説明

窓口業務システム

【課題】顧客側に現金処理機を設けることにより発生する現金トラブルの対応処理を円滑に進めることが可能な窓口業務システムを提供することを目的とする。
【解決手段】テラー側に設けられる窓口端末と、顧客側に設けられ、テラーによる窓口端末の操作に基づいて動作が制御される現金処理機と、顧客の状況を撮影する撮影手段と、記憶装置とを備えて窓口業務システムを構成し、窓口端末は、顧客により現金処理機から現金が抜き取られる際、又は、顧客により現金処理機に現金が挿入される際、現金処理機の動作と撮影手段により撮影された画像とを関連付けて記憶装置に記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客側に現金処理機が設けられる窓口業務システムに関する。
【背景技術】
【0002】
既存の窓口業務システムでは、例えば、図1に示すように、金融窓口担当者であるテラーがテラー側100に設けられる窓口端末及び現金処理機210をそれぞれ操作し、テラーと顧客との間で現金のやりとりが直接手渡しで行われる。
【0003】
しかしながら、近年では、テラーの業務の軽減などのために、顧客側に現金処理機を設け、現金処理機の操作を顧客に実施させたいという要望がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、顧客のATM操作支援のために、顧客側に設けられたカメラにより撮影された画像がテラー側に設けられたディスプレイに表示されるものもある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−241330号公報
【特許文献2】特開平9−237301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のように、顧客側に現金処理機が設けられる場合において、その現金処理機がテラーから見えない位置に設置されている場合やテラーが一度に複数の顧客に対応する必要がある場合などでは、顧客の操作状況を随時監視することができなくなるため、顧客による現金処理機操作後において現金トラブルが発生するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明では、顧客側に現金処理機を設けることにより発生する現金トラブルの対応処理を円滑に進めることができる窓口業務システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の窓口業務システムは、テラー側に設けられ、記憶手段を備える窓口端末と、顧客側に設けられる現金処理機と、前記顧客を撮影する撮影手段とを備え、前記窓口端末は、前記顧客により前記現金処理機から現金が抜き取られる際、又は、前記顧客により前記現金処理機に現金が挿入される際、前記現金処理機の動作を示すデータと、前記撮影手段により撮影された画像とを関連付けて前記記憶手段に記憶する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、顧客側に現金処理機が設けられた窓口業務システムにおいて発生する現金トラブルの対応処理を円滑に進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】既存の窓口業務システムを示す図である。
【図2】本発明の実施形態の窓口業務システムを示す図である。
【図3】本実施形態の窓口業務システムの機能ブロック構成例を示す図である。
【図4】本実施形態の窓口業務システムの動作を示すフローチャートである。
【図5】タッチパネル付ディスプレイに表示される画面例を示す図である。
【図6】タッチパネル付ディスプレイに表示される画面例を示す図である。
【図7】タッチパネル付ディスプレイに表示される画面例を示す図である。
【図8】記憶装置に記憶されるデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図2は、本発明の実施形態の窓口業務システムを示す図であり、図3は、本実施形態の窓口業務システムの機能ブロック構成例を示す図である。
図2又は図3に示す窓口業務システムは、テラー側100に設けられる窓口端末101、ハンドスキャナ102、カード処理部103、通帳処理部104、タッチパネル付ディスプレイ105、及びキーボード106と、顧客側200に設けられる現金処理機210、指静脈リーダ201、タッチパネル付ディスプレイ202、及び顧客カメラ203とを備えて構成されている。なお、ハンドスキャナ102、カード処理部103、又は通帳処理部104は、帳票、カード、又は通帳などを扱う業務に使用されるものとする。
【0012】
窓口端末101は、制御部107と、通信制御部108と、記憶装置109とを備えて構成されている。なお、通信制御部108は、無線又は有線のネットワークを介して外部装置とデータのやり取りを行う。
【0013】
