説明

立体映像表示装置、立体映像表示システム

【課題】本発明は、3Dメガネを外した場合であっても正常な画像を視聴することができ、ユーザーの利便性を損なわないことが可能な立体映像表示装置、立体映像表示システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明による立体映像表示装置は、3Dメガネ11を着用して立体映像を視聴することが可能な映像をディスプレイ13に表示する立体映像表示装置であって、シャッター制御信号を3Dメガネ11に送信する送信部8と、送信部8での送信に対応して3Dメガネ11から応答信号を受信する受信部9と、受信部9が応答信号を受信している間は、左眼用画像と右眼用画像とをディスプレイ13に交互に表示し、受信部8が応答信号を受信していない間は、左眼用画像または右眼用画像のいずれか一方のみをディスプレイ13に順次表示する制御を行う制御部10とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体映像(以下、3Dとも称する)を表示する立体映像表示装置および立体映像表示システムに関し、特に、デジタル放送受信機等の立体映像表示装置、およびシャッター式3Dメガネを含む立体映像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
両眼の位置の差によって、左眼と右眼とにはそれぞれ異なる画像が写っている。この見え方の違いが視差と呼ばれるものであり、左眼に写った画像と右眼に写った画像との視差によって脳が奥行き感を認識して物を立体的に見ることができる。
【0003】
従来の3D対応デジタル放送受信機では、左眼用画像と右眼用画像とを交互にディスプレイに出力して表示し、当該表示の切り替えのタイミングに同期して3Dメガネの右眼用シャッターと左眼用シャッターとを交互に開閉する方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4251952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
3Dメガネのシャッター開閉のタイミングは、ディスプレイ側から3Dメガネに対して一方的に通知されているため、例えばユーザーが3Dの視聴に疲れを感じて3Dメガネを外した場合であっても、ディスプレイには左眼用画像と右眼用画像とが交互に出力され続けるため2重に重なったぼやけた画像が表示され、正常な画像(立体映像ではなく2次元の平面画像(以下、2Dとも称する))を視聴することができずにユーザーの利便性を欠いていた。
【0006】
本発明はこれらの問題を解決するためになされたものであり、3Dメガネを外した場合であっても正常な画像を視聴することができ、ユーザーの利便性を損なわないことが可能な立体映像表示装置、立体映像表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明による立体映像表示装置は、シャッター式3Dメガネを着用して立体映像を視聴することが可能な映像をディスプレイに表示する立体映像表示装置であって、左眼用画像と右眼用画像とをディスプレイに交互に表示するタイミングを生成するとともに、画像の表示に同期してシャッター式3Dメガネの左右シャッター個々の開閉動作を制御するシャッター制御信号を生成するタイミング生成部と、シャッター制御信号をシャッター式3Dメガネに送信する送信部と、送信部での送信に対応してシャッター式3Dメガネから応答信号を受信する受信部と、受信部が応答信号を受信している間は、左眼用画像と右眼用画像とをディスプレイに交互に表示し、受信部が応答信号を受信していない間は、左眼用画像または右眼用画像のいずれか一方のみをディスプレイに順次表示する制御を行う制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、送信部での送信に対応してシャッター式3Dメガネから応答信号を受信する受信部と、受信部が応答信号を受信している間は、左眼用画像と右眼用画像とをディスプレイに交互に表示し、受信部が応答信号を受信していない間は、左眼用画像または右眼用画像のいずれか一方のみをディスプレイに順次表示する制御を行う制御部とを備えるため、3Dメガネを外した場合であっても正常な画像を視聴することができ、ユーザーの利便性を損なわないことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態1による立体映像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】フレームシーケンシャル方式の画像データを示す図である。
【図3】サイドバイサイド方式の画像データを示す図である。
【図4】トップアンドボトム方式の画像データを示す図である。
【図5】本発明の実施形態1による3D視聴時における立体映像表示システムの動作を示す図である。
