符号化方法及び復号化方法
【課題】既設定の周波数より小さい領域に設けられた信号を利用して既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号を時間ドメインまたは周波数ドメインで適応的に符号化及び復号化する方法及び装置を提供すること。
【解決手段】適応的高周波数領域の符号化方法は、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階と、高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階とを含む。
【解決手段】適応的高周波数領域の符号化方法は、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階と、高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声信号または音楽信号のようなオーディオ信号を符号化したり復号化する方法及び装置に係り、さらに詳細には、低周波数領域に設けられた信号またはスペクトルを利用し、高周波数領域に設けられた信号を符号化したり復号化する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波数領域に該当する信号は、低周波数領域に該当する信号に比べて人間が音声として認識するのに重要性が落ちるというのが一般的である。従って、オーディオ信号を符号化するにおいて、可用ビットに対する制約があってコーディングの効率を高めなければならない場合、低周波数領域に該当する信号には、多くのビットを割り当てて符号化するが、これに比べて高周波数領域に該当する信号には、少ないビットを割り当てて符号化する。
【0003】
従って、高周波数領域に該当する信号を符号化するにおいて、少ないビットを利用しても人間が認識する音質を最大限向上させることができる方法及び装置が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-4710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
開示される発明の課題は、既設定の周波数より小さい領域に設けられた信号を利用して既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号を時間ドメインまたは周波数ドメインで適応的に符号化及び復号化する方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示される発明による符号化方法は、
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の符号化方法である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】本発明による適応的高周波数領域の符号化装置の一実施例を示すブロック図である。
【図1B】本発明による適応的高周波数領域の符号化装置に含まれた高周波数領域の符号化部160の一実施例を示すブロック図である。
【図2A】本発明による適応的高周波数領域の符号化装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2B】本発明による適応的高周波数領域の符号化装置に含まれた高周波数領域の符号化部250の一実施例を示すブロック図である。
【図3A】本発明による適応的高周波数領域の符号化装置の一実施例を示すブロック図である。
【図3B】本発明による適応的高周波数領域の符号化装置に含まれた高周波数領域の符号化部360の一実施例を示すブロック図である。
【図4A】本発明による適応的高周波数領域復号化装置の一実施例を示すブロック図である。
【図4B】本発明による適応的高周波数領域復号化装置に含まれた高周波数領域復号化部440の一実施例を示すブロック図である。
【図5A】本発明による適応的高周波数領域復号化装置の一実施例を示すブロック図である。
【図5B】本発明による適応的高周波数領域復号化装置に含まれた高周波数領域復号化部525の一実施例を示すブロック図である。
【図6A】本発明による適応的高周波数領域復号化装置の一実施例を示すブロック図である。
【図6B】本発明による適応的高周波数領域復号化装置の一実施例を示すブロック図である。
【図7A】LPC係数によって復元された包絡線の一実施例を示すグラフである。
【図7B】低周波数信号とLPC係数によって復元された包絡線の励起信号とを乗算した一実施例を示すグラフである。
【図7C】低周波数信号と高周波数信号との間に存在するミスマッチングを補償した一実施例を示すグラフである。
【図8A】低周波数領域に備えられた励起スペクトルの一実施例を示すグラフである。
【図8B】低周波数領域に備えられた励起スペクトルを高周波数領域にパッチした一実施例を示すグラフである。
【図8C】高周波数スペクトルの包絡線を調節した一実施例を示すグラフである。
【図9A】本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図9B】本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に含まれた第960段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図10A】本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図10B】本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に含まれた第1050段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図11A】本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図11B】本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に含まれた第1160段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図12A】本発明による適応的高周波数領域復号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図12B】本発明による適応的高周波数領域復号化方法に含まれた第1240段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図13A】本発明による適応的高周波数領域復号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図13B】本発明による適応的高周波数領域復号化方法に含まれた第1325段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図14A】本発明による適応的高周波数領域復号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図14B】本発明による適応的高周波数領域復号化方法に含まれた第1435段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の符号化装置は、既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号を周波数バンド別に、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択してそれに変換するドメイン変換部、前記時間ドメインに変換された周波数バンドを、既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する時間ドメイン符号化部、及び前記周波数ドメインに変換された周波数バンドを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する周波数ドメイン符号化部を備えることを特徴とする。
【0009】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の符号化装置は、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化するノイズ情報符号化部、及び前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する包絡線情報符号化部を備えることを特徴とする。
【0010】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の符号化装置は、既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号に対して既設定の基準によって、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択するドメイン選択部、前記ドメイン選択部で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する時間ドメイン符号化部、及び前記ドメイン選択部で周波数ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を周波数ドメインに変換して高周波数スペクトルを生成し、前記高周波数スペクトルを前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する周波数ドメイン符号化部を備えることを特徴とする。
【0011】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の復号化装置は、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域に設けられた各周波数バンドが符号化されたドメインを判断するドメイン判断部、前記時間ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する時間ドメイン復号化部、及び前記周波数ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する周波数ドメイン復号化部を備えることを特徴とする。
【0012】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の復号化装置は、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成するノイズ生成部、及び前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する包絡線調節部を備えることを特徴とする。
【0013】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の復号化装置は、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域が符号化されたドメインを判断するドメイン判断部、前記ドメイン判断部で前記高周波数領域が時間ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数信号を、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する時間ドメイン復号化部、及び前記ドメイン判断部で前記高周波数領域が周波数ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する周波数ドメイン復号化部を備えることを特徴とする。
【0014】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の符号化方法は、既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号を周波数バンド別に、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択してそれに変換する段階、前記時間ドメインに変換された周波数バンドを、既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する段階、及び前記周波数ドメインに変換された周波数バンドを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する段階を含むことを特徴とする。
【0015】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の符号化方法は、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階、及び前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階を含むことを特徴とする。
【0016】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の符号化方法は、既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号に対して既設定の基準によって、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択する段階、前記選択する段階で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する段階、及び前記選択する段階で周波数ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を周波数ドメインに変換して高周波数スペクトルを生成し、前記高周波数スペクトルを前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する段階を含むことを特徴とする。
【0017】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の復号化方法は、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域に設けられた各周波数バンドが符号化されたドメインを判断する段階、前記時間ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する段階、前記周波数ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する段階を含むことを特徴とする。
【0018】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の復号化方法は、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成する段階、及び前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する段階を含むことを特徴とする。
【0019】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の復号化方法は、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域が符号化されたドメインを判断する段階、前記判断する段階で前記高周波数領域が時間ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数信号を、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する段階、及び前記判断する段階で前記高周波数領域が周波数ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルを前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する段階を含むことを特徴とする。
【0020】
前記の課題をなすための本発明による記録媒体は、既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号を周波数バンド別に、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択してそれに変換する段階、前記時間ドメインに変換された周波数バンドを、既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する段階、及び前記周波数ドメインに変換された周波数バンドを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する段階をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
【0021】
前記の課題をなすための本発明による記録媒体は、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階、及び前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
前記の課題をなすための本発明による記録媒体は、既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号に対して既設定の基準によって、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択する段階、前記選択する段階で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する段階、及び前記選択する段階で周波数ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を周波数ドメインに変換して高周波数スペクトルを生成し、前記高周波数スペクトルを前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する段階をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
【0023】
前記の課題をなすための本発明による記録媒体は、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域に設けられた各周波数バンドが符号化されたドメインを判断する段階、前記時間ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する段階、前記周波数ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する段階をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
【0024】
前記の課題をなすための本発明による記録媒体は、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成する段階、及び前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する段階をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
【0025】
前記の課題をなすための本発明による記録媒体は、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域が符号化されたドメインを判断する段階、前記判断する段階で前記高周波数領域が時間ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数信号を、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する段階、及び前記判断する段階で前記高周波数領域が周波数ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する段階をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
【0026】
<詳細な説明>
以下、添付された図面を参照して本発明による適応的時間/周波数ドメイン符号化方法及び装置に対して詳細に説明する。
【0027】
図1Aは、本発明による適応的高周波数領域の符号化装置の一実施例を示すブロック図であって、前記適応的高周波数領域の符号化装置は、第1変換部100、ドメイン選択部105、線形予測部110、長区間予測部115、励起信号符号化部120、第2変換部125、量子化部130、逆量子化部135、第2逆変換部140、保存部145、励起信号復号化部150、励起スペクトル生成部155、高周波数領域の符号化部160及び多重化部165を含んでなる。
【0028】
第1変換部100は、入力端子INを通じて入力された信号を所定の周波数バンド別に時間ドメインで示すように変換する。第1変換部100で変換する方式として、QMF(Quadrature Mirror Filter bank)及びLOT(lapped orthogonal transform)などがある。
【0029】
しかし、第1変換部100は、FV−MLT(Frequency Varying Modulated Lapped Transform)のように入力端子INを通じて入力された信号を所定の周波数バンド別に、時間ドメインまたは周波数ドメインで示すように変換することによって、第2変換部125を備えずとも、ドメイン選択部105で選択されたドメインに第1変換部100で変換して実施しうる。
【0030】
ドメイン選択部105は、第1変換部100で変換された各周波数バンドの信号のうち、既定の周波数より小さな領域に含まれる周波数バンドの信号を、既定の基準によって時間ドメインで符号化するか、周波数ドメインで符号化するかを選択する。また、ドメイン選択部105は、各周波数バンドが符号化されたドメインについての情報を符号化して多重化部165に出力する。
【0031】
ここで、既定の基準の例として、線形予測符号化利得値、隣接したフレームの線形予測フィルター間のスペクトル変化、ピッチ遅延及び長区間予測利得値などがある。
【0032】
線形予測部110は、ドメイン選択部105によって時間ドメインで符号化すると決定された周波数バンドに備えられた信号に対してLPC(Linear Predictive Coding)分析を行ってLPC係数を抽出して符号化し、ドメイン選択部105によって時間ドメインで符号化すると決定された周波数バンドに備えられた信号から短区間相関を除去して第1励起信号を抽出する。
【0033】
長区間予測部115は、線形予測部110で抽出された第1励起信号に対して長区間予測(long−term prediction)を行い、第2励起信号を抽出する。また、長区間予測部115は、長区間予測が行われた結果を符号化して多重化部165に出力する。
【0034】
長区間予測部115で行う長区間予測の例として周期性(periodicity)の連続性(continuity)程度、周波数スペクトルの傾度(frequency spectral tilt)程度及びフレームエネルギー程度などがある。ここで、周期性の連続性は、ピッチラグ(pitch lag)の変化が少なく、ピッチ相関度(pitch correlation)の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。また、周期性の連続性は、第1フォルマント周波数(1st formant frequency)が非常に低く、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。
【0035】
励起信号符号化部120は、長区間予測部115で抽出された第2励起信号を符号化する。
【0036】
第2変換部125は、ドメイン選択部105によって周波数ドメインで符号化すると決定された周波数バンドに備えられた信号を時間ドメインから周波数ドメインに変換してスペクトルを生成する。
【0037】
量子化部130は、第2変換部125で生成されたスペクトルを量子化する。量子化部130で量子化されたスペクトルは、多重化部165に出力される。
【0038】
逆量子化部135は、量子化部130で量子化されたスペクトルを逆量子化する。
【0039】
第2逆変換部140は、第2変換部125で行う変換の逆過程であり、逆量子化部135で逆量子化されたスペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換する。
【0040】
保存部145は、第2逆変換部140で逆変換された信号を保存する。保存部145で逆変換された信号を保存する理由は、次のフレームから時間ドメインで符号化される周波数バンド信号に対する長区間予測部115で長区間予測を行うのに利用するためである。
【0041】
励起信号復号化部150は、励起信号符号化部120で符号化された第2励起信号を復号化する。
【0042】
励起スペクトル生成部155は、逆量子化部135で逆量子化されたスペクトルをホワイトニング処理して励起スペクトルを生成する。
【0043】
高周波数領域の符号化部160は、既定の周波数より小さな領域に該当する周波数バンドに備えられた信号を利用して既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドの信号を時間ドメインまたは周波数ドメインで適応的に符号化する。高周波数領域の符号化部160で利用する信号は、時間ドメインで符号化する場合、励起信号復号化部150で復号化された第2励起信号であり、周波数ドメインで符号化する場合、励起スペクトル生成部155で生成された励起スペクトルである。
【0044】
多重化部165は、ドメイン選択部105で符号化された各周波数バンドが符号化されたドメインについての情報、線形予測部110で符号化されたLPC係数、長区間予測部115で符号化された長区間予測が行われた結果、励起信号符号化部120で符号化された第2励起信号、量子化部130で量子化されたスペクトル及び高周波数領域の符号化部160で符号化された結果を含んで多重化することによって、ビットストリームを生成し、出力端子OUTを通じて出力する。
【0045】
図1Bは、本発明による適応的高周波数領域の符号化装置に含まれた高周波数領域の符号化部160の一実施例を示すブロック図であって、前記高周波数領域の符号化部160は、ドメイン選択部170、線形予測部175、乗算部180、利得値符号化部185、ノイズ情報符号化部190及び包絡線情報符号化部195を含んでなる。
【0046】
ドメイン選択部170は、既定の周波数より大きい領域に該当する各周波数バンドに備えられた信号を時間ドメインで符号化するか、周波数ドメインで符号化するかを選択する。
【0047】
ドメイン選択部170で符号化するドメインを選択するに当たって、既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドを符号化するのに利用される既定の周波数より小さな領域に該当する周波数バンドが時間ドメインで符号化されたか、周波数ドメインで符号化されたかを基準にドメインを選択しうる。もし、既定の周波数より大きい領域に該当する所定の周波数バンドの符号化に用いられる既定の周波数より小さな領域に該当する所定の周波数バンドが時間ドメインで符号化された場合、該当する既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドは、時間ドメインで符号化すると選択し、もし、既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドの符号化に用いられる既定の周波数より小さな領域に該当する周波数バンドが周波数ドメインで符号化された場合、該当する既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドは、周波数ドメインで符号化すると選択する。
【0048】
線形予測部175は、ドメイン選択部170によって時間ドメインで符号化すると選択された周波数バンドに備えられた信号に対してLPC(Linear Predictive Coding)分析を行ってLPC係数を抽出する。線形予測部175で抽出されたLPC係数は符号化されて出力端子OUT1を通じて図1Aの多重化部165に出力され、復号化器で図7Aに示された一例のような包絡線の復元に用いられる。
【0049】
乗算部180は、入力端子IN1を通じて入力された図1Aの励起信号復号化部150で復号化された第2励起信号と線形予測部175で抽出されたLPC係数による包絡線を乗算する。乗算部180で乗算された信号の例として、図7Bに示された部材番号710に該当する信号がある。
【0050】
利得値符号化部185は、乗算部180で乗算された信号が既定の周波数より小さな領域に備えられた信号である低周波数信号に対して存在するミスマッチングを補償する利得値を計算して符号化する。利得値符号化部185で計算された利得値によって図7Bに示されたように低周波数信号の部材番号720に該当する信号と乗算部180で乗算された信号の部材番号710に該当する信号との境界に存在するミスマッチングを復号化器で図7Cに示されたように補償しうる。また、利得値符号化部185で符号化された利得値は、出力端子OUT2を通じて図1Aの多重化部165に出力する。
【0051】
ノイズ情報符号化部190は、ドメイン選択部170によって周波数ドメインで符号化すると選択された周波数バンドにノイズを生成するのに利用する励起スペクトル生成部155で生成された励起スペクトルの周波数バンドを選択して該当周波数バンドについての情報を符号化する。ノイズ情報符号化部190で符号化された周波数バンドについての情報は、出力端子OUT3を通じて図1Aの多重化部165に出力される。
【0052】
包絡線情報符号化部195は、既定の周波数より大きい領域に備えられた周波数バンドのうち、ドメイン選択部170で周波数ドメインで符号化すると選択された周波数バンドに備えられたスペクトルの包絡線情報を抽出して符号化する。包絡線情報符号化部195で符号化されたスペクトルの包絡線情報は、出力端子OUT4を通じて図1Aの多重化部165に出力される。
【0053】
図1A及び図1Bの実施例のように符号化するドメインをまず決定し、該決定されたドメインで符号化する開ループ(open−loop)方式に限定して実施せねばならないものではない。周波数ドメイン及び時間ドメインをいずれも符号化した後、該符号化された結果を比較して、さらによいドメインを選択する閉ループ(close−loop)方式でも実施しうる。
【0054】
図2Aは、本発明による適応的高周波数領域の符号化装置の一実施例を示すブロック図であって、前記適応的高周波数領域の符号化装置は、領域分割部200、線形予測部205、変換部210、量子化部215、逆量子化部220、逆変換部225、保存部230、信号分析部235、長区間予測部240及びスイッチング部245、高周波数領域の符号化部250及び多重化部255を含んでなる。
【0055】
領域分割部200は、入力端子INを通じて入力された信号を既定の周波数より小さな領域に備えられた低周波数信号と既定の周波数より大きい領域に備えられた高周波数信号とに分割する。
【0056】
線形予測部205は、領域分割部200で分割された低周波数信号に対してLPC(Linear Predictive Coding)分析を行ってLPC係数を抽出し、領域分割部200で分割された低周波数信号から短区間相関を除去して、第1励起信号を抽出する。また、線形予測部205は、抽出されたLPC係数を符号化して多重化部255に出力する。
【0057】
変換部210は、線形予測部205で抽出された第1励起信号を時間ドメインから周波数ドメインに変換して励起スペクトルを生成する。
【0058】
量子化部215は、変換部210で生成された励起スペクトルを量子化する。量子化部215で量子化された励起スペクトルは多重化部255に出力される。
【0059】
逆量子化部220は、量子化部215で量子化された励起スペクトルを逆量子化する。
【0060】
逆変換部225は、変換部210で行う変換の逆過程であって、逆量子化部220で逆量子化された励起スペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して第2励起信号を生成する。
【0061】
