説明

空間的に選択的なマイクロ及びナノメートルスケールの付着用の基体及びコンビナトリアル修正及び成形加工

空間的に選択的なマイクロ及びナノメートルスケールの付着及び/又は反応のための基体(1)であって、上記基体は、支持体(3)、上記支持体上の導電層(5)、静電荷パターンを保持する誘電層(7)、例えば上に入射光を受けた時に静電荷を分散させる材料の光導電層、及び化学的官能層(9)を有し、静電荷パターンが、上記基体上に予め決められた方法で形成され、上記基体上のエマルジョン(15)内の荷電した液滴の運動に影響することを特徴とする基体である。上記化学的官能層は、上記基体の化学的官能化のための表面を提供するか、又は上記誘電又は光導電層への接近又は反応を妨げる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、コンビナトリアルケミストリー又はその上の成形加工などの反応の有無によらず、選択的なマイクロ及びナノメートルスケールの付着のための表面を有する基体に関する。
(本発明の背景)
本発明は、一般的に基体、特に平面基体上のDNAチップのように一般的に既知の型のDNAアレイの製造用途に使用する基体に関連して検討されるが、本発明は、特別の用途に限定されず、より広い派生物を有し、また本発明は、DNAチップなどの製造に限定されることを企図していない。他の物理的又は化学的反応としては、プリント回路、フラットパネルディスプレイ、半導体チップ、ナノテクノロジー、マイクロ-電気機械系、可撓性プリント回路、タンパク質チップ及びラボオンチップのマイクロ流体(microfluidics)の製造が挙げられる。
その最も広い形態において、本発明は、上記基体の上にいかなる多種の化学物質の空間的に決められた付着に使用され得る基体に関する。物質としては、限定的でないが、着色された材料、染料、金属、薬物分子、ポリマー、触媒、抗湿潤剤、顔料、エッチング化学物質、層状物及び脱ブロッキング、ブロッキング、固相化学における基の誘導体化及び活性化のための薬剤が挙げられ得る。アレイとしては、デオキシリボ核酸(DNA)、ペプチド、ペプチド核酸(PNA)、リボ核酸(RNA)及び他の固相化学アレイ及びコンビナトリアル化学によって結合されるアレイが挙げられ得る。
【0002】
一般的に、DNAチップの製造は、次の分子ユニットが添加され得る時に除去される保護基をそれぞれ有する分子ユニットの基体への選択的及び連続的な添加に関連する。そのようなDNAアレイの製造方法の一つは、保護基としてトリチル基又はトリチル基の誘導体を使用するホスホラミダイト方法として既知の方法を使用する。本発明は、この方法に限定されないが、これに関して検討されるだろう。
上記ホスホラミダイト方法は、ポリマー、特にDNAオリゴヌクレオチドの配列の化学合成に対する反復性の4段階方法(脱保護、カップリング、キャッピング及び酸化)であり、DNAの一部を形成する。
ホスホラミダイト方法において、一本鎖の形態のDNAの一部が、DNAを作り上げる4種の成分であるA、T、G、及びCヌクレオチドである(ホスホラミダイト形態に連結した)ヌクレオチドの四分の一の連続的な添加によって形成される。それぞれの末端ヌクレオチドは、その上に化学的に除去可能な保護基を有する。脱保護剤として既知の化学試薬は、保護基を除去して、反応性水酸基を曝し、次段階で、(ホスホラミダイトの形態の)ヌクレオシドを成長しているDNA鎖と結合する。次段階は、キャッピング工程であり、ここで、脱保護されたが、ヌクレオチドが結合されていないいかなるDNAストリングが、持続的にキャップされて不要なヌクレオチドが、後のカップリング工程でその分子に添加することを妨げる。最終工程において、新たに形成されたヌクレオチド間ホスフィット結合の酸化が成されて、上記結合をホスホトリエステルに変換する。典型的に、脱保護剤は、ジクロロ酢酸又はトリクロロ酢酸である。
【0003】
DNAアレイの製造において、多量の異なる配列DNAストランドが、基体に築かれ、生化学分析を可能にする。この方法において、アレイの種々の部分いわゆる形態を選択的に脱保護することが必要であり、本発明の基体の一つの特別な態様が志向されることは、特に選択的脱保護に対する要求に対する。
直射日光活性化化学又は光除去可能な脱保護技術による選択的な脱保護が、開発されているが、これらは、いくらか不十分であり、短い固相オリゴデオキシヌクレオチド、20〜25ヌクレオチドの長さで、10〜50マイクロのかなり大きい単位の特徴サイズであり、より効率的な化学的脱保護方法を提供することが、本発明の目的である。
出願人は、驚くことに、電場の影響下、不連続相における化学的脱保護剤を含み、かつ平面又は他の形状の基体のあらかじめ定義された領域に選択的に付着した電荷を有するエマルジョンの使用によって、より正確で、局在化して、効率的な脱保護が可能となり得ることを見出した。
【0004】
(本発明の概要)
従って、一つの形態において、本発明は、コンビナトリアル化学に適用される基体にあると考えられ、上記基体は、
(1)支持体、
(2)上記支持体上の導電層、
(3)静電荷を保持する材料の誘電層、及び
