説明

端末装置及び通信プログラム及び通信システム及び通信方法

【課題】例えば、ネットワーク上で品物の売買を行う際に、ネットワークの匿名性を活かしながらも、品物の出品者や(購入)希望者が互いに安心して納得のいく売買を行いやすい仕組みを提供することを目的とする。
【解決手段】品物の出品者が利用する出品者端末装置100において、第1入力部111は映像及び音声を入力する。第1送信部112は第1入力部111により入力された映像及び音声を希望者が利用する希望者端末装置に送信する。第1受信部113は希望者端末装置から映像及び音声を受信する。第1出力部114は第1受信部113により受信された映像及び音声を出力する。合成部115は第1送信部112により送信された音声と第1受信部113により受信された音声とを合成する。転送部116は第1送信部112により送信された映像と合成部115により合成された音声とをストリーミングサーバ装置に転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置及び通信プログラム及び通信システム及び通信方法に関するものである。本発明は、特に、ネットワーク上で品物の売買などを行うための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上で物品の売り買いを行うシステムとしては、インターネットショップや、インターネットオークションといったものが一般的に利用されている。また、生中継ストリーミング技術を利用し、リアルタイムにインターネットオークションを行う方法が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−296610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、インターネットを利用して、ある物品を入手したいと思うと、インターネットショップや、インターネットオークションを利用することができたが、これらで扱われる物品は商業的価値が認識されやすい物品であることが前提である。世の中には、捨てるには忍びない、もったいない物品があふれているが、これらの流通手段は皆無ではないにしろ、非常に少ないため、もったいないながらも廃棄される運命にある。従来のオークション、逆オークションなどの売り買いシステムでは、このような物品を売り買いするのには不便な点があった。また、インターネット上では、物品の売り買いを誰もが容易に、匿名で行えるという利点がある一方、物品を売った(送った)にもかかわらず代金が支払われなかったり、物品を買った(代金を支払った)にもかかわらず物品が届かなかったり、実際に物品が届いても期待していたものとはまったく違うものであったり、などとその匿名性ゆえに様々なトラブルも起こっている。従来の売り買いシステムでは、このように、インターネットの匿名性を活かしながらも、ユーザが安心して納得のいく物品の売り買いをすることができないという課題があった。
【0004】
本発明は、例えば、ネットワーク上で品物の売買を行う際に、ネットワークの匿名性を活かしながらも、品物の出品者や(購入)希望者が互いに安心して納得のいく売買を行いやすい仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る端末装置は、
映像及び音声を入力装置により入力する第1入力部と、
前記第1入力部により入力された映像及び音声を他の端末装置に送信する第1送信部と、
前記他の端末装置により送信される映像及び音声を受信する第1受信部と、
前記第1受信部により受信された映像及び音声を出力装置により出力する第1出力部と、
前記第1送信部により送信された音声と前記第1受信部により受信された音声とを処理装置により合成する合成部と、
前記第1送信部により送信された映像と前記合成部により合成された音声とを、映像及び音声をストリーミング配信するストリーミングサーバ装置に転送する転送部とを有することを特徴とする。
【0006】
前記第1送信部は、前記第1入力部により入力された映像及び音声を他の複数の端末装置に送信し、
前記第1受信部は、前記複数の端末装置により送信される映像及び音声を受信し、
前記第1出力部は、前記第1受信部により受信された前記複数の端末装置の映像及び音声を出力装置により出力し、
前記合成部は、前記第1送信部により送信された音声と前記第1受信部により受信された前記複数の端末装置の音声とを合成する。
【0007】
前記端末装置は、前記他の端末装置と互いにP2P(ピアツーピア)接続して映像及び音声を送受信する。
【0008】
前記第1入力部は、品物の映像及び前記品物の出品者の音声を入力し、
前記第1受信部は、前記品物の希望者の映像及び前記希望者の音声を受信する。
【0009】
本発明に係る通信プログラムは、
端末装置の第1入力部が、映像及び音声を入力装置により入力する第1入力ステップと、
前記端末装置の第1送信部が、前記第1入力ステップにより入力された映像及び音声を他の端末装置に送信する第1送信ステップと、
前記端末装置の第1受信部が、前記他の端末装置により送信される映像及び音声を受信する第1受信ステップと、
前記端末装置の第1出力部が、前記第1受信ステップにより受信された映像及び音声を出力装置により出力する第1出力ステップと、
前記端末装置の合成部が、前記第1送信ステップにより送信された音声と前記第1受信ステップにより受信された音声とを処理装置により合成する合成ステップと、
前記端末装置の転送部が、前記第1送信ステップにより送信された映像と前記合成ステップにより合成された音声とを、映像及び音声をストリーミング配信するストリーミングサーバ装置に転送する転送ステップとをコンピュータに実行させる。
【0010】
前記第1送信ステップは、前記端末装置の第1送信部が、前記第1入力ステップにより入力された映像及び音声を他の複数の端末装置に送信し、
前記第1受信ステップは、前記端末装置の第1受信部が、前記複数の端末装置により送信される映像及び音声を受信し、
前記第1出力ステップは、前記端末装置の第1出力部が、前記第1受信ステップにより受信された前記複数の端末装置の映像及び音声を出力装置により出力し、
前記合成ステップは、前記端末装置の合成部が、前記第1送信ステップにより送信された音声と前記第1受信ステップにより受信された前記複数の端末装置の音声とを合成する。
【0011】
前記通信プログラムは、前記端末装置と前記他の端末装置とを互いにP2P(ピアツーピア)接続させて映像及び音声を送受信する。
【0012】
前記第1入力ステップは、前記端末装置の第1入力部が、品物の映像及び前記品物の出品者の音声を入力し、
前記第1受信ステップは、前記端末装置の第1受信部が、前記品物の希望者の映像及び前記希望者の音声を受信する。
【0013】
本発明に係る通信システムは、
映像及び音声を互いに送受信する第1端末装置と第2端末装置と、映像及び音声をストリーミング配信するストリーミングサーバ装置とを備える通信システムにおいて、
前記第1端末装置は、
映像及び音声を入力する第1入力部と、前記第1入力部により入力された映像及び音声を前記第2端末装置に送信する第1送信部と、前記第2端末装置により送信される映像及び音声を受信する第1受信部と、前記第1受信部により受信された映像及び音声を出力する第1出力部と、前記第1送信部により送信された音声と前記第1受信部により受信された音声とを合成する合成部と、前記第1送信部により送信された映像と前記合成部により合成された音声とを前記ストリーミングサーバ装置に転送する転送部とを有し、
前記第2端末装置は、