現金処理機210は、紙幣入出金部211と、硬貨入出金部212と、紙幣フリッカランプ213と、硬貨フリッカランプ214と、手元カメラ215と、手挿入検知センサ216と、現金検知センサ217とを備えて構成されている。
【0014】
なお、窓口端末101は、複数の顧客側200にそれぞれ設けられる顧客カメラ203や手元カメラ215により撮影される各画像を同時に表示することも可能である。
本実施形態の窓口業務システムの特徴点の1つは、顧客側200に設けられるタッチパネル付ディスプレイ202に、顧客による現金処理機210の操作状況に応じた操作案内を表示する点である。これにより、円滑な顧客操作を支援することができる。
【0015】
また、本実施形態の窓口業務システムの特徴点の1つは、顧客によるタッチパネル付ディスプレイ202の操作などにより、顧客側200に設けられる現金処理機210の紙幣入出金部211や硬貨入出金部212のシャッタ開閉制御を顧客が行う点である。これにより、顧客が良いと思うタイミングで紙幣入出金部211や硬貨入出金部212のシャッタの開閉を行うことができる。
【0016】
また、本実施形態の窓口業務システムの特徴点の1つは、顧客側200に設けられる顧客カメラ203や手元カメラ215により撮影される顧客の操作状況(例えば、顧客カメラ203は顧客の顔を撮影し、手元カメラ215は顧客の手元を撮影する。)を示す画像を、テラー側100に設けられるタッチパネル付ディスプレイ105にリアルタイムで表示するとともに、記憶装置109に記憶する点である。これにより、テラーが顧客の操作状況を把握しつつ顧客の操作をサポートすることができる。また、記憶装置109に記憶された顧客の操作状況を証拠として利用することにより、顧客による現金処理機210の操作後に発生する現金トラブルの対応処理を円滑に進めることができる。
【0017】
図4は、紙幣出金業務における制御部107の動作を説明するためのフローチャートである。
まず、テラーにより顧客の要求に応じてタッチパネル付ディスプレイ105やキーボード106が操作されて取引が開始されると、制御部107は、複数種類の取引選択キーや顧客カメラ203により撮影された画像をリアルタイムに表示する表示枠が示される取引選択画面をタッチパネル付ディスプレイ105に表示させるとともに、取引開始画面をタッチパネル付ディスプレイ202に表示させる(S400)。例えば、制御部107は、図5(a)に示すように、「お支払い」取引選択キー500、「お預け入れ」取引選択キー501、「お振込み」取引選択キー502、及び顧客カメラ203により撮影された画像をリアルタイムに表示する表示枠503が示される取引選択画面504をタッチパネル付ディスプレイ105に表示させる。これにより、テラーは、顧客の本人確認を行ったり顧客の様子を確認したりすることができる。また、制御部107は、図5(b)に示すように、「お取引を開始しております。」というメッセージが示される取引開始画面505をタッチパネル付ディスプレイ202に表示させる。これにより、顧客は、取引が開始されたことを確認することができる。
【0018】
次に、制御部107は、テラーにより何れかの取引選択キーが押されたと判断すると(S401がYes)、認証要求画面をタッチパネル付ディスプレイ105、202にそれぞれ表示させる(S402)。なお、タッチパネル付ディスプレイ202に表示される認証要求画面には取消キーが示されているものとする。例えば、制御部107は、図5(c)に示すように、「お客様に認証処理を要求しています。」というメッセージ及び表示枠503が示される認証要求画面506をタッチパネル付ディスプレイ105に表示させる。また、制御部107は、図5(d)に示すように、「お手元の認証装置に指をかざしてください。」というメッセージ及び取消キー507が示される認証要求画面508をタッチパネル付ディスプレイ202に表示させる。これにより、顧客に対して認証操作を促すことができる。
【0019】
次に、制御部107は、タッチパネル付ディスプレイ202に表示される認証要求画面の取消キーが顧客により押下されたと判断すると(S403がYes)、S400に戻る。
【0020】
一方、制御部107は、タッチパネル付ディスプレイ202に表示される認証要求画面の取消キーが顧客により押下されていないと判断すると(S403がNo)、認証装置(指静脈リーダ201)により顧客の指静脈が検出されたか否かを判断する(S404)。
【0021】
指静脈が検出されていないと判断すると(S404がNo)、制御部107は、S403に戻る。
