説明

端末制御システム

【課題】端末制御サーバから一方向的に端末側の設定を受け入れて設定した場合に、ユーザの意向を反映できない不具合を防止する。
【解決手段】端末は、非接触ICカード制御サーバからの要求に応答して、非接触ICカード機能の有効・無効設定の設定状況を応答する手段と、非接触ICカード機能を有効化しリーダライタを起動する手段とを備える。非接触ICカード制御サーバは、非接触ICカードの起動を求めるサーバからの要求に応答して、対象端末内の非接触ICカード機能の有効・無効設定を取得する手段と、取得した非接触ICカード機能の有効・無効設定を解析し、非接触ICカード機能の有効化およびリーダライタの起動を端末に要求する手段等を備える。リーダライタの起動を要求するサーバは、対象の端末やユーザのサービス加入状況を確認する手段等とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機能および非接触ICカード機能を有する携帯端末とその携帯端末を遠隔制御する携帯端末制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ICタグと呼ばれる非接触型ICカードやRFIDなどの電波を受信して動作する小型の電子装置を活用した、様々なサービスが提案されている。ICタグは、数値や文字列、画像などのデジタル情報を格納し、リーダライタと呼ばれる装置から発射される電波によって電力を生成し、その電力を使用してリーダライタからの要求を処理して電波により応答を伝達するものである。リーダライタは、例えば携帯電話のような、一般ユーザが日常的に持ち歩く小型の端末に搭載されるケースが増えてきている。例えば、街中の様々な場所に掲示されたポスターに貼付されているICタグに対し、携帯電話に内蔵されたリーダライタをかざしてそのICタグ内の情報を読み取ることにより、簡便にWebサイトへの接続ができ、店舗で使える割引券やクーポン券を入手できるなど、携帯電話の機能と連動して一般ユーザに対して有益な情報を提供することが可能となっている(例えば、非特許文献1)。
【0003】
ICタグはリーダライタをかざすことにより動作を開始するため、リーダライタをかざす前にリーダライタが起動されている必要がある。リーダライタを起動する方法としては、ユーザ自らの操作により起動する方法とサーバからの遠隔操作によって起動する方法とがある。
【0004】
ユーザ自らの操作により起動する方法は、ユーザ操作を必要とすることから利便性に欠ける。端末にリーダライタ起動専用のボタン等を設けて操作を簡便化することも可能ではあるが、携帯電話においては、デザインや設置スペース等の問題から実現が不可能な場合もある。このような背景から、リーダライタはユーザ視点から見た場合には自動的に起動されることが望ましい。
【0005】
自動起動する方法としては、特許文献1のような、携帯電話を遠隔操作する技術の適用が可能である。特許文献1に記載された遠隔操作の方法は、端末を制御する機能を具備するサーバから、端末に対して端末を制御するための情報を送信し、端末は受信した情報を解析して実行可否を決定する、というものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−130381
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】NFC Forum, "Essentials for Successful NFC Mobile Ecosystem",2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非接触ICカードは電子マネーの機能を有しており、誰もがかざすだけで利用可能であることから、ユーザが意図しないシーンでの動作や第三者による不正利用などのリスクが存在する。これらのリスクを回避したいユーザのため、ICタグのリーダライタ機能を含む携帯電話に具備された非接触ICカード制御システムでは、ユーザによる非接触ICカード機能の無効化を携帯電話単体で設定可能な構成となっている。非接触ICカード機能を無効化したユーザは、利用したい度に非接触ICカード機能を有効化することで、非接触ICカード機能を利用する。
【0009】
非特許文献1に記載の内容を適用する場合、端末制御サーバから一方向的に端末側の設定を受け入れて設定する必要がある。このため、ユーザから見た場合、自らが設定した非接触ICカード機能の有効・無効設定とは無関係に、端末制御サーバからの要求が反映される形となり、ユーザの意向を反映できない場合がある。
【0010】
