(34、35)を停止するように制御する機能を有していることを特徴とする請求項1に記載の空調靴。
【請求項5】
前記熱伝達手段が、前記送風手段(27)により送風される空気を加熱する空気加熱手段(38、39)で構成されており、
少なくとも、前記靴内部温度(T1)<前記所定の温度(TS)の場合には、前記空気加熱手段(38、39)を作動させて前記空気流通路(101、103)内の空気を加熱するとともに、前記加熱された空気を、前記送風手段(27)を作動させて前記靴内部空間(11d)に送風するように制御し、
少なくとも、前記靴内部温度(T1)>前記所定の温度(TS)の場合には、前記空気加熱手段(38、39)および前記送風手段(27)のうち、少なくとも前記空気加熱手段(38、39)を停止するように制御する機能を有していることを特徴とする請求項1に記載の空調靴。
【請求項6】
前記外気の外気温度(T2)を検出する外気温度検出手段(44)を備えており、
前記制御手段(29a)は、前記靴内部温度(T1)、前記所定の温度(TS)、前記外気温度(T2)の比較結果に基づいて、前記靴内部温度(T1)が前記所定の温度(TS)を維持するように、前記送風手段(27)、前記熱伝達手段の作動、停止を制御する機能を有していることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1つに記載の空調靴。
【請求項7】
前記制御手段(29a)は、前記靴内部温度(T1)>前記所定の温度(TS)>前記外気温度(T2)の場合、および前記靴内部温度(T1)<前記所定の温度(TS)<前記外気温度(T2)の場合には、前記熱伝達手段、前記送風手段(27)のうち、少なくとも前記熱伝達手段を停止するように制御する機能を有していることを特徴とする請求項6に記載の空調靴。
【請求項8】
靴内部空間(11d)に一端が開口し、他端が前記靴内部空間(11d)および外気のどちらか一方に開口して空気が流通する空気流通路(101、103)とが形成されており、
前記空気流通路(101、103)内の空気を、前記靴内部空間(11d)に送風する送風手段(27)と、
前記送風手段(27)により送風される空気に熱を伝達する熱伝達手段と、
前記送風手段(27)、前記熱伝達手段に電気を供給して作動させる電源装置(25)と、
前記電源装置(25)と、前記送風手段(27)と、前記熱伝達手段とからなる回路(210)を、前記靴内部空間(11d)の靴内部温度(T1)に基いて自動的に通電および遮断のどちらか一方を行う開閉スイッチ(45)とを備えており、
前記開閉スイッチ(45)は、前記靴内部温度(T1)が所定の温度(TS)を維持するように、前記送風手段(27)、前記熱伝達手段の作動、停止を制御する機能を有していることを特徴とする空調靴。
【請求項9】
前記熱伝達手段が、前記送風手段(27)により送風される空気を冷却する空気冷却手段(34)と、
前記送風手段(27)により送風される空気を加熱する空気加熱手段(38)の両方とで構成されるとともに、
前記回路(210)が、前記開閉スイッチ(45)、前記空気冷却手段(34)、前記電源装置(25)、前記送風手段(27)からなる冷却回路(CC)と、
前記開閉スイッチ(45)、前記空気加熱手段(38)、前記電源装置(25)、前記送風手段(27)からなる加熱回路(CH)とから構成されており、
前記開閉スイッチ(45)は、少なくとも、前記靴内部空間(11d)の前記靴内部温度(T1)>前記所定の温度(TS)の場合には、前記送風手段(27)、前記空気冷却手段(34)が作動するように前記冷却回路(CC)を通電させ、
少なくとも、前記靴内部温度(T1)<前記所定の温度(TS)の場合には、前記送風手段(27)、前記空気加熱手段(38)が作動するように前記加熱回路(CH)を通電させることを特徴とする請求項8に記載の空調靴。
【請求項10】
前記熱伝達手段が、前記送風手段(27)により送風される空気を冷却する空気冷却手段(34、35)で構成されるとともに、
前記回路(210)が、前記開閉スイッチ(45)、前記空気冷却手段(34、35)、前記電源装置(25)、前記送風手段(27)からなる冷却回路(CC)で構成されており、
前記開閉スイッチ(45)は、少なくとも、前記靴内部空間(11d)の前記靴内部温度(T1)>前記所定の温度(TS)の場合には、前記送風手段(27)、前記空気冷却手段(34、35)が作動するように前記冷却回路(CC)を通電させ、
