説明

窓枠体

【課題】良好に組み付けることができる窓枠体を提供する。
【解決手段】窓枠体は、上下方向及び奥行き方向に拡がる表裏面を有する板状の一対の縦枠材1と、左右方向及び奥行き方向に拡がる表裏面を有する板状の一対の横枠材2と、四隅に位置し、奥行き方向に延び、縦枠材1及び横枠材2の隣り合う各端部を連結する連結材3とを備えている。連結材3は、奥行き方向に沿って二列に並んで形成され、上下方向に延びる第1内壁31A及び第1外壁31Bと、その間に形成された第1挿入空間31Cとを有する第1連結部31と、奥行き方向に沿って二列に並んで形成され、左右方向に延びる第2内壁32A及び第2外壁32Bと、その間に形成された第2挿入空間32Cとを有する第2連結部32とを具備している。第1挿入空間31Cには、縦枠材1の上端部又は下端部が挿入され、第2挿入空間32Cには、横枠材2の左端部又は右端部が挿入されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は窓枠体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来の窓枠体が開示されている。この窓枠体は、左右に離れて位置し、上下方向及び奥行き方向に拡がる表裏面を有する板状の一対の縦枠材と、上下に離れて位置し、左右方向及び奥行き方向に拡がる表裏面を有する板状の一対の横枠材と、四隅に位置し、奥行き方向に延び、縦枠材及び横枠材の隣り合う各端部を連結する連結材とを備えている。縦枠材には上下方向に貫通する複数の空洞部が形成されている。横枠材には左右方向に貫通する複数の空洞部が形成されている。連結材は奥行き方向に延びる四角柱状の軸部を有している。連結材の軸部には、直交する2面から複数の挿入片が直角方向に延びて形成されている。各挿入片は、等間隔に一列に整列し、縦枠材及び横枠材の夫々の空洞部に挿入される。この窓枠体は、直交する2方向に延びた各挿入片に対し、縦枠材及び横枠材の空洞部を挿入することにより、縦枠材と横枠材とを直交状態に連結することができ、容易に方形に組み付けることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2002−194953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の窓枠体では、各挿入片が薄肉であり、奥行き方向に一列に整列されているのみであるため、縦枠材及び横枠材に力が加わると、2方向に延びた各挿入片間の角度が変形してしまったり、挿入片が折れてしまったりする虞がある。この場合、窓枠体を良好に組み付けることができない。
【0005】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、良好に組み付けることができる窓枠体を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の窓枠体は、左右に離れて位置し、上下方向及び奥行き方向に拡がる表裏面を有する板状の一対の縦枠材と、
上下に離れて位置し、左右方向及び奥行き方向に拡がる表裏面を有する板状の一対の横枠材と、
四隅に位置し、奥行き方向に延び、縦枠材及び横枠材の隣り合う各端部を連結する連結材とを備えた窓枠体において、
前記連結材は、奥行き方向に沿って二列に並んで形成され、上下方向に延びる第1内壁及び第1外壁と、その間に形成された第1挿入空間とを有する第1連結部と、
奥行き方向に沿って二列に並んで形成され、左右方向に延びる第2内壁及び第2外壁と、その間に形成された第2挿入空間とを有する第2連結部とを設け、
前記第1挿入空間には、前記縦枠材の上端部又は下端部が挿入され、前記第2挿入空間には、前記横枠材の左端部又は右端部が挿入されていることを特徴とする。
【0007】
この窓枠体では、縦枠材の上端部又は下端部は、第1挿入空間に挿入され、二列に並んだ第1内壁及び第1外壁によって強固に保持される。また、横枠材の左端部又は右端部は、第2挿入空間に挿入され、二列に並んだ第2内壁及び第2外壁によって強固に保持される。第1内壁及び第1外壁と、第2内壁及び第2外壁とは二列に並んで形成されているため、外力に対して変形したり、折れたりし難い構造となっている。このため、縦枠材及び横枠材に力が加わっても、窓枠体の外形状が歪んでしまうことを防止することができる。
