説明

端末装置、そのプログラム及び添削支援システム

【課題】 表示画面において、予め、添削コメントなどの記入内容を表示したい領域を指定したうえで、電子ペンで記入した記入内容をその指定領域に当てはめて表示させることができる端末装置等を提供する。
【解決手段】 添削支援システム1において、スキャナ2によって解答用紙9をイメージデータとして読み取り、センターサーバ3によって添削者用端末装置4へ送信する。端末装置4は、受信したイメージデータを表示手段47の表示画面に表示させておく。そして、添削者は、マウスのドラッグ操作により、表示画面上で添削コメントを挿入する領域を指定する。そのうえで、添削者が、電子ペン6で解答の添削内容を用紙7に記入すると、端末装置4は、電子ペン6から送信された記入情報を受信して、指定領域56に、記入情報から得られたテキストデータを挿入して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペンを用いて、例えば解答内容の添削などで、特定の領域に文字を記入するための端末装置、そのプログラム、及び添削支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に提供されている通信添削サービスは、通信添削業者が、受講者に問題が印刷された解答用紙を郵送し、受講者が解答を解答用紙に記入して、通信添削業者に返送する。そして、通信添削業者は、いくつかの解答用紙をまとめて添削者に郵送すると、添削者は、その解答用紙に添削コメントを直接記入し、通信添削業者へ返送する。通信添削業者は、受け取った添削コメント付きの解答用紙を受講者に返送するというものである。そのため、受講者、通信添削業者、添削者の間で、解答用紙を何度も往復させなければならないため、受講者が解答用紙を通信添削業者へ返信して、添削コメント付きの解答用紙を受け取るまでに、数週間以上もかかっているという問題があった。
【0003】
一方、手書きで記入した情報を電子ペンにより電子データ化するシステムが種々実現されている。例えば、紙に書くのと同じ要領で使える電子ペンとしては、スウェーデンのアノト(Anoto)社が開発したアノトペン(Anoto pen)がよく知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙とともに使用される。
【0004】
アノトペンのペン先部には、インクカートリッジと超小型カメラがある。ペン内部には、プロセッサとデータ通信ユニットなどを搭載している。利用者が専用紙上にアノトペンで文字等を書くことができる。その際、ペンの移動に伴って、専用紙に印刷されたドットパターンを、超小型カメラで撮影する。撮影したドットパターンに基づいて、専用紙における位置座標を取得する。こうして、アノトペンは、ペン先の超小型カメラで専用紙に書かれた情報をデジタル情報としてペン内に取り込み、取得した位置座標等をデータ通信ユニットで近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信する。利用者が書き込んだ文字や画像などの記入情報は、連続する位置座標に基づいて端末装置で認識される(特許文献1)。
【0005】
このようなアノトの電子ペンを用いたシステムにより、テストの採点を行うものとして、下記特許文献2が公開されている。特許文献2に記載のシステムによれば、ドットパターンが印刷された解答用紙に解答が記載され、その解答内容を採点する際、正解であれば「○」、部分点を与えられる半正解であれば「△」とその部分点の数字、不正解であれば「×」を電子ペンでその解答用紙に記入していき、その採点内容を端末装置に認識させる。
【0006】
また、下記特許文献3には、ユニークなドットパターンを読み取ることができる電子ペンを用いたオンライン試験システムが提案されている。このオンライン試験システムでは、試験を受験するもの者と解答内容を採点する者との双方に、端末装置、プリンター及び電子ペンを用意しておく。そして、受験者側において、パターンデータを有する解答用紙をプリンターにより印刷して、電子ペンを用いて解答を記入する。電子ペンで生成された記入情報は、端末装置(携帯電話)を介し、無線通信網及びインターネットを通じて採点者側の端末装置へ送信される。採点者側では、端末装置の指示により、プリンターが、パターンデータと解答内容を含む解答用紙を印刷し、採点者は、電子ペンを用いて採点内容をその解答用紙に書き込む。電子ペンで生成された記入情報は、採点者側の端末装置を介して、インターネット及び無線通信網を通じて、受験者側の端末装置へ送信される。そして、受験者側では、端末装置の指示により、プリンターは、採点内容が表示された解答用紙を印刷する。これにより、受験者は、採点された解答用紙を取得することができる。
【0007】
別の原理の電子ペンによって添削を行うことができる通信教育システムも提案されている。下記特許文献4に記載された通信教育システムにおいては、超音波発信器が取り付けられたペンで紙に解答を記入すると、受信ユニットがペン先の位置を検出して手書き入力された筆跡を認識し、その手書きデータが、インターネットを通じて添削者の端末へ送信される。添削者の端末においても、同様に、超音波発信器が取り付けられたペンで紙に添削内容を記入すると受信ユニットがペン先の位置を検出して手書き入力された筆跡を認識して手書きデータを生成する。この手書き入力デバイスは、液晶ディスプレイ上で入力可能なタブレット等であってもよいとされている。
【0008】
特許文献5に記載の添削管理システムでは、解答が記入された答案用紙をスキャナで読み取って画像データを生成し、ネットワークを介して添削端末に送られる。そして、添削者は、添削端末に画像データをタッチパネル等の液晶ディスプレイに表示させた状態で、ペンにより液晶ディスプレイへ直接、添削内容を記入することが記載されている。
【0009】
【特許文献1】特表2003−511761号公報
【特許文献2】特再表2005−104060号公報
【特許文献3】特許第3736753号公報
【特許文献4】特許第3810747号公報
【特許文献5】特開2008−46398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献2によるシステムにおいては、解答内容の採点は、正解、半正解、不正解に応じて、「○」「△」「×」などの記号や部分点を電子ペンで解答用紙に記入する程度であって、採点に大きなスペースを要しない。一方、解答内容を添削する場合には、正解であるか、半正解であるか、不正解であるかの他、受験者の学習効率を上げるため、問題に対する考え方や学習上の重要なポイントなどのコメントを記載する。このような場合、添削コメントを記入するには、ある程度の大きさの余白が解答用紙に必要であり、しかも、見易さのために受験者の解答領域と重ならないように添削コメントを記入する必要がある。
【0011】
また、上記特許文献3によるオンライン試験システムのように、受験者側と採点者側の双方に、端末装置、プリンター及び電子ペンを給付するには、多数の受験者に添削サービスを提供している通信添削業者にとっては、多大な初期費用がかかり現実的ではない。
【0012】
上記特許文献4の添削管理システムにおいても、受験者側と採点者側の双方に、超音波式ペンや受信ユニット等を給付する必要があり、多数の受験者に添削サービスを提供している通信添削業者にとっては、多大な費用がかかり現実的ではない。勿論、別の原理として提案されているタブレット等であっても同様である。また、特許文献5や特許文献4に提案されている液晶ディスプレイ・タブレットでは、ペン先の位置を認識する解像度が低く、添削内容として記入する文字を小さく書いてしまうと文字がつぶれてしまい、添削文字を認識することができなくなってしまうおそれもある。
【0013】
そこで、本発明は、表示画面において、予め、添削コメントなどの記入内容を表示したい領域を指定したうえで、電子ペンで記入した記入内容をその指定領域に当てはめて表示させることができる端末装置、そのプログラム、添削支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る端末装置は、位置座標を示すコード化パターンが印刷された用紙に対して電子ペンで記入することで電子ペンにより生成された記入情報を受信し処理する端末装置であって、表示手段の表示画面において、記入内容を表示する領域を指定する領域指定手段と、前記領域指定手段により指定された表示手段の領域に、前記電子ペンの記入情報に基づく記入内容を表示させる処理手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
