説明

符号化装置及び復号化装置

【課題】OSD信号にメイン画面信号の下位ビットを誤って付加することを防ぐ。
【解決手段】比較器110は、OSD信号と設定値(Talfa)とを比較して、OSDフラグを生成する。ブロック分割フラグ生成及びOSDフラグサンプリング部102a〜102cは、入力画像信号をM個の画素からなる符号化ブロック単位に分割して符号化器103a〜103cへ出力すると共に、比較器110からのOSDフラグをサンプリング間隔f画素でサンプリングして遅延器104aへ出力する。符号化ブロック及びOSDフラグ生成部105a〜105cは、符号化されていない先頭データと、2番目以降の(M−1)個の符号化データと、rビットとからなる、全部でNビット毎にブロック化した符号化データブロックに並び替えると共に、各Nビットの符号化データブロック内のrビットには、OSDフラグをサンプリングして得られたOSD情報のうちのrビットを埋め込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は符号化装置及び復号化装置に係り、特に画像信号を圧縮符号化する符号化装置及び圧縮符号化された符号化信号を復号する復号化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルハイビジョン放送やHD(High Definition)対応のビデオカメラの登場やデジタルカメラの高画質化により、家庭で使用するテレビの大画面化、高画質化が進んできており、テレビについてはHDサイズ(水平方向1920画素、垂直方向1080画素)の画面サイズのものに対する需要が高まってきた。
【0003】
一方、上記のようなHDサイズの画面のテレビに表示されるデジタル画像信号は、エンハンサやフレームレート変換処理などの画像処理が行われるが、その画像処理の際には、1フレーム以上のデータをダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)などの外部メモリに保存する必要がある。しかし、外部メモリは高価であり、またHDサイズの画像データを何フレームも保存しておくために大容量の外部メモリを複数個必要とする場合もあり、製品のコストアップと基板の部品点数増加の要因となる。
【0004】
そのため、HDサイズの画像データのデータ量を画像圧縮技術を用いてできるだけ低減することが行われる。この画像圧縮技術として、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式が知られている。このMPEG方式では、画像データをマクロブロック(水平方向16画素、垂直方向16画素)の単位で動き補償予測し、かつ、可変長符号化を行うことで、画像圧縮率の高い高能率符号化を実現している。しかし、このMPEG方式は、アルゴリズムが複雑であるため、画像処理回路を大規模半導体集積回路(LSI:Large Scale Integration)化した場合には、MPEG方式の符号化回路部分が大面積を占有することになり、画像の高画質処理に特化した信号処理用LSIや安価な画像処理LSIには不向きである。
【0005】
そのため、符号化方法については、入力画像について前値との差分を用いたビット圧縮(例えば、8ビット信号を4ビット信号に変換)するなどの、入力画像を簡便に圧縮できる符号化方法が画像の高画質処理に特化した信号処理用LSIや安価な画像処理LSIに用いられることがある。
【0006】
一方、画像信号処理については、インターレース信号をプログレッシブ信号に変換するIP変換や、3次元のイズリダクション処理(3DNR:Digital Noise Reduction)や、倍速処理などフレームメモリの使用を伴う内部処理を必要とするものが多く存在し、複数のフレームをDRAMなどの外部メモリに保存しておくことが多くなってきた。また、画像信号処理についてはたとえ外部入力が8ビットであったとしても、10ビットなどにビット数を上げて計算することが一般的となっている。
【0007】
また、オン・スクリーン・ディスプレイ(OSD)に関しては、基本的にはメイン画面の画像信号に画質改善のための信号処理を施した後、その画像信号とOSD信号とを混合又はどちらか一方の信号に置き換えて表示することが行われる。
【0008】
画像信号処理は上記の通り目的により様々なものが存在するが、倍速処理などでは内部信号が10ビットの場合でも上位8ビットだけを使用して中間フレームを生成することがある。この場合は、原フレームの上位8ビットから生成された中間フレームの上位8ビットの下位ビットに、原フレームの下位2ビットを追加することで、10ビットに戻すという処理を行うことがある。
【0009】
また、OSD画像については、OSD画像を重畳した画像信号を倍速処理の対象にすると、倍速処理により生成した中間フレームにもOSD画像が含まれる。この場合、中間フレームに含まれたOSD画像は、動きベクトルの誤検出やエンハンス処理などにより、そのOSD画像の周囲が不自然に揺れたり、強調されることがある。また、OSD画像だけをブロック分割や画素の連続性を考慮した圧縮を用いてメイン画面の画像信号とは別に保存する方法もある(例えば、特許文献1参照)。しかし、リアルタイム表示を行う場合はOSD画像のみを保存する必要がない。そのため、OSD画像は表示の直前にメイン画面の画像信号に多重するように挿入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平9−275563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
差分符号化などによりビット数を削減する、前述した入力画像を簡便に圧縮できる符号化方法を採用した符号化装置では、OSDに関しては重畳しているかどうかという情報を含めていなかった。
【0012】
