説明

窒素酸化物NOxを吸収する材を用いる窒素酸化物の除去方法

【課題】NOx酸化物の高い吸収特性を有する化合物を用いる窒素酸化物の除去方法を提供する。
【解決手段】窒素酸化物NOxを含有する気体混合物を、式CaCuO2および/またはCa0.83CuO2(X線回折粉末スペクトルがCaCuO2化合物についてJCPDSカード48−197に相当し、Ca0.83CuO2についてJCPDSカード48−212に相当する)を有する化合物または該化合物の混合物またはこれらの化合物を含有する組成物を含む吸収材と接触させることを含む、窒素酸化物NOxを含有する気体混合物から窒素酸化物NOxを除去する方法により、上記の課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のX線回折(XRD)スペクトルを示す式CaCuO2およびCa0.83CuO2を有する化合物を含む吸収剤を用いることにより、窒素酸化物NOxを含有する気体混合物から該窒素酸化物を除去する方法に関する。
本発明は特に、多孔性無機担体上に分散された吸収材化合物が用いられる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1(J. Am. Ceram. Soc. Vol. 72(8) 第1545〜49頁 (1989))は、式CaCuO2を有する化合物を記載し、JCPDSカード46−54に相当するそのXRD粉末スペクトルと、結晶構造(a=10.581Å、b=2.8122Å、c=6.3245Åの斜方晶系セル)を示している。
【0003】
非特許文献2(J. Res. Not. Inst. Stand. Technol. Vol. 96, 第469頁 (1996))は、a=2.80470Å、b=6.32100Å、c=10.57300Å(a/b=0.44371、c/b=2.25464)で中心面(centered faces)を有する斜方晶系結晶構造、およびJCPDSカード48−212に相当するXRDスペクトルを有するCa0.83CuO2化合物を記載している。
この化合物は、CaCO3をギ酸中のCaCO3・Cu(OH)2・2H2Oの溶液中に加え、溶液を蒸発させて粉末を600℃で48時間加熱することにより製造される。
【0004】
非特許文献3(J. Chem. Soc. Commn., 第1165頁 (1990))は、式CaCuO2を有する化合物について、その製造法についての短い記載がある(CaおよびCuの酢酸塩および硝酸塩の溶液から蒸発させて乾燥させ、残渣を1023Kで5時間焼成する)が、XRDスペクトルについては言及がなく、該化合物がほとんどNO吸収特性を有さないことを記載している。
【0005】
特許文献1(米国特許第6,514,320号)は、JCPDSカード46−54に相当するXRD粉末スペクトルを示すCaCuO2化合物は、窒素酸化物の強力な吸収材であることを記載している。その製造方法については記載がない。
【特許文献1】米国特許第6,514,320号明細書
【非特許文献1】J. Am. Ceram. Soc. Vol. 72(8) 第1545〜49頁 (1989)
【非特許文献2】J. Res. Not. Inst. Stand. Technol. Vol. 96, 第469頁 (1996)
【非特許文献3】J. Chem. Soc. Commn., 第1165頁 (1990)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
今回、それぞれJCPDSカード48−212および48−197に相当するXRD粉末スペクトルを示す式Ca0.83CuO2およびCaCuO2を有する化合物ならびにこれらの化合物の混合物が、NOx酸化物の高い吸収特性を有することが、予期せぬことに見出された。Ca/Cu比が0.2〜0.94および0.95〜2である組成物も充分な吸収特性を有する。
【0007】
さらに、Ca/Cu比が0.83〜1の範囲でありMn/Cu比が0.1〜0.9であるMn含有化合物を含む組成物が、多孔性無機酸化物、特にガンマアルミナ上に担持されたときに高い吸収能力を有することが見出され、これは本発明の付加的な観点である。
好ましくは、該組成物は0.83のCa/Cu比および0.2〜0.4のMn/Cu比を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
上記の組成物は、通常、5〜20重量%の量でガンマアルミナ上に担持される。
【0009】
