説明

端末装置、端末装置の動作方法、及び拡張現実システム

【課題】過去の訪問場所とは異なる場所において、過去の訪問場所で合成されるべき画像を合成する。
【解決手段】端末装置は、取得した位置情報に関連付けて当該位置情報に関する付属情報が記憶された外部サーバに位置情報を送信し、外部サーバから取得した前記付属情報を画像に対して付加して表示する。合成画像生成部141は取得した画像又は当該取得した画像に付属情報を付加した合成画像を生成する。記憶手段は合成画像を再表示用画像として記憶すると共に、所定の前記再表示用画像に付加されるべき前記付属情報を取得するための前記位置情報及び所定の前記再表示用画像に付加されるべき取得済みの付属情報の少なくとも一方を前記所定の再表示用画像に関連付けて記憶する。合成画像生成部141は再表示用画像と、当該再表示用画像又は再表示用画像に関連付けて記憶された位置情報に基づいて外部サーバから取得した付属情報と、に基づいて画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、端末装置の動作方法、及び拡張現実システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラプレビュー画像にコンピュータが作り出す情報を合成して表示することで、ユーザに対して付加情報を与える拡張現実(AR:Augmented Reality)サービスが増加している。
【0003】
具体的には、ARサービスの提供機器は、カメラと連動したアプリケーションの起動に応じて、GPS機能等により位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて外部サーバのデータベースにアクセスし、周辺情報を含んだARタグを外部サーバからダウンロードし、カメラのプレビュー画像にダウンロードしたARタグを合成して表示する。このようにして、ARサービスでは、ユーザに対して実世界における周辺環境に関連した付加情報を提示することが可能になる。例えば、現在地周辺の店舗の広告、現在訪ねている観光地の観光案内、ユーザ自身が待ち合わせのために独自のARタグを残すなどの活用例がある。合成された画像に表示されたARタグを介して、WEBページにアクセス可能とする例もある。
【0004】
特許文献1には、ユーザが実世界の状況に対して仮想的に情報を付与し、ユーザが所望の情報を迅速かつ容易に見つけ出すことを可能とする情報処理システムについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−209784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、現状のARサービスでは、端末の現在位置に関連付けられたARタグしか取得できないため、別の場所へ移動した後には、元の場所で取得できるARタグを再取得することができず、結果として、元の場所で合成される合成画像を別の場所で合成ことができず、利便性に欠けるといった問題がある。
本発明は、過去の訪問場所に行かなくても、過去の訪問場所とは異なる場所において、過去の訪問場所で合成されるべき画像を再合成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる端末装置は、位置情報に関連付けてARタグが記憶された外部サーバに対して位置情報を送信し、前記外部サーバから受信した前記ARタグを画像に対して付加して表示する端末装置であって、当該端末の現在位置の周囲を示す画像を取得する画像取得部と、当該端末の現在位置を示す前記位置情報を取得する位置取得部と、前記位置取得部で取得された前記位置情報を前記外部サーバに送信することで前記外部サーバから前記ARタグを取得するARタグ取得部と、前記画像と、前記ARタグとに基づいて、合成画像を生成する合成画像生成部と、前記画像取得部にて取得された画像又は前記合成画像生成部にて生成された画像を再表示用画像として記憶すると共に、所定の前記再表示用画像に付加されるべき前記ARタグを取得するための前記位置情報及び所定の前記再表示用画像に付加されるべき取得済みの前記ARタグの少なくとも一方を所定の前記再表示用画像に対して関連付けて記憶する記憶手段と、を備え、前記合成画像生成部は、前記再表示用画像と、当該再表示用画像に対して関連付けて記憶された前記位置情報に基づいて前記外部サーバから取得した前記ARタグ又は前記再表示用画像に対して関連付けて記憶された前記ARタグと、に基づいて画像を生成する。
【0008】
