説明

立体形成用シート及びそれを用いた作成物並びにその作成方法

【課題】合成繊維により不織されたシート基体の表面にコーティング剤をコーティングした立体形成用シートと、立体形成用シートにプリントした模様等を凸状の立体画像とする作成物並びにその作成方法を提供する。
【解決手段】ポリエステル繊維を高密度に不織したシート基体2の表面に、伸長可能で親和性に優れたコーティング剤3をコーティングして立体形成用シート1を構成し、その表面に模様等をプリントすることで、優れたプリント用インク5の定着性が得られる。さらに、シート基体2の裏面から押圧して立体画像2dを形成し、立体画像2dの裏面には塑性物7が詰め込むと共に、シート基体2の裏面に裏打ち板6を固定した立体物12を作成できる。立体物12は立体形状を維持し続けることができ、バッグなどの製品へ適用することができ、また、立体物12の作成方法を教授すれば個人でも容易に作成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面にプリントされた画像を立体的に形成することが可能な立体形成用シートに係り、詳しくはプリントされたシートを裏面から押圧することにより立体的な画像を形成し得るシート、及び立体形成用シートを用いた飾り物、バッグ等の作成物、並びにカルチャースクール等で教えるために立体形成用シートを用いて立体画像を作成する作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、プリントされた写真、絵又は模様等に沿って立体画像を形成することができる紙片やパルプが案出されている(非特許文献1参照)。
【0003】
これら紙片等は、縦横方向に伸長可能であり、表面にプリントされた画像等に沿って紙裏面から押圧することにより、凸状に浮き出された立体画像が形成される。
【0004】
【非特許文献1】実用新案登録第3100459号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記紙片等では、紙表面にインク顔料が直接塗布されているので、顔料の色彩を綺麗に発色することができず、また紙表面の凹凸により画像等の輪郭線が不鮮明であり、高い品質のプリント画像を得ることは困難であった。
【0006】
また、プリントされた画像等を立体画像として形成する際にはプリントインクが紙面と共に伸長するので、インク表面が割れて模様等の輪郭がぼやけてしまう欠点があった。さらに、紙片等は水に弱く破れ易いので、これを用いた用途は限られていた。
【0007】
従って、従来の立体形成用シートでは、迫力のある精度の高い立体画像を形成することはできず、綺麗で耐久性のある立体画像を容易に形成することができる立体形成用シートが望まれている。
【0008】
そこで、本発明は、プリント後に立体図形を形成しても初期のプリント品質を維持して、精度の高いかつ耐久性のある立体画像を形成することが可能となる立体形成用シートの提供、及び立体形成用シートを用いて壁等へ掛けて楽しむことができる飾り物、立体形成用シートを用いて装飾されたバッグ等の作成物の提供、並びに立体形成用シートの作成方法をカルチャースクールや作成教室等にて教授するための作成方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、請求項1に係る本発明は、合成繊維(2a)を不織してシート状に成型したシート基体(2)と、
前記合成繊維に付着され、プリント用インク(5)との親和性の高いコーティング剤(3)と、からなり、
表面にプリントされると共に、押圧作用に基づき前記プリントされた表面を凸状に塑性変形し得る、
ことを特徴とする立体形成用シート(1)にある。
【0010】
請求項2に係る本発明は、前記合成繊維(2a)は、ポリエステル長繊維であり、
前記コーティング剤(3)は、ウレタン樹脂を含有し、
前記表面にインクジェットプリンタによりプリント(5)し得る、
請求項1記載の立体形成用シート(1)にある。
【0011】
請求項3に係る本発明は、請求項1又は2記載の立体形成用シート(1)を、プリントされた表面の反対面から押圧して、前記表面にそのプリントされた画像が凸状に浮き出るような立体画像(2d)を形成し、
該立体形成用シートの反対面である裏面(2c)の凹部(2e)に、粘土等の可塑物(7)を詰め込むと共に、該裏面に裏打ち板(6)を固定し、