本発明による方法において使用し得る化合物は、カルシウムのギ酸塩、酢酸塩および硝酸塩とクエン酸と任意に錯体化されていてもよい銅の溶液を蒸発させて乾燥させ、残渣を550〜750℃の範囲の温度で焼成させて製造される。
【0010】
代わりに、銅およびカルシウムの可溶性塩の溶液をわずかに過剰の炭酸ナトリウム/重炭酸ナトリウムで処理する。20〜80℃で濃縮した後の沈殿物を、ナトリウムイオンが消えるまで洗浄し、乾燥して550〜750℃の温度で焼成する。
【0011】
多孔性無機酸化物、好ましくは90〜260m2/gの比表面積、0.4〜0.6cc/gの多孔度を有し、40〜90ミクロンの直径を有する粒子が多くて78重量%であり20〜125ミクロンの直径を有する粒子が少なくとも96重量%である小球状ガンマアルミナへの担持は、担体を、適切な原子比で銅およびカルシウムの可溶性塩(例えば酢酸塩、ギ酸塩、硝酸塩)を含有する水性溶液に1回以上含浸させることにより行なわれる。多数回の含浸の場合、生成物を150℃で一晩乾燥させてから次の含浸を行う。最終生成物は、550〜750℃の温度で2〜100時間活性化される。
【0012】
担持された化合物の吸収試験は、20〜285℃の温度で約5000h-1の空間速度GHSVで吸収材に送られた気体混合物(NOx:約1000ppm(容積)、O2:約3%、残りはN2)が、100ppm(容積)未満のNOx濃度で吸収材から出てくるのに必要な時間を測定することにより行われる。この時間は、試料の効率を決定する。
【0013】
担持されない化合物は、3750ppm(容積)のNOx、5%のO2および残りがN2を含有する気体混合物を、285℃の温度で最大25時間管状反応器中におかれる試料を含むボート型の小さい容器の上を流動させる試験において評価される。
【0014】
活性物質100gに対するガンマアルミナ上に担持された組成物の重量増加は、285℃の動的試験で測定されたことによると少なくとも9%である。
【0015】
本発明による方法で用いられる化合物および組成物は、室温またはより低い、0℃までから420℃までの温度で、特に酸素および任意に水蒸気の存在下で窒素酸化物NOx(NOおよびNO2が最も代表的である)を吸収する。吸収は、250〜300℃の範囲の温度で行なわれるのが好ましい。これは、固定または流動床で行うこともできる。
【0016】
吸収工程の後の物質は、500℃より高い温度で加熱することにより脱着する。
【実施例】
【0017】
以下の実施例は、本発明を説明するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0018】
実施例
実施例1
Ca0.83CuO2化合物の製造
9.58gのCuOを、36.4gの65%HNO3および100mLの水に溶解する。10gのCaCO3をゆっくり加え、続いて94gのクエン酸一水和物を加える。混合物を攪拌および加熱により乾燥させる。
残渣を400℃で2時間加熱し、次いで700℃で75時間空気中で焼成させる。
ボート型の容器中での試験に付し、生成物は22時間後に26.7%を吸収する。
【0019】
実施例2
Ca0.83CuO2化合物の製造
16.6gのCaCO3を、攪拌下に水100mLに分散させる。36.2gのギ酸をゆっくり加える。反応が一旦完了すると、16gのCuOおよび100mLの水を加える。
全体の混合物を溶解するために加熱を行い、該混合物を次いで攪拌および加熱によりゆっくりと乾燥させる。
乾燥を150℃で一晩行い、焼成を700℃で70時間行う。
ボート型の容器中での試験に付し、生成物は22時間後に11.6%を吸収する。
【0020】
実施例3
Ca/Cu比が0.5である物質の製造
9.58gのCuOを、30gの65%HNO3および100mLの水に溶解する。6.03gのCaCO3をゆっくり加え、続いて77.34gのクエン酸一水和物を加える。
混合物を攪拌および加熱により乾燥させる。残渣を400℃で2時間、次いで700℃で75時間焼成させる。
ボート型の容器中での試験に付し、生成物は22時間後に22.6%を吸収する。
【0021】
実施例4
Ca0.83CuO2化合物の製造
56gの炭酸ナトリウムを1Lの水に溶解する。
20.76gのCaCO3および19.88gのCuOを500mLの水に分散させ、44.2gのHCOOHをゆっくり加える。この溶液を攪拌下に炭酸ナトリウム溶液中に10分かけて注ぐ。攪拌をさらに5分間継続して、塊を攪拌下に70℃まで加熱してこの温度で1時間保持する。
【0022】
冷却を行ない、沈殿をろ過して洗浄水からナトリウムイオンがなくなるまで洗浄する。