【図6】本発明の実施形態1による制御部の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態1による3Dメガネを外した場合における立体映像表示システムの動作を示す図である。
【図8】従来の立体映像表示装置のディスプレイ表示の一例を示す図である。
【図9】本実施形態による立体映像表示装置のディスプレイ表示の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態2による立体映像表示システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態について、図面に基づいて以下に説明する。
【0011】
〈実施形態1〉
図1は、本発明の実施形態1による立体映像表示システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態1による立体映像表示システムは、例えばデジタル放送受信機等の立体映像表示装置と、シャッター式の3Dメガネ11とから構成されている。また、立体映像表示装置は、アンテナ1から3Dのデジタル放送を受信してディスプレイ13に表示したり、外部装置である3Dの再生が可能な再生装置12から入力してディスプレイ13に表示したりする。なお、本実施形態1では、再生装置12を立体映像表示装置の外部装置としているが、内部装置としてもよい。
【0012】
本実施形態1による立体映像表示装置は、デジタル放送の受信が可能なアンテナ1と、3Dデータを放送波で送信するために変換されていた情報を送信前の情報に戻す処理を行う復調部2と、復調部2にて復調された3Dデータを人(例えば、ユーザー)が認識できる画像データ(以下、3D画像データとも称する)と音声データとに戻す処理を行う画像復号部3および音声復号部14と、画像復号部3にて復号された3D画像データをフォーマット変換し、ユーザーが視聴するための画像データ(左眼用画像データ、右眼用画像データ)を生成する処理を行う画像フォーマット変換部4と、ユーザーが視聴するために画像を写し出すディスプレイ13とを備えている。
【0013】
また、本実施形態1による立体映像表示装置は、画像フォーマット変換部4にてフォーマット変換して生成された画像データのうちの、左眼用画像データ(左眼用画像)を格納する左眼用画像格納部5と、右眼用画像データ(右眼用画像)を格納する右眼用画像格納部6とを備え、左眼用画像格納部5に格納された左眼用画像と右眼用画像格納部6に格納された右眼用画像とをディスプレイ13に交互に表示するタイミングを生成する(このとき、画像表示タイミングに応じてディスプレイ13のバックライトの点灯/消灯のタイミングも生成する)とともに、画像(左眼用画像、右眼用画像)の表示に同期してシャッター式の3Dメガネ11の左右シャッター個々の開閉動作を制御するシャッター制御信号を生成するタイミング生成部7と、タイミング生成部7にて生成されたシャッター制御信号を3Dメガネ11に送信する送信部8と、送信部8での送信に対応して3Dメガネ11から応答信号を受信する受信部9と、立体映像表示装置全体の制御をソフトウェアの動作によって行う制御部10とを備えている。
【0014】
なお、アンテナ1は、例えば、地上デジタル放送の受信が可能な市販の八木・宇田アンテナや、BS(Broadcast Satellite)デジタル放送の受信が可能なパラボラ型アンテナ等、デジタル放送が受信可能なアンテナであればよい。また、再生装置12は、本実施形態1では、3Dの再生が可能なブルーレイプレイヤー等のブルーレイディスクメディア再生装置として説明するが、その他の3Dの再生が可能な再生装置であっても本実施形態1に適用可能である。
【0015】
次に、3D画像データの各伝送方式による3Dの視聴について説明する。
【0016】
まず、ブルーレイ規格で伝送される3D画像データの伝送方式について説明する。図2は、ブルーレイ規格の3D画像データの伝送方式である、フレームシーケンシャル方式の画像データを示す図である。3D画像データは、左眼用画像データと右眼用画像データとから構成されている。図2に示すフレームシーケンシャル方式の画像データは、ブルーレイ規格で統一されており、左眼用画像データおよび右眼用画像データはそれぞれ1920×1080画素で構成されている。なお、本実施形態1では、ブルーレイ規格の画像データは再生装置12から伝送されるものとして説明する。
【0017】
画像フォーマット変換部4は、再生装置12から伝送されてきた3D画像データを読み込むと、1920×1080画素のまま、左眼用画像データは左眼用画像格納部5へ、右眼用画像データは右眼用画像格納部6へ、左眼用画像データと右眼用画像データとの書き込み間隔が1/240秒となるようにそれぞれ書き込まれる。そして、そのままの間隔(1/240秒)でディスプレイ13に交互に表示される。