また本発明にかかる端末装置の動作方法は、位置情報に対して関連付けて当該位置情報に関するARタグが記憶された外部サーバに対して前記位置情報を送信し、前記外部サーバから受信した前記ARタグを画像に対して付加して表示する端末装置の動作方法であって、取得した画像又は当該取得した画像に対して前記ARタグを付加した合成画像を再表示用画像として記憶し、所定の前記再表示用画像に付加されるべき前記ARタグを取得するための前記位置情報及び所定の前記再表示用画像に付加されるべき取得済みの前記ARタグの少なくとも一方を前記所定の再表示用画像に対して関連付けて記憶し、前記再表示用画像と、当該再表示用画像に対して関連付けて記憶された前記位置情報に基づいて前記外部サーバから取得した前記ARタグ又は前記再表示用画像に対して関連付けて記憶された前記付属画像と、に基づいて画像を生成する。
【0009】
また本発明にかかるシステムは、位置情報に関連付けてARタグが記憶された外部サーバと、前記外部サーバに対して位置情報を送信し、前記外部サーバから受信した前記ARタグを画像に対して付加して表示する端末装置と、を備えるシステムであって、前記端末装置は、当該端末の現在位置の周囲を示す画像を取得する画像取得部と、当該端末の現在位置を示す前記位置情報を取得する位置取得部と、前記位置取得部で取得された前記位置情報を前記外部サーバに送信することで前記外部サーバから前記ARタグを取得するARタグ取得部と、前記画像と、前記ARタグとに基づいて、合成画像を生成する合成画像生成部と、前記画像取得部にて取得された画像又は前記合成画像生成部にて生成された画像を再表示用画像として記憶すると共に、所定の前記再表示用画像に付加されるべき前記ARタグを取得するための前記位置情報及び所定の前記再表示用画像に付加されるべき取得済みの前記ARタグの少なくとも一方を所定の前記再表示用画像に対して関連付けて記憶する記憶手段と、を備え、前記合成画像生成部は、前記再表示用画像と、当該再表示用画像に対して関連付けて記憶された前記位置情報に基づいて前記外部サーバから取得した前記ARタグ又は前記再表示用画像に対して関連付けて記憶された前記ARタグと、に基づいて画像を生成する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、過去の訪問場所に行かなくても、過去の訪問場所とは異なる場所において、過去の訪問場所で合成されるべき画像を再合成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1にかかる拡張現実システムのブロック図である。
【図2A】実施の形態1にかかる位置情報を記憶するテーブルである。
【図2B】実施の形態1にかかる合成画像データを記憶するテーブルである。
【図3】実施の形態1にかかる時間毎のモード切り替え図である。
【図4】実施の形態1にかかる表示モードのフローチャートである。
【図5】実施の形態1にかかる録画モードのフローチャートである。
【図6】実施の形態1にかかる再生モードのフローチャートである。
【図7】実施の形態2にかかる拡張現実システムのブロック図である。
【図8】実施の形態2にかかる元の画像データを記憶するテーブルである。
【図9】実施の形態2にかかる録画モードのフローチャートである。
【図10】実施の形態2にかかる再生モードのフローチャートである。
【図11】実施の形態3にかかる拡張現実システムのブロック図である。
【図12】実施の形態3にかかるARタグを記憶するテーブルである。
【図13】実施の形態3にかかる録画モードのフローチャートである。
【図14】実施の形態3にかかる再生モードのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、拡張現実システム(AR録画再生システム)1のブロック図である。以下、図1を用いて説明する。
【0013】
図1に示すように、拡張現実システム1は、端末装置100、及びデータサーバ200を有する。端末装置100は、ARサービスを実行可能な携帯電話(移動型通信端末)である。データサーバ200は、位置情報とARタグ(付属情報)とを関連付けた態様にて記憶したデータベースを有する。換言すると、左記したデータベースが格納されたデータベースサーバである。データサーバ20は、端末装置100から位置情報を受信すると、受信した位置情報に関連するARタグを受信した位置情報に基づいて検索し、検索によりヒットしたARタグを端末装置100に対して送信する。
【0014】
図1に示すように、端末装置100は、操作部110、アプリケーション部111、画像取得部120、位置情報処理部130、ARタグ取得部133、合成処理部14、表示部145、記憶部150、及び通話機能部170を有する。端末装置100は、図示しない現在時刻取得手段を内蔵するものとする。
【0015】