保存部230は、逆変換部225で逆変換された第2励起信号を保存する。保存部230で第2励起信号を保存する理由は、次のフレームから時間ドメインで符号化される周波数バンド信号に対する長区間予測部240での長区間予測に利用するためである。
【0062】
信号分析部235は、線形予測部205で抽出された第1励起信号を分析して低周波数信号の特性によって長区間予測部240で長区間予測を行うのか否かを決定する。ここで、信号分析部235で長区間予測を行うかを決定する基準となる低周波数信号の特性に対する例として、線形予測符号化利得値、隣接したフレームの線形予測フィルター間のスペクトル変化、ピッチ遅延及び長区間予測利得値などがある。
【0063】
長区間予測部240は、信号分析部235で長区間予測を行うと決定された場合、線形予測部205で抽出された第1励起信号に対して長区間予測(long−term prediction)を行い、第3励起信号を抽出する。
【0064】
長区間予測部240で行う長区間予測の例として周期性の連続性程度、周波数スペクトルの傾度程度及びフレームエネルギー程度などがある。ここで、周期性の連続性は、ピッチラグの変化が少なく、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。また、周期性の連続性は、第1フォルマント周波数が非常に低く、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。
【0065】
スイッチング部245は、信号分析部235で決定された長区間予測を行うか否かによって長区間予測部240で抽出された第2励起信号をスイッチングする。
【0066】
高周波数領域の符号化部160は、逆量子化部220で逆量子化された既定の周波数より小さな領域に備えられた励起スペクトルを利用して周波数ドメインで高周波数信号を符号化する。
【0067】
多重化部255は、線形予測部205で符号化されたLPC係数、量子化部215で量子化された励起スペクトル、長区間予測部240で行われた長区間予測の結果及び高周波数領域の符号化部250で符号化された結果を含んでビットストリームを生成することによって、多重化して出力端子OUTを通じて出力する。
【0068】
図2Bは、本発明による適応的高周波数領域の符号化装置に含まれた高周波数領域の符号化部250の一実施例を示すブロック図であって、前記高周波数領域の符号化部250は、ノイズ情報符号化部260及び包絡線情報符号化部265を含んでなる。
【0069】
ノイズ情報符号化部260は、入力端子IN1で入力された図2Aの逆量子化部220で逆量子化された励起スペクトルのうち、既定の周波数より大きい高周波数スペクトルの符号化に利用する周波数バンドについての情報を符号化する。ノイズ情報符号化部260で符号化された高周波数スペクトルの符号化に利用する周波数バンドについての情報は出力端子OUT1を通じて図2Aの多重化部255に出力する。
【0070】
包絡線情報符号化部265は、入力端子IN2を通じて高周波数スペクトルを入力されて高周波数スペクトルに対する包絡線を抽出し、該抽出された包絡線情報を符号化する。包絡線情報の例として所定の周波数バンド単位で計算されたエネルギー値がある。包絡線情報符号化部265で符号化された包絡線情報を出力端子OUT2を通じて図2Bの多重化部255に出力する。
【0071】
図3Aは、本発明による適応的高周波数領域の符号化装置の一実施例を示すブロック図であって、前記適応的高周波数領域の符号化装置は、領域分割部300、線形予測部305、ドメイン選択部310、長区間予測部315、励起信号符号化部320、変換部325、量子化部330、逆量子化部335、逆変換部340、保存部345、励起信号復号化部350、高周波数領域の符号化部360及び多重化部365を含んでなる。
【0072】
領域分割部300は、入力端子INを通じて入力された信号を既定の周波数より小さな領域に備えられた信号である低周波数信号と既定の周波数より大きい領域に備えられた信号である高周波数信号とに分割する。
【0073】
線形予測部305は、領域分割部300で分割された低周波数信号に対してLPC分析を行ってLPC係数を抽出し、領域分割部300で分割された低周波数信号から短区間相関を除去して第1励起信号を抽出する。線形予測部305で抽出されたLPC係数は、符号化されて多重化部365に出力される。
【0074】
ドメイン選択部310は、線形予測部305で抽出された第1励起信号を既定の基準によって時間ドメインで符号化するか、周波数ドメインで符号化するかを選択する。ここで、既定の基準の例として、線形予測符号化利得値、隣接したフレームの線形予測フィルター間のスペクトル変化、ピッチ遅延及び長区間予測利得値などがある。
【0075】
もし、ドメイン選択部310で第1励起信号を時間ドメインで符号化すると選択されれば、長区間予測部315は、線形予測部305で抽出された第1励起信号に対して長区間予測を行って第2励起信号を抽出する。
【0076】
長区間予測部315で行う長区間予測の例として、周期性の連続性程度、周波数スペクトルの傾度程度及びフレームエネルギー程度などがある。ここで、周期性の連続性は、ピッチラグの変化が少なく、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。また、周期性の連続性は、第1フォルマント周波数が非常に低く、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。
【0077】
励起信号符号化部320は、長区間予測部315で抽出された第2励起信号を符号化する。
【0078】
もし、ドメイン選択部310で第1励起信号を周波数ドメインで符号化すると選択されれば、変換部325は、線形予測部305で抽出された第1励起信号を時間ドメインから周波数ドメインに変換して励起スペクトルを生成する。
【0079】
量子化部330は、変換部325で生成された励起スペクトルを量子化する。量子化部330で量子化された励起スペクトルは多重化部365に出力される。
【0080】
逆量子化部335は、量子化部330で量子化された励起スペクトルを逆量子化する。
【0081】
逆変換部340は、変換部325で行う変換の逆過程であって、逆量子化部335で逆量子化された励起スペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換する。
【0082】
保存部345は、逆変換部340で逆変換された第3励起信号を保存する。保存部345で第3励起信号を保存する理由は、次のフレームに対する符号化時に時間ドメインで符号化する周波数バンドに備えられた信号に対して長区間予測部315での長区間予測に利用するためである。
【0083】
励起信号復号化部350は、励起信号符号化部320で符号化された第2励起信号を復号化する。
【0084】
高周波数領域の符号化部360は、既定の周波数より小さな領域に該当する信号またはスペクトルを利用して時間ドメインまたは周波数ドメインで適応的に既定の周波数より大きい領域に該当する信号を符号化する。高周波数領域の符号化部360で利用する信号は、時間ドメインで符号化する場合、励起信号復号化部350で復号化された励起信号であり、高周波数領域の符号化部360で利用するスペクトルは、周波数ドメインで符号化する場合、逆量子化部335で逆量子化された励起スペクトルである。
【0085】
多重化部365は、線形予測部305で抽出されたLPC係数、長区間予測部315で行った長区間予測の結果、ドメイン選択部310で選択された低周波数信号を符号化したドメインについての情報、励起信号符号化部320で符号化された励起信号、量子化部330で量子化された励起スペクトル及び高周波数領域の符号化部360で符号化された結果を含んで多重化することによって、ビットストリームを生成し、出力端子OUTを通じて出力する。
【0086】
図3Bは、本発明による適応的高周波数領域の符号化装置に含まれた高周波数領域の符号化部360の一実施例を示すブロック図であって、前記高周波数領域の符号化部360は、ドメイン選択部370、線形予測部375、乗算部380、利得値符号化部385、ノイズ情報符号化部390及び包絡線情報符号化部395を含んでなる。
【0087】
ドメイン選択部370は、入力端子IN1を通じて入力された図3Aのドメイン選択部310で選択された既定の周波数より小さな領域に備えられた信号である低周波数信号を符号化するドメインによって既定の周波数より大きい領域に備えられた信号である高周波数信号を符号化するドメインを選択する。もし、図3Aのドメイン選択部310で低周波数信号を周波数ドメインで符号化すると選択されれば、ドメイン選択部370も高周波数信号を周波数ドメインで符号化すると選択する。そして、図3Aのドメイン選択部310で低周波数信号を時間ドメインで符号化すると選択されれば、ドメイン選択部370も高周波数信号を時間ドメインで符号化すると選択する。
【0088】
線形予測部375は、ドメイン選択部370で高周波数信号を時間ドメインで符号化すると選択されれば、入力端子IN2を通じて入力された高周波数信号に対するLPC分析を行ってLPC係数を抽出する。線形予測部375で抽出されたLPC係数は、符号化されて出力端子OUT1を通じて図3Aの多重化部365に出力され、復号化器で、図7Aに示された包絡線の復元に用いられる。
【0089】
乗算部380は、入力端子IN3を通じて入力された図3Aの励起信号復号化部350で復号化された励起信号と線形予測部375で抽出されたLPC係数による高周波数信号の包絡線を乗算する。乗算部380で乗算された信号の例として、図7Bに図示された部材番号710に該当する信号がある。
【0090】
利得値符号化部385は、乗算部380で乗算された信号が低周波数信号に対して存在するミスマッチングを補償する利得値を計算して符号化する。図7Bに示されたように低周波数信号の部材番号720に該当する信号と乗算部380で乗算された信号の部材番号710に該当する信号の境界に存在するミスマッチングを図7Cに示されたように補償する。そして、利得値符号化部385で符号化された利得値は、出力端子OUT2を通じて図3Aの多重化部365に出力する。
【0091】
ノイズ情報符号化部390は、逆量子化部335で逆量子化された励起スペクトルのうち、復号化器で高周波数スペクトルの復号化に使用する周波数バンドを選択し、該選択された周波数バンドについての情報を符号化する。ノイズ情報符号化部390で符号化された周波数バンドについての情報は出力端子OUT3を通じて出力される。
【0092】
包絡線情報符号化部395は、高周波数スペクトルの包絡線情報を抽出して符号化する。ここで、包絡線情報の例として所定の周波数バンド単位で計算されたエネルギー値がある。包絡線情報符号化部395で符号化された高周波数スペクトルの包絡線情報は、出力端子OUT4を通じて図3Aの多重化部365に出力される。
【0093】
図3A及び図3Bの実施例のように符号化するドメインをさらに決定し、該決定されたドメインで符号化する開ループ方式に限定して実施せねばならないものではない。周波数ドメインと時間ドメインとの両方に符号化を行った後、符号化された結果を比較して、さらによいドメインを選択する閉ループ方式でも実施しうる。
【0094】
図4Aは、本発明による適応的高周波数領域復号化装置の一実施例を示すブロック図であって、前記適応的高周波数領域復号化装置は、逆多重化部400、ドメイン判断部405、励起信号復号化部410、長区間合成部415、線形合成部420、逆量子化部430、第2逆変換部433、励起スペクトル生成部435、高周波数領域復号化部440及び第1逆変換部445を含んでなる。
【0095】
逆多重化部400は、入力端子INを通じて符号化端から入力されたビットストリームを逆多重化する。逆多重化部400では、符号化器で符号化された各周波数バンドが符号化されたドメインについての情報、符号化器で符号化されたLPC係数、符号化器で符号化された長区間予測が行われた結果、符号化器で符号化された励起信号、符号化器で量子化されたスペクトル及び低周波数領域に備えられた信号またはスペクトルを利用して高周波数信号を復号化しうる情報を含んで逆多重化する。
【0096】
ドメイン判断部405は、既定の周波数より小さな領域の低周波数領域に備えられた周波数バンドが符号化器で符号化されたドメインについての情報を逆多重化部400から入力されて各周波数バンドが符号化されたドメインを判断する。
【0097】
励起信号復号化部410は、ドメイン判断部405で、時間ドメインで符号化された周波数バンドと判断された周波数バンドに備えられた符号化器で符号化された励起信号を逆多重化部400から入力されて復号化する。
【0098】
長区間合成部415は、ドメイン判断部405で、時間ドメインで符号化された周波数バンドと判断された周波数バンドに対して符号化器で長区間予測が行われた結果を逆多重化部400から入力されて復号化し、励起信号復号化部410で復号化された励起信号に長区間予測が行われた結果を合成する。
【0099】
線形合成部420は、ドメイン判断部405で、時間ドメインで符号化されたと判断された周波数バンドのLPC係数を逆多重化部400から入力されて復号化し、長区間合成部415で合成された信号にLPC係数を合成する。
【0100】
逆量子化部430は、ドメイン判断部405で、周波数ドメインで符号化されたと判断された周波数バンドに備えられたスペクトルを逆多重化部400から入力されて逆量子化する。
【0101】
第2逆変換部433は、図1Aの第2変換部125で行う変換の逆過程として逆量子化部430で逆量子化されたスペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換する。
【0102】
励起スペクトル生成部435は、逆量子化部430で逆量子化されたスペクトルをホワイトニング処理して励起スペクトルを生成する。
【0103】
高周波数領域復号化部440は、励起信号復号化部410で復号化された所定周波数バンドに備えられた励起信号、または励起スペクトル生成部435で復号化された所定周波数バンドに備えられた励起スペクトルを利用して、既定の周波数より大きい領域に備えられた信号である高周波数信号を復号化する。
【0104】
第1逆変換部445は、図1Aの第1変換部100で行う変換の逆過程であって、信号合成部425で合成された所定周波数バンドに備えられた信号または第2逆変換部433で逆変換された所定周波数バンドに備えられた信号及び高周波数領域復号化部440で復号化された高周波数信号を合成して時間ドメインに合成することによって逆変換して、出力端子OUTを通じて出力する。第1逆変換部445で変換する方式としてQMF(Quadrature Mirror Filterbank)及びLOT(lapped orthogonal transform)などがある。
【0105】
しかし、第1逆変換部445は、FV−MLT(Frequency Varying Modulated Lapped Transform)のように所定の周波数バンド別に時間ドメインまたは周波数ドメインで示した信号を、時間ドメインに合成して、高周波数領域復号化部440で別途に周波数ドメインから時間ドメインに変換する逆変換部480を備えずとも実施しうる。
【0106】
図4Bは、本発明による適応的高周波数領域の復号化装置に含まれた高周波数領域復号化部440の一実施例を示すブロック図であって、前記適応的高周波数領域復号化部440は、ドメイン判断部450、線形合成部455、乗算部460、利得値適用部465、ノイズ情報復号化部470、包絡線調節部475及び逆変換部480を含んでなる。
【0107】
ドメイン判断部450は、既定の周波数より大きい領域である高周波数領域に含まれた周波数バンドに備えられた信号が時間ドメインで符号化されたか、周波数ドメインで符号化されたかを判断する。ドメイン判断部450で各周波数バンドが符号化されたドメインは、符号化端からドメインと関連した情報を伝送され、図4Aの逆多重化部400から入力されて分かるか、高周波数領域に含まれた各周波数バンドで利用しようとする既定の周波数より小さな領域の低周波数領域に含まれた周波数バンドが復号化されたドメインを図4Aのドメイン判断部405から入力されて分かる。
【0108】
線形合成部455は、高周波数領域に含まれた周波数バンドのうち、時間ドメインで符号化された周波数バンドに対するLPC係数を入力端子IN1を通じて図4Aの逆多重化部400から入力されて復号化する。線形合成部455で復号化されたLPC係数によって図7Aに示されたグラフのような包絡線を復元しうる。
【0109】
乗算部460は、入力端子IN2を通じて入力された図4Aの励起信号復号化部150で復号化された励起信号と線形合成部455で復号化されたLPC係数による包絡線とを乗算する。乗算部460で乗算された信号の例として、図7Bに示された部材番号710に該当する信号がある。
【0110】
利得値適用部465は、入力端子IN3を通じて入力された利得値を復号化して乗算部460で乗算された信号に適用する。利得値適用部465で利得値を適用することによって、復号化された低周波数信号と復号化された高周波数信号との間に存在するミスマッチングを補償しうる。例えば、乗算部460で乗算された高周波数信号は、図7Bに示されたように低周波数信号との境界面にミスマッチングが発生するが、利得値適用部465で利得値を適用することによって、図7Cに示されたように、低周波数信号と高周波数信号とのミスマッチングの発生を防止する。利得値適用部465で利得値が適用された信号は、出力端子OUT1を通じて第1逆変換部445に出力される。
【0111】
ノイズ復号化部470は、図4Aの励起スペクトル生成部435で生成された励起スペクトルのうち、高周波数領域に備えられた周波数バンドスペクトルの復号化に利用する周波数バンドについての情報を入力端子IN4を通じて図4Aの逆多重化部400から入力されて復号化する。ノイズ復号化部470は、復号化した情報を利用して該当する周波数バンドに備えられた励起スペクトルをドメイン判断部450で周波数ドメインで符号化すると判断された周波数バンドにパッチするか、対称的にフォールディング(folding)することでノイズを生成する。例えば、ノイズ復号化部535は、図8Aに示された低周波数領域に備えられた励起スペクトルを高周波数領域に図8Bに示されたようにパッチする。
【0112】
包絡線調節部475は、符号化器で符号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を入力端子IN5を通じて図4Bの逆多重化部400から入力されて復号化する。包絡線調節部475で復号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を利用してノイズ復号化部470で生成されたノイズの包絡線を調節する。例えば、包絡線調節部475は、図8Bに示されたノイズ復号化部470で生成されたノイズを高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して図8Cに示されたように包絡線を調節する。
【0113】
逆変換部480は、図1Aの第2変換部125で行う変換の逆過程であって、包絡線調節部475で包絡線が調節されたノイズを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して高周波数信号を生成する。
【0114】
図5Aは、本発明による適応的高周波数領域復号化装置の一実施例を示すブロック図であって、前記適応的高周波数領域復号化装置は、逆多重化部500、逆量子化部505、逆変換部510、長区間合成部515、線形合成部520及び高周波数領域復号化部525を含んでなる。
【0115】
逆多重化部500は、入力端子INを通じて符号化端から入力されたビットストリームを逆多重化する。逆多重化部500では、符号化器で符号化されたLPC係数、符号化器で量子化された励起スペクトル、符号化器で行われた長区間予測の結果及び既定の周波数より小さな領域の低周波数領域に備えられた励起スペクトルを利用して既定の周波数より大きい領域に備えられた高周波数信号を復号化しうる情報を逆多重化する。
【0116】
逆量子化部505は、符号化器で量子化された低周波数領域に備えられた励起スペクトルを逆多重化部500から入力されて逆量子化する。
【0117】
逆変換部510は、図2Aの変換部210で行う変換の逆過程であって、逆量子化部505で逆量子化された励起スペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して励起信号を生成する。
【0118】
長区間合成部515は、符号化器で低周波数領域に備えられた励起信号に対して長区間予測が行われた結果を逆多重化部500から入力されて復号化して逆変換部510で生成された励起信号に長区間予測が行われた結果を選択的に合成する。長区間合成部515で長区間予測が行われた結果を合成する場合は、符号化器で長区間予測が行われた結果が符号化されて伝送された励起信号に限って合成する。
【0119】
線形合成部520は、LPC係数を逆多重化部500から入力されて復号化する。線形合成部520は、LPC係数を復号化した後、長区間合成部515で長区間予測が行われた結果を合成しない場合、逆変換部510で生成された励起信号にLPC係数を合成し、長区間合成部515で長区間予測が行われた結果を合成した場合、長区間合成部515で合成された信号にLPC係数を合成する。線形合成部520で合成された信号は、最終的に低周波数領域に備えられる低周波数信号が復元されたものである。
【0120】
高周波数領域復号化部525は、逆量子化部505で逆量子化された低周波数領域に備えられた励起スペクトルを利用して高周波数信号を復号化する。
【0121】
領域合成部530は、線形合成部520で復元された低周波数信号と高周波数領域復号化部525で復号化された高周波数信号とを合成して出力端子OUTを通じて出力する。
【0122】
図5Bは、本発明による適応的高周波数領域復号化装置に含まれた高周波数領域復号化部525の一実施例を示すブロック図であって、前記高周波数領域復号化部525は、ノイズ復号化部535、包絡線調節部540及び逆変換部545を含んでなる。
【0123】
ノイズ復号化部535は、既定の周波数より小さな領域である低周波数領域に備えられた励起スペクトルのうち、既定の周波数より大きい高周波数スペクトルの符号化に利用する周波数バンドについての情報を逆多重化部500から入力端子IN1を通じて入力されて復号化する。ノイズ復号化部535は、復号化された情報によって入力端子IN1’を通じて逆量子化部505で逆量子化された励起スペクトルのうち、利用する所定の励起スペクトルを選択し、該当する励起スペクトルを既定の周波数より大きい領域にパッチするか、対称的にフォールディングすることで、ノイズを生成する。例えば、ノイズ復号化部535は、図8Aに示された低周波数領域に備えられた励起スペクトルを高周波数領域に図8Bに示されたようにパッチする。
【0124】
包絡線調節部540は、入力端子IN2を通じて図5Aの逆多重化部500から符号化器で符号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を入力されて復号化する。包絡線調節部540は、復号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を利用してノイズ復号化部535で生成されたノイズの包絡線を調節する。例えば、包絡線調節部540は、図8Bに示されたノイズ復号化部535で生成されたノイズを高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して図8Cに示されたように包絡線を調節する。
【0125】
逆変換部545は、図2Aの変換部210で行う変換の逆過程であって、包絡線調節部540で包絡線の調節されたノイズを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して高周波数信号を生成する。逆変換部545で生成された高周波数信号は出力端子OUT1を通じて図2Bの領域合成部530に出力される。
【0126】
図6Aは、本発明による高周波数領域復号化装置の一実施例を示すブロック図であって、前記高周波数領域復号化装置は、逆多重化部600、ドメイン判断部605、励起信号復号化部610、長区間合成部615、逆量子化部620、逆変換部625、線形合成部630、高周波数領域復号化部635及び領域合成部640を含んでなる。
【0127】
逆多重化部600は、入力端子INを通じて符号化端から入力されたビットストリームを逆多重化する。逆多重化部600では、符号化器で選択された低周波数信号を符号化したドメインについての情報、符号化器で符号化されたLPC係数、符号化器で行った長区間予測の結果、符号化器で符号化された励起信号、符号化器で量子化された励起スペクトル及び既定の周波数より小さな領域に備えられた低周波数信号または低周波数スペクトルを利用して高周波数信号を復号化する情報を逆多重化する。
【0128】
ドメイン判断部605は、既定の周波数より小さな領域に該当する低周波数領域が符号化器で符号化されたドメインの情報を逆多重化部600から入力されて復号化して低周波数領域が時間ドメインで符号化されたか、周波数ドメインで符号化されたかを判断する。
【0129】
ドメイン判断部605で低周波数領域が時間ドメインで符号化されたと判断されれば、励起信号復号化部610は、符号化器で符号化された低周波数領域の励起信号を逆多重化部400から入力されて復号化する。
【0130】
長区間合成部615は、既定の周波数より小さな領域に備えられた信号である低周波数信号に対して符号化器で長区間予測が行われた結果を逆多重化部600から入力されて復号化し、励起信号復号化部610で復号化された励起信号に長区間予測が行われた結果を合成する。
【0131】
ドメイン判断部605で低周波数領域が周波数ドメインで符号化されたと判断されれば、逆量子化部620は、符号化器で量子化された励起スペクトルを逆多重化部600から入力されて逆量子化する。
【0132】
逆変換部625は、図3Aの変換部325で行う変換の逆過程であって、逆量子化部620で逆量子化された励起スペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して励起信号を生成する。
【0133】
線形合成部630は、低周波数信号のLPC係数を逆多重化部600から入力されて復号化し、長区間合成部615で合成された励起信号または逆変換部625で生成された励起信号に復号化されたLPC係数を合成する。線形合成部630で合成された信号は、最終的に低周波数領域に備えられる低周波数信号が復元されたものである。
【0134】
高周波数領域復号化部635は、逆量子化部620で逆量子化された励起スペクトルまたは励起信号復号化部610で復号化された励起信号を利用して高周波数信号を復号化する。もし、低周波数領域が時間ドメインで符号化されたならば、高周波数領域復号化部635は、逆量子化部620で逆量子化された励起スペクトルを利用して高周波数信号を復号化し、もし、低周波数領域が周波数ドメインで符号化されたならば、高周波数領域復号化部635は励起信号複花部610で復号化された励起信号を利用して高周波数信号を復号化する。
【0135】
領域合成部640は、線形合成部630で復元された低周波数信号と高周波数領域復号化部635で復号化された高周波数信号とを合成して出力端子OUTを通じて出力する。
【0136】
図6Bは、本発明による高周波数領域復号化装置に含まれた高周波数領域復号化部635の一実施例を示すブロック図であって、前記高周波数領域復号化部635は、ドメイン判断部645、線形合成部650、乗算部655、ノイズ復号化部665、包絡線調節部670及び逆変換部675を含んでなる。
【0137】
ドメイン判断部645は、既定の周波数より小さな領域に該当する低周波数領域が符号化されたドメインに対して既定の周波数より大きい領域に該当する高周波数領域を時間ドメインで復号化するか、周波数ドメインで復号化するかを判断する。
【0138】
もし、ドメイン判断部645で高周波数領域を時間ドメインで復号化すると判断されれば、線形合成部650は、既定の周波数より大きい領域に備えられた高周波数信号に対するLPC係数を図6Aの逆多重化部600から入力端子IN1を通じて入力されて復号化する。線形合成部650で復号化されたLPC係数によって図7Aに示されたグラフのような包絡線を復元しうる。
【0139】
乗算部655は、入力端子IN2を通じて入力された図6Aの励起信号復号化部610で復号化された励起信号に、線形合成部650で復号化されたLPC係数による包絡線を乗算する。乗算部655で乗算された信号の例として、図7Bに示された部材番号710に該当する信号がある。
【0140】
利得値適用部660は、入力端子IN3を通じて入力された利得値を図6Aの逆多重化部600から入力されて復号化して乗算部655で乗算された信号に適用する。利得値適用部660で利得値を適用することによって、図6Aの線形合成部630で復元された低周波数信号と復号化された高周波数信号との間に存在するミスマッチングを補償しうる。例えば、乗算部655で乗算された高周波数信号は、図7Bに示されたように低周波数信号との境界面にミスマッチングが発生するが、利得値適用部660で利得値を適用することによって、図7Cに示されたように低周波数信号と高周波数信号との間のミスマッチングの発生を防止する。利得値適用部660で利得値が適用された信号は、出力端子OUT1を通じて図6Aの領域合成部640に出力される。
【0141】
もし、ドメイン判断部645が高周波数領域を、周波数ドメインで復号化すると判断されれば、ノイズ復号化部665は入力端子IN4を通じて図6Aの逆量子化部620で逆量子化された励起スペクトルを入力されて高周波数領域にパッチするか、対称的にフォールディングすることでスペクトルを生成する。例えば、図8Aに示された励起スペクトルを高周波数領域に図8Bに示されたようにパッチする。
【0142】
包絡線調節部670は、入力端子IN5を通じて図6Aの逆多重化部600から符号化器で符号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を入力されて復号化する。包絡線調節部670は、復号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を利用してノイズ復号化部665で生成されたスペクトルの包絡線を調節する。例えば、包絡線調節部670は、図8Bに図示されたノイズ復号化部665で生成されたスペクトルに対して高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して図8Cに示されたように包絡線を調節する。
【0143】
逆変換部675は、図3Aの変換部325で行う変換の逆過程であって、包絡線調節部670で包絡線が調節されたスペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して高周波数信号を生成する。
【0144】
図9Aは、本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0145】
まず、入力された信号を所定の周波数バンド別に時間ドメインで示すように変換する(第900段階)。第900段階で変換する方式として、QMF及びLOTなどがある。
【0146】
しかし、第900段階では、FV−MLTのように入力された信号を所定の周波数バンド別に時間ドメインまたは周波数ドメインで示すように変換することによって、第925段階を行わずとも、第905段階で選択されたドメインで第900段階で変換して実施しうる。
【0147】
第900段階で変換された各周波数バンドの信号のうち、既定の周波数より小さな領域に含まれる周波数バンドの信号を既定の基準によって時間ドメインで符号化するか、周波数ドメインで符号化するかを選択する(第905段階)。ここで、既定の基準の例として、線形予測符号化利得値、隣接したフレームの線形予測フィルター間のスペクトル変化、ピッチ遅延及び長区間予測利得値などがある。
【0148】
第905段階で、時間ドメインで符号化すると決定された周波数バンドに備えられた信号に対してLPC分析を行ってLPC係数を抽出して符号化し、第905段階で時間ドメインで符号化すると決定された周波数バンドに備えられた信号から短区間相関を除去して第1励起信号を抽出する(第910段階)。
