説明

立体画像誘導による適応放射線療法のための実時間オンライン及びオフライン治療線量追跡並びにフィードバックプロセス

被検体の関心領域の立体画像データを生成する段階と、基準計画に従って被検体の関心領域に向けて治療放射線ビームを放出する段階とを含む、放射線を用いて被検体を治療する方法。本方法は、立体画像データ及び治療放射線ビームの少なくとも1つのパラメータを評価して、基準計画を実時間でオンライン又はオフライン評価及びオンライン又はオフライン修正を行う段階を更に含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願人は、米国特許法119条(e)に基づいて、1)2006年5月25日に出願された米国特許出願第60/808,343号の前記出願日、及び2)2007年1月18日に出願された米国特許出願第60/881,092号の前記出願日に対する優先権を主張し、これらの各々の全内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、画像誘導放射線療法に関し、詳細には、本発明は、立体画像誘導適応放射線療法に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の考察)
現在、オンライン治療線量構成及び推定は、従来の線形加速器に治療線量を再構成するポータル射出線量(ex−dose)再構成を含む。詳細には、MVポータル撮像装置を用いて射出線量を測定し、患者の治療線量を推定する。しかしながら、この線量を再構成する方法は、治療中の患者の解剖的情報が乏しく、散乱射出線量を適切に較正することが困難であるため、患者治療線量構成には用いられていない。
【0004】
従来、放射線療法の患者治療計画を設計するのに単一の治療前コンピュータ断層撮影法走査を用いてきた。このような単一の治療前走査を用いると、治療セッションの開始から治療セッションの終了までに起こる可能性がある臓器の移動、収縮及び変形のような患者の変動に起因して計画標的マージンが大きくなり、標準の組織線量が不確実になる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国仮特許出願番号第60/808,343号公報
【特許文献2】米国仮特許出願番号第60/881,092号公報
【特許文献3】米国特許第6,842,502号公報
【特許文献4】米国特許出願番号第11/786,781号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Liang J.他、「Reducing Uncertainties in Volumetric Image Based Deformable Organ Registration(立体画像に基づく変形可能臓器位置合わせの不確実性の減少)」、Med Phys 第30巻第8号2003年、2116〜2122頁
【非特許文献2】Chi Y.他、「Sensitivity Study on the Accuracy of Deformable Organ Registration Using Linear Biomechical Models(線形生物医学(Biomechical)モデルを用いる変形可能臓器位置合わせの正確性に関する感受性試験)」、Med Phys第33巻(2006年)421〜33頁
【非特許文献3】Zhang T.他、「Automatic Delineation of Online Head and Neck CT Images: Towards Online Adaptive Radiotherapy(オンライン頭部及び頸部CT画像の自動描写:オンライン適応放射線療法に向かって)」、International Journal of Radiation Oncology Biology Physics第68巻第2号(2007年)522〜30頁
【非特許文献4】Yan D.他、「A Model to Accumulate Fractionated Dose in a Deforming Organ(変形臓器での累積分割線量のモデル)」、International Journal of Radiation Oncology Biology Physics第44巻第3号(1999年)665〜675頁
【非特許文献5】Yan D.他、「Organ/Patient Geometric Variation in External Beam Radiotherapy and Its Effect(外部ビーム放射線療法の臓器/患者幾何学的形状の変動及びその効果)」Medical Physics第28巻第4号(2001年)593〜602頁
【非特許文献6】Lockman D.他、「Estimating the Dose Variation in a Volume of Interest with Explicit Consideration of Patient Geometric Variation(患者の幾何学的形状の変動を明示的に考慮した関心のある容積の線量変動の推定)」Medical Physics第27巻(2000年)2100〜2108頁
【非特許文献7】Sohn M.他、「Modeling Individual Geometric Variation Based on Dominant Eigenmodes of Organ Deformation: Implementation and Evaluation(臓器変形の優位固有モードに基づく個々の幾何学的形状の変動のモデル化:実行及び評価)」、Phys Med Biol第50巻(2005年)5893〜908頁
【非特許文献8】Yan D.、「Image−Guided/ Adaptive Radiotherapy(画像誘導適応放射線療法)」、Medical Radiology−Radiation Oncology、New Technologies in Radiation Oncology、W.Schlegel、T.Bortfeld、AL Grosu編、Springer−Verlag ベルリン、ハイデルベルク、ニューヨーク、香港、(2005年)ISBN 3−540−00321−5
【非特許文献9】Yan D.他、「A New Model for ’Accept Or Reject’ Strategies in On−Line and Off−Line Treatment Evaluation(オンライン及びオフライン治療評価での「許容又は拒絶」戦略のための新しいモデル)」、International Journal of Radiation Oncology、Biology Physics第31巻第4号(1995年)943〜952頁
【非特許文献10】Yan D.他、「An Off−Line Strategy for Constructing a Patient−Specific Planning Target Volume for Image Guided Adaptive Radiotherapy of Prostate Cancer(前立腺癌の画像誘導適応放射線療法のための患者特異的計画標的容積を構築するオフライン戦略)」、International Journal of Radiation Oncology、Biology Physics 第48巻第1号(2000年)289〜302頁
【非特許文献11】Birkner M.他、「Adapting Inverse Planning to Patient and Organ Geometrical Variation: Algorithm and Implementation(患者及び臓器の幾何学的形状の変動に対する逆方向計画の適応:アルゴリズム及び実行)」、Med Phys第30巻第10号(2003年)2822〜2831頁
【非特許文献12】Yan D.他、「On−Line Adaptive Strategy for Dose Per Fraction Design(分割設計による線量のためのオンライン適応戦略)」、第13回放射線療法でのコンピュータの利用に関する国際学会紀要、ドイツハイデルベルク(2000年)518〜520頁
【非特許文献13】Yan D.他、「Strategies for Off−Line and On−Line Image Feedback Adaptive Radiotherapy(オフライン及びオンライン画像フィードバック適応放射線療法のための戦略)」、BK Paliwal、DE Herbert、JF Fowler、MP Mehta編、Biological & Physical Basis of IMRT & Tomotherapy、AAPMシンポジウム紀要第12号2002年139〜50頁
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様は、被検体の関心領域の立体画像データを生成する撮像システムと、基準計画に従って被検体の関心領域に向けて治療放射線ビームを放出する放射線源とを含む放射線療法のためのシステムに関する。放射線療法のためのシステムは、立体画像データ及び治療放射線ビームの少なくとも1つのパラメータを受け取って評価し、基準計画の実時間でオンライン又はオフライン評価及びオンライン又はオフライン修正を行う処理システムを更に含む。
【0008】