操作部110は、ユーザ操作に応じた指示を入力する入力手段である。典型的には、操作部110は、キーボード、ポインティングデバイス、あるいはタッチパネルで構成されるが、これらの例に限られない。本例では、ユーザは、操作部110の操作により、端末装置100の動作モードを選択することができる。後述の説明から明らかなように、本例において、表示モード、録画モード、及び再生モードが設定されているが、これに限られるものではない。操作部110は、操作信号をアプリケーション部111に出力する。
【0016】
アプリケーション部111は、入力された操作信号に基づいて制御信号を生成し、端末装置100の動作を制御する制御部である。アプリケーション部111は、画像取得部120、位置情報処理部130、ARタグ取得部133、合成処理部14、および記憶部150に対して、生成した制御信号を出力する。アプリケーション部111は、例えば、プログラムがCPUにより実行されることで具現化される。
【0017】
画像取得部120は、一般的な画像取得装置(カメラ等)であり、端末装置100の周囲の風景を撮影し、画像データを取得する(以下、この取得した画像データを、単に取得画像と呼ぶことがある)。画像取得部120は、操作部110において表示モードまたは録画モードが選択された場合、撮影を開始し、画像を取得する。画像取得部120が連続的に取得する個々の画像データは、画像処理が施され、一つの画像データとして取り扱われる。画像取得部120は、取得した画像データを合成画像生成部141に出力する。
【0018】
位置情報処理部130は、位置情報取得部131、および位置情報記憶部132を有する。位置情報処理部130は、アプリケーション部111から入力される制御信号に基づいて動作する。
【0019】
位置情報取得部131は、端末装置100の現在位置を示す位置情報(位置データ)を取得する。位置情報取得部131は、典型的にはGPS(Global Positioning System)の機能を有している。例えば、位置情報取得部131は、アンテナを備え、該アンテナを介して3箇所以上のGPS衛星と通信を行うことにより、端末装置100の現在地を算出する。例えば、位置情報取得部131は、表示モードと録画モードにおいて位置情報を取得する。位置情報取得部131は、取得した位置情報を、位置情報記憶部132と、ARタグ取得部133に出力する。
【0020】
位置情報記憶部132は、位置情報取得部131から供給された位置情報、及びその位置情報の取得時刻を関連付けて記憶する。詳細には、位置情報記憶部132は、位置情報取得部131から供給された位置情報と、その位置情報が位置情報取得部131により取得された時刻と、を関連付けてテーブルに記憶する。図2は、位置情報記憶部132が有するテーブルの例である。図2に示すように、位置情報は、その位置情報の取得時刻と関連付けられてテーブルに記憶されている。位置情報記憶部132は、記憶した位置情報に関する情報を、合成処理部14、及び記憶部150に出力する。位置情報記憶部132は、再生モードの場合、記憶した位置情報をARタグ取得部133に出力する。
位置情報記憶部132は、例えば、メモリやハードディスクドライブや、端末装置100に外付けで接続する記憶媒体であり、記憶手段はこれに限られない。
【0021】
ARタグ取得部133は、位置情報送信部134、及びARタグ受信部135を有する。ARタグ取得部133は、取得されている位置情報を外部サーバに送信することでARタグを取得する。
【0022】
位置情報送信部134は、位置情報取得部131から供給された位置情報をデータサーバ200に対して送信する。位置情報送信部134は、要求するARタグの詳細レベルについてデータサーバ200に送信することが望ましい。例えば、位置情報送信部134は、ショートメッセージやリンクアドレスが記載されている簡易なARタグを要求するのか、より詳細な情報が記載されたARタグを要求するのかを示す信号をデータサーバ200対して送信する。
【0023】
ARタグ受信部135は、データサーバ200から送信されたARタグを受信する。ARタグ受信部135は、受信したARタグを合成画像生成部141に出力する。
【0024】
合成処理部14は、合成画像生成部141、エンコーダ142、及びデコーダ143、を有する。合成処理部14は、アプリケーション部111から入力される制御信号に基づいて動作する。
【0025】
合成画像生成部141は、画像取得部120から供給される画像データと、ARタグ取得部133から供給されるARタグとに基づいて合成画像データ(以下、単に合成画像と呼ぶこともある)を生成する。合成画像生成部141は、エンコーダ142と、表示部145に、生成した合成画像を出力する。