一方、最近の液晶パネルは10ビット対応のものが増えているが、倍速処理など一部の画像信号処理については8ビット処理で十分なものもある。この場合は、特許文献1記載の発明のように、下位2ビットをフレームメモリなどに保存し、処理後にメイン画面の画像や作成された中間フレーム画像の下位に、保存しておいた下位2ビットを追加することで10ビットに戻すといった処理を行う場合がある。
【0013】
このような処理を行う場合、100%のOSD画面では上記のような処理により、OSD信号の下位ビット(上記例では2ビット)に原フレーム(メイン画像信号)の下位ビットを追加して元のビット数に戻すと、元のビット数に戻されたOSD信号によるOSD画面が、追加した下位ビットによりメイン画面に合わせて揺れるように見えるなどの表示上の不具合が発生する。
【0014】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、OSD信号にメイン画面信号の下位ビットを誤って付加することを防ぐことが可能な符号化装置及び復号化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の符号化装置は、画像信号の少なくとも連続する2画素毎にそれらの差分値を符号化した第1の符号化データを生成する符号化手段と、画像信号の水平方向についてオンスクリーンディスプレイ情報の重畳の有無を示すオンスクリーンディスプレイフラグを生成するオンスクリーンディスプレイフラグ生成手段と、オンスクリーンディスプレイフラグを、所定画素毎のサンプリング間隔でサンプリングしてビット数Rビットのオンスクリーンディスプレイ情報を生成するサンプリング手段と、複数個の第1の符号化データに含まれるビット数と、サンプリング手段により生成されたオンスクリーンディスプレイ情報のビット数Rビットのうちの所定のビット数rビット(rはRより小なる自然数)とからなるNビット(Nはrより大なる自然数)の第2の符号化データを符号化データブロック単位で出力する出力手段とを有することを特徴とする。
【0016】
ここで、上記符号化手段は、画像信号が各々量子化ビット数Aビットの各画素からなるとき、量子化ビット数Aビットのうちの上位ビットであるビット数qビット(qはA、Nより小なる自然数)からなる画素をM個(Mは2以上の自然数)毎にブロックに分割し、分割した各ブロックの先頭の一画素である符号化されていないデータと、符号化されていないデータ以降の(M−1)個の画素については1つ前の画素との差分値を符号化した、各々量子化ビット数pビット(p<q)の複数のデータとを第2の符号化データとして生成することを特徴とする。
【0017】
また、上記の目的を達成するため、本発明の符号化装置は、画像信号が、輝度信号及び2種類の色差信号からなる3種類のビット数が各Nビット(Nはrより大なる自然数)の画像信号であり、出力手段は、3種類の画像信号の符号化データブロックのうち、複数個の符号化データを除いた全部でビット数3rビットにビット数がRビットのオンスクリーンディスプレイ情報のすべてを別々に埋め込んで並列に出力することを特徴とする。
【0018】
また、上記の目的を達成するため、本発明の復号化装置は、画像信号の水平方向についてオンスクリーンディスプレイ情報の重畳の有無を示すオンスクリーンディスプレイフラグを、所定画素毎のサンプリング間隔でサンプリングして得られたビット数Rビットのオンスクリーンディスプレイ情報のうちのビット数rビット(rはRより小なる自然数)と、複数個の第1の符号化データに含まれるビット数とからなるビット数Nビット(Nはrより大なる自然数)の第2の符号化データが符号化ブロック単位で入力され、その符号化データブロック中の複数個の第1の符号化データとオンスクリーンディスプレイ情報とを分離抽出する分離抽出手段と、分離抽出手段により分離抽出された複数個の第1の符号化データを順次に復号して、画像信号である復号化データを出力する復号化手段と、分離抽出手段により分離抽出されたオンスクリーンディスプレイ情報からオンスクリーンディスプレイフラグを復号するオンスクリーンディスプレイフラグ復号手段とを有することを特徴とする。
【0019】
また、上記の目的を達成するため、本発明の復号化装置は、第2の符号化データを構成する複数個の第1の符号化データは、画像信号が各々量子化ビット数Aビットの各画素からなるとき、量子化ビット数Aビットのうちの上位ビットのビット数qビット(qはA、Nより小なる自然数)からなる画素をM個(Mは2以上の自然数)毎にブロック分割され、分割された各ブロックの先頭の一画素である符号化されていないデータと、符号化されていないデータ以降の(M−1)個の画素については1つ前の画素との差分値を符号化した、各々量子化ビット数pビット(p<q)の複数のデータとから構成され、量子化ビット数Aビットの画像信号の下位ビットのビット数(A−q)ビット(qはA、Nより小なる自然数)を予め記憶する記憶手段と、オンスクリーンディスプレイフラグ手段から出力されるオンスクリーンディスプレイフラグがオンスクリーンディスプレイ情報の重畳を示していない時には、復号化手段から出力された量子化ビット数Aビットのうちの上位ビットのビット数qビットの各画素からなる復号化データの下位に、記憶手段から読み出した画像信号の下位ビットのビット数(Aーq)ビットの各画素からなる画像信号を追加して、それぞれ全部でビット数Aビットの各画素からなる画像信号を生成する多重手段と、オンスクリーンディスプレイフラグ手段から出力されるオンスクリーンディスプレイフラグがオンスクリーンディスプレイ情報の重畳を示している時には、量子化ビット数qビットのうちの上位ビットのビット数qビットの各画素からなる復号化データの下位に、ビット数(Aーq)ビットの所定値を追加するビット追加手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、符号化装置によりOSDフラグを符号化データブロック内に埋め込むことにより、復号化装置によりOSDフラグに基づいて、OSD信号を含まない画像信号のみに下位ビットの画像信号を追加して元の量子化ビット数の画像信号に戻すことができ、OSD信号に画像信号の下位ビットを誤って付加することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の符号化装置の一実施の形態のブロック図である。
