説明

穿刺装置

【課題】所望の位置に針を穿刺することのできる自由度の高い穿刺装置を得る。
【解決手段】縫合糸導入用針1と、ループ導入用針2と、縫合糸導入用針1の基端側を保持する基端側支持部3aと、基端側支持部3aに対して分離可能に設けられ、ループ導入用針2の基端側を保持する基端側支持部3bと、縫合糸導入用針1を軸方向に移動可能に支持する先端側支持部4aと、ループ導入用針2を軸方向に移動可能に支持する先端側支持部4bと、先端側支持部4aと先端側支持部4bとをその連結角度を調整可能に連結する連結部6とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の穿刺針を患者の体に穿刺する際に使用される穿刺装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG;Percutaneous Endoscopic Gastrostomy)により胃瘻を造設する場合などには、患者の腹壁と内臓壁とを貫通する貫通孔を形成する必要がある。そして、この貫通孔の形成を容易に行うため、動きやすい内臓壁を腹壁に固定すべく縫合する技術が提案されている。
【0003】
従来、内臓壁と腹壁との縫合に使用される医療用器具として、「縫合糸挿入用穿刺針と、該縫合糸挿入用穿刺針より所定距離離間して、ほぼ平行に設けられた縫合糸把持用穿刺針と、該縫合糸把持用穿刺針の内部に摺動可能に挿入されたスタイレットと、前記縫合糸挿入用穿刺針および前記縫合糸把持用穿刺針の基端部が固定された固定部材とからなり、前記スタイレットは、先端に弾性材料により形成され、前記縫合糸把持用穿刺針の内部に収納可能な環状部材を有しており、さらに、該環状部材は、前記縫合糸把持用穿刺針の先端より突出させたとき、前記縫合糸挿入用穿刺針の中心軸またはその延長線が、該環状部材の内部を貫通するように該縫合糸挿入用穿刺針方向に延びる医療用器具」というものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の医療用器具は、縫合糸挿入用穿刺針と縫合糸把持用穿刺針とを、一定間隔で平行に穿刺することができるものである。
【0004】
また、縫合糸挿入用穿刺針と縫合糸把持用穿刺針とを、「収納部23」を通して個別に穿刺できるようにした技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平06−24533号公報(第3頁、第4頁、図1)
【特許文献2】特開2007−82827号公報(第8頁、第9頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、患者の内臓(例えば胃)の位置や形は一定ではなく、また、穿刺時に胃壁が伸びることもある。このような様々な原因により、縫合糸挿入用穿刺針と縫合糸把持用穿刺針の穿刺針を内臓内の所望の位置に挿入できないことがある。
上記特許文献1に記載の技術では、縫合糸挿入用穿刺針と縫合糸把持用穿刺針とを平行に穿刺することしかできず、穿刺方向を変化させることができなかった。このため、例えば、縫合糸挿入用穿刺針と縫合糸把持用穿刺針のうち一方の針の穿刺にのみ失敗した場合であっても、双方の針を抜いて改めて穿刺しなければならず、患者への侵襲が増えるとともに術者の作業も増えることとなっていた。また、針を穿刺し直したとしても、2本の針の穿刺方向を変化させることができないため、再び所望の位置に穿刺できない可能性もあり、穿刺の成功率に課題があった。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の技術は、縫合糸挿入用穿刺針と縫合糸把持用穿刺針とを個別に穿刺するものである。特許文献1に記載の技術と異なり、特許文献2に記載の技術では、例えば、一方の穿刺針の穿刺にのみ失敗した場合には、その一方の針を抜いて穿刺し直すことができる。しかしながら、「収納部23」を通して針を穿刺するものであって縫合糸挿入用穿刺針と縫合糸把持用穿刺針とを平行に穿刺することしかできない、という点では特許文献1に記載の技術と同様である。このため、針を穿刺し直したとしても再び所望の位置に穿刺できない可能性もあり、穿刺の成功率に課題があった。
【0008】