【0018】
タイミング生成部7は、左眼用画像格納部5または右眼用画像格納部6への画像データの書き込み完了に同期してディスプレイ13のバックライトを点灯させ、画像データの書き込み開始に同期してバックライトを消灯させる。
【0019】
左眼用画像データと右眼用画像データとの書き込み間隔が1/240秒となるように、画像データがそれぞれ左眼用画像格納部5、右眼用画像格納部6に書き込まれるため、1920×1080画素のHD(High Definition)画像である左眼用画像データおよび右眼用画像データは、それぞれ1/120秒ごとに切り替えられてディスプレイ13に順次表示される。
【0020】
タイミング生成部7は、左眼用画像と右眼用画像との切り替わりに同期してシャッター制御信号を生成し、生成したシャッター制御信号を送信部8から3Dメガネ11に送信する。3Dメガネ11は、受信したシャッター制御信号に基づいて左右シャッター個々の開閉動作を行う。すなわち、3Dメガネ11は、左眼用画像がディスプレイ13に表示されている間は左眼用シャッターを開け、右眼用シャッターを閉じている。また、右眼用画像がディスプレイ13に表示されている間は右眼用シャッターを開け、左眼用シャッターを閉じている。
【0021】
次に、放送で配信される3D番組の画像データの伝送方式について説明する。図3は、放送で配信される3D番組の画像データの伝送方式の代表例の一つである、サイドバイサイド(Side By Side)方式の画像データを示す図である。ブルーレイ規格の3D画像データの伝送方式(フレームシーケンシャル方式)と異なる点は、横方向がHD画像の1/2画素にあたる960×1080画素の画像データ(左眼用画像、右眼用画像)を左右に並べた構成となっていることである。
【0022】
画像フォーマット変換部4は、画像復号部3から960×1080画素からなる左眼用画像データおよび右眼用画像データをそれぞれ読み込むと、左眼用画像データを横方向へ拡大して画素補完を行うことによって1920×1080画素の左眼用画像データに変換し、変換した左眼用画像データを左眼用画像格納部5に書き込む。また、右眼用画像データを横方向へ拡大して画素補完を行うことによって1920×1080画素の右眼用画像データに変換し、変換した右眼用画像データを右眼用画像格納部6に書き込む。なお、左眼用画像格納部5または右眼用画像格納部6への書き込みは、左眼用画像データと右眼用画像データとの書き込み間隔が1/240秒となるようにそれぞれ書き込まれ、そのままの間隔(1/240秒)でディスプレイ13に交互に表示される。
【0023】
以後、ブルーレイ規格の3D画像データの伝送方式の場合と同様の処理を行う。タイミング生成部7は、左眼用画像格納部5または右眼用画像格納部6への画像データの書き込み完了に同期してディスプレイ13のバックライトを点灯させ、画像データの書き込み開始に同期してバックライトを消灯させる。
【0024】
左眼用画像データと右眼用画像データとの書き込み間隔が1/240秒となるように、画像データがそれぞれ左眼用画像格納部5、右眼用画像格納部6に書き込まれるため、1920×1080画素のHD画像である左眼用画像データおよび右眼用画像データは、それぞれ1/120秒ごとに切り替えられてディスプレイ13に順次表示される。
【0025】
タイミング生成部7は、左眼用画像と右眼用画像との切り替わりに同期してシャッター制御信号を生成し、生成したシャッター制御信号を送信部8から3Dメガネ11に送信する。3Dメガネ11は、受信したシャッター制御信号に基づいて左右シャッター個々の開閉動作を行う。すなわち、3Dメガネ11は、左眼用画像がディスプレイ13に表示されている間は左眼用シャッターを開け、右眼用シャッターを閉じている。また、右眼用画像がディスプレイ13に表示されている間は右眼用シャッターを開け、左眼用シャッターを閉じている。
【0026】
図4は、放送で配信される3D番組の画像データの伝送方式の代表例の一つである、トップアンドボトム(Top and Bottom)方式の画像データを示す図である。ブルーレイ規格の3D画像データの伝送方式(フレームシーケンシャル方式)と異なる点は、縦方向がHD画像の1/2画素にあたる1920×540画素の画像データ(右眼用画像、左眼用画像)を上下に並べた構成となっていることである。
【0027】
画像フォーマット変換4は、画像復号部3から1920×540画素からなる左眼用画像データおよび右眼用画像データをそれぞれ読み込むと、左眼用画像データを縦方向へ拡大して画素補完を行うことによって1920×1080画素の左眼用画像データに変換し、変換した左眼用画像データを左眼用画像格納部5に書き込む。また、右眼用画像データを縦方向へ拡大して画素補完を行うことによって1920×1080画素の右眼用画像データに変換し、変換した右眼用画像データを右眼用画像格納部6に書き込む。なお、左眼用画像格納部5または右眼用画像格納部6への書き込みは、左眼用画像データと右眼用画像データとの書き込み間隔が1/240秒となるようにそれぞれ書き込まれ、そのままの間隔(1/240秒)でディスプレイ13に交互に表示される。