また、サービスを提供するサーバ側から見た場合、ユーザの端末の設定やユーザが加入しているサービスに応じて、リーダライタの起動有無を柔軟に設定したい場合もある。例えば、あるサービスに加入しているユーザの中で、特権や特典を有するユーザに対してのみサービスを提供したい場合などである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するために、端末、端末を制御するサーバ、および、リーダライタの起動を求めるサーバらが連動してリーダライタの起動有無を判定するための手段を提供する。
【0012】
端末は、非接触ICカード制御サーバからの要求に応じて、非接触ICカード機能の有効・無効設定の設定状況を応答する手段と、非接触ICカード機能を有効化しリーダライタを起動する手段を提供する。
【0013】
非接触ICカード制御サーバは、非接触ICカードの起動を求めるサーバからの要求により、対象端末内の非接触ICカード機能の有効・無効設定を取得する手段と、取得した非接触ICカード機能の有効・無効設定を解析して端末に対して非接触ICカード機能を有効化してリーダライタの起動を指示するか否かを判定する手段と、端末に対して非接触ICカード機能の有効化を要求しリーダライタの起動を要求する手段と、リーダライタの起動を求めるサーバに対してリーダライタの起動結果を送信する手段とを提供する。
【0014】
リーダライタの起動を求めるサーバは、対象端末やユーザのサービス加入状況を確認する手段と、対象端末やユーザのサービス加入状況に応じて非接触ICカード制御サーバに対しリーダライタの起動を要求する手段とを提供する。
【発明の効果】
【0015】
端末の非接触ICカード機能設定を取得することにより、リーダライタ機能の起動可否の判断にユーザの意向を反映可能になるとともに、サービス提供者視点においてもリーダライタ機能の起動可否を柔軟に判断することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明を適用する端末制御システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】端末の構成例を示すブロック図である。
【図3】非接触ICカード制御サーバの構成例を示すブロック図である。
【図4】リーダライタ制御要求サーバの構成例を示すブロック図である。
【図5】端末の非接触ICカード機能が有効である場合のリーダライタ起動指示の例を示す図である。
【図6】端末の非接触ICカード機能が有効である場合のリーダライタ起動指示の例を示す図である。
【図7】リーダライタ起動要求の例を示す図である。
【図8】非接触ICカード制御サーバのリーダライタ起動要求を受信するときの動作を示すフローチャートである。
【図9】リーダライタ停止要求の例を示す図である。
【図10】非接触ICカード制御サーバのリーダライタ停止要求を受信するときの動作を示すフローチャートである。
【図11】端末の非接触ICカード設定確認コマンドを受信するときの動作を示すフローチャートである。
【図12】端末のリーダライタ起動コマンドを受信するときの動作を示すフローチャートである。
【図13】端末のリーダライタ停止コマンドを受信するときの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について、図1から図13を用いて説明する。
【0018】
図1は、本発明における非接触ICカード制御サーバ、端末およびリーダライタ制御要求サーバを含む端末制御システムの一形態である。非接触ICカード制御サーバ100は、端末200の非接触ICカード制御機能を遠隔制御する機能を具備するサーバである。端末200は、携帯電話のような、通信機能および非接触ICカード制御機能を具備する小型の機器である。リーダライタ制御要求サーバ300は、位置情報取得サーバ1400やサービス事業者サーバ1420から収集した情報を元に、非接触ICカード制御サーバ100に対して端末200の非接触ICカード制御機能の遠隔操作を要求する機能を具備するサーバである。位置情報取得サーバ1400は、端末200の位置情報を取得する機能を具備するサーバである。ここでいう位置情報とは、端末200が通信に使用している基地局や端末200より発信されるGPSから取得される情報のことであり、端末200が地理的にどの位置にいるかを把握するためのものである。サービス事業者サーバ1420は、端末200および端末200のユーザが加入しているサービス事業者であるか、または端末200に対してサービスを提供したいサービス事業者のサーバであり、端末200および端末200のユーザに対して提供されるサービスの属性や権限等を保持している。