前記立体形成用シートに熱を加えることにより、該シートが収縮して前記立体画像裏面を前記可塑物に密着してなる、
ことを特徴とする作成物(12)にある。
【0012】
請求項4に係る本発明は、請求項3記載の作成物(12)により、少なくともその一面が形成されてなる、バッグ(B)にある。
【0013】
請求項5に係る本発明は、合成繊維を高密度に不織してシート状に成型したシート基体(2)に、プリント用インク(5)との親和性の高いコーティング剤(3)をコーティングしてなる立体形成用シート(1)の表面に、プリントする工程と、
該プリントされた立体形成用のシートを、その裏面側から押圧して、前記プリントされた画像が表面に凸状に浮き出るように立体画像(2d)を形成する工程と、
前記立体画像が形成された前記立体形成用シートの裏面の凹部(2e)に、粘土等の可塑物(7)を詰め込む工程と、
前記立体形成用シートに熱を加えて、該シートのシワを伸ばすと共に、前記立体画像の裏面を前記可塑物に密着する工程と、
前記可塑物を詰め込んだ前記立体形成用シートの裏面に、裏打ち板(6)を固定する工程と、
を備えることを特徴とする立体画像作成方法にある。
【0014】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲の記載に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る本発明によると、合成繊維シートにプリントとの親和性の高いコーティング剤が塗布されているので、繊維の表面が平滑されてプリントに好適な面を得ることができる。また、合成繊維が不織してシートを形成しているので、互いに絡み合っている繊維の一部が解けてシートが容易に伸長し得、かつ該伸長状態に維持され、さらに繊維自体にコーティング剤が付着されているため、シートが伸長しても、プリントの精度が低下することがない。これにより、シート裏面から押圧することにより、容易にシートを塑性変形し、かつインク割れ等を生じることのない綺麗なプリントを維持して、精度の高い立体画像を形成することが可能であり、かつ該立体形成用シートは、合成繊維からなるので、水等に対して強く、充分な耐久性を有している。
【0016】
請求項2に係る本発明によると、合成繊維の材料としてポリエステル繊維を用いるので、ポリエステル繊維自体の性能(摩擦に強く、皺がよりにくく、かつ耐熱性、耐候性が高く、水に対して強い等)に加えて、長繊維からなるので、押圧により容易に伸長してその状態を維持し(可塑性が高い)、容易に精度の高い立体画像を形成することができる。また、コーティング剤としてウレタン樹脂を含むので、耐久性が良好でかつポリエステル繊維との密着性がよく、またインクジェットプリンタのインクとの固着性及び発色もよく、耐水性にも優れている。さらに、本立体形成用シートに、インクジェットプリンタを用いてプリントすることにより、個人によっても立体形成用シートによる立体画像の作成を楽しむことができる。
【0017】
請求項3に係る本発明によると、立体形成された裏面凹部に粘土等の可塑物を詰め込んで、立体形成用シートに熱を加えることにより、合成繊維からなるシートが熱収縮して、シートが可塑物に強固に密着されて立体形状を維持することができ、精度の高い立体画像作成物を得ることができる。
【0018】
請求項4に係る本発明によると、立体形成用シートによる立体画像作成物を用いてバッグの面を装飾するので、個人の多様な趣向に合った好みのデザインのバッグを作成することができる。
【0019】
請求項5に係る本発明によると、立体形成用シートは各工程に従って容易に作成することができるので、カルチャースクールや作成教室において、広く個人や団体に教授することができると共に、作成方法を習得した個人は気軽に立体形成用シートや作成物の作成を楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。図1ないし図3において、1は、本発明に係る立体画像が形成された立体形成用シートである。立体形成用シート1は、合成繊維の繊維(長繊維又は短繊維)を不織してシート状に成型したシート基体2と、該繊維に付着したコーティング剤3とからなる。そして、該シート1の表面には、インクジェットプリンタ等により画像をプリントして、シート表面側に凸となる立体画像を形成できる。
【0021】
