説明

端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】前回の測位時から時間が経過している場合であっても、良好な測位精度の測位位置情報を取得するための位置情報衛星を選択することができる端末装置等を提供すること。
【解決手段】端末装置20は、上空位置情報衛星数情報に示される位置情報衛星の数が、端末装置20が位置関連信号を同時に受信することができる数である受信チャンネル数よりも多いか否かを判断する衛星数評価手段と、受信チャンネル数の位置情報衛星で構成される衛星組のすべてについて、衛星組を構成する位置情報衛星の上空における幾何学的配置によって規定される測位精度予測指標を示す測位精度予測指標情報を生成する測位精度予測指標情報生成手段と、測位精度予測指標に基づいて、最初に捕捉する前記衛星組である初期捕捉対象衛星組を選択する初期捕捉対象衛星組選択手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて、現在位置を測位する端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、衛星航法システムである例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してGPS受信機の現在位置を測位する測位システムが実用化されている。このGPS受信機が連続して測位している場合には、GPS衛星を追尾しており、GPS衛星の位置を把握している。
ところが、測位を停止すると、GPS衛星を追尾しなくなるため、GPS衛星の位置が把握できない。そこで、前回の測位時から時間が経過している場合に、GPS衛星を捕捉するために、前回測位時の測位位置と前回測位時に補正した時刻及び衛星軌道データに基づいて、GPS受信機を基準とする各GPS衛星の仰角を計算し、仰角が高いGPS衛星から順に衛星信号のサーチを行う技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開平10−282205号公報(図3等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、仰角が高いGPS衛星の組であることは、測位精度も良好であるGPS衛星の組であるとは限らない。これは、測位精度を決定する要因の一つであるGPS衛星の天空における幾何学的配置によって決まる指標が、仰角が高いこととは必ずしも一致しないためである。したがって、仰角が高いGPS衛星を順に衛星信号のサーチを行っても、測位精度が向上するとは限らないという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、前回の測位時から時間が経過している場合であっても、良好な測位精度の測位位置情報を取得するための位置情報衛星を選択することができる端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置の測位計算をする端末装置であって、前記位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報を格納する衛星軌道情報格納手段と、前記端末装置の概略位置を示す概略位置情報を格納する概略位置情報格納手段と、前記位置情報衛星が使用する時刻に基づく概略時刻を示す概略時刻情報を格納する概略時刻情報格納手段と、前記衛星軌道情報と、前記概略位置情報及び前記概略時刻情報とに基づいて、前記端末装置の上空に位置する前記位置情報衛星を示す上空位置情報衛星情報を生成する上空位置情報衛星情報生成手段と、前記上空位置情報衛星情報に示される前記位置情報衛星の数を示す上空位置情報衛星数情報を生成する上空位置情報衛星数情報生成手段と、前記上空位置情報衛星数情報に示される前記位置情報衛星の数が、前記端末装置が前記位置関連信号を同時に受信することができる数である受信チャンネル数よりも多いか否かを判断する衛星数評価手段と、前記受信チャンネル数の前記位置情報衛星で構成される衛星組のすべてについて、前記衛星組を構成する前記位置情報衛星の前記上空における幾何学的配置によって規定される測位精度予測指標を示す測位精度予測指標情報を生成する測位精度予測指標情報生成手段と、前記測位精度予測指標に基づいて、最初に捕捉する前記衛星組である初期捕捉対象衛星組を選択する初期捕捉対象衛星組選択手段と、を有することを特徴とする端末装置により達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記端末装置は、前記衛星軌道情報と、前記概略位置情報及び前記概略時刻情報とに基づいて、前記上空位置情報衛星情報生成手段によって、前記上空位置情報衛星情報を生成することができ、さらに、前記上空位置情報衛星数情報生成手段によって、前記上空位置情報衛星数情報を生成することができる。
そして、前記端末装置は、前記衛星数評価手段によって、前記上空位置情報衛星数情報に示される前記位置情報衛星の数が、前記受信チャンネル数よりも多いか否かを判断することができる。
そして、前記端末装置は、前記測位精度予測指標情報生成手段によって、前記受信チャンネル数の前記位置情報衛星で構成される衛星組のすべてについて、前記測位精度予測指標情報を生成することができる。
さらに、前記端末装置は、前記初期捕捉衛星組選択手段によって、前記測位精度予測指標情報に示される前記測位精度予測指標に基づいて、最初に捕捉する前記衛星組である初期捕捉対象衛星組を選択することができる。
【0007】
すなわち、前記端末装置は、前記上空位置情報衛星数情報に示される前記位置情報衛星の数が、前記受信チャンネル数よりも多いと判断した場合には、いずれの前記衛星組を選択するかについて、前記測位精度予測指標情報に基づいて決定することができるのである。
前記測位精度予測指標情報は、前記衛星組を構成する前記位置情報衛星の前記上空における幾何学的配置によって規定される情報であり、前記端末装置の測位の精度を示す情報である。
すなわち、前記端末装置は、仰角によって探索対象とする前記衛星組を選択するのではなくて、前記測位精度予測指標情報に基づいて、前記衛星組を選択するのである。