非接触ICカード制御サーバ100、端末200、リーダライタ制御要求サーバ300、位置情報取得サーバ1400およびサービス事業者サーバ1420は、通信網800でそれぞれに対して通信可能な構成とする。また、端末200の他にも端末200と同様の構成を具備する端末が多数存在し、非接触ICカード制御サーバ100、リーダライタ制御要求サーバ300、位置情報取得サーバ1400、およびサービス事業者サーバ1420は、それらの端末と通信可能な構成を取る。同一通信網上にリーダライタ制御要求サーバ300、位置情報取得サーバ1400およびサービス事業者サーバ1420らと同様の構成を具備するサーバが複数存在しても良い。
【0019】
図2は、本発明における端末200の一形態である。通信部250は通信網800を介して非接触ICカード制御サーバ100や他の端末と通信するための機能である。端末制御部240は、端末200内の機能を制御するための機能である。非接触ICカード制御部210は、リーダライタ220およびICカード230を制御することで非接触ICカード機能を実現する機能を具備する。リーダライタ220は、非接触ICカード制御部210およびICカード230と接続され、ICタグを含むICカードの読取り、書込みを行う。ICカード230は、ICカード制御部210およびリーダライタ220と接続され、例えば電子マネーの残高管理といった安全に保持されるべき情報の管理を行う。非接触ICカード設定記憶部212は、非接触ICカード機能の有効または無効の設定情報を保持する。非接触ICカード機能が有効であるとは、リーダライタ220およびICカード230が使用可能な状態であることを指す。非接触ICカード機能が無効であるとは、リーダライタ220およびICカード230が使用不可能な状態であることを指す。非接触ICカード機能の有効、無効設定は、端末200の一機能として具備され、ユーザの操作により設定される。コマンド解析部214は、非接触ICカード制御サーバ100より受信した情報の解析を行う。応答コマンド生成部216は、コマンド解析部214により解析された非接触ICカード制御サーバ100の要求に対する応答を生成する。
【0020】
図3は、本発明における非接触ICカード制御サーバ100の一形態である。通信部190は、通信網800を介して端末200やリーダライタ制御要求サーバ300と通信するための機能である。端末遠隔制御部110は、通信部190、非接触ICカード遠隔制御部120およびリーダライタ制御要求サーバ通信部180と接続され、端末200の遠隔制御を担当する。非接触ICカード遠隔制御部120は、端末遠隔制御部110、リーダライタ制御要求受付部130、非接触ICカード制御コマンド生成部132、端末応答解析部134およびリーダライタ起動要求判定部136と接続され、端末200の非接触ICカード機能を制御するための処理を行う。リーダライタ制御要求受付部130は、非接触ICカード遠隔制御部120と接続され、リーダライタ制御要求サーバ300が発行する端末200のリーダライタ起動要求を受け付ける。非接触ICカード制御コマンド生成部132は、非接触ICカード遠隔制御部120と接続され、端末200の非接触ICカード機能を制御するためのコマンドを生成する。端末応答解析部134は、非接触ICカード遠隔制御部120と接続され、端末200から受信した応答内容を解析する。リーダライタ起動要求判定部136は、非接触ICカード遠隔制御部120と接続され、端末200に対して非接触ICカード機能の起動要求の発行可否について判定する。端末応答内容記憶部138は、端末応答解析部134で解析した端末の非接触ICカード機能の有効・無効の状態を保持する。リーダライタ制御要求サーバ通信部180は、通信部190および端末遠隔制御部110と接続され、リーダライタ制御要求サーバ300との通信を担当する。
【0021】
図4は、本発明におけるリーダライタ制御要求サーバ300の一形態である。通信部390は、通信網800を介して非接触ICカード制御サーバ100、位置情報取得サーバ1400およびサービス事業者サーバ1420との通信を行う。非接触ICカード制御サーバ通信部310は、非接触ICカード制御サーバ100との通信を行う。制御要求用情報収集部330は、非接触ICカードの起動要求の判定に使用するための情報を、位置情報取得サーバ1400やサービス事業者サーバ1420から収集する。制御要求用情報処理部340は、位置情報取得サーバ1400やサービス事業者サーバ1420からの情報から、端末200の非接触ICカード機能の起動要求タイミングおよび停止要求タイミングを判定する。リーダライタ制御要求発行部320は、非接触ICカード制御サーバ100に対して発行される端末200のリーダライタの起動要求および停止要求を生成し発行する。リーダライタ起動状態記憶部350は、端末200のリーダライタを起動する前の、非接触ICカード機能の有効・無効の状態を保持する。この状態は、非接触ICカード制御サーバ100に発行したリーダライタの起動要求に対する応答であるリーダライタ起動完了通知に付加される。非接触ICカード制御サーバ100より端末200のリーダライタ停止完了通知を受信すると、端末200のリーダライタを起動する前の非接触ICカード機能の有効・無効の状態を解放する。
