説明

端末管理装置及びその制御プログラム

【課題】クライアントとして機能する端末を増設した際に、サーバとして機能する端末管理装置において、当該端末を端末管理装置に認識させるための設定作業を不要とする。
【解決手段】端末管理装置は、固有のポート番号が割り当てられたポートを開設する。このポートでTCP/IP手順によりオープン情報を受信すると、このオープン情報に当該ポートに割り当てられているポート番号を指定する情報が含まれているか調べる。受信したオープン情報に当該ポートに割り当てられているポート番号を指定する情報が含まれていると、当該オープン情報のIPアドレスから当該オープン情報送信元である情報処理端末の端末識別情報を取得する。そして、取得した端末識別情報で識別される情報処理端末とのデータ通信を許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、TCP/IP手順を利用したサーバ・クライアントシステムのサーバとして機能する端末管理装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
TCP/IP手順を利用したサーバ・クライアントシステムの一態様として、流通業界で利用されているPOS(Point Of Sales)システムがある。POSシステムは、一般に、サーバ機能を有するコンピュータに、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して、金銭登録機能を有するPOS端末を複数接続してなる。コンピュータは、各POS端末で登録される商品の品名,単価等の情報を一元的に管理する。またコンピュータは、各POS端末で登録された各商品の売上情報を、ネットワークを介して収集し、例えば商品別に集計する。
【0003】
TCP/IP手順を利用したPOSシステムは、POS端末の通信インターフェースにネットワークケーブルを接続すると、このPOS端末が、ネットワークを介してコンピュータと接続される。ただし、コンピュータの設定画面において、当該POS端末を使用中とするための設定入力を行わないと、当該POS端末は、コンピュータによって認識されない。コンピュータによって認識されないと、当該POS端末で登録された商品の売上情報はコンピュータによって収集されない。その結果、POSシステムは、店舗全体の売上を正確には管理できなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−306147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
TCP/IP手順を利用したサーバ・クライアントシステムにおいて、クライアントとして機能する端末を増設した際には、サーバとして機能する端末管理装置において、当該端末を端末管理装置に認識させるための設定作業が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、ネットワーク上に接続される情報処理端末とTCP/IP手順を使用してデータ通信を行う端末管理装置は、固有のポート番号が割り当てられたポートを開設するポート開設手段と、前記ポートでTCP/IP手順によりオープン情報を受信すると、このオープン情報に当該ポートに割り当てられているポート番号を指定する情報が含まれているか調べる確認手段と、前記ポートで受信したオープン情報に当該ポートに割り当てられているポート番号を指定する情報が含まれていると、当該オープン情報のIPアドレスから当該オープン情報送信元である情報処理端末の端末識別情報を取得する識別取得手段と、この識別取得手段により取得した端末識別情報で識別される情報処理端末とのデータ通信を許可する許可手段とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態に係るPOSシステムの概略構成図。
【図2】POSシステムを構成するストアサーバのハードウェア構成を示すブロック図。
【図3】ストアサーバが有する管理テーブルのデータ構造を示す模式図。
【図4】ストアサーバが有する主要なプログラムを示す模式図。
【図5】本実施形態に係るPOSシステムにおいて、POS端末からストアサーバに送信されるオープン情報のデータ構造を示す模式図。
【図6】ストアサーバのCPUがPOS端末通信アプリケーションに従い実行する処理手順を示す流れ図。
【図7】ストアサーバのCPUがPOS実績保存アプリケーションに従い実行する処理手順を示す流れ図。
【図8】ストアサーバのCPUがストアサーバ精算アプリケーションに従い実行する処理手順を示す流れ図。
【図9】ストアサーバで表示する警告画面の一例を示す図。
【図10】ストアサーバで表示する警告画面の他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、端末管理装置の一実施形態として、ネットワーク上の通信プロトコルとしてTCP/IP手順を利用したPOSシステムのストアサーバについて、図面を用いて説明する。
【0009】
図1は、本実施形態に係るPOSシステム1の概略構成図である。POSシステム1は、1台のストアサーバ2と、複数台のPOS端末3と、店舗内ネットワークを構築するLAN4とを備える。ストアサーバ2は、LAN4に常時接続されている。LAN4は、複数本のLANケーブル5を延伸しており、その先端に接続端子6を有する。
