説明

第1の電子装置と電源ユニットとを備える構成、および、電子装置の動作方法

第1の電子装置と電源ユニットとを備える構成、および、電子装置の動作方法。本発明は、第1の電子装置と、主電源10からの電気動作エネルギーを第1の電子装置2に供給するための電源ユニットを備える構成に関する。第1の電子装置2は評価ユニットと標準インターフェースを有する。評価ユニットは第1の電子装置2を動作状態から少なくとも省エネ状態の1つに、および、少なくとも省エネ状態の1つから動作状態に切り替える。標準インターフェースは、第1の電子装置2と第2の電子装置3を接続するためのものである。さらに、本発明は上記のように第1の電子装置2の動作方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の電子装置と、主電源からの電気動作エネルギーを電子装置に供給するための電源ユニットとを備える構成に関する。特に、省エネ状態を少なくとも1つ有する電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置の多くは、主電源からの電気動作エネルギーの供給のために、内蔵のまたは外付の電源ユニットを使用している。例えば、コンピュータスクリーン(例えば液晶モニター)、プリンタ、または、スキャナは、通常、動作のため、主電源に接続される。このような電子装置の多くは、装置の大部分の機能を停止する省エネ状態を少なくとも1つ有している。この省エネ状態では、電子装置の消費電力は大幅に抑制される。例えば、動作中の標準消費電力が40Wの液晶モニターは、バックライト、および/または、スケーリング機能を停止するいわゆるスタンバイモードになることで、わずか2〜4Wの消費電力になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、電子装置は、スタンバイモード、または、他の省エネ状態になってもなお、わずかに電気エネルギーを必要としている。この理由の1つは、電子装置が完全な動作モードに戻る時であるかを決定するために、電子装置に対する入力や接続をモニターする必要があるからである。例えば、プリンタは、ネットワークポートをモニターすることで、新たな有効な印刷ジョブを監視している。
【0004】
わずかな電力しか消費しない場合の電源ユニットの効率は通常低いものであるので、スタンバイモードにおけるエネルギー損失はトータルでは相当な量になるおそれがある。
【0005】
本発明は、省エネ状態おける電子装置のエネルギー消費を抑制することを目的の1つとする。これは、省エネ状態の電子装置のエネルギー消費を、ゼロ、または、ほぼゼロワットにすることに特化した試みである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の実施形態によると、第1の電子装置と、主電源からの電気動作エネルギーを第1の電子装置に供給する電源ユニットとを備える構成を提供できる。このとき、第1の電子装置は電源ユニットに接続された評価ユニットを有し、評価ユニットは第1の電子装置を動作状態から少なくとも省エネ状態の1つに、および、少なくとも省エネ状態の1つから動作状態に切り替える。さらに、評価装置は、第1の電子装置が省エネ状態に切り換えられた場合には電源ユニットを停止し、第1の電子装置が動作状態に切り替えられた場合には電源ユニットを動作させる。さらに、第1の電子装置は、第1の電子装置を第2の電子装置に接続するために、第2の電子装置から受け取った電気補助エネルギーを評価ユニットに供給する標準インターフェースを有する。
【0007】
少なくとも省エネ状態の1つにおいて、評価ユニットが電源ユニットを停止できるようにすることにより、電源ユニットの消費電力をゼロにすることができる。しかも、評価ユニットの継続動作が可能にするために、第2の電子装置が標準インターフェースから補助電気エネルギーを供給する。
【0008】
有利な実施形態によると、標準インターフェースは補助電線を有しており、評価ユニットはその補助電線に接続されている。このような補助電線は、グラフィックインターフェースや周辺機器インターフェースのような多くの標準インターフェースで利用可能であり、評価ユニットに簡単で電力効率のよい方法で、補助エネルギーを供給することができる。
【0009】
更なる実施形態によると、評価ユニットは第1または第2の電子装置の休止期間を決定するためのタイマに接続される。更なる実施形態では、タイマは第2の電子装置に配置され、標準インターフェース経由で評価ユニットに接続される。第1または第2の電子装置内のタイマに接続された評価ユニットにより、所定期間経過後、省エネ状態にされてもよい。