【0022】
リーダライタ制御要求サーバ300から非接触ICカード制御サーバ100へ向けて発行されるリーダライタ起動要求の内容を、図5乃至図7を用いて説明する。
【0023】
図7は、リーダライタ制御要求サーバ300から非接触ICカード制御サーバ100へ向けて発行されるコマンドに付加される、リーダライタ起動要求の内容の一形態である。リーダライタ起動要求700は、遠隔操作の対象となる端末を識別するための情報である端末識別情報710と、端末内の遠隔操作の対象となる機能を識別する制御機能番号720と、端末の非接触ICカード機能設定が有効である場合の非接触ICカードの起動方法を設定する有効時動作530と、端末の非接触ICカード機能が無効である場合の非接触ICカードの起動方法を設定する無効時動作630とで構成される。本発明のように、端末200に対して非接触ICカードの遠隔操作要求を発行する場合には、端末識別情報710には端末200の識別情報を、制御機能番号720には非接触ICカード機能を示す番号を設定する。
【0024】
図5は有効時動作530の設定の一形態である。ユーザに確認せずに強制的に起動する場合には"1"(531)を、起動するか否かをユーザに確認する場合には"2"(532)を設定する。
【0025】
図6は無効時動作630の設定の一形態である。ユーザに確認せずに強制的に起動する場合には"1"(631)を、起動するか否かをユーザに確認する場合には"2"(632)を、起動しない場合には"3"(633)を設定する。
【0026】
図9は、リーダライタ制御要求サーバ300から非接触ICカード制御サーバ100へ向けて発行されるコマンドに付加される、リーダライタ停止要求の内容の一形態である。リーダライタ制御要求サーバ300の要求により起動された端末200のリーダライタを、制御要求用情報処理部340の指示により停止する場合は、リーダライタ起動状態記憶部350が保持する端末200のリーダライタ起動前の非接触ICカード機能の有効・無効の状態をリーダライタ停止要求900に付加する(910)。
【0027】
図8は、本発明の非接触ICカード制御サーバ100のリーダライタ制御要求サーバ300がリーダライタ起動要求を受信するときの動作フローの一形態である。非接触ICカード制御サーバ100は、リーダライタ制御要求サーバ通信部180でリーダライタ起動要求を受信すると、リーダライタ制御要求受付部130へそのリーダライタ起動要求を送信し、リーダライタ起動要求を受け付ける(800)。端末200への起動要求であることを認識した非接触ICカード遠隔制御部120は、端末200の非接触ICカード機能の有効・無効設定を確認するため、非接触ICカード制御コマンド生成部132にて非接触ICカード設定確認コマンドを生成し、そのコマンドを端末遠隔制御部110を介して端末200へ送信する(802)。
【0028】
端末200からの応答を端末遠隔制御部110で受信すると(806)、端末応答解析部134が端末200からの応答内容を解析する(808)。リーダライタ起動要求判定部136が、端末200の非接触ICカード機能の有効・無効設定状態とリーダライタ起動要求700に記載の要求内容とから、非接触ICカード機能を有効化しリーダライタを起動するか否かを判定する(810)。図5では、端末200の非接触ICカード機能の有効・無効設定状態が531または532の状態であればリーダライタが起動される。図6では、端末200の非接触ICカード機能の有効・無効設定状態が631または632の状態であればリーダライタが起動され、633の状態ではリーダライタが起動されない。
【0029】