また、従来、縫合糸挿入用穿刺針と縫合糸把持用穿刺針とを個別に穿刺する術式も知られている。縫合糸挿入用穿刺針と縫合糸把持用穿刺針とを個別に用いれば、それぞれの針を自由な方向に穿刺できるが、双方の針の間隔が定まらない。このため、縫合糸挿入用穿刺針の先端から送り出した縫合糸を、縫合糸把持用穿刺針の先端から送り出した把持用のループで把持できないということも起こりうる。そうすると、改めて針を穿刺し直さなければならず、患者や術者の負担となってしまう。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、複数の針を所望の位置に穿刺することのできる自由度の高い穿刺装置を提供するものである。また、内臓壁と腹壁とを固定するための縫合具に適用した場合に、内臓壁と腹壁との固定の成功率をより高めることのできる穿刺装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る穿刺装置は、第一穿刺針と、第二穿刺針と、第一穿刺針の基端側を保持する第一基端側支持部と、第一基端側支持部に対して分離可能に設けられ、第二穿刺針の基端側を保持する第二基端側支持部と、第一穿刺針を軸方向に移動可能に支持する第一先端側支持部と、第二穿刺針を軸方向に移動可能に支持する第二先端側支持部と、第一先端側支持部と第二先端側支持部とをその連結角度を調整可能に連結する連結部とを備えたものである。
【0011】
本発明に係る穿刺装置は、第一基端側支持部と第二基端側支持部とを、分離可能に接続する接続部を備えたものである。
【0012】
本発明に係る穿刺装置は、第一基端側支持部と第二基端側支持部とが接続部により接続された状態において、第一穿刺針と第二穿刺針とが、互いに所定距離離隔してほぼ平行に配置されるものである。
【0013】
本発明に係る穿刺装置の連結部は、第一先端側支持部と第二先端側支持部との連結角度を、前後方向、左右方向、及び上下方向のうち少なくともいずれかの方向に調整可能である。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る穿刺装置によれば、第一穿刺針、第二穿刺針の穿刺方向の自由度が高く、第一穿刺針、第二穿刺針を所望の位置に穿刺することができる。このため、本発明の穿刺装置を腹壁と内臓壁とを縫合する縫合具として適用すれば、患者の腹壁と内臓壁の状態に合わせて術者は適切な方向で針を穿刺でき、内臓壁と腹壁との臓器固定の成功率をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態1に係る縫合具の外観図である。
【図2】実施の形態1に係る縫合具の穿刺針を突出させた状態の外観図である。
【図3】実施の形態1に係る縫合具のストッパー部材を取り外した状態を説明する外観図である。
【図4】実施の形態1に係るストッパー部材の構成例を説明する図である。
【図5】実施の形態1に係る縫合具の連結部を説明する図である。
【図6】実施の形態1に係る縫合糸取出ループを説明する図である。
【図7】実施の形態1に係る縫合具の使用状態を説明する図である。
【図8】実施の形態1に係る縫合具において縫合糸導入用針とループ導入用針とを個別に穿刺する場合の使用状態を説明する図である。
【図9】実施の形態2に係る縫合具の連結部を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1.
本実施の形態1では、本発明の穿刺装置を、胃壁と腹壁とを縫合糸(臓器固定具)により固定する際に用いられる縫合具に適用した場合を例に説明する。
【0017】
[縫合具]
図1は、実施の形態1に係る縫合具100の外観図である。図2は、実施の形態1に係る縫合具の穿刺針を突出させた状態の外観図である。また、図3は、実施の形態1に係る縫合具のストッパー部材を取り外した状態を説明する外観図である。
図1〜図3に示すように、縫合具100は、縫合糸導入用針1と、ループ導入用針2と、基端側支持部3a、3b(以下、基端側支持部3と総称する場合がある)と、先端側支持部4a、4b(以下、先端側支持部4と総称する場合がある)と、ガイド棒5a、5b(以下、ガイド棒5と総称する場合がある)とを備える。
【0018】
縫合糸導入用針1は、内腔を有し、その内腔に縫合糸11(図7参照)を軸方向に移動可能に収容する穿刺針である。縫合糸導入用針1は、例えばステンレス等の金属で形成されている。縫合糸導入用針1は、皮膚への穿刺用の刃面を先端に有している。この刃面は、縫合糸導入用針1の軸心と斜めに交差する面として形成されている。特に限定するものではないが、縫合糸導入用針1は、その先端開口がループ導入用針2の方向に向かうようにして、基端側支持部3に取り付けられるのが好ましい。
【0019】
なお、縫合糸導入用針1は、皮膚への穿刺と縫合糸11の挿入ができればよく、形状を特に限定するものではない。例えば、縫合糸導入用針1としては、外径が21〜17G(好ましくは20〜18G)程度、長さが50〜120mm(好ましくは70〜90mm)程度のものを利用するとよい。
【0020】