【0010】
更なる有利な実施形態によると、標準インターフェースは、第2の電子装置に第1の電子装置を接続するためのグラフィックインターフェース(例えば、VGA、DVI、HDMI、ディスプレイポート、または、SCART/AVインターフェース)である。また、第2の電子装置はコンピュータやレシーバである。
【0011】
イメージソース(例えば、コンピュータ、レシーバ、または、グラフィックインターフェースにより接続されるその他の電子装置)を備える構成において、イメージソースは、通常、第1の電子装置の省エネ状態を有効にしたり無効にしたりするための信号を制御供給する。この場合、イメージソースからの補助エネルギーを、第1の電子装置に電気補助エネルギーを供給するために使用してもよい。
【0012】
更なる有利な実施形態によると、第1の電子装置は、ディスプレイスクリーンおよびスケーリングユニットを備えるディスプレイである。このとき、スケーリングユニットは、グラフィックインターフェースおよびディスプレイスクリーンに接続され、グラフィックインターフェースから受信したグラフィック信号に基づいて、ディスプレイスクリーンのための出力信号を生成する。更なる実施形態によると、評価ユニットはスケーリングユニットに組み込まれる。一般に、評価ユニットをディスプレイ装置に組み込むことにより(とりわけスケーリングユニットに組み込むことにより)、ディスプレイ装置を有する多くの電子装置の中に評価ユニットを実装できる。
【0013】
更なる実施形態によると、スケーリングユニットはグラフィックインターフェースに接続されたマイクロコントローラを有しており、グラフィックインターフェースは、省エネモード中、マイクロコントローラに動作エネルギーを供給してもよい。なお、マイクロコントローラは、評価ユニットとして機能してもよい。更なる実施形態によると、マイクロコントローラは、さらに、動作モード中、スケーリングユニットための少なくとも1つの制御信号を生成する機能を有していてもよい。
【0014】
スケーリングユニットにマイクロコントローラを組み込むことにより、容易に評価ユニットを実装することができる。特に、マイクロコントローラが動作モード中の制御信号生成にも、省エネモード中の電源制御にも使用されるのであれば、評価ユニットを実装するための追加の構成要素は必要ない。
【0015】
更なる有利な実施形態によると、電源は、第1の電子装置に接続された電源ユニットを制御するためのスイッチング素子を有し、評価ユニットは、省エネ状態の間、そのスイッチング素子を解放する。省エネ状態でスイッチング素子を解放することにより、電源ユニットを停止することができる。
【0016】
更なる有利な実施形態によると、スイッチング素子は主電源と電源ユニットの間の第1の電線上に配置されており、そのスイッチング素子を解放することによって電源ユニットが停止される。更なる実施形態によると、そのスイッチング素子は電源ユニットと主電源を電気的に切り離すためのリレーを有している。第1の電線上に配置されたスイッチング素子(例えばリレー)を使用することにより、電源ユニットを主電源から電気的に切り離すことができる。
【0017】
更なる実施形態によると、電源ユニットと主電源を接続するバイパススイッチがスイッチング素子に平行に配置されている。バイパススイッチを使用することにより、電源ユニットは手動で再動作される。
【0018】
更なる有利な実施形態によると、電源ユニットはスイッチングパワーコンバータを有し、そして、スイッチングパワーコンバータはパルス幅変調制御信号を使用してスイッチングパワーコンバータのデューティサイクルを制御する半導体スイッチを少なくとも1個有しており、そして、電源ユニットはパルス幅変調制御信号を停止することによって停止する。パルス幅変調制御信号を停止することによって、電源ユニットに何ら部品を追加することなく、スイッチングパワーコンバータを停止することができる。
【0019】
更なる実施形態によると、評価ユニットのマイクロコントローラによりパルス幅変調制御信号が供給される。パルス幅変調制御信号の生成機能を評価ユニットの機能に組み込むことによって、省エネ状態を有する構成を実現するのに必要な部品の数をさらに減少できる。事実、電子装置が電源のスイッチを制御するマイクロコントローラをすでに有しているのであれば、追加の電子部品は必要ない。
【0020】
本発明の第2の実施形態によると、省電力状態と動作状態を有する第1の電子装置の祖動作方法を提供する。この方法は、
