説明

筆穂

【課題】 獣毛と先端をテーパー化した合成樹脂製筆毛とを混毛したものの場合、獣毛ゆえの欠点を合わせ持たざるを得ず、又、クリンプの波長が各々相違する多数の合成樹脂製筆毛よりなるものの場合、空間率が大きくなり易く、腰が弱くなり、使用感が悪くなるといった問題を有していた。また、先端をテーパー化した合成樹脂製筆毛を用いて、ストレートな大径と小径と断面形状が異形な筆毛を混毛した筆穂は、塗布液の掻き取り性は良いが、塗布液が溝に入り込み易く、塗布液の吐出が悪いといった問題が残されていた。
【解決手段】 合成樹脂製の複数種のフィラメントを混毛し束ねた塗布ブラシにおいて、前記複数種のフィラメントの少なくとも1種のフィラメントの表面に算術平均高さ(Ra)が10nm〜30nmで、かつ、最大高低差(Rz)が120nm〜300nmの微細な凹凸を形成したことを特徴とする塗布ブラシ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスカラやリップブラシなどの化粧液、筆跡修正液、化粧ブラシ、漆器用といったパウダーや高粘度インキを塗布するブラシに関し、塗布液の保持性と吐出が良好で、塗布時のタッチを滑らかにした塗布ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、筆などの筆穂は、馬や鹿、豚、鼬、狸、栗鼠、貂、羊などの獣毛を使用しており、使用目的、使用者の好みなどによって筆穂の硬さ、太さなどを調整するために、上記獣毛の種類や組み合わせ方を変えて製品としている。一般的には、筆毛のテーパー形状が長くその表面状態が繊細で先端部に弾力がある獣毛のみで作った筆穂の品質が良いとされている。特に、鼬毛、羊毛、貂毛がその代表である。しかし、獣毛は天然物であるため、品質が一定なものが得難く、任意の寸法形状のものとすることが困難であり、耐摩耗性が低いとかいった問題があり、更には、鼬、狸、貂の収穫量の減少による高価格化といった問題もある。
【0003】
そこで、筆穂を形成する獣毛の代わりに合成樹脂製筆毛を用いることが行われている。合成樹脂製繊維の先端をテーパー化し、獣毛のような合成樹脂製筆毛となすためには、合成樹脂製繊維を溶解または分解する処理液に接触させる方法などが提案されている。(特許文献1参照、特許文献2参照)。
【0004】
ところで、先端をテーパー化した合成樹脂製筆毛を用いた筆穂は、塗布液の保持力が低いといった問題や塗布した際、吐き出しが悪いといった問題を有している。これを解決するために、獣毛と先端をテーパー化した合成樹脂製筆毛とを混毛してなる筆穂(特許文献3参照)や波状に皺曲(クリンプ)して、その波長が各々相違する多数の合成樹脂製筆毛よりなる筆穂(特許文献4参照)や、先端をテーパー化した合成樹脂製筆毛を用いて、ストレートな大径と小径と断面形状が異形な筆毛を混毛した筆穂(特許文献5参照)などが提案されている。
【特許文献1】特公昭49−6159号公報(特許請求の範囲)。
【特許文献2】特公昭60−30556号公報(第3欄第24行目〜第4欄15行目)。
【特許文献3】特開昭63−102998号公報(特許請求の範囲)。
【特許文献4】(実開昭62−114781号公報(実用新案登録請求の範囲)。
【特許文献5】実開平4−124683号公報(実用新案登録請求の範囲)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記獣毛と先端をテーパー化した合成樹脂製筆毛とを混毛したものの場合、獣毛ゆえの欠点を合わせ持たざるを得ず、又、クリンプの波長が各々相違する多数の合成樹脂製筆毛よりなるものの場合、空間率が大きくなり易く、塗布性は向上するが、腰が弱くなりの使用感が悪くなったり、空間が大きいため、ソフトタッチになり、含みは良いが表面の塗布液の掻き取り性が悪くなるといった問題を有していた。また、先端をテーパー化した合成樹脂製筆毛を用いて、ストレートな大径と小径と断面形状が異形な筆毛を混毛した筆穂は、塗布液の掻き取り性は良いが、塗布液が溝に入り込み易く、塗布液の吐出が悪いといった問題が残されていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、合成樹脂製の複数種のフィラメントを混毛し束ねた塗布ブラシにおいて、前記複数種のフィラメントの少なくとも1種のフィラメントの表面に算術平均高さ(Ra)が10nm〜30nmで、かつ、最大高低差(Rz)が120nm〜300nmの微細な凹凸を形成したことを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る塗布ブラシは、合成樹脂製の複数種のフィラメントを混毛し束ねた塗布ブラシにおいて、前記複数種のフィラメントの少なくとも1種のフィラメントの表面に算術平均高さ(Ra)が10nm〜30nmで、かつ、最大高低差(Rz)が120nm〜300nmの微細な凹凸を形成しているので、塗布液の保持性と吐出を良好にし、塗布時の使用感を滑らかくした塗布ブラシが得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について説明する。図1において、参照符号1は化粧ブラシ用の塗布ブラシであり、この塗布ブラシ1は、前軸2に挿入固定され、この前軸2は、軸3の前端に挿入固定され筆を形成している。また、塗布ブラシ1は、先端をテーパー加工した表面に形状が部分的に異なる微細な複数の凹部4aと凸部4bとを隙間無く連続的にランダムに配置すると共に、それら凹部4aと凸部4bに角部4cを形成したフィラメント4と、先端をテーパー加工したクリンプを有するフィラメント5と、先端をテーパー加工したストレートなフィラメント6とを用いて長手方向に集束し、後端部を熱溶着や接着剤による接着などの方法により固着して形成したものである。