ループ導入用針2は、内腔を有し、その内腔に縫合糸取出ループ12(図6にて後述する)を軸方向に移動可能に収容する穿刺針である。ループ導入用針2は、例えばステンレス等の金属で形成されている。ループ導入用針2は、皮膚への穿刺用の刃面を先端に有している。この刃面は、ループ導入用針2の軸心と斜めに交差する面として形成されている。ループ導入用針2は、その先端開口が縫合糸導入用針1の方向に向かうようにして、基端側支持部3に取り付けられるのが好ましい。
【0021】
基端側支持部3は、縫合糸導入用針1及びループ導入用針2の基端を固定支持するとともに、ガイド棒5を軸方向に摺動可能に支持する機能を有している。基端側支持部3は、略直方体の外郭を有する左右一対の基端側支持部3a、3bで構成されている。基端側支持部3a、3bは、図3に示すように、互いに分離可能な構成となっている。基端側支持部3a、3bには、それぞれ、ガイド棒5が摺動可能に挿入されるガイド棒貫通穴31a、31bが形成され、また、左右一対の操作板32a、32bが設けられている。操作板32a、32bは、それぞれ、基端側支持部3から左右側方に向かって延びる平板状の部材であり、その平面形状(図示せず)は、術者が指で把持することができるような大きさ及び形を有している。本実施の形態の操作板32bは、図4で後述するように、ストッパー部材7を介して基端側支持部3bに対して着脱可能な構成である。なお、本実施の形態では、縫合糸導入用針1及びループ導入用針2の基端が基端側支持部3に固定支持されるものとして説明するが、縫合糸導入用針1及びループ導入用針2は基端側支持部3に支持される構成であればよく、例えば脱着可能であってもよい。
【0022】
また、基端側支持部3aには、縫合糸導入用針1の内腔と連通する連通孔33aが設けられ、基端側支持部3bには、ループ導入用針2の内腔と連通する連通孔33bが設けられている。連通孔33a、33bは、それぞれ、基端側支持部3の上面に開口部を有しており、この開口部を介して、縫合糸11、縫合糸取出ループ12が連通孔33a、33bに挿入される。さらに、この連通孔33a、33bを介して、縫合糸11、縫合糸取出ループ12が縫合糸導入用針1、ループ導入用針2に挿入される。なお、連通孔33a、33b内に、縫合糸導入用針1、ループ導入用針2の基端部を挿入する構成としてもよい。さらに、縫合糸導入用針1、ループ導入用針2の基端側が、連通孔33a、33bを貫通して基端側支持部3a、3bの上面まで延びている構成でもよい。
【0023】
ストッパー部材7は、基端側支持部3a、3bとを着脱可能に連結する機能を有する。図2に示すように、ストッパー部材7を取り付けた状態では、基端側支持部3a、3bは一体となる。そして、この状態では、縫合糸導入用針1とループ導入用針2は、基端側支持部3と先端側支持部4とにより、所定距離離隔してほぼ平行に保持される。
また、図3に示すように、ストッパー部材7を取り外した状態では、基端側支持部3a、3bは分離される。
【0024】
図4は、実施の形態1に係るストッパー部材の構成例を説明する図であり、基端側支持部3及びストッパー部材7を中心に示している。図4に示すように、ストッパー部材7は、平板状の部材を平面視ほぼU字状に形成されており、基端側支持部3a、3bにそれぞれ設けられた左右方向に延びる穴に、挿抜可能に挿入される。本実施の形態では、ストッパー部材7は操作板32bと一体に構成されており、術者は、操作板32bをつかんでストッパー部材7を挿抜することができる。なお、ストッパー部材7と操作板32bとを別体として設けてもよく、この場合、操作板32bを基端側支持部3bに対して着脱可能としなくてもよい。
【0025】
なお、図4に示すストッパー部材7の構成は一例であり、基端側支持部3a、3bとを分離可能に連結するものであれば、その具体的な構成を限定するものではない。例えば、基端側支持部3a、3bにわたって挿抜可能な棒状部材をストッパー部材7としてもよい。また、基端側支持部3a、3bの一方に突起部を設け、他方にこの突起部に引っかけることのできるフックを設け、これら突起部とフックによりストッパー部材7を構成してもよい。
【0026】