【0149】
第910段階で抽出された第1励起信号に対して長区間予測を行い、第2励起信号を抽出する(第915段階)。
【0150】
第915段階で行う長区間予測の例として、周期性の連続性程度、周波数スペクトルの傾度程度及びフレームエネルギー程度などがある。ここで、周期性の連続性は、ピッチラグの変化が少なく、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。また、周期性の連続性は、第1フォルマント周波数が非常に低く、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。
【0151】
第915段階で抽出された第2励起信号を符号化する(第920段階)。第905段階で、周波数ドメインで符号化すると決定された周波数バンドに備えられた信号を時間ドメインから周波数ドメインに変換してスペクトルを生成する(第925段階)。第925段階で生成されたスペクトルを量子化する(第930段階)。第930段階で量子化されたスペクトルを逆量子化する(第935段階)。第925段階で行う変換の逆過程として第935段階で逆量子化されたスペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換する(第940段階)。
【0152】
第2逆変換部140で逆変換された信号を保存する(第945段階)。第945段階で逆変換された信号を保存する理由は、次のフレームから時間ドメインで符号化する周波数バンドに備えられた信号に対して第915段階での長区間予測に利用するためである。
【0153】
第920段階で符号化された第2励起信号を復号化する(第950段階)。第935段階で逆量子化されたスペクトルをホワイトニング処理して励起スペクトルを生成する(第955段階)。
【0154】
既定の周波数より小さな領域に該当する周波数バンドに備えられた信号を利用して既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドの信号を時間ドメインまたは周波数ドメインで適応的に符号化する(第960段階)。第960段階で利用する信号は、時間ドメインで符号化する場合、第950段階で復号化された第2励起信号であり、周波数ドメインで符号化する場合、第955段階で生成された励起スペクトルである。
【0155】
第905段階で符号化された各周波数バンドが符号化されたドメインについての情報、第910段階で符号化されたLPC係数、第915段階で符号化された長区間予測が行われた結果、第920段階で符号化された第2励起信号、第930段階で量子化されたスペクトル及び第960段階で符号化された結果を含んで多重化することによって、ビットストリームを生成する(第965段階)。
【0156】
図9Bは、本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に含まれた第960段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0157】
まず、既定の周波数より大きい領域に該当する各周波数バンドに備えられた信号を時間ドメインで符号化するか、周波数ドメインで符号化するかを選択する(第970段階)。
【0158】
第970段階で符号化するドメインを選択するにおいて、既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドの符号化に用いられる既定の周波数より小さな領域に該当する周波数バンドが時間ドメインで符号化されたか、周波数ドメインで符号化されたかを基準にドメインを選択しうる。もし、既定の周波数より大きい領域に該当する所定の周波数バンドの符号化に用いられる既定の周波数より小さな領域に該当する所定の周波数バンドが時間ドメインで符号化された場合、該当する既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドは時間ドメインで符号化するものと選択し、もし、既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドの符号化に用いられる既定の周波数より小さな領域に該当する周波数バンドが周波数ドメインで符号化された場合、該当する既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドは周波数ドメインで符号化するものと選択する。
【0159】
第970段階で、時間ドメインで符号化すると選択された周波数バンドに備えられた信号に対してLPC分析を行ってLPC係数を抽出する(第975段階)。第975段階で抽出されたLPC係数は、復号化器で図7Aに示された一例のような包絡線の復元に用いられる。
【0160】
乗算部180は、図9Aの第950段階で復号化された第2励起信号と第975段階で抽出されたLPC係数による包絡線を乗算する(第980段階)。第980段階で乗算された信号の例として、図7Bに図示された部材番号710に該当する信号がある。
【0161】
第980段階で乗算された信号が既定の周波数より小さな領域に備えられた信号である低周波数信号に対して存在するミスマッチングを補償する利得値を計算して符号化する(第985段階)。第985段階で計算された利得値によって、図7Bに示されたように低周波数信号の部材番号720に該当する信号と第980段階で乗算された信号の部材番号710に該当する信号との境界に存在するミスマッチングを復号化器で、図7Cに示されたように補償しうる。
【0162】
第970段階で、周波数ドメインで符号化すると選択された周波数バンドにノイズを生成するのに利用する第955段階で生成された励起スペクトルの周波数バンドを選択して該当周波数バンドについての情報を符号化する(第990段階)。
【0163】
既定の周波数より大きい領域に備えられた周波数バンドのうち、第970段階で周波数ドメインで符号化すると選択された周波数バンドに備えられたスペクトルの包絡線情報を抽出して符号化する(第995段階)。
【0164】
図9A及び図9Bの実施例のように符号化するドメインを、先に決定し、該決定されたドメインで符号化する開ループ方式に限定して実施せねばならないものではない。周波数ドメインと時間ドメインの両方に符号化を行った後、符号化された結果を比較して、さらによいドメインを選択する閉ループ方式でも実施しうる。
【0165】
図10Aは、本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0166】
まず、入力された信号を既定の周波数より小さな領域に備えられた低周波数信号と既定の周波数より大きい領域に備えられた高周波数信号とに分割する(第1000段階)。
【0167】
第1000段階で分割された低周波数信号に対してLPC分析を行ってLPC係数を抽出し、第1000段階で分割された低周波数信号から短区間相関を除去して第1励起信号を抽出する(第1005段階)。
【0168】
第1005段階で抽出された第1励起信号を時間ドメインから周波数ドメインに変換して励起スペクトルを生成する(第1010段階)。
【0169】
第1010段階で生成された励起スペクトルを量子化する(第1015段階)。第1015段階で量子化された励起スペクトルを逆量子化する(第1020段階)。第1010段階で行う変換の逆過程であって、第1020段階で逆量子化された励起スペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して第2励起信号を生成する(第1025段階)。
【0170】
第1025段階で逆変換された第2励起信号を保存する(第1030段階)。第1030段階で第2励起信号を保存する理由は、次のフレームに対する符号化時に時間ドメインで符号化する周波数バンドに備えられた信号に対して第1040段階での長区間予測に利用するためである。
【0171】
第1005段階で抽出された第1励起信号を分析して、低周波数信号の特性によって長区間予測部240で長区間予測を行うか否かを決定する(第1035段階)。第1035段階で長区間予測を行うか否かを決定する基準となる低周波数信号の特性に対する例として、線形予測符号化利得値、隣接したフレームの線形予測フィルター間のスペクトル変化、ピッチ遅延及び長区間予測利得値などがある。
【0172】
第1035段階で長区間予測を行うと決定された場合、第1005段階で抽出された第1励起信号に対して長区間予測を行い、第3励起信号を抽出する(第1040段階)。
【0173】
第1040段階で行う長区間予測の例として、周期性の連続性程度、周波数スペクトルの傾度程度及びフレームエネルギー程度などがある。ここで、周期性の連続性は、ピッチラグの変化が少なく、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。また、周期性の連続性は、第1フォルマント周波数が非常に低く、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。
【0174】
第1020段階で逆量子化された既定の周波数より小さな領域に備えられた励起スペクトルを利用して周波数ドメインで高周波数信号を符号化する(第1050段階)。
【0175】
第1005段階で符号化されたLPC係数、第1015段階で量子化された励起スペクトル、第1040段階で行われた長区間予測の結果及び第1050段階で符号化された結果を含んでビットストリームを生成することによって多重化する(第1055段階)。
【0176】
図10Bは、本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に含まれた第1050段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0177】
まず、図10Aの第1020段階で逆量子化された励起スペクトルのうち、既定の周波数より大きい高周波数スペクトルの符号化に利用する周波数バンドについての情報を符号化する(第1060段階)。
【0178】
第1060段階後に、高周波数スペクトルを入力されて高周波数スペクトルに対する包絡線を抽出し、該抽出された包絡線情報を符号化する(第1065段階)。包絡線情報の例として所定の周波数バンド単位で計算されたエネルギー値がある。
【0179】
図11Aは、本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0180】
まず、入力された信号を既定の周波数より小さな領域に備えられた信号である低周波数信号と既定の周波数より大きい領域に備えられた信号である高周波数信号とに分割する(第1100段階)。
【0181】
第1100段階で分割された低周波数信号に対してLPC分析を行ってLPC係数を抽出し、第1100段階で分割された低周波数信号から短区間相関を除去して第1励起信号を抽出する(第1105段階)。
【0182】
第1105段階で抽出された第1励起信号を既定の基準によって時間ドメインで符号化するか、周波数ドメインで符号化するかを選択する(第1110段階)。ここで、既定の基準の例として、線形予測符号化利得値、隣接したフレームの線形予測フィルター間のスペクトル変化、ピッチ遅延及び長区間予測利得値などがある。
【0183】
もし、第1110段階で第1励起信号を時間ドメインで符号化すると選択されれば、第1105段階で抽出された第1励起信号に対して長区間予測を行って第2励起信号を抽出する(第1115段階)。
【0184】
第1115段階で行う長区間予測の例として周期性の連続性程度、周波数スペクトルの傾度程度及びフレームエネルギー程度などがある。ここで、周期性の連続性は、ピッチラグの変化が少なく、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。また、周期性の連続性は第1フォルマント周波数が非常に低くてピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。
【0185】
第1115段階で抽出された第2励起信号を符号化する(第1120段階)。
【0186】
もし、第1110段階で第1励起信号を周波数ドメインで符号化すると選択されれば、第1105段階で抽出された第1励起信号を時間ドメインから周波数ドメインに変換して励起スペクトルを生成する(第1125段階)。
【0187】
第1125段階で生成された励起スペクトルを量子化する(第1130段階)。第1130段階で量子化された励起スペクトルを逆量子化する(第1135段階)。第1125段階で行う変換の逆過程であって、第1135段階で逆量子化された励起スペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換する(第1140段階)。
【0188】
第1140段階で逆変換された第3励起信号を保存する(第1145段階)。第1145段階で、前記第3励起信号を保存する理由は、次のフレームから時間ドメインで符号化される周波数バンド信号に対する第1115段階で行われる長区間予測時に前記第3励起信号を利用するためである。第1120段階で符号化された第2励起信号を復号化する(第1150段階)。
【0189】
既定の周波数より小さな領域に該当する信号またはスペクトルを利用して時間ドメインまたは周波数ドメインで適応的に既定の周波数より大きい領域に該当する信号を符号化する(第1160段階)。第1160段階で利用する信号は、時間ドメインで符号化する場合、第1150段階で復号化された励起信号であり、第1160段階で利用するスペクトルは、周波数ドメインで符号化する場合、第1135段階で逆量子化された励起スペクトルである。
【0190】
第1105段階で抽出されたLPC係数、第1110段階で選択された低周波数信号を符号化したドメインについての情報、第1115段階で行った長区間予測の結果、第1120段階で符号化された励起信号、第1130段階で量子化された励起スペクトル及び第1160段階で符号化された結果を含んで多重化することによってビットストリームを生成する(第1165段階)。
【0191】
図11Bは、本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に含まれた第1160段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0192】
まず、図11Aの第1110段階で選択された既定の周波数より小さな領域に備えられた信号である低周波数信号を符号化するドメインによって既定の周波数より大きい領域に備えられた信号である高周波数信号を符号化するドメインを選択する(第1170段階)。もし、図11Aの第1110段階で、低周波数信号を周波数ドメインで符号化すると選択されれば、第1170段階でも、高周波数信号を周波数ドメインで符号化すると選択する。そして、図11Aの第1110段階で低周波数信号を時間ドメインで符号化すると選択されれば、第1170段階でも、高周波数信号を時間ドメインで符号化すると選択する。
【0193】
第1170段階で、高周波数信号を時間ドメインで符号化すると選択されれば、高周波数信号に対してLPC分析を行ってLPC係数を抽出する(第1175段階)。第1175段階で抽出されたLPC係数は、復号化器で図7Aに示された包絡線の復元に用いられる。
【0194】
図11Aの第1150段階で復号化された第2励起信号と第1175段階で抽出されたLPC係数による高周波数信号の包絡線とを乗算する(第1180段階)。第1180段階で乗算された信号の例として、図7Bに示された部材番号710に該当する信号がある。
【0195】
第1180段階で乗算された信号が低周波数信号に対し存在するミスマッチングを補償する利得値を計算して符号化する(第1185段階)。図7Bに示されたように、低周波数信号の部材番号720に該当する信号と第1180段階で乗算された信号の部材番号710に該当する信号との境界に存在するミスマッチングを図7Cに示されたように補償する。
【0196】
第1135段階で逆量子化された励起スペクトルのうち、復号化器で高周波数スペクトルを復号化するのに利用する周波数バンドを選択して選択された周波数バンドについての情報を符号化する(第1190段階)。
【0197】
第1190段階後に、高周波数スペクトルの包絡線情報を抽出して符号化する(第1195段階)。ここで、包絡線情報の例として所定の周波数バンド単位で計算されたエネルギー値がある。
【0198】
図11A及び図11Bの実施例のように、符号化するドメインを先に決定し、該決定されたドメインで符号化する開ループ方式に限定して実施せねばならないものではない。周波数ドメインと時間ドメインの両方に符号化を行った後、符号化された結果を比較し、さらによいドメインを選択する閉ループ方式でも実施しうる。
【0199】
図12Aは、本発明による適応的高周波数領域復号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0200】
まず、符号化端から入力されたビットストリームを逆多重化する(第1200段階)。第1200段階では、符号化器で符号化された各周波数バンドが符号化されたドメインについての情報、符号化器で符号化されたLPC係数、符号化器で符号化された長区間予測が行われた結果、符号化器で符号化された励起信号、符号化器で量子化されたスペクトル及び低周波数領域に備えられた信号またはスペクトルを利用して高周波数信号を復号化しうる情報を含んで逆多重化する。
【0201】
既定の周波数より小さな領域の低周波数領域に備えられた周波数バンドが符号化器で符号化されたドメインについての情報を入力されて、各周波数バンドが符号化されたドメインを判断する(第1205段階)。
【0202】
第1205段階で、時間ドメインで符号化された周波数バンドであると判断された周波数バンドに備えられた符号化器で符号化された励起信号を復号化する(第1210段階)。
【0203】
第1205段階で、時間ドメインで符号化された周波数バンドであると判断された周波数バンドに対して符号化器で長区間予測が行われた結果を復号化し、第1210段階で復号化された励起信号に長区間予測が行われた結果を合成する(第1215段階)。
【0204】
第1205段階で、時間ドメインで符号化されたと判断された周波数バンドのLPC係数を復号化し、第1215段階で合成された信号にLPC係数を合成する(第1220段階)。
【0205】
第1205段階で周波数ドメインで符号化されたと判断された周波数バンドに備えられたスペクトルを逆量子化する(第1230段階)。
【0206】
図9Aの第1225段階で行う変換の逆過程であって、第1230段階で逆量子化されたスペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換する(第1233段階)。
【0207】
第1230段階で逆量子化されたスペクトルをホワイトニング処理して励起スペクトルを生成する(第1235段階)。
【0208】
第1210段階で復号化された所定周波数バンドに備えられた励起信号または第1235段階で復号化された所定周波数バンドに備えられた励起スペクトルを利用して既定の周波数より大きい領域に備えられた信号である高周波数信号を復号化する(第1240段階)。
【0209】
図9Aの第900段階で行う変換の逆過程であって、第1225段階で合成された所定周波数バンドに備えられた信号または第1233段階で逆変換された所定周波数バンドに備えられた信号及び第1240段階で復号化された高周波数信号を合成して時間ドメイン信号に合成することによって逆変換する(第1245段階)。第1245段階で変換する方式でQMF及びLOTなどがある。
【0210】
しかし、第1245段階では、FV−MLTのように所定の周波数バンド別に時間ドメインまたは周波数ドメインで示した信号を時間ドメイン信号に合成して第1240段階で別途に周波数ドメインから時間ドメインに変換する第1280段階を行わずとも実施しうる。
【0211】
図12Bは、本発明による適応的高周波数領域復号化方法に含まれた第1240段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0212】
まず、既定の周波数より大きい領域の高周波数領域に含まれた周波数バンドに備えられた信号が時間ドメインで符号化されたか、周波数ドメインで符号化されたかを判断する(第1250段階)。第1250段階で、各周波数バンドが符号化されたドメインは符号化端からドメインと関連した情報を伝送されて分かるか、高周波数領域に含まれた各周波数バンドで利用しようとする既定の周波数より小さな領域の低周波数領域に含まれた周波数バンドが復号化されたドメインを図12Aの第1205段階から分かる。
【0213】
高周波数領域に含まれた周波数バンドのうち、時間ドメインで符号化された周波数バンドに対するLPC係数を復号化する(第1255段階)。第1255段階で復号化されたLPC係数によって図7Aに示されたグラフのような包絡線を復元しうる。
【0214】
図12Aの第1250段階で復号化された励起信号と、第1255段階で復号化されたLPC係数による包絡線とを乗算する(第1260段階)。第1260段階で乗算された信号の例として、図7Bに示された部材番号710に該当する信号がある。
【0215】
第1260段階後に、利得値を復号化して第1260段階で乗算された信号に適用する(第1265段階)。第1265段階で、利得値を適用することによって、復号化された低周波数信号と復号化された高周波数信号との間に存在するミスマッチングを補償しうる。例えば、第1260段階で乗算された高周波数信号は、図7Bに示されたように、低周波数信号との境界面にミスマッチングが発生するが、第1265段階で利得値を適用することによって、図7Cに示されたように低周波数信号と高周波数信号とのミスマッチングの発生を防止する。
【0216】
図12Aの第1235段階で生成された励起スペクトルのうち、高周波数領域に備えられた周波数バンドのスペクトルを復号化するのに利用する周波数バンドについての情報を復号化する(第1270段階)。第1270段階では、復号化した情報を利用して、該当する周波数バンドに備えられた励起スペクトルを、第1250段階で周波数ドメインで符号化するものと判断された周波数バンドにパッチするか、対称的にフォールディングすることでノイズを生成する。例えば、第1270段階では、図8Aに示された低周波数領域に備えられた励起スペクトルを高周波数領域に図8Bに示されたようにパッチする。
【0217】
符号化器で符号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を復号化する(第1275段階)。第1275段階で復号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して、第1270段階で生成されたノイズの包絡線を調節する。例えば、第1275段階では、図8Bに示された第1270段階で生成されたノイズに対して高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して図8Cに示されたように包絡線を調節する。
【0218】
図9Aの第925段階で行う変換の逆過程であって、第1275段階で包絡線が調節されたノイズを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して高周波数信号を生成する(第1280段階)。
【0219】
図13Aは、本発明による適応的高周波数領域復号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0220】
まず、符号化端から入力されたビットストリームを逆多重化する(第1300段階)。第1300段階では符号化器で符号化されたLPC係数、符号化器で量子化された励起スペクトル、符号化器で行われた長区間予測の結果及び既定の周波数より小さな領域の低周波数領域に備えられた励起スペクトルを利用して既定の周波数より大きい領域に備えられた高周波数信号を復号化しうる情報を逆多重化する。
【0221】
符号化器で量子化された低周波数領域に備えられた励起スペクトルを逆量子化する(第1305段階)。
【0222】
図10Aの第1010段階で行う変換の逆過程であって、第1305段階で逆量子化された励起スペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して励起信号を生成する(第1310段階)。
【0223】
符号化器で低周波数領域に備えられた励起信号に対して長区間予測が行われた結果を復号化し、第1310段階で生成された励起信号に長区間予測が行われた結果を選択的に合成する(第1315段階)。第1315段階で長区間予測が行われた結果を合成する場合は、符号化器で長区間予測が行われた結果が符号化されて伝送された励起信号に限って合成する。
【0224】
LPC係数を復号化する(第1320段階)。第1320段階では、LPC係数を復号化した後、第1315段階で長区間予測が行われた結果を合成しない場合、第1310段階で生成された励起信号にLPC係数を合成し、第1315段階で長区間予測が行われた結果を合成した場合、第1315段階で合成された信号にLPC係数を合成する。第1320段階で合成された信号は、最終的に低周波数領域に備えられる低周波数信号が復元されたものである。
【0225】
第1305段階で逆量子化された低周波数領域に備えられた励起スペクトルを利用して高周波数信号を復号化する(第1325段階)。第1320段階で復元された低周波数信号と第1325段階で復号化された高周波数信号とを合成する(第1330段階)。
【0226】
図13Bは、本発明による適応的高周波数領域復号化方法に含まれた第1325段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0227】
まず、既定の周波数より小さな領域である低周波数領域に備えられた励起スペクトルのうち、既定の周波数より大きい高周波数スペクトルの符号化に利用する周波数バンドについての情報を復号化する(第1335段階)。第1335段階では、復号化された情報によって第1305段階で逆量子化された励起スペクトルのうち、利用する所定の励起スペクトルを選択し、該当する励起スペクトルを既定の周波数より大きい領域にパッチしたり対称的にフォールディングすることでノイズを生成する。例えば、第1335段階では、図8Aに図示された低周波数領域に備えられた励起スペクトルを高周波数領域に図8Bに示されたようにパッチする。
【0228】
符号化器で符号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を復号化する(第1340段階)。第1340段階では、復号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して第1335段階で生成されたノイズの包絡線を調節する。例えば、第1340段階では、図8Bに図示された第1335段階で生成されたノイズを高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して図8Cに示されたように包絡線を調節する。
【0229】
図11Aの第1110段階で行う変換の逆過程であって、第1340段階で包絡線が調節されたノイズを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して高周波数信号を生成する(第1345段階)。
【0230】
図14Aは、本発明による適応的高周波数領域復号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0231】
まず、符号化端から入力されたビットストリームを逆多重化する(第1400段階)。第1400段階では、符号化器で選択された低周波数信号を符号化したドメインについての情報、符号化器で符号化されたLPC係数、符号化器で行った長区間予測の結果、符号化器で符号化された励起信号、符号化器で量子化された励起スペクトル及び既定の周波数より小さな領域に備えられた低周波数信号または低周波数スペクトルを利用して高周波数信号を復号化する情報を逆多重化する。
【0232】
既定の周波数より小さな領域に該当する低周波数領域が符号化器で符号化されたドメインの情報を復号化して、低周波数領域が時間ドメインで符号化されたか、周波数ドメインで符号化されたかを判断する(第1405段階)。
【0233】
第1405段階で、低周波数領域が時間ドメインで符号化されたと判断されれば、符号化器で符号化された低周波数領域の励起信号を復号化する(第1410段階)。
【0234】
既定の周波数より小さな領域に備えられた信号である低周波数信号に対して符号化器で長区間予測が行われた結果を復号化し、第1410段階で復号化された励起信号に長区間予測が行われた結果を合成する(第1415段階)。
【0235】
第1405段階で、低周波数領域が周波数ドメインで符号化されたと判断されれば、符号化器で量子化された励起スペクトルを逆量子化する(第1420段階)。
【0236】
図11Aの第1125段階で行う変換の逆過程であって、第1420段階で逆量子化された励起スペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して励起信号を生成する(第1425段階)。
【0237】
低周波数信号のLPC係数を復号化し、第1415段階で合成された励起信号または第1425段階で生成された励起信号に復号化されたLPC係数を合成する(第1430段階)。第1430段階で合成された信号は、最終的に低周波数領域に備えられる低周波数信号が復元されたものである。
【0238】
第1420段階で逆量子化された励起スペクトルまたは第1410段階で復号化された励起信号を利用して高周波数信号を復号化する(第1435段階)。もし、低周波数領域が時間ドメインで符号化されたならば、第1435段階では、第1420段階で逆量子化された励起スペクトルを利用して高周波数信号を復号化し、もし、低周波数領域が周波数ドメインで符号化されたならば、第1435段階では、第1410段階で復号化された励起信号を利用して高周波数信号を復号化する。
【0239】
第1430段階で復元された低周波数信号と第1435段階で復号化された高周波数信号とを合成する(第1440段階)。
【0240】
図14Bは、本発明による適応的高周波数領域復号化方法に含まれた第1435段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0241】
まず、既定の周波数より小さな領域に該当する低周波数領域が符号化されたドメインを既定の周波数より大きい領域に該当する高周波数領域に、時間ドメインで復号化するか、周波数ドメインで復号化するかを判断する(第1445段階)。
【0242】
もし、第1445段階で、高周波数領域を時間ドメインで復号化すると判断されれば、既定の周波数より大きい領域に備えられた高周波数信号に対するLPC係数を復号化する(第1450段階)。第1450段階で復号化されたLPC係数によって図7Aに示されたグラフのような包絡線を復元しうる。
【0243】
図12Aの第1410段階で復号化された励起信号に第1450段階で復号化されたLPC係数による包絡線を乗算する(第1455段階)。第1455段階で乗算された信号の例として、図7Bに示された部材番号710に該当する信号がある。
【0244】
符号化器で符号化された利得値を復号化して、第1455段階で乗算された信号に適用する(第1460段階)。第1460段階で利得値を適用することによって、図14Aの第1430段階で復元された低周波数信号と復号化された高周波数信号との間に存在するミスマッチングを補償しうる。例えば、第1455段階で乗算された高周波数信号は、図7Bに示されたように低周波数信号との境界面にミスマッチングが発生するが、第1460段階で利得値を適用することによって、図7Cに示されたように低周波数信号と高周波数信号との間のミスマッチングの発生を防止する。
【0245】
もし、第1445段階で高周波数領域を周波数ドメインで復号化すると判断されれば、図14Aの第1420段階で逆量子化された励起スペクトルを高周波数領域にパッチするか、対称的にフォールディングすることでスペクトルを生成する(第1465段階)。例えば、第1465段階は、図8Aに示された励起スペクトルを高周波数領域に、図8Bに示されたようにパッチする。
