説明

穿孔装置

【課題】狭い間隔で配列されている工作物に穿孔を施すことができる穿孔装置に関する。
【解決手段】上ベース板10が下部ベース板31に対面し、クランププレート32が下部ベース板31と上部ベース板10の間に配設される。クランププレート32と下部ベース板31の間に挟持された工作物99がクランプシリンダ33,34によって押圧され固定される。ドリル22が上部ベース板10に取り付けられ、上部ベース板10から下部ベース板31に向けて突出している。駆動モータ23が上部ベース板10の下部ベース板31に対向する面に立設され、駆動モータ23の動力が伝動機構24を介してドリル22に伝動し、ドリル22が回転される。下部ベース板31と上部ベース板10との間にフィードシリンダ42が設けられ、フィードシリンダ42によって上部ベース板10が下部ベース板31に接離するように動かされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作物に孔をあける穿孔装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、特許文献2には、工作物に孔をあけるエアドリルについて記載され、更にエアドリルを工作物に固定するとともにエアドリルを案内する補助具についても記載されている。
【0003】
ところで、固定翼機の主翼と胴体を結合するために、パドルフィッティング及びストリンガーに孔をあけ、その孔においてリベット結合する。パドルフィッティング及びストリンガーは結合時に初めて位置合わせされるため、結合時前にパドルフィッティングとストリンガーに別々に孔をあけると、パドルフィッティングの孔とストリンガーの孔が相対的にずれてしまう。そのため、パドルフィッティングとストリンガーの位置合わせをした後、パドルフィッティングとストリンガーに孔を同時にあける必要がある。
【0004】
従来例を図4で説明する。図4に示すように、パドルフィッティング301及びストリンガー302が短い間隔で並んでいる。孔の空いた穿孔盤303をパドルフィッティング301とストリンガー302の仮結合部にセッティングし、穿孔盤303にフィードドリル304を立てて、穿孔盤303を通じてフィードドリル304で孔をあける。
【特許文献1】特開平8−141810号公報
【特許文献2】特開2000−15510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、フィードドリル304のドリル305とモータ306が直結されており、フィードドリル304の全長が長いため、フィードドリル304をパドルフィッティング301の間に位置させることができず、パドルフィッティング301とストリンガー302を仮結合した状態では孔をあけることができない。このようなフィードドリル304に限らず、特許文献1、特許文献2に記載されているようなエアドリル及びその補助具を用いても、パドルフィッティング及びストリンガーに孔をあけることができない。
【0006】
そこで、本発明は、パドルフィッティング301及びストリンガー302のような工作物が狭い間隔で配列されていても、工作物に穿孔を施すことができる穿孔装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、下部ベースと、前記下部ベースに対面し、前記下部ベースに対し接離するよう設けられた上部ベースと、前記下部ベースと前記上部ベースの間に配設され、前記下部ベースとの間に工作物を挟持するクランププレートと、前記上部ベースから前記下部ベースに向けて突出し、回転可能となって前記上部ベースに取り付けられたドリルと、前記上部ベースの前記下部ベースに対向する面に立設され、前記ドリルを回転駆動するモータと、を備えることを特徴とする。
【0008】
以上の発明においては、ドリルがモータによって回転され、上部ベースが下部ベースに近づくことによって、下部ベースとクランププレートとの間に挟まれた工作物に穿孔が施される。
【0009】
ここで、ドリルが上部ベースに向けて突出し、更に上部ベースの下部ベースに対向する面にモータが立設されており、上部ベースと下部ベースとの間にクランププレートが配設されているので、下部ベース、クランププレート、モータ及びドリルが上部ベースに対して同じ側に配置されている。即ち、下部ベースと上部ベースの間にクランププレート、モータ及びドリルが配置されている。そのため、工作物が短い間隔で配列されていても、その間隔がドリルの長さ程度あれば、工作物を下部ベースとクランププレートとの間に挟持することができ、更にドリルで工作物に孔をあけることができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の穿孔装置において、前記クランププレートを前記下部ベースに向けて押し付ける押圧部を更に備えることを特徴とする。
