説明

立体構造体及びこれを用いた地球儀及び遊星儀

【課題】 略多面体状の立体を簡単かつ安価に製作できる立体構造体及びこれを用いた地球儀を提供する。
【解決手段】 主横紙部材10に上下に副横紙部材20が配置されている。主横紙部材10及び副横紙部材20には複数の縦紙部材30が連結固定されている。主横紙部材10は、厚紙で略正八角形状に形成されており、各角部において、半径方向に切込み11が形成されている。副横紙部材20は、主横紙部材10を縮小した相似形に形成されている。縦紙部材30は厚紙で折曲自在な略八角形状に形成されており、中央切込み32及び端部切込み33が形成されている。主横紙部材10の切込み11及び副横紙部材20の切込み21に、縦紙部材30の切込み32、33が係合されている。縦紙部材30には表紙部材40が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の紙部材を組み合わせることで簡単に作製することが出来る立体構造体及びこれを用いた地球儀及び遊星儀に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、地球儀は、世界地図を分割して表示した複数の部分地図を球体の表面に貼付することにより製作されている。しかしながら、このような地球儀は、真球を製作し、かつ正確な部分地図を球体に貼付しなければならないので、個人が製作することは極めて困難であり、また、キットとして販売されたものであっても、部分地図の位置合わせ等の作業において製作はなお面倒であり、さらに高価なものであった。
【0003】
そこで、従来、球体を使用することなく、厚紙等を用いて多面体を形成し、この多面体を球体の変わりに地球儀に利用する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】特開平7−28394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した厚紙を用いて形成した多面体を地球儀に利用する技術は、多面体を形成するための厚紙の形状が極めて複雑で、簡単に作製することが出来ず、また、厚紙から多面体を作製する作業が極めて煩雑なものであった。
【0005】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたもので、極めて簡単な作業で多面体を作製・分解することが出来る立体構造体及びこれを用いた地球儀及び遊星儀を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る立体構造体は、少なくとも2枚以上の横紙部材と、該横紙部材に連結された少なくとも3枚以上の縦紙部材と、該縦紙部材間に設けられた表紙部材とを有し、前記横紙部材は、周縁において同一間隔で半径方向に切込みが形成され、前記縦紙部材は、前記横紙部材の数に対応して切込みが形成され、前記前記横紙部材の切込みに縦紙部材の切込みを係合させることにより横紙部材と縦紙部材とを連結することを特徴として構成されている。
【0007】
請求項2に係る立体構造体は、請求項1記載の立体構造体において、横紙部材が、少なくとも一枚の多角形状の主横紙部材と、該主横紙部材の上下方向において少なくとも一枚ずつ設けられた多角形状の副横紙部材とで構成されるとともに、前記副横紙部材が主横紙部材より小さく形成され、前記縦紙部材が、円弧部が多角形状をした半円状に形成されていることを特徴として構成されている。
【0008】
請求項3に係る立体構造体は、請求項1記載の立体構造体において、横紙部材が、少なくとも一枚の円形状の主横紙部材と、該主横紙部材の上下方向において少なくとも一枚ずつ設けられた円形状の副横紙部材とで構成されるとともに、前記副横紙部材が主横紙部材より小さく形成され、前記縦紙部材が、略半円状に形成されていることを特徴として構成されている。
【0009】
請求項4に係る立体構造体は、請求項1記載の立体構造体において、横紙部材が、三角形状に形成され順次大きさが小さくなる少なくとも三枚の第1、第2及び第3横紙部材で形成されるとともに、下方より第1、第2及び第3横紙部材の順番で配置され、前記縦紙部材が、略三角形状に形成されていることを特徴として構成されている。
【0010】
請求項5に係る立体構造体は、請求項1記載の立体構造体において、横紙部材が、六角形状に形成された少なくとも二枚の横紙部材で形成され、前記縦紙部材が矩形状に形成されていることを特徴として構成されている。
【0011】