本端末装置によれば、用紙に電子ペンで記入することで、電子ペンにおいて、用紙に印刷されたコード化パターンが読み取られて位置座標に関する情報を含む記入情報が生成され、その記入情報が端末装置へ送信されるが、端末装置は、その記入情報を受信して処理する。ここで、領域指定手段により、表示手段の表示画面において、記入内容を表示する領域を指定すると、処理手段は、その指定された領域に、電子ペンの記入情報に基づく記入内容を挿入して表示させる。したがって、領域指定手段によって、表示画面の任意の位置に領域を指定して、電子ペンによる記入内容を表示させることができる。
【0016】
また、上記端末装置の処理手段は、前記領域指定手段によって指定された領域に合う縦横の文字数、または総文字数を報知するよう構成するとよい。この構成により、領域指定手段によって指定された領域に合う縦横の文字数、または総文字数が処理手段によって報知されるため、利用者は、その文字数の範囲内で、用紙に文字を記入することにより、電子ペンによって記入された文字が部分的に隠れることもなく、処理手段によって、指定領域に表示される。
【0017】
また、上記端末装置において、前記処理手段は、前記領域指定手段によって指定された領域に合う文字数を、前記記入情報に基づく記入内容の文字数が超えたことを報知するよう構成するとよい。この構成により、処理手段は、電子ペンによって記入された文字すべてを表示しきれないことを報知するため、利用者は、領域指定手段による指定領域の適正化や文字数の適正化を図ることができる。
【0018】
また、上記端末装置において、前記処理手段は、前記電子ペンによるひとまとまりの手書き文字全体を、前記領域指定手段によって指定された領域に当てはまるよう縮小又は拡大させて前記領域に表示させるよう構成するとよい。この構成により、利用者が電子ペンで書く文字が大きすぎたり小さい場合であっても、その文字を縮小又は拡大することによって、指定された領域に収まるよう表示させることができる。
【0019】
また、上記端末装置において、前記処理手段は、前記電子ペンによるひとまとまりの手書き文字のストローク全体を包含する外接枠を求め、前記領域指定手段によって指定された領域に収まるよう前記外接枠を縮小又は拡大させて、前記領域に前記ストローク全体を表示させるよう構成するとよい。この構成により、外接枠内に包含されている手書き文字のストローク全体が、領域指定手段によって指定された領域に収まって表示手段に表示されるため、表示手段の確認により、ストロークを手書き文字の趣をそのままに全体的に確認することができる。
【0020】
また、上記端末装置において、前記処理手段は、前記領域に前記ストローク全体を縮小させる縮小率が、所定値を超えた場合、記入分量が過多であることを報知するよう構成するとよい。この構成により、ストローク全体を所定値を超えて縮小しすぎることを回避し、指定領域の適正化や添削コメントの分量、記入範囲の適正化を図ることができる。
【0021】
また、上記端末装置において、前記処理手段は、前記表示手段の表示画面に、解答が記入された解答用紙のイメージデータを表示させた状態で、前記領域指定手段による記入内容の表示領域の指定を可能とするよう構成するとよい。この構成により、利用者は、解答用紙のイメージデータを表示させた状態で、問題文や解答が表示された領域と重ならないように領域指定手段によって領域を指定することができる。その結果、処理手段は、問題文や解答が表示された領域と重ならない指定領域に電子ペンで記入した記入内容を表示する。
【0022】
また、本発明に係るプログラムは、位置座標を示すコード化パターンが印刷された用紙に対して電子ペンで記入することで電子ペンにより生成された記入情報を受信し処理する端末装置により実行されるプログラムであって、表示手段の表示画面において、記入内容を表示する領域を指定する領域指定手段、前記領域指定手段により指定された表示手段の領域に、前記電子ペンの記入情報に基づく記入内容を表示させる処理手段として端末装置を機能させることを特徴とする。
【0023】
上記プログラムにおいて、前記処理手段は、前記領域指定手段によって指定された領域に合う縦横の文字数、または総文字数を報知するよう構成するとよい。
【0024】
上記プログラムにおいて、前記処理手段は、前記領域指定手段によって指定された領域に合う文字数を、前記記入情報に基づく記入内容の文字数が超えたことを報知するよう構成するとよい。
【0025】
また、上記プログラムにおいて、前記処理手段は、前記電子ペンによるひとまとまりの手書き文字全体を、前記領域指定手段によって指定された領域に収まるよう縮小又は拡大させて前記領域に表示させるよう構成するとよい。
【0026】
また、上記プログラムにおいて、前記処理手段は、前記電子ペンによるひとまとまりの手書き文字のストローク全体を包含する外接枠を求め、前記領域指定手段によって指定された領域に収まるよう前記外接枠を縮小又は拡大させて、前記領域に前記ストローク全体を表示させるよう構成するとよい。
【0027】
また、上記プログラムにおいてさらに、前記処理手段は、前記領域に前記ストローク全体を縮小させる縮小率が、所定値を超えた場合、記入分量が過多であることを報知するよう構成するとよい。
【0028】
さらに、上記プログラムにおいて、前記処理手段は、前記表示手段の表示画面に、解答が記入された解答用紙のイメージデータを表示させた状態で、前記領域指定手段による記入内容の表示領域の指定を可能とするよう構成するとよい。
【0029】
上記プログラムを端末装置にインストールすることにより、本発明の端末装置を構成させることができる。
【0030】
また、本発明に係る添削支援システムは、位置座標を示すコード化パターンが印刷された用紙と、解答用紙に書き込まれた解答の添削内容を前記用紙に記入するために用いられ、前記コード化パターンを読取り、位置座標を演算して記入情報を生成する電子ペンと、前記電子ペンにより生成された記入情報を受信し処理する添削者用端末装置と、解答が書き込まれた解答用紙をイメージデータとして読み取るスキャナと、前記スキャナにより読み取られたイメージデータを前記添削者用端末装置へ送信する中央処理装置とを備える添削支援システムであって、前記添削者用端末装置は、表示手段の表示画面において、受信した前記イメージデータを表示させた状態で、記入内容を表示する領域を指定する領域指定手段と、前記領域指定手段により指定された表示手段の領域に、前記電子ペンの記入情報に基づく記入内容を表示させる処理手段とを備えることを特徴とする。
【0031】
本添削支援システムによれば、解答が書き込まれた解答用紙をスキャナによってイメージデータとして読み取り、そのイメージデータを中央処理装置によって添削者用端末装置へ送信する。添削者用端末装置は、受信したイメージデータを表示手段の表示画面に表示させておく。そして、添削者は、領域指定手段により、表示手段の表示画面において、記入内容を表示する領域を指定する。そのうえで、利用者が、電子ペンで解答の添削内容を用紙に記入すると、電子ペンは、用紙に印刷されたコード化パターンを読み取り、位置座標を演算して記入情報を生成し、添削者用端末装置へ送信する。すると、添削者用端末装置の処理手段は、その指定された領域に、電子ペンの記入情報に基づく記入内容を挿入して表示させる。ここで、添削者用端末装置の表示画面には、イメージデータが表示されているため、問題文や解答が表示された領域と重ならないように領域指定手段によって領域を指定することができる。その結果、処理手段は、問題文や解答が表示された領域と重ならない指定領域に電子ペンで記入した記入内容を表示することができる。
【0032】
