説明

立方晶窒化硼素焼結体

【課題】cBNの含有率が高く、切削工具に利用した場合に優れた耐欠損性を発揮するcBN焼結体を提供する。
【解決手段】第一のcBN焼結体は、cBNを70体積%以上99.5体積%以下含有し、残部が結合相及び不可避不純物からなり、cBNの(220)面のX線回折により測定した残留応力が-40MPa以下である。また、第二のcBN焼結体は、cBNを70体積%以上99.5体積%以下含有し、残部が結合相及び不可避不純物からなり、X線回折によるcBNの(331)面の回折ピークの半価幅が1.35deg以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立方晶窒化硼素の含有率が高い立方晶窒化硼素焼結体に関する。特に、切削工具に利用した場合に優れた耐欠損性を発揮する立方晶窒化硼素焼結体に関する。
【背景技術】
【0002】
立方晶窒化硼素(以下、cBNという)は、ダイヤモンドに次ぐ硬度と高熱伝導率を有し、鉄系金属の切削工具に利用されている。一般的に切削工具に利用されるcBN焼結体は、cBN粒子とCo、Al、Niなどの結合材(結合相を構成する材料)とを混合し、高温高圧条件で焼結することで作製されている。
【0003】
cBN焼結体には、例えば特許文献1〜3に開示されるように、cBNの含有率が高く、cBN粒子同士が直接結合して結合相が分散している連続タイプと、例えば特許文献4に開示されるように、cBNの含有率が低く、cBN粒子が結合相中に分散している分散タイプの2種類のものが一般的に知られている。高硬度、高熱伝導率というcBNの特性を最大限に活かすためには、cBN焼結体中のcBN粒子の含有量が多い連続タイプの方が有利である。
【0004】
一方、例えば特許文献5には、六方晶窒化硼素(hBN)を超高温高圧条件でcBNに直接変換すると共に焼結せしめたcBN焼結体が開示されている。このcBN焼結体は、実質的に結合相が存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭48‐17503号公報
【特許文献2】特開昭55‐126581号公報
【特許文献3】特開2004‐331456号公報
【特許文献4】特開昭53‐77811号公報
【特許文献5】特開平11‐246271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
切削工具に利用されるcBN焼結体に要求される特性の一つとして、耐欠損性に優れることが挙げられ、cBN焼結体の更なる耐欠損性の向上が望まれている。
【0007】
連続タイプのcBN焼結体を開示する特許文献1〜3には、温度:1400〜1600℃、圧力5.0〜6.0GPaの高温高圧条件で焼結することが記載されている。例えば特許文献3には、cBN粉末と結合材粉末との混合粉末を圧力6GPa、温度1600℃の焼結条件で焼結したcBN焼結体が記載されている。
【0008】
ところが、本発明者らが鋭意研究を行なったところ、連続タイプのcBN焼結体において、上記の高温高圧条件、特に高圧条件では、耐欠損性の更なる向上が難しいことが分かった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、cBNの含有率が高く、切削工具に利用した場合に優れた耐欠損性を発揮するcBN焼結体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、cBN粒子を焼結する際の圧力(焼結圧力)を変更して連続タイプのcBN焼結体を種々作製し、焼結圧力とcBN焼結体の組織の状態との関係について詳細な検討を行なった結果、以下の知見を得た。
【0011】
(1)cBN粒子の残留応力