本発明の第2の態様は、被検体の関心領域の立体画像データを生成する段階と、基準計画に従って治療放射線ビームを被検体の関心領域に向けて放出する段階とを含む放射線を用いて被検体を治療する方法に関する。本方法は、立体画像データ及び治療放射線ビームの少なくとも1つのパラメータを評価して、基準計画を実時間でオンライン又はオフライン評価及びオンライン又はオフライン修正を行う段階を更に含む。
【0009】
本発明の第3の態様は、被検体の関心領域の立体画像及び基準計画に従って被検体の関心領域に向けて配向される治療放射線ビームのパラメータを取り込み且つ評価し、基準計画を実時間でオンライン又はオフライン評価及びオンライン又はオフライン修正を行うようにするシステムに関する。本システムは更に、立体画像及び治療放射線ビームの取り込まれたパラメータの1つ又はそれ以上に基づいて情報を表示する監視装置を含む。
【0010】
本発明の第4の態様は、放射線療法セッションを計画し制御する方法に関し、本方法は、被検体の関心領域の立体画像及び基準計画に従って被検体の関心領域に向けて配向される治療放射線ビームのパラメータを取り込み且つ評価し、基準計画を実時間でオンライン又はオフライン評価及びオンライン又はオフライン修正を行うようにする段階を含む。本方法は更に、立体画像及び治療放射線ビームの取り込まれたパラメータの1つ又はそれ以上に基づいて情報を表示する段階を含む。
【0011】
本発明の第5の態様は、被検体がオンラインである実時間時間期間の間に基準計画に従って被検体の関心領域に向けて治療放射線ビームを放出するようにプログラムされた放射線源を含む、放射線療法のためのシステムに関する。本システムは、被検体がオンラインである実時間時間期間の間に被検体の関心領域のオンライン立体画像データと、非実時間のオフライン時間期間の間に被検体の関心領域のオフライン立体画像データとを生成する撮像システムを更に含む。本システムは更に、オンライン及びオフライン立体画像データの1つ又はそれ以上を受け取って処理し、基準計画を変更する処理システムを含む。
【0012】
本発明の第6の態様は、被検体がオンラインである実時間時間期間の間に基準計画に従って被検体の関心領域に向けて治療放射線ビームを放出することを計画する段階を含む放射線を用いて被検体を治療する方法に関する。本方法は、被検体がオンラインである実時間時間期間の間に被検体の関心領域のオンライン立体画像データと、非実時間オフライン時間期間の間に被検体の関心領域のオフライン立体画像データとを生成する段階を含む。本方法は、オンライン及びオフライン立体画像データの1つ又はそれ以上に基づいて基準計画を変更する段階を更に含む。
【0013】
本発明の第7の態様は、ポータル画像を形成する方法に関し、本方法は、関心のある被検体の二次元画像を形成する段階と、二次元画像上にコリメータ要素の画像を重ね合わせる段階とを含む。画像は、放射線療法ビームが関心のある被検体に向けて配向されたときのコリメータ要素の位置を表す。
【0014】
本発明の1つ又はそれ以上の態様は、オンライン及びオフライン治療線量の再構成を可能にする利点をもたらし、更に、実時間でオンライン及びオフライン治療評価及び基準計画のオンライン又はオフライン修正を行う治療判断ツールを提供する。
本発明の更なる目的、利点並びに特徴は、添付図面とあわせて解釈すると以下の説明及び添付の請求項から明らかになると考える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による線量追跡及びフィードバックプロセスを用いる放射線療法システムと、累積治療線量の自動構成、推定及び評価、及び適応計画最適化のための患者の解剖学的形状及び線量フィードバックのための実施可能なワークフローの実施形態の概略図である。
【図2a】線量追跡及びフィードバックを行うために図1の放射線療法システムと共に用いられるオンボード撮像システム及び/又は放射線療法システムの種々の実施形態を示す図である。
【図2b】線量追跡及びフィードバックを行うために図1の放射線療法システムと共に用いられるオンボード撮像システム及び/又は放射線療法システムの種々の実施形態を示す図である。
【図2c】線量追跡及びフィードバックを行うために図1の放射線療法システムと共に用いられるオンボード撮像システム及び/又は放射線療法システムの種々の実施形態を示す図である。
【図3a】kVポータル画像を形成する実施可能なプロセスの視覚表示である。
【図3b】kVポータル画像を形成する実施可能なプロセスの視覚表示である。
【図4】図4aは、関心のある臓器のビームアイビューを伴う基準画像であり、図4bは、関心のある臓器のビームアイビューを伴うkVポータル画像である。
【図5】品質保証ワークステーション上に、1日kVポータル画像の位置/容積追跡図表と共にkVポータル画像を示す可能性のある画像を示す図である。
【図6】図3〜図5のkVポータル画像の何れかを形成するための1連のステップのフロー図である。
【図7】図1〜図2のシステムと共に用いる放射線療法プロセスの実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明によれば、コーンビームコンピュータ断層撮影(CBCT)画像誘導適応放射線療法(IGART)システム100のような立体画像誘導適応放射線療法システム、及び1日累積治療線量の自動構成及び評価用の対応するワークフローシーケンスが図1〜図7に示されており、図中、同じ要素は同じ数字で表わされる。図1に示すように、CBCT IGARTシステム100は、多数の主要システム、すなわち、1)x線コーンビームコンピュータ断層撮影システム200のような3次元立体撮像システム、2)線形加速器302のような放射線療法線源と撮像装置304とを含む超高圧撮像システム300、3)kVポータル撮像装置プロセッサ/ソフトウェアシステム400、及び4)治療線量追跡及びフィードバックシステム600を含み、これらの各々を以下で論ずる。
【0017】
3次元立体撮像システム
コーンビームコンピュータ断層撮影システム200の機械的操作は、従来のコンピュータ断層撮影システムと同様であるが、但し、線源及び検出器を2回未満(好ましくは1回)回転させることによって全立体画像が取得されることを除く。これは、従来のコンピュータ断層撮影法で用いられる1次元(1−D)検出器とは対照的に、2次元(2−D)検出器を使用することにより可能となる。
【0018】
公知のコーンビームコンピュータ断層撮影法撮像システムの実施例は、米国特許第6,842,502号に記載されており、この内容全体は引用により本明細書に組み込まれる。この特許は、キロボルトx線管と、非晶質シリコン検出器のアレイを有するフラットパネル撮像装置とを含むコーンビームコンピュータ断層撮影撮像システムの実施形態を記載している。患者が治療テーブル上に横たわると、x線管及びフラットパネル撮像機は一体となって患者の周りを回転し、上述のように複数の画像を撮影するようにする。
【0019】
図2a〜図2cには、本発明で用いられる種々の立体撮像システムが示されている。以下の考察では、図2aのコーンビームコンピュータ断層撮影システム200及び超高圧ポータル撮像システム300について説明しているが、この考察は、図2b〜図2cの走査スロットコーンビームコンピュータ断層撮影法及び超高圧ポータル撮像システムにも等しく適用することができる。図2aは、壁取り付け式コーンビームコンピュータ断層撮影システム200及び超高圧ポータル撮像システム300の実施形態を示し、英国Crawley所在のElektaにより商品名Synergyで販売されているコーンビームコンピュータ断層撮影法及び超高圧ポータル撮像システムと共に用いるように適合可能である。このようなシステム200及び300は、2007年4月12日に出願された「Scanning Slot Cone−Beam Computed Tomography and Scanning Focus Spot Cone−Beam Computed Tomography(走査スロットコーンビームコンピュータ断層撮影法及び走査焦点スポットコーンビームコンピュータ断層撮影法)」という名称の係属中の米国特許出願第11/786,781号に記載されており、その全内容は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0020】
コーンビームコンピュータ断層撮影システム200は、x線管202のような線源と、ロータリーコリメータ204と、ガントリ208上に装着されたフラットパネル撮像装置/検出器206とを含む。図2aに示すように、フラットパネル撮像装置206は、医療用線形加速器302のガントリ208の平坦で円形の回転可能ドラム210の面に装着することができ、ここではx線管202により生成されるx線ビーム212は、放射線療法線源302により生成される治療ビーム306とほぼ直交する。x線管及び撮像装置を回転可能ドラムに装着する実施例は、米国特許第6,842,502号に記載されており、その全内容は、引用により本明細書に組み込まれることに留意されたい。
【0021】
検出器206は、各々非晶質シリコン(α−Si:H)及び薄膜トランジスタで作ることができる半導体センサの2次元アレイで構成することができる点に留意されたい。各センサからのアナログ信号は、統合されてデジタル化される。このデジタル値は、データ記憶サーバ102に送信される。
【0022】