第1と第2の電子装置を接続する標準インターフェースにより、第2の電子装置から電気補助エネルギーを受け取るステップと、
受け取った電気補助エネルギーで、第1の電子装置の評価ユニットを動作させるステップと、
評価ユニットを使って活性化信号を検出するステップと、
評価ユニットに接続された電源ユニットを、第1の電子装置に電気動作エネルギーを供給するために動作させ、第1の電子装置を動作状態に切り換えるステップと、
から構成される。
【0021】
上記方法により、第1の電子装置の電源ユニットを常時動作させることなく、第1の電子装置を省エネ状態から動作状態にすることができる。
【0022】
更なる有利な実施形態は、この明細書に添付の特許請求の範囲、および、以下に詳述される。
【0023】
本発明の実施形態は以下の図を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1と第2の電子装置を備える構成に関する略図である。
【図2】第1の電子装置の動作方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、第1の電子装置2を備える構成1を示した図である。第1の電子装置2は第2の電子装置3に接続されている。第2の電子装置3は、例えば、コンピュータ、もしくは、同様の電子装置である。第1の電子装置2は周辺機器、例えば、コンピュータモニターやプリンタである。
【0026】
第1の電子装置2と第2の電子装置3は、1つまたは複数の標準インターフェース4によって接続されている。図1に示した実施例では、4つの標準インターフェース4a〜4dが、第1の電子装置2と第2の電子装置3を接続するのに利用される。例えば、第1の標準インターフェース4aはディスプレイポートインタフェースであり、第2の標準インターフェース4bはVGAインターフェースであり、第3の標準インターフェース4cはDVIインターフェースであり、そして、第4の標準インターフェース4dはHDMIインターフェースである。
【0027】
さらに、図1に示したように、第1の電子装置2は4つの第1のコネクタ5a〜5dを備え、第2の電子装置3はそれぞれ標準インターフェース4a〜4dに対応する4つの第2のコネクタ6a〜6dを備えている。なお、第1の電子装置2と第2の電子装置3は、それぞれ異なった数と種類の標準インターフェース4、第1のコネクタ5、および、第2のコネクタ6を備えていてもよい。本発明の構成1においては、1個の互換性のある標準インターフェース4を、第1の電子装置2および第2の電子装置3で共有すれば十分である。
【0028】
第1の電子装置2は電源ユニット7に接続されている。電源ユニット7は第1の電子装置2に内蔵されていてもよいし、外付であってもよい。電源ユニット7は第1の電子装置を主電源10に接続する。そのために、電源ユニット7はAC/DCパワーモジュール11、リレー12、スイッチ13、およびコンデンサー14を備える。
【0029】
AC/DCパワーモジュールを主電源10の1つまたは2つの端子に接続するにあたっては、リレー12もしくはスイッチ13を使用してもよい。スイッチ13とリレー12の両方が解放されると、AC/DCパワーモジュール11は主電源10から物理的に切断され、電気エネルギーが全く消費されない状態になる。スイッチ13を解放することによって、以下に説明するように、第1の電子装置は省エネモードになる。また、スイッチ13を閉じることによって、第1の電子装置は従来どおり動作する。
【0030】
第1の電子装置2は、スケーラーボード8と液晶(LCD)パネル9から構成される。スケーラーボード8は、スケーラーチップ15、DC/DCコンバータ16、および、マイクロコントローラ17から構成される。スケーラーチップ15は、液晶パネル9のための適切な駆動信号を生成するために、標準インターフェース4a〜4dのいずれか1つから受け取ったアナログもしくはデジタルデータをスケーリングするよう構成される。例えば、MStar社の集積回路MST6251DA−LF−165が使用される。DC/DCコンバータ16は、標準インターフェース4a〜4dのいずれか1つから供給された補助電圧VAUXを、マイクロコントローラ17に供給するための電圧VCCに変換するためのものである。
【0031】