【0010】
システムのユーザは、POS端末3に設けられているLANコネクタ(不図示)に、いずれかの接続端子6を装着する。そうすると、POS端末3は、LAN4に接続される。すなわち、POSシステム1にPOS端末3が増設される。逆に、ユーザが、POS端末3のLANコネクタから接続端子6を抜き取る。そうすると、POS端末3はLAN4から切り離される。すなわち、POSシステム1からPOS端末3が撤去される。
【0011】
図2は、ストアサーバ2のハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ機器であるストアサーバ2は、CPU(Central Processing Unit)20、ROM(Read Only Memory)21、RAM(Random Access Memory)22、時計部23、HDD(Hard Disk Drive)24、キーボードインターフェース25、マウスインターフェース26、ディスプレイインターフェース27、プリンタインターフェース28、LANインターフェース29等を実装している。そして、CPU20に、ROM21、RAM22、時計部23、HDD24、及び各種のインターフェース25,26,27,28,29を、アドレスバス,データバス等のバスラインBLで接続している。
【0012】
かかる構成のストアサーバ2は、図3に示すように、端末番号(TMNo.)別に、接続フラグF1と精算フラグF2とを記憶した管理テーブル30を、HDD24上に保存している。端末番号は、各POS端末3に対して予め割り当てられた固有の識別データである。接続フラグF1は、対応する端末番号で特定されるPOS端末3がLAN4に接続されていないとストアサーバ2が認識しているとき、非接続状態を示す“0”にリセットされており、LAN4に接続されたとストアサーバ2が認識すると“1”にセットされる。精算フラグF2は、対応する端末番号で特定されるPOS端末3において、精算処理が未了であるとストアサーバ2が認識しているとき、精算未了を示す“0”にリセットされており、精算処理が実行されたとストアサーバ2が認識すると、精算完了を示す“1”にセットされる。
【0013】
ここに、精算フラグF2は、対応する端末番号のPOS端末3において、所定の情報処理である精算処理が実行済であるか否かを識別する情報として機能し、管理テーブル30は、記憶手段を構成する。
【0014】
因みに、各POS端末3は、客が買い上げる商品の販売データをメモリ上に登録する登録処理と、このメモリ上に登録された商品販売データを精算する精算処理とを実行する機能を有している。
【0015】
一方、ストアサーバ2は、各POS端末3で精算された商品販売データを、LAN4経由で収集し集計して、店舗全体の売上管理データを生成する機能を有している。そして、この機能を効果的に実現するために、ストアサーバ2は、図4に示すように、POS端末通信アプリケーション41、POS端末実績保存アプリケーション42、及び、ストアサーバ精算アプリケーション43の各アプリケーションプログラムを実装している。これらのプログラムは、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであり、ROM21で予め記憶している。
【0016】
なお、これらのプログラムは、ROM21で記憶するのでなく、LAN4からストアサーバ2にダウンロードして、HDD24で保存してもよい。あるいは、記録媒体に記憶させたものをストアサーバにインストールして、HDD24で保存してもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつストアサーバ2が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。
【0017】
図6は、POS端末通信アプリケーション41に従い実行するCPU20の処理手順を示す流れ図である。POS端末通信アプリケーション41は、常駐している。
【0018】
POS端末通信アプリケーション41が開始されると、CPU20は、TCP/IP手順で各POS端末3とデータ交換をするためのポートを開設するために、ソケットを作成し、このソケットに固有のポート番号を割り当てる(ST1:ポート開設手段)。そしてCPU20は、開設したポートで各POS端末3からの情報受信(サービス要求)を待ち受ける(ST2)。
【0019】
一方、LAN4に接続されたPOS端末3は、電源がオンされると、TCP/IP手順による通信相手としてストアサーバ2を指定するためのポートオープン情報を作成し、このポートオープン情報をLAN4経由でストアサーバ2に送信する。逆に、電源がオフされると、システムから切り離すためのポートクローズ情報を作成し、このポートクローズ情報をLAN4経由でストアサーバ2に送信する。
【0020】
ポートオープン情報のデータ構造を、図5を用いて説明する。図5に示すように、ポートオープン情報は、データ種別がポートオープン情報であることを指定するTCPヘッダと、データ送信元を指定するIPアドレスと、データ送信先を指定するHOSTアドレスと、パケットサイズと、接続先のポート番号とを含む。一方、ポートクローズ情報も、TCPヘッダがポートクローズ情報であることを指定する情報である点を除いて、ポートオープン情報と同一である。