【0246】
符号化器で符号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を入力されて復号化する(第1470段階)。第1470段階では、復号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して、第1465段階で生成されたスペクトルの包絡線を調節する。例えば、第1470段階では、図8Bに示された第1465段階で生成されたスペクトルを高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して図8Cに示されたように包絡線を調節する。
【0247】
図11Aの第1125段階で行う変換の逆過程であって、第1470段階で包絡線が調節されたスペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して高周波数信号を生成する(第1475段階)。
【0248】
本発明は、コンピュータで読取り可能な記録媒体にコンピュータ(情報処理機能を有する装置をいずれも含む)で読取り可能なコードとして具現することが可能である。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読取り可能なデータが保存されるあらゆる種類の記録装置を含む。コンピュータで読取り可能な記録装置の例として、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置などがある。
【0249】
本発明についての理解を助けるために図面に図示された実施例を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他実施例が可能であるということを理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲により決まるべきである。
【0250】
本発明による適応的高周波数領域の符号化方法及び装置によれば、既定の周波数より小さな領域に備えられた信号を利用して既定の周波数より大きい領域に備えられた信号を時間ドメインまたは周波数ドメインで適応的に符号化するか、復号化する。
【0251】
これにより、少ないビットを利用してオーディオ信号を符号化するか、復号化するにもかかわらず、高周波数領域に該当する信号の音質を低下させないために、コーディング効率を極大化させうる。
【0252】
以下、実施の形態による手段を例示的に列挙する。
【0253】
[付記項1]
既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号を周波数バンド別に、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択してそれに変換するドメイン変換部と、
前記時間ドメインに変換された周波数バンドを、既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する時間ドメイン符号化部と、
前記周波数ドメインに変換された周波数バンドを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する周波数ドメイン符号化部とを備えることを特徴とする適応的高周波数領域の符号化装置。
【0254】
[付記項2]
前記時間ドメイン符号化部は、
前記時間ドメインに変換された周波数バンドに設けられた信号に対して線形予測を行う線形予測部と、
前記行われた線形予測によって生成された包絡線に前記励起信号を乗算する乗算部と、
前記低周波数領域に設けられた信号の低周波数信号と前記励起信号が乗算された包絡線との境界を一致させる利得値を計算して符号化する利得値符号化部とを備えることを特徴とする付記項1に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0255】
[付記項3]
前記周波数ドメイン符号化部は、
前記励起スペクトルのうち前記周波数ドメインに変換された周波数バンドに設けられたスペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化するノイズ情報符号化部と、
前記周波数ドメインに変換された周波数バンドに設けられたスペクトルの包絡線を抽出して符号化する包絡線情報符号化部とを備えることを特徴とする付記項1に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0256】
[付記項4]
前記励起信号は、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号のうち、時間ドメインで示した周波数バンドに設けられた信号に対して、線形予測または長区間予測を行って抽出された信号であることを特徴とする付記項1に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0257】
[付記項5]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルのうち、周波数ドメインで示した周波数バンドに設けられたスペクトルに対して、ホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項1に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0258】
[付記項6]
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化するノイズ情報符号化部と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する包絡線情報符号化部とを備えることを特徴とする適応的高周波数領域の符号化装置。
【0259】
[付記項7]
励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項6に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0260】
[付記項8]
既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号に対して既設定の基準によって、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択するドメイン選択部と、
前記ドメイン選択部で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する時間ドメイン符号化部と、
前記ドメイン選択部で周波数ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を周波数ドメインに変換して高周波数スペクトルを生成し、前記高周波数スペクトルを前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する周波数ドメイン符号化部とを備えることを特徴とする適応的高周波数領域の符号化装置。
【0261】
[付記項9]
前記時間ドメイン符号化部は、
前記ドメイン選択部で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号に対して線形予測を行う線形予測部と、
前記行われた線形予測によって生成された包絡線に前記励起信号を乗算する乗算部と、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号と前記励起信号が乗算された包絡線との境界を一致させる利得値を計算して符号化する利得値符号化部とを備えることを特徴とする付記項8に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0262】
[付記項10]
前記周波数ドメイン符号化部は、
前記ドメイン選択部で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を周波数ドメインに変換し、前記高周波数スペクトルを生成する変換部と、
前記励起スペクトルのうち前記高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化するノイズ情報符号化部と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する包絡線情報符号化部とを備えることを特徴とする付記項8に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0263】
[付記項11]
前記励起信号は、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号であることを特徴とする付記項8に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0264】
[付記項12]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号を周波数ドメインに変換したスペクトル、または前記低周波数領域に設けられたスペクトルである低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項8に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0265】
[付記項13]
既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域に設けられた各周波数バンドが符号化されたドメインを判断するドメイン判断部と、
前記時間ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する時間ドメイン復号化部と、
前記周波数ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する周波数ドメイン復号化部とを備えることを特徴とする適応的高周波数領域の復号化装置。
【0266】
[付記項14]
前記時間ドメイン復号化部は、
前記時間ドメインに変換された周波数バンドに設けられた信号に対するLPC(Linear Predictive Coding)係数を復号化する線形合成部と、
前記復号化されたLPC係数によって生成された包絡線に前記励起信号を乗算する乗算部と、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号と前記高周波数領域に設けられた高周波数信号との境界を一致させる利得値を復号化し、前記励起信号が乗算された包絡線に適用する利得値適用部とを備えることを特徴とする付記項13に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0267】
[付記項15]
前記周波数ドメイン復号化部は、
前記励起スペクトルのうち前記高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記周波数ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドにノイズを生成するノイズ生成部と、
前記周波数ドメインに変換された周波数バンドに設けられたスペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する包絡線調節部とを備えることを特徴とする付記項13に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0268】
[付記項16]
前記励起信号は、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号であることを特徴とする付記項13に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0269】
[付記項17]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項13に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0270】
[付記項18]
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成するノイズ生成部と、
前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する包絡線調節部とを備えることを特徴とする適応的高周波数領域の復号化装置。
【0271】
[付記項19]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項18に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0272】
[付記項20]
既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域が符号化されたドメインを判断するドメイン判断部と、
前記ドメイン判断部で前記高周波数領域が時間ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数信号を、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する時間ドメイン復号化部と、
前記ドメイン判断部で前記高周波数領域が周波数ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する周波数ドメイン復号化部とを備えることを特徴とする適応的高周波数領域の復号化装置。
【0273】
[付記項21]
前記時間ドメイン復号化部は、
前記高周波数信号に対するLPC係数を復号化する線形合成部と、
前記復号化されたLPC係数によって生成された包絡線に前記励起信号を乗算する乗算部と、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号と前記高周波数信号との境界を一致させる利得値を復号化し、前記励起信号が乗算された包絡線に適用する利得値適用部とを備えることを特徴とする付記項20に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0274】
[付記項22]
前記周波数ドメイン復号化部は、
前記励起スペクトルのうち復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成するノイズ生成部と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する包絡線調節部とを備えることを特徴とする付記項20に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0275】
[付記項23]
前記励起信号は、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号であることを特徴とする付記項20に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0276】
[付記項24]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号を周波数ドメインに変換したスペクトル、または前記低周波数領域に設けられたスペクトルである低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項20に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0277】
[付記項25]
既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号を周波数バンド別に、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択してそれに変換する段階と、
前記時間ドメインに変換された周波数バンドを、既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する段階と、
前記周波数ドメインに変換された周波数バンドを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の符号化方法。
【0278】
[付記項26]
前記励起信号を利用して符号化する段階は、
前記時間ドメインに変換された周波数バンドに設けられた信号に対して線形予測を行う段階と、
前記行われた線形予測によって生成された包絡線に前記励起信号を乗算する段階と、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号と前記励起信号が乗算された包絡線との境界を一致させる利得値を計算して符号化する段階とを含むことを特徴とする付記項25に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0279】
[付記項27]
前記励起スペクトルを利用して符号化する段階は、
前記励起スペクトルのうち前記周波数ドメインに変換された周波数バンドに設けられたスペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階と、
前記周波数ドメインに変換された周波数バンドに設けられたスペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階とを含むことを特徴とする付記項25に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0280】
[付記項28]
前記励起信号は、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号のうち、時間ドメインで示した周波数バンドに設けられた信号に対して、線形予測または長区間予測を行って抽出された信号であることを特徴とする付記項25に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0281】
[付記項29]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルのうち、周波数ドメインで示した周波数バンドに設けられたスペクトルに対して、ホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項25に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0282】
[付記項30]
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の符号化方法。
【0283】
[付記項31]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項30に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0284】
[付記項32]
既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号に対して既設定の基準によって、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択する段階と、
前記選択する段階で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する段階と、
前記選択する段階で周波数ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を周波数ドメインに変換して高周波数スペクトルを生成し、前記高周波数スペクトルを前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の符号化方法。
【0285】
[付記項33]
前記励起信号を利用して符号化する段階は、
前記ドメイン選択部で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号に対して線形予測を行う段階と、
前記行われた線形予測によって生成された包絡線に前記励起信号を乗算する段階と、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号と前記励起信号が乗算された包絡線との境界を一致させる利得値を計算して符号化する段階とを含むことを特徴とする付記項32に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0286】
[付記項34]
前記励起スペクトルを利用して符号化する段階は、
前記選択する段階で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を周波数ドメインに変換し、前記高周波数スペクトルを生成する段階と、
前記励起スペクトルのうち前記高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階とを含むことを特徴とする付記項32に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0287】
[付記項35]
前記励起信号は、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号であることを特徴とする付記項32に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0288】
[付記項36]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号を周波数ドメインに変換したスペクトル、または前記低周波数領域に設けられたスペクトルである低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項32に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0289】
[付記項37]
既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域に設けられた各周波数バンドが符号化されたドメインを判断する段階と、
前記時間ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する段階と、
前記周波数ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の復号化方法。
【0290】
[付記項38]
前記励起信号を利用して復号化する段階は、
前記時間ドメインに変換された周波数バンドに設けられた信号に対するLPC係数を復号化する段階と、
前記復号化されたLPC係数によって生成された包絡線に前記励起信号を乗算する段階と、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号と前記高周波数領域に設けられた高周波数信号との境界を一致させる利得値を復号化し、前記励起信号が乗算された包絡線に適用する段階とを含むことを特徴とする付記項37に記載の適応的高周波数領域復号化方法。
【0291】
[付記項39]
前記励起スペクトルを利用して復号化する段階は、
前記励起スペクトルのうち前記高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記周波数ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドにノイズを生成する段階と、
前記周波数ドメインに変換された周波数バンドに設けられたスペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する段階とを含むことを特徴とする付記項37に記載の適応的高周波数領域復号化方法。
【0292】
[付記項40]
前記励起信号は、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号であることを特徴とする付記項37に記載の適応的高周波数領域復号化方法。
【0293】
[付記項41]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項37に記載の適応的高周波数領域復号化方法。
【0294】
[付記項42]
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成する段階と、
前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の復号化方法。
【0295】
[付記項43]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項42に記載の適応的高周波数領域の復号化方法。
【0296】
[付記項44]
既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域が符号化されたドメインを判断する段階と、
前記判断する段階で前記高周波数領域が時間ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数信号を、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する段階と、
前記判断する段階で前記高周波数領域が周波数ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の復号化方法。
【0297】
[付記項45]
前記励起信号を利用して復号化する段階は、
前記高周波数信号に対するLPC係数を復号化する段階と、
前記復号化されたLPC係数によって生成された包絡線に前記励起信号を乗算する段階と、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号と前記高周波数信号との境界を一致させる利得値を復号化し、前記励起信号が乗算された包絡線に適用する段階とを含むことを特徴とする付記項44に記載の適応的高周波数領域の復号化方法。
【0298】
[付記項46]
前記励起スペクトルを利用して復号化する段階は、
前記励起スペクトルのうち復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成する段階と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する段階とを含むことを特徴とする付記項44に記載の適応的高周波数領域の復号化方法。
【0299】
[付記項47]
前記励起信号は、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号であることを特徴とする付記項44に記載の適応的高周波数領域の復号化方法。
【0300】
[付記項48]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号を周波数ドメインに変換したスペクトル、または前記低周波数領域に設けられたスペクトルである低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項44に記載の適応的高周波数領域の復号化方法。
【0301】
[付記項49]
既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号を周波数バンド別に、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択してそれに変換する段階と、
前記時間ドメインに変換された周波数バンドを、既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する段階と、
前記周波数ドメインに変換された周波数バンドを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する段階とをコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【0302】
[付記項50]
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階とをコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【0303】
[付記項51]
既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号に対して既設定の基準によって、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択する段階と、
前記選択する段階で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する段階と、
前記選択する段階で周波数ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を周波数ドメインに変換して高周波数スペクトルを生成し、前記高周波数スペクトルを前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する段階とをコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【0304】
[付記項52]
既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域に設けられた各周波数バンドが符号化されたドメインを判断する段階と、
前記時間ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する段階と、
前記周波数ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する段階とをコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【0305】
[付記項53]
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成する段階と、
前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する段階とをコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【0306】
[付記項54]
既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域が符号化されたドメインを判断する段階と、
前記判断する段階で前記高周波数領域が時間ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数信号を、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する段階と、
前記判断する段階で前記高周波数領域が周波数ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する段階とをコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声信号または音楽信号のようなオーディオ信号を符号化したり復号化する方法及び装置に係り、さらに詳細には、低周波数領域に設けられた信号またはスペクトルを利用し、高周波数領域に設けられた信号を符号化したり復号化する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波数領域に該当する信号は、低周波数領域に該当する信号に比べて人間が音声として認識するのに重要性が落ちるというのが一般的である。従って、オーディオ信号を符号化するにおいて、可用ビットに対する制約があってコーディングの効率を高めなければならない場合、低周波数領域に該当する信号には、多くのビットを割り当てて符号化するが、これに比べて高周波数領域に該当する信号には、少ないビットを割り当てて符号化する。
【0003】
従って、高周波数領域に該当する信号を符号化するにおいて、少ないビットを利用しても人間が認識する音質を最大限向上させることができる方法及び装置が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-4710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