マイクロコントローラ17は、標準インターフェース4に接続された割込線18、19およびAC/DCパワーモジュール11をそれぞれモニターしている。第1の割込線18は、例えば、標準インターフェース4a〜4dの1つまたは複数の中の一部である垂直および/または水平同期信号に接続される。マイクロコントローラ17が、第1の割込線18上に割り込み信号(例えば、VGAインターフェース4bを経由して供給された水平および/または垂直同期信号の立ち上がりまたは立ち下がり)を検出すると、マイクロコントローラ17は信号線20を使って電源ユニット7のリレー12を閉じる。第2の割込線19は、AC/DCパワーモジュール11がAC入力電圧(すなわち主電源10)を備えているかどうかを示している。すなわち、第2の割込線19は、リレー12もしくはスイッチ13が閉じているかどうかを示している。第2の割込線19がACパワーを指し示している場合、第1の電子装置はマイクロコントローラ17によって動作状態に切り換えられる。そうでない場合、第1の電子装置は省エネ状態に切り換えられる。省エネ状態において、マイクロコントローラは第2の電子装置3によって補助エネルギーだけを供給されるか、もしくは、完全にスイッチを切られる。
【0032】
例えばスイッチ13が閉じられるならば、第2の電子装置3から独立して電源ユニット7を永続的に動作させるために、マイクロコントローラ17もまたリレー12を閉じてもよい。このように、マイクロコントローラ17は、一般に第1の電子装置2を起動するために、特にスケーラーボード8を起動するために、主電源10からあらかじめ切断されていた電源ユニット7を動作させてもよい。逆に、マイクロコントローラ17が、第1の電子装置2の使用停止を第1の割込線18またはアイドルタイマーによって検知したなら、マイクロコントローラ17は制御ライン20を使ってリレー12を解放し、その結果としてAC/DCパワーモジュール11を主電源10から切断してもよい。電源ユニット7から独立してマイクロコントローラ17を動作させるために、マイクロコントローラ17は、例えばMyson CS8955マイクロコントローラのように、あまり電力を消費しない方が望ましい。
【0033】
マイクロコントローラ17は、直接(すなわち更なる増幅回路なしで)リレー12を動作させるためのエネルギーを制御、供給するために使用されてもよい。このとき、コンデンサー14を、リレー12の状態変更に必要なエネルギーを供給するのに使用してもよい。一般的なマイクロコントローラの電流運転能力すなわち出力は限られており、この出力はリレー動作すなわちリレーの状態の変化に十分な出力ではない。例えばリレーコイルラッチングに必要な電力は通常150mWから200mWであり、マイクロコントローラの汎用出力ピンの最大出力は一般的に40mW未満である。これは、通常のリレーラッチングに必要な電力よりも少ない。この問題を解決するために、ラッチングリレー12に平行にシリアルコンデンサー14を配置する。このシリアルコンデンサー14は、最終的に、マイクロコントローラ17により充電され、リレーラッチング動作に必要な電力を供給する。
【0034】
ここで、ディスプレイ装置にはよく知られた規格の省エネモードが存在する点に注意する必要がある。特に、VESA DPMS規格のスリープモードでは、電気補助エネルギーはコンピュータのグラフィック部品によって供給される。このモードでは、第1の電子装置2(例えば液晶モニター)の電力消費量を補助電力(例えば250mW未満)以下に制限することによって、電源ユニット7を停止する。VESA DPMS規格のオフモード(すなわち、コンピュータがスタンバイに切り換えられるか、または完全にオフにされた状態)では、電気補助エネルギーもまた切断され、その結果、第1の電気装置のエネルギー消費はゼロになる。それにもかかわらず、第1の電子装置2は、以下に説明するように、どんなユーザーインタラクションもなしに起動され動作状態になる。
【0035】
図2は、本実施形態にかかる第1の電子装置2を操作するための方法のフローチャートである。
【0036】
最初のステップ21では、第1の電子装置2と第2の電子装置3を接続する標準インターフェース4より補助電圧VAUXを受け取る。例えば、ディスプレイポートコネクタ5aは20番ピンより最大電流500mAの3.3V電圧を受け取る。VGAコネクタ5bは8番ピンより最大電流50mAの5V電圧を受け取る。DVIコネクタ5cは、14番ピンより最大電流50mAの5V電圧を受け取る。HDMAコネクタ5dは、18番ピンより最大電流50mAの5V電圧を受け取る。このように、標準インターフェース4a〜4dのいずれか1つによって、少なくとも250mWの補助エネルギーを得ることができる。
【0037】