請求項6に係る立体構造体は、請求項2記載の立体構造体において、縦紙部材が、前記主横紙部材及び副横紙部材に対応する個所において角部が形成されるとともに、該角部において切込みが形成されていることを特徴として構成されている。
【0012】
請求項7に係る立体構造体は、請求項1、2、3、4、5又は6記載の立体構造体において、縦紙部材が、一枚の紙部材を折り曲げて二重に形成され、前記表紙部材が、表面に露出する表紙部と、該表紙部の両側端に折曲自在に形成された差込部とを有し、該差込部を折曲された縦紙部材の間隙に差し込むことにより表紙部材を縦紙部材に連結することを特徴として構成されている。
【0013】
請求項8に係る地球儀は、請求項2、3又は6記載の立体構造体において、表紙部材に世界地図が形成されたことを特徴として構成されている。
【0014】
請求項9に係る地球儀は、請求項2、3又は6記載の立体構造体において、表紙部材に星の表面形状が形成されたことを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る立体構造体によれば、横紙部材部材の切込みに縦紙部材の切込みを係合させることにより、横紙部材と縦紙部材とを連結固定することができ、任意の形状の立体構造体の骨組みを形成することができる。また、縦紙部材間に表紙部材を設けることにより、横紙部材と縦紙部材とからなる骨組みの表面を覆い立体構造体とすることが出来る。
【0016】
請求項2に係る立体構造体によれば、横紙部材が、少なくとも一枚の多角形状の主横紙部材と、該主横紙部材の上下方向において少なくとも一枚ずつ設けられた多角形状の副横紙部材とで構成されるとともに、前記副横紙部材が主横紙部材より小さく形成され、縦紙部材が、円弧状が多角形状をした半円状に形成されているので、多角形状の主横紙部材の上下に、主横紙部材より径の小さい多角形状の副横紙部材を配置し、これら主横紙部材及び副横紙部材の切込みに縦紙部材の切込みを係合させることにより主横紙部材、副横紙部材及び縦紙部材とを連結固定することができ、また、これらの縦紙部材間に表紙部材が設けられるので、略多面体の立体構造体を簡単に製作することが出来る。
【0017】
請求項3に係る立体構造体によれば、横紙部材が、少なくとも一枚の円形状の主横紙部材と、該主横紙部材の上下方向において少なくとも一枚ずつ設けられた円形状の副横紙部材とで構成されるとともに、前記副横紙部材が主横紙部材より小さく形成され、前記縦紙部材が、略半円状に形成されているので、円形状の主横紙部材の上下に、主横紙部材より径の小さい円形状の副横紙部材を配置し、これら主横紙部材及び副横紙部材の切込みに縦紙部材の切込みを係合させることにより主横紙部材、副横紙部材及び縦紙部材とを連結固定することができ、また、これらの縦紙部材間に表紙部材が設けられるので、略多面体の立体構造体を簡単に製作することが出来る。また、請求項3に係る立体構造体は、主横紙部材及び副横紙部材を円形状に形成しているので、請求項2に係る立体構造体に比して角の少ない丸みをおびた立体構造体とすることが出来る。
【0018】
請求項4に係る立体構造体によれば、横紙部材が、三角形状に形成され順次大きさが小さくなる少なくとも三枚の第1、第2及び第3横紙部材で形成されるとともに、下方より第1、第2及び第3横紙部材の順番で配置され、前記縦紙部材が、略三角形状に形成されているので、三枚の第1、第2及び第3横紙部材の切込みに縦紙部材の切込みを係合させることにより三角錐の骨組みとすることができる。したがって、表紙部材を縦紙部材に設けることにより三角錐を形成することができる。
【0019】
請求項5に係る立体構造体によれば、横紙部材が、六角形状に形成された少なくとも二枚の横紙部材で形成され、前記縦紙部材が矩形状に形成されているので、横紙部材の切込みに縦紙部材の切込みを係合させることにより六角柱の骨組みとすることができる。したがって、表紙部材を縦紙部材に設けることにより六角柱を形成することができる。
【0020】
請求項6に係る立体構造体によれば、縦紙部材が、前記主横紙部材及び副横紙部材に対応する個所において角部が形成されるとともに、該角部において切込みが形成されているので、主横紙部材及び副横紙部材の角部において縦紙部材が係合されるので、組立が簡単で、かつ十分な組立強度を付与することが出来る。
【0021】
請求項7に係る立体構造体によれば、縦紙部材が、一枚の紙部材を折り曲げて二重に形成され、前記表紙部材が、表面に露出する表紙部と、該表紙部の両側端に折曲自在に形成された差込部とを有し、該差込部を折曲された縦紙部材の間隙に差し込むことにより表紙部材を縦紙部材に連結する、表紙部材を極めて簡単に縦紙部材に取付けることができる。