(4)化学的官能層、
を有し、静電荷パターンが、上記基体上又は該基体内に選択されたアレイに形成され得る。
さらなる形態において、本発明は、コンビナトリアル化学に適用される基体にあると考えられ、上記基体は、
(1)支持体、
(2)上記支持体上の導電層、
(3)材料の光導電層であって、その上に、静電荷が形成されかつ選択的に分散され得る材料の光導電層、及び
(4)化学的官能層、
を有し、静電荷パターンが、上記基体上の選択されたアレイに形成されて、上記基体上の媒体内に荷電された液滴の運動に影響し得る。
さらなる形態において、本発明は、コンビナトリアル化学に適用される基体にあると考えられ、上記基体が、
(1)支持体、
(2)上記支持体上の導電層、
(3)材料の光導電層であって、入射光を受けた時に、その上に静電荷を分散させる材料の光導電層、及び
(4)化学的官能層、
を有し、静電荷パターンが、上記基体上の選択されたアレイに形成され、上記基体上の媒体内の荷電液滴の運動に影響し得る。
【0005】
上記とは別の形態において、本発明は、DNAアレイの製造に適用される基体にあると考えられ、上記基体が、
(1)支持体、
(2)上記支持体上の導電層、
(3)材料の光導電層であって、入射光を受けた時に、その上の静電荷を分散させる材料の光導電層、及び
(4)化学的官能層、
を有し、
静電荷パターンが、上記基体上の選択されたアレイに形成され、上記基体上の媒体内の荷電液滴の運動に影響し得、
上記化学的官能層が、少なくとも結合分子が結合され得る化学的活性材料を部分的に含み、もって選択された静電荷パターンが、入射光によって前記基体に発生して、DNAオリゴマーを選択された結合分子又は結合分子に既に結合されたDNAオリゴマーに選択的に結合させ得る。
上記とは別の形態において、本発明は、DNAアレイの製造に適用される基体にあると考えられ、上記基体が、
(1)支持体、
(2)上記支持体上の誘電層、
(3)材料の光導電層であって、入射光を受けた時にその上の静電荷を分散させる材料の光導電層、及び
(4)化学的官能層、
を有し、
静電荷パターンが、基体上の選択されたアレイに形成され、上記基体上の媒体内の荷電液滴の運動に影響し得、
上記化学的官能層は、結合分子が結合され得る表面を提供し得る。
【0006】
上記支持体は、金属、ガラス、セラミック、又は高分子材料から選択され得、上記支持体は、透明又は不透明でかつ可撓性又は硬くてよい。
入射光が上記基体の前方又は後方から提供され得る。
好ましい態様において、上記導電層は、上記支持体と結合されてよい。
上記導電層は、極薄層かつ透明でよい。
上記導電層は、上記支持体上に真空蒸着され得る。
上記導電層は、金属又はインジウムスズ酸化物のスパッター層又は炭素ナノチューブ層から選択され得る。
誘起された電荷を保持する材料の誘電又は光導電層は、活性化層でよく、またこの層上の電荷は、赤外、可視、紫外又はX-線から選択される電磁線によって影響され得る。
誘電又は光導電層は、入射光が当たると、すでに荷電された表面を選択的に放電することによって、その上に形成された電荷パターンを有するように適用される材料からなり得る。
上記とは別に、誘電層が、ソフトリソグラフィーのような方法によって荷電でき得る。ソフトリソグラフィーは、導電エラストマーのスタンプから配座接触を伴う誘電物質にパターンを移すことに基づく高分解能荷電技術を意味する。
上記誘電層は、ガラス又はメチルメタクリレート(MMA)などのポリマー樹脂でよい。
上記誘電層が、光導体である場合、上記層の材料は、酸化亜鉛、硫化カドミウム、アモルファスセレン、セレン-テルル、セレン-亜鉛、セレン-ヒ素等のセレン合金から成る群から選択され得る。さらに、光応答性造影部材として種々の有機光導電材料、例えばポリビニルカルバゾール(PVK)又はトリニトロフルオレノンで増感されたポリビニルカルバゾールの錯体が選択され得る。さらにアリールアミンのホールトランスポーティング分子を備える層状の有機光応答性装置、及び光発生層を開示し、参考文献米国特許第4,265,990号明細書がここに参考として全体的に取り込まれる。
【0007】
好適な光導体材料としては、金属化されたMylar(登録商標)(PETポリエチレンテレフタレート)上を被覆されたZnO樹脂染料の組み合わせ、ステンレス鋼上の真空蒸発された硫化カドミウム、ステンレス鋼上の真空蒸発されたセレン、純粋なセレン、PVK又はトリニトロフルオレノン(TNF)によって増感されたPVK光導体又は他の染料が挙げられる。
先述のように、光導体表面は、それに適用される化学的官能層を有し、この化学的官能層は、上記基体の化学的官能化のための表面を、付着及び/又は共有化学がその表面で行われるように、提供する。上記光導体の特性によるが、化学的官能層は、1分子〜ミリメートルの何分の1の厚さの範囲でよい。
上記化学的官能層は、上記方法で使用される上記エマルジョン及び他の液体中の液体又は試薬と、誘電又は光導電層の成分との間の接近又は反応を抑えるように適用され得る。上記とは別に又はさらに、上記化学的官能層は、反応性材料であり、その表面での別の化合物との化学反応によってリンカー分子などとの次の反応のために誘導体化され又は官能化された表面を形成し得る。上記とは別に、化学的官能層は、本質的に反応性であり、結合剤機能を提供する。
