説明

第二級ジアミンを含んでなる配合物

【課題】
ポリウレタン、ポリ尿素またはポリウレタン−尿素重合体を製造するに際し、鎖延長剤として用いることが出来る配合物の提供。
【解決手段】
N,N’−ジ−5−ノニル−イソホロンジアミン、N,N’−ジ−2−(4−メチルペンチル)−イソホロンジアミン、N,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−TCDジアミンおよびN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−ジアミノヘキサンから成る群から選択した少なくとも1種の脂肪族第二級ジアミンと少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルアミンと少なくとも1種のイソシアネートを含んで成る材料から生じさせた配合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂肪族第二級ジアミンと少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルアミンと少なくとも1種のイソシアネートを含んで成る材料から生じさせた配合物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタン、ポリ尿素およびポリウレタン−尿素重合体を製造する時の鎖伸長剤および/またはエポキシ樹脂用硬化剤として用いるに有用であることが示されている多官能化合物は数多く存在し、それにはジオールおよび芳香族ジアミンが含まれる。そのような化合物のいずれも普遍的に理想的であるような反応性を示さず、多くは、それらを用いて生じさせる製品に満足される特性を与えない。従って、鎖伸長剤または硬化剤として使用可能な新規な化合物を見つけだす必要性がまだ存在する。特定のN,N’−ジアルキルフェニレンジアミンをポリウレタンおよびポリ尿素製造時の鎖伸長剤として用いることが特許文献1に教示されている。これに関連して、また、例えば、第二級脂肪族ジアミンを樹脂結合剤の一部として用いることを教示している特許文献2、および芳香族ジアミンをポリウレタン用硬化剤として用いることを開示している特許文献3なども参照のこと。第二級芳香族ジアミンはまたゴム用抗劣化剤としても用いられている(特許文献4を参照)。
【0003】
イミンの生成はしばしば第一級アミンとアルデヒドもしくはケトンの組み合わせを用いて実施される。そのようなイミンは風味剤(特許文献5を参照)または香料(特許文献6を参照)として使用可能である。
【0004】
炭素原子数が2以上の基を有する芳香族ジイミンを1個のフェニル環上に2個のアミノ基が存在するか或は2個のフェニル環(この2個のフェニル環はアルキレンブリッジを通して連結している)の各々にアミノ基が1個ずつ存在していて各アミノ基に対するオルソ位(直接隣接する位置)の各々がヒドロカルビル置換基を持つ芳香族第一級ジアミンから得ることができることは今日まで確認されていなかった。そのような第一級ジアミンとアセトアルデヒドもしくはアセトンを触媒の存在有り無しで反応させることを通してジイミンを生じさせる試みはうまくいかなかった(特許文献7および8を参照)。アリール基がイミン基の窒素もしくは炭素上に存在しているとそのようなイミンは安定であることが示されていたが、しかしながら、安定な芳香族イミンであると以前に考えられていた化合物の少なくとも数種は誤認であり、実際には、不安定なイミンから生じた重合体であることが報告された。これに関連して、非特許文献1を参照。
【0005】
そのようなジイミンを生じさせる経路そしてそのようなジイミンから得ることができる芳香族第二級ジアミンを生じさせる経路が得られたならば、これは望ましいことである。硬化速度がより遅い鎖伸長剤の必要性が増大しており、このように、そのような芳香族第二級ジアミンが現在入手可能な鎖伸長剤が示す硬化速度よりも遅い硬化速度を示すならば、それはさらなる利点になるであろう。
【特許文献1】米国特許第4,806,616号
【特許文献2】米国特許第4,528,363号
【特許文献3】米国特許第6,218,480 B1号
【特許文献4】米国特許第4,900,868号
【特許文献5】米国特許第3,625,710号
【特許文献6】EP 1067116
【特許文献7】米国特許第5,041,668号
【特許文献8】米国特許第5,008,453号
【非特許文献1】Distefano他、J.Chem.Soc.Perkin Trans.II、1985、1623−1627頁
【発明の概要】
【0006】
発明の要約
本発明は、一部として、イミノのヒドロカルビリデン基が炭素原子を少なくとも2個有するジイミンを製造する方法を提供し、ここで、前記ジイミンは、(a)イミノ基をベンゼン環上に2個有していてイミノ基(−N=R)に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ1個のベンゼン環の形態、またはアルキレンブリッジで連結しかつイミノ基を各環上に1個ずつ有していてイミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ2個のベンゼン環の形態のいずれかである芳香族ジイミン、(b)イミノ基をベンゼン環上に2個有する1個のベンゼン環の形態、またはアルキレンブリッジで連結しかつイミノ基を各環上に1個ずつ有する2個のベンゼン環の形態のいずれかであり、ここで、各イミノ基に対する少なくとも一方のオルソ位が水素原子を置換基として有する芳香族ジイミン、または(c)脂肪族ジイミンであり、ここでは、前記ジイミンを第一級ジアミンと少なくとも1種のケトンおよび/またはアルデヒドの反応で生じさせる。本技術では、(a)型のジイミンを生じさせることができなかったと教示されている。そのような芳香族ジイミンを驚くべきことに生じさせることができ、それらが本発明の組成物である。(a)型の芳香族ジイミンから生じさせる芳香族第二級ジアミンもまた本発明の組成物である。驚くべきことに、そのような芳香族第二級ジアミンが示す硬化速度は現在入手可能な鎖伸長剤が示すそれよりも遅い。特定の独占的商業的用途では硬化速度が遅い方が望ましい。(a)型の芳香族ジイミンに水添(還元)を受けさせることで本発明の相当する新規な芳香族第二級ジアミンを生じさせる。本発明では、また、第二級ジアミン(本発明の組成物である芳香族第二級ジアミンを包含)を第一級ジアミンから1段階で生じさせる方法も提供する。本発明の方法の全部に関して、相対的に穏やかな圧力および温度条件を用い、有利には、通常の工程装置を用いることができ、このように、特殊な装置、例えば高圧反応に必要な装置などを必要としない。このことは、水素ガスを第二級ジアミンを生じさせる時に用いる方法で特に重要である。本発明の工程技術を用いて、第一級ジアミンとケトンもしくはアルデヒドを反応させることを通して、幅広く多様な公知ジイミンおよび第二級ジアミンを製造することができる。
【0007】
本発明の1つの態様では、新規な組成物として、イミノ基をベンゼン環上に2個有していて前記イミノ基が互いに対してメタまたはパラ位に位置しかつイミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ1個のベンゼン環の形態、またはアルキレンブリッジで連結しかつイミノ基を各環上に1個ずつ有していてイミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ2個のベンゼン環の形態のいずれかであり、ここで、イミノのヒドロカルビリデン基の各々が炭素原子を少なくとも2個有する芳香族ジイミンを提供する。本発明の芳香族ジイミンは構造:
【0008】
【化1】

【0009】
[ここで、各Rは同じまたは異なってもよく、そして各Rはヒドロカルビル基であり、Rはアルキレンブリッジであり、そして各Rは炭素原子数が少なくとも2のヒドロカルビリデン基である]
で表され得る。
【0010】
本発明の別の態様では、新規な組成物として、第二級アミノ基をベンゼン環上に2個有していて前記第二級アミノ基が互いに対してメタまたはパラ位に位置しかつ第二級アミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ1個のベンゼン環の形態、またはアルキレンブリッジで連結しかつ第二級アミノ基を各環上に1個ずつ有していて第二級アミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ2個のベンゼン環の形態のいずれかであり、ここで、アミノのヒドロカルビル基の各々が炭素原子を少なくとも2個有する芳香族第二級ジアミンを提供する。本発明の芳香族第二級ジアミンは構造:
【0011】
【化2】

【0012】
[ここで、各Rは同じまたは異なってもよく、そして各Rはヒドロカルビル基であり、Rはアルキレンブリッジであり、そして各Rは炭素原子数が少なくとも2のヒドロカルビル基である]
で表され得る。
【0013】
本発明の別の態様は第二級ジアミンを生じさせる方法である。この方法は、第二級ジアミンが生じるように少なくとも1種のケトンもしくはアルデヒド、少なくとも1種の酸イオン交換樹脂、少なくとも1種の水添剤(hydrogenation agent)および少なくとも1種の第一級ジアミンを一緒に混合することを含んで成る。前記第一級ジアミンは、I)第一級アミノ基をベンゼン環上に2個有する1個のベンゼン環の形態、またはアルキレンブリッジで連結しかつ第一級アミノ基を各環上に1個ずつ有する2個のベンゼン環の形態のいずれかであり、ここで、各第一級アミノ基に対する少なくとも一方のオルソ位が水素原子を置換基として有する芳香族第一級ジアミン、またはII)第一級アミノ基をベンゼン環上に2個有していて前記第一級アミノ基が互いに対してメタまたはパラ位に位置する1個のベンゼン環の形態、またはアルキレンブリッジで連結しかつ第一級アミノ基を各環上に1個ずつ有していて第一級アミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ2個のベンゼン環の形態のいずれかである芳香族第一級ジアミン、またはIII)脂肪族第一級ジアミンである。前記第一級ジアミンがI)の場合の水添剤は水素化物移動剤(hydride transfer agent)、溶解している金属反応体、ボラン還元剤、または水素と水添用触媒であり、ここで、前記水添用触媒は炭素に担持されている硫化白金、炭素に担持されている硫化パラジウムまたはこれらの混合物である。前記第一級ジアミンがII)の場合の水添剤は溶解している金属反応体、または水素と水添用触媒であり、ここで、前記水添用触媒は炭素に担持されている硫化白金、炭素に担持されている硫化パラジウムまたはこれらの混合物であるか、或はそれを硫化水素または少なくとも1種の強酸と一緒に用いる時には炭素に担持されているパラジウム、炭素に担持されている白金およびこれらの両方の混合物から成る群から選択する。前記第一級ジアミンがIII)の場合の水添剤は水素化物移動剤、溶解している金属反応体、ボラン
還元剤、または水素と水添用触媒であり、ここで、前記水添用触媒は炭素に担持されている硫化白金、炭素に担持されている硫化パラジウムまたはこれらの混合物である。
【0014】
本発明の更に別の態様は、ジイミンを生じさせる方法である。この方法は、ジイミンが生じるように少なくとも1種のケトンもしくはアルデヒド、少なくとも1種の酸イオン交換樹脂および少なくとも1種の第一級ジアミンを一緒に混合することを含んで成る。前記第一級ジアミンは、I)第一級アミノ基をベンゼン環上に2個有する1個のベンゼン環の形態、またはアルキレンブリッジで連結しかつ第一級アミノ基を各環上に1個ずつ有する2個のベンゼン環の形態のいずれかであり、ここで、各第一級アミノ基に対する少なくとも一方のオルソ位が水素原子を置換基として有する芳香族第一級ジアミン、またはII)第一級アミノ基をベンゼン環上に2個有していて前記第一級アミノ基が互いに対してメタまたはパラ位に位置する1個のベンゼン環の形態、またはアルキレンブリッジで連結しかつ第一級アミノ基を各環上に1個ずつ有していて第一級アミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ2個のベンゼン環の形態のいずれかである芳香族第一級ジアミン、またはIII)脂肪族第一級ジアミンである。この方法に、しばしば、更に、前記ジイミンの少なくとも一部と水添剤を一緒に混合することも含める。前記ジイミンを生じさせる時に用いる第一級ジアミンがI)またはIII)の場合の水添剤は水素化物移動剤、溶解している金属反応体、ボラン還元剤、または水素と水添用触媒であり、ここで、前記水添用触媒は炭素に担持されている硫化白金、炭素に担持されている硫化パラジウムまたはこれらの混合物である。前記ジイミンを生じさせる時に用いる第一級ジアミンがII)の場合の水添剤は溶解している金属反応体、または水素と水添用触媒であり、ここで、前記水添用触媒は炭素に担持されている硫化白金、炭素に担持されている硫化パラジウムまたはこれらの混合物であるか、或はそれを第二級ジアミンが生じるように硫化水素または少なくとも1種の強酸と一緒に用いる時には炭素に担持されているパラジウム、炭素に担持されている白金およびこれらの両方の混合物から成る群から選択する。
【0015】
本発明の別の態様は、芳香族第二級ジアミンを生じさせる方法である。この方法は、第二級ジアミンが生じるように少なくとも1種のケトンもしくはアルデヒド、水素、炭素に担持されている硫化白金、炭素に担持されている硫化パラジウムおよびこれらの混合物から選択した水添用触媒および少なくとも1種の第一級ジアミンを一緒に混合することを含んで成る。前記第一級ジアミンが、I)第一級アミノ基をベンゼン環上に2個有する1個のベンゼン環の形態、またはアルキレンブリッジで連結しかつ第一級アミノ基を各環上に1個ずつ有する2個のベンゼン環の形態のいずれかであり、ここで、各第一級アミノ基に対する少なくとも一方のオルソ位が水素原子を置換基として有する芳香族第一級ジアミンである場合には、本方法を約20℃から約120℃の範囲内の温度および1平方インチ当たり約14から約125ポンドの範囲内の水素圧で実施する。前記第一級ジアミンがII)第一級アミノ基をベンゼン環上に2個有していて前記第一級アミノ基が互いに対してメタまたはパラ位に位置する1個のベンゼン環の形態、またはアルキレンブリッジで連結しかつ第一級アミノ基を各環上に1個ずつ有していて第一級アミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ2個のベンゼン環の形態のいずれかである芳香族第一級ジアミンの場合には、本方法を約75℃から約140℃の範囲内の温度および1平方インチ当たり約14から約150ポンドの範囲内の水素圧で実施する。前記第一級ジアミンがIII)脂肪族第一級ジアミンの場合には、本方法を約20℃から約140℃の範囲内の温度および1平方インチ当たり約14から約150ポンドの範囲内の水素圧で実施する。
【0016】
本発明のさらなる態様は、少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルアミン、少なくとも1種のイソシアネートおよび少なくとも1種の芳香族第二級ジアミンを含んで成る材料から生じさせた配合物である。前記芳香族第二級ジアミンは、この上に新規な組成物として記述した芳香族第二級ジアミンの中の少なくとも1種である。
【0017】
本発明のさらなる態様は、ポリウレタン、ポリ尿素またはポリ尿素−ウレタンの製造方法である。この方法は、少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルアミン、少なくとも1種のイソシアネートおよび少なくとも1種の芳香族第二級ジアミンを混合することを含んで成る。前記芳香族第二級ジアミンは、この上に新規な組成物として記述した芳香族第二級ジアミンの中の少なくとも1種である。
【0018】
以下に行う説明および添付請求の範囲から本発明の前記および他の態様および特徴が更に明らかになるであろう。
【0019】
発明の更に詳細な説明
本発明のいろいろな面を言及する時に本技術分野で通常用いられる特定の用語を用いるかもしれない。第一級アミンとカルボニル化合物の反応の生成物であるイミンは時にはシッフ塩基と呼ばれ、そのようなイミンを本発明の方法の中の少なくともいくつかの方法で生じさせる。そのようなイミンを生じさせる時に用いるカルボニル化合物がケトンの場合、そのようなイミンは時にはケチミンとも呼ばれ、同様に、イミンを生じさせる時に用いるカルボニル化合物がアルデヒドの場合、そのようなイミンは時にはアルジミンとも呼ばれる。第二級アミンを第一級アミンとアルデヒドもしくはケトンから生じさせることは、しばしば、還元アルキル化または還元アミノ化とも呼ばれ、そして用語「還元アルキル化」および「還元アミノ化」を用いて本発明の方法の中のいくつかを記述することができる。
【0020】
本分野の技術者は、本発明の方法で用いる芳香族第一級ジアミンばかりでなく本発明の組成物である芳香族ジイミンおよび芳香族第二級ジアミンを命名する方法はいくつか存在することを認識するであろう。例えば、本発明の方法における特に好適な芳香族第一級ジアミンに相当する構造物
【0021】
【化3】

【0022】
は、2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−フェニレンジアミン、3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトルエンまたは3,5−ジメチル−トルエン−2,4−ジアミンと呼ばれることもあり得る。同様に、本発明の方法における特に好適な別の芳香族第一級ジアミンに相当する構造物
【0023】
【化4】