【図2】OSDフラグとOSDフラグのサンプリングを説明する図である。
【図3】メイン画面にOSD画面がある一例の画面イメージを示す図である。
【図4】図1中の符号化器の一実施の形態のブロック図である。
【図5】図1の符号化装置により生成される符号化データブロックの一例の説明図である。
【図6】図1の動作説明用タイミングチャートである。
【図7】本発明の復号化装置の一実施の携帯のブロック図である。
【図8】図7中の復号化器の一実施の形態のブロック図である。
【図9】図7の動作説明用タイミングチャートである。
【図10】本発明の復号化装置の一実施例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明になる符号化装置の一実施の形態のブロック図を示す。同図に示すように、本実施の形態の符号化装置100は、輝度信号Y用の符号化モジュール101a、色差信号U用の符号化モジュール101b、色差信号V用の符号化モジュール101c、及び比較器110より構成される。符号化装置100の入力画像データである輝度信号Yと色差信号U及びVとは、それぞれ同一解像度の4:4:4フォーマットであるものとする。
【0024】
符号化モジュール101a、101b及び101cはそれぞれ同一構成であり、ブロック分割フラグ生成及びオンスクリーンディスプレイ(OSD)フラグサンプリング部102a、102b及び102cと、符号化器103a、103b及び103cと、遅延器104a、104b及び104cと、符号化ブロック及びオンスクリーンディスプレイ(OSD)フラグ生成部105a、105b及び105cとより構成される。ブロック分割フラグ生成及びOSDフラグサンプリング部102a〜102cと、符号化器103a〜103cとは符号化手段を構成し、符号化ブロック及びOSDフラグ生成部105a〜105cは出力手段を構成する。
【0025】
ブロック分割フラグ生成及びOSDフラグサンプリング部102aは、YUV判別信号と画像信号(ここでは輝度信号Y)と比較器110からのオンスクリーンディスプレイ(OSD)フラグとが入力される。ブロック分割フラグ生成及びOSDフラグサンプリング部102bは、YUV判別信号と画像信号(ここでは色差信号U)と比較器110からのOSDフラグとが入力される。ブロック分割フラグ生成及びOSDフラグサンプリング部102cは、YUV判別信号と画像信号(ここでは色差信号V)と比較器110からのOSDフラグとが入力される。このように、符号化モジュール101a、101b及び101cは入力画像信号の種別が異なるだけで、構成自体はそれぞれ同一であるので、以下の説明では便宜上、符号化モジュール101aについて代表して説明するものとするが、符号化モジュール101b、101cについても符号化モジュール101aと同様の処理を行う。
【0026】
比較器110は、オンスクリーンディスプレイ(OSD)情報を示すオンスクリーンディスプレイ(OSD)信号の輝度信号を、設定値(Talfa)を閾値として比較し、閾値を超えたとき「1」、閾値以下のとき「0」の信号を、画像信号の水平方向についてOSD情報の重畳の有無を示すオンスクリーンディスプレイ(OSD)フラグとして生成する。上記の設定値(Talfa)は、OSD信号とOSD信号を含まない画像信号との混合比率を決定する値である。図2(A)はこのOSDフラグの一例を示す。図2(A)に示すOSDフラグは、ある画素より「0」から「1」に変化しており、例えば図3に示すメイン画面301中にOSD画面302があるとき、303で示す一部分(メイン画面の右側にOSD画面が存在する1ラインの一部分で、後述する1符号化データブロック区間)を示している。
【0027】
ブロック分割フラグ生成及びOSDフラグサンプリング部102aは、量子化ビット数Aビット(ここでは、A=10)の輝度信号Yのうち、上位ビットのビット数qビット(ここでは、q=8)の入力輝度信号YをM個(Mは2以上の自然数)の画素からなる符号化ブロック単位に分割して符号化器103aへ出力する。なお、残りの下位ビットのビット数である(A−q)ビット(ここでは、A−q=2)分については、外部メモリ(記憶手段)に保存しておく。
【0028】
また、ブロック分割フラグ生成及びOSDフラグサンプリング部102aは、符号化ブロック毎にそのブロックの先頭画素(先頭データ)を識別させるための論理値「1」の「first_word」を符号化器103aへ出力する。なお、先頭データ以外の符号化されるデータ(第1の符号化データ)の各画素は、論理値「0」の「first_word」と共に符号化器103aへ出力される。
【0029】
また、ブロック分割フラグ生成及びOSDフラグサンプリング部102aは、比較器110からのOSDフラグを、サンプリング間隔f画素でサンプリングして図2(C)に示す符号化OSDフラグを生成して、遅延器104aへ出力する。なお、図2(B)は、符号化対象画素(入力輝度信号Y)を示す。上記のサンプリング間隔f画素は、後述するビット数Nビット(Nは2以上の自然数)の符号化データ(第2の符号化データ)ブロック内のビット数rビット(rはNより小なる自然数)にサンプリングしたOSDフラグを埋め込むものとする。
【0030】
ここで、OSD信号の重畳の有無を示すOSD情報は、Rビットの符号化されたOSDフラグから構成されている。2ビットのYUV判別信号は、このRビットを輝度信号Yと色差信号U,Vの3信号用に3分割して、輝度信号の符号化データブロックと、色差信号U、Vの各符号化データブロックとのうち、どの符号化データブロックに埋め込むか選択するための信号である。一例として、R=6とした場合、図2(D)に示すように、例えば輝度信号の符号化データブロックに、6ビットのOSD情報のうちの0ビット目(LSB:Least Significant Bit)と1ビット目の下位2ビットを埋め込み、色差信号Uの符号化データブロックに、6ビットのOSD情報のうちの2ビット目と3ビット目の2ビットを埋め込み、色差信号Vの符号化データブロックに、6ビットのOSD情報のうちの4ビット目と5ビット目(MSB:Most Significant Bit)の上位2ビットを埋め込む。