化学的官能層は、シラン、二酸化ケイ素、窒化ケイ素(SixNy)、二酸化チタン、Tyzor(登録商標)、架橋又は部分架橋エポキシノボラック樹脂、高分子オリゴマー、架橋樹脂、官能化パリレン(ジ-パラ-キシレンと1以上の官能基とのポリマー)、官能基を含み得るアクリレート及びメタクリレート、多重-アクリレート及びメタクリレートのモノマー、光開始剤によって架橋されているモノマー等から形成され得る。多重アクリレート及びメタクリレートのモノマーは、複数の二重結合を有するモノマーを意味する。上記官能基は、活性エステル、エポキシ、芳香族、酸、脂肪族及び水酸基などでよい。
化学的官能層の形成が、反応性化学物質中への基体の浸漬、「塗装」、浸漬被覆、スピン-被覆、真空蒸着及び蒸気相付着を含むいくつかの方法を使用して達成され、上記化学的官能層は、溶媒の蒸発又はUV線の放射のような加熱によって、過酸化物又は触媒による処理によって、又はフリーラジカル機構による樹脂の硬化の後、共有結合又は他の引力によって結合される。そのような層は、空中で又は窒素のような不活性雰囲気下で形成され得る。
化学的官能層は、平面的な表面の形態でよく又はマトリックスの形態でより大きい表面領域を提供し、単位領域当たり成分数を増加させてよい。
上記基体上の媒体内の液滴の運動は、静電引力などによって表面に向き、隣接電荷との間の静電引力と反発との組み合わせによる上記表面に沿う運動は、上記表面に模様を描き、又は上記基体の別の位置から一緒に動いた化学物質の別の液滴との化学反応を可能にする。上記とは別に、媒体内の液滴の二つの異なる型は、電荷パターン表面上の反応のために一緒にもたらされる。
本発明の基体が、光導電層を含む場合、上記光導体材料は、低又は極低の暗減衰(dark decay)を有するものであることが好ましい。暗減衰は、光導体の特性であり、光への暴露前又は潜在的な静電像がいかなる目的に使用される前に静電荷を分散させる。
【0008】
(好ましい態様の記載)
図面をより厳密に見ると、図1において、本発明の基体1は、固体支持体3を含み、この支持体は、金属、ガラス、セラミック又は高分子材料でよい。上記支持体は、透明又は不透明でかつ可撓性又は硬質でもよい。上記支持体3の上に、電気的に導電層5が存在する。上記支持体3が、金属又はそれ自体導電性である場合、上記支持体3及び導電層5は、単層でよい。上記導電層5は、金属又はインジウムスズ酸化物のスパッター層でよい。上記導電層5において、誘電層7が存在し、上記誘電層7は、好ましくは光導体であり、光又は他の電磁線が衝突すると、電荷を保持し、また上記導電層5に放電される材料の層である。
誘電層7の表面の上に、化学的官能層9が存在し、これは、誘電層7のための保護層を提供するとともに、以下に検討される種々の例の表面上に付着した化合物のための化学的反応性表面11を提供する。化学的官能層9は、好ましくは、シランポリマー、二酸化ケイ素、窒化ケイ素(SixNy)、二酸化チタン、Tyzor(登録商標)、架橋又は部分架橋エポキシノボラック樹脂、高分子オリゴマー、架橋樹脂、官能化パリレン(ジ-パラ-キシレンのポリマー)、官能基を含み得るアクリレート及びメタクリレート、多重-アクリレート及びメタクリレート、又は光開始剤によって架橋されているモノマーである。
【0009】
図2は、化学的付着方法において、本発明の基体の一つの可能な使用を示す。上記光導電層7は、負に荷電され、次いで模様状に基体に光を照らすと、負に荷電した13の領域を残して、いくつかの領域で放電する。絶縁性液体の連続層17及び所望の化学反応剤と正に荷電された液滴19とを含み又は配合する液体の液滴19を含む不連続相を含むエマルジョン15は、上記基質1に置かれる。
上記液滴は、基体の負に荷電した領域に静電的に引きつけられ、所望の化学的反応剤は、明確にされたゾーン13の化学的官能層9の表面11と反応し得る。
図3は、本発明の上記とは別の態様を示し、基体20が、支持体21を有し、上記基体に対して一体性(integrity)を提供する。支持体21において、電気的導電層22が存在する。導電層22は、金属又はインジウムスズ酸化物(ITO)のような他の導電材料でよい。上記支持体が、それ自体で導体である場合、上記導電層は存在する必要がない。導電層22において、静電パターンの像をその上に保持することのできる誘電層23が存在する。例えば、誘電層23は、光導体でよい。上記誘電層23の外部表面24は、上記基体が使用される付着及び/又は反応のための反応性層を直接提供し得る。この配置は、有用であって、上記誘電層23は、表面上の化学的反応又は物理的反応に使用されるエマルジョンの材料による作用に感受性がない。
【0010】
