説明

端末管理装置と端末管理プログラム

【課題】ネットワーク2を介して接続されている端末1における実行可能ファイルの利用状況を分かり易い形態で把握できる端末管理技術を提供する。
【解決手段】端末における操作ログと操作ログに関連する端末操作情報とをネットワークを介して取得する端末管理装置3が、端末に導入されている実行可能ファイルに関する実行可能ファイル情報を記録する実行可能ファイル情報記録部42と、操作ログから端末で起動している実行可能ファイルを特定する起動情報を取得する起動情報取得部34aと、起動情報に基づいて、実行可能ファイル情報と当該実行可能ファイルを起動させている端末の端末操作情報とを関連づける関連付け部36bと、関連付け部により関連付けられた実行可能ファイル情報と端末操作情報とを表示する閲覧画面を生成する閲覧画面生成部36aを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末における操作ログと前記操作ログに関連する端末操作情報とをネットワークを介して取得する端末管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
端末へインストールしたソフトウエアをサーバで管理する技術として、サーバが端末に既に提供済みのソフトウエアの情報と端末固有の情報とを対応させてソフトウエア管理情報として管理する管理手段を備え、このソフトウエア管理情報にはソフトウエアをインストールした日時情報が含まれており、端末からソフトウエアのアンインストール要求があった場合ソフトウエア管理情報をチェックして、該当ソフトウエアをアンインストールするためのコマンドを端末に発行するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、端末にインストールしたソフトウエアの情報がソフトウエア管理情報としてサーバ側に記録されているので、そのソフトウエアのインストール日時やインストール先の端末の情報をサーバ側で把握することができるが、日常的なソフトウエアの利用状況を把握することができない。
【0003】
さらに、端末にインストールされたASP(Application Service Provider)対応ソフトの利用状況を管理する技術として、動的にリンク可能なソフトウエアライブラリをアプリケーションプログラム の必要な箇所に追加しておくことでネットワークへの接続機能を備えさせ、このソフトウエアライブラリに、ユーザの端末装置からサーバにユーザの利用情報を送るようにしておくことで、ソフトウエア提供元は、継続的で、確実なユーザ利用情報をネットワークを介して収集し、このASP対応ソフトに関する全ユーザの利用状況である利用頻度や利用時間を分析・解析するためのグラフ・表を表示・印刷する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。この従来技術では、利用状況をサーバに転送するソフトウエアライブラリを埋め込んだ特定のアプリケーションプログラムの利用状況はサーバ側で把握することができるが、市場に流通している一般的なアプリケーションプログラムにはそのようなソフトウエアライブラリは埋め込まれていないので、この技術を一般的な端末インストールアプリケーションプログラムの管理技術に適用することができない。
【0004】
遠隔制御サーバとクライアント端末が通信ネットワークを介して接続されたシステムにおいて、オペレータによる端末のリモート操作時に、クライアント端末ではモニタに表示されているモニタ画面を遠隔制御サーバに送信し、遠隔制御サーバでは受信したモニタ画面をモニタに表示すると共に、遠隔制御サーバのキャプチャ画像記録手段が、クライアント端末のモニタ画面をキャプチャ画像として、所定のインターバルで操作ログに記録し、この記録のあとに、遠隔制御サーバのログ再生処理部が操作ログに記録されたキャプチャ画像(モニタ画面)の再生を行うものも存在する(例えば、特許文献3参照)。この従来技術では、データ記憶部に格納されたキャプチャ画像を監視モニタに再現することで、端末の操作を監視することができるが、その端末でどのようなプログラムが起動しているかどうかといった内容は把握することは困難である。
【0005】
【特許文献1】特開2002−258968号公報(段落番号0015−0016、図1)
【特許文献2】特開2003−271256号公報(段落番号0034、0051、0062、図2)
【特許文献3】特開2006−108947号公報(段落番号0019、0020、0051、0062、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記実状に鑑み、本発明の課題は、ネットワークを介して接続されている端末に導入されているアプリケーションプログラムなどの実行可能ファイルの利用状況を分かり易い形態で把握できる端末管理技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