コリメータ204からの扇形ビームが、上述のように患者Pの幅を横断して検出器206全体に衝突した後、コンピュータ234は、ドラム210に対し回転するように命令し、x線源202、コリメータ204及び検出器206が患者Pの周りを別の位置まで回転して上述の走査プロセスを繰り返すことができるようにし、別の2次元投影が生成されるようにする。x線源202、コリメータ204及び検出器206の上記の回転は、コーンビームコンピュータ断層撮影法画像を形成するのに十分な数の2次元画像が得られるまで継続する。この目的のためには、2回未満回転することが必要である(360°未満の回転により生じる画像を形成することも想定することができる)。各位置からの2次元投影がコンピュータ234で組み合わされて、上記に記載したコーンビームコンピュータ断層撮影システムと同様にディスプレイ236上に示される3次元画像を生成する。
【0023】
コリメータ208についての上述の実施形態は回転式であるが、2007年4月12日に出願された「Scanning Slot Cone−Beam Computed Tomography and Scanning Focus Spot Cone−Beam Computed Tomography(走査スロットコーンビームコンピュータ断層撮影法及び走査焦点スポットコーンビームコンピュータ断層撮影法)」という名称の係属中の米国特許出願第11/786,781号に記載されるように、線形移動コリメータを代わりに用いることもでき、その全内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【0024】
放射線療法線源及び撮像装置
図2aに示すように、システム300は、線形線源302のような別個の放射線療法x線源と、回転ドラム210に別々に装着された検出器/撮像装置304とを含む。線源302は、x線管202よりも高い出力レベルで動作し、可動テーブル210(コンピュータ234を介してx、y及びz方向に移動可能)上に横たわる患者の標的容積を治療可能にする。線形線源302は、4MeV〜25MeVの範囲のエネルギーを有するx線、或いは光子、陽子又は電子のような粒子のビームを生成する。
【0025】
上述のように、粒子は、腫瘍のような患者の特定の関心領域を治療するのに用いられる。粒子のビームは、関心領域に到達する前に、マルチリーフコリメータ308を介して特定の断面積を有するような形状にされる。断面積は、粒子のビームが治療すべき関心領域と相互作用し、健康な患者の領域とは相互作用しないように選択される。関心領域を透過する放射線は、公知の方法で撮像装置304を介して撮像することができる。
【0026】
立体撮像システム及び放射線源及び撮像装置の別の実施形態
図2bには、コーンビームコンピュータ断層撮影システム200a及び超高圧ポータル撮像システム300aの別の実施形態が示されている。この実施形態では、システム200a及び300aは、カリフォルニア州Palo Alto所在のVarian Medical Systemsにより商標名Trilogyで販売されているコーンビームコンピュータ断層撮影法及び超高圧ポータル撮像システムと共に用いるように適合させることができる。システム200aは、図2aの実施形態で使用されたものと同様のx線管202、ロータリーコリメータ204、及びフラットパネル撮像装置/検出器206を含む。ドラム上に装着された図2aのシステム200とは異なり、x線管202及びコリメータ204は、システム300aの支持部308に枢動可能に装着されたアーム214上に装着される。同様に、フラットパネル撮像装置206は、支持部308に装着されたアーム216上に装着される。
【0027】
図2aの実施形態と同様に、図2bのx線管202により生成されるx線ビーム212は、放射線療法線源302により生成される治療ビーム304にほぼ直交する。図2bに示すように、システム300は、図2aに関して上述されたものと同様の線形線源302及び検出器306を含む。従って、線形線源302は、x線或いは光子又は電子のような粒子のビームを生成し、これらは、可動テーブル210(コンピュータ234を介してx、y及びz方向に可動)上に横たわる患者の標的容積の治療を可能にするような4MeV〜25MeVの範囲のエネルギーを有する。ドラム上に装着された図2aのシステム300とは異なり、線形線源302及び検出器306は、支持部308と接続される。
【0028】
走査スロットコーンビームコンピュータ断層撮影システム200の別の実施形態が図2cに示される。この実施形態では、システム200cは、図2aの実施形態に用いられるものと同様のキロボルト数x線管202、ロータリーコリメータ204、及びフラットパネル撮像装置/検出器206を含む。ドラムに装着された図2aのシステム200とは異なり、x線管202及びコリメータ204は、Cアーム218の一方の端部に装着され、フラットパネル撮像装置206は、Cアーム218の他方の端部に装着される。Cアーム218は、図2cに示す軸線A及びBの周りを枢動することができるように可動ベース220に装着される。
【0029】
治療線量追跡及びフィードバックシステム
図1に示すように、治療線量追跡及びフィードバックシステム600は、ワークステーション又はデータサーバ110を含み、該ワークステーション又はデータサーバ110は、コーンビームコンピュータ断層撮影システム200により生成され、サーバ102から受け取った患者の3次元立体画像に対して領域分割/位置合わせプロセスを実施するのに専用のプロセッサを含む。ワークステーション110は、各立体画像内の画像データの各容積を識別し位置合わせすることができる。このような識別及び位置合わせにより、同じ容積の画像データの位置を1つの療法セッションから別の療法セッションまで追跡することが可能になる。
【0030】
治療線量追跡及びフィードバックシステム600は、ワークステーション又はデータサーバ112を更に含み、これらは、1)ワークステーション110により実施される領域分割/位置合わせプロセスと、2)基準計画502に従って測定されてサーバ102内に記憶される角度位置、ビームエネルギー、及びビームの断面形状など、患者に衝突したときに線源302から放出される放射線のビームのパラメータとに基づいて治療線量構成プロセスを実行するのに専用のプロセッサを含む。このようなパラメータは、ガントリ208の角度位置、コリメータ308の角度方向、マルチリーフコリメータ308のリーフの位置、テーブル210の位置及び放射線ビームのエネルギーの形式とすることができる。画像データの部分容積の位置及び形状が既知になると、この全く同じ部分容積が受ける治療線量は、放射線のビームが患者に衝突したときに線源302から放出される放射線のビームの上述のパラメータに基づいて決定/構成することができる。このような決定は、システム200により生成される立体画像の各々に対する画像データの部分容積の各々に対してなされる。
【0031】
治療線量追跡及びフィードバックシステム600は、ワークステーション又はデータサーバ114を更に含み、これらは、1)オフライン及びオンライン情報に基づき実時間で特定の日における放射線療法治療を調整するか、又は2)オフライン情報に基づき非実時間で放射線療法治療計画を調整するかの何れかを行うことができる適応計画プロセスを実施するのに専用のプロセッサを含む。調整は、ワークステーション112により計算された線量が、治療計画で好ましいとされる線量とどのように異なるかに基づいている。用語「実時間」とは、放射線療法線源が起動されて患者を治療しているときの時間期間を意味する点に留意されたい。用語「オンライン」とは、患者が治療テーブルにいるときに関し、「オフライン」とは、患者が治療テーブルにいないときをいう。
【0032】
要約すると、治療線量追跡及びフィードバックシステム600は、療法セッション中に実時間で測定される立体画像情報及び療法ビームパラメータに基づいて、実時間治療線量構成及び4D適応計画を実施することができる。また、システム600は、非実時間でも同様に適応計画を実施することができる。このような実時間及び非実時間プロセスは、図7に概略的に示されるプロセスに関して更に詳細に論じることにする。別の実施形態では、ワークステーション110、112及び114は、ワークステーション110、112及び114に関連するプロセスが1つ又はそれ以上のプロセッサにより行われる単一のワークステーションに結合することができる点に留意されたい。ワークステーション112により決定された実時間治療線量構成、及びワークステーション114により決定された4D適応計画は、品質保証(QA)評価ステーション116の監視装置117に表示することができる点に留意されたい。監視装置117に表示された情報に基づいて、医療関係者は、必要であれば、計算した4D適応計画を許容可能なパラメータに含めるように変更することができる。従って、QA評価ステーション116は、将来、療法セッションにおいて実時間の変更が確実に行われるように機能する。このケースでは、QA評価ステーション116及び治療線量追跡及びフィードバックシステム600は、集合的に4D計画及び制御システムであるとみなすことができる。
【0033】