先端側支持部4は、ガイド棒5a、5bの先端を固定支持するとともに、縫合糸導入用針1及びループ導入用針2を軸方向に摺動可能に支持する機能を有している。先端側支持部4は、ほぼ平板形状を有する左右一対の先端側支持部4a、4bで構成されている。先端側支持部4a、4bには、それぞれ、縫合糸導入用針1が摺動可能に挿入される針貫通穴41aと、ループ導入用針2が摺動可能に挿入される針貫通穴41bとが形成されている。なお、針貫通穴41a、41bの内径は、必ずしも針貫通穴41a、41bの内周面が縫合糸導入用針1、ループ導入用針2の外周面と接するような寸法関係で構成されていなくてもよく、術者の操作に支障がない程度に縫合糸導入用針1、ループ導入用針2の揺動を抑制できる寸法関係で構成されていればよい。また、先端側支持部4は、縫合糸導入用針1、ループ導入用針2による穿刺方向をガイドするよう縫合糸導入用針1、ループ導入用針2を支持可能な構成であればよく、必ずしも両針が摺動可能に挿入される針貫通穴41a、41bを設ける必要はない。例えば、針貫通穴41a、41bに代えて、縫合糸導入用針1、ループ導入用針2の穿刺方向に沿った溝を先端側支持部4の側面に設けてもよい。また、本実施の形態では、ガイド棒5a、5bの先端が先端側支持部4に固定支持されるものとして説明するが、ガイド棒5a、5bは先端側支持部4に支持される構成であればよく、例えば脱着可能であってもよい。
【0027】
先端側支持部4a、4bは、前後方向、左右方向、及び上下方向の3方向に互いに動くことができるよう、連結部6によって接合されている。ここで、前後方向とは、図1〜3における紙面手前から奥行き方向をいい、左右方向とは、図1〜3における紙面左右方向をいい、上下方向とは、図1〜3における紙面上下方向をいうものとする。
【0028】
図5は、実施の形態1に係る縫合具の連結部を説明する図である。図5(A)は先端側支持部4a、4bの平面図、図5(B)は先端側支持部4a、4bを分離した状態の断面模式図、図5(C)は先端側支持部4a、4bを連結した状態の断面模式図、図5(D)は先端側支持部4a、4bを動かした状態の断面模式図、図5(E)は図5(D)に縫合糸導入用針1及びループ導入用針2を加えた図である。なお、図5では、図示の都合上、ガイド棒5a、5bの図示を省略している。
【0029】
図5に示すように、連結部6は、球状突起61と受け部62とで構成されている。
球状突起61は、先端側支持部4aと対向する先端側支持部4bの側面に設けられ、先端部がほぼ球状に形成された突起である。受け部62は、先端側支持部4aの球状突起61と対向する側の側面に設けられ、球状突起61が摺動可能に嵌合する椀状の部材である。この球状突起61と受け部62とにより、ボールジョイントが構成される。
【0030】
図5(A)、(B)に示すような分離した状態の先端側支持部4a、4bにおいて、球状突起61を受け部62に圧入等の方法により嵌合させると、図5(C)に示すように先端側支持部4a、4bが連結される。そして、球状突起61と受け部62とで構成されるボールジョイントを介して、先端側支持部4aと先端側支持部4bは回転可能となり、互いの連結角度を変化させることができる。先端側支持部4a、4bの互いの連結角度を変化させると、図5(E)に示すように、縫合糸導入用針1とループ導入用針2とは平行以外の位置関係となることができる。
【0031】
図1〜3に示すガイド棒5は、基端側支持部3a、3bの軸方向の移動をガイドする機能を有する。ガイド棒5aは、基端側支持部3aに摺動可能に挿入され、ガイド棒5bは、基端側支持部3bに摺動可能に挿入されている。
ガイド棒5aの基端側には、把持部51が設けられている。把持部51は、術者がガイド棒5aを把持しやすくするために設けられた部材であり、本実施の形態1では、2本の指で摘むことができる平板状の部材として設けられている。なお、この把持部51の形状は特に限定するものではなく、また、把持部51を設けない構成とすることもできる。
【0032】
縫合糸導入用針1とループ導入用針2は、基端側が基端側支持部3に固定されるとともに、先端側が先端側支持部4に支持される。ストッパー部材7により基端側支持部3a、3bが連結された状態においては、縫合糸導入用針1とループ導入用針2は、基端側支持部3と先端側支持部4とにより、所定距離離隔してほぼ平行に保持される。また、先端側と基端側とが基端側支持部3と先端側支持部4とに支持されることにより、縫合糸導入用針1とループ導入用針2のたわみが抑制される。
【0033】
図2に示すように、ストッパー部材7を基端側支持部3に取り付けた状態で、術者が、ガイド棒5aの把持部51を一方の手で把持した状態で操作板32を押し下げると、基端側支持部3に固定された縫合糸導入用針1とループ導入用針2が、軸方向先端側に移動して、先端側支持部4から突出する。
また、図1に示すように、操作板32を最も基端側まで引き寄せると、縫合糸導入用針1及びループ導入用針2の針先は、先端側支持部4内に収納され、先端側支持部4から突出しない状態となる。
また、図3に示すように、ストッパー部材7を外すと、基端側支持部3aと基端側支持部3bとを個別に操作することができ、縫合糸導入用針1とループ導入用針2とをそれぞれ個別に穿刺できる。
【0034】
次に、縫合糸取出ループ12について説明する。図6は、実施の形態1に係る縫合糸取出ループを説明する図である。