端末における操作ログと前記操作ログに関連する端末操作情報とをネットワークを介して取得する端末管理装置において、前記課題を解決するため、本発明では、前記端末に導入されている実行可能ファイルに関する実行可能ファイル情報を記録する実行可能ファイル情報記録部と、前記操作ログから前記端末で起動している実行可能ファイルを特定する起動情報を取得する起動情報取得部と、前記起動情報に基づいて、前記実行可能ファイル情報と当該実行可能ファイルを起動させている端末の端末操作情報とを関連づける関連付け部と、少なくとも前記関連付けられた実行可能ファイル情報と端末操作情報とを関連付けて表示する閲覧画面を生成する閲覧画面生成部とを備えている。
【0008】
この構成によれば、端末に導入されている実行可能ファイルに関する実行可能ファイル情報が、実行可能ファイル情報記録部に記録されている。さらに、起動情報取得部が、ネットワークを介して端末から取得された操作ログから実行中の実行可能ファイルを検出することにより、特定端末における実行可能ファイルの起動を表す起動情報を得ることができる。さらに、関連付け部により、前記起動情報に基づき実行可能ファイル情報と、その実行可能ファイルを起動させている端末の端末操作情報とを関連付け、閲覧画面生成部により、関連付けられた実行可能ファイル情報と端末操作情報とを表示することが可能となっている。その結果、管理者は、閲覧画面を通じて、端末に導入されている実行可能ファイルの一覧をその実行可能ファイルを起動させている端末の端末操作情報とともに把握することや、実行可能ファイルを起動している全ての端末を把握することや、起動中の実行可能ファイルだけを把握することが容易となる。
【0009】
本発明の好適な実施形態の1つでは、前記端末操作情報は、前記端末における操作画面をキャプチャして得られた操作画像を含んでいる。これにより、特定の実行可能ファイルを起動している端末での状況がさらに分かり易い形態で把握できる。
【0010】
上述した本発明による端末管理装置の技術的特徴は、同様の端末管理プログラムや端末管理方法にも適用可能である。例えば、端末における操作ログと前記操作ログに関連する端末操作情報とをネットワークを介して取得する端末管理装置のための端末管理プログラムにおいて、前記端末に導入されている実行可能ファイルに関する実行可能ファイル情報を記録する機能と、前記操作ログから前記端末で起動している実行可能ファイルを特定する起動情報を取得する機能と、前記起動情報に基づいて、前記実行可能ファイル情報と当該実行可能ファイルを起動させている端末の端末操作情報とを関連づける機能と、少なくとも前記関連付けられた実行可能ファイル情報と端末操作情報とを関連付けて表示する閲覧画面を生成する機能とをコンピュータに実現する。当然ながら、このような端末管理プログラムも上述した端末管理装置で述べた作用効果を得ることができ、さらに上述した付加的技術を組み込むことも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
〔第1実施形態〕
以下、図面を用いて本発明の第1実施形態を説明する。本発明の端末監視装置を用いたシステムは、図1に示すように、管理対象となる端末1がネットワーク2を介して、端末管理装置3と接続されている。このネットワークはインタネットのようなWANであってもよいし、会社内や特定グループ内に構築されたLANであってもよい。また、各端末1は、各種情報の表示を行うモニタ51、キーボードやマウス等の入力操作デバイス52を備えており、端末管理装置3も同様にモニタ55および入力操作デバイス56を備えている。
【0012】
図2は、このコンピュータネットワークシステムを構成する端末管理装置3と端末1の機能ブロック図を示している。端末1は汎用コンピュータにより構成されており、操作者による入力操作デバイス52の操作の取得や種々の情報をモニタ51に表示するGUI部10、モニタ51に表示されている操作画面をキャプチャし操作画像を取得する操作画面キャプチャ部14、および、端末1における操作の内容を表す操作ログを生成する操作ログ生成部15を備えている。
【0013】