一方、指静脈が検出されたと判断すると(S404がYes)、制御部107は、認証処理中画面をタッチパネル付ディスプレイ105、202にそれぞれ表示させる(S405)。なお、タッチパネル付ディスプレイ105に表示される認証処理中画面には顧客カメラ203により撮影された画像をリアルタイムに表示する表示枠が示されているものとする。例えば、制御部107は、図5(e)に示すように、「お客様が認証装置に指をかざしました。認証処理実施中。」というメッセージ、認証処理の進行状況を示すゲージ509、及び表示枠503が示される認証処理中画面510をタッチパネル付ディスプレイ105に表示させる。これにより、テラーは、認証処理が開始されたこと及び顧客の認証操作の様子を確認することができる。また、制御部107は、図5(f)に示すように、「ただいま認証処理を実施しています。」というメッセージ及びゲージ509が示される認証処理中画面511をタッチパネル付ディスプレイ202に表示させる。
【0022】
次に、制御部107は、認証処理が正しく行われなかったと判断すると(S406がNo)、S400に戻る。
一方、制御部107は、認証処理が正しく行われたと判断すると(S406がYes)、認証完了画面をタッチパネル付ディスプレイ105、202にそれぞれ表示させる(S407)。なお、タッチパネル付ディスプレイ105に表示される認証完了画面には「次へ」キーが示されているものとする。例えば、制御部107は、図5(g)に示すように、「認証処理が正しく行われました。」というメッセージ及び「次へ」キー512が示される認証完了画面513をタッチパネル付ディスプレイ105に表示させる。また、制御部107は、図5(h)に示すように、「認証処理が完了いたしました。」というメッセージ及びゲージ509が示される認証完了画面514をタッチパネル付ディスプレイ202に表示させる。
【0023】
次に、制御部107は、タッチパネル付ディスプレイ105に表示される認証完了画面の「次へ」キーがテラーにより押下されたと判断すると(S408がYes)、金額入力画面をタッチパネル付ディスプレイ105に表示させるとともに、手続中画面をタッチパネル付ディスプレイ202に表示させる(S409)。なお、タッチパネル付ディスプレイ105に表示される金額入力画面には、「確認」キー及び「訂正」キーが示されているものとする。例えば、制御部107は、図5(i)に示すように、金種毎の枚数入力枠515、合計金額表示枠516、「確認」キー517、及び「訂正」キー518が示される金額入力画面519をタッチパネル付ディスプレイ105に表示させる。また、制御部107は、図5(j)に示すように、「ただ今お手続き中です。」というメッセージが示される手続中画面520をタッチパネル付ディスプレイ202に表示させる。
【0024】
次に、制御部107は、顧客から指示される金額や金種がテラーによりタッチパネル付ディスプレイ105に表示される金額入力画面に入力され、テラーにより「確認」キーが押下されたと判断すると(S410がYes)、金額確認画面をタッチパネル付ディスプレイ105、202にそれぞれ表示させる(S411)。なお、タッチパネル付ディスプレイ202に表示される金額確認画面には、「確認」キー及び「訂正」キーが示されているものとする。例えば、制御部107は、図6(a)に示すように、金種毎の枚数入力枠515及び合計金額表示枠516が示される金額確認画面521をタッチパネル付ディスプレイ105に表示させる。また、制御部107は、図6(b)に示すように、金種毎の枚数入力枠515、合計金額表示枠516、「確認」キー517、及び「訂正」キー518が示される金額確認画面522をタッチパネル付ディスプレイ202に表示させる。
【0025】
次に、制御部107は、タッチパネル付ディスプレイ202に表示される金額確認画面の「確認」キーが顧客により押下されていない(「取消」キーが顧客により押下された)と判断すると(S412がNo)、S409に戻る。
【0026】
一方、制御部107は、タッチパネル付ディスプレイ202に表示される金額確認画面の「確認」キーが顧客により押下されたと判断すると(S412がYes)、現金処理機210に現金の計数依頼を行い(S413)、計数中画面をタッチパネル付ディスプレイ105、202にそれぞれ表示させる(S414)。なお、タッチパネル付ディスプレイ105に表示される計数中画面には、顧客カメラ203により撮影された画像をリアルタイムに表示する表示枠及び手元カメラ215により撮影された画像をリアルタイムに表示する表示枠が示されているものとする。例えば、制御部107は、図6(c)に示すように、「紙幣計数中」というメッセージ、計数の進行状況を示すゲージ523、表示枠503、及び手元カメラ215により撮影された画像がリアルタイムに表示される表示枠524が示される計数中画面525をタッチパネル付ディスプレイ105に表示させる。これにより、テラーは顧客の様子を確認することができる。また、制御部107は、図6(d)に示すように、「ただいま現金の計数を実施しています。」というメッセージ及びゲージ523が示される計数中画面526をタッチパネル付ディスプレイ202に表示させる。
【0027】