固形画分を150℃のオーブンで一晩乾燥させ、400℃で3時間および700℃で70時間焼成する。
ボート型の容器中での試験に付し、生成物は22時間後に20.3%を吸収する。
【0023】
実施例5
Ca/Cu比が0.83でありMn/Cu比が0.2である物質の製造
61.4gの炭酸ナトリウムを1200mLの水に溶解する。
500mLの水中で20.66gのCuOおよび21.56gのCaCO3を攪拌することにより分散させ、48.2gのHCOOHをゆっくり加える。
この溶液を400mLの水で希釈し、完全に溶解させるために少し加熱する。18.4gの硝酸マンガン溶液(50重量%)を加える。Cu、CaおよびMnの溶液を、攪拌下に5分間かけて炭酸ナトリウム溶液に注ぐ。攪拌下に1時間で60℃まで加熱し、沈殿をろ過して洗浄水からナトリウムイオンがなくなるまで洗浄を行う。
固形画分を150℃のオーブンで一晩乾燥させ、400℃で3時間および700℃で70時間焼成する。
ボート型の容器中での試験に付し、生成物は22時間後に9.4%を吸収する。
【0024】
実施例6
Ca/Cu比が0.83でありMn/Cu比が0.42である物質の製造
68.02gの炭酸ナトリウムを1200mLの水に溶解する。
500mLの水中で20.66gのCuOおよび21.56gのCaCO3を攪拌することにより分散させ、48.2gのHCOOHをゆっくり加える。
この溶液を400mLの水で希釈し、完全に溶解させるために少し加熱する。38.8gの硝酸マンガン溶液(50重量%)を加える。Cu、CaおよびMnの塩の溶液を、攪拌下に5分間かけて炭酸ナトリウム溶液に注ぐ。攪拌下に1時間で60℃まで加熱し、沈殿をろ過して洗浄水からナトリウムイオンがなくなるまで洗浄を行う。
固形画分を150℃のオーブンで一晩乾燥させ、400℃で3時間および700℃で70時間焼成する。
ボート型の容器中での試験に付し、生成物は22時間後に0.6%を吸収する。
【0025】
実施例7
ガンマアルミナに担持されたCa0.83CuO2
180m2/gの比表面積および0.50cc/gの細孔容積を有する小球状ガンマアルミナ103gを、以下のようにして製造した溶液に最初に含浸させる。
5.53gのCuOを20mLの水に懸濁し、12.9gのHCOOHをゆっくり加える。反応が一旦完了したら、5.78gのCaCO3を小さい部分に分けて加える。
CO2の発生の最後に、容量を60mLにし、完全に溶解させるために少し加熱する。
【0026】
担体を回転容器内に含浸させ、塊を2時間静止させ、次いで物質を150℃で一晩乾燥させる。
乾燥生成物を、以下のようにして製造した溶液に再び含浸する。
4.8gのCuOを20mLの水に懸濁し、11.2gのHCOOHをゆっくり加える。反応が一旦完了したら、5gのCaCO3を小さい部分に分けて加える。
CO2の発生の最後に、容量を55mLにし、完全に溶解させるために少し加熱する。
担体を回転容器内に含浸させ、塊を2時間静止させ、次いで物質を150℃で一晩乾燥させる。最終生成物を700℃で70時間焼成させる。
流動反応器中での試験に付し、試料は5000h-1の空間速度で気流を1時間33分で浄化する。
【0027】
実施例8
ガンマアルミナ上に担持されたCa/Cu比が0.83でありMn/Cu比が0.2である物質
180m2/gの比表面積および0.50cc/gの細孔容積を有する小球状ガンマアルミナ100gを、回転容器内に、60mLの水で希釈した硝酸マンガンの溶液(50重量%)9.22gに最初に含浸させる。
塊を2時間静止させ、生成物を150℃で一晩乾燥させ、300℃で3時間処理する。
【0028】
5.53gのCuOを20mLの水に懸濁し、12.9gのHCOOHをゆっくりと加える。反応が一旦完了したら、5.78gのCaCO3を小さい部分に分けて加える。
CO2の発生の最後に、容量を600mLにし、完全に溶解させるために少し加熱する。
【0029】
最初の含浸の生成物を回転容器中で含浸させ、塊を2時間静止させ、生成物を150℃で一晩乾燥させる。
乾燥生成物を、以下のようにして製造した溶液に再び含浸する。
4.8gのCuOを20mLの水に懸濁し、11.2gのHCOOHをゆっくり加える。反応が一旦完了したら、5gのCaCO3を小さい部分に分けて加える。
CO2の発生の最後に、容量を55mLにし、完全に溶解させるために少し加熱する。
先の操作の生成物を回転容器内に含浸させ、塊を2時間静止させ、次いで物質を150℃で一晩乾燥させる。最終生成物を700℃で70時間焼成させる。
流動反応器中での試験に付し、試料は5000h-1の空間速度で1時間46分で気流を浄化する。
【0030】