そして、前記測位精度予測指標情報に基づいて、前記衛星組が選択されるから、前記衛星組を構成する前記位置情報衛星からの前記位置関連信号に基づいて生成される測位位置情報は測位精度が良好であると予測される。
これにより、前回の測位時から時間が経過している場合であっても、良好な測位精度の測位位置情報を取得するための位置情報衛星を選択することができる。
【0008】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記衛星軌道情報は、前記位置情報衛星の概略衛星軌道を示す概略衛星軌道情報及び/又は前記位置情報衛星の精密衛星軌道を示す精密衛星軌道情報であることを特徴とする。
【0009】
前記概略衛星軌道情報は例えば、前記位置情報衛星の一例であるGPS衛星が有する概略の衛星軌道情報である、いわゆるアルマナック(Almanac)である。前記初期捕捉対象衛星組を選択する目的のためには、前記衛星軌道情報は前記アルマナックで十分である。
これに対して、前記精密衛星軌道情報が例えば、各GPS衛星が有するそのGPS衛星自体の衛星軌道情報である、いわゆるエフェメリス(Ephemeris)である場合には、より正確に前記初期捕捉対象衛星組を選択することができる。
すなわち、前記端末装置は、アルマナックを有する場合にはアルマナックを使用して前記初期捕捉対象衛星組を選択することができるし、エフェメリスを有する場合にはエフェメリスを使用してより正確に前記初期捕捉対象衛星組を選択することができる。
【0010】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明のいずれかの構成において、前記初期捕捉対象衛星組を構成する前記位置情報衛星のうち、捕捉に成功した初期捕捉成功位置情報衛星と、前記初期捕捉対象衛星組に含まれない前記上空位置情報衛星とで構成される前記衛星組のすべてについて、前記測位精度予測指標を示す第2測位精度予測指標情報を生成する第2測位精度予測指標情報生成手段と、前記第2測位精度予測指標に基づいて、第2に捕捉する前記衛星組である第2捕捉対象衛星組を選択する第2捕捉対象衛星組選択手段と、 を有することを特徴とする。
【0011】
前記初期捕捉対象衛星組を構成する前記位置情報衛星のうち、仰角が低い等の理由によって実際には捕捉することができない前記位置情報衛星が存在する場合がある。
この場合、改めて前記初期捕捉対象衛星組を選択することもできるが、前記初期捕捉成功位置情報衛星については既に捕捉しているから、これらを改めて捕捉することは無駄である。
この点、第3の発明の構成によれば、前記初期捕捉成功位置情報衛星と前記初期捕捉対象衛星組に含まれない前記上空位置情報衛星とによって、前記第2測位精度予測指標情報を生成し、さらに、前記第2捕捉対象衛星組を選択することができるから、効率よく、良好な測位精度の測位位置情報を取得するための前記位置情報衛星を選択することができる。
【0012】
第4の発明は、第3の発明の構成において、前記第2捕捉対象衛星組のうち前記初期捕捉成功位置情報衛星以外の前記位置情報衛星を新たに捕捉する位置情報衛星選択捕捉手段を有することを特徴とする。
【0013】
上述のように、前記初期捕捉成功位置情報衛星については既に捕捉しているから、これを改めて捕捉することは無駄である。
この点、第4の発明の構成によれば、前記位置情報衛星選択捕捉手段によって、前記第2捕捉対象衛星組のうち前記初期捕捉成功位置情報衛星以外の前記位置情報衛星を新たに捕捉する構成となっているから、前記第2捕捉対象衛星組を構成する前記位置情報衛星を効率よく捕捉することができる。
【0014】
前記目的は、第5の発明によれば、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置の測位計算をする端末装置が、位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報と、前記端末装置の概略位置を示す概略位置情報、及び前記位置情報衛星が使用する時刻に基づく概略時刻を示す概略時刻情報とに基づいて、前記端末装置の上空に位置する前記位置情報衛星を示す上空位置情報衛星情報を生成する上空位置情報衛星情報生成ステップと、前記端末装置が、前記上空位置情報衛星情報に示される前記位置情報衛星の数を示す上空位置情報衛星数情報を生成する上空位置情報衛星数情報生成ステップと、前記端末装置が、前記上空位置情報衛星数情報に示される前記位置情報衛星の数が、前記端末装置が前記位置関連信号を同時に受信することができる数である受信チャンネル数よりも多いか否かを判断する衛星数評価ステップと、前記端末装置が、前記受信チャンネル数の前記位置情報衛星で構成される衛星組のすべてについて、前記衛星組を構成する前記位置情報衛星の前記上空における幾何学的配置によって規定される測位精度予測指標を示す測位精度予測指標情報を生成する測位精度予測指標情報生成ステップと、前記端末装置が、前記測位精度予測指標情報に示される前記測位精度予測指標に基づいて、最初に捕捉する前記衛星組である初期捕捉対象衛星組を選択する初期捕捉対象衛星組選択ステップと、を有することを特徴とする端末装置の制御方法によって達成される。
【0015】
第5の発明の構成によれば、第1の発明の構成と同様に、前回の測位時から時間が経過している場合であっても、良好な測位精度の測位位置情報を取得するための位置情報衛星を選択することができる。
【0016】