【0026】
エンコーダ142は、合成画像生成部141で生成された合成画像データをエンコードする。エンコーダ142のエンコード方式は任意である。エンコーダ142によるエンコードは、ハードウェアにより実現してもよく、ソフトウェアにより実現してもよい。エンコーダ142は、エンコードした画像データを記憶部150に出力する。
【0027】
デコーダ143は、記憶部150に記憶されている合成画像データのデコードを実行する。デコーダ143がデコードした合成画像データは、合成画像生成部141に供給される。デコーダ143による合成画像データのデコードにより、エンコードされた状態で記憶部150に保存された合成画像は、表示部145において表示可能な形式となる。
【0028】
表示部145は、一般的な表示装置(液晶表示装置等)であり、合成画像生成部141により生成された合成画像を表示する。ユーザは、表示モードや録画モードにおいて、表示部145を見ることで、実世界の取得画像にARタグが付加されている状態を確認することができる。
【0029】
記憶部150は、アプリケーション部111による制御に応じて、合成処理部14から出力されたエンコード済みの合成画像を再表示用画像として記憶する。このとき、記憶部150は、順次記憶する合成画像を、その合成画像が生成される元となった取得画像の取得時刻に対応づけて記憶する。これによって、記憶部150に順次書き込まれる合成画像は、位置情報記憶部132に順次書き込まれる位置情報に対して、時刻を基準として関連付けられる。なお、合成画像に関連付けて記憶される時刻情報は、年月日、時分秒を示すものとする。記憶部150は、例えば、メモリやハードディスクドライブや、端末装置100に外付けで接続する記憶媒体である。
【0030】
通話機能部170は、外部に設けられた通信機器との通信を行う。例えば、通話機能部170は、他の端末装置に対して音声信号の送受信を行うほか、メールなどの送受信を行ってもよい。
【0031】
次に、拡張現実システム1の動作について説明する。例えば、ユーザは、図3に示すように、時間経過に応じて、表示モード、録画モード、再生モードを順に切り替えて使用する。ユーザは、時刻t1において表示モードを開始し、時刻t2において表示モードから録画モードに切り替え、時刻t3において録画モードを終了させる。また、ユーザは、時刻t4において再生モードを開始する。以下、表示モード、録画モード、再生モードのそれぞれの動作手順について、図4乃至図6を参照して説明する。
【0032】
図4に、表示モードにおける動作フローを示す。まず、ユーザは、表示モードを選択する(ST1)。ユーザは、操作部110を操作することにより、アプリケーション選択画面を起動し、表示モードを選択する。アプリケーション部111は、ユーザによる表示モードの選択に基づき、取得画像に対してARタグを合成して表示させるための各機能部の制御を開始する。
【0033】
次に、端末装置100は、撮影を開始し、ARタグの取得動作を開始する(ST2)。具体的には、アプリケーション部111は、画像取得部120に対して周囲の風景の撮影を指示する。アプリケーション部111は、位置情報取得部131に対して、当該端末装置100の現在位置の取得を指示する。アプリケーション部111は、位置情報送信部134に対して、位置情報取得部131で取得された位置情報をデータサーバ200に送信するように指示する。位置情報送信部134からデータサーバ200に対して位置情報が送信されると、データサーバ200は、受信した位置情報に基づいてARタグを検索し、受信した位置情報に対して予め関連付けられたARタグを端末装置100に対して返信する。このようにして、ARタグ受信部135は、データサーバ200からARタグを受信する。ARタグ受信部135が受信するARタグには、例えば、ショートメッセージ、URL等が記載されている。
【0034】
次に、合成処理部14は、取得画像とARタグに基づいて合成画像を生成する(ST3)。具体的には、合成画像生成部141は、画像取得部120から順次供給される取得画像データに対して、ARタグ受信部135から順次供給されるARタグを付加して新しい画像データを生成する。合成画像生成部141により合成処理される取得画像とARタグとは、地球上の位置において互いに連関している。ARタグは、端末100の現在位置に関連した情報を示すため、取得画像に対してARタグを付加することによって、周囲の風景とこれに関連する情報とが一体となった表示を提供することが可能になる。
【0035】
次に、合成画像が表示される(ST4)。具体的には、表示部145は、合成画像生成部141から供給される合成画像データに基づいて画像を表示する。
【0036】