【0021】
開設したポートで各POS端末3からの情報受信を待ち受けている状態で、前記ポートオープン情報を受信すると(ST3のYES)、CPU20は、そのポートオープン情報からポート番号を取得する(ST4)。そして、この取得したポート番号が、開設したポートに割り当てられているポート番号と一致するか否かを判定する(ST5:確認手段)。両ポート番号が一致しない場合(ST5のNO)、CPU20は、受信したポートオープン情報を破棄する。そして、CPU20は、次の情報受信を待機する(ST2)。
【0022】
これに対し、両ポート番号が一致した場合には(ST5のYES)、CPU20は、受信したポートオープン情報中のIPアドレスを解析して、POS端末3の端末番号を取得する(ST6:識別取得手段)。ここで、ポートオープン情報送信元の機器がPOS端末3ではなく、端末番号を取得できなかった場合(ST7のNO)、CPU20は、次の情報受信を待機する(ST2)。
【0023】
IPアドレスから端末番号を取得できた場合には(ST7のYES)、CPU20は、管理テーブル30にアクセスし、取得した端末番号に対応する接続フラグF1を、非接続状態の“0”から接続状態の“1”に書き換える(ST8:許可手段)。しかる後、CPU20は、次の情報受信を待機する(ST2)。
【0024】
開設したポートで各POS端末3からの情報受信を待ち受けている状態で、前記ポートクローズ情報を受信した場合には(ST9のYES)、CPU20は、そのポートクローズ情報からポート番号を取得する(ST10)。そして、この取得したポート番号が、開設したポートに割り当てられているポート番号と一致するか否かを判定する(ST11)。両ポート番号が一致しない場合(ST11のNO)、CPU20は、受信したポートクローズ情報を破棄する。そして、CPU20は、次の情報受信を待機する(ST2)。
【0025】
これに対し、両ポート番号が一致した場合には(ST11のYES)、CPU20は、受信したポートクローズ情報中のIPアドレスを解析して、POS端末3の端末番号を取得する(ST12)。ここで、ポートクローズ情報送信元の機器がPOS端末3ではなく、端末番号を取得できなかった場合には(ST13のNO)、CPU20は、次の情報受信を待機する(ST2)。
【0026】
IPアドレスから端末番号を取得できた場合には(ST13のYES)、CPU20は、管理テーブル30にアクセスし、取得した端末番号に対応する精算フラグF2をチェックする(ST14)。ここで、精算フラグが“1”、すなわち精算完了を示す場合には(ST15のYES)、CPU20は、取得した端末番号に対応する接続フラグF1を、接続状態の“1”から非接続状態の“0”に書き換える(ST16)。しかる後、CPU20は、次の情報受信を待機する(ST2)。これに対し、精算フラグが“0”、すなわち精算未了を示す場合には(ST15のNO)、CPU20は、ステップST16の処理を実行しない。すなわち、取得した端末番号に対応する接続フラグF1が接続状態の“1”として維持されたまま、CPU20は、次の情報受信を待機する。
【0027】
図7は、POS端末実績保存アプリケーション42に従い実行するCPU20の処理手順を示す流れ図である。POS端末実績保存アプリケーション42は、常駐している。すなわち、POSシステムの起動によりPOS端末実績保存アプリケーション42が開始されると、CPU20は、POS端末3からの実績データを待機する(ST21)。
【0028】
POS端末3は、例えば登録処理においてメモリ上に登録された1客分の商品販売データ及び代金支払データ等をトランザクションデータとしてLAN4経由でストアサーバに送信する。また、予め設定されている時刻になると、前記メモリ上に登録された商品販売データの集計データを点検データとしてLAN4経由でストアサーバに送信する。さらに、精算が指令されると、前記精算処理として、メモリ上に登録された商品販売データの集計データを精算データとしてLAN4経由でストアサーバに送信するとともに、メモリをクリアする。
【0029】
POS端末3からの実績データを待機している状態で、前記トランザクションデータ、点検データまたは精算データを受信すると(ST21のYES)、CPU20は、そのデータに送信元アドレスとして含まれるIPアドレスを解析して、POS端末3の端末番号を取得する(ST22)。ここで、端末番号を取得できなかった場合には(ST23のNO)、CPU20は、次の実績データを待機する(ST21)。
【0030】
IPアドレスから端末番号を取得できた場合には(ST23のYES)、CPU20は、管理テーブル30にアクセスし、取得した端末番号に対応する接続フラグF1を検出する(ST24)。そして、この接続フラグF1が“1”にセットされているか否かを判定する(ST25)。
【0031】
接続フラグF1が“0”にリセットされている場合(ST25のNO)、実績データ送信元のPOS端末3は、POSシステム1の機器として接続が認識されていない。この場合、CPU20は、次の実績データを待機する(ST21)。
【0032】