【0028】
以後、ブルーレイ規格の3D画像データの伝送方式の場合と同様の処理を行う。タイミング生成部7は、左眼用画像格納部5または右眼用画像格納部6への画像データの書き込み完了に同期してディスプレイ13のバックライトを点灯させ、画像データの書き込み開始に同期してバックライトを消灯させる。
【0029】
左眼用画像データと右眼用画像データとの書き込み間隔が1/240秒となるように、画像データがそれぞれ左眼用画像格納部5、右眼用画像格納部6に書き込まれるため、1920×1080画素のHD画像である左眼用画像データおよび右眼用画像データは、それぞれ1/120秒ごとに切り替えられてディスプレイ13に順次表示される。
【0030】
タイミング生成部7は、左眼用画像と右眼用画像との切り替わりに同期してシャッター制御信号を生成し、生成したシャッター制御信号を送信部8から3Dメガネ11に送信する。3Dメガネ11は、受信したシャッター制御信号に基づいて左右シャッター個々の開閉動作を行う。すなわち、3Dメガネ11は、左眼用画像がディスプレイ13に表示されている間は左眼用シャッターを開け、右眼用シャッターを閉じている。また、右眼用画像がディスプレイ13に表示されている間は右眼用シャッターを開け、左眼用シャッターを閉じている。
【0031】
図5は、本発明の実施形態1による3D視聴時における立体映像表示システムの動作を示す図であり、画像フォーマット変換部4の出力、ディスプレイ13のバックライトの点灯/消灯、3Dメガネ11のシャッター開閉のタイミングを示している。図5に示すように、画像フォーマット変換部4が左眼用画像格納部5への左眼用画像データの書き込みを完了させると、バックライトが点灯し、3Dメガネ11の左眼用シャッターのみが開く。このとき、ディスプレイ13には左眼用画像が表示されており、ユーザーは表示された左眼用画像を左眼だけで見ている。
【0032】
また、画像フォーマット変換部4が右眼用画像格納部6への右眼用画像データの書き込みを開始すると、バックライトが消灯し、3Dメガネ11の左眼用シャッターが閉じる。このとき、ディスプレイ13には何も表示されず、3Dメガネ11の右眼用シャッターおよび左眼用シャッターは閉じた状態となっている。そして、画像フォーマット変換部4が右眼用画像格納部6への右眼用画像データの書き込みを完了させると、バックライトが点灯し、3Dメガネ11の右眼用シャッターのみが開く。このとき、ディスプレイ13には右眼用画像が表示されており、ユーザーは表示された右眼用画像を右眼だけで見ている。
【0033】
上記の動作(画像データの書き込み)を1/240秒周期で繰り返すと、ユーザーは左眼で左眼用画像を、右眼で右眼用画像を交互に見ることになり、左眼に写った画像と右眼に写った画像との視差によって脳が奥行き感を認識して物を立体的に見ることができる。
【0034】
図6は、本発明の実施形態1による制御部10の動作を示すフローチャートである。図6に示すように、画像フォーマット変換部4が左眼用画像格納部5への左眼用画像データの書き込みを完了させると(ステップS1)、ディスプレイ13のバックライトを点灯させ(ステップS2)、左眼用シャッターを開ける旨のシャッター制御信号を送信部8から3Dメガネ11に送信させる(ステップS3)。そして、受信部9にて受信される3Dメガネ11からの応答信号の有無を確認し(ステップS4)、応答信号があれば3Dメガネ11を着用して視聴していると判断してディスプレイ13のバックライトを消灯させ(ステップS5)、画像フォーマット変換部4に対して右眼用画像格納部6への右眼用画像データの書き込みを開始させる(ステップS6)。右眼用画像データの書き込みが完了すると(ステップS7)、ディスプレイ13のバックライトを点灯させ(ステップS8)、右眼用シャッターを開ける旨のシャッター制御信号を送信部8から3Dメガネ11に送信させる(ステップS9)。そして、受信部9にて受信される3Dメガネ11からの応答信号の有無を確認し(ステップS10)、応答信号があれば3Dメガネ11を着用して視聴していると判断してディスプレイ13のバックライトを消灯させ(ステップS11)、画像フォーマット変換部4に対して左眼用画像格納部5への左眼用画像データの書き込みを開始させる(ステップS12)。このように、3Dメガネ11は、送信部8からシャッター制御信号を受信している間、受信部9に対して応答信号を継続して送信する機能を備えている。
【0035】