縫合糸取出ループ12は、ループ導入用針2の内腔に軸方向に移動可能に挿入されて使用される。縫合糸取出ループ12は、ループ導入用針2の内腔内を移動可能な細径の軸部121と、軸部121の先端に設けられた環状のループ122と、軸部121の基端側に設けられた操作部123とを備える。ループ122の平面視の形状は、略円形の環状である。ループ122は、可撓性を有する材料により構成されており、ループ導入用針2の内部に挿入された状態では、ほぼ直線状に変形してループ導入用針2の内腔に収容されるが、ループ導入用針2の先端から送り出された状態(外力が加わっていない状態)では環状に復元する。
【0035】
使用状態において、後述する図7(C)に示すように、ループ122の内部には縫合糸11が挿入される。このため、ループ導入用針2の先端から送り出されたループ122の内部に、縫合糸導入用針1の先端から送り出された縫合糸11がより確実に挿入されるよう、ループ122の延びる方向と大きさとが設定されている。例えば、縫合糸導入用針1の延長線上にループ122の中心が位置するような大きさでループ122を形成すると、縫合糸導入用針1から送り出された縫合糸11がより確実にループ122内に挿入される。また、例えば、体外側にいる術者がループ122が延びる方向を把握できるよう、軸部121に対してループ122が延びる方向と一致するような印を、操作部123に設けてもよい。また、ループ122がループ導入用針2の先端から確実に突出していることを体表側にいる術者が把握できるよう、後述する図7(C)の状態において操作部123が基端側支持部3にカチッとはまるような構成(例えば、基端側支持部3に突起を設けるとともに操作部123にこの突起がはまる溝を設ける)を備えていてもよい。
【0036】
ループ122は、変形可能な部材で構成されていればよく、例えばステンレス鋼線(バネ用高張力ステンレス鋼)、ピアノ線(ニッケルメッキあるいはクロムメッキが施されたピアノ線)、または超弾性合金線(チタンとニッケルの合金、銅と亜鉛の合金(あるいは、それにベリリウム、ケイ素、スズ、アルミニウム、ガリウム等を含めた合金)、ニッケルとアルミニウムの合金等)等で構成することができる。
【0037】
軸部121は、金属(例えばステンレス)や合成樹脂(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、PTFE、ETFE等のフッ素樹脂)等を用いて構成することができる。この軸部121は、スタイレット等を利用して構成することができる。なお、ループ122を比較的剛性がある材料で構成する場合には、軸部121とループ122とを同じ材質で構成してもよい。この場合、軸部121とループ122とを、一体に構成してもよく、別体で構成してもよい。
【0038】
次に、縫合糸11について説明する。なお、縫合糸11は、縫合具100を構成するものではないが、臓器固定具として機能するものであるので簡単に説明しておく。縫合糸11は、生体内に挿通させたときに生体組織に沿って撓ることができる程度の柔軟性と、臓器を吊り上げ可能な程度の引っ張り強度とを有する材料(例えば、ナイロン糸等)で構成されている。また、縫合糸11は、患者に取り付けあるいは取り外す際に切断される。このため、縫合糸11は、ハサミ等の医療現場に備えられている道具で切断可能な材料及び径寸法で構成するのが好ましい。また、縫合糸11は、その先端が縫合糸導入用針1の針先まで挿入されるとともに、基端側は縫合糸導入用針1の基端から所定長さだけ飛び出した状態となるよう、縫合糸導入用針1に収容されて使用される。
【0039】
なお、本実施の形態1において、縫合糸導入用針1は本発明の第一穿刺針に相当し、ループ導入用針2は本発明の第二穿刺針に相当する。また、基端側支持部3aは本発明の第一基端側支持部に相当し、基端側支持部3bは本発明の第二基端側支持部に相当する。また、先端側支持部4aは本発明の第一先端側支持部に相当し、先端側支持部4bは本発明の第二先端側支持部に相当する。また、ストッパー部材7は本発明の接続部に相当する。
【0040】
[縫合具の使用状態]
次に、実施の形態1に係る縫合具100の使用状態を説明する。図7は、実施の形態1に係る縫合具の使用状態を説明する図であり、図7(A)〜(F)は順に、縫合糸11による縫合手順を示している。ここでは、縫合具100を用いて、患者の腹壁102と胃壁101とを縫合する場合を例に説明する。
【0041】