また、上記添削支援システムにおいては、前記処理手段は、前記領域指定手段によって指定された領域に合う縦横の文字数、または総文字数を報知するよう構成するとよい。この構成により、領域指定手段によって指定された領域に合う縦横の文字数または総文字数が処理手段によって報知されるため、利用者は、その文字数の範囲内で、用紙に文字を記入することにより、電子ペンによって記入された文字が部分的に隠れることもなく、処理手段によって、指定領域に表示される。
【0033】
また、上記添削支援システムにおいて、前記処理手段は、前記領域指定手段によって指定された領域に合う文字数を、前記記入情報に基づく記入内容の文字数が超えたことを報知するよう構成するとよい。この構成により、処理手段は、電子ペンによって記入された文字すべてを表示しきれないことを報知するため、利用者は、領域指定手段による指定領域の適正化や文字数の適正化を図ることができる。
【0034】
また、上記添削支援システムにおいて、前記処理手段は、前記電子ペンによるひとまとまりの手書き文字全体を、前記領域指定手段によって指定された領域に当てはまるよう縮小又は拡大させて前記領域に表示させるよう構成するとよい。この構成により、利用者が電子ペンで書く文字が大きすぎたり小さい場合であっても、その文字を縮小又は拡大することによって、指定された領域に収まるよう表示させることができる。
【0035】
また、上記添削支援システムにおいて、前記処理手段は、前記電子ペンによるひとまとまりの手書き文字のストローク全体を包含する外接枠を求め、前記領域指定手段によって指定された領域に収まるよう前記外接枠を縮小又は拡大させて、前記領域に前記ストローク全体を表示させるよう構成するとよい。この構成により、外接枠内に包含されている手書き文字のストローク全体が、領域指定手段によって指定された領域に収まって表示手段に表示されるため、表示手段の確認により、ストロークを手書き文字の趣をそのままに全体的に確認することができる。
【0036】
また、上記添削支援システムにおいて、前記処理手段は、前記領域に前記ストローク全体を縮小させる縮小率が、所定値を超えた場合、記入分量が過多であることを報知するよう構成するとよい。この構成により、ストローク全体を所定値を超えて縮小しすぎることを回避し、指定領域の適正化や添削コメントの分量、記入範囲の適正化を図ることができる。
【0037】
さらに、上記添削支援システムにおいて、前記処理手段は、前記イメージデータ上の指定領域に表示された記入内容を前記イメージデータとともに、前記中央処理装置へ送信するよう構成するとよい。この構成により、添削のために記入されてイメージデータ上の指定領域に表示された記入内容が、解答用紙のイメージデータとともに、中央処理装置へ送信されるため、中央処理装置において、解答内容と添削内容とを管理することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、表示画面において、予め、添削コメントなどの記入内容を表示したい領域を指定したうえで、電子ペンで記入した記入内容をその指定領域に当てはめて表示させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本発明に係る好適な実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0040】
<第1実施形態>
〔添削支援システムの構成概要及び利用概要〕
図1は、本第1実施形態に係る添削支援システム1である。図1に示すように、添削支援システム1は、通信添削業者が利用するスキャナ2及びセンターサーバ(中央処理装置)3と、添削者が利用する添削者用端末装置(端末装置)4、電子ペン6及び添削者用用紙(用紙)7とで構成される。センターサーバ3と端末装置4とはインターネット8を介して接続されている。
【0041】
このような構成において、通信添削業者は、問題が印刷された解答用紙9を受講者へ郵送するとともに、解答用紙9と同様の内容と、電子ペン6で読取可能なコード化パターンとが印刷された添削者用用紙7を添削者へ郵送する。そして、受講者が解答用紙9に鉛筆やペンで解答を記入し、通信添削業者に返送する。通信添削業者は、届いた解答用紙9をイメージデータとして、スキャナ2に読み取らせ、イメージデータをセンターサーバ3に保存して集約管理する。また、通信添削業者は、センターサーバ3を操作して、スキャナ2によって読み取られたイメージデータを、インターネット8を介して端末装置4へ送信させる。なお、センターサーバ3は、ハードウェアとしては、CPU等のプロセッサ、ディスプレイ、ハードディスク、ROM、RAMといったメモリ、ネットワーク通信機器等を備えて構成されるが、パーソナル・コンピュータを利用してもよい。
【0042】
端末装置4は、受信したイメージデータをディスプレイ(表示手段)の表示画面に表示させる。添削者は、端末装置4の表示画面を参照しながら、電子ペン6を用いて、添削者用用紙7に添削コメントを記入する。電子ペン6は、添削者用用紙7への記入の際に、用紙7に印刷されたドットパターン(コード化パターン)11を読み取って、筆跡を反映する位置座標を演算し、当該位置座標を含む記入情報を生成して、端末装置4へ送信する。端末装置4は、解答が書き込まれた解答用紙9のイメージデータを表示した状態で、その画面上に、電子ペン6から受信した記入情報の記入内容を重ねて表示する。このように、添削者は、電子ペン6を利用して、端末装置4のイメージデータに添削コメントを重ねて書き込んでいく。以下、添削者用用紙7、電子ペン6、及び端末装置4について詳細に説明する。
【0043】
〔添削者用用紙〕
図2を参照して、添削者用用紙(用紙)7について説明する。図2に示すように、用紙7には、その略全面に、位置座標を示すアノト方式のドットパターン(コード化パターン)11が印刷され、その上に、クラス記入欄、名前記入欄、問題等12が解答用紙9と同じ配置で印刷されている。さらに、用紙7には、添削コメント等を記入する際に文字の大きさや位置の目安とする升目13が破線で格子状に印刷されている。ドットパターン11は、赤外線を吸収するカーボンを含んだインキにより印刷され、問題等12の文字は、赤外域に吸収性を持たないインキにより印刷されている。
【0044】
〔ドットパターン〕
次に、図3と図4を参照しながら、用紙7に印刷されたアノト方式のドットパターン(コード化パターン)11について説明する。図3は、用紙7に印刷されたドットパターン11のドットと、そのドットが変換される値との関係を説明する図である。図3に示すように、ドットパターン11の各ドットは、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できる。このようにして対応付けられた情報の組合せにより、用紙7上の位置座標が決定されるように構成されている。
【0045】
図4は、あるドットパターンの配列を示している。図4(a)に示すように、縦横約2mmの範囲内に6×6個のドットが、用紙7上のどの部分から6×6ドットを取っても、ユニークなパターンとなるように配置されている。これら36個のドットにより形成されるドットパターンは、位置座標と、ドットパターンアドレス(コード化パターンアドレス)を保持している。図4(b)は、図4(a)に示す各ドットを、格子の基準位置からのシフト方向によって、図3に示す規則性に基づいて、対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターン11の画像を撮影する電子ペン6によって行われる。
【0046】
〔電子ペン〕
次に、図5を参照しながら、電子ペン6について説明する。図5に示すように、電子ペン6は、その筐体601の内部に、CPU等により構成されるプロセッサ608と、ROMやRAMなどのメモリ609と、アンテナや送信回路等により構成される通信ユニット611と、バッテリー612と、LED605と、CMOSカメラ606と、リアルタイムクロック610と、圧力センサ607と、インクカートリッジ604とを備えている。インクカートリッジ604の先端は、ペン先部603となっており、添削者は、電子ペン6のペン先部603を、用紙7に当接させながら、解答に対する添削コメントを記入することができる。
【0047】