前記目的は、第6の発明によれば、コンピュータに、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置の測位計算をする端末装置が、位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報と、前記端末装置の概略位置を示す概略位置情報、及び前記位置情報衛星が使用する時刻に基づく概略時刻を示す概略時刻情報とに基づいて、前記端末装置の上空に位置する前記位置情報衛星を示す上空位置情報衛星情報を生成する上空位置情報衛星情報生成ステップと、前記端末装置が、前記上空位置情報衛星情報に示される前記位置情報衛星の数を示す上空位置情報衛星数情報を生成する上空位置情報衛星数情報生成ステップと、前記端末装置が、前記上空位置情報衛星数情報に示される前記位置情報衛星の数が、前記端末装置が前記位置関連信号を同時に受信することができる数である受信チャンネル数よりも多いか否かを判断する衛星数評価ステップと、前記端末装置が、前記受信チャンネル数の前記位置情報衛星で構成される衛星組のすべてについて、前記衛星組を構成する前記位置情報衛星の前記上空における幾何学的配置によって規定される測位精度予測指標を示す測位精度予測指標情報を生成する測位精度予測指標情報生成ステップと、前記端末装置が、前記測位精度予測指標情報に示される前記測位精度予測指標に基づいて、最初に捕捉する前記衛星組である初期捕捉対象衛星組を選択する初期捕捉対象衛星組選択ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムによって達成される。
【0017】
前記目的は、第7の発明によれば、コンピュータに、位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置の測位計算をする端末装置が、位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報と、前記端末装置の概略位置を示す概略位置情報、及び前記位置情報衛星が使用する時刻に基づく概略時刻を示す概略時刻情報とに基づいて、前記端末装置の上空に位置する前記位置情報衛星を示す上空位置情報衛星情報を生成する上空位置情報衛星情報生成ステップと、前記端末装置が、前記上空位置情報衛星情報に示される前記位置情報衛星の数を示す上空位置情報衛星数情報を生成する上空位置情報衛星数情報生成ステップと、前記端末装置が、前記上空位置情報衛星数情報に示される前記位置情報衛星の数が、前記端末装置が前記位置関連信号を同時に受信することができる数である受信チャンネル数よりも多いか否かを判断する衛星数評価ステップと、前記端末装置が、前記受信チャンネル数の前記位置情報衛星で構成される衛星組のすべてについて、前記衛星組を構成する前記位置情報衛星の前記上空における幾何学的配置によって規定される測位精度予測指標を示す測位精度予測指標情報を生成する測位精度予測指標情報生成ステップと、前記端末装置が、前記測位精度予測指標情報に示される前記測位精度予測指標に基づいて、最初に捕捉する前記衛星組である初期捕捉対象衛星組を選択する初期捕捉対象衛星組選択ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態の測位システム10等を示す概略図である。
図1に示すように、測位システム10は、位置情報衛星である例えば、GPS衛星12a乃至12lからの位置関連信号である例えば、信号S1乃至S12に基づいて現在位置の測位計算をする端末装置である例えば、端末20を有する。
この端末20は例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistance等であるが、これらに限らない。
また、GPS衛星12a等は、12個に限らず、3個以上の複数であればよい。
【0020】
(端末20の主なハードウエア構成について)
図2は端末20の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図2に示すように、端末20は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス22を有する。
このバス22には、CPU(Central Processing Unit)24、記憶装置26等が接続されている。記憶装置26は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。
【0021】
また、このバス22には、各種情報等を入力するための入力装置28、駆動のための電力を格納しているバッテリ30が接続されている。
また、このバス22には、GPS衛星12a等から信号S1等を受信するための端末GPS装置32が接続されている。
さらに、このバス22には、外部と通信するための端末通信装置34、端末20の現在位置情報等を表示するための端末表示装置36、及び、時間を計測するための時計38が接続されている。
【0022】
(端末20の主なソフトウエア構成について)
図3は、端末20の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図3に示すよう端末20は、各部を制御する端末制御部100、図2の端末通信装置34に対応する端末通信部102、図2の端末GPS装置32に対応する端末GPS部104、図2の時計38に対応する端末計時部106を有する。
【0023】
図3に示すように、端末20は、各種プログラムを格納する端末第1記憶部110、各種情報を格納する端末第2記憶部150を有する。
【0024】
図3に示すように、端末20は、端末第2記憶部150に衛星情報152を格納している。衛星情報152は、GPS衛星12a等(図1参照)の衛星軌道を示す情報であり、衛星軌道情報の一例である。そして、端末第2記憶部150は、衛星軌道情報格納手段の一例である。
衛星情報152は、GPS衛星12a等の概略衛星軌道を示すアルマナックであり、さらに、各GPS衛星12a等の精密衛星軌道を示すエフェメリスを含む情報であってもよい。アルマナックは概略衛星軌道情報の一例であり、エフェメリスは精密衛星軌道情報の一例でである。
端末20は、衛星情報152を例えば、GPS衛星12a等からの信号S1等を受信して、その信号S1等を解析することによって取得する。
【0025】
図3に示すように、端末20は、端末第2記憶部150に概位置情報154を格納している。概位置情報154は、端末20の概略位置を示す情報である。すなわち、概位置情報154は概略位置情報の一例である。そして、端末第2記憶部150は概略位置情報格納手段の一例である。
概位置情報154は例えば、一定の信頼性を有する位置を示す情報であり例えば、前回測位時の測位位置を示す情報である。
概位置情報154は、前回測位時の測位位置を例えば、緯度、経度及び高度によって示す情報である。端末20は、概位置情報154を、前回測位時に生成し、端末第2記憶部150に格納する。