前記シート基体2は、巻縮したポリエステル合成繊維を不織してシート状に形成されたものが最適であり、該シートは、主に産業資材用、生活関連資材用、医療衛生資材用として市販されているが、インクジェットプリンタ等によりプリントすることはできない。
【0022】
ポリエステル合成繊維の不織シートは、摩擦に強く、皺がよりにくく、また、耐熱性、耐候性耐水性に優れると共に、シートを伸長すると伸長後の形態を維持する可塑性を有している。
【0023】
ここで、ポリエステル合成繊維とは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、これらポリマーの変性ポリマー等のホモポリマー及びコポリマーからなる繊維であるが、本シート基体2では、繊維長2mm〜20mmの長さの長繊維2aを使用している。繊維長を2mm以下の長さでは伸長性に劣り、後述する立体形成の際に繊維どうしの絡合が解かれてシート基体が破断し易くなり、また20mm以上とすると可塑性に劣り、シートに形成された立体形状を維持することが困難となるので、上記範囲長さの長繊維2aを使用することが好ましい。
【0024】
なお、シート基体2はポリエステル合成繊維の他に、ポリプロピレン繊維やナイロン繊維を代表とする複合合成繊維を用いることができ、また、これら複合合成繊維とパルプの混紡繊維を不織して用いても可塑性が得られる。
【0025】
本シート基体2は、加熱、加圧処理により、厚さ0.1mm〜1.0mmの範囲で、坪量50g〜200g/平方メートルの範囲内の密度を有しており、シート基体2の裏面から押圧して容易に塑性変形することができると共に、変形後の形状を維持できる。
【0026】
シート基体2の表面2bは、表面繊維2aの起毛により、或いは繊維間の隙間によって凹凸が生じており、該表面2bに直接プリントするには適さないので、コーティング剤3によって表面処理をしている。
【0027】
図2および図3は立体形成用シート1の断面図と合成繊維間へコーティング剤が浸透した状態を示す図であるが、コーティング剤3には、熱可塑性樹脂である水性ウレタン樹脂を基材とするコーティング剤を用いている。
【0028】
水性ウレタン樹脂は、ポリカーボネート系またはポリエステル系ポリオールと脂肪族系イソシアネートを原料とする自己乳化タイプのウレタン樹脂であり、可塑性、耐久性と共に対象物との親和性に優れており、また、インク色の発色が鮮やかなので、塗装下地や顔料と混ぜて塗料としても用いられている樹脂材料である。
【0029】
本コーティング剤3には、例えば、大日本インキ化学工業株式会社により市販される商標名「パテラコール」を使用することができる。
【0030】
シート基体2の表面2bに塗布したウレタン樹脂は、繊維2a間へ浸透しながら表層の繊維に付着して、シート基体2の表面を覆っている。また、コーティング剤3の上面となるプリント面3bは、ウレタンの樹脂結合により平滑な面となっており、プリント用インクとの親和性に優れている。
【0031】
すなわち、図3に示すとおり、コーティング剤3は、シート基体2の表面層2bにあり、表面の繊維に付着してコーティング層を形成すると共に、シート基体2中へ浸透している。また、コーティング剤3の表面では、コーティング剤とプリントされたインク5とが混ざり合っており、インク5はコーティング剤3を介して繊維2aと一体となって立体形成用シート1を形成している。
【0032】
なお、コーティング剤3はウレタン樹脂の他に、アクリル樹脂、ラテックスなどの樹脂やプロテインパウダーを使用することができ、適宜にいずれかの樹脂材料を選択することができる。
【0033】
コーティング剤3のプリント面3bにプリントする写真、絵または図形等の画像等は、個人によって容易に入手できるインクジェットプリンタを用いてプリントすることができる。画像等は、図示しないパソコン等の処理装置を用いて取り込んだ後に、適宜に色彩や大きさなどに修正を加えて、あるいは好みの図形を作成してパソコンに接続したインクジェットプリンタに出力することで、コーティング剤3の表面にプリントできる。
【0034】
図2に示すプリント用インク5では、色彩を有するカラーインクを、コーティング剤3の面3bに連続してプリントした状態を示しているが、本プリント用インク5は単色インクを用いても良く、例えば黒色の一色にて模様等を描画する場合では、コーティング剤3が有する色彩を背景色として利用することもできる。