【0008】
したがって、本発明の窓枠体は良好に組み付けることができる。
【0009】
前記連結材は、前記第1連結部と前記第2連結部とを接続する中間部を備え、前記縦枠材及び前記横枠材の隣り合う各端部を隔離して連結しており、
前記縦枠材の端部及び前記横枠材の端部との間に内向きに開口し、奥行き方向に延びる充填口が形成され、充填口に連通し、前記中間部、縦枠材の端部及び横枠材の端部により囲まれ、奥行き方向に延びて形成された充填空間にコーキング剤が充填され得る。
【0010】
この場合、縦枠材及び横枠材の隣り合う各端部の間に形成された充填口からコーキング剤を充填空間に容易に充填することができる。また、充填空間にコーキング剤を充填することにより、確実に止水することができる。
【0011】
前記縦枠材の上下端部及び前記横枠材の左右端部には、縦枠材の上下端面及び横枠材の左右端面に開口する空洞部と、空洞部より表面側の前板部と、空洞部より裏面側の後板部とが形成され、
前記空洞部は前記第1内壁又は前記第2内壁を挿入し、前記後板部は前記第1挿入空間又は前記第2挿入空間に挿入され得る。
【0012】
この場合、第1連結部の第1内壁は縦枠材の空洞部に挿入され、第2連結部の第2内壁は横枠材の空洞部に挿入されるため、第1連結部を縦枠材の表面側に露出させず、かつ、第2連結部を横枠材の表面側に露出させずに窓枠体を組み付けることができる。このため、縦枠材及び横枠材と、連結材との連結部分をすっきりとした形態にすることができる。
【0013】
前記連結材の中間部には、前記前板部の端面との間でパッキンを挟持する挟持面が形成され得る。この場合、連結材と、縦枠材及び横枠材との連結部分をコーキング剤のみでなくパッキンにより止水することができる。このため、2重に止水することができ、止水性能を向上させることができる。
【0014】
前記空洞部は、前記縦枠材の上下方向及び前記横枠材の左右方向に貫通して形成され得る。このように、縦枠材及び横枠材を中空枠材にすることにより、軽量化を図ることができる。このため、窓枠体の組み付け作業を容易に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の窓枠体を具体化した実施例1〜4を図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0016】
実施例1の窓枠体は、図1に示すように、一対の縦枠材1、一対の横枠材2及び4つの連結材3を備えている。一対の縦枠材1は、左右に離れて位置し、上下方向及び奥行き方向に広がる表面1F及び裏面1Bを有している。一対の横枠材2は、上下に離れて位置し、左右方向及び奥行き方向に広がる表面2F及び裏面2Bを有している。4つの連結材3は、四隅に位置し、奥行き方向に延び、縦枠材1及び横枠材2の隣り合う各端部を連結する。連結材3により縦枠材1、横枠材2を連結し、組み付けられた窓枠体は、図示しない建築物の外壁部及びユニットバスの内壁部の各窓開口に嵌め込まれる。
【0017】
縦枠材1及び横枠材2の手前側端部には、先端部が奥側に折れ曲がった鉤状のフランジ部1C、2Cが一体に形成されている。連結材3の手前側端部には、外側の2辺が手前側に折れ曲がった矩形状の連結片3Aが一体に形成されている。フランジ部1C、2C及び連結片3Aは、窓枠体が建築物の外壁部及びユニットバスの内壁部の各窓開口に嵌め込まれた際、内壁部の窓開口の周縁部に係止する。フランジ部1C、2C及び連結片3Aの手前側の表面には、図示しないカバー材が取り付けられる。
【0018】
縦枠材1及び横枠材2は押出成形品である。図2及び図3に示すように、縦枠材1の上下端面には、奥行き方向に長い複数個の矩形状の開口10が等間隔に設けられている。開口10は、縦枠材1を上下方向に貫通する四角柱形状の空洞部11に連通している。横枠材2の左右端面には、奥行き方向に長い複数個の矩形状の開口20が等間隔に設けられている。開口20は、横枠材2の左右方向に貫通する四角柱形状の空洞部21に連通している。縦枠材1及び横枠材2は、表面側の前板部12、22と、裏面側の後板部13、23とを有している。このように、中空枠材である縦枠材1及び横枠材2は、軽量化が図られ、窓枠体の組み付け作業を容易に行なうことができる。