【0024】
は、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)または3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンと呼ばれることもあり得る。
【0025】
両方のアミノ基が第二級である本発明の方法で生じさせるジアミンを指す時に用語「第二級ジアミン」を本資料の全体に渡って用いるが、本発明の方法ではアミノ基の一方のみが第二級である(もう一方のアミノ基が第一級である)ジアミンが一般に少量ではあるが生じると理解されるべきである、と言うのは、本発明の方法を用いて必ずしも両方のアミノ基が第二級であるジアミン1種または2種以上を100%の収率で生じさせる必要はないからである。本発明の組成物を指す目的で用語「芳香族第二級ジアミン」を用いる場合、それには、一般に、一方のアミノ基が第二級でありそしてもう一方のアミノ基が第一級である芳香族ジアミンは含まれないが、但し、それが芳香族第二級ジアミンに不純物(通常は少量)として存在する場合を除く。
【0026】
本発明の組成物
A. 芳香族ジイミン
本発明の組成物である芳香族ジイミンは、イミノのヒドロカルビリデン基の各々が炭素原子を少なくとも2個有し、そしてそのようなジイミンは、イミノ基をベンゼン環上に2個有していて前記イミノ基が互いに対してメタまたはパラ位に位置しかつイミノ基(−N=R)に対するオルソ位(直接隣接する位置)の各々がヒドロカルビル基を持つ1個のベンゼン環の形態、またはアルキレンブリッジで連結しかつイミノ基を各環上に1個ずつ有していてイミノ基に対するオルソ位(直接隣接する位置)の各々がヒドロカルビル基を持つ2個のベンゼン環の形態のいずれかである。前記ベンゼン環上のヒドロカルビル基は同じまたは異なってもよい。芳香環上の適切なヒドロカルビル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、メチルシクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、シクロオクチル、ノニル、デシル、ドデシル、フェニル、ベンジルなどが含まれる。前記芳香族ジイミンが、アルキレンブリッジで連結しかつイミノ基を各環上に1個ずつ有しかつ前記イミノ基が前記アルキレンブリッジに対して隣接して(オルソ位に)位置する2個のベンゼン環の形態の場合、そのようなアルキレンブリッジは前記イミノ基に対してオルソ位に位置するヒドロカルビル基であると見なす。前記芳香族ジイミンのベンゼン環1個または2個以上が有する好適なヒドロカルビル基(イミノ基に対してオルソ位に位置する)は、炭素原子数が1から約6の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基であり、特に好適なヒドロカルビル基はメチル、エチル、イソプロピル、ブチルおよびこれらの基の中の2種以上の混合物である。ここで、好適なブチル基にはn−ブチル、s−ブチルおよびt−ブチル基が含まれる。環が2個のジイミンのアルキレンブリッジは炭素原子を1から約6個有し、そのようなブリッジは炭素原子を好適には1から約3個有する。より好適には、そのようなアルキレンブリッジは炭素原子を1または2個有し、炭素原子数が1のアルキレンブリッジ、即ちメチレン基が非常に好適である。
【0027】
前記芳香族ジイミンが有するイミノ基のヒドロカルビリデン基は一般に炭素原子を2から約20個有し、そのヒドロカルビリデン基は脂肪族(直鎖、分枝または環式)または芳香族であってもよい。そのイミノのヒドロカルビリデン基は、好適には、炭素原子数が3から約6の直鎖もしくは分枝鎖アルキリデン基である。適切なイミノのヒドロカルビリデン基の例には、エチリデン、プロピリデン、イソプロピリデン、1−シクロプロピルエチリデン、n−ブチリデン、s−ブチリデン、シクロブチリデン、2−エチルブチリデン、3,3−ジメチル−2−ブチリデン、3−ペンチリデン、3−ペンテン−2−イリデン、シクロペンチリデン、2,5−ジメチルシクロペンチリデン、2−シクロペンチリデン、ヘキシリデン、メチルシクロヘキシリデン、メンチリデン、イオニリデン、ホリリデン、
イソホリリデン、ヘプチリデン、2,6−ジメチル−3−ヘプチリデン、シクロオクチリデン、5−ノニリデン、デシリデン、10−ウンデセニリデン、ベンジリデン、2,4−ジメチルベンジリデン、2−フェニルエチリデン、1−フェニルペンチリデン、1−ナフチリデン、2−ナフチリデン、1−ナフチルエチリデンなどが含まれる。特に好適なイミノのヒドロカルビリデン基はイソプロピリデンおよびs−ブチリデンである。
【0028】
イミノ基を1個のベンゼン環上に2個有する芳香族ジイミンは、好適には、互いに対してメタ位に位置するイミノ基を有する。そのような好適なジイミンの場合、そのイミノのヒドロカルビリデン基は、好適には、炭素原子数が3から約6の直鎖もしくは分枝鎖アルキリデン基である。特に、2個のメタイミノ基の間のヒドロカルビル基がメチル基である一方で残りの2個のヒドロカルビル基がエチル基である芳香族ジイミン、および2個のメタイミノ基の間のヒドロカルビル基がエチル基である一方で残りの2個のヒドロカルビル基の中の一方がメチル基でありそしてもう一方がエチル基である芳香族ジイミン、およびこれらの混合物が好適であり、特にイミノのヒドロカルビリデン基がイソプロピリデンまたはs−ブチリデンの時に好適である。
【0029】
イミノ基が2個のベンゼン環の各々に1個ずつ存在していて前記2個のベンゼン環がアルキレンブリッジで連結している好適な芳香族ジイミンでは、両方のイミノ基が前記アルキレンブリッジに対してパラ位に位置する。この種類の特に好適な芳香族ジイミンは、イミノ基に対してオルソ位に位置するヒドロカルビル基の各々がエチル基でありそしてアルキレンブリッジがメチレン基である化合物であり、これは、特に、イミノのヒドロカルビリデン基がイソプロピリデンまたはs−ブチリデンの時に好適である。
【0030】
両方のイミノ基を1個のベンゼン環上に有する本発明のジイミンには、これらに限定するものでないが、N,N’−ジイソプロピリデン−2,4,6−トリエチル−1,3−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ−s−ブチリデン−2,4,6−トリエチル−1,3−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ(2−ペンチリデン)−(2,4,6−トリエチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジイソプロピリデン−(2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ−s−ブチリデン−(2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジイソプロピリデン−(4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ−s−ブチリデン−(4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジシクロブチリデン−(4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジシクロペンチリデン−(2,4−ジイソプロピル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジイソプロピリデン−(2−メチル−4,6−ジ−s−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ(1−シクロプロピルエチリデン)−(2−メチル−4,6−ジ−s−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ(3,3−ジメチル−2−ブチリデン)−(2−エチル−4−イソプロピル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ(2−ブテニリデン)−2,4,5,6−テトラ−n−プロピル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ−s−ブチリデン−2,3,5,6−テトラエチル−1,4−ベンゼンジアミンおよびN,N’−ジ(2−フェニルエチリデン)−2,3,5,6−テトラエチル−1,4−ベンゼンジアミンが含まれる。両方のイミノ基を1個のベンゼン環上に有する特に好適な芳香族ジイミンは、N,N’−ジイソプロピリデン−(2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジイソプロピリデン−(4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)およびこれらの混合物;N,N’−ジ−s−ブチリデン−(2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ−s−ブチリデン−(4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)およびこれらの混合物である。
【0031】
イミノ基が2個のベンゼン環の各々に1個ずつ存在する本発明の芳香族ジイミンの例に
は、N,N’−ジイソプロピリデン−2,2’−メチレンビス(6−n−プロピルベンゼンアミン)、N,N’−ジ−s−ブチリデン−2,2’−メチレンビス(6−n−プロピルベンゼンアミン)、N,N’−ジ−s−ブチリデン−2,2’−メチレンビス(3,6−ジ−n−プロピルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(1−シクロブチルエチリデン)−2,2’−メチレンビス(5,6−ジヘキシルベンゼンアミン)、N,N’−ジイソプロピリデン−3,3’−メチレンビス(2,6−ジ−n−ブチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(2,4−ジメチル−3−ペンチリデン)−3,3’−メチレンビス(2,6−ジ−n−ブチルベンゼンアミン)、N,N’−ジイソプロピリデン−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ−s−ブチリデン−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(ベンジリデン)−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(2−ヘプチリデン)−4,4’−メチレンビス(2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン)、N,N’−ジシクロブチリデン−4,4’−メチレンビス(2−イソプロピル−6−メチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(3−メチル−2−シクロヘキシリデン)−4,4’−メチレンビス(2−メチル−6−t−ブチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ−s−ブチリデン−4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(1−シクロペンチルエチリデン)−4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(1−フェニル−2−ブチリデン)−4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス(2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(2−フェニルエチリデン)−2,2’−メチレンビス(3,4,6−トリペンチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(4−ヘプチリデン)−3,3’−メチレンビス(2,5,6−トリヘキシルベンゼンアミン)、N,N’−ジシクロヘキシリデン−4,4’−メチレンビス(2,3,6−トリメチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(1−シクロブチルエチリデン)−4,4’−メチレンビス(2,3,4,6−テトラメチルベンゼンアミン)などが含まれる。イミノ基が2個のベンゼン環の各々に1個ずつ存在する特に好適な芳香族ジイミンは、N,N’−ジイソプロピリデン−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)およびN,N’−ジ−s−ブチリデン−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)である。
【0032】
B. 芳香族第二級ジアミン
本発明の組成物である芳香族第二級ジアミンは、アミノのヒドロカルビル基の各々が炭素原子を少なくとも2個有する第二級ジアミンであり、そしてそのような第二級ジアミンは、第二級アミノ基をベンゼン環上に2個有していて前記第二級アミノ基が互いに対してメタまたはパラ位に位置しかつ第二級アミノ基(−NHR)に対するオルソ位(直接隣接する位置)の各々がヒドロカルビル基を持つ1個のベンゼン環の形態、またはアルキレンブリッジで連結しかつ第二級アミノ基を各環上に1個ずつ有していて第二級アミノ基に対するオルソ位(直接隣接する位置)の各々がヒドロカルビル基を持つ2個のベンゼン環の形態のいずれかである。前記ベンゼン環上の第二級アミノ基に対してオルソ位に位置するヒドロカルビル基は同じまたは異なってもよい。ベンゼン環上の適切なヒドロカルビル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、メチルシクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、シクロオクチル、ノニル、デシル、ドデシル、フェニル、ベンジルなどが含まれる。前記芳香族第二級ジアミンが、アルキレンブリッジで連結しかつ第二級アミノ基を各環上に1個ずつ有しかつ前記第二級アミノ基が前記アルキレンブリッジに対して隣接して(オルソ位に)位置する2個のベンゼン環の形態の場合、そのようなアルキレンブリッジは前記第二級アミノ基に対してオルソ位に位置するヒドロカルビル基であると見なす。前記芳香族第二級ジアミンのベンゼン環が有する好適なヒドロカルビル基(第二級アミノ基に対してオルソ位に位置する)は、炭素原子数が1から約6の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基であり、特に好適なヒドロカルビル基はメチル、エチル、イソプロピル、ブチルおよびこれらの基の中の2種以上の混合物である。ここで、好適なブチル基にはn−ブチル、s−
ブチルおよびt−ブチル基が含まれる。ベンゼン環が2個の第二級ジアミンのアルキレンブリッジは炭素原子を1から約6個有し、好適には、前記アルキレンブリッジは炭素原子を1から約3個有する。より好適には、前記アルキレンブリッジは炭素原子を1または2個有し、炭素原子数が1のアルキレンブリッジ、即ちメチレン基が非常に好適である。特に好適なアミノのヒドロカルビル基はイソプロピルおよびs−ブチル基である。
【0033】
本資料の全体に渡って、用語「アミノのヒドロカルビル基」は、芳香族第二級ジアミンの窒素原子と結合しているヒドロカルビル基を指し、そのヒドロカルビル基は、芳香族第二級ジアミンが生じるように前記窒素原子が結合しているベンゼン環ではない。
【0034】
前記芳香族第二級ジアミンが有するアミノのヒドロカルビル基は一般に炭素原子を2から約20個有し、そのアミノのヒドロカルビル基は脂肪族(直鎖、分枝または環式)または芳香族であってもよい。そのアミノのヒドロカルビル基は、好適には、炭素原子数が3から約6の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基である。適切なアミノのヒドロカルビル基の例には、エチル、プロピル、イソプロピル、1−シクロプロピルエチル、n−ブチル、s−ブチル、シクロブチル、2−エチルブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、3−ペンチル、3−ペンテン−2−イル、シクロペンチル、2,5−ジメチルシクロペンチル、2−シクロペンテニル、ヘキシル、メチルシクロヘキシル、メンチル、イオニル、ホリル、イソホリル、ヘプチル、2,6−ジメチル−3−ヘプチル、シクロオクチル、5−ノニル、デシル、10−ウンデセニル、ドデシル、ベンジル、2,4−ジメチルベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルペンチル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−ナフチルエチルなどが含まれる。特に好適なアミノのヒドロカルビル基はイソプロピルおよびs−ブチルである。
【0035】
第二級アミノ基を1個のベンゼン環上に2個有する芳香族第二級ジアミンは、好適には、互いに対してメタ位に位置する第二級アミノ基を有する。そのような好適な芳香族第二級ジアミンの場合、そのアミノのヒドロカルビル基は、好適には、炭素原子数が3から約6の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基である。特に、2個のメタ第二級アミノ基の間のヒドロカルビル基がメチル基である一方で残りの2個のヒドロカルビル基がエチル基である芳香族第二級ジアミン、および2個のメタ第二級アミノ基の間のヒドロカルビル基がエチル基である一方で残りの2個のヒドロカルビル基の中の一方がメチル基でありそしてもう一方がエチル基である芳香族第二級ジアミン、およびこれらの混合物が好適であり、特にアミノのヒドロカルビル基がイソプロピルまたはs−ブチル基の時に好適である。
【0036】
第二級アミノ基が2個のベンゼン環の各々に1個ずつ存在していて前記2個のベンゼン環がアルキレンブリッジで連結している好適な芳香族第二級ジアミンでは、両方の第二級アミノ基が前記アルキレンブリッジに対してパラ位に位置する。この種類の特に好適な芳香族第二級ジアミンは、第二級アミノ基に対してオルソ位に位置するヒドロカルビル基の各々がエチル基でありそしてアルキレンブリッジがメチレン基である化合物であり、これは、特に、アミノのヒドロカルビル基がイソプロピルまたはs−ブチル基の時に好適である。
【0037】
両方の第二級アミノ基を1個のベンゼン環上に有する本発明の芳香族第二級ジアミンには、これらに限定するものでないが、N,N’−ジイソプロピル−2,4,6−トリエチル−1,3−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−2,4,6−トリエチル−1,3−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ−2−ペンチル−2,4,6−トリエチル−1,3−ベンゼンジアミン、N,N’−ジイソプロピル−(2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ−s−ブチル−(2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジイソプロピル−(4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ−s−ブチル−(4,6−ジ
エチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ(2−ナフチル)−(4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ(2−シクロペンテニル)−(2,4−ジイソプロピル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジイソプロピル−(2−メチル−4,6−ジ−s−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ−s−ブチル−(2−メチル−4,6−ジ−s−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ(1−シクロプロピルエチル)−(2−メチル−4,6−ジ−s−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ(3,3−ジメチル−2−ブチル)−(2−エチル−4−イソプロピル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジイソプロピル−2,4,5,6−テトラ−n−プロピル−1,3−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ(3−ペンテン−2−イル)−2,4,5,6−テトラ−n−プロピル−1,3−ベンゼンジアミンおよびN,N’−ジ(4−ヘキシル)−2,3,5,6−テトラエチル−1,4−ベンゼンジアミンが含まれる。両方のアミノ基を1個のベンゼン環上に有する特に好適な芳香族ジアミンは、N,N’−ジイソプロピル−(2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジイソプロピル−(4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)およびこれらの混合物;N,N’−ジ−s−ブチル−(2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ−s−ブチル−(4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン)およびこれらの混合物である。
【0038】
第二級アミノ基が2個のベンゼン環の各々に1個ずつ存在する本発明の芳香族第二級ジアミンの例には、N,N’−ジイソプロピル−2,2’−メチレンビス(6−n−プロピルベンゼンアミン)、N,N’−ジ−s−ブチル−2,2’−メチレンビス(3,6−ジ−n−プロピルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(2,4−ジメチルベンジル)−2,2’−メチレンビス(5,6−ジヘキシルベンゼンアミン)、N,N’−ジイソプロピル−3,3’−メチレンビス(2,6−ジ−n−ブチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(2,4−ジメチル−3−ペンチル)−3,3’−メチレンビス(2,6−ジ−n−ブチルベンゼンアミン)、N,N’−ジイソプロピル−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ−s−ブチル−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(2−ヘキシル)−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(1−ナフチルエチル)−4,4’−メチレンビス(2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン)、N,N’−ジシクロブチル−4,4’−メチレンビス(2−イソプロピル−6−メチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(1−ペンテン−3−イル)−4,4’−メチレンビス(2−メチル−6−t−ブチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ−s−ブチル−4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(1−シクロペンチルエチル)−4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(2−エチルブチル)−4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス(2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(10−ウンデセニル)−2,2’−メチレンビス(3,4,6−トリペンチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(4−ヘプチル)−3,3’−メチレンビス(2,5,6−トリヘキシルベンゼンアミン)、N,N’−ジメンチル−4,4’−メチレンビス(2,3,6−トリメチルベンゼンアミン)、N,N’−ジベンジル−4,4’−メチレンビス(2,3,4,6−テトラメチルベンゼンアミン)などが含まれる。アミノ基が2個のベンゼン環の各々に1個ずつ存在する特に好適な芳香族ジアミンは、N,N’−ジイソプロピル−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)およびN,N’−ジ−s−ブチル−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)である。
【0039】
本発明の方法の成分
A. ケトンおよびアルデヒド
本発明の方法では、ヒドロカルビルケトンおよびヒドロカルビルアルデヒドを用いる。
このケトンまたはアルデヒドのヒドロカルビル部分は脂肪(環式、分枝または直鎖)、不飽和、芳香またはアルキル芳香であってもよい。そのヒドロカルビル部分は好適には脂肪、アルキル芳香または芳香である。より好適には、そのアルデヒドまたはケトンのヒドロカルビル部分は脂肪直鎖または分枝脂肪基であり、特に脂肪直鎖が好適である。ケトンに関して、脂肪直鎖に関するそのような好適さは、カルボニル基の両側に位置するヒドロカルビル部分を指す。本発明の実施で用いるケトンおよびアルデヒドは炭素原子を好適には3から約20個有する。炭素原子数が3から約15のケトンおよびアルデヒドがより好適である。特に好適なケトンおよびアルデヒドは、脂肪直鎖または分枝脂肪基であるヒドロカルビル部分を有し、そしてそれの炭素原子数は3から約15である。
【0040】
前記第一級ジアミンに対する前記ケトンもしくはアルデヒドの比率を通常はアミノ基1モル当たり少なくとも約1モルのケトンまたはアルデヒドにする、即ちジアミン1モル当たり少なくとも約2モルのケトンもしくはアルデヒドにする。好適には、前記ケトンまたはアルデヒドを過剰量で用い、より好適には、当該第一級ジアミンを基準にしてケトンもしくはアルデヒドを少なくとも約10%のモル過剰量で用いる。本発明の実施ではケトンまたはアルデヒドを大過剰量にしても受け入れられ、ケトンまたはアルデヒドをこれがまた溶媒としても働くほどの量で存在させてもよく、好適には存在させる。実際、ケトンまたはアルデヒドを大過剰にした方が有益であると考えている、と言うのは、本技術分野で良く知られているように、ジイミンの生成は平衡として挙動することでケトンまたはアルデヒドを過剰量にすると平衡がジイミンの生成に好都合な方向にシフトするに役立つからである。
【0041】
適切なケトンには、アセトン(2−プロパノン)、メチルエチルケトン(2−ブタノン)、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、3−オクタノン、4−オクタノン、3−ノナノン、5−ノナノン、2−ウンデカノン、6−ウンデカノン、ジ−n−ヘキシルケトン、8−ペンタデカノン、9−ヘプタデカノン、10−ノナデカノン、シクロブタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロプロピルメチルケトン[1−(シクロプロピル)エタノン]、シクロブチルメチルケトン、シクロペンチルメチルケトン、シクロヘキシルメチルケトン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン(メチルイソブチルケトン)、2−メチル−シクロペンタノン、3−メチル−シクロペンタノン、5−メチル−2−ヘキサノン、4−メチル−3−ヘプタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノン(メチルt−ブチルケトン)、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2,6−ジメチル−3−ヘプタノン、3,5−ジメチル−4−ヘプタノン、2−メチルシクロヘキサノン、2,5−ジメチルシクロペンタノン、メントン、エチルビニルケトン(1−ペンテン−3−オン)、3−ペンテン−2−オン、2−シクロペンテノン、α−イオノン、β−イオノン、ホロン(2,6−ジメチル−2,5−ヘプタジエン−4−オン)、イソホロン、1,3−ジフェニルアセトン、フェニルアセトン(フェニル−2−プロパノン)、1−フェニル−2−ブタノン、アセトフェノン、イソブチロフェノン、バレロフェノン(1−フェニル−1−ペンタノン)、ヘキサノフェノン、1−アセトナフトンなどが含まれる。好適なケトンにはアセトン、メチルエチルケトン、3,3−ジメチル−2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、4−ヘプタノンおよび5−ノナノンが含まれる。アセトン、メチルエチルケトン、4−ヘプタノン、3,3−ジメチル−2−ブタノンおよび4−メチル−2−ペンタノンが本発明を実施する時の特に好適なケトンである。
【0042】
本発明の実施で使用可能なアルデヒドには、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチロアルデヒド、バレロアルデヒド(ペンタナール)、イソバレロアルデヒド、ヘキサナール、シクロヘキサンカルボキサルデヒド、ヘプトアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、ドデシルアルデヒド、2−エチルブチロアルデヒド、クロトンアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド(1−ウン
デセナール)、シンナムアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、ベンゾアルデヒド、2,4−ジメチルベンゾアルデヒド、トルアルデヒド、メシトアルデヒド、1−ナフトアルデヒドなどが含まれる。好適なアルデヒドにはアセトアルデヒドおよびプロピオンアルデヒドが含まれる。
【0043】
1種類のケトンまたは1種類のアルデヒドのいずれかを用いるのが好適ではあるが、混合物を用いることも可能である。そのような混合物には、2種以上のケトン、2種以上のアルデヒド、または少なくとも1種のケトンと少なくとも1種のアルデヒドが含まれ得る。ケトンおよび/またはアルデヒドの混合物を用いると結果として生成物の混合物がもたらされる可能性がある。
【0044】
そのようなケトンおよび/またはアルデヒドは一般にそれを本発明の方法で用いる時に液状形態である。ある種のケトンおよびアルデヒドでは、温度を高くしそして/または圧力を高くすることでそのようなケトンまたはアルデヒドを液化させる。そのような条件を用いない場合には、そのようなケトンまたはアルデヒドを液状形態にする目的で溶媒を用いてもよい。
【0045】
B. 酸イオン交換樹脂
強酸、例えばHSOなどはしばしば脂肪族ケトンを二量化および/または重合させることが本技術分野で公知である。従って、本発明の1つの特徴は酸イオン交換樹脂を本発明のジイミンを生じさせるための酸触媒として用いることにある。酸イオン交換樹脂は一般にプロトン酸官能基を含有する重合体であり、そのプロトン酸官能基は、少なくとも理論的に、プロトンを供与し得る。酸イオン交換樹脂を用いると、前記ジイミンを生じさせるに必要な酸がもたらされる。酸イオン交換樹脂は一般に固体であることから、前記ケトンの二量化および重合が最小限になる。加うるに、酸イオン交換樹脂は水を系に有意な量で加えず、これが別の利点である、と言うのは、水が特に多量に存在すると平衡がケトンと第一級ジアミンの方向にシフトし得るからである。加うるに、酸イオン交換樹脂に存在する水を除去する目的で前記樹脂を乾燥させることができ、かつ酸イオン交換樹脂は再利用可能である。特に好適な酸イオン交換樹脂は、Amberlyst−15(Rohm
and Haas Company)として販売されているHイオン形態のスルホン化ジビニルベンゼン/スチレン共重合体であり、それのプロトン酸官能基は−SOHである。その酸イオン交換樹脂を用いる本発明の方法では、それを典型的には当該第一級ジアミンを基準にして約1重量%から約10重量%の量で存在させる。好適には、酸イオン交換樹脂を当該第一級ジアミンを基準にして約3重量%から約7重量%用いる。
【0046】
C. 水添剤
本発明の方法ではいろいろな水添剤を用いることができる。どの水添剤が適切であるかは本方法で用いる第一級ジアミンに依存する。使用可能な水添剤の種類には、水素化物移動剤、例えばシアノホウ水素化ナトリウム、ホウ水素化ナトリウム、水素化ナトリウムアルミニウム、水素化リチウムアルミニウムなど、「溶解している金属」反応体、例えばAlとアルコール、Al/Hg、Al/PdとHCl、Naとアルコール、Na/Hg、Mgとアルコール、FeとHCl、ZnとHCl、Zn/CuとHCl、Zn/HgとHCl、Zn/PdとHCl、Zn/Cu/PdとHClなど、ボラン還元剤(BH−ピリジンおよびBH−ジメチルアミンを包含)、および水素と水添用触媒(ここで、水添用触媒は炭素に担持されている硫化白金、炭素に担持されている硫化パラジウムまたはこれらの両方の混合物であってもよい)が含まれる。一般に、そのような水添剤の全部が、前記第一級ジアミンが脂肪族ジアミンであるか或は各第一級アミノ基に対する少なくとも一方のオルソ位が水素原子を置換基として有する芳香族第一級ジアミンである本発明の方法で用いるに適切である(以下を参照)。好適な種類の水添剤は水素と水添用触媒であり、特に好適な水添用触媒は炭素に担持されている硫化白金である。
【0047】
この直ぐ上に記述した水添剤の数種は当該第一級ジアミンが第一級アミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ芳香族第一級ジアミンである時には有効でないと思われる(以下を参照)。特に、水素化物移動剤は、第一級アミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ芳香族第一級ジアミンと非常にゆっくり反応して時にはゲルを生じ、加うるに、炭素に担持されているパラジウムおよび炭素に担持されている白金(硫化されておらずまた強酸を存在させてもいない)を第一級アミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ芳香族第一級ジアミンの場合に用いると、今までのところ、生成物が観察される量でもたらされたことはない。第一級アミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ芳香族第一級ジアミンを用いる方法の場合には硫化水素または強酸、例えば硫酸、塩酸、燐酸などを存在させると炭素に担持されているパラジウムおよび炭素に担持されている白金が有効な水添用触媒になり得る。従って、第一級アミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ芳香族第一級ジアミンの場合の水添剤は、一般に、溶解している金属反応体、または水素と水添用触媒のいずれかであり、ここで、その水添用触媒は炭素に担持されている硫化白金、炭素に担持されている硫化パラジウムまたはこれらの混合物であるか、或はそれを硫化水素または少なくとも1種の強酸と一緒に用いる時には炭素に担持されているパラジウム、炭素に担持されている白金またはこれらの両方の混合物から選択する。本発明を実施する時、炭素に担持されている硫化白金、即ちPt(S)/Cがアミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ芳香族第一級ジアミンに特に有効な水添用触媒であることを確認し、従って、第一級アミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ芳香族第一級ジアミンを用いる方法では、水素と炭素に担持されている硫化白金が特に好適な水添剤である。
【0048】
水添用触媒の適切な量は相対的に低い、即ち当該第一級ジアミンを基準にして約0.5重量%から約10重量%の範囲内の量であってもよい。より適切には、水添用触媒を当該第一級ジアミンを基準にして約0.75重量%から約6重量%の範囲内で用いてもよい。ここに、そのような水添用触媒をより多い量で用いると反応がより迅速に起こることを確認した。従って、第一級ジアミンと触媒の重量比を約20:1から約1:20の範囲にしてもよく、第一級ジアミンと水添用触媒の重量比を約10:1から約1:10の範囲内にするのが好適である。第一級ジアミンと水添用触媒の重量比を約1:1から約1:5の範囲にするのがより好適である。触媒をそのような好適な範囲内の量で用いると第二級ジアミンが相対的に短い反応時間、即ち少なくともある場合には30分以内または実験室の時間スケールでは数分以内に高い収率で生じる。
【0049】
そのような水添用触媒は粉末形態または顆粒形態のいずれであってもよい。顆粒形態の水添用触媒の方が粉末形態よりも容易に溶液から沈降し、かつ顆粒形態を用いた時の方が粉末形態を用いた時に見られる反応速度よりも遅い傾向がある。しかしながら、水添用触媒が顆粒形態の時には副反応が最小限になる。従って、水添用触媒に好適な形態は選択する個々の第一級ジアミンおよびケトンもしくはアルデヒドに伴って変わる可能性がある、と言うのは、ある系では副反応を最小限にする方が重要である一方で他の系では反応速度を速くする方が重要であり得るからである。
【0050】
水添剤、特に酸と一緒に用いる「溶解している金属」反応体および水素と水添用触媒を酸の存在下で用いることを選択する場合、この上で述べたように、強酸はある種のケトンの二量化および/または重合をもたらし得ることを心に留めておくべきである。
【0051】
D. 芳香族第一級ジアミン
本発明の方法で用いるある種の芳香族第一級ジアミンは、各第一級アミノ基に対する少なくとも一方のオルソ位が水素原子を置換基として有するジアミンであり、その芳香族第一級ジアミンは、第一級アミノ基をベンゼン環上に2個有する1個のベンゼン環の形態、
またはアルキレンブリッジで連結しかつ第一級アミノ基を各環上に1個ずつ有する2個のベンゼン環の形態のいずれかである。前記ベンゼン環は、必要ではないが、ヒドロカルビル基をベンゼン環1個または2個以上の上に1個以上持っていてもよい。ヒドロカルビル基がベンゼン環上に存在する場合、それらは同じまたは異なってもよい。両方の第一級アミノ基が1個のベンゼン環上に存在する場合、その第一級アミノ基はベンゼン環上に互いに対して如何なる位置に存在していていてもよいが、好適には、その第一級アミノ基は互いに対してメタまたはパラ位に位置する。その第一級アミノ基がアルキレンブリッジで連結している2個のベンゼン環上に存在する場合、それらは前記環上の如何なる位置に存在していてもよいが、好適には、各第一級アミノ基が前記アルキレンブリッジに対してメタまたはパラ位に位置する。ベンゼン環が2個のジアミンのアルキレンブリッジは炭素原子を1から約6個有し、好適には、そのアルキレンブリッジは炭素原子を1から約3個有する。より好適には、そのアルキレンブリッジは炭素原子を1または2個有し、炭素原子数が1のアルキレンブリッジが非常に好適である。そのヒドロカルビル基がベンゼン環1個または2個以上に存在する場合、それらはこの上に芳香族ジイミンに関して記述した通りである。ヒドロカルビル基がベンゼン環1個または2個以上に1個以上存在する場合、そのヒドロカルビル基の炭素原子数は1から約20であってもよく、好適には、そのヒドロカルビル基の炭素原子数は1から約6である。
【0052】
両方の第一級アミノ基を1個のベンゼン環上に有する適切な芳香族第一級ジアミンには、これらに限定するものでないが、1,2−ベンゼンジアミン、1,3−ベンゼンジアミン、1,4−ベンゼンジアミン、4−エチル−1,2−ベンゼンジアミン、2−イソプロピル−1,3−ベンゼンジアミン、4−t−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン、2−ペンチル−1,4−ベンゼンジアミン、4,5−ジヘキシル−1,2−ベンゼンジアミン、4−メチル−5−ヘプチル−1,3−ベンゼンジアミン、4,6−ジ−n−プロピル−1,3−ベンゼンジアミン、2,5−ジオクチル−1,4−ベンゼンジアミン、2,3−ジエチル−1,4−ベンゼンジアミンおよび4,5,6−トリヘキシル−1,3−ベンゼンジアミンが含まれる。両方の第一級アミノ基を1個のベンゼン環上に有しかつ各第一級アミノ基に対する少なくとも一方のオルソ位が水素原子を置換基として有する好適な芳香族第一級ジアミンには、1,3−ベンゼンジアミンおよび1,4−ベンゼンジアミンが含まれる。
【0053】
第一級アミノ基が2個のベンゼン環の各々に1個ずつ存在する適切な芳香族第一級ジアミンの例には、2,2’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、2,3’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、2,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、3,3’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、3,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス(ベンゼンアミン)、3,4’−(1,3−プロパンジイル)ビス(ベンゼンアミン)、2,2’−メチレンビス(5−t−ブチル−ベンゼンジアミン)、3,3’−メチレンビス(2−メチルベンゼンアミン)、3,3’−メチレンビス(5−ペンチルベンゼンアミン)、3,3’−メチレンビス(6−イソプロピルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(3−s−ブチルベンゼンアミン)、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス(2−メチルベンゼンアミン)、3,3’−メチレンビス(2,4−ジペンチルベンゼンアミン)、3,3’−メチレンビス(5,6−ジイソプロピルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2,3−ジ−s−ブチル−ベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(3,5−ジ−t−ブチルベンゼンアミン)などが含まれる。第一級アミノ基が2個のベンゼン環の各々に1個ずつ存在しかつ各第一級アミノ基に対する少なくとも一方のオルソ位が水素原子を置換基として有する好適な芳香族第一級ジアミンには、4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)および4,4’−メチレンビス(2−メチルベンゼンアミン)が含まれる。
【0054】
E. 好適な芳香族第一級ジアミン
本発明の方法で用いる別の種類の芳香族第一級ジアミン(好適な種類の芳香族第一級ジアミン)は、第一級アミノ基に対する各オルソ位(直接隣接する位置)がヒドロカルビル基を持つ芳香族第一級ジアミンであり、その芳香族第一級ジアミンは、第一級アミノ基をベンゼン環上に2個有していて前記第一級アミノ基が互いに対してメタまたはパラ位に位置する1個のベンゼン環の形態、またはアルキレンブリッジで連結しかつ第一級アミノ基を各環上に1個ずつ有する2個のベンゼン環の形態のいずれかである。前記ベンゼン環上のヒドロカルビル基(前記アミノ基に隣接して位置する)が有する炭素原子の数は一般に約20以下であり、そのヒドロカルビル基は同じまたは異なってもよい。ベンゼン環が2個の第一級ジアミンのアルキレンブリッジは炭素原子を1から約6個有し、前記ブリッジは炭素原子を好適には1から約3個有する。より好適には、前記アルキレンブリッジは炭素原子を1または2個有し、メチレン基が前記アルキレンブリッジとして特に好適である。ベンゼン環1個または2個以上に存在させる特に好適なヒドロカルビル基はメチル、エチル、イソプロピル、ブチルおよびこれらの基の中の2種以上の混合物である。ここで、ブチル基にはn−ブチル、s−ブチルおよびt−ブチル基が含まれる。
【0055】
第一級アミノ基が1個のベンゼン環上に2個存在するより好適な芳香族第一級ジアミンは、その第一級アミノ基を互いに対してメタ位に有する。そのようなより好適な芳香族第一級ジアミンでは、そのアミノのヒドロカルビル基は好適には炭素原子数が1から約6の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基である。非常に好適なヒドロカルビル基はメチル、エチル、イソプロピル、ブチルおよびこれらの基の中の2種以上の混合物であり、好適なブチル基にはn−ブチル、s−ブチルおよびt−ブチル基が含まれる。2個のメタ第一級アミノ基の間のヒドロカルビル基がメチル基である一方で残りの2個のヒドロカルビル基がエチル基である芳香族第一級ジアミン、および2個のメタ第一級アミノ基の間のヒドロカルビル基がエチル基である一方で残りの2個のヒドロカルビル基の中の一方がメチル基でありそしてもう一方がエチル基である芳香族第一級ジアミン、およびこれらの混合物が特に好適である。より好適な芳香族第一級ジアミンは、また、第一級アミノ基が2個のベンゼン環の各々に1個ずつ存在していて前記2個のベンゼン環がアルキレンブリッジで連結しかつ両方の第一級アミノ基が前記アルキレンブリッジに対してパラ位に位置する芳香族第一級ジアミンである。この種類の特に好適な芳香族第一級ジアミンは、第一級アミノ基に対してオルソ位に位置する各ヒドロカルビル基がエチル基でありかつアルキレンブリッジがメチレン基である化合物である。より好適な芳香族第一級ジアミンの例には、3,6−ジ−n−ブチル−1,2−ベンゼンジアミン、2,4,6−トリエチル−1,3−ベンゼンジアミン、2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、2,4−ジイソプロピル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、2−メチル−4,6−ジ−s−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン、2−エチル−4−イソプロピル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン、2,3,5−トリ−n−プロピル−1,4−ベンゼンジアミン、2,3−ジエチル−5−s−ブチル−1,4−ベンゼンジアミン、3,4−ジメチル−5,6−ジヘプチル−1,2−ベンゼンジアミン、2,4,5,6−テトラ−n−プロピル−1,3−ベンゼンジアミン、2,3,5,6−テトラエチル−1,4−ベンゼンジアミン、2,2’−メチレンビス(6−n−プロピルベンゼンアミン)、2,2’−メチレンビス(3,6−ジ−n−プロピルベンゼンアミン)、3,3’−メチレンビス(2,6−ジ−n−ブチルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2−イソプロピル−6−メチルベンゼンアミン)、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス(2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン)、2,2’−メチレンビス(3,4,6−トリペンチルベンゼンアミン)、3,3’−メチレンビス(2,5,6−トヘキシルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2,3,6−トリメチルベンゼンアミン)、4,4’−メチレ
ンビス(2,3,4,6−テトラメチルベンゼンアミン)などが含まれる。そのようなより好適な種類の芳香族第一級ジアミンの中で特に4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジイソプロピルベンゼンアミン)、および2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミンと4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン(DETDA)の混合物が好適である。本資料全体に渡って、用語「より好適な芳香族第一級ジアミン」を用いる場合、これはこのパラグラフに記述した種類の芳香族第一級ジアミンを指すことを意味する。より好適な芳香族第一級ジアミンを本発明の方法で用いると本発明の組成物がもたらされる。
【0056】
F. 脂肪族第一級ジアミン
本発明の方法で用いる脂肪族第一級ジアミンは、ジアミンのヒドロカルビル部分が脂肪族であるヒドロカルビル第一級ジアミンである。その脂肪族ジアミンのヒドロカルビル部分は環式、分枝または直鎖であってもよい。そのような脂肪族第一級ジアミンは炭素原子を好適には約2から約20個有し、より好適には、前記脂肪族第一級ジアミンは炭素原子を約4から約10個有する。特に好適な脂肪族ジアミンは環式もしくは直鎖ヒドロカルビル部分を有していて炭素原子数は約4から約10である。適切な脂肪族第一級ジアミンには、これらに限定するものでないが、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミンシクロヘキサン、1,4−ジアミンシクロヘキサン、2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−シクロヘキサンジアミン、4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、イソホロンジアミン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)−メタン、1,8−ジアミノ−p−メンタン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカンおよび3(4),8(9)−ビス−(アミノメチル)−トリシクロ[5.2.1.0(2,6)]デカン(TCDジアミン;またオクタヒドロ−4,7−メタノインデン−1(2),5(6)−ジメタンアミンまたはオクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンジメチル−アミンとも呼ばれる)が含まれる。好適な脂肪族第一級ジアミンには、イソホロンジアミン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタンおよびTCDジアミンが含まれる。本発明の方法における特に好適な組み合わせは、イソホロンジアミンと5−ノナノンの使用、イソホロンジアミンと4−ヘプタノンの使用、イソホロンジアミンとシクロヘキサノンの使用、イソホロンジアミンと4−メチル−2−ペンタノンの使用、イソホロンジアミンと3,3−ジメチル−2−ブタノンの使用、1,6−ジアミノヘキサンと3,3−ジメチル−2−ブタノンの使用、およびTCDジアミンと3,3−ジメチル−2−ブタノンの使用である。
【0057】
G. 溶媒
前記ケトンまたはアルデヒドが本発明の方法で溶媒として働くほどの大過剰量でケトンまたはアルデヒドを用いるのがしばしば好適であるが、しかしながら、1種以上の溶媒を本発明の工程中に存在させてもよい。酸イオン交換樹脂を存在させる方法では、一般に、溶媒を含める必要はないと考えている。酸イオン交換樹脂を存在させる時の本方法で使用可能な溶媒には、これらに限定するものでないが、液状の芳香族炭化水素、液状の脂肪族炭化水素、液状のハロゲン置換脂肪族炭化水素、エーテル、エステル、アルコール、および2種以上の溶媒の混合物が含まれる。水添剤を存在させる方法では、溶媒を存在させる必要はないが、溶媒を含めることを推奨し、かつその方が好適である。本方法を溶媒の存在無しに実施して必要な生成物を生じさせると、その結果としてもたらされる混合物はしばしば非常に濃密であり、粘性のある混合物はしばしばさらなる処理が困難である。溶媒を選択する時の重要な考慮は、それが選択した水添剤の機能を妨害しない点にあり、例え
ば、選択する溶媒は当該水添用触媒の能力を低下させるべきではない。水添剤を存在させる時に使用可能な溶媒の種類には、これらに限定するものでないが、液状の芳香族炭化水素、液状の脂肪族炭化水素、液状のハロゲン置換脂肪族炭化水素、エーテル、エステル、アルコール、および2種以上の溶媒の混合物が含まれる。酸イオン交換樹脂と水添剤の両方を同じ工程で存在させる場合、その両方に適合し得る溶媒を選択する。
【0058】
適切な液状炭化水素には、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クメン、シメン、ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロオクタン、ノナンなどが含まれる。使用可能な液状のハロゲン置換脂肪族炭化水素の例には、ジクロロメタン、トリクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1−ブロモ−2−クロロエタン、(クロロメチル)シクロプロパン、1−ブロモブタン、塩化シクロブチル、塩化ネオペンチル、1−ブロモ−5−クロロペンタン、臭化シクロペンチル、1,6−ジブロモヘキサン、トランス−1,2−ジクロロシクロヘキサン、1−クロロヘプタン、1,8−ジクロロオクタンなどが含まれる。本発明で用いるに適したエーテルには、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ブチルエチルエーテル、シクロヘキシルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、グライム(エチレングリコールのジメチルエーテル)、2−メトキシエチルエーテル(ジグライム)などが含まれる。使用可能なエステルの例には、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル、酢酸n−アミル、酢酸イソアミル、酢酸ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチルなどが含まれる。本発明の実施で使用可能なアルコールには、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、1−メチル−1−プロパノール、シクロプロピルメタノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シス−2−メチルシクロヘキサノールなどが含まれる。水添剤を存在させる時の好適な溶媒には、ジクロロメタン、酢酸エチルおよびトルエンが含まれる。