次に、制御部107は、現金処理機210における計数処理が終了すると(S415がYes)、計数完了画面をタッチパネル付ディスプレイ105、202にそれぞれ表示させる(S416)。例えば、制御部107は、図6(e)に示すように、表示枠503、ゲージ523、及び表示枠524が示される計数完了画面527をタッチパネル付ディスプレイ105に表示させる。また、制御部107は、図6(f)に示すように、「ただいま現金の計数を実施しています。」というメッセージ及びゲージ523が示される計数完了画面528をタッチパネル付ディスプレイ202に表示させる。
【0028】
次に、制御部107は、現金処理機210に抜取待ち依頼を行う(S417)。現金処理機210は、抜取待ち依頼があると、紙幣入出金部211や硬貨入出金部212に紙幣や硬貨を排出し、紙幣入出金部211や硬貨入出金部212のシャッタを開けるための顧客の操作を待つ。そして、シャッタを開けるための操作が顧客により行われると、現金処理機210は、紙幣入出金部211の隣に設けられる紙幣フリッカランプ213や硬貨入出金部212の隣に設けられる硬貨フリッカランプ214を点滅させて、顧客に紙幣入出金部211や硬貨入出金部212の場所を知らせる。これにより、顧客が良いと思うタイミングで紙幣入出金部211や硬貨入出金部212のシャッタの開閉を行うことができる。
【0029】
次に、制御部107は、放出監視画面をタッチパネル付ディスプレイ105に表示させるとともに、放出画面をタッチパネル付ディスプレイ202に表示させる(S418)。例えば、制御部107は、図6(g)に示すように、表示枠503、524が示される放出監視画面529をタッチパネル付ディスプレイ105に表示させる。また、制御部107は、図6(h)に示すように、「紙幣をお受け取り下さい。」というメッセージが示される放出画面530をタッチパネル付ディスプレイ202に表示させる。なお、放出画面530は、後述のS427まで表示されるものとする。
【0030】
次に、制御部107は、顧客により紙幣入出金部211(又は硬貨入出金部212)のシャッタが開かれたと判断すると(S419がYes)、シャッタが開かれた旨のメッセージを放出監視画面に示すとともに、シャッタが開かれたときの時刻と、その時刻において顧客カメラ203及び手元カメラ215にそれぞれ撮影された各画像を記憶装置109に記憶する(S420)。例えば、制御部107は、図6(i)に示すように、放出監視画面529に「シャッタが開いた。」というメッセージを示すとともに、図8に示すように、シャッタが開いたときの時刻として「14時10分30秒」と、その時刻において顧客カメラ203により撮影された画像として「画像ファイル11」と、その時刻において手元カメラ215により撮影された画像として「画像ファイル12」とを関連付けて1つのジャーナルログ(抜取りイベント:「シャッタ開」)として記憶装置109に記憶する。
【0031】
次に、制御部107は、手挿入検知センサ216により紙幣入出金部211(又は硬貨入出金部212)内に顧客の手が挿入されたことが検知されると(S421がYes)、手が挿入された旨のメッセージを放出監視画面に示すとともに、手が挿入されたときの時刻とその時刻において顧客カメラ203及び手元カメラ215にそれぞれ撮影された各画像を記憶装置109に記憶する(S422)。例えば、制御部107は、図6(j)に示すように、放出監視画面529に「手が挿入された。」というメッセージを示すとともに、図8に示すように、手が挿入されたと検知されたときの時刻として「14時11分00秒」と、その時刻において顧客カメラ203により撮影された画像として「画像ファイル21」と、その時刻において手元カメラ215により撮影された画像として「画像ファイル22」とを関連付けて1つのジャーナルログ(抜取りイベント:「手挿入検知」)として記憶装置109に記憶する。
【0032】
次に、制御部107は、現金検知センサ217により紙幣入出金部211(又は硬貨入出金部212)内から現金が抜き取られたことが検知されると(S423がYes)、現金が抜き取られた旨のメッセージを放出監視画面に示すとともに、現金が抜き取られたと検知されたときの時刻と、その時刻において顧客カメラ203及び手元カメラ215にそれぞれ撮影された各画像を記憶装置109に記憶する(S424)。例えば、制御部107は、図7(a)に示すように、放出監視画面529に「紙幣が抜き取られた。」というメッセージを示すとともに、図8に示すように、紙幣が抜き取られたときの時刻として「14時11分30秒」と、その時刻において顧客カメラ203により撮影された画像として「画像ファイル31」と、その時刻において手元カメラ215により撮影された画像として「画像ファイル32」とを関連付けて1つのジャーナルログ(抜取りイベント:「抜取り検知」)として記憶装置109に記憶する。
【0033】