バッテリー612は、電子ペン6内の各部品に電力を供給するためのものである。例えば、磁石入りのキャップの脱着を磁気センサにより検知して(図示せず)、電子ペン6自体の電源のオン/オフを行う。リアルタイムクロック610は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ608に供給する。圧力センサ607は、添削者が電子ペン6により用紙7上に文字などを書く際に、ペン先部603からインクカートリッジ604を通じて与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、その値をプロセッサ608へ送る。
【0048】
プロセッサ608は、圧力センサ607から与えられる筆圧データに基づいて、LED605とCMOSカメラ606のスイッチのオン/オフを切り替える。即ち、添削者が電子ペン6で用紙7上に文字などを書くと、そのとき、ペン先部603に筆圧がかかり、圧力センサ607によって所定値以上の筆圧が検出されたときに、プロセッサ608は、添削者が記入を開始したと判定して、LED605とCMOSカメラ606を作動させる。
【0049】
LED605とCMOSカメラ606は、電子ペン6のペン先部603付近に取り付けられている。筐体601におけるLED605とCMOSカメラ606と対向する部分には、開口部602が形成されている。LED605は、用紙7上のペン先部603近傍に向けて赤外線を照射する。その領域は、ペン先部603が用紙7に接触する位置とはわずかにずれている。CMOSカメラ606は、LED605によって照明された領域内におけるドットパターン11を撮影し、そのドットパターン11の画像データをプロセッサ608に供給する。CMOSカメラ606による撮影領域は、図4に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲である。CMOSカメラ606の撮影は、毎秒50〜100回程度行われる。
【0050】
カーボンは赤外線を吸収するため、LED605によって照射された赤外線は、ドットに含まれるカーボンによって吸収される。そのため、ドットの部分は赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多い。CMOSカメラ606の撮影結果を閾値で判別することによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を、赤外線の反射量の違いで区別することができる。用紙7の文字等を印刷したインキは赤外域に吸収性を持たないため、ドットパターン11を確実に認識できる。
【0051】
プロセッサ608は、添削者が記入している間、CMOSカメラ606によって供給される画像データのドットパターン11から、添削者が記入するストローク(筆跡)の用紙7上におけるXY座標(位置座標)を連続的に演算していく。すなわち、プロセッサ608は、CMOSカメラ606によって供給されるドットパターン11の画像データを図4(b)に示すようなデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値とY座標ビット値に変換したうえで、そのデータ配列から所定の演算方法によりXY座標データとドットパターンアドレスを演算する。そして、プロセッサ608は、リアルタイムクロック610から発信される現在時刻(タイムスタンプ:記入された時刻情報)と、筆圧データと、ドットパターンアドレスと、XY座標データと、ペンID(電子ペン識別情報)を関連付ける。なお、用紙7における6×6のドットパターンは、その用紙7内で重複することはないため、添削者が電子ペン6で添削コメントを記入すると、記入された位置が用紙7のどの位置にあたるかを、プロセッサ608による座標演算により特定することができる。
【0052】
メモリ609には、電子ペン6を識別するためのペンIDが記憶されているほか、プロセッサ608により生成された記入情報を記憶する。
【0053】
通信ユニット611は、時刻情報(タイムスタンプ)と、筆圧データと、ドットパターンアドレスと、XY座標データと、ペンIDとが関連付けられた記入情報を、端末装置4へ送信する。通信ユニット611による送信は、Bluetooth(登録商標)の無線送信方式によって、端末装置4へ即時的かつ逐次的に行われる。
【0054】
電子ペン6は、添削者が用紙7に記入する都度、記入情報を生成して、端末装置4へ送信する。例えば、添削者が電子ペン6のペン先部603を用紙7に接触(ペン・ダウン)させて記入すると、電子ペン6は、圧力センサ607で所定値以上の筆圧が検出されたことにより、用紙7への接触を検出する。そして、LED605によって赤外線を照射しつつ、CMOSカメラ606によってペン先部603近傍のドットパターン11を撮影する。撮影されたドットパターン11の画像データから、用紙7への接触位置におけるXY座標データとドットパターンアドレスを、プロセッサ608によって演算する。プロセッサ608は、リアルタイムクロック610によって発信された現在時刻を示す時間情報と、ドットパターンアドレスと、XY座標データと、筆圧データと、ペンIDとを関連付けた記入情報を生成し、その記入情報を通信ユニット611によって端末装置4へ送信させる。
【0055】
このように、電子ペン6は、添削者が用紙7に記入し続けている間、記入情報を生成し、端末装置4へ送信し続ける。そして、添削者が電子ペン6を用紙7から離す(ペン・アップ)と、電子ペン6は、圧力センサ607で所定値以上の筆圧が検出されなくなったことにより、添削者が記入を停止したと判定する。そして、LED605とCMOSカメラ606を停止して、端末装置4への記入情報の送信を中止する。
【0056】
〔端末装置〕
図6に示す端末装置4の機能ブロック図を参照して端末装置4について説明する。図6に示すように、端末装置4は、入力手段41、領域指定手段42、電子ペン用通信手段43、ネットワーク用通信手段44、記憶手段46、表示手段47、及び処理手段48を備える。端末装置4は、ハードウェアとして、電子ペン6とのデータ通信やインターネット8を介したデータ通信が可能な通信装置と、CPU等のプロセッサと、ROMやRAM、ハードディスクなどのメモリと、ディスプレイと、マウスやキーボード等で構成されているパーソナルコンピュータである。また、端末装置4は、処理手段48による専用アプリケーション(プログラム)の実行により、電子ペン6から受信した記入情報を処理して、表示手段47に記入内容である添削コメントを再現する。
【0057】
入力手段41は、種々の文字情報等を入力する手段であり、キーボードや、キー押下を認識する手段により構成される。領域指定手段42は、表示手段47の表示画面上で、領域を指定するための手段であり、マウスやマウスの操作を検知する手段によって構成される。具体的には、領域指定手段42は、マウスのドラッグ操作により表示画面上に長方形状の領域を指定するための手段である。
【0058】
電子ペン用通信手段43は、電子ペン6とデータ通信するためのアンテナや送受信器等の手段であり、電子ペン6の通信ユニット611から無線送信方式によって送信される記入情報を受信して、処理手段48へ伝送する。ネットワーク用通信手段44は、インターネット8に接続されてセンターサーバ3とデータ通信を行うためのモデム等の手段であり、センターサーバ3から送信された解答用紙9のイメージデータを受信して処理手段48に伝送したり、処理手段48の指示により、添削コメント等のデータが付加されたイメージデータをセンターサーバ3へ送信したりする。
【0059】
記憶手段46は、ROMやRAM、ハードディスクなどのメモリによって構成され、OSや専用アプリケーションを記憶している。また、記憶手段46は、センターサーバ3によって送信された解答用紙9のイメージデータを記憶し、さらに、添削コメント等のデータをイメージデータと配置情報も含めて関連付けて記憶する。表示手段47は、処理手段48の指示により、専用アプリケーションのウィンドウ上に、解答用紙9のイメージデータや、電子ペン6から送信された記入情報に基づく添削コメント等を表示する手段であり、ディスプレイ等により構成される。
【0060】