【0026】
概位置情報154の信頼性は、例えば、前回測位時の測位位置からの乖離距離によって規定する。具体的には、端末20が毎時vメートル(m/h)で移動すると仮定して、前回測位時からt時間(h)経過した場合には、前回測位位置からvtメートル(m)離れていると推測することができる。このvtメートル(m)が例えば、150キロメートル(km)以内であれば、概位置情報154の信頼性は許容範囲内であると規定するのである。概位置情報254の信頼性の許容範囲は、後述の上空衛星情報158が誤りなく生成することができる範囲に設定され、例えば、上述の150キロメートル(km)以内である。
【0027】
図3に示すように、端末20は、端末第2記憶部150に概時刻情報156を格納している。概時刻情報156は、GPS衛星12a等が使用する時刻に基づく概略時刻を示す情報である。すなわち、概時刻情報156は、概略時刻情報の一例である。そして、端末第2記憶部150は、概略時刻情報格納手段の一例である。
端末20は、GPS衛星12a等からの信号S1等に基づいて現在位置の測位計算を実施するときに、現在位置を算出するとともに、GPS衛星12aが使用する時刻(以後、GPS時刻と呼ぶ)も算出している。そして、前回測位時に算出したGPS時刻に基づいて、時計38(図2参照)を補正する。時計38が計測する時刻が概時刻情報156として端末第2記憶部150に格納される。時計38が計測する時刻は、時間の経過につれて、GPS時刻と乖離する場合があるが、一定の信頼性を有する。
概時刻情報156の信頼性は、例えば、前回測位時からの経過時間によって規定する。具体的には、端末20の時計32の誤差が1日、すなわち、24時間について1秒(s)であるとすれば、1時間(h)あたりの誤差は41ミリ秒(ms)である。したがって、、前回測位時からt時間(h)経過した場合には、前回測位時に算出したGPS時刻からの乖離は41×tミリ秒(ms)である。
そして、GPS時刻との乖離が約10秒(s)以内であれば、概時刻情報156の信頼性は許容範囲内であると規定するのである。
概時刻情報256の信頼性の許容範囲は、後述の上空衛星情報158が誤りなく生成することができる範囲に設定され、例えば、上述の10秒(s)以内である。
【0028】
図3に示すように、端末20は、端末第1記憶部110に上空衛星情報生成プログラム112を格納している。上空衛星情報生成プログラム112は、端末制御部100が、衛星情報152と、概位置情報154と、概時刻情報156とに基づいて、端末20の上空に位置するGPS衛星12a等を示す上空衛星情報158を生成するための情報である。この上空衛星情報158は、上空位置情報衛星情報の一例である。そして、上空衛星情報生成プログラム112と端末制御部100が、上空位置情報衛星情報生成手段の一例である。
【0029】
例えば、測位システム10において32個のGPS衛星12a等が使用されているとしても、端末20の位置を基準として水平線より下のGPS衛星は、端末20の位置から観測することはできない。すなわち、端末20の位置を基準として、水平線より上の上空に位置するGPS衛星12a等が、端末20が観測可能なGPS衛星である。
上空衛星情報158は、端末20が観測可能なGPS衛星である例えば、GPS衛星12a乃至12l(図1参照)を示している。
端末制御部100は、生成した上空衛星情報158を、端末第2記憶部150に格納する。
【0030】
図3に示すように、端末20は、端末第1記憶部110に上空衛星数情報生成プログラム114を格納している。上空衛星数情報生成プログラム114は、端末制御部100が、上空衛星情報158に示されるGPS衛星12a等の数を示す上空衛星数情報160を生成するための情報である。この上空衛星数情報160は上空位置情報衛星数情報の一例である。そして、上空衛星数情報生成プログラム114と端末制御部100は、上空位置情報衛星数情報生成手段の一例である。
具体的には、端末制御部100は上空衛星数情報生成プログラム114によって、上空衛星情報158に示されるGPS衛星12a乃至12lの数である12個を示す上空衛星数情報160を生成する。
端末制御部100は、生成した上空衛星数情報160を端末第2記憶部150に格納する。
【0031】
図3に示すように、端末20は、端末第1記憶部110に上空衛星数受信チャンネル数比較プログラム116を格納している。上空衛星数受信チャンネル数比較プログラム116は、端末制御部100が、上空衛星数情報160に示されるGPS衛星12a等の数が、端末20が信号S1等を同時に受信することができる数である受信チャンネル数よりも多いか否かを判断するための情報である。すなわち、上空衛星数受信チャンネル数比較プログラム116と端末制御部100は、衛星数評価手段の一例である。
具体的には、上空衛星数情報160に示されるGPS衛星12a等の数が12個であって、端末20の受信チャンネル数が8個であれば、端末制御部100は、上空衛星数情報160に示されるGPS衛星12a等の数が、受信チャンネル数よりも多いと判断する。
【0032】
図3に示すように、端末20は、端末第1記憶部110に測位精度予想低下率情報生成プログラム118を格納している。測位精度予想低下率情報生成プログラム118は、端末制御部100が、上空衛星数受信チャンネル数比較プログラム116による判断結果に基づいて、受信チャンネル数である例えば、8個のGPS衛星12a等で構成される衛星組のすべてについて、衛星組を構成するGPS衛星12a等の上空における幾何学的配置によって規定される測位精度予想低下率を示す測位精度予想低下率情報164を生成するための情報である。この測位精度予想低下率情報164は、測位精度予測指標情報の一例である。そして、測位精度予想低下率情報生成プログラム118と端末制御部100が、測位精度予測指標生成手段の一例である。
【0033】
図4は、GPS衛星12a等の幾何学的配置等を示す図である。
図4(a)及び図4(b)は、端末20の位置Pを中心とする東(E)、西(W)、北(N)及び南(S)の方位、及び、端末20の位置Pを仰角90度として水平線HLを仰角180度とする仰角によって規定される座標に配置される、GPS衛星12a乃至12lを示す図である。