まず、術者は、患者の口または鼻から胃内に内視鏡を挿入する。次に、術者は、内臓内に十分に気体(例えば二酸化炭素)を供給して内臓を膨張させる。これにより、胃壁101が腹壁102に密着する。次に、縫合糸導入用針1及びループ導入用針2で穿刺しようとする箇所を含め、皮膚103を消毒する。それから、内視鏡から放たれる光により内臓の位置を確認し、この部位に局所麻酔を行う。なお、穿刺部位の確認は、例えば、胃内に内視鏡を挿入した状態で体表側を指で圧迫し、指での圧迫により胃壁が凹んだ位置を内視鏡画像で確認することにより行うことができる(指サイン)。
【0042】
ここで、穿刺前の縫合具100の状態について説明する。
縫合具100は、縫合糸取出ループ12のループ122がループ導入用針2の内部に収納され、縫合糸11が縫合糸導入用針1の内部に収納された状態である。このとき、縫合糸11は、縫合糸導入用針1の先端から突出しないように縫合糸導入用針1の内部に収納されている。また、先端側支持部4から縫合糸導入用針1及びループ導入用針2の先端が突出しないよう、縫合具100は、基端側支持部3が引き上げられて先端側支持部4と離された状態(図1に示す状態)である。また、ストッパー部材7が基端側支持部3a、3bに取り付けられており、縫合糸導入用針1とループ導入用針2とがほぼ平行な状態である。
【0043】
まず、図7(A)に示すように、術者は、穿刺しようとする部位に、先端側支持部4を当てる。
【0044】
図7(B)に示すように、穿刺部位を確認した術者は、先端側支持部4を患者の皮膚103に当てた状態のまま、基端側支持部3を押し下げる。このようにすると、基端側支持部3に取り付けられた縫合糸導入用針1とループ導入用針2が押し下げられ、患者の腹壁102、胃壁101に刺さる。術者は、胃壁101の内部に縫合糸導入用針1とループ導入用針2の先端が突出するまで、基端側支持部3を押し下げる。
【0045】
図7(C)に示すように、胃壁101内に縫合糸導入用針1とループ導入用針2の先端が突出したことを内視鏡で確認した術者は、縫合糸取出ループ12を先端側に向かって押し、ループ導入用針2の先端から縫合糸取出ループ12のループ122を送り出す。ループ導入用針2の先端から送り出されたループ122は、環状に復元する。
次に、術者は、縫合糸11を先端側に向かって送り、縫合糸導入用針1の先端から縫合糸11を突出させる。縫合糸11を先端側に向かって送ることにより、既に胃内に送り出されているループ122の環状部内部に、縫合糸11が挿入される。
【0046】
図7(D)に示すように、ループ122内に縫合糸11が挿入されたことを確認した術者は、縫合糸取出ループ12の操作部123をつかんで手前側に引っ張る。このようにすると、ループ導入用針2の先端から突出していた環状のループ122が、ループ導入用針2の中に引き戻され始め、ループ122内に挿入されている縫合糸11はループ122に係合されてループ導入用針2側に引き寄せられる。
【0047】
図7(E)に示すように、術者がさらに縫合糸取出ループ12を手前側に引き寄せる。このようにすると、縫合糸取出ループ12のループ122とともに縫合糸11の先端部分が、ループ導入用針2の内部に入り込む。
図7(E)に示す状態となったところで、術者は、患者の体から縫合糸導入用針1とループ導入用針2とを引き抜く。
【0048】
図7(F)に示すように、縫合糸導入用針1とループ導入用針2とが引き抜かれると、腹壁102及び胃壁101を貫通した縫合糸11の両端が、体表側に露出した状態となる。術者は、露出した縫合糸11の両端を結びつけることで、縫合処理が終了する。
【0049】
以上、縫合糸導入用針1とループ導入用針2とを同時に穿刺する場合の縫合具100の使用状態を説明した。
次に、縫合糸導入用針1とループ導入用針2とを個別に穿刺する場合の縫合具100の使用状態を説明する。腹壁102と胃壁101とを固定する場合において、図7に示したように縫合糸導入用針1とループ導入用針2とを平行に挿入したのでは、腹壁102と胃壁101とに適切に穿刺できない場合がある。例えばこのような場合に、縫合糸導入用針1とループ導入用針2とを個別に穿刺する。
図8は、実施の形態1に係る縫合具において縫合糸導入用針1とループ導入用針2とを個別に穿刺する場合の使用状態を説明する図である。
【0050】
図8(A)に示すように、ストッパー部材7を外して基端側支持部3aと基端側支持部3bとを分離した状態で、一方の基端側支持部3(図8(A)の例では基端側支持部3a)を押し下げる。このようにすると、基端側支持部3に取り付けられた縫合糸導入用針1が押し下げられ、患者の腹壁102、胃壁101に刺さる。術者は、胃壁101の内部に縫合糸導入用針1の先端が突出するまで、基端側支持部3aを押し下げる。
【0051】
次に、術者は、基端側支持部3bを持つなどして、先端側支持部4bを前後方向、左右方向、あるいは上下方向に動かす。先端側支持部4aと先端側支持部4bはボールジョイントとして構成された連結部6により接合されているので、先端側支持部4bを動かすことができる。そして、ループ導入用針2を穿刺すべき方向に合わせて先端側支持部4bを配置する。