リーダライタが起動される場合、非接触ICカード制御コマンド生成部132にて非接触ICカード機能が有効であればリーダライタ起動用のコマンドを発行し、非接触ICカード機能が無効であれば非接触ICカード機能を有効にしてリーダライタを起動するコマンドを発行する。強制起動をするか否かをユーザに確認する必要があるか否かに関する情報もあわせて付加する(814)。端末200からの応答を受信すると(818)、端末応答解析部134がその応答の内容を解析する(820)。その応答の内容から、リーダライタの起動が成功していると判定される場合には、リーダライタ起動完了通知をリーダライタ制御要求サーバ300に発行する(824)。さらに、端末応答内容記憶部138が保持する端末200のリーダライタ起動前の非接触ICカード機能の有効・無効の状態をリーダライタ起動完了通知に付加する。
【0030】
リーダライタが起動されない場合、または端末200からの応答の解析によってリーダライタの起動が失敗したと判定される場合は、リーダライタ起動不可通知をリーダライタ制御要求サーバ300に発行する(826)。
【0031】
図10は、本発明の非接触ICカード制御サーバ100のリーダライタ制御要求サーバ300がリーダライタ停止要求を受信するときの動作フローの一形態である。非接触ICカード制御サーバ100は、リーダライタ制御要求サーバ通信部180でリーダライタ停止要求を受信すると、リーダライタ制御要求受付部130へそのリーダライタ停止要求を送信し、リーダライタ停止要求を受け付ける(1000)。続いて、非接触ICカード制御サーバ100はリーダライタ停止コマンドを端末200に発行する。このとき、非接触ICカード設定910に非接触ICカードの機能の無効化が記載されている場合には、非接触ICカード制御サーバ100は非接触ICカード機能の無効化コマンドをあわせて発行する。これにより、リーダライタ制御要求サーバ300の要求によるリーダライタ起動前の非接触ICカード機能の有効・無効の状態に復元することが可能となる。端末200から応答を受信すると、非接触ICカード制御サーバ100はリーダライタ停止完了通知をリーダライタ制御要求サーバ300に発行する。
【0032】
図11は、本発明の端末200が非接触ICカード制御サーバ100から非接触ICカード機能確認要求を受信するときの動作フローの一形態である。端末200は、非接触ICカード機能確認要求を受信すると(1100)、非接触ICカード設定記憶部212に格納された非接触ICカード機能の有効・無効状態を確認する(1102)。続いて、応答コマンド生成部216が、非接触ICカード機能の有効・無効状態を通知するためのコマンドを生成し(1104)、応答としてそのコマンドを非接触ICカード制御サーバ100に送信する(1106)。
【0033】
図12は、本発明の端末200が非接触ICカード制御サーバ100からリーダライタ起動コマンドを受信するときの動作フローの一形態である。端末200は、リーダライタ起動コマンドを受信すると(1200)、コマンド解析部214にて受信内容の確認を行う。リーダライタ起動コマンドでユーザへの確認が指示されている場合は、端末200はユーザに対してリーダライタを起動して良いかどうかを問い合わせる(1204)。ユーザが許可した場合は、端末200は、非接触ICカード機能の有効化が指示されていれば非接触ICカード機能を有効化した後に(1210)リーダライタを起動し(1212)、応答コマンド生成部216にてリーダライタ起動完了応答コマンドを生成する(1214)。非接触ICカード機能の有効化が指示されていなければ、端末200はリーダライタを起動し(1212)、応答コマンド生成部216にてリーダライタ起動完了応答コマンドを生成する(1214)。ユーザへ問い合わせた結果、リーダライタの起動が許可されなかった場合は、端末200は応答コマンド生成部216にてリーダライタ起動不可応答コマンドを生成する(1218)。
【0034】
強制起動が指示されているためユーザへ確認する必要がなく、かつ非接触ICカード機能の有効化が指示されている場合には、端末200は、非接触ICカード機能を有効化した後(1210)、リーダライタを起動し(1212)、応答コマンド生成部216にてリーダライタ起動完了応答コマンドを生成する(1214)。強制起動が指示されているためユーザへ確認する必要がなく、かつ非接触ICカード機能の有効化が指示されていない場合には、端末200はリーダライタを起動し(1212)、応答コマンド生成部216にてリーダライタ起動完了応答コマンドを生成する(1214)。
【0035】
端末200は、リーダライタ起動完了応答コマンド(1214)またはリーダライタ起動不可応答コマンドの生成(1218)を完了すると、そのコマンドを非接触ICカード制御サーバ100に送信する(1216)。
【0036】