開示される発明の課題は、既設定の周波数より小さい領域に設けられた信号を利用して既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号を時間ドメインまたは周波数ドメインで適応的に符号化及び復号化する方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示される発明による符号化方法は、
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の符号化方法である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】本発明による適応的高周波数領域の符号化装置の一実施例を示すブロック図である。
【図1B】本発明による適応的高周波数領域の符号化装置に含まれた高周波数領域の符号化部160の一実施例を示すブロック図である。
【図2A】本発明による適応的高周波数領域の符号化装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2B】本発明による適応的高周波数領域の符号化装置に含まれた高周波数領域の符号化部250の一実施例を示すブロック図である。
【図3A】本発明による適応的高周波数領域の符号化装置の一実施例を示すブロック図である。
【図3B】本発明による適応的高周波数領域の符号化装置に含まれた高周波数領域の符号化部360の一実施例を示すブロック図である。
【図4A】本発明による適応的高周波数領域復号化装置の一実施例を示すブロック図である。
【図4B】本発明による適応的高周波数領域復号化装置に含まれた高周波数領域復号化部440の一実施例を示すブロック図である。
【図5A】本発明による適応的高周波数領域復号化装置の一実施例を示すブロック図である。
【図5B】本発明による適応的高周波数領域復号化装置に含まれた高周波数領域復号化部525の一実施例を示すブロック図である。
【図6A】本発明による適応的高周波数領域復号化装置の一実施例を示すブロック図である。
【図6B】本発明による適応的高周波数領域復号化装置の一実施例を示すブロック図である。
【図7A】LPC係数によって復元された包絡線の一実施例を示すグラフである。
【図7B】低周波数信号とLPC係数によって復元された包絡線の励起信号とを乗算した一実施例を示すグラフである。
【図7C】低周波数信号と高周波数信号との間に存在するミスマッチングを補償した一実施例を示すグラフである。
【図8A】低周波数領域に備えられた励起スペクトルの一実施例を示すグラフである。
【図8B】低周波数領域に備えられた励起スペクトルを高周波数領域にパッチした一実施例を示すグラフである。
【図8C】高周波数スペクトルの包絡線を調節した一実施例を示すグラフである。
【図9A】本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図9B】本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に含まれた第960段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図10A】本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図10B】本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に含まれた第1050段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図11A】本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図11B】本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に含まれた第1160段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図12A】本発明による適応的高周波数領域復号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図12B】本発明による適応的高周波数領域復号化方法に含まれた第1240段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図13A】本発明による適応的高周波数領域復号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図13B】本発明による適応的高周波数領域復号化方法に含まれた第1325段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図14A】本発明による適応的高周波数領域復号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【図14B】本発明による適応的高周波数領域復号化方法に含まれた第1435段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の符号化装置は、既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号を周波数バンド別に、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択してそれに変換するドメイン変換部、前記時間ドメインに変換された周波数バンドを、既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する時間ドメイン符号化部、及び前記周波数ドメインに変換された周波数バンドを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する周波数ドメイン符号化部を備えることを特徴とする。
【0009】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の符号化装置は、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化するノイズ情報符号化部、及び前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する包絡線情報符号化部を備えることを特徴とする。
【0010】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の符号化装置は、既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号に対して既設定の基準によって、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択するドメイン選択部、前記ドメイン選択部で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する時間ドメイン符号化部、及び前記ドメイン選択部で周波数ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を周波数ドメインに変換して高周波数スペクトルを生成し、前記高周波数スペクトルを前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する周波数ドメイン符号化部を備えることを特徴とする。
【0011】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の復号化装置は、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域に設けられた各周波数バンドが符号化されたドメインを判断するドメイン判断部、前記時間ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する時間ドメイン復号化部、及び前記周波数ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する周波数ドメイン復号化部を備えることを特徴とする。
【0012】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の復号化装置は、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成するノイズ生成部、及び前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する包絡線調節部を備えることを特徴とする。
【0013】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の復号化装置は、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域が符号化されたドメインを判断するドメイン判断部、前記ドメイン判断部で前記高周波数領域が時間ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数信号を、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する時間ドメイン復号化部、及び前記ドメイン判断部で前記高周波数領域が周波数ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する周波数ドメイン復号化部を備えることを特徴とする。
【0014】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の符号化方法は、既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号を周波数バンド別に、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択してそれに変換する段階、前記時間ドメインに変換された周波数バンドを、既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する段階、及び前記周波数ドメインに変換された周波数バンドを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する段階を含むことを特徴とする。
【0015】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の符号化方法は、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階、及び前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階を含むことを特徴とする。
【0016】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の符号化方法は、既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号に対して既設定の基準によって、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択する段階、前記選択する段階で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する段階、及び前記選択する段階で周波数ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を周波数ドメインに変換して高周波数スペクトルを生成し、前記高周波数スペクトルを前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する段階を含むことを特徴とする。
【0017】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の復号化方法は、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域に設けられた各周波数バンドが符号化されたドメインを判断する段階、前記時間ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する段階、前記周波数ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する段階を含むことを特徴とする。
【0018】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の復号化方法は、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成する段階、及び前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する段階を含むことを特徴とする。
【0019】
前記の課題をなすための本発明による適応的高周波数領域の復号化方法は、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域が符号化されたドメインを判断する段階、前記判断する段階で前記高周波数領域が時間ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数信号を、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する段階、及び前記判断する段階で前記高周波数領域が周波数ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルを前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する段階を含むことを特徴とする。
【0020】
前記の課題をなすための本発明による記録媒体は、既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号を周波数バンド別に、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択してそれに変換する段階、前記時間ドメインに変換された周波数バンドを、既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する段階、及び前記周波数ドメインに変換された周波数バンドを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する段階をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
【0021】
前記の課題をなすための本発明による記録媒体は、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階、及び前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
前記の課題をなすための本発明による記録媒体は、既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号に対して既設定の基準によって、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択する段階、前記選択する段階で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する段階、及び前記選択する段階で周波数ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を周波数ドメインに変換して高周波数スペクトルを生成し、前記高周波数スペクトルを前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する段階をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
【0023】
前記の課題をなすための本発明による記録媒体は、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域に設けられた各周波数バンドが符号化されたドメインを判断する段階、前記時間ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する段階、前記周波数ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する段階をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
【0024】
前記の課題をなすための本発明による記録媒体は、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成する段階、及び前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する段階をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
【0025】
前記の課題をなすための本発明による記録媒体は、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域が符号化されたドメインを判断する段階、前記判断する段階で前記高周波数領域が時間ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数信号を、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する段階、及び前記判断する段階で前記高周波数領域が周波数ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する段階をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
【0026】
<詳細な説明>
以下、添付された図面を参照して本発明による適応的時間/周波数ドメイン符号化方法及び装置に対して詳細に説明する。
【0027】
図1Aは、本発明による適応的高周波数領域の符号化装置の一実施例を示すブロック図であって、前記適応的高周波数領域の符号化装置は、第1変換部100、ドメイン選択部105、線形予測部110、長区間予測部115、励起信号符号化部120、第2変換部125、量子化部130、逆量子化部135、第2逆変換部140、保存部145、励起信号復号化部150、励起スペクトル生成部155、高周波数領域の符号化部160及び多重化部165を含んでなる。
【0028】
第1変換部100は、入力端子INを通じて入力された信号を所定の周波数バンド別に時間ドメインで示すように変換する。第1変換部100で変換する方式として、QMF(Quadrature Mirror Filter bank)及びLOT(lapped orthogonal transform)などがある。
【0029】
しかし、第1変換部100は、FV−MLT(Frequency Varying Modulated Lapped Transform)のように入力端子INを通じて入力された信号を所定の周波数バンド別に、時間ドメインまたは周波数ドメインで示すように変換することによって、第2変換部125を備えずとも、ドメイン選択部105で選択されたドメインに第1変換部100で変換して実施しうる。
【0030】
ドメイン選択部105は、第1変換部100で変換された各周波数バンドの信号のうち、既定の周波数より小さな領域に含まれる周波数バンドの信号を、既定の基準によって時間ドメインで符号化するか、周波数ドメインで符号化するかを選択する。また、ドメイン選択部105は、各周波数バンドが符号化されたドメインについての情報を符号化して多重化部165に出力する。
【0031】
ここで、既定の基準の例として、線形予測符号化利得値、隣接したフレームの線形予測フィルター間のスペクトル変化、ピッチ遅延及び長区間予測利得値などがある。
【0032】
線形予測部110は、ドメイン選択部105によって時間ドメインで符号化すると決定された周波数バンドに備えられた信号に対してLPC(Linear Predictive Coding)分析を行ってLPC係数を抽出して符号化し、ドメイン選択部105によって時間ドメインで符号化すると決定された周波数バンドに備えられた信号から短区間相関を除去して第1励起信号を抽出する。
【0033】
長区間予測部115は、線形予測部110で抽出された第1励起信号に対して長区間予測(long−term prediction)を行い、第2励起信号を抽出する。また、長区間予測部115は、長区間予測が行われた結果を符号化して多重化部165に出力する。
【0034】
長区間予測部115で行う長区間予測の例として周期性(periodicity)の連続性(continuity)程度、周波数スペクトルの傾度(frequency spectral tilt)程度及びフレームエネルギー程度などがある。ここで、周期性の連続性は、ピッチラグ(pitch lag)の変化が少なく、ピッチ相関度(pitch correlation)の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。また、周期性の連続性は、第1フォルマント周波数(1st formant frequency)が非常に低く、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。
【0035】
励起信号符号化部120は、長区間予測部115で抽出された第2励起信号を符号化する。
【0036】
第2変換部125は、ドメイン選択部105によって周波数ドメインで符号化すると決定された周波数バンドに備えられた信号を時間ドメインから周波数ドメインに変換してスペクトルを生成する。
【0037】
量子化部130は、第2変換部125で生成されたスペクトルを量子化する。量子化部130で量子化されたスペクトルは、多重化部165に出力される。
【0038】
逆量子化部135は、量子化部130で量子化されたスペクトルを逆量子化する。
【0039】
第2逆変換部140は、第2変換部125で行う変換の逆過程であり、逆量子化部135で逆量子化されたスペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換する。
【0040】
保存部145は、第2逆変換部140で逆変換された信号を保存する。保存部145で逆変換された信号を保存する理由は、次のフレームから時間ドメインで符号化される周波数バンド信号に対する長区間予測部115で長区間予測を行うのに利用するためである。
【0041】
励起信号復号化部150は、励起信号符号化部120で符号化された第2励起信号を復号化する。
【0042】
励起スペクトル生成部155は、逆量子化部135で逆量子化されたスペクトルをホワイトニング処理して励起スペクトルを生成する。
【0043】
高周波数領域の符号化部160は、既定の周波数より小さな領域に該当する周波数バンドに備えられた信号を利用して既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドの信号を時間ドメインまたは周波数ドメインで適応的に符号化する。高周波数領域の符号化部160で利用する信号は、時間ドメインで符号化する場合、励起信号復号化部150で復号化された第2励起信号であり、周波数ドメインで符号化する場合、励起スペクトル生成部155で生成された励起スペクトルである。
【0044】
多重化部165は、ドメイン選択部105で符号化された各周波数バンドが符号化されたドメインについての情報、線形予測部110で符号化されたLPC係数、長区間予測部115で符号化された長区間予測が行われた結果、励起信号符号化部120で符号化された第2励起信号、量子化部130で量子化されたスペクトル及び高周波数領域の符号化部160で符号化された結果を含んで多重化することによって、ビットストリームを生成し、出力端子OUTを通じて出力する。
【0045】
図1Bは、本発明による適応的高周波数領域の符号化装置に含まれた高周波数領域の符号化部160の一実施例を示すブロック図であって、前記高周波数領域の符号化部160は、ドメイン選択部170、線形予測部175、乗算部180、利得値符号化部185、ノイズ情報符号化部190及び包絡線情報符号化部195を含んでなる。
【0046】
ドメイン選択部170は、既定の周波数より大きい領域に該当する各周波数バンドに備えられた信号を時間ドメインで符号化するか、周波数ドメインで符号化するかを選択する。
【0047】
ドメイン選択部170で符号化するドメインを選択するに当たって、既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドを符号化するのに利用される既定の周波数より小さな領域に該当する周波数バンドが時間ドメインで符号化されたか、周波数ドメインで符号化されたかを基準にドメインを選択しうる。もし、既定の周波数より大きい領域に該当する所定の周波数バンドの符号化に用いられる既定の周波数より小さな領域に該当する所定の周波数バンドが時間ドメインで符号化された場合、該当する既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドは、時間ドメインで符号化すると選択し、もし、既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドの符号化に用いられる既定の周波数より小さな領域に該当する周波数バンドが周波数ドメインで符号化された場合、該当する既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドは、周波数ドメインで符号化すると選択する。
【0048】
線形予測部175は、ドメイン選択部170によって時間ドメインで符号化すると選択された周波数バンドに備えられた信号に対してLPC(Linear Predictive Coding)分析を行ってLPC係数を抽出する。線形予測部175で抽出されたLPC係数は符号化されて出力端子OUT1を通じて図1Aの多重化部165に出力され、復号化器で図7Aに示された一例のような包絡線の復元に用いられる。
【0049】
乗算部180は、入力端子IN1を通じて入力された図1Aの励起信号復号化部150で復号化された第2励起信号と線形予測部175で抽出されたLPC係数による包絡線を乗算する。乗算部180で乗算された信号の例として、図7Bに示された部材番号710に該当する信号がある。
【0050】
利得値符号化部185は、乗算部180で乗算された信号が既定の周波数より小さな領域に備えられた信号である低周波数信号に対して存在するミスマッチングを補償する利得値を計算して符号化する。利得値符号化部185で計算された利得値によって図7Bに示されたように低周波数信号の部材番号720に該当する信号と乗算部180で乗算された信号の部材番号710に該当する信号との境界に存在するミスマッチングを復号化器で図7Cに示されたように補償しうる。また、利得値符号化部185で符号化された利得値は、出力端子OUT2を通じて図1Aの多重化部165に出力する。
【0051】
ノイズ情報符号化部190は、ドメイン選択部170によって周波数ドメインで符号化すると選択された周波数バンドにノイズを生成するのに利用する励起スペクトル生成部155で生成された励起スペクトルの周波数バンドを選択して該当周波数バンドについての情報を符号化する。ノイズ情報符号化部190で符号化された周波数バンドについての情報は、出力端子OUT3を通じて図1Aの多重化部165に出力される。
【0052】
包絡線情報符号化部195は、既定の周波数より大きい領域に備えられた周波数バンドのうち、ドメイン選択部170で周波数ドメインで符号化すると選択された周波数バンドに備えられたスペクトルの包絡線情報を抽出して符号化する。包絡線情報符号化部195で符号化されたスペクトルの包絡線情報は、出力端子OUT4を通じて図1Aの多重化部165に出力される。
【0053】
図1A及び図1Bの実施例のように符号化するドメインをまず決定し、該決定されたドメインで符号化する開ループ(open−loop)方式に限定して実施せねばならないものではない。周波数ドメイン及び時間ドメインをいずれも符号化した後、該符号化された結果を比較して、さらによいドメインを選択する閉ループ(close−loop)方式でも実施しうる。
【0054】
図2Aは、本発明による適応的高周波数領域の符号化装置の一実施例を示すブロック図であって、前記適応的高周波数領域の符号化装置は、領域分割部200、線形予測部205、変換部210、量子化部215、逆量子化部220、逆変換部225、保存部230、信号分析部235、長区間予測部240及びスイッチング部245、高周波数領域の符号化部250及び多重化部255を含んでなる。
【0055】
領域分割部200は、入力端子INを通じて入力された信号を既定の周波数より小さな領域に備えられた低周波数信号と既定の周波数より大きい領域に備えられた高周波数信号とに分割する。
【0056】
線形予測部205は、領域分割部200で分割された低周波数信号に対してLPC(Linear Predictive Coding)分析を行ってLPC係数を抽出し、領域分割部200で分割された低周波数信号から短区間相関を除去して、第1励起信号を抽出する。また、線形予測部205は、抽出されたLPC係数を符号化して多重化部255に出力する。
【0057】
変換部210は、線形予測部205で抽出された第1励起信号を時間ドメインから周波数ドメインに変換して励起スペクトルを生成する。
【0058】
量子化部215は、変換部210で生成された励起スペクトルを量子化する。量子化部215で量子化された励起スペクトルは多重化部255に出力される。
【0059】
逆量子化部220は、量子化部215で量子化された励起スペクトルを逆量子化する。
【0060】
逆変換部225は、変換部210で行う変換の逆過程であって、逆量子化部220で逆量子化された励起スペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して第2励起信号を生成する。
【0061】
保存部230は、逆変換部225で逆変換された第2励起信号を保存する。保存部230で第2励起信号を保存する理由は、次のフレームから時間ドメインで符号化される周波数バンド信号に対する長区間予測部240での長区間予測に利用するためである。
【0062】
信号分析部235は、線形予測部205で抽出された第1励起信号を分析して低周波数信号の特性によって長区間予測部240で長区間予測を行うのか否かを決定する。ここで、信号分析部235で長区間予測を行うかを決定する基準となる低周波数信号の特性に対する例として、線形予測符号化利得値、隣接したフレームの線形予測フィルター間のスペクトル変化、ピッチ遅延及び長区間予測利得値などがある。
【0063】
長区間予測部240は、信号分析部235で長区間予測を行うと決定された場合、線形予測部205で抽出された第1励起信号に対して長区間予測(long−term prediction)を行い、第3励起信号を抽出する。
【0064】
長区間予測部240で行う長区間予測の例として周期性の連続性程度、周波数スペクトルの傾度程度及びフレームエネルギー程度などがある。ここで、周期性の連続性は、ピッチラグの変化が少なく、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。また、周期性の連続性は、第1フォルマント周波数が非常に低く、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。
【0065】
スイッチング部245は、信号分析部235で決定された長区間予測を行うか否かによって長区間予測部240で抽出された第2励起信号をスイッチングする。
【0066】
高周波数領域の符号化部160は、逆量子化部220で逆量子化された既定の周波数より小さな領域に備えられた励起スペクトルを利用して周波数ドメインで高周波数信号を符号化する。
【0067】
多重化部255は、線形予測部205で符号化されたLPC係数、量子化部215で量子化された励起スペクトル、長区間予測部240で行われた長区間予測の結果及び高周波数領域の符号化部250で符号化された結果を含んでビットストリームを生成することによって、多重化して出力端子OUTを通じて出力する。