【0052】
図8(B)に示すように、ループ導入用針2の穿刺部位を定めた術者は、基端側支持部3bを押し下げる。このようにすると、基端側支持部3bに取り付けられたループ導入用針2が押し下げられ、患者の腹壁102、胃壁101に刺さる。術者は、胃壁101の内部にループ導入用針2の先端が突出するまで、基端側支持部3bを押し下げる。その後の手技については、図7(C)〜(F)と同様である。
【0053】
なお、上記説明では、最初から縫合糸導入用針1とループ導入用針2とを個別に穿刺する操作例を示したが、例えば、図7で説明したように同時に穿刺した一方の針のみ適切に穿刺できなかった場合にも、縫合具100を適用できる。
一方の針を適切に穿刺できなかった場合、ストッパー部材7を基端側支持部3から外し、適切に穿刺できなかった一方の針のみを患者から引き抜く。そして、引き抜いた針を、図8(A)、(B)で説明したようにして改めて穿刺し直すのである。なお、例えば胃壁101への穿刺のみが不適切であった場合には、針を腹壁102に刺した状態のまま、針を胃壁101から引き抜いて、胃壁101にのみ針を穿刺し直すことも可能である。
【0054】
以上のように、本実施の形態1の縫合具100によれば、先端側支持部4aと先端側支持部4bと、連結部6により互いの連結角度を調整可能に接合した。このため、縫合糸導入用針1、ループ導入用針2の穿刺方向の自由度を高めることができ、任意の方向に縫合糸導入用針1、ループ導入用針2を穿刺することができる。したがって、患者の腹壁や内臓壁の状態に合わせて術者は適切な方向で針を穿刺できるので、内臓壁と腹壁との臓器固定の成功率を、より高めることができる。
また、例えば、同時に穿刺した縫合糸導入用針1、ループ導入用針2のうち一方を適切に穿刺できなかった場合には、その針のみを一旦抜いて改めて穿刺するということが可能であり、再穿刺の手間を最小限に抑えることができる。したがって、患者への侵襲を抑えて患者の負担を軽減できるとともに、術者の作業性を向上させて手技時間を短縮することができる。
【0055】
また、連結部6は、ボールジョイントとして構成されている。このため、前後方向、左右方向、及び上下方向という3方向において、先端側支持部4aと先端側支持部4bとの連結角度を変化させることができる。したがって、先端側支持部4a、4bによって穿刺方向をガイドされる縫合糸導入用針1、ループ導入用針2の穿刺方向の自由度をより高めることができる。例えば、他の臓器が邪魔(障害)となって2本の針を平行に穿刺することが困難な場合においても、この縫合具100によれば適切な場所に針を刺すことができるので、臓器固定の成功率を向上させることができる。
【0056】
また、連結部6は、先端側支持部4a、4bの位置関係を変化可能にしつつも、両者を連結している。すなわち、連結部6により、縫合糸導入用針1、ループ導入用針2の穿刺方向の自由度を高めつつも、両針が完全に分離されることはないので、縫合糸導入用針1とループ導入用針2との距離を所定範囲内に保つことができる。そして、連結部6による先端側支持部4a、4bの位置変化の自由度を、縫合糸取出ループ12のループ122の径や縫合糸導入用針1、ループ導入用針2の針先の移動範囲を考慮して適切に設定することで、従来のように別個に設けられた縫合糸導入用針とループ導入用針とをそれぞれ穿刺する技術と比較して、ループ122の環状部内部に縫合糸11を適切に挿入することのできる確率を高めることができる。すなわち、縫合糸取出ループ12による縫合糸11の把持確率を高め、臓器固定の成功率を高めることができる。
【0057】
また、ストッパー部材7により基端側支持部3aと基端側支持部3bとを連結することができる。基端側支持部3aと基端側支持部3bとを連結することにより、両針を同時に軸方向に動かすことができるようにした。縫合糸導入用針1とループ導入用針2とを同時に患者に穿刺することが可能であるので、操作性がよい。また、ストッパー部材7により基端側支持部3aと基端側支持部3bとを連結することにより、縫合糸導入用針1とループ導入用針2とを所定距離離隔してほぼ平行に保つようにした。このため、縫合糸取出ループ12によって縫合糸11をより確実に把持できるような位置関係で縫合糸導入用針1とループ導入用針2とを穿刺することも可能であり、両針を同時に穿刺する場合の臓器固定の成功率を低下させることもない。
【0058】
なお、本実施の形態1では、ガイド棒5aにのみ把持部51を設ける例を示したが、ガイド棒5bにも同様の把持部51を設けてもよい。
【0059】
実施の形態2.