次に、制御部107は、顧客により紙幣入出金部211(又は硬貨入出金部212)のシャッタが閉じられたと判断すると(S425がYes)、シャッタが閉じられた旨のメッセージを放出監視画面に示すとともに、シャッタが閉じられたときの時刻と、その時刻において顧客カメラ203及び手元カメラ215にそれぞれ撮影された各画像を記憶装置109に記憶する(S426)。例えば、制御部107は、図7(b)に示すように、放出監視画面529に「シャッタが閉じた。」というメッセージを示すとともに、図8に示すように、シャッタが閉じたときの時刻として「14時12分00秒」と、その時刻において顧客カメラ203により撮影された画像として「画像ファイル41」と、その時刻において手元カメラ215により撮影された画像として「画像ファイル42」とを関連付けて1つのジャーナルログ(抜取りイベント:「シャッタ閉」)として記憶装置109に記憶する。
【0034】
次に、制御部107は、現金検知センサ217により紙幣入出金部211(又は硬貨入出金部212)内に現金が無いことが検知されると(S427がYes)、現金が無い旨のメッセージを放出監視画面に示すとともに、現金が無いことが検知されたときの時刻と、その時刻において顧客カメラ203及び手元カメラ215にそれぞれ撮影された各画像を記憶装置109に記憶する(S428)。例えば、制御部107は、図7(c)に示すように、放出監視画面529に「入出金部に紙幣がない事を確認。」というメッセージを示すとともに、図8に示すように、紙幣入出金部211内に紙幣が無いと検知されたときの時刻として「14時12分30秒」と、その時刻において顧客カメラ203により撮影された画像として「画像ファイル51」と、その時刻において手元カメラ215により撮影された画像として「画像ファイル52」とを関連付けて1つのジャーナルログ(抜取りイベント:「現金残留無し」)として記憶装置109に記憶する。
【0035】
そして、制御部107は、取引終了画面をタッチパネル付ディスプレイ105、202にそれぞれ表示させる(S429)。例えば、制御部107は、図7(d)に示すように、「取引が完了しました。」というメッセージ及び表示枠503、524が示される取引終了画面531をタッチパネル付ディスプレイ105に表示させる。また、制御部107は、図7(e)に示すように、「ありがとうございました。」というメッセージが示される取引終了画面532をタッチパネル付ディスプレイ202に表示させる。
【0036】
このように、本実施形態の窓口業務システムでは、認証要求画面や放出画面などの様々な操作案内が示される画面がタッチパネル付ディスプレイ202に表示される構成であるため、円滑な顧客操作を支援することができる。
【0037】
また、本実施形態の窓口業務システムでは、シャッタを開く操作が行われたとき、紙幣入出金部211内に顧客の手が挿入されたことが検知されたとき、紙幣入出金部211内から紙幣が抜き取られたことが検知されたとき、シャッタを閉じる操作が行われたとき、及び紙幣入出金部211内に紙幣が無いことが検知されたときにそれぞれ顧客カメラ203及び手元カメラ215で撮影された各画像が記憶装置109に記憶される。そして、これらの画像は、実際に行われた顧客の操作状況を示す証拠として利用することができる。これにより、顧客による現金処理機210の操作後に発生する現金トラブル(例えば、実際には顧客が現金に触ったにもかかわらず、顧客が現金に触る前にシャッタが閉まったと主張するトラブルなど)の対応処理を円滑に進めることができる。
【0038】
また、本実施形態の窓口業務システムでは、紙幣入出金部211(又は硬貨入出金部212)のシャッタ開閉、紙幣入出金部211(又は硬貨入出金部212)への手の挿入、紙幣入出金部211(又は硬貨入出金部212)からの現金抜取り、及び紙幣入出金部211(又は硬貨入出金部212)内の現金残留無しなどの各抜取りイベントを示すメッセージが順に放出監視画面529に示されていく構成であるため、テラーは顧客の操作状況を把握しつつ顧客の操作をサポートすることができる。
【0039】
なお、上記実施形態の窓口業務システムでは、顧客の認証処理として、指静脈を用いた認証処理を行う構成であるが、カード処理部103に挿入される磁気カードやICカードなどを用いた認証処理を行うように構成してもよい。また、顧客の認証処理そのものを省略してもよい。
【0040】
また、上記実施形態の窓口業務システムでは、顧客の操作により紙幣入出金部211(又は硬貨入出金部212)のシャッタ開閉が行われる構成であるが、現金処理機210の現金計数処理が終了すると、紙幣入出金部211(又は硬貨入出金部212)のシャッタが自動的に開くように構成してもよい。また、テラーによるタッチパネル付ディスプレイ202の操作などで紙幣入出金部211(又は硬貨入出金部212)のシャッタが開くように構成してもよい。
【0041】
また、上記実施形態の窓口業務システムでは、シャッタ開閉時や手挿入時などにおいて、顧客カメラ203及び手元カメラ215にそれぞれ撮影された各画像が記憶装置109に記憶される構成であるが、シャッタ開閉時や手挿入時などにおいて、顧客カメラ203及び手元カメラ215にそれぞれ撮影された各動画像が記憶装置109に記憶されるように構成してもよい。
【0042】