【0059】
H.水除去剤
以下に記述するように、本発明の方法では水を多量に存在させることは一般に望ましくない。理論で範囲を限定することを望むものでないが、水が多量に存在していると当該ジイミンが加水分解を起こすと考えている。しかしながら、ここに、本発明の方法では水が存在していても以前に考えられていたほど有害ではない可能性があるか、或は少なくとも、水素と水添用触媒を用いる本発明の方法、特に反応生成物混合物中に2相(例えば水相と有機相)が生じ得る時には有害でない可能性があることを確認した。
【0060】
反応混合物に存在する水の量を最小限にする1つの方法は、水除去剤を用いる方法である。水が工程中に生じる時には水を除去する目的で水除去剤を反応混合物に含めてもよい。それが必要なのは、その水除去剤が反応にも反応生成物にも悪影響を与えない時のみである。適切な水除去剤には、モレキュラーシーブ、シリカゲル、塩化カルシウムなどが含まれる。本発明の実施ではモレキュラーシーブが好適な水除去剤である。
【0061】
水除去剤の使用に対する代替法は溶媒を含める方法であるか、或はケトンまたはアルデヒドをこれが水を有効に希釈する溶媒として働くに充分な過剰量で用いることを推奨し、その方が好適である。溶媒を用いる場合、水が工程中に生じた時に水と一緒に共沸し得ることで水を除去し得る溶媒の使用が好適な操作様式である。水を除去する特に好適な溶媒はヘキサンおよびトルエンである。溶媒を用いた時の別の好適な操作様式は、水を反応が起こる相とは別の相の中に入り込ませる溶媒の使用であり、そのような操作様式に好適な溶媒にはトルエンおよびジクロロメタンが含まれる。溶媒を含めるか或はケトンまたはアルデヒドをこれが溶媒として働くに充分なほど過剰量で含めることと水除去剤を用いることの両方によって水の量が最小限になり得る。特に好適な操作様式は、ケトンまたはアル
デヒドをこれが水を希釈するに充分なほどの過剰量で用いる様式である。
【0062】
本発明の方法
芳香族第一級ジアミンを用いる場合、通常は、本発明の方法で生じさせる芳香族ジイミンおよび/または芳香族第二級ジアミンが有する芳香環上のヒドロカルビル基および前記環1個または2個以上が有するアミノ基の場所は、本方法で用いる芳香族第一級ジアミンが有するヒドロカルビル基およびアミノ基の場所に相当する。
【0063】
ジイミン生成中に水が生じるが、本発明の方法では、多量の水は一般に望ましくない、と言うのは、そのような水は平衡をケトンもしくはアルデヒドと第一級ジアミンの方向にシフトさせるからである。理論で範囲を限定するものでないが、第二級ジアミンを第一級ジアミンから生じさせる本発明の方法では、ジイミンが中間体として生じると考えており、従って、多量の水はそのような方法にとって通常は望ましくない。しかしながら、本発明の方法では水が存在していてもあまり有害ではなく、特に水が少量の時には有害ではない。従って、水と一緒に共沸することで工程中に水が生じた時にそれを除去し得る溶媒の使用が好適な操作様式である。水を除去する特に好適な溶媒はヘキサンおよびトルエンである。別の好適な操作様式は、水を反応が起こる相とは別の相の中に入り込ませる溶媒の使用であり、そのような操作様式に好適な溶媒にはトルエンおよびジクロロメタンが含まれる。水添中に溶媒を存在させる必要はないが、溶媒を含めるか或はケトンまたはアルデヒドをこれが溶媒として働くに充分なほど過剰量で含めることを推奨し、その方が好適である、と言うのは、この上に溶媒の考察で記述したように、生成物の混合物が粘性のある性質を有するからである。
【0064】
本発明の方法では、一般に、酸素の存在は有害ではない。1種以上の不活性ガス、例えば窒素、ヘリウムまたはアルゴンなどで構成させた不活性雰囲気を存在させるのがしばしば好適であり、特に水素ガスを必要としない水添中に好適である。水添剤が水素と水添用触媒の時には水素のブランケット下で操作を行うのが好適である。
【0065】
A. 酸イオン交換樹脂を用いてジイミンを生じさせる方法
ジイミン(本発明の組成物である芳香族ジイミンを包含)の調製は、ケトンもしくはアルデヒドと第一級ジアミンを酸イオン交換樹脂の存在下で一緒に混合することを通して実施可能である。当該ジイミンを生じさせる目的で反応ゾーンに前記ケトン、酸イオン交換樹脂、第一級ジアミンおよび任意の溶媒を添加する順はあまり重要ではない。好適には、当該第一級ジアミンとケトンを当該酸イオン交換樹脂および溶媒(用いる場合)を添加する前に一緒に混合しておく。一般的には、ジイミンを第一級ジアミンから酸イオン交換樹脂の存在下で生じさせている間の温度を約35℃からほぼ還流温度の範囲に維持し、好適には、その温度を当該混合物がほぼ還流温度になるような温度にする。実験室規模の反応時間は約4時間から約60時間の桁である。
【0066】
本方法で生じさせたジイミンの少なくとも一部に水添を受けさせることで第二級ジアミンを生じさせる。水添を実施する前に当該ジイミンをこれを生じさせる時に用いた反応媒体から単離してもよいが、しかしながら、当該ジイミンをこれを生じさせる時に用いた反応媒体から単離することなく続けて水添を実施してもよい。
【0067】
第二級ジアミンの調製は、適切な水添剤と当該ジイミンを一緒に混合することを通して実施可能である。そのジイミンに水添を受けさせる時、水を排除する必要はない。ジイミンに水添を受けさせて第二級ジアミンを生じさせる時の温度を通常は約20℃から約130℃の範囲内にし、好適には温度を約20℃から約60℃の範囲内にする。実験室規模の反応時間は典型的に約4時間から約20時間である。水素と水添用触媒を用いる場合、その水素ガスの圧力を好適には1平方インチ当たり約14ポンド(psi)から約300p
si(9.65x10から2.07x10Pa)の範囲、より好適には、その圧力を約50psiから約150psi(3.45x10から1.03x10Pa)の範囲にする。
【0068】
第二級ジアミンをジイミンから生じさせる特に好適な方法は、ジイミン、水添用触媒(特に炭素に担持されている硫化白金)および溶媒を反応槽に入れた後に前記反応槽を水素ガス圧下で密封する方法である。次に、その反応槽を必要に応じて反応混合物を撹拌しながら加熱する。
【0069】
B. 酸イオン交換樹脂と水添剤を一緒に用いて第二級ジアミンを生じさせる方法
ケトンもしくはアルデヒドと第一級ジアミンと酸イオン交換樹脂と水添剤を同じ反応ゾーン内で一緒に混合することによる1段階で第二級ジアミンを生じさせることも可能である。そのように第二級ジアミンを第一級ジアミンから1段階で生じさせている間の温度を通常は約20℃から約140℃の範囲内に維持し、好適には温度を約50℃から約130℃の範囲内にする。より好適には温度を約80℃から約130℃の範囲内にする。水素と水添用触媒を用いる場合、その水素ガスの圧力を好適には約14psiから約300psi(9.65x10から2.07x10Pa)の範囲、より好適には、その圧力を約50psiから約150psi(3.45x10から1.03x10Pa)の範囲にする。実験室規模の反応時間は約2時間から約8時間の桁である。プラント規模の場合の反応時間は約7時間から約24時間の桁である。
【0070】
C. 水素と水添用触媒を用いて第二級ジアミンを生じさせる方法
第二級ジアミンを1段階で生じさせる別の方法は、少なくとも1種のケトンもしくはアルデヒド、水素、水添用触媒(これは炭素に担持されている硫化白金、炭素に担持されている硫化パラジウムまたはこれらの混合物である)と少なくとも1種の第一級ジアミンを一緒に混合することによる方法である。この方法に適した圧力および温度条件は、この方法で用いる第一級ジアミンの性質に伴って変わる。本技術分野で良く知られているように、脂肪族第一級ジアミンの方が一般に芳香族第一級ジアミンよりも容易に反応し、従って、脂肪族ジアミンを用いた時の方が穏やかな条件を用いることができるが、置換基をアミノ基の非常に近くに有するある種の脂肪族第一級ジアミンの場合にはより促進させる条件を必要とし得る。同様に、各アミノ基に対する少なくとも一方のオルソ位が水素原子を置換基として有する芳香族第一級ジアミンの方がアミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ芳香族第一級ジアミンよりも高い反応性を示すことで、アミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ芳香族第一級ジアミンの場合にはより促進させる条件が典型的に必要である。本発明を実施する時にそのような方法でもたらされたのは今までのところ第二級ジアミンであり、第三級ジアミンの生成は確認していない。
【0071】
当該第一級ジアミンが各アミノ基に対する少なくとも一方のオルソ位が水素原子を置換基として有する芳香族第一級ジアミンの場合、本方法を約20℃から約120℃の範囲の温度および1平方インチ当たり約14から約125ポンド(9.65x10から8.62x10Pa)の範囲内の圧力で実施する。その温度を好適には約20℃から約80℃の範囲内にしそして圧力を好適には1平方インチ当たり約50から約125ポンド(3.45x10から8.62x10Pa)の範囲内にする。
【0072】
当該第一級ジアミンがアミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ芳香族第一級ジアミン(即ち、この第一級ジアミンがより好適な芳香族第一級ジアミンである)の場合、本方法を約22℃から約140℃の範囲の温度および1平方インチ当たり約14から約150ポンド(9.65x10から1.03x10Pa)の範囲内の圧力で実施する。その温度を好適には約50℃から約130℃の範囲内にしそして圧力を好適には1平方インチ当たり約50から約125ポンド(3.45x10から8.62x10
Pa)の範囲内にする。温度を前記範囲の上限の方向にするのが好適である、と言うのは、その方が反応速度が一般に速いからである。より詳細には、本方法で前記範囲の下限の温度、例えば約22℃から約50℃の範囲内の温度を用いると、一置換芳香族ジアミンと二置換芳香族ジアミンの混合物がもたらされる傾向がある。温度を高くする、例えば温度を約50℃から約130℃の範囲内にすると、生じる二置換芳香族ジアミンの量が多くなる。ここで、用語「一置換芳香族ジアミン」は、一方のアミノ基が第二級であり(即ち置換され)そしてもう一方のアミノ基が第一級アミノ基のままである芳香族ジアミンを指す。同様に、用語「二置換芳香族ジアミン」は、両方のアミノ基が第二級アミノ基である芳香族ジアミンを指す。
【0073】
当該第一級ジアミンが脂肪族第一級ジアミンの場合、本方法を約20℃から約140℃の範囲内の温度および1平方インチ当たり約14から約150ポンド(9.65x10から1.03x10Pa)の範囲内の圧力で実施する。その温度を好適には約20℃から約80℃の範囲内にしそして圧力を好適には1平方インチ当たり約50から約125ポンド(3.45x10から8.62x10Pa)の範囲内にする。
【0074】
第二級ジアミンを生じさせる特に好適な方法は、当該第一級ジアミンと水添用触媒と溶媒を反応槽の中に入れた後に前記反応槽を水素ガス圧力下で密封する方法である。次に、必要に応じて反応混合物を撹拌しながら前記反応槽を加熱する。実験室規模の反応時間は典型的に約5時間から約20時間である。
【0075】
第二級ジアミンを生じさせる別の特に好適な方法では、水添用触媒を存在させておいた反応ゾーンの中に(i)少なくとも1種のケトンまたはアルデヒドおよび少なくとも1種の第一級ジアミン(これらを個別および/またはいずれかの組み合わせ1種または2種以上で供給する)と(ii)水素を同時に供給する。第二級ジアミンが生じるように前記温度および水素圧を前記同時供給を実施している時間の全部または実質的に全部に渡って連続的または実質的に連続的に維持する。この方法はバッチ様式、半バッチ様式または好適には連続様式で実施可能である。通常および好適には、当該第一級ジアミンとケトンもしくはアルデヒドと水素を含有させた供給材料の供給を開始する前に、水添用触媒を反応ゾーンの中に仕込んでおく。水素の供給を開始する前にケトンもしくはアルデヒドと第一級ジアミンの供給を開始させることも可能ではあるが、水素の供給を当該ケトンもしくはアルデヒドおよび第一級ジアミンの供給を開始する時と同じ時または実質的に同じ時に開始することを推奨し、その方が好適である、と言うのは、それによって不純物の生成が最小限になることを観察したからである。適切な比率の供給材料の供給を同時に開始すると、生成物の生成が通常は数分以内に始まる。バッチ操作の場合、典型的には、供給を当該反応槽1基または2基以上が所望レベルにまで満たされるまで継続する。通常は、その時点で供給を止めて、生じた第二級ジアミンを反応混合物から分離、典型的には蒸留または再結晶化で分離する。
【0076】
当該第一級ジアミンとケトンもしくはアルデヒドと水素と水添用触媒が接触する場所に反応ゾーンが生じる。通常および好適には、当該水添用触媒を意図した反応ゾーンの中に入れた後、その水添用触媒の場所に当該第一級ジアミン、ケトンもしくはアルデヒドおよび水素を供給する。好適には、当該第一級ジアミンとケトンもしくはアルデヒドと水素を同時に少なくとも1基の反応槽で構成させた反応ゾーンの中に供給し、その中で、前記第一級ジアミンとケトンもしくはアルデヒドと水素の全部が当該水添用触媒の存在下で初めて一緒になるようにする。その反応ゾーンは通常の反応槽、混合用槽、パイプなどであってもよい。適切な反応槽の例には、充填床反応槽およびトリクルベッド反応槽が含まれる。特に好適な連続操作における反応ゾーンは、反応が中で起こるに充分な長さおよび体積を有する管状反応槽である。
【0077】
第二級ジアミンが生じるように必要な温度および水素圧を前記同時供給を実施している時間の全部または実質的に全部に渡って連続的または実質的に連続的に維持する。水素の供給を、水素の供給を開始した後に反応ゾーン内の必要な水素圧が連続または実質的に連続的に維持されるように実施する。その反応ゾーンから出て来る反応混合物にさらなる段階、例えば第二級ジアミン生成物の少なくとも一部を反応混合物から分離することなどの処理を受けさせてもよい。その反応混合物を必要ならば反応ゾーンに再循環させてもよく、好適には、その生成物の少なくとも一部を反応混合物から取り出した後にそのような再循環を実施する。本第二級ジアミンが生成する速度は一般に速いことから、通常は、実施時間を長くする必要はない。水添用触媒は長期間使用後に不活性になる可能性があり、そのように不活性になった触媒を再び活性化させて再使用してもよく、好適にはそれを実施する。
【0078】
そのような同時供給は好適には連続供給である。また、そのような供給を少なくとも共供給、即ち少なくとも2つの供給を利用、即ち(i)当該第一級ジアミンとケトンもしくはアルデヒドの混合物および(ii)水素の共供給を用いるのも好適である。しかしながら、3供給方法を実施するのが非常に好適であり、この場合の供給材料は、(i)第一級ジアミンまたは第一級ジアミンとケトンもしくはアルデヒドの混合物、(ii)水素および(iii)ケトンまたはアルデヒドである。また、他の多供給方法を実施することも本発明の範囲内である。例えば、追加的供給1種または2種以上、例えばケトンまたはアルデヒドの追加的供給を行ってもよいが、そのような操作は特に有利ではない。あらゆるケースで、供給材料の比率を当該ケトンもしくはアルデヒドが反応ゾーン内に当該第一級アミンよりも過剰量で存在するような比率にする。より好適には、ケトンもしくはアルデヒドをこれが本方法用の溶媒として働くに充分な量で存在させる。溶媒を単独で供給するか或は当該第一級アミンおよび/またはケトンもしくはアルデヒドまたは両方と一緒に供給してもよく、それも本発明の範囲内である。しかしながら、当該ケトンもしくはアルデヒドを本方法用の溶媒として用いるのが好適である。
【0079】
操作を連続様式で実施しかつ連続供給を開始した時点で、定常状態の操作に必要な操作条件を確立しかつ維持する目的で操作を微調整する時に供給を調整してもよい。そのような操作は典型的に事故がない限り休止前、例えばプラント保守の目的で休止する前に長期間に渡って実施可能である。本方法における休止が更に最小限になるように1組が2つ以上の反応ゾーンを用いることで一方の反応ゾーン内の水添用触媒がもはや活性を示さなくなった時点で第一級ジアミン、ケトンもしくはアルデヒドおよび水素の供給を活性のある水添用触媒を入れておいた別の反応ゾーンに切り替えてもよい。このように、連続方法で定常状態の条件を達成した時点で、個別の供給材料を適切な比率で連続ベースで供給しそして反応ゾーンを実質的に無限の時間に渡って適切な反応条件下に維持することができる。通常および好適には、それと同時に、その反応混合物の一部を反応ゾーンから連続的に取り出す。
【0080】
用語「同時」を用いる場合、これは供給中に起こり得る些細な中断を排除するものでない。その用語は供給を正確に同じ瞬間に開始する必要があることを意味するものでもない。共供給方法の場合、2つの供給を開始と開始の間にある時間的間隔を置いて開始させてもよい(そのような間隔がそれによって本方法全体に実質的な悪影響が生じないほど短い限り)。3供給もしくは多供給操作の場合にも、同様に、個々の供給の間に1つまたは2つの異なる時間的間隔を存在させてもよい(再び、そのような時間的間隔がそれによって本方法全体に実質的な悪影響が生じないほど短い時間であることを条件として)。
【0081】
本方法の重要な特徴は、この上に示した個別の供給材料を同時に供給する点にある。再び、用語「同時」は供給を正確に同じ時に開始する必要があることを意味するものでも供給を正確に同じ時間で止める必要があることを意味するものもでないことを主張する。む
しろ、この用語を、その示した供給を反応時間の実質的に全体に渡って維持する意味で用いる。また、そのような同時供給は好適には連続的同時供給であるが、供給中の若干の中断は受け入れられることも理解されるべきである(そのような中断の持続期間がそれによって反応に実質的な中断を引き起こさないほど短いことを条件として)。従って、用語「同時」および「連続」を本明細書で用いる場合、これはこの直ぐ上で言及した若干の逸脱を包含すると理解されるべきである。本分野の技術者は、当然、同時供給を同時ではない度合ができるだけ小さくなるように利用する努力をするであろう。同様に、本分野の技術者は、勿論、操作を実施している所定環境下で中断の回数ができるだけ少なくなるように同時供給を維持することを求めるであろう。
【0082】
本方法をバッチ様式でか、半バッチ様式でか或は連続様式で実施するかに拘わらず、好適には、供給、反応および指定温度および水素圧の維持の如き事項が反応中に「連続的に」起こるように実施する。しかしながら、そのような事項の中の1つ以上に関して不連続的中断が起こり得ないと言った印象を与えるべきではないほどそれを強力に主張することはできない。本方法の実施に実質的な影響を与えない中断を本発明の範囲から排除するものでない。超技術的な法律尊重主義の言語解釈に対する保護手段として、本発明を記述する時に「実質的に連続」の如き用語を用いるのが賢明であると思われた。しかしながら、そのような用語を用いたとしても、本分野の通常の技術者が本開示全体を先入観無しに完全に読んだ後にそのように読むことによって得た本発明の精神に沿って本方法を実施するであろうように本方法を実施すべきである。
【0083】
本発明の方法による処理および回収
本発明の方法で生じさせるジイミンは一般に液体である。本ジイミンを必要ならば単離してもよい。本ジイミンの少なくとも一部を反応混合物の他の成分から分離する目的で本技術分野で良く知られている液体分離方法を用いてもよい。そのような方法には、例えばクロマトグラフィーおよび蒸留が含まれる。勿論、本ジイミンを反応混合物から単離する必要はなく、その代わりに、本ジイミンを更に反応させることで例えば第二級ジアミンなどを生じさせてもよい。本発明の方法で生じさせる第二級ジアミンは一般に液体であり、この直ぐ上にジイミンに関して示したようにして単離してもよいか、或は単離しない形態で用いることも可能である。本第二級ジアミンの場合には蒸留が好適な分離方法である。生じさせたジイミンまたは第二級ジアミンが固体の場合、標準的な固体−液体分離方法、例えば遠心分離、濾過または再結晶化などを用いて本生成物の少なくとも一部を反応混合物の液状部分から分離してもよい。
【0084】
過剰分のケトンもしくはアルデヒドを回収して再利用するのが一般に経済的であり、特にケトンまたはアルデヒドをこれが反応混合物用の溶媒として働くに充分なほど過剰量で用いた時に経済的である。そのケトンまたはアルデヒドを反応混合物から分離する時、これは蒸留でいくらか生じる共沸物の水性部分を分離するか或は水層を傾斜法で除去した後にケトンまたはアルデヒド層を蒸留することで実施可能である。生成物であるジイミンまたは第二級ジアミンの少なくとも一部を反応混合物から取り出した後、未反応の出発材料を反応槽に再循環させることで供給原料の一部にしてもよい。
【0085】
本発明の方法の生成物
本発明のより好適な芳香族第一級ジアミン(即ち、第一級アミノ基をベンゼン環上に2個有していて前記アミノ基が互いに対してメタまたはパラ位に位置しかつ第一級アミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ1個のベンゼン環の形態、またはアルキレンブリッジで連結しかつ第一級アミノ基を各環上に1個ずつ有していて第一級アミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ2個のベンゼン環の形態のいずれかである芳香族第一級ジアミン)を用いると、この上に本発明の組成物として挙げた芳香族ジイミンまたは芳香族第二級ジアミンに相当する芳香族ジイミンまたは芳香族第二級ジア
ミンが生じる。
【0086】
A. 芳香族ジイミン
本発明の方法で生じさせることができる本発明の組成物ではない芳香族ジイミンには、これらに限定するものでないが、N,N’−ジイソプロピリデン−1,2−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ−s−ブチリデン−1,3−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ(3−ヘキシリデン)−1,4−ベンゼンジアミン、N,N’−ジシクロペンチリデン−4−エチル−1,2−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ−s−ブチリデン−(4−t−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ(1−シクロプロピルエチリデン)−2−ペンチル−1,4−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ(ウンデシリデン)−(4−メチル−5−ヘプチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ(2−シクロペンテニリデン)−4,6−ジ−n−プロピル−1,3−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ−s−ブチリデン−2,3−ジエチル−1,4−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ(2−ブテニリデン)−4,5,6−トリヘキシル−1,3−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ(2,5−ジメチルシクロペンチリデン)−2,2’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、N,N’−ジメチリデン−2,3’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、N,N’−ジイソピリデン−2,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、N,N’−ジ−s−ブチリデン−3,3’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、N,N’−ジ(3−メチル−2−シクロヘキシリデン)−3,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、N,N’−ジ(3,3−ジメチル−2−ブチリデン)−4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、N,N’−ジ(3−ペンチリデン)−4,4’−(1,2−エタンジイル)ビスベンゼンアミン、N,N’−ジ(ウンデシリデン)−3,4’−(1,3−プロパンジイル)ビス(ベンゼンアミン)、N,N’−ジ(2,4−ジメチル−3−ペンチリデン)−2,2’−メチレンビス(5−t−ブチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(ホリリデン)−3,3’−メチレンビス(5−ペンチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(3−メチルブチリデン)−3,3’−メチレンビス(6−イソプロピルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(2−ヘプチリデン)−4,4’−メチレンビス(2−メチルベンゼンアミン)、N,N’−ジメチリデン−4,4’−メチレンビス(3−s−ブチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(1−シクロペンチルエチリデン)−4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス(2−メチルベンゼンアミン)およびN,N’−ジ(1−ペンテン−3−イリデン)−4,4’−メチレンビス(2,3−ジ−s−ブチルベンゼンアミン)が含まれる。
【0087】
B. 芳香族第二級ジアミン
本発明の方法で生じさせることができる本発明の組成物ではない芳香族第二級ジアミンには、これらに限定するものでないが、N,N’−ジイソプロピル−1,2−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ(2−ブテニル)−1,4−ベンゼンジアミン、N,N’−ジシクロペンチル−(4−エチル−1,2−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ−s−ブチル−(4−t−ブチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ(1−シクロプロピルエチル)−2−ペンチル−1,4−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ(4−ヘキシル)−(4−メチル−5−ヘプチル−1,3−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジシクロペンチル−4,6−ジ−n−プロピル−1,3−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−(2,3−ジエチル−1,4−ベンゼンジアミン)、N,N’−ジ(1−ペンテン−3−イル)−4,5,6−トリヘキシル−1,3−ベンゼンジアミン、N,N’−ジ(3−ヘキシル)−2,2’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、N,N’−ジ(2−シクロペンテニル)−2,3’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、N,N’−ジイソピル−2,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、N,N’−ジ−s−ブチル−3,3’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、N,N’−ジ(3−メチル−2−シクロヘキセニル)−3,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、N,N’−ジ(3,3−ジメチル−2−ブチル)−4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、N,N’−ジ(10−ウンデセニル)−4,4’−(1,2−エタンジ
イル)ビスベンゼンアミン、N,N’−ジ(ホリル)−3,4’−(1,3−プロパンジイル)ビス(ベンゼンアミン)、N,N’−ジ(2,4−ジメチル−3−ペンチル)−2,2’−メチレンビス(5−t−ブチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(2,5−ジメチルシクロペンチル)−3,3’−メチレンビス(2−メチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(イソホリル)−3,3’−メチレンビス(5−ペンチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(2−ヘキシル)−3,3’−メチレンビス(6−イソプロピルベンゼンアミン)、N,N’−ジシクロヘキシル−4,4’−メチレンビス(3−s−ブチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ(1−シクロペンチルエチル)−4,4’−(1,2−エタンジイル)ビス(2−メチルベンゼンアミン)、N,N’−ジイソプロピル−3,3’−メチレンビス(2,4−ジペンチルベンゼンアミン)、N,N’−ジ−s−ブチル−3,3’−メチレンビス(5,6−ジイソプロピルベンゼンアミン)およびN,N’−ジ(メンチル)−4,4’−メチレンビス(2,3−ジ−s−ブチルベンゼンアミン)が含まれる。
【0088】
C. 脂肪族ジイミン
本発明の方法で生じさせることができる脂肪族ジイミンには、これらに限定するものでないが、N,N’−ジイソプロピリデン−エチレンジアミン、N,N’−ジ−s−ブチリデン−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジ(2−ブテニリデン)−1,3−ジアミノペンタン、N,N’−ジ(1−シクロプロピルエチリデン)−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジ(3,3−ジメチル−2−ブチリデン)−1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、N,N’−ジ−s−ブチリデン−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジ(3−ペンチリデン)−2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン、N,N’−ジ(4−ヘキシリデン)−1,2−ジアミノシクロヘキサン、N,N’−ジシクロヘキシリデン−1,3−ジアミノシクロヘキサン、N,N’−ジ(1−シクロブチルエチリデン)−1,4−ジアミノシクロヘキサン、N,N’−ジ(2,4−ジメチル−3−ペンチリデン)−1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、N,N’−ジ(1−ペンテン−3−イリデン)−1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、N,N’−ジイソプロピリデン−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−s−ブチリデン−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ(2−ペンチリデン)−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ(3−ヘキシリデン)−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ(3−メチル−2−シクロヘキセニリデン)−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジ(2,5−ジメチルシクロペンチリデン)−1、4−ジアミノブタン、N,N’−ジ(イソホリリデン)−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジ(メンチリデン)−2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン、N,N’−ジ(ウンデシリデン)−1,12−ジアミノシクロヘキサン、N,N’−ジ−2−(4−メチルペンチリデン)−イソホロンジアミンおよびN,N’−ジ(5−ノニリデン)−イソホロンジアミンが含まれる。
【0089】
D. 脂肪酸第二級ジアミン
本発明の方法で生じさせることができる脂肪族第二級ジアミンには、これらに限定するものでないが、N,N’−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジ(2−ブテニル)−1,3−ジアミノプロパン、N,N’−ジ(1−シクロプロピルエチル)−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジ(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン、N,N’−ジ−s−ブチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジ(3−ペンチル)−2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン、N,N’−ジ(4−ヘキシル)−1,2−ジアミノシクロヘキサン、N,N’−ジシクロヘキシル−1,3−ジアミノシクロヘキサン、N,N’−ジ(1−シクロブチルエチル)−1,4−ジアミノシクロヘキサン、N,N’−ジ(2,4−ジメチル−3−ペンチル)−1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、N,N’−ジ(1−ペンテン−3−イル)−1,4−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、N,N’−ジイソプロピル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−s−ブチル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ(2−ペンチル)−1,10−ジア
ミノデカン、N,N’−ジ(3−ヘキシル)−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ(3−メチル−2−シクロヘキセニル)−1,2−ジアミノプロパン、N,N’−ジ(2,5−ジメチルシクロペンチル)−1、4−ジアミノブタン、N,N’−ジ(イソホリル)−1,5−ジアミノペンタン、N,N’−ジ(メンチル)−2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジアミン、N,N’−ジ(ウンデシル)−1,12−ジアミノシクロヘキサン、N,N’−ジ−2−(4−メチルペンチル)−イソホロンジアミンおよびN,N’−ジ(5−ノニル)−イソホロンジアミンが含まれる。
【0090】
本発明の配合物
本発明の組成物である芳香族第二級ジアミンをポリウレタン、ポリ尿素またはポリウレタン−尿素重合体を製造する時に鎖伸長剤として用いる時、それらをそのような方法で以前に用いられていた鎖伸長剤の代わりに用いるか、或はそれらを1種以上の公知鎖伸長剤、例えばこの上に挙げた如き芳香族第一級ジアミン、米国特許第3,428,610号、4,218,543号、4,595,742号および4,631,298号の芳香族ポリアミン、炭素を2−6個およびヒドロキシル基を2−3個含有するポリヒドロキシアルカン、例えばエチレングリコール、1,2−および1,3−プロピレングリコール、1,4−、1,2−および1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオールなど、および前記のいずれか2種以上の混合物と一緒に用いる。従って、そのような鎖伸長剤もしくは鎖伸長剤の混合物を有機ポリイソシアネートおよび活性水素含有有機化合物または遊離−NCO含有量が少なくとも約0.1重量%のプレポリマーと一緒に反応させることで所望重合体を生じさせる。本発明の芳香族第二級ジアミンを他の鎖伸長剤の代わりにか或はそれと一緒に用いるか否かは、ある程度ではあるが、最終生成物に望まれる物性に依存する。使用可能なイソシアネートおよび活性水素含有有機化合物の例が例えば米国特許第4,595,742号などに教示されている。
【0091】
本発明の組成物である芳香族第二級ジアミンをエポキシ樹脂用の硬化剤として用いる場合、それらをそのような樹脂を硬化させる時に以前に用いられていた硬化剤の代わりに用いるか、或はそれらを1種以上の公知硬化剤、例えば芳香族ポリアミンおよび/またはポリヒドロキシアルカンなどと一緒に用いる。本発明の芳香族第二級ジアミンを他の硬化剤の代わりにか或はそれと一緒に用いるか否かは、ある程度ではあるが、最終生成物に望まれる物性に依存する。エポキシ樹脂は如何なるエポキシ樹脂であってもよい、即ちそれは飽和もしくは不飽和、脂肪族、脂環式、芳香族または複素環式であってもよい。そのような樹脂の例がLee他、Handbook of Epoxy Resins、MaGraw−Hill(New York)、1967に教示されている。
【0092】
本発明の配合物を生じさせる時、少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルアミン(時にはアミン末端ポリオールとも呼ぶ)、少なくとも1種のイソシアネートおよび少なくとも1種の芳香族第二級ジアミン(これが本発明の組成物、即ち各アミノのヒドロカルビル基が炭素原子を少なくとも2個有していて第二級アミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ芳香族第二級ジアミンであり、この芳香族第二級ジアミンは、第二級アミノ基をベンゼン環上に2個有していて前記第二級アミノ基が互いに対してメタまたはパラ位に位置する1個のベンゼン環の形態、またはアルキレンブリッジで連結しかつ第二級アミノ基を各環上に1個ずつ有する2個のベンゼン環の形態のいずれかである)を用いてそれを生じさせる。本技術分野で良く知られているように、本配合物にまた他の成分、例えば1種以上の難燃剤、熱安定剤および/または界面活性剤などを含有させることも可能である。
【0093】
本発明の方法では、少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリ
エーテルアミン、少なくとも1種のイソシアネートおよび少なくとも1種の芳香族第二級ジアミン(これが本発明の組成物、即ち各アミノのヒドロカルビル基が炭素原子を少なくとも2個有していて第二級アミノ基に対するオルソ位の各々がヒドロカルビル基を持つ芳香族第二級ジアミンであり、この芳香族第二級ジアミンは、第二級アミノ基をベンゼン環上に2個有していて前記アミノ基が互いに対してメタまたはパラ位に位置する1個のベンゼン環の形態、またはアルキレンブリッジで連結しかつ第二級アミノ基を各環上に1個ずつ有する2個のベンゼン環の形態のいずれかである)を一緒に混合することを通して、ポリウレタン、ポリ尿素またはポリ尿素−ウレタンを生じさせる。通常は、そのようなポリオールまたはポリエーテルアミン、芳香族第二級ジアミンおよび任意の材料(用いる場合)を一緒に混合することで1番目の混合物を生じさせた後、前記1番目の混合物をイソシアネートと混合することで2番目の混合物を生じさせる。その2番目の混合物を硬化させる。
【0094】
以下の実施例は説明の目的で示すものであり、本発明の範囲に対して限定を課すことを意図するものでない。
【0095】
以下の実施例では、特に明記しない限り、Pt(S)/C(Engelhard Corporation)は粉末形態である。
【実施例1】
【0096】
100mLの金属製オートクレーブに22℃で4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)(4.0g)、Pt(S)/C(0.2g)、スルホン化ジビニルベンゼン/スチレン共重合体[0.2g;Hイオン形態、Rohm and Haas Company(Philadelphia、PA)がAmberlyst−15として販売]およびメチルエチルケトン(50g)を仕込んだ。痕跡量の空気を除去する目的で、前記オートクレーブを密封して22℃で125psig(9.63x10Pa)のHを用いてパージ洗浄することを3回実施した。次に、その反応混合物を125psig(9.63x10Pa)のH下で95℃に3時間加熱した(さらなるHの吸収が観察されなくなるまで)。その生成物混合物を22℃に冷却した後、それに脱気を受けさせた。生成物サンプルを希釈してガスクロ(GC;180℃で5分間、1分当たり10℃の速度で最終温度である270℃)で分析した。そのGCデータ(正規化方法)により、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)の変換率は100%でN,N’−ジ−s−ブチル−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)の収率は94%であることが分かった。混ぜ物無しの生成物サンプルのNMR分析(内部標準を用いた)により、純度は94.75%であることが分かった。
【実施例2】
【0097】
100mLの金属製オートクレーブに22℃でジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン(これの2,4−ジエチル−6−メチル異性体と4,6−ジエチル−2−メチル異性体の混合物として)[10.0g;Ethacure(商標)100、Albemarle Corporation]、Pt(S)/C(0.5g)、Amberlyst−15(0.5g)およびメチルエチルケトン(50g)を仕込んだ。痕跡量の空気を除去する目的で、前記オートクレーブを密封して22℃で125psig(9.63x10Pa)のHを用いてパージ洗浄することを3回実施した。次に、その反応混合物を125psig(9.63x10Pa)のH下で120℃に5.5時間加熱した(さらなるHの吸収が観察されなくなるまで)。その生成物混合物を22℃に冷却した後、それに脱気を受けさせた。生成物サンプルを希釈してGC(100℃で5分間、1分当たり10℃の速度で最終温度である270℃)で分析した。そのGCデータ(正規化方法)により、ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミンの変換率は100%でN,N’−ジ−s−ブチル−[ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン]の収率は96.5
%であることが分かった。
【実施例3】
【0098】
100mLの金属製オートクレーブに22℃で4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)(3g)、Pt(S)/C(0.3g)、Amberlyst−15(0.3g)、メチルエチルケトン(25g)およびテトラヒドロフラン(THF;25g)を仕込んだ。前記オートクレーブを密封して22℃で90psig(7.22x10Pa)のHを用いてパージ洗浄することを3回実施した。次に、その反応混合物を125psig(9.63x10Pa)のH下で100−120℃に5時間加熱した(さらなるHの吸収が観察されなくなるまで)。その生成物混合物を22℃に冷却した後、それに脱気を受けさせた。生成物サンプルを希釈してGC(180℃で5分間、1分当たり10℃の速度で最終温度である270℃)で分析した。そのGCデータ(正規化方法)により、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)の変換率は100%でN,N’−ジ−s−ブチル−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)の収率は86%であることが分かった。
【実施例4】
【0099】
ジエチル(メチル)−1,3−シクロヘキサンジアミン(これの2,4−ジエチル−6−メチル異性体と4,6−ジエチル−2−メチル異性体の混合物として)の製造を、ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン(これの2,4−ジエチル−6−メチル異性体と4,6−ジエチル−2−メチル異性体の混合物として)[Ethacure(商標)100]に水添を公知方法に従って受けさせることで実施した(例えば米国特許第4,161,492号を参照)。
【0100】
100mLの金属製オートクレーブに22℃でジエチル(メチル)−1,3−シクロヘキサンジアミン(これの2,4−ジエチル−6−メチル異性体と4,6−ジエチル−2−メチル異性体の混合物として)(3.0g)、Pt(S)/C(0.4g)、Amberlyst−15(0.4g)およびメチルエチルケトン(45g)を仕込んだ。痕跡量の空気を除去する目的で、前記オートクレーブを密封して22℃で125psig(9.63x10Pa)のHを用いてパージ洗浄することを3回実施した。次に、その反応混合物を125psig(9.63x10Pa)のH下で130℃に6時間加熱した(さらなるHの吸収が観察されなくなるまで)。その生成物混合物を22℃に冷却した後、それに脱気を受けさせた。生成物サンプルを希釈してGC(100℃で5分間、1分当たり10℃の速度で最終温度である270℃)で分析した。そのGCデータ(正規化方法)により、ジエチル(メチル)−1,3−シクロヘキサンジアミンの変換率は100%でN,N’−ジ−s−ブチル−[ジエチル(メチル)−1,3−シクロヘキサンジアミン]の収率は95−97%であることが分かった。
【実施例5】
【0101】
ジエチル(メチル)−1,3−シクロヘキサンジアミン(これの2,4−ジエチル−6−メチル異性体と4,6−ジエチル−2−メチル異性体の混合物として)を実施例4に記述したようにして製造した。100mLの金属製オートクレーブに22℃でジエチル(メチル)−1,3−シクロヘキサンジアミン(これの2,4−ジエチル−6−メチル異性体と4,6−ジエチル−2−メチル異性体の混合物として)(10g)、Pt(S)/C(0.5g)、Amberlyst−15(0.5g)およびアセトン(50g)を仕込んだ。痕跡量の空気を除去する目的で、前記オートクレーブを密封して22℃で125psig(9.63x10Pa)のHを用いてパージ洗浄することを3回実施した。次に、その反応混合物を125psig(9.63x10Pa)のH下で110−130℃に8時間加熱した(さらなるHの吸収が観察されなくなるまで)。その生成物混合物を22℃に冷却した後、それに脱気を受けさせた。生成物サンプルを希釈してGC(10
0℃で5分間、1分当たり10℃の速度で最終温度である270℃)で分析した。そのGCデータ(正規化方法)により、ジエチル(メチル)−1,3−シクロヘキサンジアミンの変換率は100%でN,N’−ジイソプロピル−[ジエチル(メチル)−1,3−シクロヘキサンジアミン]の収率は95−97%であることが分かった。
【実施例6】
【0102】
2リットルの3つ口丸底フラスコに加熱用マントル、熱電対、ガラス製ストッパーおよび冷却器を取り付けた。このフラスコに4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)(200g、0.644モル)およびアセトン(200mL、158g、2.72モル)を加えた。その4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)が前記アセトンに溶解した後、そのフラスコにモレキュラーシーブ(200g)およびAmberlyst−15(20g)を加えた。水が反応中に生じた時にそれを除去する目的でモレキュラーシーブを用いた。その混合物を還流に加熱した。サンプルを定期的に取り出してGCで分析した。24時間後でも出発ジアミンが18%残存していた。その反応混合物を濾過した後、反応フラスコに戻した。その反応フラスコに入れた前記濾過混合物に新鮮なモレキュラーシーブ(200g)および新鮮なAmberlyst−15(20g)を加えた。その反応混合物にまた更にアセトン(170mL)も加えた。その反応混合物をGCで分析した結果、N,N’−イソプロピリデン−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)の面積%は99.4でN−イソプロピリデン−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)の面積%は3.7で4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)の面積%は0.2であることが分かった。
【0103】
オートクレーブに入れておいたエタノール(20g)と酢酸エチル(20g)の混合物にN,N’−イソプロピリデン−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)(2.6g)およびPt(S)/C(0.35g)を加えた。痕跡量の空気を除去する目的で、前記オートクレーブを密封して22℃で125psig(9.63x10Pa)のHを用いてパージ洗浄することを3回実施した。その混合物を22℃で0−125psig(0から8.62x10Pa)のH下に1.2時間保持すると、相当するN,N’−ジイソプロピル−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)が70%の収率で生じることに加えて、水添が完全でないジイミンが25%存在していた。前記ジイミンの変換率は95%であった。
【実施例7】
【0104】
1パイントのボトルにジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン[Ethacure(商標)100;30g、0.17モル]、アセトン(150mL、117g、2.0モル)、Amberlyst−15(2g)およびモレキュラーシーブ(64.1g)を加えた。そのボトルを時々転がし、そしてその混合物をGCで分析した。19日後のGC分析により、N,N’−イソプロピリデン−[ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン](両方の異性体を包含)の面積%は88.5で、N−イソプロピリデン−[ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン](両方の異性体を包含)の面積%は10.1であることが分かった。
【0105】
オートクレーブに入れておいたエタノール(20g)と酢酸エチル(20g)の混合物にN,N’−イソプロピリデン−[ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン](3.17g)およびPt(S)/C(0.3g)を加えた。痕跡量の空気を除去する目的で、前記オートクレーブを密封して22℃で125psig(9.63x10Pa)のHを用いてパージ洗浄することを3回実施した。その混合物を22℃で0−125psig(0から8.62x10Pa)のH下に1.2時間保持すると、相当するN,N’−ジイソプロピル−[ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン]が94%の収
率で生じた。前記ジイミンの6パーセントは完全には水添されていなかったが、ジイミンの変換率は100%であった。
【実施例8】
【0106】
2リットルの3つ口丸底フラスコに磁気撹拌子、加熱用マントル、熱電対、ガラス製ストッパーおよび冷却器付きDean Starkトラップを取り付けた。このフラスコに4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)(310.5g、1.00モル)およびメチルエチルケトン(450mL、350g、4.85モル)を加えた。その4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)を溶解させる目的で前記混合物を40℃で撹拌した。そのフラスコにヘキサン(300mL)およびAmberlyst−15(15.54g)を加えた。その混合物を還流に加熱し、そして水を共沸物としてDean Starkトラップで除去した。サンプルを定期的に取り出してガスクロ(GC)で分析した。N,N’−ジ−s−ブチリデン−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)が94.7%の収率で生じた。GCの結果を表1に要約し、ジアミン、モノイミンおよびジイミンに関して示した単位はGCの面積パーセントである。
【0107】
オートクレーブに入れておいたアセトン(34.0g)にN,N’−ジ−s−ブチリデン−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)(22.53g)およびPt(S)/C(2.65g)を加えた。前記オートクレーブを密封して22℃で125psig(9.63x10Pa)のHを用いてパージ洗浄することを3回実施した。その混合物を21℃で125psig(8.62x10Pa)のH下に6.5時間保持すると、相当するN,N’−ジ−s−ブチル−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)が定量的に生じた。
【0108】
【表1】