【0022】
請求項8に係る立体構造体によれば、上述した立体構造体において、表紙部材に世界地図が形成されているので、極めて簡単に地球儀を作製することが出来る。
【0023】
請求項9に係る立体構造体によれば、上述した立体構造体において、表紙部材に星の表面形状が形成されているので、極めて簡単に遊星儀を作製することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明の立体構造体においては、少なくとも2枚以上の横紙部材と、該横紙部材に連結された少なくとも3枚以上の縦紙部材とを有し、かつ、横紙部材は周縁において同一間隔で半径方向に切込みが形成され、前記縦紙部材は前記横紙部材の数に対応して切込みが形成されている。したがって、横紙部材の切り込みに縦紙部材の切り込みを係合させることにより、横紙部材と縦紙部材とを連結固定することができ、これらの横紙部材と縦紙部材とで立体構造体の骨組みを形成することができる。
【0025】
横紙部材と縦紙部材とで形成する骨組みは、横紙部材の形状及び縦紙部材の形状を所望の形状にすることにより、柱体、錐体、球体等の所望の立体形状とすることができる。すなわち、横紙部材に同一の大きさのものを用いることにより、柱体を形成することができ、この際、横紙部材を三角形状とすると三角柱体を、四角形状とすると四角柱体を、六角形状とすると六角柱体を形成することができる。なお、柱状体を形成する際は、縦紙部材は矩形状に形成したものを用いる。
【0026】
また、横紙部材に異なる大きさのものを用いることにより、錐体又は球体を形成することができる。すなわち、横紙部材を、下方から順次大きさが小さくなるように少なくとも2枚配置することにより、錐体を形成することができ、横紙部材を三角形状とすることにより三角錐体を、四角形状とすることにより四角錐体を、円形状とすることにより円錐体を形成することができる。なお錐体とする際は、縦紙部材は直角三角形状とすることが好ましい。
【0027】
さらに、横紙部材を、上下方向の中心に一番大きいものを配置するとともに、その上下に小さいものを少なくとも1枚づつ配置することにより、球体を形成することができ、横紙部材に円形状のものを用いるとともに、縦紙部材に円弧状のものを用いることにより角の無い球体を形成することができる。また、横紙部材に多角形状の用いるとともに、縦紙部材に、円弧状が多角形状をした半円状に形成したものを用いることにより多面体からなる略球体を形成することができる。この際、横紙部材の角数を多くすることにより、より球体に近づけることが出来る。
【0028】
縦紙部材は、1枚の紙部材で形成しても、1枚の紙部材を折曲重ね合わせて二重となるように形成してもよい。二重になるように形成した場合は、折曲辺を内側端辺に、反折曲辺側を外側に配置することにより、表面に露出した縦紙部材に間隙が形成されるので、この間隙に表紙部材の差込片を挿入することにより、表紙部材を縦紙部材に簡単に取付けることが出来る。
【0029】
表紙部材は、縦紙部材間に設けられ立体構造体の表面を形成するものであり、横紙部材の形状(多角形状又は円形状)、数、縦紙部材の形状(外側辺の形状が直線状、多角形状、半円状)に対応して形成される。また、表面に露出する表紙部と、この表紙部の両側端に折曲自在に形成された差込部とを有するように形成することができ、このように形成することにより、差込部を縦紙部材の間隙に差し込むことにより簡単に取付けることが出来る。なお、差込部を差し込む場合、上述した縦紙部材を折曲して二重に形成した場合に限定されず、二枚の縦紙部材を重ねて配置した場合であってもよい。
【0030】
次に、立体構造体として球体を形成する場合について詳細に説明する。球体を形成する場合は、主横紙部材と、この主横紙部材の上下方向に設けられた副横紙部材と、これらの主横紙部材及び副横紙部材に連結された複数の縦紙部材とを有している。主横紙部材は、製作される立体構造体の上下方向における略中央に配置され、立体構造体の最も横幅の長い部分を構成するものであり、多角形状であっても円形状であってもよい。多角形状に形成した場合は、立体構造体の横方向において角部が形成されたものとなり、円形状に形成した場合は、立体構造体の横方向において角部が無く円弧状に形成されたものとなる。多角形状に形成する場合は、少なくとも四角形以上とすることが必要であり、角数を多くするほど立体構造体を球体に近い形状にすることが出来る。また、主横紙部材は、立体構造体の上下方向の中央に一枚配置しても、上下方向の中央近傍の上下に二枚配置してもよい。