【0068】
図2Bは、本発明による適応的高周波数領域の符号化装置に含まれた高周波数領域の符号化部250の一実施例を示すブロック図であって、前記高周波数領域の符号化部250は、ノイズ情報符号化部260及び包絡線情報符号化部265を含んでなる。
【0069】
ノイズ情報符号化部260は、入力端子IN1で入力された図2Aの逆量子化部220で逆量子化された励起スペクトルのうち、既定の周波数より大きい高周波数スペクトルの符号化に利用する周波数バンドについての情報を符号化する。ノイズ情報符号化部260で符号化された高周波数スペクトルの符号化に利用する周波数バンドについての情報は出力端子OUT1を通じて図2Aの多重化部255に出力する。
【0070】
包絡線情報符号化部265は、入力端子IN2を通じて高周波数スペクトルを入力されて高周波数スペクトルに対する包絡線を抽出し、該抽出された包絡線情報を符号化する。包絡線情報の例として所定の周波数バンド単位で計算されたエネルギー値がある。包絡線情報符号化部265で符号化された包絡線情報を出力端子OUT2を通じて図2Bの多重化部255に出力する。
【0071】
図3Aは、本発明による適応的高周波数領域の符号化装置の一実施例を示すブロック図であって、前記適応的高周波数領域の符号化装置は、領域分割部300、線形予測部305、ドメイン選択部310、長区間予測部315、励起信号符号化部320、変換部325、量子化部330、逆量子化部335、逆変換部340、保存部345、励起信号復号化部350、高周波数領域の符号化部360及び多重化部365を含んでなる。
【0072】
領域分割部300は、入力端子INを通じて入力された信号を既定の周波数より小さな領域に備えられた信号である低周波数信号と既定の周波数より大きい領域に備えられた信号である高周波数信号とに分割する。
【0073】
線形予測部305は、領域分割部300で分割された低周波数信号に対してLPC分析を行ってLPC係数を抽出し、領域分割部300で分割された低周波数信号から短区間相関を除去して第1励起信号を抽出する。線形予測部305で抽出されたLPC係数は、符号化されて多重化部365に出力される。
【0074】
ドメイン選択部310は、線形予測部305で抽出された第1励起信号を既定の基準によって時間ドメインで符号化するか、周波数ドメインで符号化するかを選択する。ここで、既定の基準の例として、線形予測符号化利得値、隣接したフレームの線形予測フィルター間のスペクトル変化、ピッチ遅延及び長区間予測利得値などがある。
【0075】
もし、ドメイン選択部310で第1励起信号を時間ドメインで符号化すると選択されれば、長区間予測部315は、線形予測部305で抽出された第1励起信号に対して長区間予測を行って第2励起信号を抽出する。
【0076】
長区間予測部315で行う長区間予測の例として、周期性の連続性程度、周波数スペクトルの傾度程度及びフレームエネルギー程度などがある。ここで、周期性の連続性は、ピッチラグの変化が少なく、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。また、周期性の連続性は、第1フォルマント周波数が非常に低く、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。
【0077】
励起信号符号化部320は、長区間予測部315で抽出された第2励起信号を符号化する。
【0078】
もし、ドメイン選択部310で第1励起信号を周波数ドメインで符号化すると選択されれば、変換部325は、線形予測部305で抽出された第1励起信号を時間ドメインから周波数ドメインに変換して励起スペクトルを生成する。
【0079】
量子化部330は、変換部325で生成された励起スペクトルを量子化する。量子化部330で量子化された励起スペクトルは多重化部365に出力される。
【0080】
逆量子化部335は、量子化部330で量子化された励起スペクトルを逆量子化する。
【0081】
逆変換部340は、変換部325で行う変換の逆過程であって、逆量子化部335で逆量子化された励起スペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換する。
【0082】
保存部345は、逆変換部340で逆変換された第3励起信号を保存する。保存部345で第3励起信号を保存する理由は、次のフレームに対する符号化時に時間ドメインで符号化する周波数バンドに備えられた信号に対して長区間予測部315での長区間予測に利用するためである。
【0083】
励起信号復号化部350は、励起信号符号化部320で符号化された第2励起信号を復号化する。
【0084】
高周波数領域の符号化部360は、既定の周波数より小さな領域に該当する信号またはスペクトルを利用して時間ドメインまたは周波数ドメインで適応的に既定の周波数より大きい領域に該当する信号を符号化する。高周波数領域の符号化部360で利用する信号は、時間ドメインで符号化する場合、励起信号復号化部350で復号化された励起信号であり、高周波数領域の符号化部360で利用するスペクトルは、周波数ドメインで符号化する場合、逆量子化部335で逆量子化された励起スペクトルである。
【0085】
多重化部365は、線形予測部305で抽出されたLPC係数、長区間予測部315で行った長区間予測の結果、ドメイン選択部310で選択された低周波数信号を符号化したドメインについての情報、励起信号符号化部320で符号化された励起信号、量子化部330で量子化された励起スペクトル及び高周波数領域の符号化部360で符号化された結果を含んで多重化することによって、ビットストリームを生成し、出力端子OUTを通じて出力する。
【0086】
図3Bは、本発明による適応的高周波数領域の符号化装置に含まれた高周波数領域の符号化部360の一実施例を示すブロック図であって、前記高周波数領域の符号化部360は、ドメイン選択部370、線形予測部375、乗算部380、利得値符号化部385、ノイズ情報符号化部390及び包絡線情報符号化部395を含んでなる。
【0087】
ドメイン選択部370は、入力端子IN1を通じて入力された図3Aのドメイン選択部310で選択された既定の周波数より小さな領域に備えられた信号である低周波数信号を符号化するドメインによって既定の周波数より大きい領域に備えられた信号である高周波数信号を符号化するドメインを選択する。もし、図3Aのドメイン選択部310で低周波数信号を周波数ドメインで符号化すると選択されれば、ドメイン選択部370も高周波数信号を周波数ドメインで符号化すると選択する。そして、図3Aのドメイン選択部310で低周波数信号を時間ドメインで符号化すると選択されれば、ドメイン選択部370も高周波数信号を時間ドメインで符号化すると選択する。
【0088】
線形予測部375は、ドメイン選択部370で高周波数信号を時間ドメインで符号化すると選択されれば、入力端子IN2を通じて入力された高周波数信号に対するLPC分析を行ってLPC係数を抽出する。線形予測部375で抽出されたLPC係数は、符号化されて出力端子OUT1を通じて図3Aの多重化部365に出力され、復号化器で、図7Aに示された包絡線の復元に用いられる。
【0089】
乗算部380は、入力端子IN3を通じて入力された図3Aの励起信号復号化部350で復号化された励起信号と線形予測部375で抽出されたLPC係数による高周波数信号の包絡線を乗算する。乗算部380で乗算された信号の例として、図7Bに図示された部材番号710に該当する信号がある。
【0090】
利得値符号化部385は、乗算部380で乗算された信号が低周波数信号に対して存在するミスマッチングを補償する利得値を計算して符号化する。図7Bに示されたように低周波数信号の部材番号720に該当する信号と乗算部380で乗算された信号の部材番号710に該当する信号の境界に存在するミスマッチングを図7Cに示されたように補償する。そして、利得値符号化部385で符号化された利得値は、出力端子OUT2を通じて図3Aの多重化部365に出力する。
【0091】
ノイズ情報符号化部390は、逆量子化部335で逆量子化された励起スペクトルのうち、復号化器で高周波数スペクトルの復号化に使用する周波数バンドを選択し、該選択された周波数バンドについての情報を符号化する。ノイズ情報符号化部390で符号化された周波数バンドについての情報は出力端子OUT3を通じて出力される。
【0092】
包絡線情報符号化部395は、高周波数スペクトルの包絡線情報を抽出して符号化する。ここで、包絡線情報の例として所定の周波数バンド単位で計算されたエネルギー値がある。包絡線情報符号化部395で符号化された高周波数スペクトルの包絡線情報は、出力端子OUT4を通じて図3Aの多重化部365に出力される。
【0093】
図3A及び図3Bの実施例のように符号化するドメインをさらに決定し、該決定されたドメインで符号化する開ループ方式に限定して実施せねばならないものではない。周波数ドメインと時間ドメインとの両方に符号化を行った後、符号化された結果を比較して、さらによいドメインを選択する閉ループ方式でも実施しうる。
【0094】
図4Aは、本発明による適応的高周波数領域復号化装置の一実施例を示すブロック図であって、前記適応的高周波数領域復号化装置は、逆多重化部400、ドメイン判断部405、励起信号復号化部410、長区間合成部415、線形合成部420、逆量子化部430、第2逆変換部433、励起スペクトル生成部435、高周波数領域復号化部440及び第1逆変換部445を含んでなる。
【0095】
逆多重化部400は、入力端子INを通じて符号化端から入力されたビットストリームを逆多重化する。逆多重化部400では、符号化器で符号化された各周波数バンドが符号化されたドメインについての情報、符号化器で符号化されたLPC係数、符号化器で符号化された長区間予測が行われた結果、符号化器で符号化された励起信号、符号化器で量子化されたスペクトル及び低周波数領域に備えられた信号またはスペクトルを利用して高周波数信号を復号化しうる情報を含んで逆多重化する。
【0096】
ドメイン判断部405は、既定の周波数より小さな領域の低周波数領域に備えられた周波数バンドが符号化器で符号化されたドメインについての情報を逆多重化部400から入力されて各周波数バンドが符号化されたドメインを判断する。
【0097】
励起信号復号化部410は、ドメイン判断部405で、時間ドメインで符号化された周波数バンドと判断された周波数バンドに備えられた符号化器で符号化された励起信号を逆多重化部400から入力されて復号化する。
【0098】
長区間合成部415は、ドメイン判断部405で、時間ドメインで符号化された周波数バンドと判断された周波数バンドに対して符号化器で長区間予測が行われた結果を逆多重化部400から入力されて復号化し、励起信号復号化部410で復号化された励起信号に長区間予測が行われた結果を合成する。
【0099】
線形合成部420は、ドメイン判断部405で、時間ドメインで符号化されたと判断された周波数バンドのLPC係数を逆多重化部400から入力されて復号化し、長区間合成部415で合成された信号にLPC係数を合成する。
【0100】
逆量子化部430は、ドメイン判断部405で、周波数ドメインで符号化されたと判断された周波数バンドに備えられたスペクトルを逆多重化部400から入力されて逆量子化する。
【0101】
第2逆変換部433は、図1Aの第2変換部125で行う変換の逆過程として逆量子化部430で逆量子化されたスペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換する。
【0102】
励起スペクトル生成部435は、逆量子化部430で逆量子化されたスペクトルをホワイトニング処理して励起スペクトルを生成する。
【0103】
高周波数領域復号化部440は、励起信号復号化部410で復号化された所定周波数バンドに備えられた励起信号、または励起スペクトル生成部435で復号化された所定周波数バンドに備えられた励起スペクトルを利用して、既定の周波数より大きい領域に備えられた信号である高周波数信号を復号化する。
【0104】
第1逆変換部445は、図1Aの第1変換部100で行う変換の逆過程であって、信号合成部425で合成された所定周波数バンドに備えられた信号または第2逆変換部433で逆変換された所定周波数バンドに備えられた信号及び高周波数領域復号化部440で復号化された高周波数信号を合成して時間ドメインに合成することによって逆変換して、出力端子OUTを通じて出力する。第1逆変換部445で変換する方式としてQMF(Quadrature Mirror Filterbank)及びLOT(lapped orthogonal transform)などがある。
【0105】
しかし、第1逆変換部445は、FV−MLT(Frequency Varying Modulated Lapped Transform)のように所定の周波数バンド別に時間ドメインまたは周波数ドメインで示した信号を、時間ドメインに合成して、高周波数領域復号化部440で別途に周波数ドメインから時間ドメインに変換する逆変換部480を備えずとも実施しうる。
【0106】
図4Bは、本発明による適応的高周波数領域の復号化装置に含まれた高周波数領域復号化部440の一実施例を示すブロック図であって、前記適応的高周波数領域復号化部440は、ドメイン判断部450、線形合成部455、乗算部460、利得値適用部465、ノイズ情報復号化部470、包絡線調節部475及び逆変換部480を含んでなる。
【0107】
ドメイン判断部450は、既定の周波数より大きい領域である高周波数領域に含まれた周波数バンドに備えられた信号が時間ドメインで符号化されたか、周波数ドメインで符号化されたかを判断する。ドメイン判断部450で各周波数バンドが符号化されたドメインは、符号化端からドメインと関連した情報を伝送され、図4Aの逆多重化部400から入力されて分かるか、高周波数領域に含まれた各周波数バンドで利用しようとする既定の周波数より小さな領域の低周波数領域に含まれた周波数バンドが復号化されたドメインを図4Aのドメイン判断部405から入力されて分かる。
【0108】
線形合成部455は、高周波数領域に含まれた周波数バンドのうち、時間ドメインで符号化された周波数バンドに対するLPC係数を入力端子IN1を通じて図4Aの逆多重化部400から入力されて復号化する。線形合成部455で復号化されたLPC係数によって図7Aに示されたグラフのような包絡線を復元しうる。
【0109】
乗算部460は、入力端子IN2を通じて入力された図4Aの励起信号復号化部150で復号化された励起信号と線形合成部455で復号化されたLPC係数による包絡線とを乗算する。乗算部460で乗算された信号の例として、図7Bに示された部材番号710に該当する信号がある。
【0110】
利得値適用部465は、入力端子IN3を通じて入力された利得値を復号化して乗算部460で乗算された信号に適用する。利得値適用部465で利得値を適用することによって、復号化された低周波数信号と復号化された高周波数信号との間に存在するミスマッチングを補償しうる。例えば、乗算部460で乗算された高周波数信号は、図7Bに示されたように低周波数信号との境界面にミスマッチングが発生するが、利得値適用部465で利得値を適用することによって、図7Cに示されたように、低周波数信号と高周波数信号とのミスマッチングの発生を防止する。利得値適用部465で利得値が適用された信号は、出力端子OUT1を通じて第1逆変換部445に出力される。
【0111】
ノイズ復号化部470は、図4Aの励起スペクトル生成部435で生成された励起スペクトルのうち、高周波数領域に備えられた周波数バンドスペクトルの復号化に利用する周波数バンドについての情報を入力端子IN4を通じて図4Aの逆多重化部400から入力されて復号化する。ノイズ復号化部470は、復号化した情報を利用して該当する周波数バンドに備えられた励起スペクトルをドメイン判断部450で周波数ドメインで符号化すると判断された周波数バンドにパッチするか、対称的にフォールディング(folding)することでノイズを生成する。例えば、ノイズ復号化部535は、図8Aに示された低周波数領域に備えられた励起スペクトルを高周波数領域に図8Bに示されたようにパッチする。
【0112】
包絡線調節部475は、符号化器で符号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を入力端子IN5を通じて図4Bの逆多重化部400から入力されて復号化する。包絡線調節部475で復号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を利用してノイズ復号化部470で生成されたノイズの包絡線を調節する。例えば、包絡線調節部475は、図8Bに示されたノイズ復号化部470で生成されたノイズを高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して図8Cに示されたように包絡線を調節する。
【0113】
逆変換部480は、図1Aの第2変換部125で行う変換の逆過程であって、包絡線調節部475で包絡線が調節されたノイズを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して高周波数信号を生成する。
【0114】
図5Aは、本発明による適応的高周波数領域復号化装置の一実施例を示すブロック図であって、前記適応的高周波数領域復号化装置は、逆多重化部500、逆量子化部505、逆変換部510、長区間合成部515、線形合成部520及び高周波数領域復号化部525を含んでなる。
【0115】
逆多重化部500は、入力端子INを通じて符号化端から入力されたビットストリームを逆多重化する。逆多重化部500では、符号化器で符号化されたLPC係数、符号化器で量子化された励起スペクトル、符号化器で行われた長区間予測の結果及び既定の周波数より小さな領域の低周波数領域に備えられた励起スペクトルを利用して既定の周波数より大きい領域に備えられた高周波数信号を復号化しうる情報を逆多重化する。
【0116】
逆量子化部505は、符号化器で量子化された低周波数領域に備えられた励起スペクトルを逆多重化部500から入力されて逆量子化する。
【0117】
逆変換部510は、図2Aの変換部210で行う変換の逆過程であって、逆量子化部505で逆量子化された励起スペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して励起信号を生成する。
【0118】
長区間合成部515は、符号化器で低周波数領域に備えられた励起信号に対して長区間予測が行われた結果を逆多重化部500から入力されて復号化して逆変換部510で生成された励起信号に長区間予測が行われた結果を選択的に合成する。長区間合成部515で長区間予測が行われた結果を合成する場合は、符号化器で長区間予測が行われた結果が符号化されて伝送された励起信号に限って合成する。
【0119】
線形合成部520は、LPC係数を逆多重化部500から入力されて復号化する。線形合成部520は、LPC係数を復号化した後、長区間合成部515で長区間予測が行われた結果を合成しない場合、逆変換部510で生成された励起信号にLPC係数を合成し、長区間合成部515で長区間予測が行われた結果を合成した場合、長区間合成部515で合成された信号にLPC係数を合成する。線形合成部520で合成された信号は、最終的に低周波数領域に備えられる低周波数信号が復元されたものである。
【0120】
高周波数領域復号化部525は、逆量子化部505で逆量子化された低周波数領域に備えられた励起スペクトルを利用して高周波数信号を復号化する。
【0121】
領域合成部530は、線形合成部520で復元された低周波数信号と高周波数領域復号化部525で復号化された高周波数信号とを合成して出力端子OUTを通じて出力する。
【0122】
図5Bは、本発明による適応的高周波数領域復号化装置に含まれた高周波数領域復号化部525の一実施例を示すブロック図であって、前記高周波数領域復号化部525は、ノイズ復号化部535、包絡線調節部540及び逆変換部545を含んでなる。
【0123】
ノイズ復号化部535は、既定の周波数より小さな領域である低周波数領域に備えられた励起スペクトルのうち、既定の周波数より大きい高周波数スペクトルの符号化に利用する周波数バンドについての情報を逆多重化部500から入力端子IN1を通じて入力されて復号化する。ノイズ復号化部535は、復号化された情報によって入力端子IN1’を通じて逆量子化部505で逆量子化された励起スペクトルのうち、利用する所定の励起スペクトルを選択し、該当する励起スペクトルを既定の周波数より大きい領域にパッチするか、対称的にフォールディングすることで、ノイズを生成する。例えば、ノイズ復号化部535は、図8Aに示された低周波数領域に備えられた励起スペクトルを高周波数領域に図8Bに示されたようにパッチする。
【0124】
包絡線調節部540は、入力端子IN2を通じて図5Aの逆多重化部500から符号化器で符号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を入力されて復号化する。包絡線調節部540は、復号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を利用してノイズ復号化部535で生成されたノイズの包絡線を調節する。例えば、包絡線調節部540は、図8Bに示されたノイズ復号化部535で生成されたノイズを高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して図8Cに示されたように包絡線を調節する。
【0125】
逆変換部545は、図2Aの変換部210で行う変換の逆過程であって、包絡線調節部540で包絡線の調節されたノイズを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して高周波数信号を生成する。逆変換部545で生成された高周波数信号は出力端子OUT1を通じて図2Bの領域合成部530に出力される。
【0126】
図6Aは、本発明による高周波数領域復号化装置の一実施例を示すブロック図であって、前記高周波数領域復号化装置は、逆多重化部600、ドメイン判断部605、励起信号復号化部610、長区間合成部615、逆量子化部620、逆変換部625、線形合成部630、高周波数領域復号化部635及び領域合成部640を含んでなる。
【0127】
逆多重化部600は、入力端子INを通じて符号化端から入力されたビットストリームを逆多重化する。逆多重化部600では、符号化器で選択された低周波数信号を符号化したドメインについての情報、符号化器で符号化されたLPC係数、符号化器で行った長区間予測の結果、符号化器で符号化された励起信号、符号化器で量子化された励起スペクトル及び既定の周波数より小さな領域に備えられた低周波数信号または低周波数スペクトルを利用して高周波数信号を復号化する情報を逆多重化する。
【0128】
ドメイン判断部605は、既定の周波数より小さな領域に該当する低周波数領域が符号化器で符号化されたドメインの情報を逆多重化部600から入力されて復号化して低周波数領域が時間ドメインで符号化されたか、周波数ドメインで符号化されたかを判断する。
【0129】
ドメイン判断部605で低周波数領域が時間ドメインで符号化されたと判断されれば、励起信号復号化部610は、符号化器で符号化された低周波数領域の励起信号を逆多重化部400から入力されて復号化する。
【0130】
長区間合成部615は、既定の周波数より小さな領域に備えられた信号である低周波数信号に対して符号化器で長区間予測が行われた結果を逆多重化部600から入力されて復号化し、励起信号復号化部610で復号化された励起信号に長区間予測が行われた結果を合成する。
【0131】
ドメイン判断部605で低周波数領域が周波数ドメインで符号化されたと判断されれば、逆量子化部620は、符号化器で量子化された励起スペクトルを逆多重化部600から入力されて逆量子化する。
【0132】
逆変換部625は、図3Aの変換部325で行う変換の逆過程であって、逆量子化部620で逆量子化された励起スペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して励起信号を生成する。
【0133】
線形合成部630は、低周波数信号のLPC係数を逆多重化部600から入力されて復号化し、長区間合成部615で合成された励起信号または逆変換部625で生成された励起信号に復号化されたLPC係数を合成する。線形合成部630で合成された信号は、最終的に低周波数領域に備えられる低周波数信号が復元されたものである。
【0134】
高周波数領域復号化部635は、逆量子化部620で逆量子化された励起スペクトルまたは励起信号復号化部610で復号化された励起信号を利用して高周波数信号を復号化する。もし、低周波数領域が時間ドメインで符号化されたならば、高周波数領域復号化部635は、逆量子化部620で逆量子化された励起スペクトルを利用して高周波数信号を復号化し、もし、低周波数領域が周波数ドメインで符号化されたならば、高周波数領域復号化部635は励起信号複花部610で復号化された励起信号を利用して高周波数信号を復号化する。
【0135】
領域合成部640は、線形合成部630で復元された低周波数信号と高周波数領域復号化部635で復号化された高周波数信号とを合成して出力端子OUTを通じて出力する。
【0136】
図6Bは、本発明による高周波数領域復号化装置に含まれた高周波数領域復号化部635の一実施例を示すブロック図であって、前記高周波数領域復号化部635は、ドメイン判断部645、線形合成部650、乗算部655、ノイズ復号化部665、包絡線調節部670及び逆変換部675を含んでなる。
【0137】
ドメイン判断部645は、既定の周波数より小さな領域に該当する低周波数領域が符号化されたドメインに対して既定の周波数より大きい領域に該当する高周波数領域を時間ドメインで復号化するか、周波数ドメインで復号化するかを判断する。
【0138】
もし、ドメイン判断部645で高周波数領域を時間ドメインで復号化すると判断されれば、線形合成部650は、既定の周波数より大きい領域に備えられた高周波数信号に対するLPC係数を図6Aの逆多重化部600から入力端子IN1を通じて入力されて復号化する。線形合成部650で復号化されたLPC係数によって図7Aに示されたグラフのような包絡線を復元しうる。
【0139】
乗算部655は、入力端子IN2を通じて入力された図6Aの励起信号復号化部610で復号化された励起信号に、線形合成部650で復号化されたLPC係数による包絡線を乗算する。乗算部655で乗算された信号の例として、図7Bに示された部材番号710に該当する信号がある。
【0140】
利得値適用部660は、入力端子IN3を通じて入力された利得値を図6Aの逆多重化部600から入力されて復号化して乗算部655で乗算された信号に適用する。利得値適用部660で利得値を適用することによって、図6Aの線形合成部630で復元された低周波数信号と復号化された高周波数信号との間に存在するミスマッチングを補償しうる。例えば、乗算部655で乗算された高周波数信号は、図7Bに示されたように低周波数信号との境界面にミスマッチングが発生するが、利得値適用部660で利得値を適用することによって、図7Cに示されたように低周波数信号と高周波数信号との間のミスマッチングの発生を防止する。利得値適用部660で利得値が適用された信号は、出力端子OUT1を通じて図6Aの領域合成部640に出力される。
【0141】
もし、ドメイン判断部645が高周波数領域を、周波数ドメインで復号化すると判断されれば、ノイズ復号化部665は入力端子IN4を通じて図6Aの逆量子化部620で逆量子化された励起スペクトルを入力されて高周波数領域にパッチするか、対称的にフォールディングすることでスペクトルを生成する。例えば、図8Aに示された励起スペクトルを高周波数領域に図8Bに示されたようにパッチする。
【0142】
包絡線調節部670は、入力端子IN5を通じて図6Aの逆多重化部600から符号化器で符号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を入力されて復号化する。包絡線調節部670は、復号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を利用してノイズ復号化部665で生成されたスペクトルの包絡線を調節する。例えば、包絡線調節部670は、図8Bに図示されたノイズ復号化部665で生成されたスペクトルに対して高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して図8Cに示されたように包絡線を調節する。
【0143】
逆変換部675は、図3Aの変換部325で行う変換の逆過程であって、包絡線調節部670で包絡線が調節されたスペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して高周波数信号を生成する。
【0144】
図9Aは、本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0145】
まず、入力された信号を所定の周波数バンド別に時間ドメインで示すように変換する(第900段階)。第900段階で変換する方式として、QMF及びLOTなどがある。
【0146】
しかし、第900段階では、FV−MLTのように入力された信号を所定の周波数バンド別に時間ドメインまたは周波数ドメインで示すように変換することによって、第925段階を行わずとも、第905段階で選択されたドメインで第900段階で変換して実施しうる。
【0147】
第900段階で変換された各周波数バンドの信号のうち、既定の周波数より小さな領域に含まれる周波数バンドの信号を既定の基準によって時間ドメインで符号化するか、周波数ドメインで符号化するかを選択する(第905段階)。ここで、既定の基準の例として、線形予測符号化利得値、隣接したフレームの線形予測フィルター間のスペクトル変化、ピッチ遅延及び長区間予測利得値などがある。
【0148】
第905段階で、時間ドメインで符号化すると決定された周波数バンドに備えられた信号に対してLPC分析を行ってLPC係数を抽出して符号化し、第905段階で時間ドメインで符号化すると決定された周波数バンドに備えられた信号から短区間相関を除去して第1励起信号を抽出する(第910段階)。
【0149】
第910段階で抽出された第1励起信号に対して長区間予測を行い、第2励起信号を抽出する(第915段階)。
【0150】
第915段階で行う長区間予測の例として、周期性の連続性程度、周波数スペクトルの傾度程度及びフレームエネルギー程度などがある。ここで、周期性の連続性は、ピッチラグの変化が少なく、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。また、周期性の連続性は、第1フォルマント周波数が非常に低く、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。
【0151】
第915段階で抽出された第2励起信号を符号化する(第920段階)。第905段階で、周波数ドメインで符号化すると決定された周波数バンドに備えられた信号を時間ドメインから周波数ドメインに変換してスペクトルを生成する(第925段階)。第925段階で生成されたスペクトルを量子化する(第930段階)。第930段階で量子化されたスペクトルを逆量子化する(第935段階)。第925段階で行う変換の逆過程として第935段階で逆量子化されたスペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換する(第940段階)。
【0152】
第2逆変換部140で逆変換された信号を保存する(第945段階)。第945段階で逆変換された信号を保存する理由は、次のフレームから時間ドメインで符号化する周波数バンドに備えられた信号に対して第915段階での長区間予測に利用するためである。
【0153】
第920段階で符号化された第2励起信号を復号化する(第950段階)。第935段階で逆量子化されたスペクトルをホワイトニング処理して励起スペクトルを生成する(第955段階)。
【0154】