次に、図6において、途中で3Dメガネ11を外した場合における制御部10の動作について説明する。図6に示すように、画像フォーマット変換部4が左眼用画像格納部5への左眼用画像データの書き込みを完了させると(ステップS1)、ディスプレイ13のバックライトを点灯させ(ステップS2)、左眼用シャッターを開ける旨のシャッター制御信号を送信部8から3Dメガネ11に送信させる(ステップS3)。そして、受信部9にて受信される3Dメガネ11からの応答信号の有無を確認し(ステップS4)、応答信号がなければ3Dメガネ11を外したと判断してディスプレイ13のバックライトを消灯させ(ステップS11)、画像フォーマット変換部4に対して左眼用画像格納部5への左眼用画像データの書き込みを開始させる(ステップS12)。その後、左用画像データの書き込みの完了を待つ(ステップS1)。
【0036】
上記の動作を行うことによって、ユーザーが3Dメガネ11を外している間(すなわち、3Dメガネ11が必ずしも立体映像表示装置と対面せず、受信部9が3Dメガネ11からの応答信号を受信していない間)、画像フォーマット変換部4は左用画像格納部5への左眼用画像データの書き込みのみを繰り返し行なう。従って、ディスプレイ13には左眼用画像のみが順次表示されるため、ユーザーは2重にぼやけた画像ではなく正常な画像(2Dの画像)を視聴することができる。
【0037】
なお、上記ではディスプレイ13に左眼用画像のみを順次表示させるようにしたが、右眼用画像のみを順次表示させるようにしてもよく、図6のステップS10において3Dメガネ11からの応答信号がない場合の処理に相当する。この場合であっても、ユーザーは2重にぼやけた画像ではなく正常な画像(2Dの画像)を視聴することができる。このように、制御部10は、受信部9が応答信号を受信している間は、左眼用画像と右眼用画像とをディスプレイ13に交互に表示し、受信部9が応答信号を受信していない間は、左眼用画像または右眼用画像のいずれか一方のみをディスプレイ13に順次表示する制御を行う。
【0038】
図7は、本発明の実施形態1による3Dメガネ11を外した場合における立体映像表示システムの動作を示す図であり、画像フォーマット変換部4の出力、ディスプレイ13のバックライトの点灯/消灯、3Dメガネ11のシャッター開閉のタイミングを示している。図7に示すように、3Dメガネ11を外した場合において、画像フォーマット変換部4は、左眼用画像格納部5への左眼用画像データの書き込みのみを行なっている。このとき、ディスプレイ13には左眼用画像のみが順次表示される。
【0039】
なお、図7では、左眼用画像格納部5への左眼用画像データの書き込みのみを行なっているが、右眼用画像格納部6への右眼用画像データの書き込みのみを行なってもよい。その場合、ディスプレイ13には右眼用画像のみが順次表示されることになる。また、図7では、3Dメガネ11は、3Dメガネ11を外しても(すなわち、3Dメガネ11からの応答信号が立体映像表示装置に届かなくても)左右シャッターの開閉制御を行うように示されているが、3Dメガネ11を外すと左右シャッターの開閉制御を行わないようにしてもよい。
【0040】
図8は、3Dメガネ11を外したことを検出する機能を備えない、従来の立体映像表示装置のディスプレイ表示の一例を示す図である。図8に示すように、従来の立体映像表示装置では、3Dメガネ11の着用の有無に関係なく左眼用画像と右眼用画像とがディスプレイ13に交互に表示されるため、ユーザーが3Dメガネ11を外してもディスプレイ13には例えば文字「あ」が2重に表示される。
【0041】
図9は、3Dメガネ11を外したことを検出する機能を備える、本実施形態による立体映像表示装置のディスプレイ表示の一例を示す図である。図9に示すように、本実施形態による立体映像表示装置では、3Dメガネ11からの応答信号がないと3Dメガネ11を外したと判断されるため、ディスプレイ13には左眼用画像または右眼用画像のいずれか一方のみが順次表示されるため、ユーザーが3Dメガネ11を外してもディスプレイ13には例えば文字「あ」が2重に重なることなく正常に表示される。
【0042】
以上のことから、本実施形態1による立体映像表示装置および立体映像表示システムは、受信部9が3Dメガネ11からの応答信号を受信している間は、左眼用画像と右眼用画像とをディスプレイ13に交互に表示し、受信部9が応答信号を受信していない間は、左眼用画像または右眼用画像のいずれか一方のみをディスプレイ13に順次表示するため、ユーザーが3Dメガネ11を外した場合であっても正常な画像を視聴することができ、ユーザーの利便性を損なわないことが可能となる。
【0043】
〈実施形態2〉
図10は、本発明の実施形態2による立体映像表示システムの構成を示すブロック図である。本発明の実施形態2による立体映像表示システムでは、3D(立体映像)または2D(平面映像)の表示の切り替えを行う3D/2D切り替えボタンを有し、3D/2D切り替えボタンを押下すると3D/2D切り替え信号を送信するリモコン15を備えることを特徴としている。その他の構成および動作は、実施形態1による立体映像表示装置および立体映像表示システムと同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0044】