【0031】
副横紙部材は、立体構造体の上下方向の中央部から上下端の間に配置され、主横紙部材と相似形に形成される。すなわち、主横紙部材を円形状に形成した場合は円形状に、八角形状に形成した場合は八角状に形成する。副横紙部材の数は、上下方向にそれぞれ一枚以上必要であり、枚数を多くすることにより、立体構造体の上下方向の角が滑らかとなるので球体に近い形状にすることが出来る。
【0032】
主横紙部材及び副横紙部材には、半径方向に切込みが形成されている。この切込みは、縦紙部材に形成された切込みと係合して主横紙部材、副横紙部材及び縦紙部材とを一体に連結固定するものであり、縦紙部材の切込みを係合した際、縦紙部材の内側端辺が、立体構造体の軸と略一致することが必要である。切込みの長さは特に限定されないが、半径の1/2の長さとしたり(縦紙部材の切込みも主横紙部材及び副横紙部材の半径の1/2となる。)、半径の1/3の長さとしたり(縦紙部材の切込みは主横紙部材及び副横紙部材の半径の2/3となる。)、半径の2/3の長さとしたりできる(縦紙部材の切込みは主横紙部材及び副横紙部材の半径の1/3となる。)。また、切込みの開口部は、テーパー状の開口とすることが好ましく、このようにテーパー状の開口とすることにより、縦紙部材の切込みを係合させる際、簡単に差し込むことが出来る。
【0033】
縦紙部材は、主横紙部材及び副横紙部材に係合して主横紙部材と副横紙部材とを連結固定するものであり、内側端辺が立体構造体の中心軸と略一致する形状に形成されるとともに、外側端辺は、多角形状又は半円状に形成される。外側端辺を多角形状に形成する場合は、主横紙部材と副横紙部材との数に対応して形成され、例えば、主横紙部材1枚、副横紙部材2枚(上下の合計数)の場合は、3個の角を持つ4辺からなるように形成され、主横紙部材1枚、副横紙部材4枚(上下の合計数)の場合は、5個の角を持つ6辺からなるように形成される。
【0034】
主横紙部材、副横紙部材、縦紙部材及び表紙部材は、厚紙、プラスチックシート等、折曲可能な材料であれば特に限定されない。表紙部材は、立体構造体の表面に露出するので、所望の目的に応じて、模様、色彩等が施される。
【0035】
以上のような立体構造体は、横紙部材、縦紙部材及び表紙部材を連結組み立てるだけで、多面体を簡単に製作することができ、また、連結組み立てる前は、全ての部材が平面状であるので、収納等のスペースも少なくて済むものである。このような立体構造体は、インテリア等の各種用途に用いることができ、例えば、地球儀、遊星儀、カレンダー等に用いることが出来る。地球儀に用いる場合は、表紙部材に所定の世界地図を施すことにより製作でき、また、縦紙部材を、外側端辺が多角形状となるように形成し、上下端における外側端辺と、内側端辺との角度を調整し(略67度)、下端の縦紙部材を水平面に載置した際、内側端辺が鉛直方向に対し、略23度の角度になるようにすることが好ましい。このような構成にすることにより、立体構造体の軸(縦紙部材の内側端辺と略一致)を地軸の傾きと一致させることが出来る。
【0036】
本発明の立体構造体を用いた地球儀の一実施態様を図面を参照して説明する。
【0037】
図1は立体構造体の主横紙部材の平面図、図2は立体構造体の副横紙部材の平面図、図3は立体構造体の縦紙部材の折曲前の平面図、図4は立体構造体の表紙部材の折曲前の平面図、図5は立体構造体の組立途中を示す斜視図、図6も立体構造体の組立途中を示す斜視図、図7は立体構造体の斜視図である。
【0038】
図1において、主横紙部材10は、厚紙で略正八角形状に形成されており、各角部において、半径方向に切込み11が形成されている。この切込み11は周縁から半径の略1/2の位置まで形成されており、また、周縁における開口部には、テーパー状に広がったテーパー状開口12が形成されている。
【0039】
図2において、副横紙部材20は、前記主横紙部材10と同様に、厚紙で形成されるとともに、主横紙部材10を縮小した相似形に形成されている。すなわち、半径方向に切込み21が形成されるとともに、切込み21の開口部においてテーパー状開口22が形成されている。
【0040】