【0011】
以上の発明においては、クランププレートが下部ベースに向けて押しつけられるので、工作物がクランププレートと下部ベースの間に挟持された状態で固定される。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の穿孔装置において、前記押圧部が前記クランププレートと前記上部ベースとの間に架設されていることを特徴とする。
【0013】
以上の発明においては、押圧部がクランププレートと上部ベースとの間に架設されているから、押圧部が上部ベースに対して下部ベース、クランププレート、モータ及びドリルと同じ側に配置されている。そのため、工作物が短い間隔で配列されていても、更にドリルで工作物に孔をあけることができる。
【0014】
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の穿孔装置において、前記上部ベースを前記下部ベースに向けて送る送り部を更に備えることを特徴とする。
【0015】
以上の発明においては、送り部によって上部ベースが下部ベースに近づくように送られ、下部ベースとクランププレートとの間に挟まれた工作物に穿孔が施される。
【0016】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の穿孔装置において、前記送り部が前記下部ベースと前記上部ベースとの間に架設されていることを特徴とする。
【0017】
以上の発明においては、送り部が下部ベースと上部ベースとの間に架設されているから、送り部が上部ベースに対して下部ベース、クランププレート、モータ及びドリルと同じ側に配置されている。そのため、工作物が短い間隔で配列されていても、更にドリルで工作物に孔をあけることができる。
【0018】
請求項6に係る発明は、請求項1から5の何れか一項に記載の穿孔装置において、前記ドリルに対向する箇所において孔部が前記下部ベースを貫通し、位置決めピンが前記孔部に対して挿抜可能に設けられていることを特徴とする。
【0019】
以上の発明においては、ドリルに対向する箇所において孔部が下部ベースを貫通しているので、位置決めピンが孔部に挿入されると、ドリルに対する工作物の位置決めを行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、下部ベース、クランププレート、モータ、ドリル、押圧部及び送り部が上部ベースに対して同じ側に配置されているので、工作物が短い間隔で配列されていても、その間隔がドリルの長さ程度あれば、工作物を下部ベースとクランププレートとの間に挟持することができ、更にドリルで工作物に孔をあけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0022】
図1は、前から見た穿孔装置1の側面図であり、図2は、穿孔装置1の下面図である。図1において、穿孔装置1の一部の部品を破断して示す。
【0023】
図1及び図2に示すように、穿孔装置1は、板状に設けられた上部ベース板10と、上部ベース板10に取り付けられた穿孔機本体20と、工作物99を挟持する挟持機構30と、挟持機構30により工作物99を挟持する方向に沿って穿孔機本体20を進退させる進退機構40と、挟持機構30に対する工作物99の挟持位置を決める位置決めピン50と、進退機構40による穿孔機本体20の送り速度を制限するためのリミッタ60とを具備する。なお、工作物99としては、航空機の胴体と主翼を結合するパドルフィッティング及びストリンガーがあるが、パドルフィッティング及びストリンガーに限定するものではない。
【0024】
挟持機構30は、上部ベース板10に対面した下部ベース板31と、下部ベース板31と上部ベース板10との間において上部ベース板10に対面したクランププレート32と、上部ベース板10とクランププレート32との間に架設されたクランプシリンダ33,34とを備える。下部ベース板31及びクランププレート32は上部ベース板10に対して平行配置され、下部ベース板31とクランププレート32との間に工作物99が挟持される。
【0025】
クランププレート32には、孔部35が貫通するよう形成され、その孔部35に管状の穿孔ブッシュ36が嵌め込まれている。下部ベース板31にも、孔部35に相対する位置において孔部37が貫通するよう形成されている。
【0026】
クランプシリンダ33は孔部35の左方に配置され、クランプシリンダ34は孔部35の右方に配置されている。クランプシリンダ33,34は、クランププレート32の上部ベース板10に対向する面に立設されたシリンダブロック33a,34aと、シリンダブロック33a,34aの上端から上下に進退するプランジャ33b,34bとを備える。シリンダブロック33a,34aの底部がクランププレート32に固定され、プランジャ33b,34bの先端部が上部ベース板10に固定されている。クランプシリンダ33,34は、プランジャ33b,34bを進出させることによってクランププレート32を下部ベース板31に向けて押圧して締め付ける押圧部である。