図5は、録画モードにおける動作フローを示す。
【0037】
まず、録画モードが開始する(ST10)。具体的には、ユーザは、上述のステップST1のモード選択の場合と同様、操作部110を操作することにより、アプリケーション選択画面を起動して録画モードを選択する。アプリケーション部111は、ユーザによる録画モードの選択に基づき、後述するように各機能部を制御する。
【0038】
次に、撮影、ARタグの取得動作が開始し、かつ位置情報とその取得時刻の記憶が実行される(ST20)。端末装置100は、上述のステップST2と同様、画像取得を開始する。これと並行して、端末装置100は、取得画像データの取得時刻を順次記憶する。端末装置100は、上述のステップST2と同様、ARタグの取得動作を開始する。端末装置100は、図2(a)に示したように、順次取得する位置情報と、その取得時刻とを関連づけて記憶する。具体的には、位置情報取得部131は、取得した位置情報を、その取得時間と共に位置情報記憶部132に対して書き込む。
【0039】
次に、上述のステップST3と同様、合成処理部14は、取得画像とARタグに基づいて合成画像を生成する(ST30)。合成画像が生成されると、上述のステップST3と同様に、表示部145によって合成画像が表示される。
【0040】
次に、エンコードする(ST40)。具体的には、エンコーダ142は、合成画像生成部141から供給されるデータをエンコードする。
次に、エンコードされた合成画像データを時刻と関連付けて記憶する(ST50)。具体的には、合成処理部14は、図2Bに示すように、合成画像データと時刻とを関連付けて記憶する。なお、合成画像データと関連付けられる時刻は、合成画像データを生成する元となった取得画像データが取得された時刻である。
【0041】
上述のステップを経ることによって、位置情報記憶部132には、図2(a)に示すテーブルが格納された状態になり、記憶部150には、図2(b)に示すテーブルが可能された状態になる。このように時刻に対応づけて、合成画像と位置情報とを関連付けて記憶することによって、後述の説明から明らかなように、異なる場所へ移動した後であっても、元の場所にて合成されるべき合成画像を再合成することが可能になる。
【0042】
図6は、再生モードの動作フローを示す。まず、再生モードが開始する(ST110)。具体的には、上述のステップST1のモード選択の場合と同様、ユーザによる操作部110の操作によって、再生モードが選択される。時刻t4は、例えば、録画を行ったt2〜t3の後日の任意の時刻である。アプリケーション部111は、ユーザによる再生モードの選択に基づき、後述のように各機能部を制御する。
【0043】
まず、記憶された合成画像データをデコードする(ST120)。デコーダ143は、アプリケーションからの制御信号に基づき、記憶部150に記憶されている再表示用画像をデコードする(ST120)。記憶部150に記憶されている合成画像はエンコードされた状態であり、デコーダ143がデコードすることにより、合成画像は視聴可能な状態となる。
【0044】
次に、デコード対象となっている合成画像に対して関連付けられた位置情報を特定する(ST130)。具体的には、アプリケーション部111は、図2(b)に示す対応関係に基づいて、デコード対象の合成画像データに関連する時刻を取得する。次に、アプリケーション部111は、位置情報記憶部132に格納された図2(a)に示す対応関係に基づいて、上述のように取得した時刻に対応する位置情報を特定する。
【0045】
次に、ARタグの取得動作が開始する(ST140)。具体的には、アプリケーション部111により上述のように特定された位置情報は、位置情報記憶部132から位置情報送信部134に転送される。そして、上述の同様の仕組みにより、ARタグ受信部135は、位置情報送信部134が送信した位置情報に対して関連付けられたARタグを受信する。なお、ここで、受信されるARタグは、既に合成画像に付加されたタグ情報よりも詳細な情報を示すものとする。
【0046】
次に、合成画像データを生成する(ST150)。具体的には、合成画像生成部141は、デコーダ143から供給される画像データに対して、データサーバ200からダウンロードしたARタグを付加した合成画像データを生成する。合成画像生成部141によって処理される画像データは、過去のある時点において撮影された画像データが元になって合成された画像データである。また、合成画像生成部によって処理されるARタグは、過去のある時点において取得された位置情報に基づいてデータサーバ200から取得可能な付属情報である。このように時間基準で互いに連関した画像データと位置情報とを保存することによって、事後的に合成画像を生成する場合であっても、画像データとARタグ間の組み合わせのミスマッチを回避し、適切な合成画像を生成することが可能になる。