実施例9
ガンマアルミナ上に担持されたCa/Cu比が0.83でありMn/Cu比が0.42である物質の製造
180m2/gの比表面積および0.50cc/gの細孔容積を有する小球状ガンマアルミナ300gを、回転容器内に、165mLの水で希釈した硝酸マンガンの溶液(50重量%)58.2gに最初に含浸させる。
塊を2時間静止させ、生成物を150℃で一晩乾燥させ、300℃で16時間処理する。
【0031】
16.6gのCuOを60mLの水に懸濁し、38.7gのHCOOHをゆっくりと加える。反応が一旦完了したら、17.34gのCaCO3を小さい部分に分けて加える。
CO2の発生の最後に、容量を175mLにし、完全に溶解させるために少し加熱する。
【0032】
最初の含浸の生成物を回転容器中で含浸させ、塊を2時間静止させ、生成物を150℃で一晩乾燥させる。
乾燥生成物を、以下のようにして製造した溶液に再び含浸する。
14.4gのCuOを20mLの水に懸濁し、33.6gのHCOOHをゆっくり加える。反応が一旦完了したら、15gのCaCO3を小さい部分に分けて加える。
CO2の発生の最後に、容量を165mLにし、完全に溶解させるために少し加熱する。
先の操作の生成物を回転容器内に含浸させ、塊を2時間静止させ、次いで物質を150℃で一晩乾燥させる。最終生成物を700℃で70時間焼成させる。
流動反応器中での試験に付し、試料は5000h-1の空間速度で気流を1時間58分で浄化する。
【0033】
実施例10
ガンマアルミナに担持されたCa0.83CuO2化合物
174m2/gの比表面積および0.47cc/gの細孔容積を有するガンマアルミナの三葉状(trilobated)ペレット103gを、回転容器内で、以下のようにして製造した溶液に最初に含浸させる。
5.53gのCuOを20mLの水に懸濁し、12.9gのHCOOHをゆっくり加える。反応が一旦完了したら、5.78gのCaCO3を小さい部分に分けて加える。
CO2の発生の最後に、混合物の容量を水で60mLにし、完全に溶解させるために少し加熱する。
【0034】
含浸後、塊を2時間静止させ、次いで150℃で一晩乾燥させる。
乾燥生成物を、以下のようにして製造した溶液に再び含浸する。
4.8gのCuOを20mLの水に懸濁し、11.2gのHCOOHをゆっくり加える。反応が一旦完了したら、5gのCaCO3を小さい部分に分けて加える。
CO2の発生の最後に、塊の容量を水で55mLにし、完全に溶解させるために少し加熱する。
含浸後、塊を2時間静止させ、次いで150℃で一晩乾燥させる。
乾燥生成物を700℃で70時間焼成する。
流動反応器内での試験に付す画分を得るために、焼成生成物を粉砕してふるいにかける。試料は5000h-1の空間速度で気流を1時間10分で浄化する。
【0035】
実施例11
ガンマアルミナ上に担持されたCa/Cu比が0.83でありMn/Cu比が0.42である物質
174m2/gの比表面積および0.47cc/gの細孔容積を有するガンマアルミナの三葉状ペレット10gを、回転容器内で、以下のようにして製造した溶液に最初に含浸させる。
5.53gのCuOを20mLの水に懸濁し、12.9gのHCOOHをゆっくり加える。反応が一旦完了したら、硝酸マンガンの溶液(50重量%)9.7gを加える。混合物を水で60mLの容量にし、完全に溶解させるために少し加熱する。
含浸後、塊を2時間静止させ、150℃で一晩乾燥させる。
乾燥生成物を空気中に700℃で70時間焼成する。
【0036】
流動反応器内での試験に付す300〜500ミクロンの画分を得るために、焼成生成物を粉砕してふるいにかける。試料は5000h-1の空間速度で気流を1時間35分で浄化する。
【0037】
実施例12
679gの市販の擬似ベーマイト(pseudoboehmite)を、回転容器内で、以下のようにして製造された溶液に含浸させる。
49.7gのCuOを200mLの水に分散させ、121gのギ酸をゆっくり加える。反応の最後に、54gのCaCO3をゆっくり加え、溶解が達成されるまで水を加え、97gの硝酸マンガン溶液(50重量%)を加える。水を700mLの容積まで加え、担体を溶液の半分に含浸し、120℃で一晩乾燥させ、次いで生成物を溶液の別の半分に再び含浸する。
【0038】
120℃で一晩、再び乾燥させ、次いで生成物を、ステアリン酸マグネシウムを滑剤として用いて三葉状ペレットの形状にペレット化する。
ペレットを700℃で24時間焼成させる。