【0035】
さらに、立体形成用シート1は、プリントした画像等を凸状に浮き出して立体画像2dを有する作成物12を作ることができる。
【0036】
立体形成用シート1を用いた作成物12の作成には、図4に示すとおり、画像等をプリントしたシートの裏面2cから、先端部に丸みを有する棒状の押圧部材9を押し当てながら目的部位を塑性変形させ、プリント表面側に凸状に浮き出る立体画像2dを形成する。押圧部材9を裏面2cへ押し当てる際には、立体形成用シート1を安定させるため、あるいは押圧力に応じた凸形状が得られるよう、厚手のゴムシートや布を多重に重ねた敷板10を用いると便利である。
【0037】
上記塑性変形により形成した立体画像2dは、立体形状を高い精度で維持するために裏面側の凹部2eに粘土やシリコン樹脂等からなる可塑物7が詰めてある。可塑物7は、予め立体画像2dと同形の立体形に成型するか、あるいは凹部2eに押込んで凹部2e空間を埋める。
【0038】
凹部2eに詰め込んだ可塑物7の裏面7aは、シート基体2の裏面2cと面一となって、裏面2cと共に裏打ち板6に固定している。裏打ち板6は、立体形成用シート1の用途によって種々の材料を用いることができるが、例えば、立体形成用シート1を額縁に収容して飾り物とするには、木やアルミニウムなどの変形し難い板材を使用すると好適であり、またバッグや被服などの日用品として用いるには、布や皮革などの柔軟な材料を用いると好適である。
【0039】
裏打ち板6がシート基体2と接する面6bでは、接着剤6により、裏打ち板6とシート基体2、および裏打ち板6と可塑物7とを固定している。これにより、立体形成用シート1の平坦部では、裏打ち板6、接着剤6a、シート基体2、コーティング剤3、プリントインク5の5層構造となり、立体画像2dを形成した部位では、さらに可塑物7の層を加えた6層構造となって立体形成用シート1を用いた作成物12が作られている。
【0040】
さらに、立体形成用シート1を用いた作成物12は、加熱処理により、立体画像2dと可塑物7とを密着して仕上げてある。アイロン又は熱風による加熱に基づいて、合成繊維2aは、繊維自体の熱収縮、または伸長した繊維から元の巻縮した繊維へ戻ることにより、結果としてシート基体2は収縮して可塑物7と密着し、精度の高い立体形状を維持できる。
【0041】
加熱処理には、立体形成用シート1表面を均一な温度で加熱できる熱源が望ましく、赤外線熱線装置や面ヒータ等が好適である。また、加熱温度は、シート基体2及びコーティング剤3の融解温度以下となるよう、適宜に立体形成用シート1の表面温度を管理する必要がある。
【0042】
本実施例では、シート基体2を裏打ち板6に固定した後に加熱処理をしているが、凹部2eに可塑物7を詰め込んだ後、かつ裏打ち板6を固定する前に加熱処理をしても良い。ただし、この場合では、事前に凹部2eと可塑物7とを前記接着剤等によって固定する必要がある。
【0043】
以上により形成された立体形成用シート1を用いた作成物12は、そのままの状態で額縁などの装飾枠内に収めて壁面などへ吊り下げれば、飾り物として室内を装飾でき、また作成物12をバッグなどの側面に用いれば、装飾したバッグとして楽しむことができる。
【0044】
作成物12の使用例として、図5に立体形成用シート1による作成物12で側面を装飾したバッグを示す。バッグBは、その一側面B1に図柄をモチーフとした立体形成用シート1を用いた作成物12としており、他の一側面B2に文字を立体的に浮き出した作成物12を用いて構成している。本バッグBに作成物12を用いる場合では、側面の周縁どうしを縫い合わせて袋状にしたり、握手B3を取付けたりするので、裏打ち板6に柔軟な材料を選択すると好適である。また、バッグの側面に、ホックやテープファスナーを介して着脱可能に作成物12を取付けることもでき、好みに応じた作成物12と交換して楽しむこともできる
【0045】
また、作成物12は、バッグの他に物品カバーや被服等の日用品としても、ポスターなどの広告材としても利用することができる。
【0046】
以上に述べてきた立体形成用シート1を用いた作成物12を構成する材料は、いずれの材料も比較的容易に入手することが可能であり、また、作成に際して特別な器具や装置を必要としないので、個人や団体などを対象にカルチャースクールや作成教室などを通じて作成物12の作成方法を教授すれば、各個人は容易に作成できる。