【0031】
符号化器103aは、例えば図4のブロック図に示す構成とされている。この符号化器103aは、入力画像について前値との差分を用いたビット圧縮を行う符号化装置であり、減算器401、局部復号回路402、量子化部403、及びセレクタ404から構成されている。局部復号回路402は、逆量子化部411、加算器412、セレクタ413及びバッファ414から構成されている。
【0032】
次に、この符号化器103aの動作について説明する。符号化器103aは、まず減算器401において、入力画素信号(ここでは輝度信号)から局部復号回路402で局部復号して得られた局部復号信号を減算した差分値を画素単位で生成する。従って、この差分値は、入力画素信号とその一つ前に入力された画素信号の局部復号信号との差分値である。
【0033】
次に、符号化器103aは、量子化部403において減算器401からの差分値を量子化し、得られた量子化後信号を局部復号回路402に供給して局部復号すると共に、セレクタ404に供給する。局部復号回路402は、逆量子化部411において、量子化部403から出力された量子化後信号を逆量子化して、量子化前の差分値を生成する。続いて、局部復号回路402は、加算器412にて、バッファ414からの信号と逆量子化部411からの差分値とを加算して、一つ前の入力画素信号の局部復号信号を画素単位で得る。
【0034】
セレクタ413は、減算器401に入力画素信号の先頭データである最初の画素信号が入力されるときは、前述した先頭データを示す「first_word」の論理値が「1」であり、そのとき先頭データをそのまま選択する。また、先頭データ以降の画素信号入力時は、先頭データを示す「first_word」の論理値が「0」であるので、加算器412においてバッファ414からの信号と逆量子化部411からの差分値とを加算して得られた局部復号信号を選択する。バッファ414は、セレクタ413により選択された上記の先頭データ及びそれに続いて入力される局部復号信号を順次に蓄積した後、減算器401及び加算器412に供給する。
【0035】
セレクタ404は、減算器401に先頭データである最初の画素信号が入力されるときは、同時に論理値「1」の「first_word」が入力されるので、入力された先頭データをそのまま選択して外部へ出力する。また、セレクタ404は、先頭データ以降の画素信号入力時は、同時に論理値「0」の「first_word」が入力されるので、量子化部403から出力される量子化後信号を選択して符号化データ(第1の符号化データ)として外部へ出力する。そして、先頭データとそれに続く所定数の符号化データによって、1つの符号化データ(第2の符号化データ)ブロックが構成される。
【0036】
従って、1つの符号化データブロックでみると、先頭のデータは量子化されていない、すなわち符号化されていないが、それ以外の符号化データは、続いて入力される2つの画素信号の差分値を量子化した量子化後信号、すなわち符号化された信号である。
【0037】
この符号化器103aは、符号化処理自体は前値との差分値を用いて符号化しているが、先頭データは符号化しないことにより、復号化時のデータ回復時間を速めるため、入力データをそのまま出力する。そのため、符号化データブロックの先頭データは入力データのビット数と同じとなるが、それに続く符号化データは量子化により入力データのビット数より少ないビット数になるように量子化されている。このように、符号化器103aは、1個の符号化されていない先頭データと(M−1)個(Mは2以上の自然数)の符号化データとを順次に符号化ブロック及びOSDフラグ生成部105aへ出力する。
【0038】
図1に戻って説明する。遅延器104aは、符号化器103aの符号化処理に要する時間、ブロック分割フラグ生成及びOSDフラグサンプリング部102aからの符号化OSDフラグを遅延して、符号化器103aから出力される符号化データブロックとの時間合わせを行って符号化ブロック及びOSDフラグ生成部105aへ出力する。
【0039】
符号化ブロック及びOSDフラグ生成部105aは、符号化器103aから供給される先頭データ及び符号化データを図5(A),(B)に模式的に示すように、前述した符号化されていない先頭データ(画素)と、2番目以降の(M−1)個の符号化データ(画素)と、OSD情報伝送用のrビットとからなる、全部でNビット毎にブロック化した符号化データブロックに並び替えると共に、各Nビットの符号化データブロック内の上記rビットには、遅延器104aから供給されるOSDフラグをサンプリングして得られたOSD情報のうちのrビットを埋め込む。前述したように、1つの符号化データブロック内に、OSD情報全体のビット数Rビットのうちのrビット(R>r)分のOSD情報を埋め込むかは、YUV判別信号により選択される。
【0040】
図5(A)に示すように、符号化データブロックの先頭データ(画素)は前述したように符号化されておらず入力と同じqビットのままであるが、2番目以降の(M−1)個の符号化データ(画素)は符号化によりpビット(p<q)に圧縮されている。符号化データブロックのビット数Nは、DRAMやDDR SDRAM(Double-Data-Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)などの外部メモリに保存することを考慮すると、2のべき乗であることが望ましい。このため、1個の先頭データと(M−1)個の符号化されたデータとからなる全部でM個の画素のビット数を2のべき乗にするように構成するが、必ずしも2のべき乗にならず余りのビットがでる。この余ったビット(rビット)を上記のようにOSD情報のうちのrビットの伝送用に用いる。例えば、符号化データブロックのビット数Nを「256」とし、q=8、p=6、M−1=41とすると、rは2(=256-8-6×41)ビットとなる。