また、他のタイプの標準インターフェースによって補助電圧を供給してもよい。例えば、他の周辺機器をコンピュータ・システムに接続するのによく使用するUSBポートは、1番ピンより5Vの電圧を供給する。また、シリアル、パラレルポートまたはIEEE1394インターフェースなどの標準インターフェースは、3.3Vもしくは5Vの電圧を供給する。加えて、他のタイプの信号(例えばクロック信号)に含まれる電気エネルギーを、例えば、交流成分を整流することによって、または、変調信号を直流にすることによって、補助電気エネルギーに変換してもよい。
【0038】
2番目のステップ22では、第1の電子装置2の評価ユニットが操作される。図1の例となる実施形態では、マイクロコントローラチップ17は評価ユニットとして機能しており、標準インターフェース4の中の1つより受け取った補助エネルギーを使って動作する。第1のコネクタ5a〜5dのいずれか1つより受け取った補助電圧VAUXをマイクロコントローラ17の所要の電圧に合わせるため、DC/DCコンバータ16が使用される。例えば、DC/DCコンバータ16は第1のコネクタ5a〜5dより供給された様々な補助電圧を一般的な3V電圧に変換するダウンコンバータであってもよい。
【0039】
省電力モード中(すなわち、電源ユニット7が停止しているとき)、一般に第1の電子装置2のわずかな機能素子、特にスケーラーボード8に、DC/DCコンバータ16より生成された補助パワーが供給される。特に、スケーラーチップ15は完全に停止される。マイクロコントローラ17は、完全なスイッチオンモードのときより、より低い電圧、もしくは、より低い周波数で動作してもよい。加えて、図1に示していないスケーラーボード8のさらなる部品(例えば、低電圧差動信号回路のアナログ−デジタルコンバータ)を停止してもよい。
【0040】
さらにステップ23では、評価ユニットが活性化信号を検出する。例えば、マイクロコントローラ17が、第1の割込線18により標準インターフェース4a〜4dの1つから供給された同期信号を検出してもよい。あるいは、電源ユニット7それ自身、または、マイクロコントローラ17内蔵のタイマ回路から別の活性化信号を受け取ってもよい。更なる実施例では、第2の電子装置3から標準インターフェース4a〜4d経由で同期信号の形の信号が供給されないなら、マイクロコントローラ17は、標準インターフェース4a〜4dの1つを所定の時間間隔で自ら監視し、電源ユニット7とスケーラーボード8を動作させてもよい。
【0041】
さらにステップ24では、電源ユニット7がスイッチオンされる。例えば、AC/DCパワーモジュール11を主電源10に接続する。図1に示した実施例によると、リレー12を閉じる。望ましくは、リレー12は、ラッチング光電気リレー、ソリッドステートリレー、または電気機械ラッチングタイプのリレーである。ラッチングリレーは、特定のスイッチ状態を維持するためにエネルギーを必要としないという利点がある。光電気リレーもしくはソリッドステートリレーには、電気機械リレーに対してリレーの摩耗が大幅に減少するという利点がある。その結果、より長い期間にわたってリレー12の動作を保証できる。上記詳細において、コンデンサー14は事前に充電され(第1フェーズ)、リレー12はその事前に充電したエネルギーを使用して切り替えられる(第2フェーズ)。
【0042】
さらにステップ25では、電源ユニットが電子装置2に動作電圧Vを供給する。特に、AC/DCパワーモジュール11は、スケーラーボード8を動作させるための供給電圧Vを生成する。また、評価ユニット(例えば、マイクロコントローラ17)は、電源ユニット7が現在スイッチオンされ第1の電子装置2が動作モードであることを確認するためのフィードバック信号をAC/DCパワーモジュール11から受け取る。この動作モードでは、マイクロコントローラ17は、第2の電子装置3から受信したスイッチオフ信号を検出するために標準インターフェース4a〜4dをモニターし続けてもよい。この場合、評価ユニット4は、制御線20とリレー12によって電源ユニット7を停止してもよい。このステップは図2には示していない。
【0043】
推奨の実施例では、マイクロコントローラ17はAC/DCパワーモジュール11の操作を制御する。ここで、AC/DCパワーモジュール11はスイッチングパワーコンバータを備えていてもよい。マイクロコントローラ17はスイッチングパワーコンバータを制御するために、汎用I/O(GPIO)ピンを通してパルス幅変調制御信号を供給してもよい。スイッチング電源のクローズド・ループ・コントロールを可能にするため、電源7からのフィードバックピン(例えば、制御線19)を、AC/DCパワーモジュール11を制御するのに使用してもよい。
【0044】