【0019】
連結材3は、縦枠材1の上下端部を連結する第1連結部31と、横枠材2の左右端部を連結する第2連結部32と、第1連結部31と第2連結部32とを接続する中間部33とを備えている。
【0020】
第1連結部31は、奥行き方向に沿って二列に並んで形成され、上下方向に延びる第1内壁31A及び第1外壁31Bと、その間に形成された第1挿入空間31Cとを有している。第1内壁31A及び第1外壁31Bは、上下の一端を連結する連結端部31Dを有し、他端は開放されている。第1内壁31Aは、縦枠材1に設けられた開口10の奥行き寸法よりも小さい幅を有する矩形の薄板状に形成されている。複数個の第1内壁31Aが、開口10の配置に合わせて、一直線上に等間隔を有して配置されている。第1外壁31Bは、奥行き方向に連続した矩形の薄板状に形成されている。第1外壁31Bの背面には、第1内壁31Aに対応する位置に円柱状の台座部が突出して形成され、その中央にビス孔31Hが貫設されている。
【0021】
第2連結部32は、奥行き方向に沿って二列に並んで形成され、左右方向に延びる第2内壁32A及び第2外壁32Bと、その間に形成された第2挿入空間32Cとを有している。第2内壁32A及び第2外壁32Bは、左右の一端を連結する連結端部32Dを有し、他端は開放されている。第2内壁32Aは、横枠材2に設けられた開口20の奥行き寸法よりも小さい幅を有する矩形の薄板状に形成されている。複数個の第2内壁32Aが、開口20の配置に合わせて、一直線上に等間隔を有して配置されている。第2外壁32Bは、奥行き方向に連続した矩形の薄板状に形成されている。第2外壁32Bの背面には、第2内壁32Aに対応する位置に円柱状の台座部が突出して形成され、その中央にビス孔32Hが貫設されている。
【0022】
中間部33は、第1連結部31の連結端部31Dと、第2連結部の連結端部32Dとを接続している。また、中間部33は、第1挿入空間31Cと第2挿入空間32Cとが直交する位置関係となるように、第1連結部31及び第2連結部32を接続している。
【0023】
中間部33は、左右方向及び上下方向に屈曲され2段の階段状に形成されている。第1連結部31の直近に設けられた段部の水平面33Hは、縦枠材1の前板部12の端面との間でパッキンPを挟持する挟持面とされている。また、第2連結部32の直近に設けられた段部の垂直面33Vは、横枠材2の前板部22の端面との間でパッキンPを挟持する挟持面とされている。
【0024】
このように形成された縦枠材1及び横枠材2と、連結材3とは以下のように組み付けられる。
【0025】
先ず、連結材3に形成されたパッキンPの挟持面である水平面33H及び垂直面33VにパッキンPを貼り付ける。その後、縦枠材1又は横枠材2を順次、連結材3に連結する。縦枠材1及び横枠材2を連結材3に連結する順番は任意である。パッキンPは水平面33H及び垂直面33Vに貼り付けなくても水平面33Hと縦枠材1との間、垂直面33Vと横枠材2との間で挟むだけでもよい。また、パッキンPを第1内壁31Aや第2内壁32Aに引っ掛けるようにしてもよい。
【0026】
縦枠材1を連結材3に連結する際には、縦枠材1の開口10から空洞部11内に第1内壁31Aを挿入すると共に、縦枠材1の後板部13を第1挿入空間31Cに挿入する。後板部13の端面が連結端部31Dに当接するまで挿入した後、第1外壁31Bに貫設されたビス孔31HからビスBを挿入し、縦枠材1の後板部13及び第1内壁31Aにねじ込み固定する。
【0027】
また、横枠材2を連結材3に連結する際には、横枠材2の開口20から空洞部21内に第2内壁32Aを挿入すると共に、横枠材2の後板部23を第2挿入空間32Cに挿入する。後板部23の端面が連結端部32Dに当接するまで挿入した後、第2外壁32Bに貫設されたビス孔32HからビスBを挿入し、横枠材2の後板部23及び第2内壁32Aにねじ込み固定する。