焼結圧力を6.0GPa以下とした従来のcBN焼結体では、X線回折測定によるcBN粒子の残留応力がプラスの値を示し、cBN粒子に引張方向の残留応力が生じていることが認められた。これに対し、焼結圧力を6.5GPa以上としたcBN焼結体では、cBN粒子の残留応力がマイナスの値を示し、cBN粒子に生じる残留応力が引張方向から圧縮方向へと変化するとの知見を得た。これは、cBN粒子と結合相との物性(熱膨張係数及びヤング率)の違いが影響しているものと考えられる。通常、熱膨張係数はcBNよりも結合相の方が大きく、ヤング率はcBNの方が結合相よりも大きい。cBN焼結体は、最終的に高温高圧状態から常温常圧状態に冷却・除圧されるが、冷却時には熱膨張係数の関係から結合相の方が大きく収縮するため、cBN粒子同士に引張応力が生じる。一方、除圧時にはヤング率の関係から結合相の方が大きく膨張するため、cBN粒子同士に圧縮応力が生じる。つまり、焼結圧力が高くなるほど、cBN粒子への圧縮応力が増加すると考えられる。
【0012】
そして、本発明者らは、cBN粒子に圧縮応力が付与されたcBN焼結体を切削工具に利用した場合、cBN粒子に引張応力が付与された従来のcBN焼結体と比較して、優れた耐欠損性を示すことを見出した。
【0013】
また、焼結圧力を高く(6.5GPa以上)した場合、cBN粒子を焼結する際の温度(焼結温度)を高くしても、cBN粒子に付与される圧縮応力に及ぼす影響は小さいとの知見も得た。これは、焼結温度を高くしても、一定温度以上では結合相が溶融(液相)状態となるだけであり、cBN粒子と結合相との熱膨張係数及びヤング率の違いによるcBN粒子への応力の付与は、結合相が凝固(固相)状態となる一定温度以下の状態においてのみ生じるためと考えられる。
【0014】
一方、分散タイプのcBN焼結体では、cBNの含有率が低く、cBN粒子の周囲に存在する結合相により応力が緩和されるため、cBN粒子に圧縮方向の残留応力が付与され難いと考えられる。そのため、本発明のcBN焼結体は、連続タイプのcBN焼結体において、特に有効であると考えられる。
【0015】
(2)cBN粒子の半価幅
焼結圧力を6.0GPa以下とした従来のcBN焼結体では、X線回折測定によるcBN粒子の半価幅が2θで1.0〜1.3deg程度であることが認められた。これに対し、焼結圧力を6.5GPa以上としたcBN焼結体では、cBN粒子の(331)面の回折ピークの半価幅が1.35deg以上であるとの知見を得た。通常、X線回折測定によるcBN粒子の半価幅は、結晶子サイズ及び格子歪に影響され、結晶子サイズが小さくなる或いは格子歪が大きくなるほど半価幅が大きくなる傾向が見られる。上述したように、cBN焼結体は、最終的に高温高圧状態から常温常圧状態に冷却・除圧されるため、冷却・除圧時において、cBN粒子と結合相との熱膨張係数及びヤング率の違いからcBN粒子と結合相との界面に格子歪が生じる。そのため、焼結圧力が高くなるほど、格子歪が大きくなり、cBN粒子の半価幅が増加すると考えられる。また、結晶子サイズが小さい、即ちcBN粒子のサイズが小さい場合には、焼結する際にcBN粒子に転位が多く導入され、cBN粒子の強度が向上し、それに伴いcBN焼結体の強度も向上すると考えられる。
【0016】
そして、本発明者らは、cBN粒子の半価幅が従来のcBN焼結体のそれよりも大きいcBN焼結体を切削工具に利用した場合、優れた耐欠損性を示すことを見出した。
【0017】
本発明は以上の知見に基づいてなされたものであり、以下、本発明について詳しく説明する。
【0018】
第一の本発明のcBN焼結体は、cBNを70体積%以上99.5体積%以下含有し、残部が結合相及び不可避不純物からなる。そして、cBNの(220)面のX線回折により測定した残留応力が-40MPa以下であることを特徴とする。
【0019】
上記第一のcBN焼結体は、X線回折測定によるcBNの(220)面における残留応力がマイナスであり、cBN粒子に圧縮応力が生じている。また、この圧縮応力が40MPa以上、即ち残留応力が-40MPa以下であることで、切削工具に利用した場合に優れた耐欠損性を発揮する。
【0020】
上記した第一のcBN焼結体における残留応力は、-200MPa以下であることが好ましい。