端末1は、操作者が端末1を使用する前に行われるログイン操作を通じて入力された操作者名や操作者コード等の操作者を識別するユーザ識別情報と、端末1を識別する端末識別情報とを端末情報として端末管理装置3に送信する。端末管理装置3では、受信した端末情報を端末情報記録部(図示せず)に記録管理しておく。このようにログインされた端末1から送られてくるユーザ識別情報を管理することにより、端末管理装置3は、その時点で端末1を利用している操作者を特定することができる。なお、端末識別情報としては、各端末1にユニークに割り当てられたコード、端末名、MACアドレス、IPアドレス等、端末1を一意に特定可能な情報を用いることができる。
【0014】
また、各端末1には、種々の実行可能ファイルが導入されているが、それらの実行可能ファイルに関する情報である実行可能ファイル情報は、端末管理装置3で管理されている。この実行可能ファイル情報は、端末のOSのプログラム管理機能を通じて、端末から端末管理装置に転送される形態でも、端末管理装置から端末に収集にいくような形態でもよい。また、アンケート形式で端末から収集した実行可能ファイル導入情報に基づいて実行可能ファイル情報記録部に転写記録してもよいし、後から追加的な情報をマニュアルで入力してもよい。さらには、各端末のハードディスクなどのデータ格納部を全検索して実行可能ファイル及びその実行可能ファイル情報を抽出してもよい。なお、実行可能ファイルの端末への導入は、インストールプログラムを用いたインストールだけでなく、ネットワークを介したダウンロード、CDやDVDなどからのコピー&ペーストなど様々な形態を用いることができる。また、本実施形態では、実行可能ファイルとはアプリケーションプログラムに代表される処理を実行するためのファイルを指し、実行可能ファイル情報は、例えば実行可能ファイル名、俗称、プログラム種別、アイコン、作成ファイル拡張子等のような実行可能ファイルの種類・性質・系統などこの実行可能ファイルを特定する情報、実行可能ファイルが導入されている端末の端末識別情報、実行可能ファイルの設定情報、実行可能ファイルの提供者情報等を指すが、これに限定されるものではない。
【0015】
各端末1では、端末操作者が何らかの操作をするたびにその操作の内容を表す操作ログが生成され、ネットワーク2を介して端末管理装置3に送られる。本実施形態では、操作ログとは、端末1における各操作行為の内容を記述したものであり、操作種別および、操作対象情報が含まれている。なお、本実施形態においては、操作対象情報には実行可能ファイル名および実行可能ファイルにより処理されているファイルのファイル属性情報が含まれており、ファイル属性情報とは、ファイル名を用いるが、これに限定されるものではない。また、各端末1において、所定のタイミングで端末のモニタ51に表示されている操作画面をキャプチャすることにより操作画像が生成され、端末1からネットワーク2を介して端末管理装置3に送られる。ここで、所定のタイミングとは、特定の操作が行われた時点、所定の時間間隔等であるが、これに限定されるものではない。なお、操作ログと操作画像には、この操作が行われた端末1の端末特定情報および操作が行われた日時であるタイムスタンプも付記されている。また、本実施形態では、端末情報と操作画像を個別に送信しているが、操作画像を送信する際に端末情報を付加した形式で送信する等しても構わない。
【0016】
端末管理装置3も一般的には汎用コンピュータによって構成され、端末管理装置3における本発明に関する機能のほとんどは、この端末管理装置3にインストールされている端末管理プログラムの起動に伴って作り出される。それらの代表的なものとして、端末1から送られてきた操作画像を取得し、記録管理する操作画像記録部33、各端末1から送られる操作ログを取得し、端末別に評価することで、各端末1における起動中実行可能ファイルなどの情報を得る操作ログ評価部34、この端末管理装置3で管理されている実行可能ファイル情報や当該実行可能ファイルを導入させている端末1や当該端末1の端末操作情報の一覧をモニタ55に表示するための画面を生成する管理画面生成部36が挙げられる。なお、本発明において端末操作情報とは、上述の端末情報と操作画像とを指しているが、これに限定されるものではなく、本発明の目的を達する限りにおいて、他の情報をこれらに代えて又は加えて端末操作情報として用いても構わない。
【0017】
さらに、各端末1に導入されている実行可能ファイルの実行可能ファイル情報を記録管理する実行可能ファイル情報記録部42が、端末管理装置3に構築されている。この実行可能ファイル情報記録部42には、このコンピュータネットワークシステムに属する全ての端末1に導入されている実行可能ファイルに関する情報が記録されているので、実行可能ファイル情報記録部42にリクエストすることで、任意の実行可能ファイルを導入している端末名、逆に任意の端末1に導入されている実行可能ファイル名の一覧リストを取得することができる。
【0018】