以下、本実施形態2による立体映像表示システムの動作について説明する。
【0045】
ユーザーがリモコン15に備えられた3D/2D切り替えボタンを押下すると、リモコン15から3Dメガネ11に対して3D/2D切り替え信号が送信される。3Dメガネ11は、ユーザーが3Dを視聴中にリモコン15から3D/2D切り替え信号を受信すると、受信部9への応答信号の送信を強制的に停止する。3Dメガネ11から送信される応答信号が停止されると、実施形態1と同様に、左眼用画像または右眼用画像のいずれか一方のみがディスプレイ13に順次表示される。すなわち、ディスプレイ13には2Dの画像が表示される。
【0046】
また、3Dメガネ11は、ユーザーが2Dを視聴中にリモコン15から3D/2D切り替え信号を受信すると、受信部9への応答信号の送信を開始(送信の強制停止を解除)する。3Dメガネ11から受信部9への応答信号の送信が開始されると、実施形態1と同様に、左眼用画像と右眼用画像とがディスプレイ13に交互に表示される。すなわち、ディスプレイ13には3Dの画像が表示される。
【0047】
以上のことから、リモコン15に備えられた3D/2D切り替えボタンを押下することによって、3Dメガネ11から受信部9への応答信号の送信の強制停止(停止)/解除(開始)を行うため、応答信号の送信が停止された場合はディスプレイ13に2Dの画像が表示され(実施形態1における3Dメガネ11を外した場合と同じ動作)、応答信号の送信が開始された場合はディスプレイ13に3Dの画像が表示される(実施形態1における3Dメガネ11を着用した場合と同じ動作)ため、ユーザーの利便性を損なわないことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の活用例として、3D対応デジタル放送受信機に適用できる。
【符号の説明】
【0049】
1 アンテナ、2 復調部、3 画像復号部、4 画像フォーマット変換部、5 左眼用画像格納部、6 右眼用画像格納部、7 タイミング生成部、8 送信部、9 受信部、10 制御部、11 3Dメガネ、12 再生装置、13 ディスプレイ、14 音声復号部、15 リモコン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッター式3Dメガネを着用して立体映像を視聴することが可能な映像をディスプレイに表示する立体映像表示装置であって、
左眼用画像と右眼用画像とを前記ディスプレイに交互に表示するタイミングを生成するとともに、前記画像の表示に同期して前記シャッター式3Dメガネの左右シャッター個々の開閉動作を制御するシャッター制御信号を生成するタイミング生成部と、
前記シャッター制御信号を前記シャッター式3Dメガネに送信する送信部と、
前記送信部での送信に対応して前記シャッター式3Dメガネから応答信号を受信する受信部と、
前記受信部が前記応答信号を受信している間は、前記左眼用画像と前記右眼用画像とを前記ディスプレイに交互に表示し、前記受信部が前記応答信号を受信していない間は、前記左眼用画像または前記右眼用画像のいずれか一方のみを前記ディスプレイに順次表示する制御を行う制御部と、
を備えることを特徴とする、立体映像表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の立体映像表示装置と、シャッター式3Dメガネとを備える立体映像表示システムであって、
前記シャッター式3Dメガネは、前記送信部から前記シャッター制御信号を受信している間、前記受信部に対して応答信号を継続して送信する機能を備えることを特徴とする、立体映像表示システム。
【請求項3】
立体映像または平面映像の表示の切り替えを行う切り替えボタンを有し、当該切り替えボタンを押下すると切り替え信号を送信するリモコンをさらに備え、
前記シャッター式3Dメガネは、前記立体映像の視聴中に前記リモコンから前記切り替え信号を受信すると、前記応答信号の送信を停止することを特徴とする、請求項2に記載の立体映像表示システム。
【請求項4】
前記シャッター式3Dメガネは、前記平面映像の視聴中に前記リモコンから前記切り替え信号を受信すると、前記応答信号の送信を開始することを特徴とする、請求項3に記載の立体映像表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−239122(P2011−239122A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−107874(P2010−107874)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】