【0047】
なお、時間を基準とした関連付けの具体的な態様は任意である。画像データとARタグ間の組み合わせに誤りが生じることを抑制した程度にて、画像データと位置情報との関連付けを行えば良い。
【0048】
次に、合成画像を表示する(ST160)。合成画像の表示方法については、上述の説明と同様である。これによって、過去のある時点とは異なる場所にいても、その過去の時点において生成されるべき合成画像を生成することが可能になり、ARサービスの利便性を効果的に高めることが可能になる。
【0049】
上述の説明から明らかなように、本実施形態にかかる端末装置100は、録画モードのとき、現在位置を示す位置情報を現在時刻に関連付けて記憶し、かつ、現在表示されるべき合成画像を現在時刻(ここでは、一例として、その合成画像データの元となる画像データの取得時刻)に関連付けて記憶する。再生モードのとき、端末装置100は、記憶された合成画像データに関連づけられた時刻に基づいて位置情報を取得し、この位置情報に基づいてARタグを取得し、このARタグと先に述べた合成画像データとに基づいて新たに合成画像を生成する。この構成を採用することによって、過去のある時点とは異なる場所にいても、その過去の時点において生成されるべき合成画像を生成することが可能になり、ARサービスの利便性を効果的に高めることが可能になる。また、ユーザは、データサーバ200から、最新のARタグや、詳細なARタグを受信して、これに基づいて合成画像を視聴することが可能になる。
【0050】
録画モードのとき、位置情報取得部131は、位置情報を随時取得し、位置情報記憶部132には、該位置情報がその取得時刻とともに記憶される。したがって、録画モード時、ユーザが移動しながら撮影したとしても問題はない。
【0051】
実施の形態2
以下、実施の形態2について、図7乃至図10を参照して説明する。図7は、拡張現実システム(AR録画再生システム)2のブロック図である。実施の形態1と重複する説明は省略する。
【0052】
本実施形態では、実施の形態1とは異なり、記憶部150に記憶される再表示用画像データは、ARタグ付加前の元画像データである。図7に示すように、本実施形態では、実施の形態1とは異なり画像取得部120で取得された元画像が、エンコーダ142でエンコードされ、記憶部150で記憶される。このような場合であっても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。なお、実施の形態1の場合とは異なり、本実施形態では、記憶部150は、図8に示すテーブルを格納することになる。また、本実施形態では、図9及び図10に示すようなフローが実施される。
【0053】
以下、簡単に補足説明する。記憶部150は、図8に模式的に示すように時刻に対応づけて元の画像データを記憶する。なお、画像データに関連付けて記憶される時刻は、画像データの取得時刻に対応する。
【0054】
図9に示すように、ステップST210において、実施の形態1に示したステップST10と同様、録画モードを開始する。ステップST220において、ステップST20と同様、撮影、ARタグの取得動作が開始し、かつ位置情報とその取得時刻の記憶が実行される。ステップS230において、ステップST30と同様、合成処理部14は、取得画像とARタグに基づいて合成画像を生成する。実施の形態1とは異なり、ステップST240にて、元の画像データをエンコードする。その後、ステップST250にて、エンコードされた元の画像データと、その元の画像データの取得時刻とを関連付けて記憶する。
【0055】
図10に示すように、ステップST310において、実施の形態1に示したステップST110と同様、再生モードを開始する。実施の形態1とは異なり、ST320にて元の画像データをデコードする。ST330については、実施の形態1と同様にして位置情報を特定する。つまり、図8に示すように、表示対象となっている画像データに関連付けられた時刻を特定し、この時刻に基づいて、実施の形態1と同様の手法によって位置情報を取得する。ステップST340において、ステップST140と同様、ARタグの取得動作を開始する。ステップST350において、ステップST150と同様、合成画像データを生成する。ステップST360において、ステップST160と同様、合成画像を表示する。
【0056】
本実施形態によれば、過去に合成画像に取り込まれた古いARタグによって示される古い情報を排除することができ、過去に訪ねた地点に関連する最新のARタグを取り込むことが可能になる。また、記憶部150で記憶される画像データにはARタグに応じてデータ容量が含まれないため、記憶部150の空き容量の消費を低減することが可能になる。