図4は、図3に示されかつ本発明の型の基体が、エマルジョンを使用する化学物質の付着のために荷電され得る一つの方法を示す。この配置において、上記基体20は、単点(single point)コロナ放電装置30で荷電され、上記基体上に、均質な電荷パターン32を与える(図4A)。次いでマスク34は、上記基体上に保持され、上記基体上に置かれ、また光36をマスク34上に照らされる(図4B)。マスク34内に透明な部分38が存在する場合、上記光導電層23は、導電性となり、これらの領域の電荷パターンが、導電層22に分散される。これは、暴露されない領域内の静電荷パターン40を残し(図4C)及び不連続相の液滴は、正に荷電されている場合、次に続く付着工程で引きつけられ得る。
図5は、本発明の基体が、エマルジョンを使用する化学物質の付着のために荷電され得る別の方法を示す。この配置において、上記層52は、誘電材料である。金属又は他の導電マスク50は、上記基体54上に保持され又は置かれ、次いで上記基体を単点コロナ放電装置56を用いて荷電される(図5A)。マスク内の開口部が存在するこれらの領域内の基体54の誘電層52上の電荷パターン58を与え、それは、正に荷電される場合、不連続相の液滴が引きつけられることは、これらの領域に対する。
負の電荷をもつエマルジョン液滴は、好ましくはバイアス電圧板を用いて負の電荷が存在しない上記表面領域上に付着するだろう。
この配置は、図6に示される。この場合、上記基体54は、例えば図4及び図5に示される方法によってその上に形成された負の電荷をもつ領域58を有する。バイアス電圧板60を、エマルジョン62、その中に負の電荷をもつ液滴64を備える基体54の近くまでもたらした。負電圧を導電層22についてバイアス板上に電源装置66によって置く。負の電荷をもつ液滴64は、中性領域68と負の電荷をもつ領域58の間に強制的に下げられる。この方法は、逆付着(reversal deposition)と呼ばれ得る。
【0011】
(化学的官能層の例)
丈夫な光導電表面が、単分子フィルムで官能化され、フィルムに対して追加の化学の共有付着を可能にする。硫化カドミウムを官能基(functional chemistry)を取り付ける方法としてメルカプタンで修飾してよい。硫化カドミウムの表面修飾は、光導体の一部を0.375%(v/v)3-メルカプトプロピルトリメトキシシランを含むアセトン溶液に15分間、室温下で浸漬することによって達成し得る。95%エタノール/水で硫化カドミウムを濯いだ後、過剰のアルコールを捨て、5分間空気乾燥した上記サンプルを110℃で15分間焼いた。上記とは別の方法において、硫化カドミウムの表面をグルタチオン中へ長期の浸漬によって修飾した。硫化カドミウムサンプルを0.35%硝酸の有無によらず、24時間、10mMのグルタチオン水溶液に浸し、また続いて、水接触角の変化を評価した。さらなる例において、硫化カドミウムサンプルを0.35%の硝酸の有無によらず、10mMのグルタチオンのジメチルホルムアミド溶液に24時間浸し、表面化学の変化を水の接触角の変化から推測した。硫化カドミウムを米国、マサチューセッツ州、ベッドフォード、ストークベッドフォードBVによって供給した。グルタチオンを、米国、シグマ-アルドリッチ社によって供給した。
そのような単分子フィルムは、光導体の表面で行われる付加的な化学に対する基体を形成する。
実験を行い、基体表面が化学的官能層で被覆され得、また、
(1)誘電表面上のオリゴデオキシヌクレオチド(上に化学的ブロッキング基を有する)の存在は、電荷パターンの受容を妨げない、
(2)予め作られたオリゴデオキシヌクレオチド(ブロッキング基が除去された)を体積抵抗率に影響を与えずに、空間的に決められたパターン中に付着され得、
(3)光導体表面は、空間的に決められたパターン内でそれに結合された化学(オリゴデオキシヌクレオチド)を有するように修飾され得る
ことを示した。
【0012】
表面上で現場(in situ)合成されたオリゴデオキシヌクレオチドの存在により、電荷パターンを保持する表面の能力を損なわず、像を(dT)12及び(dT)25を含むオリゴデオキシヌクレオチドを合成したガラス表面上に形成された。ガラス製のカバーガラス(24mm x 50mm x 0.13mm)をPerspex(登録商標)の前部及びプロピレンの後部から成る反応チャンバーへ間に挟んだ。上記チャンバーの体積(0.2ml〜0.4ml)を加工された穴を有するシリコンゴムシートからガスケットカットによってポリプロピレンを通して決められ、試薬の侵入及び脱出を可能にする。入口と出口は、反応ブロックが、標準的なオリゴ-合成カラムに代わって、応用バイオシステム394DNA/RNA合成器で整列して適合され得るように設計された。
カバーガラスを使用直前に110℃で乾燥する前に、0.1% Pyroneg(登録商標)、1% NaOH 及び10%エタノールを含む溶液で洗浄し、Milli Q(登録商標)水で徹底的に濯いだ。シランの化学的官能層の合成に対して、カバーガラスを5%グリシドオキシプロピルトリメトキシシランのトルエン溶液に30分間室温で浸漬し、トルエンで濯ぎ、また110℃で30分間焼いた。このグリシドオキシ環を開環し、0.5MHCl中30分間のインキュベーションによってホスホラミダイトとの反応を促進させた。反応チャンバー中、カバーガラス表面に(dT)12及び(dT)25の合成のためのABI394の標準的な合成サイクルを受けさせた。