【0034】
ここで、端末20が受信チャンネル数である8個のGPS衛星12a等の組として、仮に、GPS衛星12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g及び12hの8個で構成される組(図4(a)の衛星組A)を選択すると、図4(a)に示すように、これらのGPS衛星12a等の上空における幾何学的配置は、東北に偏っており、上空における衛星12a等の広がりを近似的に現すとD1で示す領域になる。
【0035】
これに対して、端末20が受信チャンネル数である8個のGPS衛星12a等の組として、GPS衛星12b,12c,12e,12f,12g,12h,12i及び12lの8個で構成される組(図4(b)の衛星組B)を選択すると、図4(b)に示すように、これらのGPS衛星12b等の上空における幾何学的配置は、上空において広く広がっており、その広がりは上述の領域D1(図4(a)参照)より大きく、近似的に現すとD2で示す領域になる。
【0036】
端末20は、複数のGPS衛星12a等からの信号S1等を使用して、三角測量の原理に基づく測位計算を行うのであるが、上空におけるGPS衛星12a等の広がりが大きいほど、測位計算の精度は向上する傾向がある。
上述の、測位精度予想低下率情報164は、このような原理に基づくものであり、上空におけるGPS衛星12a等の広がりが大きいほど、測位精度予想低下率情報164に示される測位精度予想低下率は低くなるようになっている。すなわち、領域D2(図4(b)参照)を形成する衛星組Bを使用する測位計算の測位精度予想低下率は、領域D1(図4(a)参照)を形成する衛星組Aを使用する測位計算の測位精度予想低下率よりも小さい。
したがって、端末制御部200は測位精度予想低下率情報生成プログラム118に基づいて、衛星組A(図4(a)参照)の測位精度予想低下率を例えば、7とすると、衛星組B(図4(b)参照)の測位精度予想低下率を例えば、1とする測位精度予想低下率情報164を生成する。
端末制御部100は、GPS衛星12a乃至12lのすべての組み合わせについて、測位精度予想低下率を計算し、測位精度予想低下率情報164を生成する。
端末制御部100は、生成した測位精度予想低下率情報164を端末第2記憶部150に格納する。
【0037】
従来から、GPS衛星の天空における幾何学的配置による測位の精度低下率として、測位後に精度低下率DOP(dulition of precision)という指標が使用されている。これにより、測位後に測位結果の測位精度を知ることができる。
これに対して、本実施の形態の端末20は、測位前に上述のDOPと同様の内容を有する測位精度予測低下率を示す測位精度予測低下率情報164を生成することができる。これにより、測位後に測位結果の測位精度を知るのではなくて、後述の構成とあいまって、測位前の段階において測位結果の測位精度が向上するようなGPS衛星の組を選択することができるのである。
【0038】
図3に示すように、端末20は、端末第1記憶部110に最小測位精度予想低下率衛星組選択プログラム120を格納している。最小測位精度予想低下率衛星組選択プログラム120は、端末制御部100が、測位精度予想低下率情報164示される測位精度予想低下率に基づいて、最初に捕捉する衛星組である初期捕捉対象衛星組を選択するための情報である。すなわち、最小測位精度予想低下率衛星組選択プログラム120と端末制御部100は、初期捕捉対象衛星組選択手段の一例である。
例えば、端末制御部100は最小測位精度予想低下率衛星組選択プログラム120に基づいて、衛星組B(図4(b)参照)の測位精度予想低下率がすべての組合せの中で最小であると判断すると、衛星組B(図4(b)参照)を初期捕捉対象衛星組として選択する。
端末制御部100は、初期捕捉対象衛星組として選択した衛星組Bを示す情報を生成し、初期捕捉対象衛星組情報166として端末第2記憶部150に格納する。
【0039】
図3に示すように、端末20は、端末第1記憶部110に初期捕捉対象衛星組所属衛星サーチプログラム122を格納している。初期捕捉対象衛星組所属衛星サーチプログラム122は、端末制御部100が、初期捕捉対象衛星組情報166に示される初期捕捉対象組である例えば、衛星組B(図4(b)参照)に所属するGPS衛星12b等を最初に捕捉するための情報である。すなわち、端末制御部100は、上述のGPS衛星12b等からの信号S2等を最初にサーチするのである。
【0040】
図3に示すように、端末20は、端末第1記憶部110に全上空衛星サーチプログラム124を格納している。全上空衛星サーチプログラム124は、端末制御部100が上空衛星数受信チャンネル数比較プログラムによって、上空衛星数情報160に示されるGPS衛星12a等の数が、受信チャンネル数である8個以下であると判断した場合には、すべてのGPS衛星12a等からの信号S1等をサーチするための情報である。
【0041】
上述のように、端末20は、仰角によって探索対象とするGPS衛星12a等の衛星組を選択するのではなくて、測位精度予想低下率に基づいて、衛星組を選択するのである。したがって、端末20によって選択された、衛星組を構成するGPS衛星12b等からの信号S2等に基づいて生成される測位位置情報は測位精度が良好であると予測される。
すなわち、前回の測位時から時間が経過している場合であっても、良好な測位精度の測位位置情報を取得するためのGPS衛星を選択することができる。
【0042】
また、上述のように、衛星情報152(図3参照)は、アルマナック及び/又はエフェメリスである。初期捕捉対象衛星組を選択する目的のためには、衛星情報152はアルマナックで十分である。
これに対して、エフェメリスを使用することによって、より正確に初期捕捉対象衛星組を選択することができる。
すなわち、端末20は、アルマナックを有する場合にはアルマナックを使用して初期捕捉対象衛星組を選択することができるし、エフェメリスを有する場合にはエフェメリスを使用してより正確に初期捕捉対象衛星組を選択することができる。