図3において、縦紙部材30は、厚紙で略正八角形に形成されており、その中央縦方向に少しの間隙を持って折曲案内部31が形成され、この折曲案内部31に沿って容易に折曲出来るようになっている。また、縦方向の中央部には横方向に中央切込み32が形成されるとともに、上下において端部切込み33が形成されており、中央切込み32の長さは主横紙部材10の切込み11と略同一長さに形成され、端部切込み33の長さは副横紙部材20の切込み21と略同一長さに形成されている。したがって、縦紙部材30を折曲した状態で、中央切込み32及び端部切込み33を切込み11及び切込み21に係合させた際、折曲案内部31部分が内側端辺となり、立体構造体の中心軸と一致するようになっている。また、中央切込み32及び端部切込み33の折曲案内部31に相当する部位には、四角形状の開口34、35が形成されており、中央切込み32及び端部切込み33を切込み11及び切込み21に係合させる際、テーパー状開口12、22と相まって容易に係合出来るようになっている。
【0041】
縦紙部材30において、折曲案内部31と、最下段の外側端辺36との角度αは、23度に形成されている。したがって、外側端辺36を平面に載置して立体構造体を設置した際、縦紙部材30の立体構造体における内側端辺(折曲案内部31)が鉛直方向より67度傾き、地軸の傾斜と略同様にすることが出来る。
【0042】
図4において、表紙部材40は、透明なプラスチックシートで形成されたものであり、表紙部41と、この表紙部41の側縁に形成された差込部42とで形成されている。表紙部41は、主横紙部材10、副横紙部材20及び2枚の縦紙部材30とで囲まれた部位に位置する表紙部41aと、副横紙部材20及び2枚の縦紙部材30とで囲まれた部位に位置する表紙部41bとで構成されている。差込部42は、表紙部41aに連接した差込部42aと、表紙部41bに連接した差込部42bとが形成されており、差込部42aは、主横紙部材10と副横紙部材20との間に位置する縦紙部材30に差し込まれるもので、差込部42bは、副横紙部材20より上下端部側の縦紙部材30に差し込まれるものである。
【0043】
また、差込部42bは、先端側が副横紙部材20より上方又は下方に位置する縦紙部材30の形状と略同一の密接片43が形成されるとともに、差込部42aの境界より端部切込み33と略同一の長さにおいて、三角形状の突出片44が形成されている。すなわち、差込部42bを縦紙部材30に差し込んだ際、密接片43が副横紙部材20より上方又は下方の縦紙部材30と密接するとともに、突出片44が主横紙部材10と副横紙部材20との間に位置する縦紙部材30に入り込み、縦紙部材30とより広い面積で密着するようになっている。また、表紙部41と差込部42との境界は容易に折曲できるように、折曲案内部45が形成されている。
【0044】
次に、立体構造体を組み立てる方法について説明する。まず、縦紙部材30を折曲案内部31に沿って二重に折り返し、半多角形状にする。そして、図5に示すように、主横紙部材10の切込み11及び副横紙部材20の切込み21に、縦紙部材30の中央切込み32及び端部切込み33を係合させ、順次この作業を繰り返し、図6に示すように、全ての縦紙部材30を主横紙部材10及び副横紙部材20に組み付ける。
【0045】
次に、表紙部材40を折曲案内部45で略90度の角度で折曲し、差込部42を縦紙部材30の間隙に挿入して立体構造体1が完成する。すなわち、差込部42bを、副横紙部材20より上方及び下方の縦紙部材40の間隙に差し込むとともに、差込部42aを主横紙部材10と副横紙部材20とで挟まれた縦紙部材30の間隙に差し込む。このとき、密接片43が副横紙部材20の上方又は下方に位置する縦紙部材30に密接するとともに、突出片44が副横紙部材20より下方又は上方にまで入り込んでいるので、密接面積が広くなり十分に固定される。また、逆の手順で容易に分解することができる。なお、予め接着剤を塗布し、接着剤により表紙部材40と縦紙部材30とを固着することが出来る。
【0046】
以上のようにして立体構造体が完成するが、表紙部材40の表紙部41に予め世界地図を印刷しておくと地球儀とすることが出来る。また、表紙部41に世界地図を印刷した地図表示紙を貼付しておくと、同様に地球儀とすることが出来る。
【0047】
本発明の立体構造体の他の実施形態を図面を参照して説明する。
【0048】
図8は第1横紙部材の平面図、図9は第2横紙部材の平面図、図10は第3横紙部材の平面図、図11は縦紙部材の平面図、図12は表紙部材の平面図である。
【0049】