図13は、本発明の端末200が非接触ICカード制御サーバ100からリーダライタ停止コマンドを受信するときの動作フローの一形態である。端末200は、リーダライタ停止コマンドを受信すると(1300)、コマンド解析部214にて受信内容の確認を行う。次いで、端末200はリーダライタを停止し(1302)、非接触ICカード機能の無効化が指示されていれば非接触ICカード機能を無効化する(1306)。最後に、端末200は応答コマンド生成部216にてリーダライタ停止完了応答コマンドを生成し(1308)、そのコマンドを非接触ICカード制御サーバ100に送信する(1310)。
【0037】
以上の構成および動作フローにより、リーダライタ機能の起動可否の判断にユーザの意向を反映できるとともに、サービス提供者の視点からもリーダライタ機能の起動可否を柔軟に判断することができる。
【符号の説明】
【0038】
100 非接触ICカード制御サーバ
110 端末遠隔制御部
120 非接触ICカード遠隔制御部
130 リーダライタ起動要求受付部
132 非接触ICカード制御コマンド生成部
134 端末応答解析部
136 リーダライタ起動要求判定部
138 端末応答内容記憶部
200 端末
210 非接触ICカード制御部
212 非接触ICカード設定記憶部
214 コマンド解析部
216 応答コマンド生成部
220 リーダライタ
230 ICカード
300 リーダライタ制御要求サーバ
320 リーダライタ制御要求発行部
330 制御要求用情報収集部
340 制御要求用情報処理部
350 リーダライタ起動状態記憶部
1400 位置情報取得サーバ
1420 サービス事業者サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末の遠隔制御機能を有するサーバであって、端末に具備された非接触ICカードの遠隔制御機能と、
リーダライタの制御を要求するサーバとの通信機能と、
リーダライタの制御を要求するサーバから受信した要求を受け付ける機能と、
端末に具備された非接触ICカードを制御するためのコマンドを生成する機能と、
端末からの応答を解析する機能と、
端末に具備されたリーダライタの起動を要求するか否かを判定する機能と、
端末からの応答に記載された非接触ICカード機能が有効であるか無効であるかの状態を記憶する機能と、
を備えた非接触ICカード機能遠隔制御サーバ。
【請求項2】
通信機能を有する端末であって、
ICカード機能と、
リーダライタ機能と、
前記ICカード機能と前記リーダライタ機能を制御することにより非接触ICカードとしての機能を実現する機能と、
上記非接触ICカードの動作がユーザにより許可されているか否かを記憶する機能と、
請求項1記載の非接触ICカード機能遠隔制御サーバにより送信される制御コマンドを解析する機能と、
上記非接触ICカード機能遠隔制御サーバより受信したコマンドに対する応答コマンドを生成する機能と
を備えた端末。
【請求項3】
請求項1記載の非接触ICカード機能遠隔制御サーバと、
請求項2記載の端末の位置情報を保持するサーバと、
請求項2記載の端末と請求項2記載の端末の使用者が加入しているサービスを管理する事業者のサーバと通信可能なサーバであって、上記請求項1記載の非接触ICカード機能遠隔制御サーバと通信する機能と、
上記端末の位置情報を保持するサーバとサービスを管理する事業者のサーバとからの情報を受信し収集する機能と、
上記端末の位置情報を保持するサーバとサービスを管理する事業者のサーバとからの情報を受信し、収集した情報から上記請求項2記載の端末に具備されたリーダライタを制御するタイミングを検出する機能と、
リーダライタの制御要求を上記請求項1記載の非接触ICカード機能遠隔制御サーバに発行する機能と、
上記請求項2記載の端末に具備されたリーダライタを起動する直前の上記請求項2記載の端末が保持する非接触ICカードの動作がユーザにより許可されているか否かの状態を記憶する機能と、
を備えた、上記請求項2記載の端末に具備されたリーダライタの制御要求を発行するサーバ。
【請求項4】
請求項1記載の非接触ICカード機能遠隔制御サーバと、
請求項2記載の端末の位置情報を保持するサーバと、
上記請求項2記載の端末に具備されたリーダライタの制御要求を発行する請求項3記載のサーバとが連動して、上記請求項2記載の端末に具備されたリーダライタの制御を実現する端末制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−242824(P2011−242824A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111652(P2010−111652)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】