処理手段48は、専用アプリケーションの実行により、センターサーバ3から送信され、ネットワーク用通信手段44によって受信した解答用紙9のイメージデータを表示手段47に表示させる。また、処理手段48は、添削に便利な記号や文字等の添削記号を、表示画面上に表示させるためツールボックス52を機能させる。また、処理手段48は、領域指定手段42のマウスを用いたドラッグ操作により指定された領域56を認識して、その領域56を破線で枠囲いするとともに、その指定領域56に合う、用紙7上における縦横の升目13の数または文字数を演算して、表示手段47に表示させる。そして、処理手段48は、ダブルタップ(二回連続してペン先部603で軽叩すること)等の記入情報により示される文字入力終了を認識するまでの間、電子ペン6から送信された記入情報を逐次、文字認識してテキストデータに変換したうえで、当該指定領域56に挿入して表示させる。
【0061】
また、処理手段48は、領域指定手段42によって指定された領域56に合う文字数を、記入情報から変換された文字の文字数が超えたことを表示手段47に表示させる。そのほか、処理手段48は、イメージデータ上の指定領域56に挿入された記入内容やツールボックス52からマウス操作により選択されてイメージデータ上に配置された添削記号を、当該イメージデータとともに記憶手段46に記憶させたり、ネットワーク用通信手段44によりセンターサーバ3へ送信したりする。
【0062】
〔添削コメント記入機能〕
次に、図7のフローチャート、及び図8〜図14の表示画面例を参照して、専用アプリケーションの実行による電子ペン6を用いた添削コメント記入機能について説明する。
【0063】
まず、図8に示すように、処理手段48は、受講者の解答内容が書き込まれた解答用紙9のイメージデータのイメージ51を表示手段47の表示画面に表示する(ステップS101)とともに、添削に便利な記号や文字が入力できるツールボックス52を表示させる。添削者は、イメージ51の表示から、どの領域が空白となっていて添削コメントを付加することができるかを認識することができる。また、図9に示すように、添削者は、ツールボックス52を用いて、処理手段48の処理により、部分点を示す数字や脚注用の数字53、コメント挿入位置記号54等の添削記号をマウス操作で適宜、選択し入力することができる。
【0064】
続いて、図10に示すように、添削者は、マウスのドラッグ操作により、イメージ51の空白のうち、添削コメントを付加したい長方形状の領域56を指定する。このとき、領域指定手段42は、マウスのドラッグ操作により指定された領域56を認識して処理手段48に伝送し、処理手段48は、ドラッグ操作に合わせてカーソル57を移動させつつ、その指定領域56を破線で囲むよう表示させる(ステップS102)。ここで、添削者は、解答用紙9のイメージ51を表示させた状態で、マウスのドラッグ操作を行うので、問題文や解答が表示された領域と重ならないように、添削コメントを付加するための指定領域56を指定することができる。
【0065】
処理手段48は、指定領域56が決まると、図11に示すように、指定領域56の縦横の長さと、用紙7における升目13の一升分の縦横長から、指定領域56に入力できる用紙7上における縦横の升目13の数(文字数)または総文字数を演算して、ポップアップ・ウィンドウ58に表示する(ステップS103)。ここで、処理手段48は、入力可能な升目数として、指定領域56の縦長・横長を用紙7の升目13の縦長・横長でそれぞれ割ったときの商の値を求め、入力可能な文字数を求める場合は、縦・横の商の積によって求める。したがって、添削者は、その升目13又は文字数の範囲内で、用紙7にその升目13を使って、一升に一文字ずつ添削コメントを記入しさえすれば、電子ペン6によって記入された文字が部分的に隠れることなく、添削コメントを指定領域56に表示することができる。
【0066】
そして、処理手段48は、文字入力の終了を示す電子ペン6による用紙7へのダブルタップの記入情報を検知しない限り(ステップS104:No)、図12に示すように、電子ペン6から受信した記入情報を逐次、文字認識してテキストデータに変換し、指定領域56にそのテキストデータ59を当てはめて挿入し表示させていく(ステップS105)。ここで、処理手段48は、指定領域56に挿入できる文字数を、電子ペン6から送信されてテキストデータに変換される文字数が超えたことを認識すると(ステップS106:Yes)、図13に示すように、挿入する文字が多すぎる旨をポップアップ・ウィンドウ61に表示し(ステップS107)、ステップS104へ戻る。これにより、添削者は、領域指定手段42のマウスを用いたドラッグ操作による指定領域56の適正化や添削コメントの文字数の適正化を図ることができる。その一方、処理手段48は、指定領域56に挿入できる文字数を、電子ペン6から送信されてテキストデータに変換される文字数が超えない間は(ステップS106:No)、ステップS104からS106を繰り返し、逐次、記入情報を文字変換し、テキストデータを指定領域56へ挿入し、表示していく。なお、図14に示すように、添削コメントであることを見やすくするため、処理手段48の処理により、指定領域56を実線で枠囲いして表示させてもよい。このとき、処理手段48は、添削コメントの枠線のデザインを添削者が変更できるように、ツールボックス52上に、花枠や点線などを選択可能とするコントロールボタン521を表示させる。
【0067】
添削者が電子ペン6を用いて用紙7のひとまとまりの添削コメントを書き終えて、文字入力の終了を端末装置4に認識させるため、電子ペン6を用紙7にダブルタップすると、端末装置4は、電子ペン6からダブルタップの記入情報を受信して、ダブルタップされたことを認識する(ステップS104:Yes)。そして、処理手段48は、引き続き添削コメントを付加するための次の領域指定がなされたことを検知した場合には(ステップS108:Yes)、ステップS102に戻り、ステップS102〜S108を繰り返し実行する。一方、所定時間、次の領域が指定されず、添削コメントの記入が終了した場合は(ステップS108:No)、処理手段48は、イメージデータとともに添削コメントやツールボックス52の利用により付加された添削記号等の情報を、イメージデータにおける配置情報とともに、記憶手段46に記憶させる(ステップS109)。
【0068】
〔添削データの返却〕
上記添削コメント記入機能によりイメージデータに添削コメントを付加して記憶手段46に記憶させた後は、処理手段48の処理によって、そのデータをネットワーク用通信手段44によりセンターサーバ3へ送信させる。通信添削業者は、センターサーバ3で添削コメント付きのイメージデータを受信すると、そのイメージデータを印刷して、受講者に郵送等により返却する。
【0069】
〔第1実施形態による作用効果〕
上述のように、本第1実施形態による添削支援システム1によれば、解答内容が書き込まれた解答用紙9のイメージデータのイメージ51が表示手段47の表示画面に表示されるため、添削者は、イメージ51の表示から、どの領域が空白となっていて添削コメントを添付することができるかを認識し、マウスのドラッグ操作により、問題や解答が表示された領域と重ならないように、添削コメントを挿入する指定領域56を指定することができる(参照図10)。また、処理手段48によって、指定領域56に記入できる用紙7上における縦横の升目13の文字数または総文字数が演算され、ポップアップ・ウィンドウ58にその値が表示されるため(参照図11)、添削者は、その文字数の範囲内で、用紙7にその升目13を使って文字を記入すれば、電子ペン6によって記入された文字が部分的に隠れることなく、添削コメントを指定領域56に表示することができる。また、処理手段48は、指定領域56に挿入できる文字数を、電子ペン6から送信されてテキストデータに変換される文字数が超えたことを認識すると、挿入する文字が多すぎる旨をポップアップ・ウィンドウ61に表示するため(参照図13)、添削者は、領域指定手段42のマウスのドラッグ操作による指定領域56の適正化や添削コメントの文字数の適正化を図ることができる。
【0070】
また、本第1実施形態の添削支援システム1によれば、通信添削業者にとっては、受講者には何ら装置を供給しなくとも、通信添削業者のスキャナ2及びセンターサーバ3と、添削者の端末装置4、電子ペン6及び用紙7によってシステムを構成することができ、初期投資が軽くて済む。また、従来、受講者の解答用紙9を通信添削業者がそのまま添削者に郵送して添削後に返送してもらうのに要した時間を、解答用紙9の電子データ化、添削コメントの電子データ化、電子データ伝送により大幅に短縮することができる。