【0027】
穿孔機本体20は、上部ベース板10に対して回転可能となって取り付けられたチャック21と、チャック21に取り付けられるドリル22と、上部ベース板10に固定された駆動モータ23と、駆動モータ23の動力をチャック21に伝動する伝動機構24とを備える。
【0028】
チャック21は、上部ベース板10のクランププレート32に対向する面に取り付けられている。チャック21は孔部35の対向する箇所に配置され、チャック21の回転軸の延長上に孔部35及び孔部37が存する。
【0029】
ドリル22は、その先端を孔部35に指向させた状態でチャック21に取り付けられ、上部ベース板10から下部ベース板31に向けて突出している。ドリル22は、チャック21に対して着脱可能であって、交換可能である。なお、チャック21には、ドリル22とは種類の異なるドリル、ドリル22とは径の異なるドリル等を取り付けることができる。なお、ドリル22の回転軸はクランプシリンダ33,34のプランジャ33b,34bの進退方向に対して平行になっている。
【0030】
駆動モータ23は、上部ベース板10のクランププレート32に対向する面に取り付けられている。なお、図2に示すように下面から見た場合、駆動モータ23がクランププレート32及び下部ベース板31から外れており、即ち、それらの縁から離れて位置するように固定され、駆動モータ23によって干渉されずにクランププレート32及び下部ベース板31を上部ベース板10に近づけることができる。
【0031】
図1に示すように、駆動モータ23の回転をドリル21に伝える伝動機構24は、上部ベース板10の両面のうちクランププレート32とは反対側の面に取り付けられている。伝動機構24はギア、シャフト等から構成されており、伝動機構24の動力入力部が駆動モータ23の動力取出軸に連結され、伝動機構24の動力出力部がチャック21に連結され、駆動モータ23の動力をチャック21に伝動してチャック21を回転させるよう設けられている。
【0032】
進退機構40は、上部ベース板10の両面のうちクランププレート32に対向する面に立設されたガイドポスト41と、上部ベース板10と下部ベース板31との間に架設されたフィードシリンダ42とを具備する。
【0033】
ガイドポスト41はドリル22の回転軸に対して平行配置され、上部ベース板10に対して固定されている。下部ベース板31にはガイド孔43が貫通しているが、図2に示すように下面から見た場合に、ガイド孔43がガイドポスト41に重なる箇所において形成されている。ガイドポスト41がこのガイド孔43に挿入され、ガイド孔43に対してガイド孔43の貫通方向に沿って移動可能となっている。ガイドポスト41及びガイド孔43によって上部ベース板10が下部ベース板31に対して接離するよう案内される。
【0034】
ガイド孔43の左方には、フィードシリンダ42が配置されている。フィードシリンダ42は、上部ベース板10を貫通するよう上部ベース板10に固定されたシリンダブロック42aと、シリンダブロック42aの下端から上下に進退するプランジャ42bとを備え、プランジャ42bの先端部が下部ベース板31に固定されている。フィードシリンダ42は、プランジャ42bを引き込むことによって上部ベース板10を下部ベース板31に向けて送る送り部である。
【0035】
リミッタ60は、上部ベース板10からクランププレート32に向かって突出したリミッタピン61と、リミッタピン61の下方において下部ベース板31に取り付けられたダンパー62(油圧ダンパー)と、を備える。
【0036】
リミッタピン61は、本実施の形態ではボルトを利用しており、上部ベース板10に切られた雌ねじと上記ベース板10の上面側でリミッタピン61に螺合したナット63とにより、上部ベース板10の上から下へ上部ベース板10を貫通して突出する長さを調整され固定されている。ナット63を弛めリミッタピン61を上記ベース板10に対して回転させることによって、リミッタピン61の突出高さが調整できるようになっている。
【0037】
ダンパー62は、下部ベース板31を貫通するよう下部ベース板31に固定されたシリンダブロック62aと、シリンダブロック62aの上端から突出したプランジャ62bとを備える。図2に示すように下面から見た場合、プランジャ62bがリミッタピン61に重なっている。
【0038】
図1に示すように、位置決めピン50は位置決めシリンダ51により孔部37に対して下から挿抜可能に設けられている。
【0039】
上部ベース板10の左右両端部には、ハンドル81,82がそれぞれ設けられている。ハンドル81,82は上部ベース板10から下方の下部ベース板31に向けて突出している。