本実施の形態2では、連結部の他の構成例を説明する。なお、本実施の形態2では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、実施の形態1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
図9は、実施の形態2に係る縫合具の連結部を説明する図である。図9に示すように、実施の形態2に係る連結部6Aは、弾性部材であるつるまき状のバネ63で構成されている。バネ63は、その両端がそれぞれ、先端側支持部4a、4bの対向する面に取り付けられている。先端側支持部4a、4bは、バネ63からなる連結部6Aにより接合されているので、バネ63の有する弾性によって、縦方向、横方向、及び高さ方向の3方向に互いの位置関係を変化させることができる。このように、連結部6Aをバネ63により構成しても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0061】
また、つるまき状のバネ63で構成された連結部6Aのほか、板バネにより連結部6Aを構成することもできる。また、ゴムやシリコン等の弾性部材により連結部6Aを構成することもできる。このように、先端側支持部4a、4bの連結角度を変更することのできるような弾性を有する部材であれば、連結部6Aとして任意の構成を採用できる。また、縫合糸導入用針1とループ導入用針2の穿刺方向の自由度をより高めるという観点では、連結部6Aは、先端側支持部4a、4bの連結角度を3方向に変化させることができるものが好ましいが、1方向あるいは2方向に連結角度を変化させるものであっても、縫合糸導入用針1とループ導入用針2の穿刺方向の自由度を高めるという効果が得られる。
【符号の説明】
【0062】
1 縫合糸導入用針、2 ループ導入用針、3 基端側支持部、3a、3b 基端側支持部、4 先端側支持部、4a、4b 先端側支持部、5 ガイド棒、5a、5b ガイド棒、6 連結部、6A 連結部、7 ストッパー部材、11 縫合糸、12 縫合糸取出ループ、31a、31b ガイド棒貫通穴、32 操作板、32a、32b 操作板、33a、33b 連通孔、41a、41b 針貫通穴、51 把持部、61 球状突起、62 受け部、63 バネ、100 縫合具、101 胃壁、102 腹壁、103 皮膚、121 軸部、122 ループ、123 操作部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一穿刺針と、
第二穿刺針と、
前記第一穿刺針の基端側を保持する第一基端側支持部と、
前記第一基端側支持部に対して分離可能に設けられ、前記第二穿刺針の基端側を保持する第二基端側支持部と、
前記第一穿刺針を軸方向に移動可能に支持する第一先端側支持部と、
前記第二穿刺針を軸方向に移動可能に支持する第二先端側支持部と、
前記第一先端側支持部と前記第二先端側支持部とをその連結角度を調整可能に連結する連結部とを備えた
ことを特徴とする穿刺装置。
【請求項2】
前記第一基端側支持部と前記第二基端側支持部とを、分離可能に接続する接続部を備えた
ことを特徴とする請求項1記載の穿刺装置。
【請求項3】
前記第一基端側支持部と前記第二基端側支持部とが前記接続部により接続された状態において、
前記第一穿刺針と前記第二穿刺針とが、互いに所定距離離隔してほぼ平行に配置される
ことを特徴とする請求項2記載の穿刺装置。
【請求項4】
前記連結部は、前記第一先端側支持部と前記第二先端側支持部との連結角度を、前後方向、左右方向、及び上下方向のうち少なくともいずれかの方向に調整可能である
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の穿刺装置。
【請求項5】
前記連結部は、ボールジョイントにより構成されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の穿刺装置。
【請求項6】
前記連結部は、弾性部材により構成されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の穿刺装置。
【請求項7】
前記第一穿刺針は、縫合糸を内腔に挿入可能な縫合糸導入用針であり、
前記第二穿刺針は、先端に弾性変形可能なループを有する縫合糸取出具を内腔に挿入可能なループ導入用針である
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の穿刺装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−231849(P2012−231849A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−101013(P2011−101013)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000228888)日本コヴィディエン株式会社 (170)
【Fターム(参考)】