【実施例9】
【0109】
2リットルの3つ口丸底フラスコに磁気撹拌子、加熱用マントル、サーモウォッチ付き熱電対および窒素入り口付き冷却器を取り付けた。このフラスコに3,5−ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン[Ethacure(商標)100;100g、0.562モル]およびメチルエチルケトン(200g、2.77モル)を加えた。そのフラスコにAmberlyst−15(20g)およびモレキュラーシーブ(200g)を加えた。その混合物を還流に加熱し、ポット温度を85℃にした。サンプルを定期的に取り出してGCで分析した。表2に経時的GC面積%変換率を要約する。6時間後にモレキュラーシーブを追加的に50g加えた。その反応生成物混合物を焼結ガラス製漏斗に通して濾過することでAmberlyst−15およびモレキュラーシーブを除去した。メチルエチルケトンを蒸留で除去することでN,N’−ジ−s−ブチリデン−[ジエチル(メチ
ル)−1,3−ベンゼンジアミン]を138g得た。
【0110】
オートクレーブに入れておいたアセトン(30g)にN,N’−ジ−s−ブチリデン−[ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン](28g)およびPt(S)/C(2.8g)を加えた。前記オートクレーブを密封して22℃で125psig(9.63x10Pa)のHを用いてパージ洗浄することを3回実施した。その混合物を21℃で125psig(8.62x10Pa)のH下に12間保持すると、相当するN,N’−ジ−s−ブチル−[ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン]が定量的に生じた。
【0111】
【表2】