反応チャンバーから取り出す時、電荷パターンが単点コロナ及びマスクを使用してカバーガラス上に形成され、上記電荷パターンは、粒子の液体静電トナーを使用して現像された。(dT)12及び(dT)25オリゴマーが合成される領域の強い像の存在によって、その存在が、電荷パターンを保持するために誘電表面の能力を損なわないことを確認した。
更に実験によって予め作られたオリゴデオキシヌクレオチドがエマルジョンに配合され、予め決定されたパターンに付着されることを証明し、またエマルジョン内のそれらの存在は、連続相の体積抵抗率を妨げず、またそれらは、化学的にここの結合表面と反応することを確認したことを示した。
【0013】
一部ファージラムダ一本鎖末端(tail)を含む塩基配列の29-マー染料標識されたアミノオリゴデオキシヌクレオチドをジーンワークス社(南オーストラリア、セバートン)から購入し、188mMのMilliQ水に溶解し、超音波プローブを使用して、Triton X-100 (0.0003% 最終、w/v)を有するFC40中で0.6%(v/v)不連続相として乳状にした。電荷パターンを単点コロナ及びマスク、その上の潜像に適用されるエマルジョンを使用するCreative Chip(登録商標)オリゴスライド(ドイツ、エッペンドルフ社)上に形成し、水抜き及び乾燥させるために短時間放置した。次いで上記エポキシスライドへのオリゴデオキシヌクレオチドのカップリングを製造者の指示に従って行い、マスクパターンの形態のその存在は、GenePix 4000B (Axon Instruments 社、オーストラリア)のスライドを走査することによって確認された。
類似の実験をステンレス鋼支持体上の硫化カドミウム光導体を使用して行った。硫化カドミウムの表面を第一に、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、次いでグリシドオキシプロピルトリメトキシシラン(共にシグマ-アルドリッチ社製)でシラン処理し、0.5MHCl(シグマ-アルドリッチ社製)で開環した。変性硫化カドミウムを暗所で、マルチピン(multipin)コロナ放電を使用してマスクを通して、負に荷電させ、その表面上に潜像を形成させた。先述の例と同一の組成物のエマルジョンをこの表面に付着させ、Creative Chip(登録商標)オリゴスライドのためにエッペンドルフ社に推奨される「カップリング」手順を受けさせた。オリゴデオキシヌクレオチドの上記スライドへのカップリングは、GenePix 4000B (Axon Instruments 社)のスライドを走査することによって確認され、また化学的に光導体表面上にカップリングされたオリゴデオキシヌクレオチドのマスクパターンを同定した。いくつかの適用に対して、光導電表面は、オリゴデオキシヌクレオチドの合成で典型的に使用される化学物質への十分な耐性を与える層の存在から恩恵を受け得る。
【0014】
Sartomer(登録商標)程度のアクリレート樹脂は、ビスフェノールAエポキシドジアクリレートオリゴマー例えばCN120A60又はCN120A75とジ-、トリ-又はテトラ-アクリレート又はSR306、SR350、SR351又はSR355のようなメタクリレートモノマーとの結合によって、そのような耐薬品性を提供するのに有用であり、ベンゾフェノン又はIrgacure 184、Irgacure 2959 又はIrgacure 1173のようなα-ヒドロキシケトンのIrgacure(登録商標)から
又はブレンドIrgacure1800としてビスアシルホスフィンオキシド型の光開始剤を含む。次いでアクリレートブレンドの重合は、紫外線の放射によって開始され得る。Sartomer(登録商標)製品は、米国、the Sartomer Companyから供給された。ベンゾフェノンは、オーストラリア、Ajax Chemicals社から供給された。Irgacure製品は、スイス、バーゼル、Ciba Speciality Chemicals社から供給された。
典型的に、光開始剤が、1-20%(w/w)の範囲で、0-99%(w/w)のオリゴマー、及び0-99%(w/w)のジ-、トリ-又はテトラ-アクリレートモノマーの範囲で配合される。固体材料の溶解を上記ブレンドを55℃まで加熱することによって促進してよい。ブレンドの表面への均一な拡散は、スピンコーター(米国、インディアナポリス、Specialty Coating Systems社、Model P-6204-0、P-6000 Specialtyコーター)を、500rpm〜8,000rpmの速度で、15分までの持続時間で、アクリレートの粘度及び塗膜の所望の厚さによって決まるスピン速度及び持続時間で、使用して達成され得る。硬化は、手持ち式UV照明器(米国、カリフォルニア州、サンガブリエル、UCP)又はトランス照明器(米国、フォトダイン)で1時間まで見出されるように、紫外線放射源への暴露によって、典型的にUV放射蛍光チューブから3-5cmの距離でスピン被覆されたサンプルを置くことによって達成した。