【0041】
このようにして、符号化モジュール101aは、図6(A)に示すクロックと、同図(B)に示すYUV判別信号と、同図(C)に示すOSDフラグと、同図(D)に示すイネーブル信号と、同図(E)に示す画像信号(輝度信号Y)とを入力として受け、同図(F)に示す符号化データブロックと、同図(G)に示すストローブ信号とを出力する。符号化モジュール101aは、図1では図示を省略した上記のイネーブル信号がハイレベルの時に画像信号を取り込む。また、上記のストローブ信号は、ハイレベルのときに次段の回路(図示せず)が符号化データブロックを取り込むための信号である。
【0042】
このように、本実施の形態の符号化装置100によれば、OSD信号がメイン画面の画像信号に重畳されるかどうかを示すOSDフラグを、符号化対象画素のf画素毎にサンプリングして得られるRビットのOSD情報として符号化データブロック内に含めて(埋め込んで)、符号化データブロック単位で符号化信号を出力するようにしたため、後述する復号化装置において、符号化データブロックを復号化した際にOSDフラグによりどの位置からOSD信号が重畳されるかをf画素毎に把握することが可能となる。
【0043】
次に、本発明になる復号化装置について説明する。
【0044】
図7は、本発明になる復号化装置の一実施の形態のブロック図を示す。同図に示すように、本実施の形態の復号化装置200は、輝度信号Y用の復号化モジュール201a、色差信号U用の復号化モジュール201b、色差信号V用の復号化モジュール201c、及びオンスクリーンディスプレイ(OSD)復号回路206より構成される。
【0045】
復号化モジュール201a、201b及び201cは、それぞれビット分割及びオンスクリーンディスプレイ(OSD)フラグ抽出部202a、202b及び202c、復号化器203a、203b及び203c、遅延器204a、204b及び204c、出力回路205a、205b及び205cからなる。復号化モジュール201aは、図1に示した符号化モジュール101aにより生成された輝度信号Yの符号化データブロックと、ストローブ信号(strb)とを入力として受け、輝度信号Yの復号化データと、データイネーブル信号と、輝度信号YのOSDフラグ_Yとを出力する。
【0046】
また、復号化モジュール201bは、図1に示した符号化モジュール101bにより生成された色差信号Uの符号化データブロックと、ストローブ信号(strb)とを入力として受け、色差信号Uの復号化データと、データイネーブル信号と、色差信号UのOSDフラグ_Uとを出力する。更に、復号化モジュール201cは、図1に示した符号化モジュール101cにより生成された色差信号Vの符号化データブロックと、ストローブ信号(strb)とを入力として受け、色差信号Vの復号化データと、データイネーブル信号と、色差信号VのOSDフラグ_Vとを出力する。
【0047】
このように、復号化モジュール201a、201b及び201cは入力符号化データブロックの信号種別が異なるだけで、構成自体はそれぞれ同一であるので、以下の説明では便宜上、復号化モジュール201aについて代表して説明するものとする。
【0048】
ビット分割及びOSDフラグ抽出部202aは、図5(A)に模式的に示す符号化されていないビット数がqビットの先頭データと、符号化されたビット数rビットの複数個のデータ(第1の符号化データ)と、ビット数がrビットのOSDフラグとからなる輝度信号のNビットの符号化データ(第2の符号化データ)ブロックが、図5(B)に模式的に示すように符号化データブロック単位で入力され、その符号化データブロックを、Tクロック毎に(Tは符号化データブロックに含まれる画素の数)ハイレベルとなるストローブ信号のハイレベル期間、取り込んでビット分割を行う。
【0049】
このビット分割は、2相で復号するために符号化データブロック内の配置位置が偶数番目である符号化データ(画素)と、奇数番目である符号化データ(画素)とに分割する処理である。なお、符号化データブロック内の先頭データ(画素)は前述したように符号化されていないが、偶数番目の符号化データ(画素)として分割される。また、先頭データの後に配置されている2番目以降の符号化データは、奇数番目の符号化データ(画素)、偶数番目の符号化データ(画素)の順で交互に分割される。
【0050】
また、ビット分割及びOSDフラグ抽出部202aは、分割されたデータが先頭データであるか否かを示すフラグ「first_word」も出力する。フラグ「first_word」は論理値「1」のとき先頭データであることを示す。更に、ビット分割及びOSDフラグ抽出部202aは、符号化データブロック内の最後のrビット(上記の例ではr=2)に埋め込まれたOSDフラグを抽出して出力する。
【0051】
復号化器203aは、ビット分割及びOSDフラグ抽出部202aからビット分割されて出力された符号化データを復号化する。図8は、復号化器203aの一実施の形態のブロック図を示す。図8において、符号化データブロックの分割された各データのうち、先頭データは、セレクタ53の入力端子1に入力され、偶数番目の符号化データ(画素)は逆量子化部501aに入力され、奇数番目の符号化データ(画素)は逆量子化部501bに入力される。
【0052】
逆量子化部501a、501bは、入力符号化データ(画素)に対して逆量子化を行い、図4に示した符号化器103a内の量子化部403の入力信号である差分値を復号化する。また、セレクタ503は、フラグ「first_word」の論理値が「1」であるときに入力される先頭データを選択して偶数番目の復号化データとして外部へ出力されると共に、加算器504に供給されて次の奇数番目の符号化データの前値として使用される。
【0053】