【実施例10】
【0112】
1番目の実験(実験1)を2リットルのParr反応槽を用いて実施し、そして実験2−5を10ガロンのステンレス鋼製反応槽(Autoclave Engineers、Erie、PA)を用いて実施した。前記反応槽にジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン(これの2,4−ジエチル−6−メチル異性体と4,6−ジエチル−2−メチル異性体の混合物として)[Ethacure(商標)100、Albemarle Corporation]に続いてメチルエチルケトン(MEK)の次にPt(S)/C(0.5g)そして次にAmberlyst−15を仕込んだ。各実験で用いた反応体の量を表3に示す。前記反応槽を密封してHで3回パージ洗浄した後、その反応槽をHで約75から130psig(6.18x10から9.98x10Pa)に加圧した。その反応槽の内容物を115から130℃において75から135psig(6.18x10から1.03x10Pa)で9から24時間撹拌した。各実験の具体的な圧力および温度の範囲を表3に示す。その反応槽内の反応マス(mass)を冷却し、その反応槽の排気を実施した後、窒素で3回パージ洗浄した。前記10ガロンの反応槽から得た反応マスを平行に位置する1対の10インチ(25.4cm)の0.5ミクロンカートリッジフィルターに通して押し出すことでPt(S)/CおよびAmberlyst−15を除去した。実験2および3で得た反応マスは濃度が高いことから、その反応マスを前記カートリッジフィルターに通して押し出す前に追加的MEKを加えることで、その濾過(触媒の除去)に要する時間を短くした。結果を表3に要約する。表3に報告する変換率、収率および部分的に反応した量はGC(100℃で5分間、1分当たり10℃の速度で最終
温度である270℃)で測定したそれらであった。
【0113】
実験2、3、4および5で得た反応マスと実験1で得た最終的反応マス(1000g)を空間的に許容されるように100リットルの反応槽の中に入れて一緒にした。各反応マスを10インチの0.5ミクロンカートリッジフィルターで濾過して前記100リットルの反応槽の中に入れた。多量のMEKを大気圧下で除去した。その生成物を一緒にして134から141℃で1トール(133Pa)未満で蒸留することで、初留(forecut)を2.189g、主溜分を30.0kgおよび暗色の蒸留釜残を2370g得た。GC面積%により、前記蒸留釜残は大部分が生成物であるN,N’−ジ−s−ブチル−[ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン]であると思われた。その蒸留釜残にワイプトフィルム蒸発装置(wiped film evaporator)を用いた瞬間蒸発(flashed)を2回受けさせることで生成物を追加的に2.254kg得て、これを前記30.0kgの主溜分に加えた。前記初留を前記ワイプトフィルム蒸発装置に戻すことを2回実施し、その1回目で低沸点の不純物を除去しそして2回目で追加的生成物(1408g)を得た。この追加的生成物を前記30kgおよび2.254kgの生成物と一緒にすることで最終的生成物を黄色の液体として33.6kg得た(94%の収率、純度に関する補正無し)。この材料の組成は78.85面積%がN,N’−ジ−s−ブチル−[2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミン]で16.67面積%がN,N’−ジ−s−ブチル−[4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミン]であった。
【0114】
【表3】