既定の周波数より小さな領域に該当する周波数バンドに備えられた信号を利用して既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドの信号を時間ドメインまたは周波数ドメインで適応的に符号化する(第960段階)。第960段階で利用する信号は、時間ドメインで符号化する場合、第950段階で復号化された第2励起信号であり、周波数ドメインで符号化する場合、第955段階で生成された励起スペクトルである。
【0155】
第905段階で符号化された各周波数バンドが符号化されたドメインについての情報、第910段階で符号化されたLPC係数、第915段階で符号化された長区間予測が行われた結果、第920段階で符号化された第2励起信号、第930段階で量子化されたスペクトル及び第960段階で符号化された結果を含んで多重化することによって、ビットストリームを生成する(第965段階)。
【0156】
図9Bは、本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に含まれた第960段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0157】
まず、既定の周波数より大きい領域に該当する各周波数バンドに備えられた信号を時間ドメインで符号化するか、周波数ドメインで符号化するかを選択する(第970段階)。
【0158】
第970段階で符号化するドメインを選択するにおいて、既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドの符号化に用いられる既定の周波数より小さな領域に該当する周波数バンドが時間ドメインで符号化されたか、周波数ドメインで符号化されたかを基準にドメインを選択しうる。もし、既定の周波数より大きい領域に該当する所定の周波数バンドの符号化に用いられる既定の周波数より小さな領域に該当する所定の周波数バンドが時間ドメインで符号化された場合、該当する既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドは時間ドメインで符号化するものと選択し、もし、既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドの符号化に用いられる既定の周波数より小さな領域に該当する周波数バンドが周波数ドメインで符号化された場合、該当する既定の周波数より大きい領域に該当する周波数バンドは周波数ドメインで符号化するものと選択する。
【0159】
第970段階で、時間ドメインで符号化すると選択された周波数バンドに備えられた信号に対してLPC分析を行ってLPC係数を抽出する(第975段階)。第975段階で抽出されたLPC係数は、復号化器で図7Aに示された一例のような包絡線の復元に用いられる。
【0160】
乗算部180は、図9Aの第950段階で復号化された第2励起信号と第975段階で抽出されたLPC係数による包絡線を乗算する(第980段階)。第980段階で乗算された信号の例として、図7Bに図示された部材番号710に該当する信号がある。
【0161】
第980段階で乗算された信号が既定の周波数より小さな領域に備えられた信号である低周波数信号に対して存在するミスマッチングを補償する利得値を計算して符号化する(第985段階)。第985段階で計算された利得値によって、図7Bに示されたように低周波数信号の部材番号720に該当する信号と第980段階で乗算された信号の部材番号710に該当する信号との境界に存在するミスマッチングを復号化器で、図7Cに示されたように補償しうる。
【0162】
第970段階で、周波数ドメインで符号化すると選択された周波数バンドにノイズを生成するのに利用する第955段階で生成された励起スペクトルの周波数バンドを選択して該当周波数バンドについての情報を符号化する(第990段階)。
【0163】
既定の周波数より大きい領域に備えられた周波数バンドのうち、第970段階で周波数ドメインで符号化すると選択された周波数バンドに備えられたスペクトルの包絡線情報を抽出して符号化する(第995段階)。
【0164】
図9A及び図9Bの実施例のように符号化するドメインを、先に決定し、該決定されたドメインで符号化する開ループ方式に限定して実施せねばならないものではない。周波数ドメインと時間ドメインの両方に符号化を行った後、符号化された結果を比較して、さらによいドメインを選択する閉ループ方式でも実施しうる。
【0165】
図10Aは、本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0166】
まず、入力された信号を既定の周波数より小さな領域に備えられた低周波数信号と既定の周波数より大きい領域に備えられた高周波数信号とに分割する(第1000段階)。
【0167】
第1000段階で分割された低周波数信号に対してLPC分析を行ってLPC係数を抽出し、第1000段階で分割された低周波数信号から短区間相関を除去して第1励起信号を抽出する(第1005段階)。
【0168】
第1005段階で抽出された第1励起信号を時間ドメインから周波数ドメインに変換して励起スペクトルを生成する(第1010段階)。
【0169】
第1010段階で生成された励起スペクトルを量子化する(第1015段階)。第1015段階で量子化された励起スペクトルを逆量子化する(第1020段階)。第1010段階で行う変換の逆過程であって、第1020段階で逆量子化された励起スペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して第2励起信号を生成する(第1025段階)。
【0170】
第1025段階で逆変換された第2励起信号を保存する(第1030段階)。第1030段階で第2励起信号を保存する理由は、次のフレームに対する符号化時に時間ドメインで符号化する周波数バンドに備えられた信号に対して第1040段階での長区間予測に利用するためである。
【0171】
第1005段階で抽出された第1励起信号を分析して、低周波数信号の特性によって長区間予測部240で長区間予測を行うか否かを決定する(第1035段階)。第1035段階で長区間予測を行うか否かを決定する基準となる低周波数信号の特性に対する例として、線形予測符号化利得値、隣接したフレームの線形予測フィルター間のスペクトル変化、ピッチ遅延及び長区間予測利得値などがある。
【0172】
第1035段階で長区間予測を行うと決定された場合、第1005段階で抽出された第1励起信号に対して長区間予測を行い、第3励起信号を抽出する(第1040段階)。
【0173】
第1040段階で行う長区間予測の例として、周期性の連続性程度、周波数スペクトルの傾度程度及びフレームエネルギー程度などがある。ここで、周期性の連続性は、ピッチラグの変化が少なく、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。また、周期性の連続性は、第1フォルマント周波数が非常に低く、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。
【0174】
第1020段階で逆量子化された既定の周波数より小さな領域に備えられた励起スペクトルを利用して周波数ドメインで高周波数信号を符号化する(第1050段階)。
【0175】
第1005段階で符号化されたLPC係数、第1015段階で量子化された励起スペクトル、第1040段階で行われた長区間予測の結果及び第1050段階で符号化された結果を含んでビットストリームを生成することによって多重化する(第1055段階)。
【0176】
図10Bは、本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に含まれた第1050段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0177】
まず、図10Aの第1020段階で逆量子化された励起スペクトルのうち、既定の周波数より大きい高周波数スペクトルの符号化に利用する周波数バンドについての情報を符号化する(第1060段階)。
【0178】
第1060段階後に、高周波数スペクトルを入力されて高周波数スペクトルに対する包絡線を抽出し、該抽出された包絡線情報を符号化する(第1065段階)。包絡線情報の例として所定の周波数バンド単位で計算されたエネルギー値がある。
【0179】
図11Aは、本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0180】
まず、入力された信号を既定の周波数より小さな領域に備えられた信号である低周波数信号と既定の周波数より大きい領域に備えられた信号である高周波数信号とに分割する(第1100段階)。
【0181】
第1100段階で分割された低周波数信号に対してLPC分析を行ってLPC係数を抽出し、第1100段階で分割された低周波数信号から短区間相関を除去して第1励起信号を抽出する(第1105段階)。
【0182】
第1105段階で抽出された第1励起信号を既定の基準によって時間ドメインで符号化するか、周波数ドメインで符号化するかを選択する(第1110段階)。ここで、既定の基準の例として、線形予測符号化利得値、隣接したフレームの線形予測フィルター間のスペクトル変化、ピッチ遅延及び長区間予測利得値などがある。
【0183】
もし、第1110段階で第1励起信号を時間ドメインで符号化すると選択されれば、第1105段階で抽出された第1励起信号に対して長区間予測を行って第2励起信号を抽出する(第1115段階)。
【0184】
第1115段階で行う長区間予測の例として周期性の連続性程度、周波数スペクトルの傾度程度及びフレームエネルギー程度などがある。ここで、周期性の連続性は、ピッチラグの変化が少なく、ピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。また、周期性の連続性は第1フォルマント周波数が非常に低くてピッチ相関度の高いフレームが一定区間以上連続的に持続される程度でありうる。
【0185】
第1115段階で抽出された第2励起信号を符号化する(第1120段階)。
【0186】
もし、第1110段階で第1励起信号を周波数ドメインで符号化すると選択されれば、第1105段階で抽出された第1励起信号を時間ドメインから周波数ドメインに変換して励起スペクトルを生成する(第1125段階)。
【0187】
第1125段階で生成された励起スペクトルを量子化する(第1130段階)。第1130段階で量子化された励起スペクトルを逆量子化する(第1135段階)。第1125段階で行う変換の逆過程であって、第1135段階で逆量子化された励起スペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換する(第1140段階)。
【0188】
第1140段階で逆変換された第3励起信号を保存する(第1145段階)。第1145段階で、前記第3励起信号を保存する理由は、次のフレームから時間ドメインで符号化される周波数バンド信号に対する第1115段階で行われる長区間予測時に前記第3励起信号を利用するためである。第1120段階で符号化された第2励起信号を復号化する(第1150段階)。
【0189】
既定の周波数より小さな領域に該当する信号またはスペクトルを利用して時間ドメインまたは周波数ドメインで適応的に既定の周波数より大きい領域に該当する信号を符号化する(第1160段階)。第1160段階で利用する信号は、時間ドメインで符号化する場合、第1150段階で復号化された励起信号であり、第1160段階で利用するスペクトルは、周波数ドメインで符号化する場合、第1135段階で逆量子化された励起スペクトルである。
【0190】
第1105段階で抽出されたLPC係数、第1110段階で選択された低周波数信号を符号化したドメインについての情報、第1115段階で行った長区間予測の結果、第1120段階で符号化された励起信号、第1130段階で量子化された励起スペクトル及び第1160段階で符号化された結果を含んで多重化することによってビットストリームを生成する(第1165段階)。
【0191】
図11Bは、本発明による適応的高周波数領域の符号化方法に含まれた第1160段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0192】
まず、図11Aの第1110段階で選択された既定の周波数より小さな領域に備えられた信号である低周波数信号を符号化するドメインによって既定の周波数より大きい領域に備えられた信号である高周波数信号を符号化するドメインを選択する(第1170段階)。もし、図11Aの第1110段階で、低周波数信号を周波数ドメインで符号化すると選択されれば、第1170段階でも、高周波数信号を周波数ドメインで符号化すると選択する。そして、図11Aの第1110段階で低周波数信号を時間ドメインで符号化すると選択されれば、第1170段階でも、高周波数信号を時間ドメインで符号化すると選択する。
【0193】
第1170段階で、高周波数信号を時間ドメインで符号化すると選択されれば、高周波数信号に対してLPC分析を行ってLPC係数を抽出する(第1175段階)。第1175段階で抽出されたLPC係数は、復号化器で図7Aに示された包絡線の復元に用いられる。
【0194】
図11Aの第1150段階で復号化された第2励起信号と第1175段階で抽出されたLPC係数による高周波数信号の包絡線とを乗算する(第1180段階)。第1180段階で乗算された信号の例として、図7Bに示された部材番号710に該当する信号がある。
【0195】
第1180段階で乗算された信号が低周波数信号に対し存在するミスマッチングを補償する利得値を計算して符号化する(第1185段階)。図7Bに示されたように、低周波数信号の部材番号720に該当する信号と第1180段階で乗算された信号の部材番号710に該当する信号との境界に存在するミスマッチングを図7Cに示されたように補償する。
【0196】
第1135段階で逆量子化された励起スペクトルのうち、復号化器で高周波数スペクトルを復号化するのに利用する周波数バンドを選択して選択された周波数バンドについての情報を符号化する(第1190段階)。
【0197】
第1190段階後に、高周波数スペクトルの包絡線情報を抽出して符号化する(第1195段階)。ここで、包絡線情報の例として所定の周波数バンド単位で計算されたエネルギー値がある。
【0198】
図11A及び図11Bの実施例のように、符号化するドメインを先に決定し、該決定されたドメインで符号化する開ループ方式に限定して実施せねばならないものではない。周波数ドメインと時間ドメインの両方に符号化を行った後、符号化された結果を比較し、さらによいドメインを選択する閉ループ方式でも実施しうる。
【0199】
図12Aは、本発明による適応的高周波数領域復号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0200】
まず、符号化端から入力されたビットストリームを逆多重化する(第1200段階)。第1200段階では、符号化器で符号化された各周波数バンドが符号化されたドメインについての情報、符号化器で符号化されたLPC係数、符号化器で符号化された長区間予測が行われた結果、符号化器で符号化された励起信号、符号化器で量子化されたスペクトル及び低周波数領域に備えられた信号またはスペクトルを利用して高周波数信号を復号化しうる情報を含んで逆多重化する。
【0201】
既定の周波数より小さな領域の低周波数領域に備えられた周波数バンドが符号化器で符号化されたドメインについての情報を入力されて、各周波数バンドが符号化されたドメインを判断する(第1205段階)。
【0202】
第1205段階で、時間ドメインで符号化された周波数バンドであると判断された周波数バンドに備えられた符号化器で符号化された励起信号を復号化する(第1210段階)。
【0203】
第1205段階で、時間ドメインで符号化された周波数バンドであると判断された周波数バンドに対して符号化器で長区間予測が行われた結果を復号化し、第1210段階で復号化された励起信号に長区間予測が行われた結果を合成する(第1215段階)。
【0204】
第1205段階で、時間ドメインで符号化されたと判断された周波数バンドのLPC係数を復号化し、第1215段階で合成された信号にLPC係数を合成する(第1220段階)。
【0205】
第1205段階で周波数ドメインで符号化されたと判断された周波数バンドに備えられたスペクトルを逆量子化する(第1230段階)。
【0206】
図9Aの第1225段階で行う変換の逆過程であって、第1230段階で逆量子化されたスペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換する(第1233段階)。
【0207】
第1230段階で逆量子化されたスペクトルをホワイトニング処理して励起スペクトルを生成する(第1235段階)。
【0208】
第1210段階で復号化された所定周波数バンドに備えられた励起信号または第1235段階で復号化された所定周波数バンドに備えられた励起スペクトルを利用して既定の周波数より大きい領域に備えられた信号である高周波数信号を復号化する(第1240段階)。
【0209】
図9Aの第900段階で行う変換の逆過程であって、第1225段階で合成された所定周波数バンドに備えられた信号または第1233段階で逆変換された所定周波数バンドに備えられた信号及び第1240段階で復号化された高周波数信号を合成して時間ドメイン信号に合成することによって逆変換する(第1245段階)。第1245段階で変換する方式でQMF及びLOTなどがある。
【0210】
しかし、第1245段階では、FV−MLTのように所定の周波数バンド別に時間ドメインまたは周波数ドメインで示した信号を時間ドメイン信号に合成して第1240段階で別途に周波数ドメインから時間ドメインに変換する第1280段階を行わずとも実施しうる。
【0211】
図12Bは、本発明による適応的高周波数領域復号化方法に含まれた第1240段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0212】
まず、既定の周波数より大きい領域の高周波数領域に含まれた周波数バンドに備えられた信号が時間ドメインで符号化されたか、周波数ドメインで符号化されたかを判断する(第1250段階)。第1250段階で、各周波数バンドが符号化されたドメインは符号化端からドメインと関連した情報を伝送されて分かるか、高周波数領域に含まれた各周波数バンドで利用しようとする既定の周波数より小さな領域の低周波数領域に含まれた周波数バンドが復号化されたドメインを図12Aの第1205段階から分かる。
【0213】
高周波数領域に含まれた周波数バンドのうち、時間ドメインで符号化された周波数バンドに対するLPC係数を復号化する(第1255段階)。第1255段階で復号化されたLPC係数によって図7Aに示されたグラフのような包絡線を復元しうる。
【0214】
図12Aの第1250段階で復号化された励起信号と、第1255段階で復号化されたLPC係数による包絡線とを乗算する(第1260段階)。第1260段階で乗算された信号の例として、図7Bに示された部材番号710に該当する信号がある。
【0215】
第1260段階後に、利得値を復号化して第1260段階で乗算された信号に適用する(第1265段階)。第1265段階で、利得値を適用することによって、復号化された低周波数信号と復号化された高周波数信号との間に存在するミスマッチングを補償しうる。例えば、第1260段階で乗算された高周波数信号は、図7Bに示されたように、低周波数信号との境界面にミスマッチングが発生するが、第1265段階で利得値を適用することによって、図7Cに示されたように低周波数信号と高周波数信号とのミスマッチングの発生を防止する。
【0216】
図12Aの第1235段階で生成された励起スペクトルのうち、高周波数領域に備えられた周波数バンドのスペクトルを復号化するのに利用する周波数バンドについての情報を復号化する(第1270段階)。第1270段階では、復号化した情報を利用して、該当する周波数バンドに備えられた励起スペクトルを、第1250段階で周波数ドメインで符号化するものと判断された周波数バンドにパッチするか、対称的にフォールディングすることでノイズを生成する。例えば、第1270段階では、図8Aに示された低周波数領域に備えられた励起スペクトルを高周波数領域に図8Bに示されたようにパッチする。
【0217】
符号化器で符号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を復号化する(第1275段階)。第1275段階で復号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して、第1270段階で生成されたノイズの包絡線を調節する。例えば、第1275段階では、図8Bに示された第1270段階で生成されたノイズに対して高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して図8Cに示されたように包絡線を調節する。
【0218】
図9Aの第925段階で行う変換の逆過程であって、第1275段階で包絡線が調節されたノイズを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して高周波数信号を生成する(第1280段階)。
【0219】
図13Aは、本発明による適応的高周波数領域復号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0220】
まず、符号化端から入力されたビットストリームを逆多重化する(第1300段階)。第1300段階では符号化器で符号化されたLPC係数、符号化器で量子化された励起スペクトル、符号化器で行われた長区間予測の結果及び既定の周波数より小さな領域の低周波数領域に備えられた励起スペクトルを利用して既定の周波数より大きい領域に備えられた高周波数信号を復号化しうる情報を逆多重化する。
【0221】
符号化器で量子化された低周波数領域に備えられた励起スペクトルを逆量子化する(第1305段階)。
【0222】
図10Aの第1010段階で行う変換の逆過程であって、第1305段階で逆量子化された励起スペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して励起信号を生成する(第1310段階)。
【0223】
符号化器で低周波数領域に備えられた励起信号に対して長区間予測が行われた結果を復号化し、第1310段階で生成された励起信号に長区間予測が行われた結果を選択的に合成する(第1315段階)。第1315段階で長区間予測が行われた結果を合成する場合は、符号化器で長区間予測が行われた結果が符号化されて伝送された励起信号に限って合成する。
【0224】
LPC係数を復号化する(第1320段階)。第1320段階では、LPC係数を復号化した後、第1315段階で長区間予測が行われた結果を合成しない場合、第1310段階で生成された励起信号にLPC係数を合成し、第1315段階で長区間予測が行われた結果を合成した場合、第1315段階で合成された信号にLPC係数を合成する。第1320段階で合成された信号は、最終的に低周波数領域に備えられる低周波数信号が復元されたものである。
【0225】
第1305段階で逆量子化された低周波数領域に備えられた励起スペクトルを利用して高周波数信号を復号化する(第1325段階)。第1320段階で復元された低周波数信号と第1325段階で復号化された高周波数信号とを合成する(第1330段階)。
【0226】
図13Bは、本発明による適応的高周波数領域復号化方法に含まれた第1325段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0227】
まず、既定の周波数より小さな領域である低周波数領域に備えられた励起スペクトルのうち、既定の周波数より大きい高周波数スペクトルの符号化に利用する周波数バンドについての情報を復号化する(第1335段階)。第1335段階では、復号化された情報によって第1305段階で逆量子化された励起スペクトルのうち、利用する所定の励起スペクトルを選択し、該当する励起スペクトルを既定の周波数より大きい領域にパッチしたり対称的にフォールディングすることでノイズを生成する。例えば、第1335段階では、図8Aに図示された低周波数領域に備えられた励起スペクトルを高周波数領域に図8Bに示されたようにパッチする。
【0228】
符号化器で符号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を復号化する(第1340段階)。第1340段階では、復号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して第1335段階で生成されたノイズの包絡線を調節する。例えば、第1340段階では、図8Bに図示された第1335段階で生成されたノイズを高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して図8Cに示されたように包絡線を調節する。
【0229】
図11Aの第1110段階で行う変換の逆過程であって、第1340段階で包絡線が調節されたノイズを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して高周波数信号を生成する(第1345段階)。
【0230】
図14Aは、本発明による適応的高周波数領域復号化方法に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0231】
まず、符号化端から入力されたビットストリームを逆多重化する(第1400段階)。第1400段階では、符号化器で選択された低周波数信号を符号化したドメインについての情報、符号化器で符号化されたLPC係数、符号化器で行った長区間予測の結果、符号化器で符号化された励起信号、符号化器で量子化された励起スペクトル及び既定の周波数より小さな領域に備えられた低周波数信号または低周波数スペクトルを利用して高周波数信号を復号化する情報を逆多重化する。
【0232】
既定の周波数より小さな領域に該当する低周波数領域が符号化器で符号化されたドメインの情報を復号化して、低周波数領域が時間ドメインで符号化されたか、周波数ドメインで符号化されたかを判断する(第1405段階)。
【0233】
第1405段階で、低周波数領域が時間ドメインで符号化されたと判断されれば、符号化器で符号化された低周波数領域の励起信号を復号化する(第1410段階)。
【0234】
既定の周波数より小さな領域に備えられた信号である低周波数信号に対して符号化器で長区間予測が行われた結果を復号化し、第1410段階で復号化された励起信号に長区間予測が行われた結果を合成する(第1415段階)。
【0235】
第1405段階で、低周波数領域が周波数ドメインで符号化されたと判断されれば、符号化器で量子化された励起スペクトルを逆量子化する(第1420段階)。
【0236】
図11Aの第1125段階で行う変換の逆過程であって、第1420段階で逆量子化された励起スペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して励起信号を生成する(第1425段階)。
【0237】
低周波数信号のLPC係数を復号化し、第1415段階で合成された励起信号または第1425段階で生成された励起信号に復号化されたLPC係数を合成する(第1430段階)。第1430段階で合成された信号は、最終的に低周波数領域に備えられる低周波数信号が復元されたものである。
【0238】
第1420段階で逆量子化された励起スペクトルまたは第1410段階で復号化された励起信号を利用して高周波数信号を復号化する(第1435段階)。もし、低周波数領域が時間ドメインで符号化されたならば、第1435段階では、第1420段階で逆量子化された励起スペクトルを利用して高周波数信号を復号化し、もし、低周波数領域が周波数ドメインで符号化されたならば、第1435段階では、第1410段階で復号化された励起信号を利用して高周波数信号を復号化する。
【0239】
第1430段階で復元された低周波数信号と第1435段階で復号化された高周波数信号とを合成する(第1440段階)。
【0240】
図14Bは、本発明による適応的高周波数領域復号化方法に含まれた第1435段階に対する一実施例を示すフローチャートである。
【0241】
まず、既定の周波数より小さな領域に該当する低周波数領域が符号化されたドメインを既定の周波数より大きい領域に該当する高周波数領域に、時間ドメインで復号化するか、周波数ドメインで復号化するかを判断する(第1445段階)。
【0242】
もし、第1445段階で、高周波数領域を時間ドメインで復号化すると判断されれば、既定の周波数より大きい領域に備えられた高周波数信号に対するLPC係数を復号化する(第1450段階)。第1450段階で復号化されたLPC係数によって図7Aに示されたグラフのような包絡線を復元しうる。
【0243】
図12Aの第1410段階で復号化された励起信号に第1450段階で復号化されたLPC係数による包絡線を乗算する(第1455段階)。第1455段階で乗算された信号の例として、図7Bに示された部材番号710に該当する信号がある。
【0244】
符号化器で符号化された利得値を復号化して、第1455段階で乗算された信号に適用する(第1460段階)。第1460段階で利得値を適用することによって、図14Aの第1430段階で復元された低周波数信号と復号化された高周波数信号との間に存在するミスマッチングを補償しうる。例えば、第1455段階で乗算された高周波数信号は、図7Bに示されたように低周波数信号との境界面にミスマッチングが発生するが、第1460段階で利得値を適用することによって、図7Cに示されたように低周波数信号と高周波数信号との間のミスマッチングの発生を防止する。
【0245】
もし、第1445段階で高周波数領域を周波数ドメインで復号化すると判断されれば、図14Aの第1420段階で逆量子化された励起スペクトルを高周波数領域にパッチするか、対称的にフォールディングすることでスペクトルを生成する(第1465段階)。例えば、第1465段階は、図8Aに示された励起スペクトルを高周波数領域に、図8Bに示されたようにパッチする。
【0246】
符号化器で符号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を入力されて復号化する(第1470段階)。第1470段階では、復号化された高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して、第1465段階で生成されたスペクトルの包絡線を調節する。例えば、第1470段階では、図8Bに示された第1465段階で生成されたスペクトルを高周波数スペクトルの包絡線情報を利用して図8Cに示されたように包絡線を調節する。
【0247】
図11Aの第1125段階で行う変換の逆過程であって、第1470段階で包絡線が調節されたスペクトルを周波数ドメインから時間ドメインに逆変換して高周波数信号を生成する(第1475段階)。
【0248】
本発明は、コンピュータで読取り可能な記録媒体にコンピュータ(情報処理機能を有する装置をいずれも含む)で読取り可能なコードとして具現することが可能である。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムによって読取り可能なデータが保存されるあらゆる種類の記録装置を含む。コンピュータで読取り可能な記録装置の例として、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置などがある。
【0249】
本発明についての理解を助けるために図面に図示された実施例を参考にして説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これより多様な変形及び均等な他実施例が可能であるということを理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲により決まるべきである。
【0250】
本発明による適応的高周波数領域の符号化方法及び装置によれば、既定の周波数より小さな領域に備えられた信号を利用して既定の周波数より大きい領域に備えられた信号を時間ドメインまたは周波数ドメインで適応的に符号化するか、復号化する。
【0251】
これにより、少ないビットを利用してオーディオ信号を符号化するか、復号化するにもかかわらず、高周波数領域に該当する信号の音質を低下させないために、コーディング効率を極大化させうる。