少なくとも、前記靴内部温度(T1)<前記所定の温度(TS)の場合には、前記送風手段(27)、前記空気冷却手段(34、35)のうち、少なくとも前記空気冷却手段(34、35)が停止するように前記冷却回路(CC)を遮断させることを特徴とする請求項8に記載の空調靴。
【請求項11】
前記熱伝達手段が、前記送風手段(27)により送風される空気を加熱する空気加熱手段(38、39)で構成されるとともに、
前記回路(210)が、前記開閉スイッチ(45)、前記空気加熱手段(38、39)、前記電源装置(25)、前記送風手段(27)からなる加熱回路(CH)で構成されており、
前記開閉スイッチ(45)は、少なくとも、前記靴内部空間(11d)の前記靴内部温度(T1)<前記所定の温度(TS)の場合には、前記送風手段(27)、前記空気加熱手段(38、39)が作動するように前記加熱回路(CH)を通電させ、
少なくとも、前記靴内部温度(T1)>前記所定の温度(TS)の場合には、前記送風手段(27)、前記空気加熱手段(38、39)のうち、少なくとも前記空気加熱手段(38、39)を停止するように前記加熱回路(CH)を遮断させことを特徴とする請求項8に記載の空調靴。
【請求項12】
前記所定の温度(TS)を手動入力する入力手段(SW4、SW5)と、
前記入力手段(SW4、SW5)によって入力された前記所定の温度(TS)を表示する所定温度表示手段(DP1)と、
前記靴内部温度(T1)を表示する靴内部温度表示手段(DP2)とを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載の空調靴。
【請求項13】
前記靴内部空間(11d)を形成する靴内側表面(102)に、足(200)が挿入された際に、前記足(200)に隙間(16h、18d)を有して空気を配風する配風溝(16e、18c)が形成されており、
前記配風溝(16e、18c)に、前記空気流通路(101)の前記一端側が開口するとともに、前記空気流通路(101)の他端側が外気に開口しており、
前記配風溝(16e、18c)は外気に開口するように形成されている場合、および外気に開口しないように形成されている場合のどちらか1つであることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載の空調靴。
【請求項14】
前記空気流通路(101)とは別に、一端側が前記配風溝(16e、18c)に開口し、他端側が前記外気に開口する第2の空気流通路(104)が形成されていることを特徴とする請求項13に記載の空調靴。
【請求項15】
前記靴内部空間(11d)を形成する靴内側表面(102)に、足(200)が挿入された際に、前記足(200)に隙間(16h、18d)を有して空気を配風する配風溝(16e、18c)が形成されており、
前記配風溝(16e、18c)に前記空気流通路(103)の前記一端側および前記他端側が開口しており、
前記配風溝(16e、18c)は外気に開口するように形成されている場合、および外気に開口しないように形成されている場合のどちらか1つであることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1つに記載の空調靴。
【請求項16】
前記熱伝達手段を停止させた状態で、前記空気流通路(101、103)のうち、前記一端側および前記他端側のどちらか一方から他方に、前記空気流通路(101、103)の空気を送風するように前記送風手段(27)を作動させることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1つに記載の空調靴。
【請求項17】
前記熱伝達手段がペルチェ素子のみで構成されており、
前記ペルチェ素子の排熱手段(22f)を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか1つに記載の空調靴。
【請求項18】
前記空気流通路(101、103、104、105)を遮蔽する遮蔽手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれか1つに記載の空調靴。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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