上述のオンボードコーンビームコンピュータ断層撮影システム200、超高圧撮像及び放射線療法システム300、QA評価ステーション116及び治療線量追跡及びフィードバックシステム600を考慮すると、図1のCBCT IGARTシステム100の運転を理解することができる。詳細には、上述されたオンライン立体撮像情報及び実時間療法ビームパラメータは、システム200、300及び400から取り込まれ、データ記憶サーバ102内に記憶される。次に、立体撮像情報及び療法ビームパラメータは、データ監視ジョブ制御装置104に送られ、これが、予め設計された治療スケジュール及びプロトコルに基づいてワークステーション110、112及び114の各々に自動的にタスクを割り当て、このようなタスクの達成を制御する。タスクは、一時的ジョブ待ち行列118に記憶され、臨床上の優先事項に基づいてワークステーション110、112及び114の各々にディスパッチする。臨床上の優先事項は、医師評価/決定ステーション122での治療レビュー及び評価に基づいて、ユーザの臨床上の要求120から再割り当てすることができる。加えて、ステーション122はまた、治療/計画修正決定の指令も与える。修正サーバ124は、ステーション122からの指令を受け取り、適応計画ワークステーション114で生成された最適化適応計画に基づいて、進行中の治療計画、システム300上のビーム又は患者位置を修正する。
【0034】
図1に示すように、サーバ102からの生データはまた、ワークステーション110に送られる。ワークステーション110は、コーンビームコンピュータ断層撮影システム200により生成される患者の3次元の立体画像に対して自動領域分割/位置合わせプロセスを専用に行う。また、サーバ102からの生データは、ワークステーション112及びワークステーション114に送られる。ワークステーション112は、生データから1日及び累積治療線量構成/評価を行う。ワークステーション114は、生データから適応計画を実施する。これらの3つのワークステーション110、112及び114は、ジョブ待ち行列126、128及び130それぞれの命令でそのタスクを自動的に実施する。上述の領域分割/位置合わせ、治療線量構成/評価、及び適応計画は、図7に概略的に示すプロセスに関して以下で説明する。
【0035】
図1に示すように、ワークステーション110、112及び114から生成される領域分割/位置合わせ、治療線量構成及び適応計画情報は、QA評価ステーション116に送られ、これが臨床ユーザと対話し、必要であれば、上記のワークステーション110、112及び114からの結果を検証及び修正する。次に、QA評価ステーション116からの出力は、派生データサーバ102内に記憶される。
【0036】
QAステーション116は、更新実行ステータスをジョブ実行ログサーバ132に提供し、これが、情報の処理が現在行われているかどうか、処理が完了したかどうか、又はエラーが発生したかどうかについての情報を供給する。ワークステーション112及び114それぞれにより治療線量構成又は適応計画修正のタスクが完了すると常に、評価ステーション116は、現在の治療ステータス及び完了した治療線量の両方を含む治療評価情報、並びに、患者及び以前の治療からの治療データに基づいて推定される結果パラメータを提供する。次いで、QA評価ステーション116にいるユーザは、指令又は新しい臨床スケジュールを優先度の高いジョブ要求サーバ120に送り、新しい情報を要求するか臨床治療スケジュールを修正するかの何れかを行うことができる。加えて、ユーザは、サーバ124を通して新しい適応計画を実行するか又は治療/患者位置補正を行うかの判断を行うことができる。
【0037】
CBCT IGARTシステム100は、kVポータル撮像プロセッサ/ソフトウェア400を介したkVポータル撮像プロセス及び画像誘導適応放射線療法プロセス500を含む多くのプロセスを実施するが、これらの両方を図3〜図7に関して以下で説明する。
【0038】
治療前プロセス
放射線療法プロセスがどのように進行するかに関する実施例として、診療所で以前に放射線療法セッションを受けた患者に、別のセッションが特定の日に予定されていると仮定する。患者は、予定日に診療所に到着し、図3aに示すものと同様の療法室に進む。療法室は、図2aに関して上述されたコーンビームコンピュータ断層撮影システム200及び超高圧ポータル撮像システム300を含む。患者は、テーブル110の上に横たわり、医療従事者によるオンライン療法セッションの準備をする(「オンライン」とは、患者が放射線療法治療テーブル110上に位置決めされたときに実施される事象及びプロセスと定義される)。
【0039】
この時点で、治療放射線を患者に照射する基準治療計画は、以前の放射線療法セッションに基づいて患者について事前に決定されている。基準治療計画は、治療される関心領域の最も可能性の高い計画立体画像に基づき治療送達の前に設計される。基準治療計画は、患者配置位置、療法機械パラメータ及び患者の種々の領域に照射されることになる期待1日及び累積線量を含む。このような基準計画は、放射線に暴露される患者の領域、及び単一のセッションの間に放射線源から受け取ることになる領域の線量を指定する。従って、基準計画は、マルチリーフコリメータ308により形成されるビームのビーム角度/ガントリ位置、ビームエネルギー、及び断面積に関する情報を含むことになる。基準計画に基づいて、患者は、基準計画により患者内の関心領域に放射線を照射するのに最適な特定の位置(患者の側面など)に移動するように指示される。特定の位置にいる間、放射線療法セッションの前にkVプロセッサ/ソフトウェア400を用いる治療前kVポータル撮像プロセスが行われる。治療前kVポータル撮像プロセスは、図3〜図6に概略的に示される。詳細には、このプロセスは、治療の前に患者のコーンビームコンピュータ断層画像404から2次元投影/放射線撮影画像を形成する段階を含み、ここで画像404は、プロセスの段階406によりテーブル210上の特定の位置に患者がいる間の関心領域を含む。基準計画によれば、放射線源302は、患者が特定の位置にいる間に各位置で放射線を照射するように1つ又はそれ以上の位置に移動されることになる。放射線源302の各位置では、マルチリーフコリメータ308のリーフは、放射線ビームを特定の断面形状に形成するのに望ましい輪郭を形成するように移動されることになる。段階408で、放射線源の各位置でのリーフの位置は、図3a〜図3bのマルチリーフ輪郭410で概略的に表わされるように決定される。
【0040】
次に、患者がリーフ/輪郭410の特定の位置及び複数の位置にいる間の関心領域のコーンビームコンピュータ断層画像404は、図3b及び図4〜図6に示すようにワークステーション110のプロセッサにおいて記憶され処理される。このような処理には、段階412で、コーンビーム画像404に基づき2次元投影/放射線撮影画像上に各輪郭410を重ね合わせ、図3b及び図4bに示すような治療ビームアイビュー(BEV)kVポータル画像を形成する段階を含む。kVポータル画像は、静的患者解剖学的検証のためのkVデジタル再構成放射線撮影(DRR)画像として、又は呼吸運動のような動的患者解剖学的構造運動を検証するためのデジタル再構成蛍光透視(DRF)画像として形成することができる点に留意されたい。何れの場合も、対応する輪郭410を備えた各kVポータル画像(例えば図4b)は、実行される実時間放射線療法計画に従って生成される治療基準放射線撮影画像(例えば図4a)と比較される。kVポータル画像の腫瘍又は臓器のような、1つ又はそれ以上の関心領域が、基準画像の対応する関心領域の位置に対して少なくとも予め設定した量だけ変位する場合には、1日の治療セッションに対する実時間放射線療法計画を調整する段階を行う。この変位が予め設定した量を下回る場合には、実時間放射線計画は調整されない。
【0041】
治療線量に加え、kVポータル画像は、図3a〜図3bに示すように、治療を記録し検証するように構成することもできる。更に、CBCT画像上に顕在された関心のある臓器は、自動領域分割されて治療前CT画像に位置合わせされる。従って、関心のある各臓器の1日及び累積線量−容積関係を生成することができる。実施の幾つかでは、数値フィルタを用いて、患者の解剖学的変動の定常及び非定常ランダムプロセスの両方に対してパラメータ評価を行うことにより関心のある各臓器の最終的な治療線量を推定する。最小二乗推定、主成分分析(PCA)に基づく推定、及び特異値分解(SVD)推定のような試料推定方法を実施することができる。
次に、この推定を用いて、治療評価及び計画修正決定に対する情報を提供し、適応計画修正エンジンを起動するタイミングを判断する。
【0042】
オンライン、オフライン画像誘導適応放射線療法計画
kV撮像プロセスが完了し、初期放射線療法計画が修正又は維持される結果となった後、患者は、修正/元の基準計画に従って放射線療法を受けるように再位置決めされ、図7に概略的に示すように画像誘導適応放射線療法プロセス500が実行される。詳細には、基準計画502は、プロセス504により線形線源302に適用され、線源302を基準計画502で指定された位置まで移動させ、基準計画502に従って角度位置、ビームエネルギー及びビームの断面形状など、線源x302から放出される放射線のビームが患者に衝突するときの該ビームのパラメータをフォーマットするようにする。このようなオンライン及び実時間パラメータは、ガントリ208の角度位置、コリメータ308の角度方向、マルチリーフコリメータ308のリーフの位置、テーブル210の位置及び放射線ビームのエネルギーの形態とすることができる。また、プロセス504は、基準計画502によりマルチリーフコリメータ304の個々のリーフを望ましい位置に移動し、線形線源302により生成される放射線療法ビームが基準計画502により患者の特定の形状の領域に放射するようにコリメートされるようになる段階を含むことができる。