【実施例11】
【0115】
100mLの金属製オートクレーブに22℃でイソホロンジアミン(10g)、5−ノナノン(20g)、Amberlyst−15(0.3g)およびPt(S)/C(0.7g)を仕込んだ。前記オートクレーブを22℃で111psig(8.67x10
a)のHを用いてパージ洗浄することを3回実施した。次に、その反応混合物を116−121℃に加熱して111psigのH下で10時間撹拌した。GCは水添が完全ではないことを示していたことから、前記オートクレーブに追加的Amberlyst−15(0.3g)およびPt(S)/C(0.5g)を加えた。その反応混合物を110−130℃において93psig(7.43x10Pa)のH下で24時間撹拌した。GCにより、出発材料の変換率は100%で生成物であるN,N’−ジ−(5−ノニル)−イソホロンジアミンの収率は93.6%であることが分かった。
【実施例12】
【0116】
100mLの金属製オートクレーブに22℃でジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン(これの2,4−ジエチル−6−メチル異性体と4,6−ジエチル−2−メチル異性体の混合物として)[5g;Ethacure(商標)100、Albemarle
Corporation]、Pt(S)/C(0.5g)、水(1g)およびメチルエチルケトン(50g)を仕込んだ。前記オートクレーブを22℃で125psig(9.63x10Pa)のHを用いてパージ洗浄することを3回実施した。次に、その反応混合物を125psig(9.63x10Pa)のH下で130℃に加熱した。30−45分後にHの吸収を観察した。その反応混合物を130℃で8時間撹拌した(さらなるHの吸収が観察されなくなるまで)。その生成物混合物を22℃に冷却した後、それに脱気を受けさせた。生成物サンプルを希釈してGC(100℃で5分間、1分当たり10℃の速度で最終温度である270℃)で分析した。そのGCデータ(正規化方法)により、ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミンの変換率は100%でN,N’−ジ−s−ブチル−[ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン]の収率は88.8%であることが分かった。
【実施例13】
【0117】
反応槽に4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)(1.98g、10ミリモル)、アセトン(10.0g、172ミリモル)、Pt(S)/C(0.2g)およびトルエン(50.0g)を仕込んだ。前記反応槽を22℃で110psig(8.60x10Pa)のHを用いてパージ洗浄することを3回実施した。次に、その反応混合物を60℃において110psigのH下で2時間撹拌した。GC(条件:180℃/5分間/10℃−分の速度/270℃/RT=9.37分)により、4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)の変換率は100%でN,N’−ジイソプロピル−4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)の収率は97%であることが分かった。この生成物の構造をGC−MSで確認した。GCでもGC−MSでも第三級ジアミンは全く検出されなかった。
【実施例14】
【0118】
反応槽に4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)(8.0g、40ミリモル)、アセトン(10.0g、172ミリモル)、Pt(S)/C(0.5g)およびトルエン(50.0g)を仕込んだ。前記反応槽を22℃で110psig(8.60x10Pa)のHを用いてパージ洗浄することを3回実施した。次に、その反応混合物を22℃において110psigのH下で一晩撹拌した。GC(条件:180℃/5分間/10℃−分の速度/270℃/RT=9.37分)により、4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)の変換率は100%でN,N’−ジイソプロピル−4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)の収率は98%であることが分かった。この生成物の構造をGC−MSで確認した。GCでもGC−MSでも第三級ジアミンは全く検出されなかった。
【実施例15】
【0119】
反応槽に4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルベンゼンアミン)(1.25g)、メチルエチルケトン(15g)、Pt(S)/C(0.10g)およびトルエン(40.0g)を仕込んだ。前記反応槽を22℃で110psig(8.60x10Pa)の
を用いてパージ洗浄することを3回実施した。次に、その反応混合物を22℃において110psigのH下で4.5時間撹拌した。GC(条件:100℃/5分間/10℃−分/270℃)により、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルベンゼンアミン)の変換率は35%であることが分かった。次に、その反応混合物を60℃で4時間撹拌した後のGCにより、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルベンゼンアミン)の変換率は79.5%であることが分かった。次に、その反応混合物を130℃で11時間撹拌した後のGCにより、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルベンゼンアミン)の変換率は100%でN,N’−ジ−s−ブチル−4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルベンゼンアミン)の収率は96%であることが分かり、その残りの4%はN−s−ブチル−4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルベンゼンアミン)であることを確認した。この生成物の色は水−白色であることを観察し、かつこの生成物の構造をGC−MSで確認した。
【実施例16】
【0120】
オートクレーブに4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)(MDA;1.20g)、Pt(S)/C(1.20g)および2−ブタノン(メチルエチルケトン、MEK:50.0g)を仕込んだ。前記オートクレーブに22℃でHを用いた脱気を3回受けさせた後、その反応混合物を撹拌無しに14psig(6.87x10Pa)のH下で120℃に加熱した。撹拌を120℃で行いながら前記オートクレーブをHで12分かけて85psig(6.87x10Pa)になるまで加圧した。次に、その反応混合物を22℃に冷却した。GC分析により、MDAの変換率は100%でN,N’−ジ(2−ブチル)−4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)の収率は96%であることが分かった。
【実施例17】
【0121】
100mLのオートクレーブにイソホロンジアミン(12.0g)、4−メチル−2−ペンタノン(メチルイソブチルケトン、50.0g)、Pt(S)/C(0.5g、イソホロンジアミンを基準にして4.25重量%)およびトルエンを仕込んだ後、22℃で110psig(8.60x10Pa)のHを用いたパージ洗浄を3回受けさせた。その反応混合物を120℃において110psigのH下で8時間撹拌した。GCにより、イソホロンジアミンの変換率は100%でN,N’−ジ−(4−メチル−2−ペンチル)−イソホロンジアミンの収率は95%であることが分かった。そのN,N’−ジ−(4−メチル−2−ペンチル)−イソホロンジアミンが実施例29−32(以下を参照)に示したポリ尿素配合物と同様な配合物中で示したゲル時間はで22秒であった。
【実施例18】
【0122】
100mLのオートクレーブにイソホロンジアミン(9.0g)、4−メチル−2−ペンタノン(50.0g)およびPt(S)/C(0.09g、イソホロンジアミンを基準にして1重量%)を仕込んだ後、22℃で111psig(8.67x10Pa)のHを用いたパージ洗浄を3回受けさせた。次に、その反応混合物を135℃に加熱して111psigのH下135℃で7時間撹拌した。GCにより、イソホロンジアミンの変換率は100%でN,N’−ジ−(4−メチル−2−ペンチル)−イソホロンジアミンの収率は98%であることが分かった。GC(条件:70℃/5分間/10℃−分の速度/270℃/RT=16.3−16.9分/5異性体)により、出発材料の変換率は100%でN,N’−ジ−(4−メチル−2−ペンチル)−イソホロンジアミンの収率は少なくとも98%であることが分かった。
【実施例19】
【0123】
100mLのオートクレーブにイソホロンジアミン、4−メチル−2−ペンタノンおよびPt(S)/C(イソホロンジアミンを基準にして10重量%)を仕込んだ後、22℃
で111psig(8.67x10Pa)のHを用いたパージ洗浄を3回受けさせた。次に、その反応混合物を136℃に加熱して111psigのH下135℃で1時間撹拌した。GCにより、出発材料の変換率は100%でN,N’−ジ−(4−メチル−2−ペンチル)−イソホロンジアミンの収率はほぼ定量的であることが分かった。
【実施例20】
【0124】
100mLのオートクレーブにイソホロンジアミン(1.0g)、Pt(S)/C(1.0g)および4−メチル−2−ペンタノン(メチルイソブチルケトン、MIBK;50g)を仕込んだ。このオートクレーブに22℃でH(14psig;1.98x10Pa)を用いた脱気を受けさせた後、その反応混合物を135℃に約30分間加熱した。その混合物が135℃に到達した時点で、前記オートクレーブをHで111psig(8.67x10Pa)に加圧した。その反応混合物を111psigのH下で135−140℃に3.5分間保持した。氷水を用いて反応を消滅させることで停止させた。GC分析(70℃/5分間/1分当たり10℃の加熱速度)により、イソホロンジアミンの変換率は100%で、第一級アミンが痕跡量で存在し、ケチミン中間体が痕跡量で存在しかつN,N’−ジ−[2−(4−メチルペンチル)]−イソホロンジアミンの収率は96%であることが分かった。GCで第三級アミンは全く観察されなかった。
【実施例21】
【0125】
イソホロンジアミンを5.0g、Pt(S)/Cを5.0gおよびMIBKを50g用いそして135℃に到達した後の反応時間を24分間にする以外は実施例20の手順を繰り返した。GC分析により、イソホロンジアミンの変換率は100%で、第一級アミンがいくらか存在し、ケチミンがいくらか存在し、N,N’−ジ−[2−(4−メチルペンチル)]−イソホロンジアミンの収率は95%であり、第三級アミンは全く存在しないことが分かった。
【実施例22】
【0126】
100mLのオートクレーブにイソホロンジアミン(5g)、Pt(S)/C(5g)および4−メチル−2−ペンタノン(MIBK;54g)を仕込んだ。このオートクレーブに22℃でH(111psig;8.67x10Pa)を用いた脱気を3回受けさせた後、その反応混合物を135℃に約30分間加熱した。その反応混合物を22℃に冷却した後、それに脱気を受けさせた。氷水を用いて反応を消滅させることで停止させた。GC分析により、イソホロンジアミンの変換率は100%でN,N’−ジ−[2−(4−メチルペンチル)]−イソホロンジアミンの収率は98%であることが分かった。
【実施例23】
【0127】
イソホロンジアミンを10g、Pt(S)/Cを5gおよびMIBKを54g用いる以外は実施例22の手順を繰り返した。GC分析により、イソホロンジアミンは4%で、ケチミンは2.3%で、N,N’−ジ−[2−(4−メチルペンチル)]−イソホロンジアミンは93.7%であることが分かり、第三級アミンは全く観察されなかった。
【実施例24】
【0128】
反応槽にイソホロンジアミン(10.0g、58.7ミリモル)、5−ノナノン(20.0g、140.5ミリモル)、トルエン(35g)、Amberlyst−15(イソホロンジアミンを基準にして6重量%)およびPt(S)/C(イソホロンジアミンを基準にして12重量%)を仕込んだ。その反応槽にHを用いたパージ洗浄を3回受けさせた。次に、その反応混合物を116−130℃に加熱して111−113psig(8.67x10から8.82x10Pa)のH下で39時間撹拌した。GCにより、イソホロンジアミンの変換率は100%で所望生成物の収率は97面積%でありことが分かり、これを次にGC−MSで同定および実証した。そのN,N’−ジ−5−ノニル−イソ
ホロンジアミンが実施例29−32(以下を参照)に示したポリ尿素配合物と同様な配合物中で示したゲル時間はで59秒であった。
【実施例25】
【0129】
100mLのオートクレーブにイソホロンジアミン(17g、100ミリモル)、4−ペンタノン(34.2g、300ミリモル)、Pt(S)/C(0.85g)およびトルエン(20g)を仕込んだ。そのオートクレーブにHを用いた脱気を3回受けさせた後、その反応混合物を112psig(8.74x10)のH下で120−130℃に約30時間加熱した。その反応混合物を22℃に冷却した後、それに脱気を受けさせた。GC分析により、N,N’−ジ(4−ヘプチル)−イソホロンジアミンの収率は96%であることが分かった。この生成物の構造をGC−MSで確認した。N,N’−ジ(4−ヘプチル)−イソホロンジアミンが実施例29−32(以下を参照)に示したポリ尿素配合物と同様な配合物中で示したゲル時間はで55秒であった。
【実施例26】
【0130】
100mLのオートクレーブに4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)(MDA;2.0g)、顆粒状Pt(S)/C(1.0g、Johnson Matthey)およびメチルエチルケトン(50.0g)を仕込んだ。そのオートクレーブにHを用いた脱気を3回受けさせた後、その反応混合物を85psig(6.87x10)のH下で121℃に2時間加熱した。その反応混合物を22℃に冷却した後、それに脱気を受けさせた。撹拌を止めると直ぐに前記顆粒状のPt(S)/C触媒が反応槽の底に沈降したことから、生成物の溶液をデカンテーションで取り出しかつ触媒を回収するのがより容易であった。GC分析により、N,N’−ジ(2−ブチル)−4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)の収率は95%で過度にアルキル化された副生成物の量は0.4面積%未満であることが分かった。
【実施例27】
【0131】
反応槽に4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)(19.8g、0.1モル)、メチルエチルケトン(20.0g、0.28モル)、Pt(S)/C(2.0g)および水(28.0g;2番目の相が生じた)を仕込んだ。その反応槽に22℃でHを用いたパージ洗浄を3回受けさせた。次に、その反応混合物をH下136℃において800rpmで2.5時間撹拌した。GCにより、4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)の変換率は100%でN,N’−ジ−s−ブチル−4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)の収率は96−97%であることが分かった。
【実施例28】
【0132】
ステンレス鋼製管状上昇流反応槽を加熱して用いる。その反応槽にPt(S)/Cを充填する。この反応槽にイソホロンジアミンと4−メチル−2−ペンタノンを共供給する。そのイソホロンジアミンを1分当たり0.5gの供給速度で供給しかつ4−メチル−2−ペンタノンを1分当たり5gの供給速度で供給する。また、水素も前記反応槽に前記イソホロンジアミンおよび4−メチル−2−ペンタノンと一緒に共供給する。前記反応槽内の条件を100psigで140℃にする。N,N’−ジ−[2−(4−メチルペンチル)]−イソホロンジアミンの収率は96%で第三級アミンは観察されない。
【実施例29】
【0133】
イソシアネート[NCOが15.2%、Rubinate(商標)9480、Huntsman Chemical]、ポリオール[分子量が5000のトリオール、Voranol(商標)4703、Dow Chemical Company]、2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミンと4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミンの混合物[Ethacure(商標)100、Albemarle
Corporation]、N,N’−ジ−s−ブチル−[ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン]およびジブチル錫ジラウレート[DABCO(商標)T−12、Air Products and Chemicals,Inc.、Allentown、Pa]を含有するポリウレタン配合物を調製し、比較の目的で、N,N’−ジ−s−ブチル−[ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン]無しの配合物を1つ調製した。イソシアネートを除く全ての材料をブレンダーで5分間一緒に混合した後、それに脱気をオーブン内で受けさせたが、この混合物の中の成分の量を表4に挙げる。その混合物をバレルが2個のシリンジの一方のバレルに入れ、イソシアネートをもう一方のバレルに入れた。そのシリンジの内容物を固定式ミキサーに通して押し出すことで混合して鋼板の上に置いた後、室温で硬化させた。前記シリンジの内容物を混合する結果としてイソシアネートと前記混合物の体積比が1:1になるようにした。次に、その硬化させた配合物に試験を受けさせた。これらの配合物が示した特性を表4に要約する。
【0134】
【表4】