【0028】
このようにして縦枠材1及び横枠材2を連結材3に連結すると、縦枠材1の上端部又は下端部は、後板部13が第1挿入空間31Cに挿入され、二列に並んだ第1内壁31A及び第1外壁31Bによって強固に保持される。また、横枠材2の左端部又は右端部は、後板部23が第2挿入空間32Cに挿入され、二列に並んだ第2内壁32A及び第2外壁32Bによって強固に保持される。第1内壁31A及び第1外壁31Bと、第2内壁32A及び第2外壁32Bとは二列に並んで形成されているため、外力に対して変形したり、折れたりし難い構造となっている。このため、縦枠材1及び横枠材2に力が加わっても、窓枠体の外形状が歪んでしまうことを防止することができる。
【0029】
したがって、実施例1の窓枠体は良好に組み付けることができる。
【0030】
また、第1連結部31の第1内壁31Aは縦枠材1の空洞部11に挿入され、第2連結部32の第2内壁32Aは横枠材2の空洞部21に挿入されるため、第1連結部31を縦枠材1の表面1F側に露出させず、第2連結部32を横枠材2の表面2F側露出させずに窓枠体を組み付けることができる。このため、縦枠材1及び横枠材2と、連結材3との連結部分をすっきりとした形態にすることができる。また、縦枠材1の前板部12の端面と連結材3の水平面33Hとの間及び横枠材2の前板部22の端面と連結材3の垂直面33Vとの間でパッキンPを確実に挟持することができる。このため、これらの部分で止水を行なうことができる。また、縦枠材1の裏面1B側及び横枠材2の裏面2B側からビスBをねじ込むことができるため、縦枠材1及び横枠材2を連結材3に容易に連結することができ、組み付け作業を容易に行なうことができる。
【0031】
縦枠材1及び横枠材2を連結材3に連結すると、縦枠材1の端部と横枠材2の端部とは隔離して連結され、内向きに開口し、奥行き方向に延びる充填口Jが形成される。また、充填口Jに連通し、連結材3の中間部33と、縦枠材1の端部と、横枠材2の端部とにより囲まれ、奥行き方向に延びる充填空間Sが形成される。充填空間Sには、窓枠体が建築物の外壁部及びユニットバスの内壁部の各窓開口に嵌め込まれた後、充填口Jからコーキング剤としてのシリコンQが注入され、止水される。このように、充填口JからシリコンQを充填空間Sに容易に充填することができる。また、充填空間SにシリコンQを充填することにより確実に止水をすることができる。さらに、縦枠材1の前板部12の端面と連結材3の水平面33Hとの間及び横枠材2の前板部22の端面と連結材3の垂直面33Vとの間をパッキンPで止水しているため、2重に止水することができ、止水性能を向上させることができる。
【実施例2】
【0032】
実施例2の窓枠体は、図4に示すように、連結材3の中間部34の構成を上記実施例1とは異なる形状としたものである。その他の構成については、上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0033】
実施例2の連結材3の中間部34は、水平方向及び垂直方向に屈曲され1段の階段状に形成されている。つまり、一つの段部が形成されており、段部の水平面33H及び垂直面33Vは、縦枠材1の前板部12の端面及び横枠材1の前板部22との間にパッキンPを挟持する挟持面とされている。
【0034】
このように形成された連結材3を利用し、縦枠材1及び横枠材2を連結すると、縦枠材1の前板部12の端部に連続するパッキンPと、横枠材2の前板部22の端部に連続するパッキンPとによりコーナー部Kが形成される。形成されたコーナー部KにシリコンQを塗布し、止水する。これにより、パッキンPと2重に止水することができ、止水性能を向上させることができる。
【0035】
また、実施例2の窓枠体も、縦枠材1の上端部又は下端部は、後板部13が第1挿入空間31Cに挿入され、二列に並んだ第1内壁31A及び第1外壁31Bによって強固に保持される。また、横枠材2の左端部又は右端部は、後板部23が第2挿入空間32Cに挿入され、二列に並んだ第2内壁32A及び第2外壁32Bによって強固に保持される。第1内壁31A及び第1外壁31Bと、第2内壁32A及び第2外壁32Bとは二列に並んで形成されているため、外力に対して変形したり、折れたりし難い構造となっている。このため、縦枠材1及び横枠材2に力が加わっても、窓枠体の外形状が歪んでしまうことを防止することができる。