【0252】
以下、実施の形態による手段を例示的に列挙する。
【0253】
[付記項1]
既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号を周波数バンド別に、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択してそれに変換するドメイン変換部と、
前記時間ドメインに変換された周波数バンドを、既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する時間ドメイン符号化部と、
前記周波数ドメインに変換された周波数バンドを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する周波数ドメイン符号化部とを備えることを特徴とする適応的高周波数領域の符号化装置。
【0254】
[付記項2]
前記時間ドメイン符号化部は、
前記時間ドメインに変換された周波数バンドに設けられた信号に対して線形予測を行う線形予測部と、
前記行われた線形予測によって生成された包絡線に前記励起信号を乗算する乗算部と、
前記低周波数領域に設けられた信号の低周波数信号と前記励起信号が乗算された包絡線との境界を一致させる利得値を計算して符号化する利得値符号化部とを備えることを特徴とする付記項1に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0255】
[付記項3]
前記周波数ドメイン符号化部は、
前記励起スペクトルのうち前記周波数ドメインに変換された周波数バンドに設けられたスペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化するノイズ情報符号化部と、
前記周波数ドメインに変換された周波数バンドに設けられたスペクトルの包絡線を抽出して符号化する包絡線情報符号化部とを備えることを特徴とする付記項1に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0256】
[付記項4]
前記励起信号は、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号のうち、時間ドメインで示した周波数バンドに設けられた信号に対して、線形予測または長区間予測を行って抽出された信号であることを特徴とする付記項1に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0257】
[付記項5]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルのうち、周波数ドメインで示した周波数バンドに設けられたスペクトルに対して、ホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項1に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0258】
[付記項6]
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化するノイズ情報符号化部と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する包絡線情報符号化部とを備えることを特徴とする適応的高周波数領域の符号化装置。
【0259】
[付記項7]
励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項6に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0260】
[付記項8]
既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号に対して既設定の基準によって、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択するドメイン選択部と、
前記ドメイン選択部で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する時間ドメイン符号化部と、
前記ドメイン選択部で周波数ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を周波数ドメインに変換して高周波数スペクトルを生成し、前記高周波数スペクトルを前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する周波数ドメイン符号化部とを備えることを特徴とする適応的高周波数領域の符号化装置。
【0261】
[付記項9]
前記時間ドメイン符号化部は、
前記ドメイン選択部で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号に対して線形予測を行う線形予測部と、
前記行われた線形予測によって生成された包絡線に前記励起信号を乗算する乗算部と、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号と前記励起信号が乗算された包絡線との境界を一致させる利得値を計算して符号化する利得値符号化部とを備えることを特徴とする付記項8に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0262】
[付記項10]
前記周波数ドメイン符号化部は、
前記ドメイン選択部で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を周波数ドメインに変換し、前記高周波数スペクトルを生成する変換部と、
前記励起スペクトルのうち前記高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化するノイズ情報符号化部と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する包絡線情報符号化部とを備えることを特徴とする付記項8に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0263】
[付記項11]
前記励起信号は、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号であることを特徴とする付記項8に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0264】
[付記項12]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号を周波数ドメインに変換したスペクトル、または前記低周波数領域に設けられたスペクトルである低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項8に記載の適応的高周波数領域の符号化装置。
【0265】
[付記項13]
既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域に設けられた各周波数バンドが符号化されたドメインを判断するドメイン判断部と、
前記時間ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する時間ドメイン復号化部と、
前記周波数ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する周波数ドメイン復号化部とを備えることを特徴とする適応的高周波数領域の復号化装置。
【0266】
[付記項14]
前記時間ドメイン復号化部は、
前記時間ドメインに変換された周波数バンドに設けられた信号に対するLPC(Linear Predictive Coding)係数を復号化する線形合成部と、
前記復号化されたLPC係数によって生成された包絡線に前記励起信号を乗算する乗算部と、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号と前記高周波数領域に設けられた高周波数信号との境界を一致させる利得値を復号化し、前記励起信号が乗算された包絡線に適用する利得値適用部とを備えることを特徴とする付記項13に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0267】
[付記項15]
前記周波数ドメイン復号化部は、
前記励起スペクトルのうち前記高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記周波数ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドにノイズを生成するノイズ生成部と、
前記周波数ドメインに変換された周波数バンドに設けられたスペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する包絡線調節部とを備えることを特徴とする付記項13に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0268】
[付記項16]
前記励起信号は、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号であることを特徴とする付記項13に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0269】
[付記項17]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項13に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0270】
[付記項18]
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成するノイズ生成部と、
前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する包絡線調節部とを備えることを特徴とする適応的高周波数領域の復号化装置。
【0271】
[付記項19]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項18に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0272】
[付記項20]
既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域が符号化されたドメインを判断するドメイン判断部と、
前記ドメイン判断部で前記高周波数領域が時間ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数信号を、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する時間ドメイン復号化部と、
前記ドメイン判断部で前記高周波数領域が周波数ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する周波数ドメイン復号化部とを備えることを特徴とする適応的高周波数領域の復号化装置。
【0273】
[付記項21]
前記時間ドメイン復号化部は、
前記高周波数信号に対するLPC係数を復号化する線形合成部と、
前記復号化されたLPC係数によって生成された包絡線に前記励起信号を乗算する乗算部と、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号と前記高周波数信号との境界を一致させる利得値を復号化し、前記励起信号が乗算された包絡線に適用する利得値適用部とを備えることを特徴とする付記項20に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0274】
[付記項22]
前記周波数ドメイン復号化部は、
前記励起スペクトルのうち復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成するノイズ生成部と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する包絡線調節部とを備えることを特徴とする付記項20に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0275】
[付記項23]
前記励起信号は、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号であることを特徴とする付記項20に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0276】
[付記項24]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号を周波数ドメインに変換したスペクトル、または前記低周波数領域に設けられたスペクトルである低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項20に記載の適応的高周波数領域の復号化装置。
【0277】
[付記項25]
既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号を周波数バンド別に、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択してそれに変換する段階と、
前記時間ドメインに変換された周波数バンドを、既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する段階と、
前記周波数ドメインに変換された周波数バンドを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の符号化方法。
【0278】
[付記項26]
前記励起信号を利用して符号化する段階は、
前記時間ドメインに変換された周波数バンドに設けられた信号に対して線形予測を行う段階と、
前記行われた線形予測によって生成された包絡線に前記励起信号を乗算する段階と、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号と前記励起信号が乗算された包絡線との境界を一致させる利得値を計算して符号化する段階とを含むことを特徴とする付記項25に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0279】
[付記項27]
前記励起スペクトルを利用して符号化する段階は、
前記励起スペクトルのうち前記周波数ドメインに変換された周波数バンドに設けられたスペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階と、
前記周波数ドメインに変換された周波数バンドに設けられたスペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階とを含むことを特徴とする付記項25に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0280】
[付記項28]
前記励起信号は、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号のうち、時間ドメインで示した周波数バンドに設けられた信号に対して、線形予測または長区間予測を行って抽出された信号であることを特徴とする付記項25に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0281】
[付記項29]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルのうち、周波数ドメインで示した周波数バンドに設けられたスペクトルに対して、ホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項25に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0282】
[付記項30]
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の符号化方法。
【0283】
[付記項31]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項30に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0284】
[付記項32]
既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号に対して既設定の基準によって、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択する段階と、
前記選択する段階で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する段階と、
前記選択する段階で周波数ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を周波数ドメインに変換して高周波数スペクトルを生成し、前記高周波数スペクトルを前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の符号化方法。
【0285】
[付記項33]
前記励起信号を利用して符号化する段階は、
前記ドメイン選択部で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号に対して線形予測を行う段階と、
前記行われた線形予測によって生成された包絡線に前記励起信号を乗算する段階と、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号と前記励起信号が乗算された包絡線との境界を一致させる利得値を計算して符号化する段階とを含むことを特徴とする付記項32に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0286】
[付記項34]
前記励起スペクトルを利用して符号化する段階は、
前記選択する段階で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を周波数ドメインに変換し、前記高周波数スペクトルを生成する段階と、
前記励起スペクトルのうち前記高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階とを含むことを特徴とする付記項32に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0287】
[付記項35]
前記励起信号は、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号であることを特徴とする付記項32に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0288】
[付記項36]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号を周波数ドメインに変換したスペクトル、または前記低周波数領域に設けられたスペクトルである低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項32に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【0289】
[付記項37]
既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域に設けられた各周波数バンドが符号化されたドメインを判断する段階と、
前記時間ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する段階と、
前記周波数ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の復号化方法。
【0290】
[付記項38]
前記励起信号を利用して復号化する段階は、
前記時間ドメインに変換された周波数バンドに設けられた信号に対するLPC係数を復号化する段階と、
前記復号化されたLPC係数によって生成された包絡線に前記励起信号を乗算する段階と、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号と前記高周波数領域に設けられた高周波数信号との境界を一致させる利得値を復号化し、前記励起信号が乗算された包絡線に適用する段階とを含むことを特徴とする付記項37に記載の適応的高周波数領域復号化方法。
【0291】
[付記項39]
前記励起スペクトルを利用して復号化する段階は、
前記励起スペクトルのうち前記高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記周波数ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドにノイズを生成する段階と、
前記周波数ドメインに変換された周波数バンドに設けられたスペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する段階とを含むことを特徴とする付記項37に記載の適応的高周波数領域復号化方法。
【0292】
[付記項40]
前記励起信号は、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号であることを特徴とする付記項37に記載の適応的高周波数領域復号化方法。
【0293】
[付記項41]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項37に記載の適応的高周波数領域復号化方法。
【0294】
[付記項42]
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成する段階と、
前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の復号化方法。
【0295】
[付記項43]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項42に記載の適応的高周波数領域の復号化方法。
【0296】
[付記項44]
既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域が符号化されたドメインを判断する段階と、
前記判断する段階で前記高周波数領域が時間ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数信号を、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する段階と、
前記判断する段階で前記高周波数領域が周波数ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の復号化方法。
【0297】
[付記項45]
前記励起信号を利用して復号化する段階は、
前記高周波数信号に対するLPC係数を復号化する段階と、
前記復号化されたLPC係数によって生成された包絡線に前記励起信号を乗算する段階と、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号と前記高周波数信号との境界を一致させる利得値を復号化し、前記励起信号が乗算された包絡線に適用する段階とを含むことを特徴とする付記項44に記載の適応的高周波数領域の復号化方法。
【0298】
[付記項46]
前記励起スペクトルを利用して復号化する段階は、
前記励起スペクトルのうち復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成する段階と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する段階とを含むことを特徴とする付記項44に記載の適応的高周波数領域の復号化方法。
【0299】
[付記項47]
前記励起信号は、
前記低周波数領域に設けられた低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号であることを特徴とする付記項44に記載の適応的高周波数領域の復号化方法。
【0300】
[付記項48]
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた信号である低周波数信号に対して線形予測または長区間予測を行って抽出された信号を周波数ドメインに変換したスペクトル、または前記低周波数領域に設けられたスペクトルである低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする付記項44に記載の適応的高周波数領域の復号化方法。
【0301】
[付記項49]
既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号を周波数バンド別に、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択してそれに変換する段階と、
前記時間ドメインに変換された周波数バンドを、既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する段階と、
前記周波数ドメインに変換された周波数バンドを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する段階とをコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【0302】
[付記項50]
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階とをコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【0303】
[付記項51]
既設定の周波数より大きい領域に設けられた信号である高周波数信号に対して既設定の基準によって、時間ドメインまたは周波数ドメインのうちいずれか一つを選択する段階と、
前記選択する段階で時間ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して符号化する段階と、
前記選択する段階で周波数ドメインが選択されれば、前記高周波数信号を周波数ドメインに変換して高周波数スペクトルを生成し、前記高周波数スペクトルを前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して符号化する段階とをコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【0304】
[付記項52]
既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域に設けられた各周波数バンドが符号化されたドメインを判断する段階と、
前記時間ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを既設定の周波数より小さい低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する段階と、
前記周波数ドメインに符号化されたと判断された周波数バンドを低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する段階とをコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【0305】
[付記項53]
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成する段階と、
前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する段階とをコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【0306】
[付記項54]
既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域が符号化されたドメインを判断する段階と、
前記判断する段階で前記高周波数領域が時間ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数信号を、既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起信号を利用して復号化する段階と、
前記判断する段階で前記高周波数領域が周波数ドメインで符号化されたと判断されれば、前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルを、前記低周波数領域に設けられた励起スペクトルを利用して復号化する段階とをコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の符号化方法。
【請求項2】
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする請求項1に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【請求項3】
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成する段階と、
前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の復号化方法。
【請求項4】
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする請求項3に記載の適応的高周波数領域の復号化方法。
【請求項1】
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域に設けられたスペクトルである高周波数スペクトルを符号化するのに利用する周波数バンドを選択し、前記選択された周波数バンドに係る情報を符号化する段階と、
前記高周波数スペクトルの包絡線を抽出して符号化する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の符号化方法。
【請求項2】
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする請求項1に記載の適応的高周波数領域の符号化方法。
【請求項3】
既設定の周波数より小さい領域である低周波数領域に設けられた励起スペクトルのうち、既設定の周波数より大きい領域である高周波数領域を復号化するのに利用する周波数バンドに係る情報を利用し、前記高周波数領域にノイズを生成する段階と、
前記高周波数領域に設けられた高周波数スペクトルの包絡線を復号化し、前記生成されたノイズの包絡線を調節する段階とを含むことを特徴とする適応的高周波数領域の復号化方法。
【請求項4】
前記励起スペクトルは、
前記低周波数領域に設けられた低周波数スペクトルに対してホワイトニング処理されたスペクトルであることを特徴とする請求項3に記載の適応的高周波数領域の復号化方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【公開番号】特開2012−208514(P2012−208514A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−143873(P2012−143873)
【出願日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【分割の表示】特願2009−516401(P2009−516401)の分割
【原出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【分割の表示】特願2009−516401(P2009−516401)の分割
【原出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(503447036)サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド (2,221)
[ Back to top ]