映像及び音声を入力する第2入力部と、前記第2入力部により入力された映像及び音声を前記第1端末装置の第1受信部に送信する第2送信部と、前記第1端末装置の第1送信部により送信された映像及び音声を受信する第2受信部と、前記第2受信部により受信された映像及び音声を出力する第2出力部とを有し、
前記ストリーミングサーバ装置は、
前記第1端末装置の転送部により転送された映像及び音声を受信するサーバ受信部と、前記サーバ受信部により受信された映像及び音声をストリーミング配信するサーバ配信部とを有することを特徴とする。
【0014】
前記通信システムは、前記第1端末装置を複数備えるとともに、前記ストリーミングサーバ装置のサーバ配信部によりストリーミング配信されている映像及び音声を利用する第3端末装置を備え、
前記ストリーミングサーバ装置のサーバ配信部は、前記サーバ受信部により受信された各第1端末装置の映像及び音声を第1端末装置ごとに異なる複数のチャネル上でストリーミング配信し、
前記第3端末装置は、
前記複数のチャネルのうち、任意のチャネルを選択する選択部と、前記選択部により選択されたチャネル上で前記ストリーミングサーバ装置のサーバ配信部によりストリーミング配信されている映像及び音声を出力する第3出力部とを有する。
【0015】
前記通信システムは、前記第2端末装置を複数備え、
複数の第2端末装置のうち、前記第1端末装置と接続している第2端末装置は、前記第1端末装置と互いに映像及び音声を送受信し、
前記複数の第2端末装置のうち、前記第1端末装置と接続していない第2端末装置は、前記ストリーミングサーバ装置のサーバ配信部によりストリーミング配信されている映像及び音声を利用する。
【0016】
前記通信システムは、前記第2端末装置を複数備え、
前記第1端末装置の合成部は、前記第1送信部により送信された音声と前記第1受信部により受信された複数の第2端末装置の音声とを合成する。
【0017】
前記第1端末装置と前記第2端末装置とは、互いにP2P(ピアツーピア)接続して映像及び音声を送受信する。
【0018】
前記第1端末装置の第1入力部は、品物の映像及び前記品物の出品者の音声を入力し、
前記第2端末装置の第2入力部は、前記品物の希望者の映像及び前記希望者の音声を入力する。
【0019】
また、本発明に係る通信システムは、
映像及び音声の少なくともいずれかのデータを互いに送受信する第1端末装置と第2端末装置と、映像及び音声の少なくともいずれかのデータをストリーミング配信するストリーミングサーバ装置とを備える通信システムにおいて、
前記第1端末装置は、
映像及び音声の少なくともいずれかのデータを入力する第1入力部と、前記第1入力部により入力されたデータを前記第2端末装置に送信する第1送信部と、前記第2端末装置により送信される映像及び音声の少なくともいずれかのデータを受信する第1受信部と、前記第1受信部により受信されたデータを出力する第1出力部と、前記第1送信部により送信されたデータと前記第1受信部により受信されたデータとを前記ストリーミングサーバ装置に転送する転送部とを有し、
前記第2端末装置は、
映像及び音声の少なくともいずれかのデータを入力する第2入力部と、前記第2入力部により入力されたデータを前記第1端末装置の第1受信部に送信する第2送信部と、前記第1端末装置の第1送信部により送信されたデータを受信する第2受信部と、前記第2受信部により受信されたデータを出力する第2出力部とを有し、
前記ストリーミングサーバ装置は、
前記第1端末装置の転送部により転送されたデータを受信するサーバ受信部と、前記サーバ受信部により受信されたデータをストリーミング配信するサーバ配信部とを有することを特徴とする。
【0020】
本発明に係る通信方法は、
映像及び音声を互いに送受信する第1端末装置と第2端末装置と、映像及び音声をストリーミング配信するストリーミングサーバ装置とを備える通信システムを用いる通信方法において、
前記第1端末装置が、映像及び音声を入力する第1入力ステップと、
前記第1端末装置が、前記第1入力ステップにより入力された映像及び音声を前記第2端末装置に送信する第1送信ステップと、
前記第2端末装置が、前記第1送信ステップにより送信された映像及び音声を受信する第2受信ステップと、
前記第2端末装置が、前記第2受信ステップにより受信された映像及び音声を出力する第2出力ステップと、
前記第2端末装置が、映像及び音声を入力する第2入力ステップと、
前記第2端末装置が、前記第2入力ステップにより入力された映像及び音声を前記第1端末装置に送信する第2送信ステップと、
前記第1端末装置が、前記第2送信ステップにより送信された映像及び音声を受信する第1受信ステップと、
前記第1端末装置が、前記第1受信ステップにより受信された映像及び音声を出力する第1出力ステップと、
前記第1端末装置が、前記第1送信ステップにより送信された音声と前記第1受信ステップにより受信された音声とを合成する合成ステップと、
前記第1端末装置が、前記第1送信ステップにより送信された映像と前記合成ステップにより合成された音声とを前記ストリーミングサーバ装置に転送する転送ステップと、
前記ストリーミングサーバ装置が、前記転送ステップにより転送された映像及び音声を受信するサーバ受信ステップと、
前記ストリーミングサーバ装置が、前記サーバ受信ステップにより受信された映像及び音声をストリーミング配信するサーバ配信ステップとを備えることを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る通信方法は、
映像及び音声の少なくともいずれかのデータを互いに送受信する第1端末装置と第2端末装置と、映像及び音声の少なくともいずれかのデータをストリーミング配信するストリーミングサーバ装置とを備える通信システムを用いる通信方法において、
前記第1端末装置が、映像及び音声の少なくともいずれかのデータを入力する第1入力ステップと、
前記第1端末装置が、前記第1入力ステップにより入力されたデータを前記第2端末装置に送信する第1送信ステップと、
前記第2端末装置が、前記第1送信ステップにより送信されたデータを受信する第2受信ステップと、
前記第2端末装置が、前記第2受信ステップにより受信されたデータを出力する第2出力ステップと、
前記第2端末装置が、映像及び音声の少なくともいずれかのデータを入力する第2入力ステップと、
前記第2端末装置が、前記第2入力ステップにより入力されたデータを前記第1端末装置に送信する第2送信ステップと、
前記第1端末装置が、前記第2送信ステップにより送信されたデータを受信する第1受信ステップと、
前記第1端末装置が、前記第1受信ステップにより受信されたデータを出力する第1出力ステップと、
前記第1端末装置が、前記第1送信ステップにより送信されたデータと前記第1受信ステップにより受信されたデータとを前記ストリーミングサーバ装置に転送する転送ステップと、
前記ストリーミングサーバ装置が、前記転送ステップにより転送されたデータを受信するサーバ受信ステップと、
前記ストリーミングサーバ装置が、前記サーバ受信ステップにより受信されたデータをストリーミング配信するサーバ配信ステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明では、端末装置において、合成部が第1送信部により送信された音声と第1受信部により受信された音声とを合成し、転送部が第1送信部により送信された映像と合成部により合成された音声とをストリーミングサーバ装置に転送することにより、例えば、ネットワーク上で品物の売買を行う際に、ネットワークの匿名性を活かしながらも、品物の出品者や希望者が互いに安心して納得のいく売買を行いやすい仕組みを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0024】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態における通信システム500の構成を示す図である。