また、前記操作ログ評価部34には、端末1から送られてきた操作ログから、各端末1で起動中の実行可能ファイルを特定する起動情報を取り出して、起動情報テーブル44に書き込んでいく起動情報取得部34aが含まれている。本実施形態における起動情報には、端末識別情報、操作対象情報およびタイムスタンプが含まれている。なお、受信した操作ログの操作種別が“起動”であれば、新たにその操作ログに関する起動情報が生成されると共に起動情報テーブルに記録され、“終了”であれば、その操作ログに係る実行可能ファイル名およびファイル属性情報が一致する起動情報は、起動情報テーブル44から削除される。ただし、起動情報の生成、削除は、操作ログの操作種別が上述のものに限定されるものではなく、他の操作種別の操作ログの取得時としても構わない。起動情報をこのように管理することにより、各端末1において起動している実行可能ファイルおよび、その実行可能ファイルにより処理されているファイル属性情報を管理することができる。このような構成により、閲覧画面において、端末情報と並んで起動中の実行可能ファイルが処理しているファイルのファイル属性情報も表示することが可能になる。
【0019】
さらに、管理画面生成部36には、前記実行可能ファイル情報記録部42に記録されている各実行可能ファイル情報とこの実行可能ファイルを起動させている端末1に関する端末操作情報とを関連付ける関連付け部36b、この関連付けに基づき実行可能ファイル情報および端末操作情報を表示する閲覧画面を生成する閲覧画面生成部36aが含まれている。関連付け部36bは、先ず、実行可能ファイル情報記録部42から1つの実行可能ファイル名を選択し、選択された実行可能ファイル名と同じ実行可能ファイル名に係る起動情報を起動情報テーブル44から抽出する。次に、抽出された起動情報の端末識別情報と同じ端末識別情報を持つ端末操作情報を抽出する。この処理により、選択された実行可能ファイルと端末操作情報の関連付けが成される。この処理を、実行可能ファイル情報記録部42に記録されている全ての実行可能ファイルに対して行うことにより、実行可能ファイル情報と端末操作情報の関連付けを実現することができる。なお、端末操作情報として操作画像を用いる場合には、起動情報の端末識別情報とタイムスタンプに基づき、起動情報に対応する端末操作情報が抽出することもできる。また、タイムスタンプに基づき実行可能ファイルの起動時等、特定の操作が行われた時点の操作画像を抽出し、表示することもできる。さらに、表示する操作画像は上述のように取得されたものに限定されるものではなく、関連付けの時点で取得した操作画像を用いることもでき、このように構成することでリアルタイムでの操作を確認することができる。
【0020】
次に図5のフローチャートを用いて、このように構成された端末1と端末管理装置3からなるシステムにおいて、端末管理装置3のモニタ55を通じて端末1に導入されている実行可能ファイルの利用状況を確認する際の手順を説明する。まず、実行可能ファイル情報記録部42では、図3で模式的に示しているように、このシステムに属する全ての端末1に導入されている実行可能ファイルの実行可能ファイル情報が記録されているとする。
【0021】
先ず、操作ログ評価部34により、各端末1から送られてきた操作ログ(図4上段参照)が取得される(#01)。取得された操作ログから取得した端末識別情報および実行可能ファイル名が、実行可能ファイル情報記録部42に記録されている場合(#02のYes分岐)には、起動情報取得部34aは、与えられた操作ログから、端末識別情報、実行可能ファイル名および操作ファイル名を取得し、起動情報を作成し(図4中段参照)、起動情報テーブル44に書き込む(#03)。このとき、端末情報記録部(図示せず)から、操作ログに係る端末識別情報をキーとしてユーザ識別情報を取得し、起動情報に含めることもできる。このように、操作ログ評価部34は、順次取得される操作ログに基づき起動情報を作成し、作成した起動情報に基づいて動的に変化する起動情報テーブル44を更新していく。
【0022】
管理画面生成部36では、関連付け部36bにより、起動管理テーブルの内容に基づいて、上述の処理により端末操作情報と実行可能ファイル情報の関連付けが行われる(#04)。図4の下段は、上述の処理により作成された起動情報を介して実行可能ファイル情報と端末操作情報の関連付けを模式的に表している。その後、閲覧画面生成部36aにより、関連付け部36bの関連付けに基づいて、端末1に導入されている実行可能ファイルの利用状況を容易に確認することができる種々の閲覧画面を作成して(#05)、モニタ55に表示させることができる。
【0023】
図6には、最も基本的な閲覧画面が例示されており、実行可能ファイル毎に、実行可能ファイル名とその実行可能ファイルを導入している端末数を関連付けて表示している。