【0057】
実施の形態3
以下、図11乃至図14を参照して、実施の形態3について説明する。図11は、拡張現実システム(AR録画再生システム)3のブロック図である。
【0058】
本実施形態では、実施の形態2とは異なり、位置情報を時刻に関連付けて記憶することに代えて、位置情報に基づいてデータサーバ200からダウンロードしたARタグを時刻に関連付けて記憶する。これによって、記憶部150に記憶される合成画像データには、時刻によってARタグ自体が関連づけられることになる。この場合、実施の形態2のように再度ARタグをダウンロードする必要はなく、再合成時間に要する時間を短縮することができる。
【0059】
図11に示すように、位置情報記憶部132に代えて、ARタグ記憶部136が設けられている。ARタグ記憶部136は、図12に示すように、順次データサーバ200からARタグ受信部135が受信するARタグを時刻に関連づけて記憶する。なお、ARタグに関連づけられて記憶される時刻は、このARタグが付加されるべき元の画像の取得時刻であることが望ましい。ただし、ARタグを取得した時刻、ARタグを取得するために位置情報を送信した時刻等であっても構わない。この場合にも、元の画像とARタグ間の対応関係を信頼性良く維持することができる。ARタグ記憶部136は、記憶したARタグに関する情報を、記憶部150に出力する。ARタグ記憶部136は、再生モードの場合、記憶したARタグを合成処理部144に出力する。
【0060】
図13に、録画モード時に実行されるステップを示す。図13に示すように、ステップST410において、実施の形態2に示したステップST210と同様、録画モードを開始する。ステップST420において、実施の形態2と同様の動作(撮影、ARタグ取得動作)を行うと共に、ARタグ受信部135が受信したARタグは、上記説明した時刻と関連付けられて記憶される。ステップST430において、ステップST230と同様、合成処理部14は、取得画像とARタグに基づいて合成画像を生成する。ステップST440において、ステップST240と同様、元の画像データをエンコードする。ステップST450において、ステップST250と同様、エンコードされた元の画像データと、その元の画像データの取得時刻とを関連付けて記憶する。
【0061】
図14に、再生モード時に実行されるステップを示す。図14に示すように、ステップS510において、ステップST310と同様に、再生モードを開始する。ステップS520において、ステップST320と同様、元の画像データをデコードする。ステップST530において、元の画像データに対応するARタグを特定する。具体的には、上述の実施形態と同様に、再表示対象となっている元の画像に関連付けられた時刻に基づいて(図8参照)、その時刻に関連付けられたARタグを特定する(図12参照)。ステップST540において、ステップST350と同様、合成画像データを生成する。ステップST550において、ステップST360と同様、合成画像を表示する。
【0062】
本実施形態では、実施の形態2のように再度ARタグをダウンロードする必要はなく、再合成時間に要する時間を短縮することができる。
【0063】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上記では位置情報記憶部132において、録画モードにおいて、録画モード開始からの時刻と位置情報とを、テーブル状にして記録することとしたが、記録形式はこの形式に限られない。また記憶部150と、位置情報記憶部132とARタグ記憶部136は、別の記憶部として記載したが、同一の記憶手段であっても良い。
【符号の説明】
【0064】
1 拡張現実システム
2 拡張現実システム
3 拡張現実システム
100 端末装置
110 操作部
111 アプリケーション部
120 画像取得部
130 位置情報処理部
131 位置情報取得部
132 位置情報記憶部
133 ARタグ取得部
134 位置情報送信部
135 ARタグ受信部
136 ARタグ記憶部
14 合成処理部
141 合成画像生成部
142 エンコーダ
143 デコーダ
145 表示部
150 記憶部
170 通話機能部
200 データサーバ
300 端末装置
400 端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報に関連付けて付属情報が記憶された外部サーバに対して位置情報を送信し、前記外部サーバから受信した前記付属情報を画像に対して付加して表示する端末装置であって、