【0043】
プロセス504により基準計画502が実施されると、基準計画502は、放射線療法セッションの間に起こる種々の因子を考慮するように変更することができる。例えば、プロセス500は、システム100が実時間で線形線源302のオンライン機械治療パラメータを監視し、プロセス506によりその放射線をオンラインで出力させることを含むことができる。プロセス506は、ビーム角度、ビームエネルギー及びビームの断面形状のような治療パラメータを監視させることを含む。このようなパラメータは、ガントリの位置、コリメータ308の角度位置、マルチリーフコリメータ308のリーフの位置、テーブル210の位置、ビームのエネルギーを必然的に伴うことができる。
上述の監視プロセス506により得られる実時間のオンライン情報は、図1のワークステーション112に供給され、オンライン及びオフラインでの1日及び累積線量構成プロセス508の何れかの間に用いることができるようにする。
【0044】
プロセス504により放射線療法ビームが患者に照射される間、治療されることになる関心領域は、コーンビームコンピュータ断層撮影システム200により撮像される。3次元立体画像を用いて、関心のある様々な個々の容積を実時間及びオンライン方式で位置合わせして追跡する。位置合わせ及び追跡する前に、プロセス510によりサーバ102が補正パラメータを決定し、立体画像に適用されるようにする必要がある。補正パラメータは、テーブル210上の患者の位置及びコリメータの角度位置のような幾つかの因子に起因して、立体画像の剛体要素が好ましい方式で配向されないことが多いという事実に関連付けられる。これらの因子の測定値に基づいて、プロセス510により、3次元画像に適用したときに画像が好ましい位置に再配向される補正パラメータが求められる。再配向3次元画像は、図1のワークステーション102で記憶される。ワークステーション102は、患者の関心のある1つ又はそれ以上の領域の記憶された3次元画像のライブラリを含む。
【0045】
補正パラメータが求められると、プロセス512を介して、領域分割−変形可能臓器位置合わせワークステーション110が、システム200より生成される立体画像及び補正パラメータをサーバ102から受け取る。ワークステーション110は、立体画像上に顕在化される患者の解剖学的要素が、基準計画に関連する基準計画立体画像のものと一致するようにプロセス512を実行する。画像位置合わせの結果を用いて、一般に医師により描写される計画立体画像上の治療前臓器外形を治療立体画像の対応する点に自動的にマップする。このプロセスに適用される位置合わせ方法は、有限要素法及び画像類似性最大化法のように極めて標準的である。しかしながら、以下の公表物;
1)Liang J.他、「Reducing Uncertainties in Volumetric Image Based Deformable Organ Registration(立体画像に基づく変形可能臓器位置合わせの不確実性の減少)」、Med Phys 第30巻第8号2003年、2116〜2122頁、
2)Chi Y.他、「Sensitivity Study on the Accuracy of Deformable Organ Registration Using Linear Biomechical Models(線形生物医学(Biomechical)モデルを用いる変形可能臓器位置合わせの正確性に関する感受性試験)」、Med Phys第33巻(2006年)421〜33頁、
3)Zhang T.他、「Automatic Delineation of Online Head and Neck CT Images: Towards Online Adaptive Radiotherapy(オンライン頭部及び頸部CT画像の自動描写:オンライン適応放射線療法に向かって)」、International Journal of Radiation Oncology Biology Physics第68巻第2号(2007年)522〜30頁、及び、
4)Yan D.他、「A Model to Accumulate Fractionated Dose in a Deforming Organ(変形臓器での累積分割線量のモデル)」、International Journal of Radiation Oncology Biology Physics第44巻第3号(1999年)665〜675頁、
などに記載されるような、放射線療法における関心のあるCBCT画像及び臓器の特定の適用に対してこれらの方法を最適化するために行われる幾つかの修正点が存在しており、これらの公表物の各々の内容全体は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0046】
立体画像の各点が追跡されると、プロセス506により、情報がパラメータと共に受け取るワークステーション112に送られる。ワークステーション112では、オンライン1日及び累積線量構成プロセス508が行われる。1日線量構成プロセスは、実時間治療に対して、プロセス512により追跡される立体画像内の画像データの各容積が受け取る線量を計算/構成する段階を伴う。1日の治療セッションが完了した後、画像データの各容積に対する1日線量はサーバ102内に記憶される。画像データの各容積に対する1日線量は、前の療法セッションから計算/構成される画像データの同じ容積に対する1日線量と組み合わされ、画像データの各容積に対する経時的な累積線量がプロセス508により決定され、サーバ102内に記憶できるようにする。1日及び累積治療線量の構成の更なる詳細は、以下の公表物;
1)Yan D.他、「A Model to Accumulate Fractionated Dose in a Deforming Organ(変形臓器中の累積分割線量のモデル)」、International Journal of radiation Oncology,Biology Physics第44巻第3号(1999年)665〜675頁、
2)Yan D.他、「Organ/Patient Geometric Variation in External Beam Radiotherapy and Its Effect(外部ビーム放射線療法の臓器/患者幾何学的形状の変動及びその効果)」Medical Physics第28巻第4号(2001年)593〜602頁、及び、
3)Lockman D.他、「Estimating the Dose Variation in a Volume of Interest with Explicit Consideration of Patient Geometric Variation(患者の幾何学的形状の変動を明示的に考慮した関心のある容積の線量変動の推定)」Medical Physics第27巻(2000年)2100〜2108頁、
において論じられており、この各々に内容全体は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0047】
図7に示すように、治療評価514は、患者臓器位置合わせ及び治療線量構成プロセス512及び508それぞれの後にワークステーション114により行われる。治療評価には、(a)現在の治療送達が治療品質保証のために以前に計画されたものと同じであるかどうかを判断すること、及び(b)治療結果を最適化するためにこれまでに観察され定量された患者の解剖学的構造/線量変動を含むことによって進行中の治療計画を修正することの2つの目的がある。このような治療評価514は、実時間でオンライン及びオフラインで行うことができる。
【0048】
最終的な治療線量及び結果の推定を用いて治療評価及び計画修正決定についての情報を提供し、図7のプロセス514により適応計画修正エンジンを起動するタイミングを判断する。数値フィルタを用いて、患者の解剖学的変動の静的及び非静的ランダムプロセスの両方に対してパラメータ評価を行うことによって関心のある各臓器の最終的な治療線量を推定する。最小二乗法推定(LSE)、主成分分析(PCA)に基づく推定及び特異値分解(SVD)推定のような試料推定方法を実施する。異なる治療部位の臓器の幾何学的形状及び線量推定のためにこれらのフィルタを用いる詳細な考察は、以下の文献、
1)Yan D.他、「Organ/Patient Geometric Variation in External Beam Radiotherapy and Its Effect(外部ビーム放射線療法の臓器/患者の幾何学的形状の変動及びその効果)」、Medical Physics第28巻第4号(2001年)593〜602頁、
2)Lockman D.他、「Estimating the Dose Variation in a Volume of Interest with Explicit Consideration of Patient Geometric Variation(患者の幾何学的形状の変動を明示的に考慮した関心のある容積の線量変動の推定)」Medical Physics第27巻(2000年)2100〜2108頁、