【0025】
図1において、通信システム500は、出品者端末装置100a〜b、希望者端末装置200a〜c、ストリーミングサーバ装置300、ウェブサーバ装置400を備える。出品者端末装置100a〜b、希望者端末装置200a〜cは、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)である。ストリーミングサーバ装置300、ウェブサーバ装置400は、例えば、サーバコンピュータであり、センター600に設置される。出品者端末装置100a、希望者端末装置200a〜c、ストリーミングサーバ装置300、ウェブサーバ装置400は、移動通信網、WAN(ワイドエリアネットワーク)、LAN(ローカルエリアネットワーク)、インターネットなどのネットワークを介して接続する。
【0026】
例えば、インターネット上で品物の売買を行う際に、品物の出品者501a、bはそれぞれ出品者端末装置100a、bを利用し、品物の希望者502a、b、cはそれぞれ希望者端末装置200a、b、cを利用する。
【0027】
図1の例では、ある品物の出品者501aがその品物の希望者502aとIP(インターネットプロトコル)テレビ電話による双方向通信を行って交渉をしているものとする。そのために、出品者501aが利用する出品者端末装置100aと希望者502aが利用する希望者端末装置200aとは、P2P(ピアツーピア)接続を確立している。出品者端末装置100aは、そのP2P接続を介して、出品者501aがウェブカメラなどにより撮影する品物や出品者501aの顔の映像V1と、出品者501aがヘッドセットなどにより品物に関する説明をしたり交渉したりする音声S1とを希望者端末装置200aに送信する。希望者端末装置200aは、映像V1と音声S1とを受信して再生する。また、希望者端末装置200aは、出品者端末装置100aと同様に、希望者502aがウェブカメラなどにより撮影する希望者502aの顔の映像V2と、希望者502aがヘッドセットなどにより品物に関する質問をしたり交渉したりする音声S2とを出品者端末装置100aに送信する。出品者端末装置100aは、映像V2と音声S2とを受信して再生する。さらに、出品者端末装置100aは、自己が送信した音声S1と希望者端末装置200aから受信した音声S2とを合成し、出品者501aと希望者502aとの会話の音声S3とする。出品者端末装置100aは、自己が送信した映像V1と、合成した音声S3とをストリーミングサーバ装置300に転送する。ストリーミングサーバ装置300は、映像V1と音声S3とを受信し、予め出品者端末装置100a用に設定したチャネル上で、受信した映像V1と音声S3とをストリーミング配信する。
【0028】
図1の例では、ウェブサーバ装置400がインターネット上にウェブページ(ウェブサイト)を公開しているものとする。このウェブページには、出品者501a〜bが出品中の品物の一覧や品物に関する情報(説明のテキストデータや写真)が掲載される。また、ストリーミングサーバ装置300がストリーミング配信中又はストリーミング配信予定の複数のチャネル(例えば、出品者端末装置100a、bそれぞれのために設定されたチャネル)の一覧や各チャネルへのアクセス手段(例えば、リンク)が掲載される。希望者502b、cは、それぞれ希望者端末装置200b、cを利用して、そのウェブページにアクセスし、タッチパネルで品物の写真を選択することなどにより、品物に関する情報を閲覧したり、出品者501a〜bの出品者端末装置100a〜bに交渉要求を送信したり、マウスでリンクをクリックすることなどにより、チャネルを選択してストリーミングサーバ装置300がストリーミング配信中の映像及び音声を視聴することができる。例えば、希望者端末装置200bが出品者端末装置100a用に設定されたチャネルを選択した場合、希望者端末装置200bは、選択したチャネル上で配信されている品物や出品者501aの顔の映像V1と、出品者501aと希望者502aとの会話の音声S3を受信して再生する。
【0029】
このように、本実施の形態では、インターネットなどのネットワーク上で品物の売買を行う際に(無料で品物をあげたり、もらったりする場合も同様である)、希望者502aの顔の映像V2は公開しないことで、ネットワークの匿名性を活かしながらも、品物や出品者501aの顔を希望者502b〜cに公開することで、実際のフリーマーケットのような仕組み(以下、「ネットフリーマーケット」という)をネットワーク上で実現することが可能となる。また、希望者502aは、品物や出品者501aの顔を見たり、声を聴いたりすることができるので、安心して品物を買うことができるし、品物を見たり、出品者501に質問をしたりすることができるので、納得のいく買い物ができる。一方、出品者501aも、希望者502aの顔を見たり、声を聴いたりすることができるので、安心して品物を売ることができるし、品物の説明や希望者502aとの会話が希望者502b〜cに公開されるので、希望者502aとの交渉が終わってから同じ品物について希望者502b〜cと交渉を行う際に、品物の説明を初めからし直す手間を省くことができる。このように、ネットフリーマーケットを実現することにより、もったいないながらも廃棄される運命にある物品の流通システムをインターネット上に構築し、物品の再利用によって資源の節約と環境負荷の軽減に寄与することができる。また、捨てるのは忍びない物品が再利用されることで、エコライフに貢献できる。
【0030】
上記品物(対象物品)としては、例えば、ペット、手芸作品、幼児衣料品、幼児用品、学用品など、多種の品物を扱うことが可能である。上記ウェブページには、このような品物に関して、不要品、入手希望品のマッチングを実現するための機能を実装してもよい。また、上記ウェブページでは、物品取引には関与せず、あくまで、当事者同士の交渉によること、物品と情報の紹介のみを行うことが望ましい。また、上記ウェブページでは、個人情報を収集する必要はない。出品者501a〜bは、譲りたい品物を自分専用のウェブページ(店)に写真、動画などでネットフリーマーケット開始前に並べておくことができる。そして、予め決まっているネットフリーマーケットの開始時間になったら、販売を開始する。そして、売り買いを行う際には、リアルタイムに対面で価格交渉や成約などができる。上記ウェブページでは、希望者502a〜c(バイヤー、顧客)が会員登録をした上で、ネットフリーマーケットを利用できるようにしてもよい。また、上記のようなネットフリーマーケットの機能を提供するASP(Application・Service・Provider)サイトを構築してもよい。
【0031】
図1において、出品者端末装置100a、bは、ストリーミングサーバ装置300に映像及び音声を転送する第1端末装置の一例である。希望者端末装置200aは、出品者端末装置100aとP2P接続を確立して映像及び音声を送受信する第2端末装置の一例である。希望者端末装置200b、cも第2端末装置の一例であるが、これらは、特に、ストリーミングサーバ装置300によりストリーミング配信されている映像及び音声を利用する第3端末装置の一例である。ここでは、希望者端末装置200a〜cは、いずれも第2端末装置と第3端末装置との両方の機能を併せ持つものとする。出品者端末装置100a〜b、希望者端末装置200a〜cは、いずれも第1端末装置と第2端末装置と第3端末装置との全ての機能を併せ持っていてもよい。