これに対し、接続フラグF1が“1”にセットされていた場合には(ST25のYES)、実績データ送信元のPOS端末3は、POSシステム1の機器として接続が認識されている。そこでCPU20は、受信した実績データの保存処理を実行する(ST26)。例えば、受信データがトランザクションデータであった場合には、HDD24上のトランザクションファイルに受信データを蓄積保存する。受信データが点検データであった場合には、HDD24上の点検ファイルに受信データを蓄積保存する。受信データが精算データであった場合には、HDD24上の精算ファイルに受信データを蓄積保存する。
【0033】
保存処理を終了すると、CPU20は、受信データが精算データであった否かを判断する(ST27)。精算データでない場合には(ST27のNO)、CPU20は、次の実績データを待機する。
【0034】
これに対し、受信データが精算データであった場合(ST27のYES)、CPU20は、管理テーブル30にアクセスし、取得した端末番号に対応する精算フラグF2を精算未了状態の“0”から精算完了状態の“1”に書き換える(ST28)。しかる後、CPU20は、次の実績データを待機する。
【0035】
図8は、ストアサーバ精算アプリケーション43に従い実行する実行するCPU20の処理手順を示す流れ図である。ストアサーバ精算アプリケーション43は、サーバ清算業務の実行が指令されると起動する。すなわち、キーボードインターフェース25またはマウスインターフェース26に接続されるキーボードまたはマウスの操作入力により、サーバ清算業務の実行が指令され、ストアサーバ精算アプリケーション43が起動すると、CPU20は、管理テーブル30を検索する(ST31)。そして、接続フラグF1が接続状態を示す“1”にセットされている全てのPOS端末3において、精算処理が実行済であるか否か、すなわち、精算フラグF2が精算完了を示す“1”に更新されているか否かを判定する(ST32:判定手段)。
【0036】
精算処理が実行済の場合(ST32のYES)、CPU20は、サーバの精算処理を実行する(ST33:制御手段)。例えば、トランザクションファイル、点検ファイル、精算ファイルにそれぞれ蓄積されているデータを、外部接続されているホストコンピュータ(図示)に転送し、転送完了後、各ファイルをクリアする。
【0037】
サーバ精算処理が完了すると、CPU20は、管理テーブル30の各端末番号に対応した精算フラグF2を“0”にリセットする。以上で、ストアサーバ精算アプリケーション43は終了する。
【0038】
一方、少なくとも1台のPOS端末3において精算処理が未了の場合(ST32のNO)、CPU20は、ディスプレイインターフェース27を介して接続されるディスプレイに、未清算のPOS端末があることをユーザに知らせるための警告画面50を表示させる(ST35)。このとき、サーバ精算処理は実行されない。
【0039】
警告画面50の一例を図9に示す。図9に示すように、警告画面50には、精算が完了していないPOS端末3を特定する情報(TMNo.xxのPOS)と、そのPOS端末3で精算が完了していないことをユーザに通知する情報(精算が行われておりません)とを含むメッセージ51が表示される。
【0040】
警告画面50を表示させた後、CPU20は、ユーザによる確認入力を待機する(ST36)。前記キーボードまたはマウスの操作入力により確認操作がなされると(ST36のYES)、CPU20は、警告画面50を消去する。以上で、ストアサーバ精算アプリケーション43は終了する。
【0041】
このように本実施形態においては、POS端末3のLANコネクタにLANケーブル5の接続端子6を装着しさえすれば、このPOS端末3の端末番号に対応する接続フラグF1が “1”にセットされて、ストアサーバ2は、POSシステム1にPOS端末3が増設されたことを自動的に認識する。すなわち、ストアサーバ2の設定画面において、当該POS端末3を使用中とするための設定入力を行う必要がなくなる。したがって、設定入力をし忘れたために、当該POS端末3の実績データをストアサーバ2が終了できなかったというような不具合の発生を未然に防止することができる。
【0042】
また、前記実施形態では、ストアサーバ2によって接続が認識されたPOS端末3において、精算処理が実行されると、当該POS端末3の端末番号に対応する精算フラグF2が“1”にセットされる。そして、その後、このPOS端末3の電源がオフされて、クローズ情報がストアサーバ2に送信されると、当該POS端末3の端末番号に対応する接続フラグF1が “0”にリセットされる。しかし、精算処理が実行されないまま、POS端末3からクローズ情報が送信された場合には、当該POS端末3の端末番号に対応する精算フラグF2が“1”にセットされていないので、当該POS端末3の端末番号に対応する接続フラグF1は“0”にリセットされない。
【0043】
その後、ストアサーバ2において、ストアサーバ精算アプリケーション43の業務を実行すると、ストアサーバ2では、接続フラグF1が“1”にセットされている端末番号のPOS端末3において、精算処理が完了しているか否か、すなわち、対応する精算フラグF2が“1”にセットされているか否かがチェックされる。仮に、少なくとも1つのPOS端末3において、対応する精算フラグF2が“1”にセットされていない場合には、そのPOS端末3は、精算が未了であると判断される。そして、警告画面50が表示され、精算処理は実行されない。したがって、POS端末3の精算処理を実行しないままでストアサーバ2を精算処理することができないので、POS端末3の精算処理し忘れを防止できる。