3)Sohn M.他、「Modeling Individual Geometric Variation Based on Dominant Eigenmodes of Organ Deformation: Implementation and Evaluation(臓器変形の優位固有モードに基づく個々の幾何学的形状の変動のモデル化:実行及び評価)」、Phys Med Biol第50巻(2005年)5893〜908頁、及び
4)Yan D.、「Image−Guided/ Adaptive Radiotherapy(画像誘導適応放射線療法)」、Medical Radiology−Radiation Oncology、New Technologies in Radiation Oncology、W.Schlegel、T.Bortfeld、AL Grosu編、Springer−Verlag ベルリン、ハイデルベルク、ニューヨーク、香港、(2005年)ISBN 3−540−00321−5、
に論じられており、これらの内容全体は引用により本明細書に組み込まれる。
【0049】
治療推定の第1のタスクは、プロセス514によりワークステーション112で行われる治療送達及び計画比較に関する。この比較は、画像の特定の部分容積についての1日又は累積治療線量及び対応する部分容積についての対応する1日又は累積計画線量が、特定の許容範囲(Yan D.他、「A New Model for ’Accept Or Reject’ Strategies in On−Line and Off−Line Treatment Evaluation(オンライン及びオフライン治療評価での「許容又は拒絶」戦略のための新しいモデル)」、International Journal of Radiation Oncology、Biology Physics第31巻第4号(1995年)943〜952頁参照。この内容全体は引用により本明細書に組み込まれる)の外にあることが示される場合には、これは、現在実行されている基準計画を現在の療法セッションの間に改正する必要があることを意味する。関心のある部分容積の上述の1日及び累積線量は、図5の下側に示す図表と同様にして図7の監視装置117上などで時間的に追跡/表示することができる点に留意されたい。
【0050】
線量の比較に加えて、図6の上述のプロセスによりkVポータル画像を形成することにより治療ビームに関して治療される領域の位置決めが試験される。実時間kVポータル画像を基準ポータル画像と比較し、実時間kVポータル画像の関心のある部分容積が、基準ポータル画像の対応する部分容積位置に関する特定の許容範囲を超えて位置が変位しているか又は形状が変形していることが分かった場合、マルチリーフコリメータのリーフを調整するような基準計画は、この場合でも同様に変更することが必要となる。関心のある部分容積の上述の位置は、図5の下側の図表に示すように時間的に追跡/表示することができ、ここでは、特定の部分容積のx、y及びzの位置は、1つの1日治療セッションから別の1日治療セッションまで追跡される点に留意されたい。
【0051】
上述の比較の何れかが対応する許容範囲の外にある場合には、オンライン又はオフライン適応計画最適化プロセス516において基準療法治療計画の改正を行う。適応計画最適化は、治療前コンピュータ断層画像データのみを用いる従来の放射線療法計画とは異なる。その代わりに、適応計画は、フィードバックとして患者の解剖学的構造/線量追跡からの個々の治療履歴を用いて、治療制御パラメータを最適化することを目的とする。適応計画最適化技術の実施例は、以下の公表物:
1)Yan D.他、「An Off−Line Strategy for Constructing a Patient−Specific Planning Target Volume for Image Guided Adaptive Radiotherapy of Prostate Cancer(前立腺癌の画像誘導適応放射線療法のための患者特異的計画標的容積を構築するオフライン戦略)」、International Journal of Radiation Oncology、Biology Physics 第48巻第1号(2000年)289〜302頁、
2)Birkner M.他、「Adapting Inverse Planning to Patient and Organ Geometrical Variation: Algorithm and Implementation(患者及び臓器の幾何学的形状の変動に対する逆方向計画の適応:アルゴリズム及び実行)」、Med Phys第30巻第10号(2003年)2822〜2831頁、
3)Yan D.他、「On−Line Adaptive Strategy for Dose Per Fraction Design(分割設計による線量のためのオンライン適応戦略)」、第13回放射線療法でのコンピュータの利用に関する国際学会紀要、ドイツハイデルベルク(2000年)518〜520頁、及び、
4)Yan D.他、「Strategies for Off−Line and On−Line Image Feedback Adaptive Radiotherapy(オフライン及びオンライン画像フィードバック適応放射線療法のための戦略)」、BK Paliwal、DE Herbert、JF Fowler、MP Mehta編、Biological & Physical Basis of IMRT & Tomotherapy、AAPMシンポジウム紀要第12号2002年139〜50頁、
に記載されている。
【0052】
図7に関する上述のプロセスは、システム200からのデータ立体画像データ、及び療法ビームが生成されている間の療法ビームパラメータ情報を取り込むことにより実時間データ/情報を含むことができる点に留意されたい。このような実時間情報は、プロセス506、508、510、512により処理し、プロセス514において用いて、療法計画を「実時間」で改正する必要があるかどうかを判断することができる。改正が望ましいと判断された場合には、実時間データ/情報を以前の療法セッション(オフライン情報)から求められた関心のある容積の以前の線量情報及び位置/形状情報と合わせて用いて、療法計画を作ることができる。
【0053】
上記の説明は、図7のプロセスを介して療法計画を改正するために「実時間」データ/情報をどのように用いることができるかを実際に示しているが、この説明は、非実時間適応療法にも等しく適用可能である。この場合には、プロセス506、508、510及び512が、以前の治療セッションからのオフライン情報を使用し、プロセス514が、「実時間」で将来用いることになる療法計画を改正する必要があるかどうかを判断する。
【0054】
要約すると、システム100及びプロセス500は、立体画像誘導適応放射線療法を提供し、これは、治療線量構成及びフィードバックのために実時間でオンライン及びオフラインで行うことができる。従って、これらは、画像誘導実時間オンライン及びオフライン放射線療法のための全ての可能性のあるフィードバック情報を提供する。従って、システム100及びプロセス500は、主に、以前の治療で送達された患者の線量、現在の治療の患者の解剖学的構造、及び残りの治療送達において推定される患者の解剖学的構造を含む個人の治療情報を完全に用いることができる。
【0055】
以上の考察は、単に本発明の例示的な実施形態を開示し説明しているに過ぎない。当業者には、添付の請求の範囲で定義される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の変更、修正、及び変形を実施できることは、このような考察、及び添付図面並びに請求の範囲から容易に理解されるであろう。
【符号の説明】
【0056】
100 画像誘導適応放射線療法(IGART)システム
102 生データ
102 派生データ(外形、変位、計画、線量、‥)
104 データ監視ジョブコントローラ
117 QA評価ステーション
118 ジョブ待ち行列及び目標とするサーバへのディスパッチ
120 指定(優先)ジョブ要求
122 ユーザレビュー評価
124 治療/計画変更
126 ジョブ1
132 ジョブ実行ログ
200 コーンビームCT
300 超高圧撮像システム
302 線形加速器
304 撮像装置
400 KV撮像装置 ソフトウェア プロセッサ
領域分割/位置合わせ
600 治療線量追跡及びフィードバックシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線療法のためのシステムであって、
被検体の関心領域の立体画像データを生成する撮像システムと、
基準計画に従って前記被検体の関心領域に向けて治療放射線ビームを放出する放射線源と、
前記立体画像データ及び前記治療放射線ビームの少なくとも1つのパラメータを受け取って評価し、前記基準計画を実時間でオンライン又はオフライン評価及びオンライン又はオフライン修正を行う処理システムと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記撮像システムが、
前記被検体に向かってx線を放出するx線線源と、
前記被検体の関心領域を透過するx線を受け取り、前記被検体の関心領域の前記立体画像データを生成するための信号を生成するようにする検出器と、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記撮像システムは、