そのような耐薬品性塗膜は、続いて上記光導体表面上でなされる付加的化学に対する基体を形成する。
【0015】
DNAアレイの製造に対する本発明の基体の使用は、今や検討されるだろう。
本発明の基体は、空間選択的な方法で基体上で反応することが望まれている固相化学反応の範囲で使用され得る。
一つの態様において、上記基体は、段階的反応工程を使用する基体上の固相化学アレイの形成方法に使用され得、上記方法は、以下の工程、
(a)基体上の少なくとも1種の領域を決める工程であって、その領域上に、上記基体の他の領域上の静電荷と異なる静電荷を形成することによって、例えばその上に潜在的静電像を形成することによって決める工程、
(b)エマルジョンを上記基体に適用する工程であって、上記エマルジョンは、電気的に荷電した不連続相液滴及び運び込まれる化学試薬を含み又は不連続相を有する工程、
(c)上記エマルジョンの不連続相を少なくとも1つの予め選択された領域に引きつける工程であって、引力によって、上記領域上の静電荷によって及び任意に背景のバイアス電圧の使用によって引きつけ、不必要な領域への付着を減少させる工程、
(d)少なくとも1種の領域の化学反応を生じさせる工程、
(e)上記エマルジョンを除去する工程、及び
(f)段階的反応方法の後に続く工程を実施する工程、
を含む。
【0016】
上記とは別の態様において、基体上にDNAアレイを形成する方法に使用され各カップリング工程の前の化学的脱保護工程を伴う段階的カップリング方法を使用し得る、上記方法は、以下の工程、
(g)除去し得る保護基によって保護された表面官能基を有する基体を調製する工程、
(h)上記基体上の少なくとも1種の領域を決める工程であって、その領域上に、上記基体の他の領域上の静電荷と異なる静電荷を形成することによって、例えばその上に潜在的静電像を形成することによって決める工程、
(i)エマルジョンを上記基体に適用する工程であって、上記エマルジョンは、電気的に荷電した不連続相液滴及び先述の上記不連続相に運び込まれる化学的脱保護試薬を有する工程、
(j)上記エマルジョンの不連続相を少なくとも1つの予め選択された領域に引きつける工程であって、引力によって、上記領域上の静電荷によって及び任意に背景のバイアス電圧の使用によって引きつけ、不必要な領域への付着を減少させる工程、
(k)少なくとも1種の領域内の化学的脱保護を生じさせる工程、
(l)上記エマルジョンを除去する工程、及び
(m)段階的カップリング反応方法の後に続く工程を実施する工程、
を含む。
【0017】
先述のように本発明はこの特別な化学に限定されないが、段階的カップリング反応の後に続く工程は、オリゴデオキシヌクレオチドの合成に対して標準的なホスホラミダイト化学に実施される工程のようであってもよい。
先述の方法は、十分な回数繰り返されていかなる配列及び少なくとも100マーまでの長さの選択されたオリゴヌクレオチドを基体上の予め決められた空間的オーダー、位置及び特徴的サイズで合成することが実現されるだろう。
上記基体上の少なくとも1種の領域を、この領域上に潜在的な静電像を形成することによって決める工程は、荷電していない領域に付着を生じさせる像逆転(image reversal)の工程が含まれ得る。
電荷又は静電荷の形成は、静電的方法でなされ、例えば、ここで上記基体は、光導体であり、また静電場の形成は、静電的又は他の荷電によって、また照明による選択的な放電によってなされる。好ましくは、この照明は、DNA製造に関して使用される場合、これは、DNA分子に損傷を及ぼすので短紫外領域の電磁線を含まなくてよい。しかし、他の化学的チップ又はアレイの組立部品に対しては、紫外線が使用され得る。
一つの好ましい態様において、段階的カップリング方法は、トリチル基の化学的脱保護を使用するホスホラミダイト方法であるが、本発明は、限定的でないが、他の段階的カップリング又は付加的方法を含み得る。
上記エマルジョンを除去する工程が、上記エマルジョン内のいかなる残渣(residual)化学脱保護剤を中和する工程を含み、上記アレイの不要な部分の反応を妨げ得る。
【0018】
先述のように、本発明の使用のためのエマルジョンは、電気的に絶縁性の連続相、例えばフルオロケミカル、水溶性又は非水溶性不連続相、例えば炭化水素油を含み、その中に溶解状態で、好ましくは、界面活性剤とともに、また好ましくは電荷制御剤を伴って、化学的脱保護剤を運ぶ。
上記連続相は、炭化水素、例えばヘキサン、シクロヘキサン、イソオクタン、ヘプタン、デカリン、芳香族炭化水素又はイソデカン又は市場で入手可能な炭化水素の混合物、例えばExxon社製のアイソパー(Isopar)(登録商標)及びナルパー(Narpar)(登録商標)から選択され得る。上記連続相は、さらにフッ化炭素化合物を含むフルオロケミカルから選択され得る。これらのフルオロケミカルは、一般的に、2〜16個の炭素原子を含み、また直鎖、環状又は多環のペルフルオロアルカン、ビス(ペルフルオロアルキル)アルケン、ペルフルオロエーテル、ペルフルオロアルキルアミン、ペルフルオロアルキルブロミド及びペルフルオロアルキルクロリド、例えば3M社製のFluorinert(登録商標)を含むがこれに限定されない。この連続相は、シリコーン油、例えばポリフェニルメチルシロキサン(PMMS)、ジメチルポリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、環状ジメチルシロキサンなどからさらに選択され得る。