【0071】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態と第1実施形態とが同様の部分については同じ符号を付し、適宜説明を省略する。第2実施形態と第1実施形態とが異なる点は、上記第1実施形態では、処理手段48は、記入情報を文字認識してテキストデータに変換したうえで指定領域に表示させたが、第2実施形態では、添削者の文字の趣きをそのまま反映させるため、文字認識をせずに、筆跡を反映するストロークデータをイメージとして再現して表示させる点にある。
【0072】
本第2実施形態において、処理手段48は、領域指定手段42のマウスを用いたドラッグ操作により指定された領域56を認識して破線で枠囲いするとともに、指定領域56に表示可能な添削コメントの分量(縦横のサイズ)を、その指定領域56に合う用紙7上における縦横の升目13の数に換算して、表示手段47に表示させる。そして、処理手段48は、ダブルタップ等の記入情報により示される文字入力終了を認識するまでの間、電子ペン6によって逐次送信される記入情報から、ストロークデータをイメージとして再現して、当該指定領域56に挿入して表示させる。このとき、処理手段48は、電子ペン6から受信した記入情報のストロークデータによる手書き文字の添削コメントが、指定領域56にちょうど収まるよう縮小して、指定領域56にそのイメージデータを当てはめて挿入し表示させる。
【0073】
添削者は、升目13を目安に文字を書くにしても、字癖などによって升目13から記入した文字がはみ出したり、逆に小さかったりする場合がある。そこで、図15(a)に示すように、処理手段48は、手書き文字の縮小にあたって、記入情報に含まれるXY座標データに基づいて、添削コメントの手書き文字のストローク全体を包含するような外接矩形(外接枠)を求める。具体的には、処理手段48は、手書き文字のストロークXY座標のうち、X座標が最小となる位置(Xmin,Yn)を通る垂線を長方形の左側の線、X座標が最大となる位置(Xmax,Yn)を通る垂線を長方形の右側の線、Y座標が最小となる位置(Xm,Ymin)を通る水平線を長方形の下の線、Y座標が最大となる位置(Xn,Ymax)を通る水平線を長方形の上の線、とする長方形を求める。そして、処理手段48は、その外接矩形が指定領域56より大きい場合は指定領域56に収まるような縮小率でストロークデータを縮小させたうえで、手書き文字の添削コメントのイメージとして再現して指定領域56に挿入して表示する。このとき、処理手段48は、縮小率が予め決められて記憶手段46に記憶された所定値を超えたことを認識すると、挿入する添削コメントの分量が多すぎる旨を表示手段42に表示させる。これにより、添削者は、指定領域56の適正化や添削コメントの分量や記入範囲の適正化を図ることができる。
【0074】
なお、外接枠は図15(a)に示すような矩形に限らず、処理手段48は、図15(b)に示すように、手書き文字1文字ごとの外接矩形を求めた後、それらの外接矩形を包含するような多角形を求めるようにしてもよく、または、図15(c)に示すような、楕円などの曲線としてもよい。また、処理手段48は、外接矩形が指定領域56より小さい場合は指定領域56に合うような拡大率でストロークデータを拡大させるようにしても良い。
【0075】
〔添削コメント記入機能〕
次に、図16のフローチャート、及び図17の表示画面例を参照して、本第2実施形態の専用アプリケーションの実行による電子ペン6を用いた添削コメント機能について説明する。
【0076】
まず、処理手段48は、受講者の解答内容が書き込まれた解答用紙9のイメージデータのイメージ51を表示手段47の表示画面に表示する(ステップS201)とともに、ツールボックス52を表示させる。添削者は、ツールボックス52を用いて、処理手段48の処理により、部分点を示す数字や脚注用の数字53、コメント挿入位置記号54等の添削記号をマウス操作で適宜、選択し入力することができる。続いて、添削者は、マウスのドラッグ操作により、イメージ51の空白のうち、添削コメントを付加したい長方形状の領域56を指定する。このとき、領域指定手段42は、マウスのドラッグ操作により指定された領域56を認識して処理手段48に伝送し、処理手段48は、ドラッグ操作に合わせてカーソル57を移動させつつ、その指定領域56を破線で囲むよう表示させる(ステップS202)。ここで、添削者は、解答用紙9のイメージ51を表示させた状態で、マウスのドラッグ操作を行うので、問題文や解答が表示された領域と重ならないように、添削コメントを付加するための指定領域56を指定することができる。
【0077】
処理手段48は、指定領域56が決まると、指定領域56の縦横の長さと、用紙7における升目13の一升分の縦横長から、指定領域56に表示できる用紙7上における縦横の升目13の数(サイズ)を演算して、ポップアップ・ウィンドウ58に表示する(ステップS203)。ここで、処理手段48は、表示可能な升目数として、指定領域56の縦長・横長を用紙7の升目13の縦長・横長でそれぞれ割ったときの商の値を求める。したがって、添削者は、その升目13の範囲内で、用紙7にその升目13を使って、一升に一文字ずつ添削コメントを記入すれば、電子ペン6によって記入された文字が縮小されることなく、添削コメントを指定領域56に表示することができる。そして、処理手段48は、文字入力の終了を示す電子ペン6による用紙7へのダブルタップの記入情報を検知しない限り(ステップS204:No)、電子ペン6から受信した記入情報から逐次、手書き文字のストローク全体を包含する長方形状の外接矩形を求める(ステップS205)。
【0078】
続いて、処理手段48は、その外接矩形が指定領域56より大きい場合は指定領域56に収まるような縮小率でストロークデータを縮小させる(ステップS206)。そして、手書き文字の添削コメントをイメージとして再現して、図16に示すように、そのイメージデータを指定領域56に挿入し表示させていく(ステップS207)。ここで、処理手段48は、ストロークデータの縮小率が所定値を超えたことを認識すると(ステップS208:Yes)、挿入する添削コメントの分量が多すぎる旨をポップアップ・ウィンドウ61(参照図13)に表示し(ステップS209)、ステップS204へ戻る。これにより、添削者は、領域指定手段42のマウスを用いたドラッグ操作による指定領域56の適正化や添削コメントの分量の適正化を図ることができる。その一方、処理手段48は、ストロークデータの縮小率が所定値を超えない間は(ステップS208:No)、ステップS204からS208を繰り返し、逐次、ストロークデータを縮小し、添削コメントの手書き文字のイメージとして再現して指定領域56へ当てはめて挿入し、表示していく。なお、第1実施形態と同様に、添削コメントであることを見やすくするため、処理手段48の処理により、指定領域56を実線で見やすく枠囲いして表示させてもよい。
【0079】
添削者が電子ペン6を用いて用紙7のひとまとまりの添削コメントを書き終えて、文字入力の終了を端末装置4に認識させるため、電子ペン6を用紙7にダブルタップすると、端末装置4は、電子ペン6からダブルタップの記入情報を受信して、ダブルタップされたことを認識する(ステップS204:Yes)。そして、処理手段48は、引き続き添削コメントを付加するための次の領域指定がなされたことを検知した場合には(ステップS210:Yes)、ステップS202に戻り、ステップS202〜S210を繰り返し実行する。一方、所定時間、次の領域が指定されず、添削コメントの記入が終了した場合は(ステップS210:No)、処理手段48は、解答用紙9のイメージデータとともに添削コメントのイメージデータやツールボックス52の利用により付加された添削記号等の情報を、解答用紙9のイメージデータにおける配置情報とともに、記憶手段46に記憶させる(ステップS211)。
【0080】
〔第2実施形態による作用効果〕