前記検出器が前記被検体の関心領域を通過した後の扇形のx線を受け取って、該受け取った扇形のx線の各々に対して撮像信号を生成するようにする、コーンビームコンピュータ断層撮影システムと、
前記受け取った扇形のx線の各々に対する前記撮像信号を受け取るように前記検出器に接続されたコンピュータと、
を含み、
前記x線線源、前記スロット、及び前記検出器が前記被検体の周りを回転して、前記コンピュータにより複数の撮像信号が再構成されて3次元コーンビームコンピュータ断層撮影法画像を生成するようにする、
ことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記x線線源が、kV x線線源を含む、
ことを特徴とする請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記治療放射線が、4MeV〜25MeVの範囲のエネルギーを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記基準計画が、単一の治療セッションの間に、前記治療放射線ビームに暴露されることになる前記被検体の領域と前記放射線源から前記領域が受け取ることになる線量とを指定する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記治療放射線ビームの少なくとも1つのパラメータが、前記治療放射線ビームの角度、前記治療放射線ビームのエネルギー、及び前記治療放射線ビームの断面形状からなる群から選択される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記処理システムが、前記立体画像データに対し領域分割/位置合わせプロセスを実行するワークステーションを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記立体画像データを以前の立体画像から取った記憶立体画像と比較して、前記立体画像の各部分容積の動き及び形状の変化を前記記憶立体画像の対応する部分容積に対して追跡するようにするワークステーションを更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記立体画像データを前記記憶立体画像と比較するワークステーションにより追跡された各部分容積に対して受け取られる治療線量を構成するワークステーションを更に含む、
ことを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記構成された治療線量を前記基準計画により指定される好ましい治療線量と比較するワークステーションを更に含む、
ことを特徴とする請求項10のシステム。
【請求項12】
前記構成された治療線量及び前記好ましい治療線量が特定の許容範囲内にある場合には、前記基準計画が維持される、
ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記構成された治療線量及び前記好ましい治療線量が特定の許容範囲の外にある場合には、前記基準計画が変更される、
ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記基準計画が、前記基準計画の実時間評価に基づいて変更される、
ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記基準計画が、オフライン情報に基づいて変更される、
ことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記基準計画が、オフライン情報に基づいて変更される、
ことを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記関心領域の各部分容積において受け取られる治療線量を構成するワークステーションを更に含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記構成された治療線量を前記基準計画により指定される好ましい治療線量と比較するワークステーションを更に含む、
ことを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記構成された治療線量及び前記好ましい治療線量が特定の許容範囲内にある場合には、前記基準計画が維持される、
ことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記構成された治療線量及び前記好ましい治療線量が特定の許容範囲の外にある場合には、前記基準計画が変更される、
ことを特徴とする請求項18のシステム。
【請求項21】
前記基準計画が、前記基準計画の実時間評価に基づいて変更される、
ことを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記基準計画が、オフライン情報に基づいて変更される、
ことを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記基準計画が、オフライン情報に基づいて変更される、
ことを特徴とする請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
放射線を用いて被検体を治療する方法であって、
被検体の関心領域の立体画像データを生成する段階と、
基準計画に従って前記被検体の関心領域に向けて治療放射線ビームを放出する段階と、
前記立体画像データと前記治療放射線ビームの少なくとも1つのパラメータとを評価して、前記基準計画を実時間でオンライン又はオフライン評価及びオンライン又はオンライン修正を行う段階と、
を含む方法。
【請求項25】
前記立体画像データを生成する段階が、
前記被検体に向かってx線を放出する段階と、
前記被検体の関心領域を透過するx線を検出し、前記被検体の関心領域の前記立体画像データを生成するための信号を生成する段階と、
を含む、
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記基準計画が、単一の治療セッションの間に、前記治療放射線ビームに暴露されることになる前記被検体の領域と前記領域が前記放射線源から受け取ることになる線量とを指定する、
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記治療放射線ビームの少なくとも1つのパラメータが、前記治療放射線ビームの角度、前記治療放射線ビームのエネルギー、及び前記治療放射線ビームの断面形状からなる群から選択される、
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記評価段階が、前記立体画像データに対し領域分割/位置合わせプロセスを実行する段階を含む、
請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記立体画像データを以前の立体画像から取った記憶立体画像と比較して、前記立体画像データの各部分容積の動き及び形状の変化を前記記憶立体画像の対応する部分容積に対して追跡するようにする段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項30】
追跡される各部分容積に対して受け取られる治療線量を構成する段階を更に含む、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記構成された治療線量を前記基準計画により指定される好ましい治療線量と比較する段階を更に含む、
請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記構成された治療線量及び前記好ましい治療線量が特定の許容範囲に含まれる場合には、前記基準計画が維持される、
ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記構成された治療線量及び前記好ましい治療線量が特定の許容範囲の外にある場合には、前記基準計画が変更される、
請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記基準計画が、前記基準計画の実時間評価に基づいて変更される、
ことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記基準計画が、オフライン情報に基づいて変更される、
ことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記基準計画が、オフライン情報に基づいて変更される、
ことを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項37】
放射線療法用の計画及び制御システムであって、
被検体の関心領域の立体画像及び基準計画に従って前記被検体の関心領域に向けて配向される治療放射線ビームのパラメータを取り込み且つ評価し、前記基準計画を実時間でオンライン又はオフライン評価及びオンライン又はオフライン修正を行うようにするシステムと、
前記立体画像及び前記治療放射線ビームの取り込まれたパラメータの1つ又はそれ以上に基づいて情報を表示する監視装置と、