【0043】
以上が第1の実施の形態の測位システム10の構成であるが、以下、その動作例を主に図5を使用して説明する。
なお、図1に示すように、端末20の位置を基準とする水平線上にはGPS衛星12a等が12個配置されており、端末20の受信チャンネル数は8個であるという前提で、以下説明する。
【0044】
図5は第1の実施の形態の測位システム10の動作例を示す概略フローチャートである。
【0045】
まず、端末20は、衛星情報152(図3参照)、概位置情報154及び概時刻情報156とに基づいて、上空衛星情報158(図3参照)を生成する(ステップST1)。このステップST1は、上空位置情報衛星情報生成ステップの一例である。
この上空情報生成情報158には、端末20の位置から観測可能なGPS衛星12a等が示されている。
【0046】
続いて、端末20は、上空衛星数情報160を生成する(ステップST2)。このステップST2は、上空位置情報衛星数情報生成ステップの一例である。
続いて、端末20は、上空衛星数情報160に示されるGPS衛星12a等の数が、受信チャンネル数より多いか否かを判断する(ステップST3)。このステップST3は、衛星数評価ステップの一例である。
上述のように、上空衛星数情報160に示されるGPS衛星12a等は12個であり、受信チャンネル数は8個であるから、端末20は、上空衛星数情報160に示されるGPS衛星12aの数が受信チャンネル数よりも多いと判断し、ステップST41へ進む。
【0047】
ステップST41においては、端末20は、8個のGPS衛星12a等から構成されるすべての組について、測位精度予想低下率情報164を生成する(ステップST41)。このステップT41は、測位精度予測指標情報生成ステップの一例である。
【0048】
続いて、端末20は、測位精度予想低下率情報164に示される測位精度予想低下率に基づいて、初期捕捉対象衛星組を選択する(ステップST42)。このステップST42は、初期捕捉対象衛星組選択ステップの一例である。
端末20は、測位精度予想低下率が最小の組合せである例えば、衛星組B(図4(b)参照)を選択し、その衛星組Bを示す情報を初期捕捉対象衛星組情報166として端末第2記憶部150に格納する。
【0049】
なお、上述のステップST4において、端末20が、上空衛星数情報160に示されるGPS衛星12a等の数が、受信チャンネル数以下であると判断した場合には、すべてのGPS衛星をサーチする(ステップST4)。
【0050】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態の測位システム10A(図1参照)について、説明する。
第2の実施の形態の測位システム10Aの構成は、上記第1の実施の形態の端末20と多くの構成が共通するため共通する部分は同一の符号等とし、説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0051】
図6は、第2の実施の形態の端末20Aの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【0052】
図6に示すように、端末20Aは、端末第1記憶部110に、第2測位精度予想低下率情報生成プログラム126を格納している。第2測位精度予想低下率情報生成プログラム126は、端末制御部100が、初期捕捉対象衛星組160を構成するGPS衛星12b等のうち、捕捉に成功したGPS衛星12b等と、初期捕捉対象衛星組に含まれないGPS衛星12a等とで構成される衛星組のすべてについて、測位精度予想低下率を示す第2測位精度予想低下率情報168を生成するための情報である。すなわち、第2測位精度予想低下率情報生成プログラム126と端末制御部100は、第2測位精度予測指標情報生成手段の一例である。
【0053】
図7は、初期捕捉対象衛星組情報166等の一例を示す図である。
図7(a)に示すように、初期捕捉対象衛星組情報166には、初期捕捉対象衛星組である例えば、衛星組Bを構成するGPS衛星12b等が示されている。
そして、図7(b)に示すように例えば、GPS衛星12b以外の7個のGPS衛星12c等について、端末20は捕捉に成功しているとする。捕捉に成功したGPS衛星12c等は、初期捕捉成功位置情報衛星の一例である。
この場合、端末制御部100は、捕捉に成功したGPS衛星12c等と、初期捕捉対象衛星組に含まれない、図7(c)に示すGPS12a等とで構成されるすべての衛星組である候補衛星組C1乃至C4について、測位精度予想低下率を示す第2測位精度予想低下率情報168を生成する。
この第2測位精度予想低下率情報168の内容は、測位精度予想低下率を算出する対象が異なる以外は、上述の測位精度予想低下率情報164と同様である。
端末制御部100は、生成した第2測位精度予想低下率情報168を端末第2記憶部150に格納する。
【0054】
図6に示すように、端末20Aは、端末第1記憶部110に、第2最小測位精度予想低下率衛星組選択プログラム128を格納している。第2最小測位精度予想低下率衛星組選択プログラム128は、端末制御部100が、第2測位精度予想低下率情報168に示される測位精度予想低下率に基づいて、第2の捕捉する衛星組である第2捕捉対象衛星組を選択するための情報である。すなわち、第2最小測位精度予想低下率衛星組選択プログラム128と端末制御部100は、第2捕捉対象衛星組選択手段の一例である。
例えば、端末制御部100は第2最小測位精度予想低下率衛星組選択プログラム128に基づいて、第2測位精度予想低下率情報168に示される測位精度予想低下率が最小の衛星組である例えば、候補衛星組C1を選択する。
端末制御部100は、選択した候補衛星組C1を示す情報を、第2捕捉対象衛星組情報170として端末第2記憶部150に格納する。
【0055】
図6に示すように、端末20Aは、端末第1記憶部110に、第2捕捉対象衛星組所属衛星サーチプログラム130を格納している。第2捕捉対象衛星組所属衛星サーチプログラム130は、端末制御部100が、第2捕捉対象衛星組情報170に示される例えば、候補衛星組C1に所属するGPS衛星12a等を捕捉するための情報である。