本第2実施形態による添削支援システム1によれば、上述の第1実施形態の添削支援システム1による作用効果と同様に、添削者は、イメージ51の表示から、どの領域が空白となっていて添削コメントを添付することができるかを認識し、問題や解答が表示された領域と重ならないように、添削コメントを挿入する指定領域56を指定することができる(参照図10)。
【0081】
また、本第2実施形態による添削支援システム1によれば、処理手段48によって、指定領域56に表示可能な添削コメントの分量(縦横のサイズ)が、その指定領域56に合う用紙7上における縦横の升目13の数に換算されて、ポップアップ・ウィンドウ58にその値が表示されるため(参照図11)、添削者は、その升目13の数の範囲内で用紙7に文字を記入すれば、電子ペン6によって記入された添削コメントの手書き文字が縮小されることなく、手書き文字のイメージを再現して指定領域56に表示することができる。また、添削者がその升目13の縦横どちらかの数を超える範囲にまで用紙7に記入すると、処理手段48は、手書き文字のストロークデータを縮小したうえで、そのイメージを再現して指定領域56に挿入して表示することができる。さらに、処理手段48は、ストロークデータの縮小率が所定値を超えたことを認識すると、挿入する添削コメントの分量が多すぎる旨をポップアップ・ウィンドウ61に表示するため、添削者は、領域指定手段42のマウスのドラッグ操作による指定領域56の適正化や添削コメントの分量や記入範囲の適正化を図ることができ、過度の縮小によって添削コメントが読みづらくなることを避けられる。
【0082】
また、本第2実施形態の添削支援システム1によれば、上述の第1実施形態の添削支援システム1による作用効果と同様に、通信添削業者にとっては、受講者には何ら装置を供給しなくとも、通信添削業者のスキャナ2及びセンターサーバ3と、添削者の端末装置4、電子ペン6及び用紙7によってシステムを構成することができ、初期投資が軽くて済む。また、従来、受講者の解答用紙9を通信添削業者がそのまま添削者に郵送して添削後に返送してもらうのに要した時間を、解答用紙9の電子データ化、添削コメントの電子データ化、電子データ伝送により大幅に短縮することができる。
【0083】
<他の実施形態>
なお、本発明は、上記第1及び第2実施形態に限られない。
【0084】
例えば、上記実施形態では、処理手段48は、電子ペン6のダブルタップの記入情報によって、ひとまとまりの添削コメントの終了を認識した。この代わりに、用紙7に、ひとまとまりの添削コメントの終了を端末装置4に認識させるためのタップ・エリアを設け、処理手段48は、そのタップ・エリアにタップされたことで送信される記入情報に基づき、添削コメントの入力の終了を認識するよう構成してもよい。又は、用紙7に、電子ペン6の記入情報を送信するためのエリアを設けておき、そのエリアが電子ペン6によってタップないしマークされるまでの間、電子ペン6のメモリ609に記入情報を記憶させておき、当該エリアがタップないしマークされたときに、メモリ609に記憶された記入情報を電子ペン6から端末装置4へ送信させるようにして、端末装置4で受信された記入情報をひとまとまりの添削コメントとして認識させるようにしてもよい。或いは、電子ペン6による、ひとまとまりの添削コメントの記入が終了した時点で、添削者の端末装置4の操作、例えば、画面上に設定された添削コメント入力終了ボタンのクリック等の操作により、端末装置4が添削コメントの入力の終了を認識するよう構成してもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、ひとまとまりの添削コメント入力の終了を認識しない間(ステップS104:No、S204:No)は、処理手段48は、電子ペン6から受信した記入情報から逐次、記入情報の文字認識から指定領域に表示した文字数オーバーの警告表示まで(ステップS105〜S107)、あるいはストローク全体の外接矩形の演算から指定領域に表示したストロークの縮小率オーバーの警告表示まで(ステップS205〜S209)の一連の処理を行った。このようにストローク1本ごとに演算するため、文字数オーバー等となった瞬間に警告表示を行うことができる。この代わりに、集約処理手段48は、添削コメントの終了を認識した(ステップS104:Yes、S204:Yes)後で、ステップS105〜S107あるいはステップS205〜S209の一連の処理を行うようにしてもよい。このように、ひとまとまりの添削コメントのストロークをまとめて演算することで、処理手段48の処理負荷を軽くすることができる。
【0086】
また、上記実施形態では、問題文等12と升目13と電子ペン1によって認識可能なドットパターン11が印刷された添削者用用紙7を用いたが、処理手段48は電子ペン1によって記入した手書き文字を指定領域56へ当てはめて挿入する機能を有している為、問題文等12或いは升目13が印刷されていない添削者用用紙7を用いることもできる。このとき、升目13が印刷されていない添削者用用紙7を利用する場合には、処理手段48は、指定領域56に記入可能な縦横の文字数或いは総文字数は、見やすい文字の大きさを基に演算する。そして、処理手段48の処理によって、指定領域56に挿入された添削コメントをマウスでドラッグ操作することなどにより、その位置やサイズを微調整可能に構成してもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、処理手段48は、指定領域56への記入可能升目数(ステップS103、S203)や文字数のオーバー(ステップS107)や縮小率のオーバー(ステップS208)を表示手段47に表示させたが、これに加え、又はこれに代えて、音声によって報知するようにしてもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、添削コメント付きのイメージデータを印刷して、受講者に郵送等により返却したが、解答用紙9そのものに、添削記号や添削コメントだけを重ねて印刷して受講者に返却してもよく、或いは、イメージデータそのものを受講者の所有する端末装置へインターネット8を介して送信してもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、センターサーバ3と端末装置4との間のデータ通信は、インターネット8を介して行われたが、添削者が添削を行う場所が、センターサーバ3の付近であれば、そのデータ通信は、直接行われたり、LAN等の小規模なネットワークを介して行われるよう構成してもよい。なお、上記実施形態では、記入情報は、時間情報と、ドットパターンアドレスと、XY座標データと、筆圧データと、ペンIDとが関連付られた情報であるが、記入情報を時間情報とXY座標データとにするなど、適宜、処理に必要な情報にとどめて処理負担を軽減するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】添削支援システムの構成図である。
【図2】添削者用用紙の説明図である。
【図3】添削者用用紙に印刷されるドットパターンによる情報の表現方法の説明図である。
【図4】(a)はドットパターンを模式的に示し、(b)はそれに対応する情報の例を示す説明図である。
【図5】電子ペンの構成を示すブロック図である。
【図6】端末装置の機能ブロック図である。
【図7】第1実施形態の端末装置における添削コメント記入機能のフローチャートである。
【図8】端末装置の表示手段に解答用紙のイメージを表示させた表示画面例である。
【図9】端末装置の表示手段において解答用紙のイメージに添削記号を付加した状態を示す表示画面例である。
【図10】端末装置の表示手段において解答用紙のイメージに添削コメントを付加するための指定領域を設定する様子を示す表示画面例である。
【図11】端末装置の表示手段において指定領域に記入できる添削者用用紙上における縦横の升目の数または文字数を表示している状態を示す表示画面例である。
【図12】第1実施形態の端末装置の表示手段において指定領域に添削コメントが挿入された状態を示す表示画面例である。
【図13】第1実施形態の端末装置の表示手段において指定領域への添削コメントの文字数が多すぎることを表示した状態を示す表示画面例である。
【図14】第1実施形態の端末装置の表示手段において指定領域が枠囲いされた状態を示す表示画面例である。