を含むことを特徴とする計画及び制御システム。
【請求項38】
画像データの各部分容積を前記立体画像内で識別し位置合わせするプロセッサを更に含む、
ことを特徴とする請求項37に記載の計画及び制御システム。
【請求項39】
前記立体画像及び前記治療放射線ビームの前記取り込まれたパラメータに基づいて治療線量を構成するプロセッサを更に含む、
ことを特徴とする請求項37に記載の計画及び制御システム。
【請求項40】
前記治療線量が、1日治療線量である、
ことを特徴とする請求項39に記載の計画及び制御システム。
【請求項41】
前記治療線量が、累積治療線量である、
ことを特徴とする請求項39に記載の計画及び制御システム。
【請求項42】
前記立体画像及び前記治療放射線ビームの前記取り込まれたパラメータに基づいて、前記画像データの各々の容積に対する治療線量を構成する第2のプロセッサを更に含む、
ことを特徴とする請求項38に記載の計画及び制御システム。
【請求項43】
前記治療線量が、1日治療線量である、
ことを特徴とする請求項42に記載の計画及び制御システム。
【請求項44】
前記治療線量が、累積治療線量である、
ことを特徴とする請求項42に記載の計画及び制御システム。
【請求項45】
前記実時間評価に基づき実時間で特定の日の放射線療法治療を調整する4D適応計画プロセスを実行するプロセッサを更に含む、
ことを特徴とする請求項37に記載の計画及び制御システム。
【請求項46】
前記プロセッサが、前記関心領域内の被検体の実時間位置又は形状と前記被検体の計画位置又は形状との比較に基づいて前記療法治療を調整する、
ことを特徴とする請求項37に記載の計画及び制御システム。
【請求項47】
前記プロセッサが、前記関心領域内の被検体の実時間治療線量と前記被検体の計画治療線量との比較に基づいて前記療法治療を調整する、
ことを特徴とする請求項37に記載の計画及び制御システム。
【請求項48】
前記実時間評価に基づいて、実時間方式で特定の日の放射線療法治療を調整する4D適応計画プロセスを実行する第3のプロセッサを含む、
ことを特徴とする請求項42に記載の計画及び制御システム。
【請求項49】
前記第3のプロセッサが、前記画像データの部分容積の実時間位置又は形状と画像データの対応する部分容積の計画位置又は形状との比較に基づいて、前記療法治療を調整する、
ことを特徴とする請求項48に記載の計画及び制御システム。
【請求項50】
前記第3のプロセッサが、前記治療線量と計画治療線量との比較に基づいて前記療法治療を調整する、
ことを特徴とする請求項48に記載の計画及び制御システム。
【請求項51】
放射線療法セッションを計画し制御する方法であって、
被検体の関心領域の立体画像及び基準計画に従って前記被検体の関心領域に向けて配向される治療放射線ビームのパラメータを取り込み且つ評価し、前記基準計画を実時間でオンライン又はオフライン評価及びオンライン又はオフライン修正を行うようにする段階と、
前記立体画像及び前記治療放射線ビームの取り込まれたパラメータの1つ又はそれ以上に基づいて情報を表示する段階と、
を含む方法。
【請求項52】
前記実時間評価に基づいて、放射線療法セッションを計画し制御する段階を更に含む、
請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記立体画像内の画像データの各部分容積を識別して位置合わせする段階を更に含む、
請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記立体画像及び前記治療放射線ビームの前記取り込まれたパラメータに基づいて、治療線量を構成する段階を更に含む、
請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記立体画像及び前記治療放射線ビームの前記取り込まれたパラメータに基づいて、前記識別されて位置合わせされた画像データの部分容積に対して治療線量を構成する段階を更に含む、
請求項53に記載の方法。
【請求項56】
前記実時間評価に基づいて、実時間方式で特定の日に対する放射線療法治療を調整する4D適応計画プロセスを実行する段階を更に含む、
請求項51に記載の方法。
【請求項57】
前記実行段階が、前記関心領域内の被検体の実時間位置又は形状と前記被検体の計画位置又は形状との比較に基づいて、前記療法治療を調整する段階を含む、
請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記実行段階が、前記関心領域内の被検体の実時間治療線量と前記被検体の計画治療線量との比較に基づいて、前記療法治療を調整する段階を含む、
請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記基準計画が、オフライン情報に基づいて変更される、
請求項51に記載の方法。
【請求項60】
前記基準計画が、オフライン情報に基づいて変更される、
請求項56に記載の方法。
【請求項61】
放射線療法のためのシステムであって、
被検体がオンラインである実時間時間期間の間に基準計画に従って前記被検体の関心領域に向けて治療放射線ビームを放出するようにプログラムされた放射線源と、
前記被検体がオンラインである前記実時間時間期間の間に前記被検体の関心領域のオンライン立体画像データと、非実時間オフライン時間期間の間に前記被検体の関心領域のオフライン立体画像データとを生成する撮像システムと、
前記基準計画を変更するために前記オンライン及びオフライン立体画像データの1つ又はそれ以上を受け取って処理する処理システムと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項62】
前記処理システムが、前記オンライン立体画像データを処理して前記基準計画を変更する、
ことを特徴とする請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記処理システムが、前記オフライン立体画像データを処理して前記基準計画を変更する、
ことを特徴とする請求項61に記載のシステム。
【請求項64】
前記処理システムが、前記オフライン立体画像データを処理して前記基準計画を変更する、
ことを特徴とする請求項62に記載のシステム。
【請求項65】
放射線を用いて被検体を治療する方法であって、
被検体がオンラインである実時間時間期間の間に基準計画に従って前記被検体の関心領域に向けて治療放射線ビームを放出することを計画する段階と、
前記被検体がオンラインである前記実時間時間期間の間に前記被検体の関心領域のオンライン立体画像データと、非実時間オフライン時間期間の間に前記被検体の関心領域のオフライン立体画像データとを生成する段階と、
前記オンライン及びオフライン立体画像データの1つ又はそれ以上に基づいて前記基準計画を変更する段階と、
を含む方法。
【請求項66】
前記変更段階が、前記オンライン立体画像データに基づく、
請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記変更段階が、前記オフライン立体画像データに基づく、
請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記変更段階が、前記オフライン立体画像データに基づく、
請求項66に記載の方法。
【請求項69】
ポータル画像を形成する方法であって、
関心のある被検体の二次元画像を形成する段階と、
前記二次元画像上にコリメータ要素の画像を重ね、該画像が、前記関心のある被検体に向けて放射線療法ビームを配向したときの前記コリメータ要素の位置を表すようにする段階と、
を含む方法。
【請求項70】
前記二次元画像が、立体画像から形成される、
請求項69に記載する方法。
【請求項71】
前記関心のある被検体に向けて前記放射線療法ビームを配向したときの前記コリメータ要素の位置を決定する段階を更に含む、
請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記関心のある被検体が療法セッションの間に実質的に位置及び形状を変化させ、前記二次元画像が蛍光透視画像である、
ことを特徴とする請求項69に記載の方法。
【請求項73】
前記関心のある被検体が療法セッションの間に実質的に位置及び形状を変化せず、前記二次元画像が放射線撮影画像である、
ことを特徴とする請求項69に記載の方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−538195(P2009−538195A)
【公表日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512179(P2009−512179)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/012607
【国際公開番号】WO2008/013598
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(596047609)
【氏名又は名称原語表記】WILLIAM BEAUMONT HOSPITAL
【住所又は居所原語表記】3601 WEST THIRTEEN MILE ROAD, ROYAL OAK, MICHIGAN 48072,UNITED STATES OF AMERICA
【Fターム(参考)】