【0032】
図1において、通信システム500には出品者端末装置100が2つ、希望者端末装置200が3つ含まれているが、当然ながら、出品者端末装置100及び希望者端末装置200の数はこれらに限定されるものではない。同様に、ストリーミングサーバ装置300及びウェブサーバ装置400の数も1つずつに限定されるものではなく、これらを複数用いて分散システムなどを構築することにより、通信システム500の信頼性、可用性、利便性などが向上する。
【0033】
図2は、本実施の形態に係る第1端末装置の構成を示すブロック図である。図1に示した通り、本実施の形態では、出品者端末装置100は少なくとも第1端末装置の構成を含む。
【0034】
図2において、出品者端末装置100は、第1入力部111、第1送信部112、第1受信部113、第1出力部114、合成部115、転送部116を有する。また、出品者端末装置100は、記憶装置101、処理装置102、入力装置103、出力装置104などのハードウェア装置を備える(又はこれらのハードウェア装置が出品者端末装置100に接続される)。ハードウェア装置は出品者端末装置100の各部によって利用される。例えば、処理装置102は、出品者端末装置100の各部でデータや情報の演算、加工、読み取り、書き込みなどを行うために利用される。記憶装置101は、そのデータや情報を記憶するために利用される。また、入力装置103は、そのデータや情報を入力するために、出力装置104は、そのデータや情報を出力するために利用される。
【0035】
第1入力部111は、映像及び音声を入力装置103により入力する。第1送信部112は、第1入力部111により入力された映像及び音声を希望者端末装置200(第2端末装置)に送信する。第1受信部113は、希望者端末装置200(第2端末装置)により送信される映像及び音声を受信する。第1出力部114は、第1受信部113により受信された映像及び音声を出力装置104により出力する。合成部115は、第1送信部112により送信された音声と第1受信部113により受信された音声とを処理装置102により合成する。転送部116は、第1送信部112により送信された映像と合成部115により合成された音声とをストリーミングサーバ装置300に転送する。
【0036】
第1送信部112は、第1入力部111により入力された映像及び音声を複数の希望者端末装置200に送信してもよい。そして、第1受信部113は、複数の希望者端末装置200により送信される映像及び音声を受信してもよい。この場合、第1出力部114は、第1受信部113により受信された複数の希望者端末装置200の映像及び音声を出力装置104により出力する。合成部115は、第1送信部112により送信された音声と第1受信部113により受信された複数の希望者端末装置200の音声とを合成する。
【0037】
図3は、本実施の形態に係る第2端末装置の構成(第3端末装置の構成も含む)を示すブロック図である。図1に示した通り、本実施の形態では、希望者端末装置200は少なくとも第2端末装置、第3端末装置の構成を含む。
【0038】
図3において、希望者端末装置200は、第2入力部211、第2送信部212、第2受信部213、第2出力部214、選択部215、第3出力部216を有する。第2入力部211、第2送信部212、第2受信部213、第2出力部214が、第2端末装置に相当する部分であり、選択部215、第3出力部216が、第3端末装置に相当する部分である。また、希望者端末装置200は、記憶装置201、処理装置202、入力装置203、出力装置204などのハードウェア装置を備える(又はこれらのハードウェア装置が希望者端末装置200に接続される)。ハードウェア装置は希望者端末装置200の各部によって利用される。例えば、処理装置202は、希望者端末装置200の各部でデータや情報の演算、加工、読み取り、書き込みなどを行うために利用される。記憶装置201は、そのデータや情報を記憶するために利用される。また、入力装置203は、そのデータや情報を入力するために、出力装置204は、そのデータや情報を出力するために利用される。
【0039】
第2入力部211は、映像及び音声を入力装置203により入力する。第2送信部212は、第2入力部211により入力された映像及び音声を出品者端末装置100の第1受信部113に送信する。第2受信部213は、出品者端末装置100の第1送信部112により送信された映像及び音声を受信する。第2出力部214は、第2受信部213により受信された映像及び音声を出力装置204により出力する。また、選択部215は、出品者端末装置100ごとに異なる複数のチャネルのうち、任意のチャネルを入力装置203により選択する。第3出力部216は、選択部215により選択されたチャネル上でストリーミングサーバ装置300によりストリーミング配信されている映像及び音声を出力装置204により出力する。
【0040】
図4は、ストリーミングサーバ装置300の構成を示すブロック図である。
【0041】
図4において、ストリーミングサーバ装置300は、サーバ受信部311、サーバ配信部312を有する。また、ストリーミングサーバ装置300は、記憶装置301、処理装置302、入力装置303、出力装置304などのハードウェア装置を備える(又はこれらのハードウェア装置がストリーミングサーバ装置300に接続される)。ハードウェア装置はストリーミングサーバ装置300の各部によって利用される。例えば、処理装置302は、ストリーミングサーバ装置300の各部でデータや情報の演算、加工、読み取り、書き込みなどを行うために利用される。記憶装置301は、そのデータや情報を記憶するために利用される。また、入力装置303は、そのデータや情報を入力するために、出力装置304は、そのデータや情報を出力するために利用される。
【0042】
サーバ受信部311は、出品者端末装置100の転送部116により転送された映像及び音声を受信する。サーバ配信部312は、サーバ受信部311により受信された映像及び音声をストリーミング配信する。サーバ受信部311が、複数の出品者端末装置100の転送部116により転送された映像及び音声を受信する場合、サーバ配信部312は、サーバ受信部311により受信された各出品者端末装置100の映像及び音声を出品者端末装置100ごとに異なる複数のチャネル上でストリーミング配信する。
【0043】
図5は、通信システム500が備える出品者端末装置100、希望者端末装置200、ストリーミングサーバ装置300の外観の一例を示す図である。
【0044】
図5において、出品者端末装置100、希望者端末装置200、ストリーミングサーバ装置300は、システムユニット910、CRT(Cathode・Ray・Tube)やLCD(液晶ディスプレイ)の表示画面を有する表示装置901、キーボード902(K/B)、マウス903、FDD904(Flexible・Disk・Drive)、CDD905(Compact・Disc・Drive)、プリンタ装置906、スキャナ装置907、ヘッドセット931、ウェブカメラ932などのハードウェア資源を備え、これらはケーブルや信号線で接続されている。システムユニット910は、コンピュータであり、LAN942、ゲートウェイ941を介してインターネット940に接続されている。
【0045】
図6は、出品者端末装置100、希望者端末装置200、ストリーミングサーバ装置300のハードウェア資源の一例を示す図である。