流動反応器内での試験に付す300〜500ミクロンの画分を得るために、焼成生成物を粉砕してふるいにかける。試料は5000h-1の空間速度で気流を2時間3分で浄化する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素酸化物NOxを含有する気体混合物を、式CaCuO2および/またはCa0.83CuO2(X線回折粉末スペクトルがCaCuO2化合物についてJCPDSカード48−197に相当し、Ca0.83CuO2についてJCPDSカード48−212に相当する)を有する化合物または該化合物の混合物またはこれらの化合物を含有する組成物を含む吸収材と接触させることを含む、窒素酸化物NOxを含有する気体混合物から窒素酸化物NOxを除去する方法。
【請求項2】
Ca0.83CuO2化合物がCa/Cu比が0.2〜0.9の範囲である組成物中に存在し、CaCuO2化合物がCa/Cu比が0.95〜2の範囲である組成物中に存在する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記化合物が、Ca/Cu比が0.2〜1.9の範囲でありかつMn/Cu比が0.1〜0.5の範囲であるMn含有化合物を含む組成物中に存在する請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
Ca/Cu比が0.83でありかつMn/Cu比が0.2〜0.4の範囲である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記化合物またはこれらの組成物が、アルミナに担持されている請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
担持された組成物が、0.2〜1.9の範囲のCa/Cu比および0.1〜0.9の範囲のMn/Cu比を有する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物が、0.83のCa/Cu比および0.42のMn/Cu比を有する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記化合物またはこれらの組成物が、90〜260m2/gの比表面積を有するガンマアルミナ上に担持されている請求項5〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
Ca/Cu比が0.83でありかつMn/Cu比が0.42である組成物が、5〜20重量%の量でガンマアルミナ上に担持されている請求項8に記載の方法。
【請求項10】
窒素酸化物の吸収が、酸素と任意に水蒸気の存在下で0〜420℃の温度で行われる請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
吸収が、250〜420℃の温度で行なわれる請求項10に記載の方法。
【請求項12】
吸収が、280〜300℃の温度で行なわれる請求項11に記載の方法。
【請求項13】
窒素酸化物がNOおよびNO2および酸素を含有するこれらの混合物である請求項10〜12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
吸収工程から得られる物質が、500℃より高い温度に加熱することにより脱着される請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
Ca/Cu比が0.83でありかつMn/Cu比が0.1〜0.9の範囲である窒素酸化物NOx吸収材。
【請求項16】
0.83のCa/Cu比および0.42のMn/Cu比を有する請求項15に記載の吸収材。
【請求項17】
ガンマアルミナ上に担持されている請求項15または16に記載の吸収材。
【請求項18】
吸収材が、285℃で行なわれる動的試験において測定される少なくとも9%の活性相に対する吸収能(重量増加で表される)を有する請求項17に記載の吸収材。

【公開番号】特開2006−175435(P2006−175435A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−368543(P2005−368543)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(505471510)サッド−チェミー カタリスツ イタリア エス.アール.エル. (8)
【氏名又は名称原語表記】SUD−CHEMIE CATALYSTS ITALIA S.R.L.
【住所又は居所原語表記】Via G. Fauser 36/B,28100 NOVARA,ITALY
【Fターム(参考)】