省エネモードにおいて、マイクロコントローラ17はパルス幅変調制御信号を完全に停止することによって、電源ユニット7を停止する。この場合、電源ユニット7に追加のリレー12を設置する必要はない。もちろん、パルス幅変調制御信号とリレー12両方を使用してもよい。例えば、マイクロコントローラ17により、AC主電源10とAC/DCパワーモジュール11の入力の間に配置されたリレー12、並びに、AC/DCパワーモジュール11の出力もしくは近くに配置されたスイッチング素子を停止する。
【0045】
さらに、電源ユニット7は、第1の電子装置2に内蔵されていてもよいし、外付であってもよい。最後に、図1に別々の構成要素として示されている機能要素は、1個の半導体回路に集積されてもよいし、いくつかの半導体回路に分けて実装されてもよい。例えば、スケーラーチップ15とマイクロコントローラ17の機能は、受信データ信号のスケーリングに関する機能を非活性化できる限り、1個の一般的なチップに統合できる。
【0046】
最後に、本実施形態で説明した回路と方法は、コンピュータと接続モニター、もしくは、他の周辺機を備える構成に制限されない。同様に、これらは、スレーブとして機能する第1の電子装置と、マスターとして機能する第2の電子装置とを備えるどのような構成にも使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電子装置(2)と、第1の電子装置(2)に主電源(10)からの電気動作エネルギーを供給する電源ユニット(7)を備える構成であって、
前記第1の電子装置(2)は、
前記電源ユニット(7)に接続されており、前記第1の電子装置(2)を動作状態から少なくとも省エネ状態の1つに、および、少なくとも省エネ状態の1つから動作状態に切り替え、前記第1の電子装置(2)が省エネ状態に切り換えられた場合には前記電源(7)を停止させ、前記第1の電子装置(2)が動作状態に切り替えられた場合には前記電源(7)を動作させる評価ユニットと、
前記第1の電子装置(2)を前記第2の電子装置(3)に接続するために、前記第2の電子装置(3)から受け取った補助電気エネルギーを前記評価ユニットに供給する標準インターフェース(4)と、を備える、
ことを特徴とする構成(1)。
【請求項2】
前記標準インターフェース(4)は補助電線を有しており、前記評価ユニットはその補助電線に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の構成(1)。
【請求項3】
前記評価ユニットは、前記第1の電子装置(2)または前記第2の電子装置(3)の休止期間を決定するためのタイマに接続されることを特徴とする請求項1または2に記載の構成(1)。
【請求項4】
前記タイマは、前記第2の電子装置(3)に配置され、前記標準インターフェース(4)経由で前記評価ユニットに接続されていることを特徴とする請求項3に記載の構成(1)。
【請求項5】
前記標準インターフェース(4)は、前記第2の電子装置(3)に前記第1の電子装置(2)を接続するためのグラフィックインターフェース(例えば、VGA、DVI、HDMI、ディスプレイポート、または、SCART/AVインターフェース)であり、
前記第2の電子装置(3)は、コンピュータ、レシーバまたはその他のイメージソースである、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の構成(1)。
【請求項6】
前記第1の電子装置(2)は、ディスプレイスクリーンおよびスケーリングユニットから構成されるディスプレイ装置であり、
前記スケーリングユニットは、前記グラフィックインターフェースと前記ディスプレイスクリーンに接続され、前記グラフィックインターフェースから受信したグラフィック信号に基づいて、前記ディスプレイスクリーンのための出力信号を生成する
ことを特徴とする請求項5に記載の構成(1)。
【請求項7】
前記評価ユニットは前記スケーリングユニットに組み込まれている
ことを特徴とする請求項6に記載の構成(1)。
【請求項8】
前記スケーリングユニットは、省エネルギー状態の中の省電力状態中、マイクロコントローラ(17)に動作エネルギーを供給するための前記グラフィックインターフェースに接続されたマイクロコントローラ(17)を備える
ことを特徴とする請求項7に記載の構成。
【請求項9】
前記マイクロコントローラ(17)は、さらに、動作モード中、前記スケーリングユニットための少なくとも1つの制御信号を生成する
ことを特徴とする請求項8に記載の構成。
【請求項10】