【図15】(a)は、第2実施形態の端末装置が演算する外接矩形(外接枠)を説明する図、(b)および(c)は、外接枠の他の形態を示す図である。
【図16】第2実施形態の端末装置における添削コメント記入機能のフローチャートである。
【図17】第2実施形態の端末装置の表示手段において指定領域に添削コメントが挿入された状態を示す表示画面例である。
【符号の説明】
【0091】
1…添削支援システム、2…スキャナ、3…センターサーバ(中央処理装置)、4…端末装置、6…電子ペン、7…添削者用用紙(用紙)、8…インターネット(ネットワーク)、11…ドットパターン(コード化パターン)、13…升目、42…領域指定手段、47…表示手段、48…処理手段、51…イメージ、56…指定領域、58,61…ポップアップ・ウィンドウ、59…添削コメントのテキストデータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置座標を示すコード化パターンが印刷された用紙に対して電子ペンで記入することで電子ペンにより生成された記入情報を受信し処理する端末装置であって、
表示手段の表示画面において、記入内容を表示する領域を指定する領域指定手段と、
前記領域指定手段により指定された表示手段の領域に、前記電子ペンの記入情報に基づく記入内容を表示させる処理手段と
を備えることを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記処理手段は、前記領域指定手段によって指定された領域に合う縦横の文字数、または総文字数を報知することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記処理手段は、前記領域指定手段によって指定された領域に合う文字数を、前記記入情報に基づく記入内容の文字数が超えたことを報知することを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記処理手段は、前記電子ペンによるひとまとまりの手書き文字全体を、前記領域指定手段によって指定された領域に収まるよう縮小又は拡大させて前記領域に表示させることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記処理手段は、前記電子ペンによるひとまとまりの手書き文字のストローク全体を包含する外接枠を求め、前記領域指定手段によって指定された領域に収まるよう前記外接枠を縮小又は拡大させて、前記領域に前記ストローク全体を表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項6】
前記処理手段は、前記領域に前記ストローク全体を縮小させる縮小率が、所定値を超えた場合、記入分量が過多であることを報知することを特徴とする請求項5に記載の端末装置。
【請求項7】
前記処理手段は、前記表示手段の表示画面に、解答が記入された解答用紙のイメージデータを表示させた状態で、前記領域指定手段による記入内容の表示領域の指定を可能とすることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の端末装置。
【請求項8】
位置座標を示すコード化パターンが印刷された用紙に対して電子ペンで記入することで電子ペンにより生成された記入情報を受信し処理する端末装置により実行されるプログラムであって、
表示手段の表示画面において、記入内容を表示する領域を指定する領域指定手段、
前記領域指定手段により指定された表示手段の領域に、前記電子ペンの記入情報に基づく記入内容を表示させる処理手段
として端末装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
前記処理手段は、前記領域指定手段によって指定された領域に合う縦横の文字数、または総文字数を報知することを特徴とする請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記処理手段は、前記領域指定手段によって指定された領域に合う文字数を、前記記入情報に基づく記入内容の文字数が超えたことを報知することを特徴とする請求項8又は9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記処理手段は、前記電子ペンによるひとまとまりの手書き文字全体を、前記領域指定手段によって指定された領域に収まるよう縮小又は拡大させて前記領域に表示させることを特徴とする請求項8〜10のうちいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記処理手段は、前記電子ペンによるひとまとまりの手書き文字のストローク全体を包含する外接枠を求め、前記領域指定手段によって指定された領域に収まるよう前記外接枠を縮小又は拡大させて、前記領域に前記ストローク全体を表示させることを特徴とする請求項8又は9に記載のプログラム。
【請求項13】
前記処理手段は、前記領域に前記ストローク全体を縮小させる縮小率が、所定値を超えた場合、記入分量が過多であることを報知することを特徴とする請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記処理手段は、前記表示手段の表示画面に、解答が記入された解答用紙のイメージデータを表示させた状態で、前記領域指定手段による記入内容の表示領域の指定を可能とすることを特徴とする請求項8〜13のうちいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
位置座標を示すコード化パターンが印刷された用紙と、
解答用紙に書き込まれた解答の添削内容を前記用紙に記入するために用いられ、前記コード化パターンを読取り、位置座標を演算して記入情報を生成する電子ペンと、
前記電子ペンにより生成された記入情報を受信し処理する添削者用端末装置と、
解答が書き込まれた解答用紙をイメージデータとして読み取るスキャナと、
前記スキャナにより読み取られたイメージデータを前記添削者用端末装置へ送信する中央処理装置とを備える添削支援システムであって、
前記添削者用端末装置は、
表示手段の表示画面において、受信した前記イメージデータを表示させた状態で、記入内容を表示する領域を指定する領域指定手段と、
前記領域指定手段により指定された表示手段の領域に、前記電子ペンの記入情報に基づく記入内容を表示させる処理手段と
を備えることを特徴とする添削支援システム。
【請求項16】
前記処理手段は、前記領域指定手段によって指定された領域に合う縦横の文字数、または総文字数を報知することを特徴とする請求項15に記載の添削支援システム。
【請求項17】
前記処理手段は、前記領域指定手段によって指定された領域に合う文字数を、前記記入情報に基づく記入内容の文字数が超えたことを報知することを特徴とする請求項15又16に記載の添削支援システム。
【請求項18】
前記処理手段は、前記電子ペンによるひとまとまりの手書き文字全体を、前記領域指定手段によって指定された領域に収まるよう縮小又は拡大させて前記領域に表示させることを特徴とする請求項15〜17のうちいずれか一項に記載の添削支援システム。
【請求項19】
前記処理手段は、前記電子ペンによるひとまとまりの手書き文字のストローク全体を包含する外接枠を求め、前記領域指定手段によって指定された領域に収まるよう前記外接枠を縮小又は拡大させて、前記領域に前記ストローク全体を表示させることを特徴とする請求項15又は16に記載の添削支援システム。
【請求項20】
前記処理手段は、前記領域に前記ストローク全体を縮小させる縮小率が、所定値を超えた場合、記入分量が過多であることを報知することを特徴とする請求項19に記載の添削支援システム。
【請求項21】
前記処理手段は、前記イメージデータ上の指定領域に表示された記入内容を前記イメージデータとともに、前記中央処理装置へ送信することを特徴とする請求項15〜20のうちいずれか一項に記載の添削支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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