【0036】
したがって、実施例2の窓枠体も良好に組み付けることができる。
【実施例3】
【0037】
実施例3の窓枠体は、図5に示すように、縦枠材1及び横枠材2の構成を上記実施例1とは異なる形状としたものである。その他の構成については、上記実施例1と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0038】
実施例3の縦枠材1及び横枠材2は中実の板状体である。縦枠材1において、空洞部15の上下長さは、第1内壁31Aの上下長さよりもわずかに長く形成されている。また、空洞部15の左右幅は、挿入される第1内壁31Aの厚さよりもわずかに広く形成されている。横枠材2において、空洞部25の左右長さは、第2内壁32Aの左右長さよりもわずかに長く形成されている。また、空洞部25の上下幅は、挿入される第2内壁32Aの厚さよりもわずかに広く形成されている。
【0039】
このように形成された縦枠材1及び横枠材2を連結材3に連結すると、第1内壁31Aが空洞部15との間に隙間の少ない状態で挿入され、後板部13が第1挿入空間31Cとの間に隙間の少ない状態で挿入される。このため、縦枠材1を連結材3に強固に連結することができる。また、第2内壁32Aが空洞部25との間に隙間の少ない状態で挿入され、後板部23が第2挿入空間32Cとの間に隙間の少ない状態で挿入される。このため、横枠材2を連結材3に強固に連結することができる。また、第1内壁31A及び第1外壁31Bと、第2内壁32A及び第2外壁32Bとは二列に並んで形成されているため、外力に対して変形したり、折れたりし難い構造となっている。このため、縦枠材1及び横枠材2に力が加わっても、窓枠体の外形状が歪んでしまうことを防止することができる。
【0040】
したがって、実施例3の窓枠体も良好に組み付けることができる。
【実施例4】
【0041】
実施例4の窓枠体は、図6に示すように、縦枠材1及び横枠材2の構成を上記実施例2とは異なる形状とし、実施例3と同様の形状としたものである。実施例2及び3と同じ構成については、同一符号を付し、構造、作用及び効果の説明は省略する。
【0042】
実施例4の縦枠材1及び横枠材2では、縦枠材1の上下端部のみに空洞部15を形成し、横枠材2の左右端部のみに空洞部25を形成している。また、シリコンQを充填する充填空間を形成していない。このため、縦枠材1及び横枠材2の厚さを薄くすることができるため、軽量化が図られ、窓枠体の組み付け作業を容易に行なうことができる。
【0043】
また、第1内壁31Aが空洞部15との間に隙間の少ない状態で挿入され、後板部13が第1挿入空間31Cとの間に隙間の少ない状態で挿入される。このため、縦枠材1を連結材3に強固に連結することができる。また、第2内壁32Aが空洞部25との間に隙間の少ない状態で挿入され、後板部23が第2挿入空間32Cとの間に隙間の少ない状態で挿入される。このため、横枠材2を連結材3に強固に連結することができる。また、第1内壁31A及び第1外壁31Bと、第2内壁32A及び第2外壁32Bとは二列に並んで形成されているため、外力に対して変形したり、折れたりし難い構造となっている。このため、縦枠材1及び横枠材2に力が加わっても、窓枠体の外形状が歪んでしまうことを防止することができる。
【0044】
したがって、実施例4の窓枠体も良好に組み付けることができる。
【0045】
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例1〜4に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例1〜4では、縦枠材及び横枠材には、端面に複数の開口が設けられ、開口に連通する空洞部が形成され、各開口から空洞部内に連結材の第1内壁が挿入されているが、縦枠材及び横枠材の奥行き方向の略全域に延びる一つの開口を設け、その開口と同じ断面積を有する空洞部を形成してもよい。この場合、連結材の第1内壁及び第2内壁を奥行き方向に延びる一つの薄板状に形成してもよい。