端末制御部100は第2捕捉対象衛星組所属衛星サーチプログラム130に基づいて、初期捕捉対象衛星組のなかで既に捕捉に成功しているGPS衛星12c等はそのまま追尾を継続し、第2捕捉対象衛星組のなかで上述のGPS衛星12c等以外のGPS衛星12a等を捕捉する。すなわち、第2捕捉対象衛星組所属衛星サーチプログラム130と端末制御部100は、位置情報衛星捕捉手段の一例でもある。
具体的には、端末制御部100は、既に捕捉済みのGPS衛星12c等(図7(b)参照)はそのまま追尾を継続し、新たに加わった例えば、GPS衛星12aだけを新たに捕捉する。
【0056】
例えば、初期捕捉対象衛星組である衛星組B(図4(b)参照)を構成するGPS衛星12b等のうち例えば、GPS衛星12bが仰角が低い等の理由によって実際には捕捉することができない場合がある。
この場合、改めて初期捕捉対象衛星組を選択することもできるが、既に捕捉に成功しているGPS衛星12c等については既に捕捉しているから、これらを改めて捕捉することは無駄である。
この点、端末20Aは、初期捕捉成功衛星であるGPS衛星12c等(図7(b)参照)と、初期捕捉対象衛星組に含まれないGPS衛星12a等(図7(c)参照)とで、第2捕捉対象衛星組の候補衛星組C1等(図7(d)参照)を構成し、候補衛星組C1等のうちで測位精度予想低下率が最小の組を第2捕捉対象衛星組として選択する。そして、第2捕捉対象衛星組のうち、初期捕捉対象衛星組以外のGPS衛星12a等だけを新たに捕捉するから、第2捕捉対象衛星組を構成するGPS衛星12a等を効率よく捕捉することができる。
【0057】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の上空位置情報衛星情報生成ステップと、上空位置情報衛星数情報生成ステップと、衛星数評価ステップと、測位精度予測指標情報生成ステップと、初期捕捉対象衛星組選択ステップ等を実行させるための端末装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような端末装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0058】
これら端末装置の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−Rewriterble)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0059】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の第1の実施の形態の測位システム等を示す概略図である。
【図2】端末の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図3】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図4】GPS衛星の幾何学的配置等を示す図である。
【図5】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図6】第2の実施の形態の端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図7】初期捕捉対象衛星組情報等の一例を示す図である。。
【符号の説明】
【0061】
10・・・測位システム、12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12h,12i,12j,12k,12l・・・GPS衛星、20・・・端末、112・・・上空衛星情報生成プログラム、114・・・上空衛星数情報生成プログラム、116・・・上空衛星数受信チャンネル数比較プログラム、118・・・測位精度予想低下率情報生成プログラム、120・・・最小測位精度予想低下率衛星組選択プログラム、122・・・初期捕捉対象衛星組所属衛星サーチプログラム、124・・・全上空衛星サーチプログラム、126・・・第2測位精度予想低下率情報生成プログラム、128・・・第2最小測位精度予想低下率衛星組選択プログラム、130・・・第2捕捉対象衛星組所属衛星サーチプログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置の測位計算をする端末装置であって、
前記位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報を格納する衛星軌道情報格納手段と、
前記端末装置の概略位置を示す概略位置情報を格納する概略位置情報格納手段と、
前記位置情報衛星が使用する時刻に基づく概略時刻を示す概略時刻情報を格納する概略時刻情報格納手段と、
前記衛星軌道情報と、前記概略位置情報及び前記概略時刻情報とに基づいて、前記端末装置の上空に位置する前記位置情報衛星を示す上空位置情報衛星情報を生成する上空位置情報衛星情報生成手段と、
前記上空位置情報衛星情報に示される前記位置情報衛星の数を示す上空位置情報衛星数情報を生成する上空位置情報衛星数情報生成手段と、
前記上空位置情報衛星数情報に示される前記位置情報衛星の数が、前記端末装置が前記位置関連信号を同時に受信することができる数である受信チャンネル数よりも多いか否かを判断する衛星数評価手段と、
前記受信チャンネル数の前記位置情報衛星で構成される衛星組のすべてについて、前記衛星組を構成する前記位置情報衛星の前記上空における幾何学的配置によって規定される測位精度予測指標を示す測位精度予測指標情報を生成する測位精度予測指標情報生成手段と、
前記測位精度予測指標に基づいて、最初に捕捉する前記衛星組である初期捕捉対象衛星組を選択する初期捕捉対象衛星組選択手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記衛星軌道情報は、前記位置情報衛星の概略衛星軌道を示す概略衛星軌道情報及び/又は前記位置情報衛星の精密衛星軌道を示す精密衛星軌道情報であることを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記初期捕捉対象衛星組を構成する前記位置情報衛星のうち、捕捉に成功した初期捕捉成功位置情報衛星と、前記初期捕捉対象衛星組に含まれない前記上空位置情報衛星とで構成される前記衛星組のすべてについて、前記測位精度予測指標を示す第2測位精度予測指標情報を生成する第2測位精度予測指標情報生成手段と、