【0024】
図7では、図6の関連付け表示とともに、右端領域に、各実行可能ファイル名で特定される実行可能ファイルをその時点で起動させている端末1の端末操作情報が当該実行可能ファイル名と関連づけるためラインで結びつけるような表示形態で表示されている。ここでの端末操作情報として、端末操作情報の1つである端末識別情報としての端末名および当該端末における操作画像が表示されている。なお、この閲覧画面では、実行可能ファイルの導入数の表示を省略してもよい。
【0025】
また、一覧表示された実行可能ファイルを起動している端末の数が多い場合、モニタ画像に入りきらず、見づらくなるので、特定の実行可能ファイルを起動している端末の端末操作情報のみを表示するようにするとよい。そのような閲覧画面が図8に示されており、ここでは起動可能ファイル“XY Shop 2004”を起動している端末の端末起動情報として端末名および操作画像が表示されている。なお、この閲覧画面に表示する端末1を部署グループなどのようないくつかの端末1が属しているグループを単位として表示したり、グループ単位で端末1を指定してその閲覧画面を表示するようにしてもよい。このように、閲覧画面においては、上述した実行可能ファイル情報の少なくとも1つとこの端末操作情報の少なくとも1つが関係づけられて表示されることになり、視認性を向上させている。なお、これらの例では関連付けはラインで表現されているが、これに限定されるものではなく、他のグラフィックシンボルを用いる等しても構わない。
【0026】
さらに、起動情報取得部34aにより実行可能ファイルが処理しているファイルのファイル属性情報が取得されているので、図9に示すように、閲覧画面において、特定の実行可能ファイルを起動している端末の端末名及び操作画像に加えて、その実行可能ファイルが操作しているファイルのファイル属性情報も表示させることができる。これにより、特定の実行可能ファイルを起動している特定の端末1がどのようなファイルを操作しているかを、管理者は容易に把握することができ、端末1で行われている、例えば不適切な行為を素早く確実にチェックすることも可能となる。
【0027】
上記の実施形態の説明では、閲覧画面において実行可能ファイル名別でその実行可能ファイルを起動している端末名を一覧表示していたが、実行可能ファイルの種別や属性情報あるいは実行可能ファイルの動作条件毎にそれに対応している端末に関する情報を一覧表示するような構成を採用してもよい。例えば、表示対象となる実行可能ファイルがウェブブラウザなどの場合、現状でアクセスしているURLを指定単位とし、URL毎にそのURLにアクセスしている端末名などを一覧表示することも、端末管理の観点から利点が大きい。
【0028】
〔第2実施形態〕
上述した第1実施形態の閲覧画面では、実行可能ファイルによって作成されているウインドウがアクティブの場合と非アクティブの場合がある。これらの状態を明確に区別するために、本実施形態では、第1実施形態の機能部に加え、端末管理装置3は、起動情報取得部34aによって取得された起動情報に基づく起動中の実行可能ファイルによって作り出されているウインドウがアクティブか否かを操作ログから判定するウインドウ表示形態判定部34bを備えている。端末1は、操作された実行可能ファイルに関する操作ログを生成し、端末管理装置3に送信している。このとき、ウインドウ表示形態判定部34bは、操作ログを受信した時点で起動情報テーブルに記録されている当該端末1の起動情報のうち、受信した操作ログに関する実行可能ファイルのウインドウがアクティブであり、他の実行可能ファイルのウインドウは非アクティブであると判定し、起動情報テーブル44を更新している。
【0029】
本実施形態の処理の流れは、閲覧画面生成部36aの処理を除き、第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。本実施形態における閲覧画面生成部36aは、実行可能ファイル情報と関連付けて表示する端末操作情報の操作画像に含まれている当該実行可能ファイルのウインドウがアクティブであるか非アクティブであるかに応じて、関連付けの表示形態を変更する。例えば、図10に示すように、アクティブ時には実線で関連付け表示を行い、非アクティブ時には点線で表示する等である。
【0030】
上述のように、本実施形態では、実行可能ファイルのウインドウがアクティブか否かで、表示形態を変更するものであり、これにより、各々の実行可能ファイルが各端末1において、どのように操作されているかを容易に把握することが可能となっている。
【0031】