ここで、上記の復号化された差分値は、奇数番目又は偶数番目のデータと、そのデータより1クロック前に符号化器103aに入力された偶数番目又は奇数番目のデータとの差分値である。そこで、偶数番目又は奇数番目の1クロック前に符号化部に入力されたデータの先頭データまたは復号化データを前値として上記の差分値と加算することで、奇数番目又は偶数番目のデータを復号化することができる。
【0054】
上記の点に着目し、加算器502は、逆量子化部501aから入力される偶数番目の符号化データの復号化された差分値と、バッファ505から入力される一つ前の前値である奇数番目の復号化データとを加算して、偶数番目の復号化データを生成する。
【0055】
セレクタ503は、先頭データ以外の入力期間、論理値「0」とされたフラグ「first_word」に基づいて、加算器502からの復号化データを選択し、偶数番目の復号化データとしてそのまま出力する一方、加算器504に前値として供給する。加算器504は、逆量子化部501bから入力される奇数番目の符号化データの復号化された差分値と、セレクタ503から入力される一つ前の前値である偶数番目の復号化データとを加算して、奇数番目の復号化データを生成し、外部へ出力すると共に、バッファ505に供給して次の前値として保持する。
【0056】
このように、図8に示す復号化器503aによれば、逆量子化部501aからの偶数番目の符号化データを復号化して得た偶数番目の差分値を、バッファ505からの1つ前の奇数番目の復号化データと加算器502において加算することで量子化ビット数qビットの偶数番目の復号化データを得ると同時に、奇数番目の符号化データを復号化して得た奇数番目の差分値を、セレクタ503からの1つ前の偶数番目の復号化データと加算器504において加算することで量子化ビット数qビットの奇数番目の復号化データを得ることができる。
【0057】
再び図7に戻って説明する。遅延器204aは、復号化器203aが復号化処理に要する時間、ビット分割及びOSDフラグ抽出部202aからのOSDフラグを遅延して、復号化器203aから出力される復号化データとの時間合わせを行って出力回路205aへ出力する。
【0058】
出力回路205aは、復号化器203aから供給される偶数番目の復号化データ及び奇数番目の復号化データと、遅延器204aから供給されるビット数がrビットのOSDフラグとを、クロックに同期させて並列に出力する。また、出力回路205aは、データイネーブル信号(出力データが有効であることを示すフラグ)を生成して出力する。
【0059】
OSD復号回路206は、復号化モジュール201aから出力されたOSDフラグ_Yと、復号化モジュール201bから出力されたOSDフラグ_Uと、復号化モジュール201cから出力されたOSDフラグ_Vとを結合して3rビット(上記の例では6ビット)のOSD情報を復号することで、図2に示したようにf画素毎にサンプリングされた1ビットのOSDフラグを復号して出力する。
【0060】
このOSDフラグは、復号化データにより得られるメイン画面の画像信号と、OSD情報が重畳されているOSD信号のどちらか一方を選択する画像選択回路に供給されると共に、外部メモリに保存しておいた所定ビット数の下位ビットの画像信号と、所定ビット数の0のどちらか一方を選択して画像選択回路で選択された信号の下位ビットにマージさせるための下位ビット選択回路とに供給される。
【0061】
このようにして、復号化モジュール201aは、図9(A)に示すクロックと、同図(B)に示す符号化データブロックと、同図(C)に示すストローブ信号とを入力として受け、同図(D)に示すOSDフラグと、同図(G)に示すデータイネーブル信号と、同図(F)に示す復号化データとを出力する。
【0062】
このように、本実施の形態の復号化装置200によれば、OSD信号がメイン画面の画像信号に重畳されるかどうかを示すOSDフラグを、符号化対象画素のf画素毎にサンプリングされて符号化データブロック内に含めた(埋め込んだ)符号化データブロックから復号化データを出力すると共に、復号化したOSDフラグによりどの位置からOSD信号が重畳されるかをf画素毎に把握することが可能となる。これにより、量子化ビット数Aビットの復号化データから得られるメイン画面の画像信号に、下位(A−q)ビットのメイン画面の画像信号を追加して量子化ビット数Aビットのメイン画面の画像信号に戻す際、OSD信号に下位(A−q)ビットのメイン画面の画像信号を誤って付加することを防ぐことができる。この結果、本実施の形態によれば、100%のOSD画面が、追加した(A−q)ビットのメイン画面の画像信号によりメイン画面に合わせて揺れるように見えるなどの表示上の不具合を防止することができる。
【実施例】
【0063】
図10は、本発明になる復号化装置の一実施例のブロック図を示す。同図において、復号化装置600は、外部メモリ601、バッファ603a、603b及び603c、復号化モジュール604a、604b及び604c、OSD復号回路605、画像信号選択回路606a、606b及び606c、下位ビット選択回路607a、607b及び607cから構成される。画像信号選択回路606a〜606cと下位ビット選択回路607a〜607cとは、多重手段及びビット追加手段を構成する。
【0064】
外部メモリ601は、輝度信号Y用記憶領域602a、色差信号U用記憶領域602b及び色差信号V用記憶領域602cを有する。記憶領域602aには、量子化ビット数10ビットのメイン画面用の輝度信号画像データの下位2ビットの画像データが記憶されている下位2ビット記憶領域701a、図1に示した符号化モジュール101aにより生成されたフレーム0の符号化データブロック群が記憶されているフレーム0記憶領域702a、図1に示した符号モジュール101aにより生成されたフレーム0の次のフレームであるフレーム1の符号化データブロック群が記憶されているフレーム1記憶領域703a、フレーム0及びフレーム1の符号化データブロック群の一方を選択する選択部704aとからなる。記憶領域601aと同様に、記憶領域602b、602cには、下位2ビット記憶領域701b、701c、フレーム0記憶領域702b、702c、フレーム1記憶領域703b、703c、選択部704b、704cとが形成されている。