前記第2測位精度予測指標に基づいて、第2に捕捉する前記衛星組である第2捕捉対象衛星組を選択する第2捕捉対象衛星組選択手段と、
を有することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の端末装置。
【請求項4】
前記第2捕捉対象衛星組のうち前記初期捕捉成功位置情報衛星以外の前記位置情報衛星を新たに捕捉する位置情報衛星選択捕捉手段を有することを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置の測位計算をする端末装置が、位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報と、前記端末装置の概略位置を示す概略位置情報、及び前記位置情報衛星が使用する時刻に基づく概略時刻を示す概略時刻情報とに基づいて、前記端末装置の上空に位置する前記位置情報衛星を示す上空位置情報衛星情報を生成する上空位置情報衛星情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記上空位置情報衛星情報に示される前記位置情報衛星の数を示す上空位置情報衛星数情報を生成する上空位置情報衛星数情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記上空位置情報衛星数情報に示される前記位置情報衛星の数が、前記端末装置が前記位置関連信号を同時に受信することができる数である受信チャンネル数よりも多いか否かを判断する衛星数評価ステップと、
前記端末装置が、前記受信チャンネル数の前記位置情報衛星で構成される衛星組のすべてについて、前記衛星組を構成する前記位置情報衛星の前記上空における幾何学的配置によって規定される測位精度予測指標を示す測位精度予測指標情報を生成する測位精度予測指標情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記測位精度予測指標情報に示される前記測位精度予測指標に基づいて、最初に捕捉する前記衛星組である初期捕捉対象衛星組を選択する初期捕捉対象衛星組選択ステップと、
を有することを特徴とする端末装置の制御方法。
【請求項6】
コンピュータに、
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置の測位計算をする端末装置が、位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報と、前記端末装置の概略位置を示す概略位置情報、及び前記位置情報衛星が使用する時刻に基づく概略時刻を示す概略時刻情報とに基づいて、前記端末装置の上空に位置する前記位置情報衛星を示す上空位置情報衛星情報を生成する上空位置情報衛星情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記上空位置情報衛星情報に示される前記位置情報衛星の数を示す上空位置情報衛星数情報を生成する上空位置情報衛星数情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記上空位置情報衛星数情報に示される前記位置情報衛星の数が、前記端末装置が前記位置関連信号を同時に受信することができる数である受信チャンネル数よりも多いか否かを判断する衛星数評価ステップと、
前記端末装置が、前記受信チャンネル数の前記位置情報衛星で構成される衛星組のすべてについて、前記衛星組を構成する前記位置情報衛星の前記上空における幾何学的配置によって規定される測位精度予測指標を示す測位精度予測指標情報を生成する測位精度予測指標情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記測位精度予測指標情報に示される前記測位精度予測指標に基づいて、最初に捕捉する前記衛星組である初期捕捉対象衛星組を選択する初期捕捉対象衛星組選択ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラム。
【請求項7】
コンピュータに、
位置情報衛星からの位置関連信号に基づいて現在位置の測位計算をする端末装置が、位置情報衛星の衛星軌道を示す衛星軌道情報と、前記端末装置の概略位置を示す概略位置情報、及び前記位置情報衛星が使用する時刻に基づく概略時刻を示す概略時刻情報とに基づいて、前記端末装置の上空に位置する前記位置情報衛星を示す上空位置情報衛星情報を生成する上空位置情報衛星情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記上空位置情報衛星情報に示される前記位置情報衛星の数を示す上空位置情報衛星数情報を生成する上空位置情報衛星数情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記上空位置情報衛星数情報に示される前記位置情報衛星の数が、前記端末装置が前記位置関連信号を同時に受信することができる数である受信チャンネル数よりも多いか否かを判断する衛星数評価ステップと、
前記端末装置が、前記受信チャンネル数の前記位置情報衛星で構成される衛星組のすべてについて、前記衛星組を構成する前記位置情報衛星の前記上空における幾何学的配置によって規定される測位精度予測指標を示す測位精度予測指標情報を生成する測位精度予測指標情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記測位精度予測指標情報に示される前記測位精度予測指標に基づいて、最初に捕捉する前記衛星組である初期捕捉対象衛星組を選択する初期捕捉対象衛星組選択ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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