【0046】
図6において、出品者端末装置100、希望者端末装置200、ストリーミングサーバ装置300は、プログラムを実行するCPU911(Central・Processing・Unit)(「中央処理装置」、「演算装置」、「マイクロプロセッサ」、「マイクロコンピュータ」、「プロセッサ」ともいう)を備えている。CPU911は、処理装置の一例である。CPU911は、バス912を介してROM913(Read・Only・Memory)、RAM914(Random・Access・Memory)、通信ボード915、表示装置901、キーボード902、マウス903、FDD904、CDD905、プリンタ装置906、スキャナ装置907、磁気ディスク装置920、ヘッドセット931、ウェブカメラ932と接続され、これらのハードウェアデバイスを制御する。磁気ディスク装置920の代わりに、光ディスク装置、メモリカードリーダライタなどの記憶媒体が用いられてもよい。
【0047】
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920の記憶媒体は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置の一例である。通信ボード915、キーボード902、スキャナ装置907、FDD904、ヘッドセット931、ウェブカメラ932などは、入力装置の一例である。また、通信ボード915、表示装置901、プリンタ装置906、ヘッドセット931などは、出力装置の一例である。
【0048】
通信ボード915は、LAN942などに接続されている。通信ボード915は、LAN942に限らず、インターネット940、ISDN(Integrated・Services・Digital・Network)などのWANなどに接続されていても構わない。インターネット940あるいはWANなどに接続されている場合、ゲートウェイ941は不要となる。
【0049】
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム921(OS)、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923のプログラムは、CPU911、オペレーティングシステム921、ウィンドウシステム922により実行される。プログラム群923には、本実施の形態の説明において「〜部」、「〜手段」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。また、ファイル群924には、本実施の形態の説明において、「〜データ」、「〜情報」、「〜ID(IDentifier)」、「〜フラグ」、「〜結果」として説明するデータや情報や信号値や変数値やパラメータが、「〜ファイル」や「〜データベース」や「〜テーブル」の各項目として記憶されている。「〜ファイル」や「〜データベース」や「〜テーブル」は、ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶される。ディスクやメモリなどの記憶媒体に記憶されたデータや情報や信号値や変数値やパラメータは、読み書き回路を介してCPU911によりメインメモリやキャッシュメモリに読み出され、抽出・検索・参照・比較・演算・計算・制御・出力・印刷・表示などのCPU911の処理(動作)に用いられる。抽出・検索・参照・比較・演算・計算・制御・出力・印刷・表示などのCPU911の処理中、データや情報や信号値や変数値やパラメータは、メインメモリやキャッシュメモリやバッファメモリに一時的に記憶される。
【0050】
また、本実施の形態の説明において説明するブロック図やフローチャートの矢印の部分は主としてデータや信号の入出力を示し、データや信号は、RAM914などのメモリ、FDD904のフレキシブルディスク(FD)、CDD905のコンパクトディスク(CD)、磁気ディスク装置920の磁気ディスク、その他光ディスク、ミニディスク(MD)、DVD(Digital・Versatile・Disc)などの記録媒体に記録される。また、データや信号は、バス912や信号線やケーブルその他の伝送媒体によりオンライン伝送される。
【0051】
また、本実施の形態の説明において「〜部」、「〜手段」として説明するものは、「〜回路」、「〜装置」、「〜機器」であってもよく、また、「〜ステップ」、「〜工程」、「〜手順」、「〜処理」であってもよい。すなわち、「〜部」、「〜手段」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。あるいは、ソフトウェアのみ、あるいは、素子・デバイス・基板・配線などのハードウェアのみ、あるいは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実現されていても構わない。ファームウェアとソフトウェアは、プログラムとして、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVDなどの記録媒体に記憶される。このプログラムはCPU911により読み出され、CPU911により実行される。即ち、プログラムは、本実施の形態の説明で述べる「〜部」、「〜手段」としてコンピュータを機能させるものである。あるいは、本実施の形態の説明で述べる「〜部」、「〜手段」の手順や方法をコンピュータに実行させるものである。
【0052】
図7及び図8は、本実施の形態における通信システム500の動作(通信方法)の一例を示すフローチャートである。
【0053】
図7に示すように、品物の出品者501aとその品物の希望者502aとが互いに交渉する場合に、まず、出品者501aが利用する出品者端末装置100aと希望者502aが利用する希望者端末装置200aとは、互いに映像及び音声を送受信するために、P2P接続を確立する。
【0054】
出品者端末装置100aにおいて、第1入力部111は、品物又はその品物の出品者501aの映像V1をウェブカメラ932(入力装置103の一例)により入力するとともに、出品者501aの音声S1をヘッドセット931(入力装置103の一例)により入力する(ステップS101:第1入力ステップ)。第1送信部112は、第1入力部111により入力された映像V1及び音声S1を、インターネット940を介して希望者端末装置200aに送信する(ステップS102:第1送信ステップ)。希望者端末装置200aにおいて、第2受信部213は、出品者端末装置100aの第1送信部112により送信された映像V1及び音声S1を受信する(ステップS201:第2受信ステップ)。第2出力部214は、第2受信部213により受信された映像V1を表示装置901(出力装置204の一例)により出力するとともに、音声S1をヘッドセット931(出力装置204の一例)により出力する(ステップS202:第2出力ステップ)。
【0055】
また、希望者端末装置200aにおいて、第2入力部211は、品物の希望者502aの映像V2をウェブカメラ932(入力装置203の一例)により入力するとともに、希望者502aの音声S2をヘッドセット931(入力装置203の一例)により入力する(ステップS203:第2入力ステップ)。第2送信部212は、第2入力部211により入力された映像V2及び音声S2を、インターネット940を介して出品者端末装置100aに送信する(ステップS204:第2送信ステップ)。出品者端末装置100aにおいて、第1受信部113は、希望者端末装置200aの第2送信部212により送信された映像V2及び音声S2を受信する(ステップS103:第1受信ステップ)。第1出力部114は、第1受信部113により受信された映像V2を表示装置901(出力装置104の一例)により出力するとともに、音声S2をヘッドセット931(出力装置104の一例)により出力する(ステップS104:第1出力ステップ)。