図8において、第1横紙部材50aは、略正三角形状に形成され、その角部において中心方向に切込み51aが形成されており、この切込み51aの開口部はテーパー状に形成されている。図9において、第2横紙部材50bは、第1横紙部材50aを縮小した相似形に形成されたもので、角部には中心方向に切込み51bが形成されており、この切込み51bの開口部はテーパー状に形成されている。図10において、第3横紙部材50cは、第2横紙部材50bを縮小した相似形に形成されたもので、角部には中心方向に切込み51cが形成されており、この切込み51cの開口部はテーパー状に形成されている。すなわち、第1、第2及び第3横紙部材50a、50b、50cは、全て寸法が異なる同一形状をした相似形に形成されている。
【0050】
図11において、縦紙部材60は、三角形状に形成されており、その中央には折曲案内部61が形成され、この折曲案内部61に沿って容易に折曲出来るようになっている。また、縦方向に3段に亘って切込み62が形成されており、最下段の切込み62aが第1横紙部材50aの切込み51aに、中央の切込み62bが第2横紙部材50bの切込み51bに、最上段の切込み62cが第3横紙部材50cの切込み51cに係合するようになっている。
【0051】
図12において、表紙部材70は、三角形状に形成された完成時に表面に露出する表紙部71と、この表紙部71の両側外縁に形成された側面差込部72と、表紙部71の底辺に形成された底面差込部73とで形成されている。側面差込部72は、略鋸刃状に凹部74形成され、この凹部74が前記第1、第2及び第3横紙部材50a、50b、50cに対応するようになっている。
【0052】
次に、以上のような第1、第2及び第3横紙部材50a、50b、50c、縦紙部材60及び表紙部材70からなる立体構造体を組み立てる方法について説明する。まず、縦紙部材60を折曲案内部61に沿って二重に折り返し、直角三角形状にし、切込み62aを第1横紙部材50aの切込み51aに、切込み62bを第1横紙部材50bの切込み51bに、切込み62cを第1横紙部材50cの切込み51cに係合させる。こうして、三箇所ある全ての切込み51a、51b、51cに3枚の縦紙部材60を係合させて骨組みが完成する。
【0053】
そして、完成した骨組みの縦紙部材60の間隙に表紙部材70の側面差込部72を折曲して差し込む。さらに、底面差込部73を折曲して縦紙部材60の下面に配置し、底面差込部73同士を接着により固着する。これにより、三角錐をした立体構造体が完成する。
【0054】
本発明の立体構造体の他の実施形態を図面を参照して説明する。
【0055】
図13は横紙部材の平面図、図14は縦紙部材の平面図、図15は表紙部材の平面図である。
【0056】
図13において、横紙部材80は、略正六角形状に形成され、その角部において中心方向に切込み81が形成されており、この切込み81の開口部はテーパー状に形成されている。図14において、縦紙部材90は、長方形状に形成されており、その中央には折曲案内部91が形成され、この折曲案内部91に沿って容易に折曲出来るようになっている。また、縦方向に5段に亘って切込み92が形成されている。図15において、表紙部材100は、長方形状に形成された完成時に表面に露出する表紙部101と、表紙部101の両側外縁に形成された側面差込部102と、表紙部101の上下辺に形成された上下面差込部103とで形成されている。側面差込部102は、略鋸刃状に凹部104形成され、この凹部104が横紙部材80に対応するようになっている。
【0057】
次に、以上のような横紙部材80、縦紙部材90及び表紙部材100からなる立体構造体を組み立てる方法について説明する。まず、縦紙部材90を折曲案内部91に沿って二重に折り返し、切込み92を横紙部材80の切込み81に順次係合させる。こうして、6箇所ある全ての切込み81に6枚の縦紙部材90を係合させて骨組みが完成する。
【0058】
そして、完成した骨組みの縦紙部材90の間隙に表紙部材100の側面差込部102を折曲して差し込む。さらに、上下面差込部103を折曲して縦紙部材90の下面に配置し、上下面差込部103同士を接着により固着する。これにより、六角柱をした立体構造体が完成する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明による立体構造体の一実施形態に用いる主横紙部材の平面図
【図2】本発明による立体構造体の一実施形態に用いる副横紙部材の平面図
【図3】本発明による立体構造体の一実施形態に用いる縦紙部材の平面図
【図4】本発明による立体構造体の一実施形態に用いる表紙部材の平面図
【図5】本発明による立体構造体の一実施形態の組立状態を示す斜視図
【図6】本発明による立体構造体の一実施形態の組立状態を示す斜視図
【図7】本発明による立体構造体の一実施形態の斜視図