【0047】
立体形成用シート1に立体画像2dを作成する方法は、上述のごとく、コーティング剤3によりコーティングした立体形成用シート1の表面に、好みの模様等をインクジェットプリンタを用いてプリントする工程と、押圧部材9を用いてプリントした画像を表面側へ凸状に浮き出るようにシート裏面から押圧して立体画像2dを形成する工程と、凹部2eに可塑物7を詰め込み立体画像2dの立体形状を固定する工程と、立体画像2bに生じたシワを伸ばし、かつ立体画像2dの裏面を可塑物7に密着して成型する工程と、シート2の裏面に裏打ち板6を固定して補強する工程、との各作業工程に分割することができ、各工程毎に完結した作成作業として教授することができる。
【0048】
これにより講習を受ける個人等は、各自の能力に応じて作成作業を進めることができ、また、一度立体画像の作成方法を習得した者は、個人で好みの材料を入手して様々なデザインの作成物12を作成して楽しむことができる。さらに、作成した作成物12は、バッグ等の好みの日用品等に応用でき、創作の範囲を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】一部を破断して示す立体画像が形成された立体形成用シートの斜視図である。
【図2】立体形成用シートの平面部と立体部を共に示す断面図である。
【図3】合成繊維間へコーティング剤が浸透している状態を表す拡大図である。
【図4】立体形成用シートの立体形成過程を示す図である。
【図5】側面を立体形成用シートにより装飾されたバッグの斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1 立体形成用シート
2 シート基体
2d 立体画像
3 コーティング剤
5 プリント用インク
6 裏打ち板
7 可塑物
12 作成物
B バッグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成繊維を不織してシート状に成型したシート基体と、
前記合成繊維に付着され、プリント用インクとの親和性の高いコーティング剤と、からなり、
表面にプリントされると共に、押圧作用に基づき前記プリントされた表面を凸状に塑性変形し得る、
ことを特徴とする立体形成用シート。
【請求項2】
前記合成繊維は、ポリエステル長繊維であり、
前記コーティング剤は、ウレタン樹脂を含有し、
前記表面にインクジェットプリンタによりプリントし得る、
請求項1記載の立体形成用シート。
【請求項3】
請求項1又は2記載の立体形成用シートを、プリントされた表面の反対面から押圧して、前記表面にそのプリントされた画像が凸状に浮き出るような立体画像を形成し、
該立体形成用シートの反対面である裏面の凹部に、粘土等の可塑物を詰め込むと共に、該裏面に裏打ち板を固定し、
前記立体形成用シートに熱を加えることにより、該シートが収縮して前記立体画像裏面を前記可塑物に密着してなる、
ことを特徴とする作成物。
【請求項4】
請求項3記載の作成物により、少なくともその一面が形成されてなる、バッグ。
【請求項5】
合成繊維を高密度に不織してシート状に成型したシート基体に、プリント用インクとの親和性の高いコーティング剤をコーティングしてなる立体形成用シートの表面に、プリントする工程と、
該プリントされた立体形成用のシートを、その裏面側から押圧して、前記プリントされた画像が表面に凸状に浮き出るように立体画像を形成する工程と、
前記立体画像が形成された前記立体形成用シートの裏面の凹部に、粘土等の可塑物を詰め込む工程と、
前記立体形成用シートに熱を加えて、該シートのシワを伸ばすと共に、前記立体画像の裏面を前記可塑物に密着する工程と、
前記可塑物を詰め込んだ前記立体形成用シートの裏面に、裏打ち板を固定する工程と、
を備えることを特徴とする立体画像作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−204861(P2007−204861A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−22297(P2006−22297)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(501210179)株式会社クリエイティブジョイ (1)
【出願人】(506034695)
【Fターム(参考)】