【0056】
出品者端末装置100aと希望者端末装置200aとは、上記のような動作を繰り返して、例えば、IP電話(テレビ電話)などによる双方向通信を行う。これにより、品物の出品者501aは、その品物の希望者502aに品物を映像で見せたり、品物を音声(口頭)で説明したりすることができる。また、出品者501aと希望者502aとは、互いの顔や表情を映像で見ながら音声で会話ができるので、リアルタイムに円滑な交渉を行うことができる。
【0057】
図7では、説明の便宜上、映像V1及び音声S1の送受信処理(ステップS101、S102、S201、S202)の後に映像V2及び音声S2の送受信処理(ステップS103、S104、S203、S204)を示しているが、当然のことながら、これらの処理は同時、あるいは任意の順序で行われるものである。
【0058】
図8に示すように、出品者端末装置100aにおいて、合成部115は、第1送信部112により送信された出品者501aの音声S1と第1受信部113により受信された希望者502aの音声S2とをCPU911(処理装置102の一例)により合成して、出品者501aと希望者502aとの会話の音声S3とする(ステップS105:合成ステップ)。転送部116は、第1送信部112により送信された品物の映像V1(出品者501aの映像を含む場合もあるが、ここでは特に品物の映像とする)と合成部115により合成された会話の音声S3とを、インターネット940を介してストリーミングサーバ装置300に転送する(ステップS106:転送ステップ)。ストリーミングサーバ装置300において、サーバ受信部311は、出品者端末装置100aの転送部116により転送された映像V1及び音声S3を受信する(ステップS301:サーバ受信ステップ)。サーバ配信部312は、サーバ受信部311により受信された映像V1及び音声S3を、出品者端末装置100a用に設定されたチャネル上でストリーミング配信する(ステップS302:サーバ配信ステップ)。
【0059】
品物の出品者501aと交渉中の希望者502a以外にも、その品物の希望者502bがいた場合に、まず、希望者502bが利用する希望者端末装置200bは、ウェブサーバ装置400が公開するウェブページなどにアクセスして、ストリーミングサーバ装置300がストリーミング配信中のチャネルの一覧を確認する。
【0060】
希望者端末装置200bにおいて、選択部215は、ストリーミング配信中のチャネルのうち、出品者端末装置100a用に設定されたチャネルをマウス903(入力装置203の一例)により選択する(ステップS211:選択ステップ)。第3出力部216は、選択部215により選択されたチャネル上でストリーミングサーバ装置300のサーバ配信部312によりストリーミング配信されている映像V1及び音声S3を受信し、受信した映像V1を表示装置901(出力装置204の一例)により出力するとともに、音声S3をヘッドセット931(出力装置204の一例)により出力する(ステップS212:第3出力ステップ)。
【0061】
希望者502bのほかにも、出品者501aと交渉中でない希望者502cがいた場合には、希望者502cが利用する希望者端末装置200cは、上述した希望者端末装置200bと同様の動作により、出品者端末装置100a用のチャネル上でストリーミング配信されている映像V1及び音声S3を利用(受信)する。このような動作により、品物の出品者501aと交渉中でない希望者502b、cは、その品物を映像で見たり、その品物に関する説明を音声で聴いたりすることができる。また、出品者501aと希望者502aとの会話を聞くことができる。したがって、まさに実際のフリーマーケットと同様に、品物を物色しながら、その品物の出品者501aと希望者502aが交渉を終えるのを待つような仕組みをネットワーク上で実現できる。例えば、希望者502bは出品者501aに交渉要求を予め送信しておいてもよい。この場合には、出品者501aと希望者502aとの交渉が終了し、出品者501aが希望者502bの交渉要求を受け付けた場合に、出品者501aが利用する出品者端末装置100aと希望者502bが利用する希望者端末装置200bとは、P2P接続を確立する。そして、図7と同様に、出品者端末装置100aと希望者端末装置200bとは、例えば、IP電話(テレビ電話)などによる双方向通信を行う。
【0062】
実施の形態2.
実施の形態1では、出品者端末装置100aと希望者端末装置200aとが、映像及び音声を互いに送受信するようにした。本実施の形態では、出品者端末装置100aと希望者端末装置200aとは、その他のデータも送受信する。
【0063】
例えば、出品者端末装置100aと希望者端末装置200aとは、映像及び音声とともに、テキストデータを互いに送受信する。そして、出品者端末装置100aが、このテキストデータをウェブサーバ装置400に転送し、ウェブサーバ装置400がこのテキストデータをウェブページなどに掲載する。これにより、出品者501aと希望者502aとはチャットをすることができ、希望者502b〜cはそのチャットの内容を読むことができる。
【0064】
具体的には、図7のステップS101において、出品者端末装置100aの第1入力部111は、テキストデータT1(図示せず)をキーボード902(入力装置103の一例)により入力する。ステップS102において、第1送信部112は、第1入力部111により入力されたテキストデータT1を、インターネット940を介して希望者端末装置200aに送信する。ステップS201において、希望者端末装置200aの第2受信部213は、出品者端末装置100aの第1送信部112により送信されたテキストデータT1を受信する。ステップS202において、第2出力部214は、第2受信部213により受信されたテキストデータT1を表示装置901により出力する。
【0065】
また、図7のステップS203において、希望者端末装置200aの第2入力部211は、テキストデータT2(図示せず)をキーボード902(入力装置203の一例)により入力する。ステップS204において、第2送信部212は、第2入力部211により入力されたテキストデータT2を、インターネット940を介して出品者端末装置100aに送信する。ステップS103において、出品者端末装置100aの第1受信部113は、希望者端末装置200aの第2送信部212により送信されたテキストデータT2を受信する。ステップS104において、第1出力部114は、第1受信部113により受信されたテキストデータT2を表示装置901により出力する。
【0066】
また、図8のステップS106において、出品者端末装置100aの転送部116は、第1送信部112により送信されたテキストデータT1と第1受信部113により受信されたテキストデータT2とを、インターネット940を介してウェブサーバ装置400に転送する。ウェブサーバ装置400は、出品者端末装置100aの転送部116により転送されたテキストデータT1及びT2を受信し、受信したテキストデータT1及びT2をウェブページに掲載する。希望者端末装置200b〜cにおいて、第3出力部216は、ウェブサーバ装置400によりウェブページに掲載されたテキストデータT1及びT2を表示装置901により出力する。
【0067】
実施の形態3.