当該端末の現在位置の周囲を示す画像を取得する画像取得部と、
当該端末の現在位置を示す前記位置情報を取得する位置取得部と、
前記位置取得部で取得された前記位置情報を前記外部サーバに送信することで前記外部サーバから前記付属情報を取得する付属情報取得部と、
前記画像と、前記付属情報とに基づいて、合成画像を生成する合成画像生成部と、
前記画像取得部にて取得された画像又は前記合成画像生成部にて生成された画像を再表示用画像として記憶すると共に、所定の前記再表示用画像に付加されるべき前記付属情報を取得するための前記位置情報及び所定の前記再表示用画像に付加されるべき取得済みの前記付属情報の少なくとも一方を所定の前記再表示用画像に対して関連付けて記憶する記憶手段と、を備え、
前記合成画像生成部は、前記再表示用画像と、当該再表示用画像に対して関連付けて記憶された前記位置情報に基づいて前記外部サーバから取得した前記付属情報又は前記再表示用画像に対して関連付けて記憶された前記付属情報と、に基づいて画像を生成する、端末装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記合成画像生成部にて生成された画像を再表示用画像として記憶すると共に、所定の前記再表示用画像に付加されるべき前記付属情報を取得するための前記位置情報を所定の前記再表示用画像に対して関連付けて記憶し、
前記合成画像生成部は、前記記憶手段に記憶された前記再表示用画像と、当該再表示用画像に対して関連付けて記憶された前記位置情報に基づいて前記外部サーバから取得した前記付属情報と、に基づいて画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、時間経過に応じて順次取得される前記位置情報又は前記付属情報を夫々の取得時刻で管理することを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記付属情報はARタグであり、
前記付属情報取得部は、
前記位置取得部で取得された位置情報を送信する位置情報送信部と、
前記位置情報に基づくARタグを前記外部サーバから受信するARタグ受信部と、を備える請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項5】
位置情報に対して関連付けて当該位置情報に関する付属情報が記憶された外部サーバに対して前記位置情報を送信し、前記外部サーバから受信した前記付属情報を画像に対して付加して表示する端末装置の動作方法であって、
取得した画像又は当該取得した画像に対して前記付属情報を付加した合成画像を再表示用画像として記憶し、
所定の前記再表示用画像に付加されるべき前記付属情報を取得するための前記位置情報及び所定の前記再表示用画像に付加されるべき取得済みの前記付属情報の少なくとも一方を前記所定の再表示用画像に対して関連付けて記憶し、
前記再表示用画像と、当該再表示用画像に対して関連付けて記憶された前記位置情報に基づいて前記外部サーバから取得した前記付属情報又は前記再表示用画像に対して関連付けて記憶された前記付属画像と、に基づいて画像を生成する、端末装置の動作方法。
【請求項6】
位置情報に関連付けて付属情報が記憶された外部サーバと、
前記外部サーバに対して位置情報を送信し、前記外部サーバから受信した前記付属情報を画像に対して付加して表示する端末装置と、を備えるシステムであって、
前記端末装置は、
当該端末の現在位置の周囲を示す画像を取得する画像取得部と、
当該端末の現在位置を示す前記位置情報を取得する位置取得部と、
前記位置取得部で取得された前記位置情報を前記外部サーバに送信することで前記外部サーバから前記付属情報を取得する付属情報取得部と、
前記画像と、前記付属情報とに基づいて、合成画像を生成する合成画像生成部と、
前記画像取得部にて取得された画像又は前記合成画像生成部にて生成された画像を再表示用画像として記憶すると共に、所定の前記再表示用画像に付加されるべき前記付属情報を取得するための前記位置情報及び所定の前記再表示用画像に付加されるべき取得済みの前記付属情報の少なくとも一方を所定の前記再表示用画像に対して関連付けて記憶する記憶手段と、を備え、
前記合成画像生成部は、前記再表示用画像と、当該再表示用画像に対して関連付けて記憶された前記位置情報に基づいて前記外部サーバから取得した前記付属情報又は前記再表示用画像に対して関連付けて記憶された前記付属情報と、に基づいて画像を生成する、システム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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