【0021】
圧縮応力が大きいほど、耐欠損性が向上し、工具寿命の大幅な改善が期待できる。特に、圧縮応力が200MPa以上、即ち残留応力が-200MPa以下のとき、耐欠損性の向上効果が大きい。また、圧縮応力の上限(残留応力の下限)は、特に制限されないが、製造設備上の観点から1000MPa以下(-1000MPa以上)と考えられる。
【0022】
第二の本発明のcBN焼結体は、cBNを70体積%以上99.5体積%以下含有し、残部が結合相及び不可避不純物からなる。そして、X線回折によるcBNの(331)面の回折ピークの半価幅が1.35deg以上であることを特徴とする。
【0023】
上記の第二のcBN焼結体は、X線回折測定によるcBNの(331)面における回折ピークの半価幅が1.35deg以上であり、切削工具に利用した場合に優れた耐欠損性を発揮する。
【0024】
上記した第二のcBN焼結体における半価幅は、1.5deg以上であることが好ましい。
【0025】
半価幅が大きいほど、耐欠損性が向上し、工具寿命の大幅な改善が期待できる。特に、半価幅が1.5deg以上のとき、耐欠損性の向上効果が大きい。また、半価幅の上限に関しては、特に限定されないが、10deg以下であれば十分な耐欠損性を発揮すると考えられる。
【0026】
特に、上記したcBN焼結体において、cBNの(220)面のX線回折により測定した残留応力が-40MPa以下、X線回折によるcBNの(331)面の回折ピークの半価幅が1.35deg以上の双方を満たすことが好ましい。
【0027】
上記した第一及び第二のcBN焼結体において結合相は、Co化合物、Al化合物、及びこれらの固溶体からなる群から選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。
【0028】
Co化合物、Al化合物、及びこれらの固溶体は、適度な熱膨張係数及びヤング率を有し、更にcBNとの親和性が高く、cBN粒子に強固に結合する。また、高熱伝導率を有し、耐熱性も高いため、更なる耐欠損性の向上を図ることができる。なお、ここでいうCo化合物とは、金属CoやCo合金の他、Coの窒化物、硼化物、炭化物を含む。また、Al化合物も同様に、金属AlやAl合金の他、Alの窒化物、硼化物、炭化物を含む。
【0029】
その他、cBN粒子のサイズは、cBN焼結体の強度と靭性とを両立させるために、平均粒径が0.5〜4μmであることが好ましい。cBN粒子の粒度がある程度粗い(例えば0.5μm以上)ことで、cBN焼結体の強度を維持しながら高い破壊靭性を保持し易く、一方、cBN粒子の粒度がある程度細かい(例えば4μm以下)ことで、cBN焼結体の強度を確保し易い。
【発明の効果】
【0030】
本発明のcBN焼結体は、切削工具に利用した場合に優れた耐欠損性を発揮し、工具寿命を改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明のcBN焼結体は、従来の焼結圧力と比較して、より高圧でcBN粒子を焼結したことが一つの重要な要素である。特に、焼結圧力は、6.5GPa以上20GPa以下とすることが好ましく、より好ましくは7.0GPa以上である。一方、焼結温度は、1500℃以上2500℃以下とすることが好ましく、より好ましくは1600℃以上である。焼結温度は、cBNの熱力学的安定条件を考慮して、焼結圧力に応じて適宜設定することが好ましく、焼結圧力を高くする場合は、それに応じて焼結温度も高くすることが好ましい。
【0032】
(実施例1)
本発明のcBN焼結体を作製し、切削工具に利用した場合の耐欠損性について評価した。
【0033】
Co、Al、WC及びTiの各種粉末を質量比率(単位:質量%)でCo:Al:WC:Ti=55:35:5:5となるように混合した結合材粉末と、平均粒径が3μmのcBN粉末とを、種々の割合で配合し、複数種の出発原料を調整した。各種出発原料を超合金製のポットとボールを用いたボールミルで十分に混合し、それら混合粉末を原料粉末とした。次に、各種原料粉末を超合金製の容器に充填した後、表1に示す各焼結条件で焼結し、各種cBN焼結体(試料1-1〜1-5)を作製した。