上記不連続相が、炭化水素油である場合には、化学脱保護剤が、強プロトン性有機酸又は無機酸でよい。
化学的脱保護剤を運ぶ非水溶性不連続相は、アセトン、アセトニトリル、シクロヘキサノン、デカリン、ジブロモメタン、ジクロロメタン(塩化メチレン、DCM)、トリクロロメタン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキサン、1,2-ジクロロエタン(DCE)、ニトロメタン、テトラヒドロフラン、トルエン、ジメチルホルムアミド、イソブタノール、プロピレンカーボネート、ジメチルスルホキシド、市場で入手可能な炭化水素の混合物、例えばExxon社製のIsopar(登録商標)及びNorpar(登録商標)又は化合物の混合物、例えばイソプロパノール/塩化メチレン、ニトロメタン/メタノール、ニトロメタン/イソプロパノール、トリクロロメタン/メタノール又はイソプロパノール/塩化メチレンから選択され得る。
【0019】
化学的脱保護剤は、ルイス酸又はプロトン性酸でよい。上記ルイス酸は、臭化亜鉛、チタンテトラクロリド、及びセリウムを含む硝酸アンモニウムから選択され得るがこれに限定されず、一方で、使用され得る希釈されたプロトン性酸としては、希鉱酸、トリクロロ酢酸(TCA)、ジクロロ酢酸(DCA)、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸(TFA)、ジフルオロ酢酸、過塩素酸、オルトリン酸又はトルエンスルホン酸が挙げられるがこれに限定されない。他の酸としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジノニルナフチルジスルホン酸(DNNDSA)、ジノニルナフチルスルホン酸(DNNSA)、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)又はジフェニル酸フォスフェイトが挙げられ得る。
次いで、これは、一般的に本発明を記載するが、理解を助けるために、本発明の基体上に使用されるエマルジョンの例が参考にされるだろう。
【実施例】
【0020】
(基体への荷電エマルジョンの空間的に選択的な付着の例)
荷電エマルジョンが、上に静電像パターンが形成された基体上に付着するかどうかを決定するために実験を行った。この目的に対して、エマルジョンを染料を含む絶縁性の連続相及び不連続相をともなって形成された。
この目的において、エマルジョンは、酸を含む絶縁性連続相及び不連続相を有して形成され、また酸化亜鉛光導体を含む基体は、負のパターンに荷電された。この光導体を、Butvar72(1%w/v)及びpH指示薬のメチルオレンジ(飽和)のシクロヘキサノン溶液に浸漬被覆し、555℃で30分間乾燥した。
以下を含んだエマルジョン:
連続相 FC40 0.89ml
不連続相 5%ジクロロ酢酸(w/v)のトルエン溶液 0.1ml
F6H14(1%のFC40、v/v) 0.01ml
F6H14は、半(semi)フッ化アルキルアルカン、1-(ペルフルオロ-n-ヘキシル)テトラデカンであり、英国、Apollo Scientific社製である。
Butvar72は、Solutia製のポリビニルブチラールである。
酸化亜鉛光導体をAustralia Pty LtdのApplied Researchから供給し、PETアルミニウム金属化フィルム上に被覆された絶縁製樹脂と結合した酸化亜鉛を含んだ。
電荷パターンの領域内のみに付着した不連続相がジクロロ酢酸を放出し、pH依存する色を与えるメチルオレンジと反応して黄色からピンク色に変化することが分かった。
固相コンビナトリアル化学合成方法が、ホスホラミダイト方法に関して検討される一方で、上記方法は、さらに上記基質上における化学保護又は脱保護工程又は化学活性化又は非活性化工程、誘導化工程又はカップリング工程を伴う段階的付加反応を使用する他の方法に適用できる。実際には、活性化されたアミジットは、完全に脱保護された基体上に選択的に静電的に付着され得ることが可能である。
本明細書の全体に渡り、種々の指示が、この発明の範囲に関して与えられるが、本発明は、これらのいかなる一つにも限定されず、2以上のこれらの組み合わせであり得る。この例は、説明のみのためであり、限定のためでなく与えられる。
本明細書および以下に続く特許請求の範囲全体に渡り、この文脈が他を要求しない限り、「構成する」及び「含む」の語及び「構成している」及び「含んでいる」のような変形は、述べられた整数又は整数の群の含有を意味するが、いかなる他の整数又は整数の群の排除を意味しない事が理解されるだろう。
次いで、これは、一般的に、理解を助けるために本発明を記載し、本発明の使用の図及び例に伴うように参考にされるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一態様の様式化された断面図を示す。