上述した実施形態では、多数の端末1における操作ログと操作画像を含む端末操作情報とがネットワーク2を介して端末管理装置3に送られ、その端末管理装置3のモニタ55に、上述したような閲覧画面が表示される。このような端末管理システムにおいて、管理装置に必要な機能は管理画面生成部36の機能である。したがって、上述した端末管理装置3が備える管理画面生成部36以外の機能部を他のデータサーバに持たせたシステムとすることも可能である。また、管理画面生成部36を各端末1に構築することも可能である。
【0032】
なお、本明細書で用いられている操作画像なる語句は、操作画面をキャプチャして得られた静止画ファイルやその静止画ファイルの集合体、及び連続した静止画を動画化して得られた動画ファイルや動画ファイルの集合体を総称している。従って、端末1から端末管理装置3に転送される操作画像は静止画であっても動画であってもよい。また、操作画像を閲覧画面に導入する際も、スライドショーと称される静止画の連続表示でもよいし、動画表示でもよい。このため、操作画像記録部33に記録される際の操作画像の形式も種々のものを選択することができる。例えば、静止画の場合JPEGやGIFなどが、動画の場合MPEGやAVIなどが用いられる。そのような操作画像を端末1から端末管理装置3への送信形態に関しては、リアルタイムでもよいし、バッチ処理で行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による端末管理装置を用いた端末管理システムのシステム構成図
【図2】本発明による端末管理技術を組み込んだコンピュータネットワークシステムにおける端末と端末管理装置の一例を示す機能ブロック図
【図3】実行可能ファイル情報テーブルのデータ構造を模式的に説明する説明図
【図4】操作ログから動的に変化する起動管理テーブルを作成し、関連付けを行う手順を模式的に説明する説明図
【図5】本発明による端末管理装置の処理の流れを表すフローチャート
【図6】閲覧画面の一例を示す画面図
【図7】閲覧画面の一例を示す画面図
【図8】閲覧画面の一例を示す画面図
【図9】閲覧画面のさらに別な例を示す画面図
【図10】ウインドウの表示形態に基づく関連付け表示を閲覧画面に導入する際の説明図
【符号の説明】
【0034】
1:端末
2:ネットワーク
3:端末管理装置
10、30:GUI部
14:操作画面キャプチャ部
15:操作ログ生成部
33:操作画像記録部
34:操作ログ評価部
34a:起動情報取得部
34b:ウインドウ表示形態判定部
36:管理画面生成部
36a:閲覧画面生成部
36b:関連付け部
42:実行可能ファイル情報記録部
44:起動情報テーブル
55:モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末における操作ログと前記操作ログに関連する端末操作情報とをネットワークを介して取得する端末管理装置において、
前記端末に導入されている実行可能ファイルに関する実行可能ファイル情報を記録する実行可能ファイル情報記録部と、
前記操作ログから前記端末で起動している実行可能ファイルを特定する起動情報を取得する起動情報取得部と、
前記起動情報に基づいて、前記実行可能ファイル情報と当該実行可能ファイルを起動させている端末の端末操作情報とを関連づける関連付け部と、
少なくとも前記関連付けられた実行可能ファイル情報と端末操作情報とを関連付けて表示する閲覧画面を生成する閲覧画面生成部と、
を備える端末管理装置。
【請求項2】
前記端末操作情報は、前記端末における操作画面をキャプチャして得られる操作画像を含むことを特徴とする請求項1に記載の端末管理装置。
【請求項3】
端末における操作ログと前記操作ログに関連する端末操作情報とをネットワークを介して取得する端末管理装置のための端末管理プログラムにおいて、
前記端末に導入されている実行可能ファイルに関する実行可能ファイル情報を記録する機能と、
前記操作ログから前記端末で起動している実行可能ファイルを特定する起動情報を取得する機能と、
前記起動情報に基づいて、前記実行可能ファイル情報と当該実行可能ファイルを起動させている端末の端末操作情報とを関連づける機能と、
少なくとも前記関連付けられた実行可能ファイル情報と端末操作情報とを関連付けて表示する閲覧画面を生成する機能と、をコンピュータに実現する端末管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−116517(P2009−116517A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−287381(P2007−287381)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(599108242)Sky株式会社 (257)
【Fターム(参考)】