【0034】
作製した各試料について、cBNの含有率及びcBN粒子の残留応力を測定した。その結果を表1に併せて示す。なお、cBNの含有率及びcBN粒子の残留応力の測定方法は、次のとおりである。
【0035】
cBNの含有率は、cBN焼結体をICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分析法により定量測定し、その測定結果からcBN焼結体中のcBN粒子の含有量を体積比率(単位:体積%)で算出することで測定する。但し、含有率の算出は、cBN、WC以外の成分、具体的にはCo、Al、Tiが単体金属として存在するものと仮定して行なう。
【0036】
cBN粒子の残留応力は、X線回折装置(株式会社リガク製、RINT‐1500)を用いて、cBN焼結体についてX線回折測定を行ない、cBNの(220)面における残留応力(単位:MPa)を測定する。但し、X線回折装置の設定は、次のとおりである。
【0037】
<X線回折装置の設定>
使用X線 :Cu‐Kα
励起条件 :50kV,200mA
光学系 :集中ビーム法(後段モノクロメータ使用)
スリット系:発散スリット(DS)1°,受光スリット(RS)0.15mm,散乱スリット(SS)1°
【0038】
【表1】

【0039】
次に、各試料をISO規格SNGA120408形状の切削用チップに加工し、各切削用チップを取り付けた切削工具をそれぞれ準備した。そして、各切削工具について次に示す切削試験を行ない、チップが欠損するまでの切削時間を測定し、各試料の耐欠損性を評価した。その結果を表2に示す。
【0040】
<切削試験>
加工区分 :外径旋削
被削材 :FC300(ねずみ鋳鉄) 形状:4本のU溝付丸棒
切削条件 :切削速度V=700m/min,切り込みd=0.2mm,送りf=0.8mm/rev.,乾式
【0041】
【表2】

【0042】
表1、2の結果から、残留応力が-40MPa以下である試料1-2、1-3、1-4は、残留応力が-40MPa超の試料1-1、1-5と比較して優れた耐欠損性を示し、切削工具の欠損寿命が向上していることが分かる。これは、試料1-1では、焼結圧力が低く、cBN粒子の残留応力が引張方向にシフトしているため、衝撃に対する耐欠損性が低いことが原因と考えられる。一方、試料1-5は、cBNの含有率が低く、結合相により応力が緩和されるため、圧縮方向の残留応力が付与され難く、衝撃に対する耐欠損性(耐衝撃性)が低いと考えられる。
【0043】
特に、試料1-2と比較して焼結圧力を高くした試料1-3は、残留応力が-200MPa以下であり、耐欠損性の向上効果が大きい。また、試料1-4と比較してcBN含有率を高くした試料1-2は、圧縮方向の残留応力が大きく、耐欠損性が向上している。
【0044】
(実施例2)
平均粒径が2μmのcBN粉末を用いると共に、cBN粉末の配合割合を変更した以外は、実施例1と同様にして、複数種の原料粉末を得た。次に、各種原料粉末を超合金製の容器に充填した後、表3に示す各焼結条件で焼結し、各種cBN焼結体(試料2-1〜2-5)を作製した。
【0045】
作製した各試料について、cBNの含有率及びcBN粒子の半価幅を測定した。その結果を表3に併せて示す。なお、cBN粒子の半価幅の測定方法は、次のとおりである。
【0046】
cBN粒子の半価幅は、X線回折装置(株式会社リガク製、RINT‐1500)を用いて、cBN焼結体についてX線回折測定を行ない、cBNの(331)面における回折ピークの半価幅(単位:deg.)を測定する。但し、X線回折装置の設定は、次のとおりである。
【0047】
<X線回折装置の設定>
使用X線 :Cu‐Kα
励起条件 :50kV,200mA
光学系 :集中ビーム法(後段モノクロメータ使用)