【図2】選択的な付着工程における図1の基体の使用を示す。
【図3】本発明の別の態様の様式化された断面図を示す。
【図4】本発明の基体が、エマルジョンを使用する付着の調製において、選択的に静電的に荷電され得る一方法を示す。
【図5】本発明の基体が、エマルジョンを使用する付着の調製において、選択的に静電的に荷電され得る別の方法を示す。
【図6】選択的な反転付着工程における本発明の基体の使用を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
選択的なマイクロ及びナノメートルスケールの付着に適用される基体であって、前記基体が、
(1)支持体、
(2)前記支持体上の導電層、
(3)静電荷を保持する材料の誘電層、及び
(4)化学的官能層、
を有し、静電荷パターンが、所定の方法で、前記基体上又は該基体内で形成され得ることを特徴とする基体。
【請求項2】
前記基体が、金属、ガラス、セラミック、又は高分子材料からなる群から選択され、かつ前記支持体が、透明又は不透明でかつ可撓性又は硬質である請求項1に記載の基体。
【請求項3】
前記導電層が、前記支持体と結合されている請求項1に記載の基体。
【請求項4】
前記導電層が、極薄層で、かつ透明である請求項1に記載の基体。
【請求項5】
前記導電層が、前記基体の上に真空蒸着した請求項1に記載の基体。
【請求項6】
前記導電層が、金属又はインジウムスズ酸化物のスパッター層、及び炭素ナノチューブ層から成る群から選択される請求項1に記載の基体。
【請求項7】
前記誘電層が、ガラス及びメチルメタクリレート(MMA)を含むポリマー樹脂から成る群から選択される請求項1に記載の基体。
【請求項8】
前記誘電層が、光導電体である請求項1に記載の基体。
【請求項9】
前記光導電体が、酸化亜鉛、硫化カドミウム、硫化鉛、セレン化鉛、アモルファスセレン、ドープセレン、セレン-テルル、セレン-ヒ素を含むセレン合金、ポリビニルカルバゾール(PVK)を含む有機光導電体材料及びトリニトロフルオレノンで増感されているポリビニルカルバゾールの錯体から成る群から選択される請求項8に記載の基体。
【請求項10】
化学的官能層が、シランポリマー、二酸化ケイ素、窒化ケイ素(SixNy)、二酸化チタン、Tyzor(登録商標)、架橋又は部分架橋エポキシノボラック樹脂、高分子オリゴマー、架橋樹脂、官能化パリレン(ジ-パラ-キシレンのポリマー)、官能基を含み得るアクリレート及びメタクリレート、多重-アクリレート及びメタクリレート、光開始剤によって架橋されているモノマーから成る群から選択される材料から選択される請求項1に記載の基体。
【請求項11】
(1)支持体、
(2)前記支持体上の導電層、
(3)材料の光導電層であって、入射光を受けた時に、その上に静電荷を分散させる材料の光導電層、及び
(4)化学的官能層、
を有する基体であって、
静電荷パターンが、前記基体上の選択されたアレイに形成され、前記基体上の媒体内の荷電液滴の運動に影響し得ることを特徴とする基体。
【請求項12】
DNAアレイの製造に適用される基体であって、前記基体が、
(1)支持体、
(2)前記支持体上の導電層、
(3)材料の光導電層であって、入射光を受けた時に、その上の静電荷を分散させる材料の光導電層、及び
(4)化学的官能層、
を有し、
静電荷パターンが、前記基体上の選択されたアレイに形成され、前記基体上の媒体内の荷電液滴の運動に影響し得、
前記化学的官能層が、少なくとも結合分子が結合され得る化学的活性材料を部分的に含み、もって選択された静電荷パターンが、入射光によって前記基体に発生して、DNAオリゴマーを選択された結合分子又は結合分子に既に結合されたDNAオリゴマーに選択的に結合させ得ることを特徴とする基体。
【請求項13】
DNAアレイの製造に適用される基体であって、前記基体が、
(1)支持体、
(2)前記支持体上の導電層、
(3)材料の光導電層であって、入射光を受けた時にその上の静電荷を分散させる材料の光導電層、及び
(4)化学的官能層、
を有し、
静電荷パターンが、基体上に選択されたアレイに形成され、前記基体上の媒体内の荷電液滴の運動に影響し得、
前記化学的機能層が、結合分子が結合され得る表面を提供することを特徴とする基体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−538226(P2007−538226A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515559(P2006−515559)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【国際出願番号】PCT/AU2004/000865
【国際公開番号】WO2005/001121
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(506000173)ロウステック プロプライエタリー リミテッド (4)
【Fターム(参考)】