【0040】
図3は、穿孔装置1のブロック図である。図3に示すように、フィードシリンダ42の圧力はリボートタイプ制御弁71により制御される。ダンパー62のプランジャ62bの繰出量はストローク制御弁72及びリボートタイプ制御弁71によって制御される。位置決めシリンダ51の圧力はリボートタイプ制御弁71によって制御されるが、リボートタイプ制御弁71の制御による位置決めシリンダ51の圧力は位置決めシリンダ作動遅延絞り弁73によって遅延する。
【0041】
位置決めピン挿入釦74が押下されると、位置決めシリンダ51の作動により位置決めピン50が孔部37に挿入される。また、穿孔起動釦75が押下されると、クランプシリンダ33,34及びダンパー62が起動し、更にリボートタイプ制御弁71を介してフィードシリンダ42が起動する。
【0042】
穿孔装置1の使用方法及び動作について説明する。
【0043】
下部ベース板31とクランププレート32との間に工作物99を位置させ、下から孔部37に仮位置決めピンを挿入し、仮位置決めピンを工作物99の穿孔箇所に当接させ、工作物99に対する下部ベース板31及びクランププレート32のおおよその位置を決める。
【0044】
次に、更に位置決めシリンダ51によって位置決めピン50を工作物99の予め開けられた穴に挿入することによって、工作物99に対する下部ベース板31及びクランププレート32の位置を決める。これにより、ドリル22に対する工作物99の位置を決めることができる。
【0045】
次に、クランプシリンダ33,34のプランジャ33b,34bを進出させると、クランププレート32と下部ベース板31との間に工作物99が挟持され、クランプシリンダ33,34の圧力によって工作物99が締め付けられる。
【0046】
次に、駆動モータ23を作動させると、チャック21とともにドリル22が回転する。
【0047】
次に、穿孔起動釦75を押下すると、フィードシリンダ42がプランジャ42bを引き込むよう作動するとともに、クランプシリンダ33,34もプランジャ33b,34bを引き込むように作動する。これにより、上部ベース板10がクランププレート32及び下部ベース板31に向けて送られる。ここで、工作物99がクランププレート32と下部ベース板31との間に挟持されて締め付けられた状態は、クランプシリンダ33,34によって維持されている。
【0048】
上部ベース板10とともにドリル22が下部ベース板31に向けて移動するが、ドリル22の先端が工作物99に当たる直前にリミッタピン61がダンパー62のプランジャ62bの先端に当たる。そのため、ダンパー62の抵抗がフィードシリンダ42に作用し、上部ベース板10が下部ベース板31に向かう送り速度が一定に制限される。
【0049】
ドリル22が工作物99に当たり、ドリル22によって工作物99が穿孔され始めると、位置決めシリンダ51によって位置決めピン50が孔部37から引き出される。なお、フィードシリンダ42よりも位置決めシリンダ51が遅れて作動するのは、位置決めシリンダ作動遅延絞り弁73に因る。
【0050】
フィードシリンダ42によってドリル22が工作物99に押し込まれて、ドリル22によって工作物99が穿孔される。
【0051】
穿孔が完了すると、駆動モータ23が逆転し、ドリル22も逆転し、工作物99からドリル22が抜ける。そして、ハンドル81,82を把持し、クランプシリンダ33,34による挟持を解除する。
【0052】
以上の実施形態においては、上部ベース板10に対して下部ベース板31、クランププレート32、駆動モータ23、ドリル22及びクランプシリンダ33,34が同じ側(図1においては下側)に配置されているので、穿孔しようとする孔の延長上のスペースが狭くても、工作物99を下部ベース板31とクランププレート32との間に挟持することができ、更にドリル22で工作物99に孔をあけることができる。
【0053】
また、フィードシリンダ42が上部ベース板10と下部ベース板31の間に架設されているから、穿孔しようとする孔の延長上のスペースが狭くても、工作物99に孔をあけることができる。
【0054】
更に、ガイドポスト41がガイド孔43に挿入されているから、ドリル22と位置決ピン50の軸線がずれることがなくガイドポスト41及びガイド孔43によって上部ベース板10が下部ベース板31に対して接離するよう案内される。そのため、工作物99に正確な穿孔を施すことができる。
【0055】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0056】
例えば、上記実施形態では、ガイドポスト41が上部ベース板10に立設され、ガイド孔43が下部ベース板31を貫通しているが、逆にガイドポスト41が下部ベース板31に立設され、ガイド孔43が上部ベース板10に貫通していても良い。
【0057】