【0065】
記憶領域702a〜702c、703a〜703cのそれぞれには、輝度信号Y、色差信号U、色差信号Vの各量子化ビット数10ビットのメイン画面用の画像データの上位8ビットの画像データが、図1に示した符号化モジュール101a〜101cによる圧縮符号化により図5(A)に模式的に示した符号化データブロックとされ、符号化データブロックが図5(B)に模式的に示したように1フレーム分多重されて記憶されている。
【0066】
また、図10において、復号化モジュール604a、604b及び604cは、図7に示した復号化装置200内の復号化モジュール201a、201b及び201cと同様の構成とされている。また、OSD復号回路605は、図7に示したOSD復号回路206と同様の構成とされている。また、画像信号選択回路606a、606b、606cは、それぞれOSD復号回路605からのOSDフラグの値が「1」のとき、端子1に入力されるOSD情報の量子化ビット数8ビットの輝度信号OSD_Y、色差信号OSD_U、色差信号OSD_Vを選択し、OSDフラグの値が「0」のとき、端子0に入力される復号化モジュール604a、604b、604cからの量子化ビット数8ビットの復号化データを選択する。なお、復号化データが2相の場合は2相並列に出力される。
【0067】
また、下位ビット選択回路607a、607b、607cは、OSD復号回路605からのOSDフラグの値が「1」のとき、端子1に入力される2ビット値「00」を出力し、OSDフラグの値が「0」のとき、端子0に入力されるバッファ603a、603b、603cからの下位2ビット分の輝度信号Y、色差信号U、色差信号Vを選択する。
【0068】
上記の構成の復号化装置600によれば、量子化ビット数10ビットのメイン画面の画像データについて倍速処理を行う際、フレームメモリ容量軽減やメモリのパフォーマンスのため原フレームと中間フレームとして生成するフレームは、上記10ビットの上位8ビットの量子化ビット数の画像データが、図1に示した符号化モジュール101a〜101cにより、先頭データ以外は6ビットに圧縮符号化された符号化データブロックとして記憶領域702a〜702c、703a〜703cに記憶されている。
【0069】
選択部704a、704b、704cは、上記の倍速処理を行う際には、記憶領域702a〜702cからのフレーム0の符号化データブロック及び記憶領域703a〜703cからのフレーム1の符号化データブロックの一方を選択して復号化モジュール604a、604b、604cにそれぞれ供給する。符号化モジュール604a、604b、604cは、入力された符号化データブロックに対して、図7と共に説明した復号化モジュール201aと同様の復号化動作を行う。
【0070】
OSD復号回路605は、復号化モジュール604a、604b、604cにより復号化されて出力されるOSDフラグに対して図7のOSD復号回路206と同様の復号動作を行ってOSDフラグを復号し、そのOSDフラグを画像信号選択回路606a〜606cと下位ビット選択回路607a〜607cにそれぞれ選択制御信号として供給する。
【0071】
これにより、OSDフラグにより復号化データがメイン画面であることを示している値「0」のときには、画像信号選択回路606a〜606cは復号化モジュール604a〜604cからそれぞれ出力される量子化ビット数8ビットの復号化データを選択する。また、これと並行して下位ビット選択回路607a〜607cが、バッファ603a〜603cを通して供給される下位2ビット記憶領域701a〜701cに予め記憶されている下位2ビットのメイン画面の画像データを選択する。
【0072】
これにより、倍速処理を行う際には、画像信号選択回路606a〜606cから出力される量子化ビット数8ビットの復号化データの下位ビットのビット数2ビットに、下位ビット選択回路607a〜607cにより選択された下位2ビットの画像データが追加されて、元の量子化ビット数10ビットのメイン画面の画像データに戻されて出力される。
【0073】
また、OSD復号回路605から出力されるOSDフラグはOSD情報が重畳されていることを示す値「1」のときは、画像信号選択回路606a、606b、606cは量子化ビット数8ビットのOSD信号OSD_Y、OSD_U、OSD_Vを選択する。また、これと並行して下位ビット選択回路607a〜607cが、2ビットの固定値「00」を選択する。
【0074】
これにより、OSD情報のときは画像信号選択回路606a〜606cから出力される量子化ビット数8ビットの各画素からなる復号化データであるOSD信号の下位2ビットに「00」が追加され、全体として量子化ビット数10ビットの信号とされて出力される。従って、100%OSD情報になった場合にOSD画情報がメイン画面の画像信号に同期したノイズがあるような表示になることを防ぐことができる。なお、OSD情報の場合の下位2ビットに追加するビットは「00」でなく、所定の固定値であればよい。
【0075】
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、復号化装置は2相の復号化データを出力する構成に限定されるものではなく、1相の復号化データを出力してもよいし、3相以上の復号化データを出力するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0076】
100 符号化装置
101a、101b、101c 符号化モジュール
102a、102b、102c ブロック分割フラグ生成及びオンスクリーンディスプレイ(OSD)サンプリング部
103a、103b、103c 符号化器
104a、104b、104c、204a、204b、204c 遅延器
105a、105b、105c 符号化ブロック及びオンスクリーンディスプレイ(OSD)フラグ生成部
110 比較器
200、600 復号化装置