【実施例30】
【0135】
イソシアネート[NCOが14.9%、Rubinate(商標)9480、Huntsman Chemical]、Jeffamine(商標)D−2000およびJeffamine(商標)T−5000(アミン末端ポリオールまたはポリエーテルアミン、Huntsman Chemical)、Ethacure(商標)100およびN,N’−ジ−s−ブチル−[ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン]を含有するポリ尿素配合物を実施例29に記述したようにして調製し、比較の目的で、N,N’−ジ−s−ブチル−[ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン]無しの配合物を1つ調製した。各配合物の中のイソシアネートと一緒に混合した前記混合物の成分の量を表5に
示す。その硬化させた配合物に試験を受けさせた。これらの配合物が示した特性を表5に要約する。
【0136】
【表5】

【実施例31】
【0137】
イソシアネート[Rubinate(商標)9480、Huntsman Chemical]、Jeffamine(商標)D−2000、Jeffamine(商標)T−5000およびN,N’−ジ−s−ブチル−[ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン]を含有するポリ尿素配合物を実施例29に記述したようにして調製した。各配合物の中の成分の量を表6に示し、示すN−s−ブチル−[ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン]の量はN,N’−ジ−s−ブチル−[ジエチル(メチル)−1,3−ベンゼンジアミン]の中に存在する量である。その配合物に試験を受けさせた。これらの配合物が示した特性を表6に要約する。
【化6】