また、上記実施形態の窓口業務システムでは、1台の現金処理機210の動作制御を窓口端末101が行う構成であるが、複数台の現金処理機210のそれぞれの動作制御を窓口端末101が行うように構成してもよい。
【0043】
また、上記実施形態の窓口業務システムは、顧客が現金処理機210から現金を抜き取る構成であるが、顧客から現金処理機210へ現金を挿入する場合にも適用可能である。
【符号の説明】
【0044】
100 テラー側
101 窓口端末
102 ハンドスキャナ
103 カード処理部
104 通帳処理部
105 タッチパネル付ディスプレイ
106 キーボード
107 制御部
108 通信制御部
109 記憶装置
200 顧客側
201 指静脈リーダ
202 タッチパネル付ディスプレイ
203 顧客カメラ
210 現金処理機
211 紙幣入出金部
212 硬貨入出金部
213 紙幣フリッカランプ
214 硬貨フリッカランプ
215 手元カメラ
216 手挿入検知センサ
217 現金検知センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テラー側に設けられ、記憶手段を備える窓口端末と、
顧客側に設けられる現金処理機と、
前記顧客を撮影する撮影手段と、
を備え、
前記窓口端末は、前記顧客により前記現金処理機から現金が抜き取られる際、又は、前記顧客により前記現金処理機に現金が挿入される際、前記現金処理機の動作を示すデータと、前記撮影手段により撮影された画像とを関連付けて前記記憶手段に記憶する
ことを特徴とする窓口業務システム。
【請求項2】
請求項1に記載の窓口業務システムであって、
前記撮影手段は、前記顧客の顔を撮影する第1のカメラと、前記顧客の手元を撮影する第2のカメラとにより構成され、
前記窓口端末は、前記顧客により前記現金処理機から現金が抜き取られる際、又は、前記顧客により前記現金処理機に現金が挿入される際、前記現金処理機の動作を示すデータと、前記第1のカメラにより撮影された第1の画像と、前記第2のカメラにより撮影された第2の画像とを関連付けて前記記憶手段に記憶する
ことを特徴とする窓口業務システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の窓口業務システムであって、
前記現金処理機は、前記顧客の手が挿入されたことを検知する手挿入検知センサを備え、
前記窓口端末は、前記顧客により前記現金処理機から現金が抜き取られる際、又は、前記顧客により前記現金処理機に現金が挿入される際、前記現金処理機の動作を示すデータと、前記撮影手段により撮影された画像と、前記手挿入検知センサの検知結果とを関連付けて前記記憶手段に記憶する
ことを特徴とする窓口業務システム。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の窓口業務システムであって、
前記現金処理機は、現金を検知する現金検知センサを備え、
前記窓口端末は、前記顧客により前記現金処理機から現金が抜き取られる際、又は、前記顧客により前記現金処理機に現金が挿入される際、前記現金処理機の動作を示すデータと、前記撮影手段により撮影された画像と、前記現金検知センサの検知結果とを関連付けて前記記憶手段に記憶する
ことを特徴とする窓口業務システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の窓口業務システムであって、
前記顧客側に設けられ、前記現金処理機のシャッタの開閉動作を操作する操作手段を備える
ことを特徴とする窓口業務システム。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の窓口業務システムであって、
前記顧客側に設けられ、前記顧客による前記現金処理機の操作状況に応じた操作案内を表示する顧客側表示手段を備える
ことを特徴とする窓口業務システム。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の窓口業務システムであって、
前記テラー側に設けられ、前記顧客による前記現金処理機の操作状況を表示するテラー側表示手段を備える
ことを特徴とする窓口業務システム。

【図3】
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【図4】
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【図8】
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【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−128856(P2011−128856A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286329(P2009−286329)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】