【0044】
以下、前記実施形態の変形例について説明する。
例えば、図8の流れ図で示される処理手順の中のステップST35の処理において、精算未了のPOS端末3が検出されると、CPU20は、そのPOS端末3に対して問合せのデータをLAN4経由で送信して応答を待機する。そして、一定時間を経過しても応答がない場合には、このPOS端末3は、既にLAN4から切り離されているものと認識し、警告画面50を、図9に示す内容から図10に示す内容に変更する。すなわち、精算未了のPOS端末が既にLAN4から切り離されていることをユーザに通知するメッセージ52を表示する。こうすることにより、精算未了のPOS端末3が、既にPOSシステム1から撤去されているのか(図10の警告画面50が表示された場合)、まだ接続されているのか(図9の警告画面50が表示された場合)を、ユーザは容易に知ることができる。
【0045】
また、端末管理装置の実施形態は、ストアサーバに限定されるものではない。ネットワーク上の通信プロトコルとしてTCP/IP手順を利用して、複数台のクライアントと通信を行うサーバであれば適用できるものである。
【0046】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1…POSシステム、2…ストアサーバ、3…POS端末、4…LAN、20…CPU、30…管理テーブル、50…警告画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上に接続される情報処理端末とTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)手順を使用してデータ通信を行う端末管理装置において、
固有のポート番号が割り当てられたポートを開設するポート開設手段と、
前記ポートでTCP/IP手順によりオープン情報を受信すると、このオープン情報に当該ポートに割り当てられているポート番号を指定する情報が含まれているか調べる確認手段と、
前記ポートで受信したオープン情報に当該ポートに割り当てられているポート番号を指定する情報が含まれていると、当該オープン情報のIPアドレスから当該オープン情報送信元である前記情報処理端末の端末識別情報を取得する識別取得手段と、
この識別取得手段により取得した端末識別情報で識別される前記情報処理端末とのデータ通信を許可する許可手段と、
を具備したことを特徴とする端末管理装置。
【請求項2】
前記許可手段によりデータ通信が許可された前記情報処理端末にて所定の情報処理が実行済であるか否かを識別する情報を記憶する記憶手段、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の端末管理装置。
【請求項3】
前記情報処理端末にて前記所定の情報処理が実行された後で実行される所定の処理の実行開始が指令されると、前記記憶手段で記憶される情報を基に、前記許可手段によりデータ通信が許可された全ての情報処理端末にて所定の情報処理が実行済であるか否かを判定する判定手段と、
この判定手段により全ての情報処理端末にて実行済であると判定されたことを条件に前記所定の処理を実行させる制御手段と、
をさらに具備したことを特徴とする請求項2記載の端末管理装置。
【請求項4】
前記情報処理端末は、POS(Point Of Sales)端末であることを特徴とする請求項1記載の端末管理装置。
【請求項5】
前記情報処理端末は、POS(Point Of Sales)端末であり、前記情報処理端末にて実行済であるか否かの情報処理は、精算処理であることを特徴とする請求項2または3記載の端末管理装置。
【請求項6】
ネットワーク上に接続される情報処理端末とTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)手順を使用してデータ通信を行う端末管理装置の制御プログラムであって、
前記端末管理装置に、
固有のポート番号が割り当てられたポートを開設するポート開設手段と、
前記ポートでTCP/IP手順によりオープン情報を受信すると、このオープン情報に当該ポートに割り当てられているポート番号を指定する情報が含まれているか調べる確認手段と、
前記ポートで受信したオープン情報に当該ポートに割り当てられているポート番号を指定する情報が含まれていると、当該オープン情報のIPアドレスから当該オープン情報送信元である前記情報処理端末の端末識別情報を取得する識別取得手段と、
この識別取得手段により取得した端末識別情報で識別される前記情報処理端末とのデータ通信を許可する許可手段と、
を実現させるための制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−53683(P2012−53683A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−196023(P2010−196023)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】