実施の形態1では、出品者端末装置100aと希望者端末装置200aとが、映像及び音声を互いに送受信し、出品者端末装置100aが、希望者端末装置200aから受信した映像はストリーミングサーバ装置300に転送しないようにした。本実施の形態では、出品者端末装置100aと希望者端末装置200aとは、映像及び音声の少なくともいずれかのデータを互いに送受信する。そして、出品者端末装置100aは、そのデータを全てストリーミングサーバ装置300に転送する。
【0068】
例えば、出品者端末装置100aと希望者端末装置200aとは、音声のみを互いに送受信する。そして、出品者端末装置100aは、その音声をストリーミングサーバ装置300に転送する。この場合、図7及び図8に示した通信システム500の動作は、映像の送受信に係る部分以外は、本実施の形態においても同様である。
【0069】
また、例えば、出品者端末装置100aと希望者端末装置200aとが映像のみを互いに送受信する場合、上記の動作において、音声を映像に置き換えればよい。この場合、図8のステップS105において、出品者端末装置100aの合成部115は、第1送信部112により送信された出品者501aの映像V1と第1受信部113により受信された希望者502aの映像V2とをCPU911により合成するが、例えば、映像V1と映像V2とを単に縦あるいは横に並べた映像V3(図示せず)とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施の形態1における通信システムの構成を示す図である。
【図2】実施の形態1に係る第1端末装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る第2端末装置/第3端末装置の構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1に係るストリーミングサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態1における通信システムが備える装置の外観の一例を示す図である。
【図6】実施の形態1における通信システムが備える装置のハードウェア資源の一例を示す図である。
【図7】実施の形態1における通信システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1における通信システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
100 出品者端末装置、101 記憶装置、102 処理装置、103 入力装置、104 出力装置、111 第1入力部、112 第1送信部、113 第1受信部、114 第1出力部、115 合成部、116 転送部、200 希望者端末装置、201 記憶装置、202 処理装置、203 入力装置、204 出力装置、211 第2入力部、212 第2送信部、213 第2受信部、214 第2出力部、215 選択部、216 第3出力部、300 ストリーミングサーバ装置、301 記憶装置、302 処理装置、303 入力装置、304 出力装置、311 サーバ受信部、312 サーバ配信部、400 ウェブサーバ装置、500 通信システム、501 出品者、502 希望者、600 センター、901 表示装置、902 キーボード、903 マウス、904 FDD、905 CDD、906 プリンタ装置、907 スキャナ装置、910 システムユニット、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 オペレーティングシステム、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群、931 ヘッドセット、932 ウェブカメラ、940 インターネット、941 ゲートウェイ、942 LAN。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像及び音声を入力装置により入力する第1入力部と、
前記第1入力部により入力された映像及び音声を他の端末装置に送信する第1送信部と、
前記他の端末装置により送信される映像及び音声を受信する第1受信部と、
前記第1受信部により受信された映像及び音声を出力装置により出力する第1出力部と、
前記第1送信部により送信された音声と前記第1受信部により受信された音声とを処理装置により合成する合成部と、
前記第1送信部により送信された映像と前記合成部により合成された音声とを、映像及び音声をストリーミング配信するストリーミングサーバ装置に転送する転送部とを有することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記第1送信部は、前記第1入力部により入力された映像及び音声を他の複数の端末装置に送信し、
前記第1受信部は、前記複数の端末装置により送信される映像及び音声を受信し、
前記第1出力部は、前記第1受信部により受信された前記複数の端末装置の映像及び音声を出力装置により出力し、
前記合成部は、前記第1送信部により送信された音声と前記第1受信部により受信された前記複数の端末装置の音声とを合成することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記端末装置は、前記他の端末装置と互いにP2P(ピアツーピア)接続して映像及び音声を送受信することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項4】
前記第1入力部は、品物の映像及び前記品物の出品者の音声を入力し、
前記第1受信部は、前記品物の希望者の映像及び前記希望者の音声を受信することを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項5】
端末装置の第1入力部が、映像及び音声を入力装置により入力する第1入力ステップと、
前記端末装置の第1送信部が、前記第1入力ステップにより入力された映像及び音声を他の端末装置に送信する第1送信ステップと、
前記端末装置の第1受信部が、前記他の端末装置により送信される映像及び音声を受信する第1受信ステップと、
前記端末装置の第1出力部が、前記第1受信ステップにより受信された映像及び音声を出力装置により出力する第1出力ステップと、
前記端末装置の合成部が、前記第1送信ステップにより送信された音声と前記第1受信ステップにより受信された音声とを処理装置により合成する合成ステップと、
前記端末装置の転送部が、前記第1送信ステップにより送信された映像と前記合成ステップにより合成された音声とを、映像及び音声をストリーミング配信するストリーミングサーバ装置に転送する転送ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする通信プログラム。
【請求項6】
前記第1送信ステップは、前記端末装置の第1送信部が、前記第1入力ステップにより入力された映像及び音声を他の複数の端末装置に送信し、
前記第1受信ステップは、前記端末装置の第1受信部が、前記複数の端末装置により送信される映像及び音声を受信し、
前記第1出力ステップは、前記端末装置の第1出力部が、前記第1受信ステップにより受信された前記複数の端末装置の映像及び音声を出力装置により出力し、
前記合成ステップは、前記端末装置の合成部が、前記第1送信ステップにより送信された音声と前記第1受信ステップにより受信された前記複数の端末装置の音声とを合成することを特徴とする請求項5に記載の通信プログラム。
【請求項7】
前記通信プログラムは、前記端末装置と前記他の端末装置とを互いにP2P(ピアツーピア)接続させて映像及び音声を送受信することを特徴とする請求項5に記載の通信プログラム。
【請求項8】
前記第1入力ステップは、前記端末装置の第1入力部が、品物の映像及び前記品物の出品者の音声を入力し、
前記第1受信ステップは、前記端末装置の第1受信部が、前記品物の希望者の映像及び前記希望者の音声を受信することを特徴とする請求項5に記載の通信プログラム。
【請求項9】
映像及び音声を互いに送受信する第1端末装置と第2端末装置と、映像及び音声をストリーミング配信するストリーミングサーバ装置とを備える通信システムにおいて、
前記第1端末装置は、