(2)上記実施例1〜4では、縦枠材及び横枠材が空洞部を有しているが、縦枠材及び横枠材は空洞部を有さなくてもよい。この場合、縦枠材及び横枠材の端部の全体を第1挿入空間又は第2挿入空間に挿入して窓枠体を組み付けるとよい。
(3)上記実施例1〜4では、縦枠材及び横枠材の前板部の端面と連結材の挟持面との間でパッキンを挟持しているが、パッキンを挟持せず、コーキング剤のみで止水をしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】実施例1の窓枠材の分解斜視図である。
【図2】実施例1の窓枠材の要部を示す斜視図である。
【図3】実施例1の窓枠材の要部断面図である。
【図4】実施例2の窓枠材の要部断面図である。
【図5】実施例3の窓枠材の要部断面図である。
【図6】実施例4の窓枠材の要部断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1…縦枠材
2…横枠材
1F、2F…表面
1B、2B…裏面
11、21…空洞部
12、22…前板部
13、23…後板部
3…連結材
31…第1連結部
31A…第1内壁
31B…第1外壁
31C…第1挿入空間
32…第2連結部
32A…第2内壁
32B…第2外壁
32C…第2挿入空間
33…中間部
33H、33V…挟持面(33H…水平面、33V…垂直面)
J…充填口
S…充填空間
Q…シリコン(コーキング剤)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に離れて位置し、上下方向及び奥行き方向に拡がる表裏面を有する板状の一対の縦枠材と、
上下に離れて位置し、左右方向及び奥行き方向に拡がる表裏面を有する板状の一対の横枠材と、
四隅に位置し、奥行き方向に延び、前記縦枠材及び前記横枠材の隣り合う各端部を連結する連結材とを備えた窓枠体において、
前記連結材は、奥行き方向に沿って二列に並んで形成され、上下方向に延びる第1内壁及び第1外壁と、その間に形成された第1挿入空間とを有する第1連結部と、
奥行き方向に沿って二列に並んで形成され、左右方向に延びる第2内壁及び第2外壁と、その間に形成された第2挿入空間とを有する第2連結部とを具備し、
前記第1挿入空間には、前記縦枠材の上端部又は下端部が挿入され、前記第2挿入空間には、前記横枠材の左端部又は右端部が挿入されていることを特徴とする窓枠体。
【請求項2】
前記連結材は、前記第1連結部と前記第2連結部とを接続する中間部を備え、前記縦枠材及び前記横枠材の隣り合う各端部を隔離して連結しており、
前記縦枠材の端部及び前記横枠材の端部との間に内向きに開口し、奥行き方向に延びる充填口が形成され、充填口に連通し、前記中間部、縦枠材の端部及び横枠材の端部により囲まれ、奥行き方向に延びて形成された充填空間にコーキング剤が充填されていることを特徴とする請求項1記載の窓枠体。
【請求項3】
前記縦枠材の上下端部及び前記横枠材の左右端部には、縦枠材の上下端面及び横枠材の左右端面に開口する空洞部と、空洞部より表面側の前板部と、空洞部より裏面側の後板部とが形成され、
前記空洞部は前記第1内壁又は前記第2内壁を挿入し、前記後板部は前記第1挿入空間又は前記第2挿入空間に挿入されていることを特徴とする請求項1又は2記載の窓枠体。
【請求項4】
前記連結材の中間部には、前記前板部の端面との間でパッキンを挟持する挟持面が形成されていることを特徴とする請求項3記載の窓枠体。
【請求項5】
前記空洞部は、前記縦枠材の上下方向及び前記横枠材の左右方向に貫通して形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の窓枠体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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