また、クランプシリンダ33,34の向きが上記実施形態の場合とは逆であっても良い。即ち、クランプシリンダ33,34のプランジャ33b,34bがクランププレート32に固定され、クランプシリンダ33,34のシリンダブロック33a,34aが上部ベース板10に固定されていても良い。
【0058】
また、クランプシリンダ33,34が上部ベース板10とクランププレート32との間に架設されているが、クランプシリンダ33,34が下部ベース板31とクランププレート32との間に架設されても良い。この場合には、プランジャ33b,34bが引き込むことによって、クランププレート32が下部ベース板31に向けて締め付けられる。
【0059】
また、クランププレート32を下部ベース板31に向けて押圧する押圧部はクランプシリンダ33,34でなくても良く、例えば、下部ベース板31とクランププレート32との間に架設されたネジであっても良い。この場合、ネジを締めることにより、クランププレート32が下部ベース板31に向けて押圧される。
【0060】
また、フィードシリンダ42の向きが上記実施形態の場合とは逆であっても良い。即ち、フィードシリンダ42のプランジャ42bが上部ベース板10に固定され、フィードシリンダ42のシリンダブロック42aが下部ベース板31に固定されていても良い。
【0061】
また、上部ベース板10を下部ベース板31に向けて送る送り部はフィードシリンダ42でなくても良く、例えば、モータと、該モータの動力取出軸に直結したボールネジとから構成されたものでも良い。この場合、モータが上部ベース板10と下部ベース板31のうちの一方に固定され、ボールネジが他方に螺合し、モータの回転によって上部ベース板10が下部ベース板31に対して接離する。送り部の動力としてモータを用いた場合には、リミッタ60が無くても良い。
【0062】
また、伝動機構24が上部ベース板10の両面のうちクランププレート32とは反対側の面に取り付けられているが、逆に上部ベース板10のクランププレート32に対向する面に取り付けられていても良い。
【0063】
また、クランプシリンダ33,34、フィードシリンダ42及び位置決めシリンダ51は単動式であっても良いし、複動式であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】穿孔装置1の側面図である。
【図2】穿孔装置1の下面図である。
【図3】穿孔装置1のブロック図である。
【図4】従来の加工方法の説明図である。
【符号の説明】
【0065】
1 穿孔装置
10 上部ベース
22 ドリル
23 モータ
31 下部ベース
32 クランププレート
33、34 クランプシリンダ(押圧部)
41 フィードシリンダ42(送り部)
50 位置決めピン
99 工作物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部ベースと、
前記下部ベースに対面し、前記下部ベースに対し接離するよう設けられた上部ベースと、
前記下部ベースと前記上部ベースの間に配設され、前記下部ベースとの間に工作物を挟持するクランププレートと、
前記上部ベースから前記下部ベースに向けて突出し、回転可能となって前記上部ベースに取り付けられたドリルと、
前記上部ベースの前記下部ベースに対向する面に立設され、前記ドリルを回転駆動するモータと、を備えることを特徴とする穿孔装置。
【請求項2】
前記クランププレートを前記下部ベースに向けて押し付ける押圧部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の穿孔装置。
【請求項3】
前記押圧部が前記クランププレートと前記上部ベースとの間に架設されていることを特徴とする請求項2に記載の穿孔装置。
【請求項4】
前記上部ベースを前記下部ベースに向けて送る送り部を更に備えることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の穿孔装置。
【請求項5】
前記送り部が前記下部ベースと前記上部ベースとの間に架設されていることを特徴とする請求項4に記載の穿孔装置。
【請求項6】
前記ドリルに対向する箇所において孔部が前記下部ベースを貫通し、位置決めピンが前記孔部に対して挿抜可能に設けられていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の穿孔装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−150559(P2006−150559A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−348510(P2004−348510)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】