映像及び音声を入力する第1入力部と、前記第1入力部により入力された映像及び音声を前記第2端末装置に送信する第1送信部と、前記第2端末装置により送信される映像及び音声を受信する第1受信部と、前記第1受信部により受信された映像及び音声を出力する第1出力部と、前記第1送信部により送信された音声と前記第1受信部により受信された音声とを合成する合成部と、前記第1送信部により送信された映像と前記合成部により合成された音声とを前記ストリーミングサーバ装置に転送する転送部とを有し、
前記第2端末装置は、
映像及び音声を入力する第2入力部と、前記第2入力部により入力された映像及び音声を前記第1端末装置の第1受信部に送信する第2送信部と、前記第1端末装置の第1送信部により送信された映像及び音声を受信する第2受信部と、前記第2受信部により受信された映像及び音声を出力する第2出力部とを有し、
前記ストリーミングサーバ装置は、
前記第1端末装置の転送部により転送された映像及び音声を受信するサーバ受信部と、前記サーバ受信部により受信された映像及び音声をストリーミング配信するサーバ配信部とを有することを特徴とする通信システム。
【請求項10】
前記通信システムは、前記第1端末装置を複数備えるとともに、前記ストリーミングサーバ装置のサーバ配信部によりストリーミング配信されている映像及び音声を利用する第3端末装置を備え、
前記ストリーミングサーバ装置のサーバ配信部は、前記サーバ受信部により受信された各第1端末装置の映像及び音声を第1端末装置ごとに異なる複数のチャネル上でストリーミング配信し、
前記第3端末装置は、
前記複数のチャネルのうち、任意のチャネルを選択する選択部と、前記選択部により選択されたチャネル上で前記ストリーミングサーバ装置のサーバ配信部によりストリーミング配信されている映像及び音声を出力する第3出力部とを有することを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項11】
前記通信システムは、前記第2端末装置を複数備え、
複数の第2端末装置のうち、前記第1端末装置と接続している第2端末装置は、前記第1端末装置と互いに映像及び音声を送受信し、
前記複数の第2端末装置のうち、前記第1端末装置と接続していない第2端末装置は、前記ストリーミングサーバ装置のサーバ配信部によりストリーミング配信されている映像及び音声を利用することを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項12】
前記通信システムは、前記第2端末装置を複数備え、
前記第1端末装置の合成部は、前記第1送信部により送信された音声と前記第1受信部により受信された複数の第2端末装置の音声とを合成することを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項13】
前記第1端末装置と前記第2端末装置とは、互いにP2P(ピアツーピア)接続して映像及び音声を送受信することを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項14】
前記第1端末装置の第1入力部は、品物の映像及び前記品物の出品者の音声を入力し、
前記第2端末装置の第2入力部は、前記品物の希望者の映像及び前記希望者の音声を入力することを特徴とする請求項9に記載の通信システム。
【請求項15】
映像及び音声の少なくともいずれかのデータを互いに送受信する第1端末装置と第2端末装置と、映像及び音声の少なくともいずれかのデータをストリーミング配信するストリーミングサーバ装置とを備える通信システムにおいて、
前記第1端末装置は、
映像及び音声の少なくともいずれかのデータを入力する第1入力部と、前記第1入力部により入力されたデータを前記第2端末装置に送信する第1送信部と、前記第2端末装置により送信される映像及び音声の少なくともいずれかのデータを受信する第1受信部と、前記第1受信部により受信されたデータを出力する第1出力部と、前記第1送信部により送信されたデータと前記第1受信部により受信されたデータとを前記ストリーミングサーバ装置に転送する転送部とを有し、
前記第2端末装置は、
映像及び音声の少なくともいずれかのデータを入力する第2入力部と、前記第2入力部により入力されたデータを前記第1端末装置の第1受信部に送信する第2送信部と、前記第1端末装置の第1送信部により送信されたデータを受信する第2受信部と、前記第2受信部により受信されたデータを出力する第2出力部とを有し、
前記ストリーミングサーバ装置は、
前記第1端末装置の転送部により転送されたデータを受信するサーバ受信部と、前記サーバ受信部により受信されたデータをストリーミング配信するサーバ配信部とを有することを特徴とする通信システム。
【請求項16】
映像及び音声を互いに送受信する第1端末装置と第2端末装置と、映像及び音声をストリーミング配信するストリーミングサーバ装置とを備える通信システムを用いる通信方法において、
前記第1端末装置が、映像及び音声を入力する第1入力ステップと、
前記第1端末装置が、前記第1入力ステップにより入力された映像及び音声を前記第2端末装置に送信する第1送信ステップと、
前記第2端末装置が、前記第1送信ステップにより送信された映像及び音声を受信する第2受信ステップと、
前記第2端末装置が、前記第2受信ステップにより受信された映像及び音声を出力する第2出力ステップと、
前記第2端末装置が、映像及び音声を入力する第2入力ステップと、
前記第2端末装置が、前記第2入力ステップにより入力された映像及び音声を前記第1端末装置に送信する第2送信ステップと、
前記第1端末装置が、前記第2送信ステップにより送信された映像及び音声を受信する第1受信ステップと、
前記第1端末装置が、前記第1受信ステップにより受信された映像及び音声を出力する第1出力ステップと、
前記第1端末装置が、前記第1送信ステップにより送信された音声と前記第1受信ステップにより受信された音声とを合成する合成ステップと、
前記第1端末装置が、前記第1送信ステップにより送信された映像と前記合成ステップにより合成された音声とを前記ストリーミングサーバ装置に転送する転送ステップと、
前記ストリーミングサーバ装置が、前記転送ステップにより転送された映像及び音声を受信するサーバ受信ステップと、
前記ストリーミングサーバ装置が、前記サーバ受信ステップにより受信された映像及び音声をストリーミング配信するサーバ配信ステップとを備えることを特徴とする通信方法。
【請求項17】
映像及び音声の少なくともいずれかのデータを互いに送受信する第1端末装置と第2端末装置と、映像及び音声の少なくともいずれかのデータをストリーミング配信するストリーミングサーバ装置とを備える通信システムを用いる通信方法において、
前記第1端末装置が、映像及び音声の少なくともいずれかのデータを入力する第1入力ステップと、
前記第1端末装置が、前記第1入力ステップにより入力されたデータを前記第2端末装置に送信する第1送信ステップと、
前記第2端末装置が、前記第1送信ステップにより送信されたデータを受信する第2受信ステップと、
前記第2端末装置が、前記第2受信ステップにより受信されたデータを出力する第2出力ステップと、
前記第2端末装置が、映像及び音声の少なくともいずれかのデータを入力する第2入力ステップと、
前記第2端末装置が、前記第2入力ステップにより入力されたデータを前記第1端末装置に送信する第2送信ステップと、
前記第1端末装置が、前記第2送信ステップにより送信されたデータを受信する第1受信ステップと、
前記第1端末装置が、前記第1受信ステップにより受信されたデータを出力する第1出力ステップと、
前記第1端末装置が、前記第1送信ステップにより送信されたデータと前記第1受信ステップにより受信されたデータとを前記ストリーミングサーバ装置に転送する転送ステップと、
前記ストリーミングサーバ装置が、前記転送ステップにより転送されたデータを受信するサーバ受信ステップと、
前記ストリーミングサーバ装置が、前記サーバ受信ステップにより受信されたデータをストリーミング配信するサーバ配信ステップとを備えることを特徴とする通信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−33651(P2008−33651A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−206676(P2006−206676)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(591102095)三菱スペース・ソフトウエア株式会社 (148)
【Fターム(参考)】