【図8】本発明による立体構造体の他の実施形態に用いる第1横紙部材の平面図
【図9】本発明による立体構造体の他の実施形態に用いる第2横紙部材の平面図
【図10】本発明による立体構造体の他の実施形態に用いる第3横紙部材の平面図
【図11】本発明による立体構造体の他の実施形態に用いる縦紙部材の平面図
【図12】本発明による立体構造体の他の実施形態に用いる表紙部材の平面図
【図13】本発明による立体構造体の他の実施形態に用いる横紙部材の平面図
【図14】本発明による立体構造体の他の実施形態に用いる縦紙部材の平面図
【図15】本発明による立体構造体の他の実施形態に用いる表紙部材の平面図
【符号の説明】
【0060】
1 立体構造体
10 主横紙部材
11 切込み
20 副横紙部材
21 切込み
30 縦紙部材
32 中央切込み
33 端部切込み
40 表紙部材
42 差込部
50a 第1横紙部材
50b 第2横紙部材
50a 第3横紙部材
60 縦紙部材
70 表紙部材
80 横紙部材
90 縦紙部材
100 表紙部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2枚以上の横紙部材と、該横紙部材に連結された少なくとも3枚以上の縦紙部材と、該縦紙部材間に設けられた表紙部材とを有し、前記横紙部材は、周縁において同一間隔で半径方向に切込みが形成され、前記縦紙部材は、前記横紙部材の数に対応して切込みが形成され、前記前記横紙部材の切込みに縦紙部材の切込みを係合させることにより横紙部材と縦紙部材とを連結することを特徴とする立体構造体。
【請求項2】
前記横紙部材が、少なくとも一枚の多角形状の主横紙部材と、該主横紙部材の上下方向において少なくとも一枚ずつ設けられた多角形状の副横紙部材とで構成されるとともに、前記副横紙部材が主横紙部材より小さく形成され、前記縦紙部材が、円弧部が多角形状をした半円状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の立体構造体。
【請求項3】
前記横紙部材が、少なくとも一枚の円形状の主横紙部材と、該主横紙部材の上下方向において少なくとも一枚ずつ設けられた円形状の副横紙部材とで構成されるとともに、前記副横紙部材が主横紙部材より小さく形成され、前記縦紙部材が、略半円状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の立体構造体。
【請求項4】
前記横紙部材が、三角形状に形成され順次大きさが小さくなる少なくとも三枚の第1、第2及び第3横紙部材で形成されるとともに、下方より第1、第2及び第3横紙部材の順番で配置され、前記縦紙部材が、略三角形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の立体構造体。
【請求項5】
前記横紙部材が、六角形状に形成された少なくとも二枚の横紙部材で形成され、前記縦紙部材が矩形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の立体構造体。
【請求項6】
前記縦紙部材が、前記主横紙部材及び副横紙部材に対応する個所において角部が形成されるとともに、該角部において切込みが形成されていることを特徴とする請求項2記載の立体構造体。
【請求項7】
前記縦紙部材が、一枚の紙部材を折り曲げて二重に形成され、前記表紙部材が、表面に露出する表紙部と、該表紙部の両側端に折曲自在に形成された差込部とを有し、該差込部を折曲された縦紙部材の間隙に差し込むことにより表紙部材を縦紙部材に連結することを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の立体構造体。
【請求項8】
前記請求項2、3又は6記載の立体構造体において、表紙部材に世界地図が形成されたことを特徴とする地球儀。
【請求項9】
前記請求項2、3又は6記載の立体構造体において、表紙部材に星の表面形状が形成されたことを特徴とする遊星儀。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−66703(P2010−66703A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235162(P2008−235162)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(508276394)株式会社マルモ印刷 (1)
【Fターム(参考)】