スリット系:発散スリット(DS)1°,受光スリット(RS)0.15mm,散乱スリット(SS)1°
【0048】
【表3】

【0049】
次に、各試料をISO規格SNGA120416形状の切削用チップに加工し、各切削用チップを取り付けた切削工具をそれぞれ準備した。そして、各切削工具について次に示す切削試験を行ない、チップが欠損するまでの切削時間を測定し、各試料の耐欠損性を評価した。その結果を表4に示す。
【0050】
<切削試験>
加工区分 :外径旋削
被削材 :FC250(ねずみ鋳鉄) 形状:丸棒
切削条件 :切削速度V=350m/min,切り込みd=1.5mm,送りf=0.2mm/rev.,湿式
【0051】
【表4】

【0052】
表3、4の結果から、半価幅が1.35deg以上である試料2-2、2-3、2-4は、半価幅が1.35deg未満の試料2-1、2-5と比較して優れた耐欠損性を示し、切削工具の欠損寿命が向上していることが分かる。これは、試料2-1と比較して焼結圧力を高くした試料2-2、2-3では、格子歪が大きくなることから半価幅が大きくなり、また格子歪が大きくなることで耐亀裂伝搬性が高くなるため、耐欠損性が向上していると推測される。一方、試料2-5は、cBN含有率が低く、cBN粒子の周囲を取り囲むように結合相が存在することから、焼結する際の圧力がcBN粒子の全方向からかかるため、格子歪が導入され難く、衝撃に対する耐欠損性(耐衝撃性)が低いと考えられる。
【0053】
特に、試料2-2と比較して焼結圧力を高くした試料2-3は、半価幅が1.5deg以上であり、耐欠損性の向上効果が大きい。また、試料2-4と比較してcBN含有率を高くした試料2-2は、半価幅が大きく、耐欠損性が向上している。
【0054】
以上の結果から、本発明のcBN焼結体は、切削工具に利用した場合に優れた耐欠損性を発揮し、切削工具の工具寿命を飛躍的に延ばすことができることが分かる。
【0055】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、cBNの含有率、結合相の組成、及び焼結条件(焼結圧力及び焼結温度)を適宜変更してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明のcBN焼結体は、優れた耐欠損性が要求される切削工具の分野に好適に利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立方晶窒化硼素を70体積%以上99.5体積%以下含有し、残部が結合相及び不可避不純物からなる立方晶窒化硼素焼結体であって、
立方晶窒化硼素の(220)面のX線回折により測定した残留応力が-40MPa以下であることを特徴とする立方晶窒化硼素焼結体。
【請求項2】
前記残留応力が-200MPa以下であることを特徴とする請求項1に記載の立方晶窒化硼素焼結体。
【請求項3】
立方晶窒化硼素を70体積%以上99.5体積%以下含有し、残部が結合相及び不可避不純物からなる立方晶窒化硼素焼結体であって、
X線回折による立方晶窒化硼素の(331)面の回折ピークの半価幅が1.35deg以上であることを特徴とする立方晶窒化硼素焼結体。
【請求項4】
前記半価幅が1.5deg以上であることを特徴とする請求項3に記載の立方晶窒化硼素焼結体。
【請求項5】
前記結合相が、Co化合物、Al化合物、及びこれらの固溶体からなる群から選択される少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の立方晶窒化硼素焼結体。

【公開番号】特開2011−98875(P2011−98875A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−256549(P2009−256549)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(503212652)住友電工ハードメタル株式会社 (390)
【Fターム(参考)】