【実施例32】
【0138】
イソシアネート[Rubinate(商標)9480、Huntsman Chemical]、Jeffamine(商標)D−2000、Jeffamine(商標)T−5000、Ethacure(商標)100およびN,N’−ジ−s−ブチル−4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)を含有するポリ尿素配合物を実施例29に記述したようにして調製した。各配合物の中の成分の量を表7に示し、示すN−s−ブチル−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)の量はN,N’−ジ−s−ブチル−4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルベンゼンアミン)の中に存在する量である。その配合物に試験を受けさせた。これらの配合物が示した特性を表7に要約する。
【0139】
【表7】

【0140】
N,N’−ジイソプロピル−4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)およびN,N’−ジ−5−ノニル−イソホロンジアミンを用いて実施例29−32に示した配合物と同様な配合物を生じさせた。N,N’−ジイソプロピル−4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)配合物が示したゲル時間(硬化速度)は300秒であり、そしてN,N’−ジ−5−ノニル−イソホロンジアミン配合物が示したゲル時間は59秒であった。N,N’−ジ−2−(4−メチルペンチル)−イソホロンジアミンを用いて実施例29−32に示した配合物と同様な別の配合物を生じさせ、この配合物が示したゲル時間は22秒であった。N,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−TCDジアミンを用いて実施例29−32に示した配合物と同様な更に別の配合物を生じさせ、この配合物が示したゲル時間は25秒であった。N,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−ジアミノヘキサンを用いて実施例29−32に示した配合物と同様な更に別の配合物を生じさせ、この配合物が室温で示したゲル時間は25秒であった。加うるに、相当するモノ−第二級−ジアミン(アミノ基の中の一方が第二級でもう一方のアミノ基が第一級)の量が約10%に及ぶ(または15%にさえ及ぶ)硬化剤も実施例29−32に示した配合物と同様な配合物で有効であることも確認した。
【実施例33】
【0141】
イソシアネート[Rubinate(商標)9480、Huntsman Chemical]、Jeffamine(商標)D−2000、Jeffamine(商標)T−5000、Ethacure(商標)100、N,N’−ジエチル−4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、N,N’−ジエチル−4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)[トリアミン(N,N’,N”−トリエチル−4−(メチル−4’−ベンゼンアミン)−2−(メチル−4”−ベンゼンアミン)−1−アミノベンゼン)の含有量が29%]またはN,N’−ジ−[2−(4−メチルペンチル)]イソホロンジアミンを含有するポリ尿素配合物を実施例29に記述したようにして調製した。比較の目的で、Ethacure(商標)100のみを用いた配合物を1つ調製した。各配合物の中の成分の量を表8に示す。その配合物に試験を受けさせた。これらの配合物が示した特性を表8に要約する。
【0142】
【表8】

【実施例34】
【0143】
イソシアネート[Rubinate(商標)9480、Huntsman Chemical]、Jeffamine(商標)D−2000、Jeffamine(商標)T−5000、Ethacure(商標)100、N,N’−ジエチル−4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)、N,N’−ジエチル−4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)[トリアミン(N,N’,N”−トリエチル−4−(メチル−4’−ベンゼンアミン)−2−(メチル−4”−ベンゼンアミン)−1−アミノベンゼン)の含有量が29%]またはN,N’−ジ−[2−(4−メチルペンチル)]イソホロンジアミンを含有するポリ尿素配合物を実施例29に記述したようにして調製し、比較の目的で、本発明の第二級
ジアミン無しの配合物を1つ調製した。各配合物の中の成分の量を表9に示す。その配合物に試験を受けさせた。これらの配合物が示した特性を表9に要約する。
【0144】
【表9】

【実施例35】
【0145】
イソシアネート[Rubinate(商標)9480またはRubinate(商標)9009、Huntsman Chemical]、Jeffamine(商標)D−2000、Jeffamine(商標)T−5000およびN,N’−ジエチル−4,4’−メチレンビス(ベンゼンアミン)を含有するポリ尿素配合物を実施例28に記述したようにして調製した。各配合物の中の成分の量を表10に示す。その配合物に試験を受けさせた。これらの配合物が示した特性を表10に要約する。
【0146】
【表10】

【実施例36】
【0147】
イソシアネート[Rubinate(商標)9480、Huntsman Chemical]、Jeffamine(商標)D−2000、Jeffamine(商標)T−5000、Ethacure(商標)100および/またはN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−TCDジアミンを含有するポリ尿素配合物を実施例29に記述したようにして調製した。比較の目的で、Ethacure(商標)100のみを用いて配合物を1つ調製した。各配合物の中の成分の量を表11に示す。Ethacure(商標)100無しにN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−TCDジアミンを入れた配合物は脆いことを確認した。その配合物に試験を受けさせた。これらの配合物が示した特性を表11に要約する。
【0148】
【表11】

【0149】
本資料のどこかで化学名または化学式を用いて反応体および成分を言及する場合、この言及が単数であるか或は複数であるかに拘らず、それらが別の物質[化学名または化学タイプで言及する](例えば別の反応体、溶媒など)に接触する前にそれらが存在するようにそれらを同定すると理解されるべきである。結果として生じる混合物または溶液または反応媒体中でどんな予備的化学変化、変換および/または反応(もしあれば)が起ころうとも問題でない、と言うのは、そのような変化、変換および/または反応は特定の反応体および/または成分を本開示に従って要求する条件下で一緒にする結果として自然に起こる事であるからである。このように、所望の化学操作もしくは反応の実施に関連してか或は所望の操作もしくは反応の実施で用いるべき混合物を生じさせる時に一緒にすべき材料であるとして反応体および成分を同定する。また、ある態様で物質、成分および/または材料を現在時制(「で構成させる」、「含んで成る」、「である」など)で言及することがあり得るかもしれないが、そのような言及は、本開示に従ってそれを他の1種以上の物質、成分および/または材料と最初に接触、ブレンドまたは混合する直ぐ前の時間にそれが存在していたように当該物質、成分または材料を言及するものである。
【0150】
また、物質を現在時制(例えば「含んで成る」、「である」など)で言及することがあり得るかもしれないが、そのような言及は、本開示に従ってそれを他の1種以上の物質と最初に接触、ブレンドまたは混合する直ぐ前の時間にそれが存在していたように当該物質を言及するものである。
【0151】
特に明記することができる場合を除いて、本明細書で用いる如き品詞「a」または「an」を用いる場合、その説明をその品詞が指す単一の要素に限定することを意図するものでなく、かつ限定するとして解釈されるべきでない。むしろ、本明細書で用いる如き品詞「a」または「an」を用いる場合、本文で特に明記しない限り、1種以上のそのような成分を網羅することを意図する。
【0152】
本明細書のいずれかの部分で示した特許も他の公開も出版された資料も各々および全てがあたかも本明細書に詳細に示すように引用することによって全体が本開示に組み入れられる。
【0153】
本発明は実施時にかなりの変形を受け易い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N,N’−ジ−5−ノニル−イソホロンジアミン、N,N’−ジ−2−(4−メチルペンチル)−イソホロンジアミン、N,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−TCDジアミンおよびN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−ジアミノヘキサンから成る群から選択した少なくとも1種の脂肪族第二級ジアミンと少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルアミンと少なくとも1種のイソシアネートを含んで成る材料から生じさせた配合物。
【請求項2】
前記材料が更に2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミンと4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミンとの混合物を含んで成る請求項1記載の配合物。
【請求項3】
前記脂肪族第二級ジアミンがN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−ジアミノヘキサンである請求項1または2記載の配合物。
【請求項4】
ポリウレタン、ポリ尿素またはポリ尿素−ウレタンの製造方法であって、N,N’−ジ−5−ノニル−イソホロンジアミン、N,N’−ジ−2−(4−メチルペンチル)−イソホロンジアミン、N,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−TCDジアミンおよびN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−ジアミノヘキサンから成る群から選択した少なくとも1種の脂肪族第二級ジアミンと少なくとも1種のポリオールおよび/または少なくとも1種のポリエーテルアミンと少なくとも1種のイソシアネートを一緒に混合することを含んで成る方法。
【請求項5】
前記材料が更に2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミンと4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミンとの混合物を含んで成る請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記脂肪族第二級ジアミンがN,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−ジアミノヘキサンである請求項4または5記載の方法。
【請求項7】
N,N’−ジ−(3,3−ジメチル−2−ブチル)−1,6−ジアミノヘキサンおよび2,4−ジエチル−6−メチル−1,3−ベンゼンジアミンと4,6−ジエチル−2−メチル−1,3−ベンゼンジアミンとの混合物を含んで成る鎖伸長剤。

【公開番号】特開2011−202180(P2011−202180A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144277(P2011−144277)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【分割の表示】特願2008−504021(P2008−504021)の分割
【原出願日】平成17年12月30日(2005.12.30)
【出願人】(594066006)アルベマール・コーポレーシヨン (155)
【Fターム(参考)】