201a、201b、201c、604a、604b、604c 復号化モジュール
202a、202b、202c ビット分割及びオンスクリーンディスプレイ(OSD)フラグ抽出部
203a、203b、203c 復号化器
205a、205b、205c 出力回路
206、605 OSD復号回路
403 量子化部
402 局部復号回路
404、413、503 セレクタ
501a、501b 逆量子化部
505、603a、603b、603c バッファ
601 外部メモリ
602a、602b、602c 記憶領域
606a、606b、606c 画像信号選択回路
607a、607b、607c 下位ビット選択回路
701a、701b、701c 下位2ビット記憶領域
702a、702b、702c フレーム0記憶領域
703a、703b、703c フレーム1記憶領域
704a、704b、704c 選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像信号の少なくとも連続する2画素毎にそれらの差分値を符号化した第1の符号化データを生成する符号化手段と、
前記画像信号の水平方向についてオンスクリーンディスプレイ情報の重畳の有無を示すオンスクリーンディスプレイフラグを生成するオンスクリーンディスプレイフラグ生成手段と、
前記オンスクリーンディスプレイフラグを、所定画素毎のサンプリング間隔でサンプリングしてビット数Rビットのオンスクリーンディスプレイ情報を生成するサンプリング手段と、
前記複数個の第1の符号化データに含まれるビット数と、前記サンプリング手段により生成された前記オンスクリーンディスプレイ情報のビット数Rビットのうちの所定のビット数rビット(rはRより小なる自然数)とからなるNビット(Nはrより大なる自然数)の第2の符号化データを符号化データブロック単位で出力する出力手段と
を有することを特徴とする符号化装置。
【請求項2】
前記符号化手段は、前記画像信号が各々量子化ビット数Aビットの各画素からなるとき、前記量子化ビット数Aビットのうちの上位ビットであるビット数qビット(qは前記A、Nより小なる自然数)からなる前記画素をM個(Mは2以上の自然数)毎にブロックに分割し、分割した各ブロックの先頭の一画素である符号化されていないデータと、前記符号化されていないデータ以降の(M−1)個の画素については1つ前の画素との差分値を符号化した、各々量子化ビット数pビット(p<q)の複数のデータとを前記第2の符号化データとして生成することを特徴とする請求項1記載の符号化装置。
【請求項3】
前記画像信号は、輝度信号及び2種類の色差信号からなる3種類のビット数が各Nビット(Nはrより大なる自然数)の画像信号であり、
前記出力手段は、前記3種類の画像信号の前記符号化データブロックのうち、前記複数個の符号化データを除いた全部でビット数3rビットに前記ビット数がRビットのオンスクリーンディスプレイ情報のすべてを別々に埋め込んで並列に出力することを特徴とする請求項1又は2記載の符号化装置。
【請求項4】
画像信号の水平方向についてオンスクリーンディスプレイ情報の重畳の有無を示すオンスクリーンディスプレイフラグを、所定画素毎のサンプリング間隔でサンプリングして得られたビット数Rビットのオンスクリーンディスプレイ情報のうちのビット数rビット(rはRより小なる自然数)と、複数個の第1の符号化データに含まれるビット数とからなるビット数Nビット(Nはrより大なる自然数)の第2の符号化データが符号化ブロック単位で入力され、その符号化データブロック中の前記複数個の第1の符号化データと前記オンスクリーンディスプレイ情報とを分離抽出する分離抽出手段と、
前記分離抽出手段により分離抽出された前記複数個の第1の符号化データを順次に復号して、前記画像信号である復号化データを出力する復号化手段と、
前記分離抽出手段により分離抽出された前記オンスクリーンディスプレイ情報から前記オンスクリーンディスプレイフラグを復号するオンスクリーンディスプレイフラグ復号手段と
を有することを特徴とする復号化装置。
【請求項5】
前記第2の符号化データを構成する前記複数個の第1の符号化データは、前記画像信号が各々量子化ビット数Aビットの各画素からなるとき、前記量子化ビット数Aビットのうちの上位ビットのビット数qビット(qは前記A、Nより小なる自然数)からなる前記画素をM個(Mは2以上の自然数)毎にブロック分割され、分割された各ブロックの先頭の一画素である符号化されていないデータと、前記符号化されていないデータ以降の(M−1)個の画素については1つ前の画素との差分値を符号化した、各々量子化ビット数pビット(p<q)の複数のデータとから構成され、
前記量子化ビット数Aビットの前記画像信号の下位ビットのビット数(A−q)ビット(qは前記A、Nより小なる自然数)を予め記憶する記憶手段と、
前記オンスクリーンディスプレイフラグ手段から出力される前記オンスクリーンディスプレイフラグが前記オンスクリーンディスプレイ情報の重畳を示していない時には、前記復号化手段から出力された前記量子化ビット数Aビットのうちの上位ビットのビット数qビットの各画素からなる復号化データの下位に、前記記憶手段から読み出した前記画像信号の下位ビットのビット数(Aーq)ビットの各画素からなる画像信号を追加して、それぞれ全部でビット数Aビットの各画素からなる前記画像信号を生成する多重手段と、
前記オンスクリーンディスプレイフラグ手段から出力される前記オンスクリーンディスプレイフラグが前記オンスクリーンディスプレイ情報の重畳を示している時には、前記量子化ビット数qビットのうちの上位ビットのビット数qビットの各画素からなる復号化データの下位に、ビット数(Aーq)ビットの所定値を追加するビット追加手段と
を有することを特徴とする請求項4記載の復号化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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