前記電源ユニット(7)は、前記第1の電子装置(2)に組み込まれている
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の構成(1)。
【請求項11】
前記電源ユニット(7)は、前記第1の電子装置(2)に接続された電源ユニット(7)を制御するためのスイッチング素子を有し、
前記評価ユニットは、省エネ状態の間、前記スイッチング素子を解放する、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の構成。
【請求項12】
前記スイッチング素子は前記主電源(10)と前記電源ユニット(7)の間の第1の電線上に配置され、
前記スイッチング素子を解放することによって前記電源ユニット(7)を停止する、
ことを特徴とする請求項11に記載の構成(1)。
【請求項13】
前記スイッチング素子は前記電源ユニット(7)から前記主電源(10)を電気的に切り離すためのリレー(12)を有している、
ことを特徴とする請求項12に記載の構成(1)。
【請求項14】
前記電源ユニット(7)と前記主電源(10)を接続するためのバイパススイッチ(13)が、前記スイッチング素子に平行に配置されている、
ことを特徴とする請求項12または13に記載の構成(1)。
【請求項15】
前記電源ユニット(7)はスイッチングパワーコンバータを有し、
前記スイッチングパワーコンバータは、パルス幅変調制御信号を使用して前記スイッチングパワーコンバータのデューティサイクルを制御するための半導体スイッチを少なくとも1つ有しており、
前記電源ユニット(7)は、前記パルス幅変調制御信号が停止されることによって停止する、
ことを特徴とする請求項11に記載の構成(1)。
【請求項16】
前記評価ユニットのマイクロコントローラ(17)により前記パルス幅変調制御信号が供給される
ことを特徴とする請求項15に記載の構成(1)。
【請求項17】
省エネ状態と動作状態を持つ第1の電子装置(2)を操作するための方法であって、
前記第1の電子装置(2)と第2の電子装置(3)とを接続する標準インターフェース(4)を使って、前記第2の電子装置(3)から電気補助エネルギーを受け取るステップと、
電気補助エネルギーを受け取って、前記第1の電子装置(2)の評価ユニットを動作するステップと、
前記評価ユニットを使用して活性化信号を検出するステップと、
前記評価ユニットに接続された電源ユニット(7)を、前記第1の電子装置(2)に電気動作エネルギーを供給するために動作させることによって、前記第1の電子装置(2)を動作状態に切り替えるステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項18】
前記評価ユニットを使用して非活性化信号を検出するステップと、
前記電源ユニット(7)を停止することによって、前記第1の電子装置(2)を省エネ状態に切り替えるステップと、
をさらに有することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記活性化信号もしくは前記非活性化信号の少なくとも1つが、前記標準インターフェース(4)経由で前記第2の電子装置(3)から供給される
ことを特徴とする請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記標準インターフェース(4)からの前記電気補助エネルギーの供給が活性化信号として機能することを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記標準インターフェース(4)からの少なくとも1つの同期信号の供給が前記活性化信号として機能することを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−503692(P2011−503692A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531476(P2010−531476)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【国際出願番号】PCT/EP2008/056431
【国際公開番号】WO2009/056370
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(500137828)フジツウ シーメンス コンピューターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (5)
【Fターム(参考)】