【0009】
尚、前記フィラメント4の凹部4aや凸部4bに、そのフィラメント4の長手方向に向かって抉られた凹陥部4dを形成しても良い。その凹陥部4dにも塗布液を保持させることができ、長時間に渡って塗布することができる。
また、本実施例においては、化粧用ブラシの塗布ブラシ1を1例として説明するが、これに限られることはなく、たとえば、マスカラブラシやリップブラシ、修正液、漆器用などのフィラメントに適用させても良い。
また、塗布ブラシ1の構成としては、フィラメントを束ねて、後端部を熱溶着や接着剤等で固定した構成について説明しているが、これに限られることはなく、例えば、フィラメントを金属製の芯線間に、これと交差状に配し、芯線を螺旋状に巻回するといった種々の構成に適用が可能である。
【0010】
フィラメントに使用している合成樹脂製の繊維材質としては、ポリアミド(6、6−ナイロン、6−ナイロン、12−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロンなど)ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど)、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合物などを用いることができるが、各フィラメントの材質は同一であっても異なっていても良い。
【0011】
表面に角部が形成された微細な複数の凹部4aと凸部4bとを隙間無く連続的にランダムに配置すると共に、その凹部4aや凸部4bに長手方向に向かって抉られた凹陥部4dを形成したフィラメント4の市販品としては、タイネックスブラッシュフィラメント:Roundタイプ The non-smooth and random surface finish of Tynex natrafil 符号TYNF0901HN(材質:ナイロン、米国デュポン(株)製)が挙げられる。
尚、本例においては、角部4cが形成された凹部4aや凸部4bに長手方向に向かって抉られた凹陥部4dを形成しているが、必ずしも必要な構成ではない。しかし、凹陥部4dを形成することによって塗布液の掻き取り性と保持性が向上するものとなる。
また、本例における角部4cは、鈍角や鋭角をなしているが、部分的に円弧状をなしていても良い。さらに、それら鈍角や鋭角からなる角部4cは、前記凹部や凸部に必ずしも必要ではないが、塗布液の掻き取り性を考慮すると多くの凹部や凸部に形成されているのが好ましい。
【0012】
前記合成樹脂製繊維の先端をテーパー化し塗布ブラシとなすには、前記したように、処理液による方法が好ましく、具体的一例としては、ポリアミドに対してメタクレゾールと塩化カルシウム−メタノール溶液との混和液、ポリエステルに対して水酸化ナトリウム水溶液などの組み合わせが挙げられる。但し、必ずしもこの方法に限定されるものではなく、例えば、合成樹脂製繊維に熱延伸を与えてテーパー状に引き伸ばす・グラインダー研磨など機械的にテーパー化するなどの他の方法を採用しても良い。
今回は、化粧ブラシの例を挙げて説明したが、製作する製品によっては、フィラメントにテーパーを施さずに使用しても良い。例えば、スクリュータイプのマスカラブラシなどがその例である。
【0013】
塗布ブラシ1に用いるフィラメントの径D(直径)は、製造用途又は大きさ(太さ及び長さ)によっても異なるが、本発明に係る化粧ブラシ用の塗布ブラシ1におけるフィラメント4、5、6は、0.05〜0.16mmのものを用いることが好ましい。尚、ここでいうフィラメントの径とは、テーパー加工されていない部分の径をいうものである。
【0014】
ここで、表面に微細な凹部4aと凸部4bを連続して形成すると共に、それら凹部4aと凸部4bに角部4cを形成したフィラメント4を使用する目的は、塗布液の掻き取り性と保持性、並びに、微細な凹部4aからの吐出性を良くする目的で使用するものである。その状態としては、フィラメントの表面に微細な凹部4aと凸部4bを連続して形成すると共に、それら凹部4aと凸部4bに角部4cを形成し、また、それらの凹部4aや凸部4bに長手方向に向かって抉られた凹陥部4dを形成していることが好ましい。その理由としては、フィラメントの表面には、平坦部分がなく、角部4cが形成された微細な凹部4aと凸部4bが隙間無く連続的に存在しているため、塗布液が微細な凸部4bや角部4cによって掻き取リ易く、また、微細な凹部4aに保持されやすいのである。その結果、フィラメントの表面の全体に塗布液が付着しやすく、また、塗布する際には表面からの塗布液の離れが良く、即ち、微細な凹部からの吐出が良く、塗布液が塗布するものに対して容易に転写することができるのである。
ちなみに、断面形状が異形のフィラメントは、凸部が軸方向に連続しているので、その軸方向の垂直方向に対しては、凸部の塗布液の掻き取り性は良いが、軸方向においては掻き取り性が悪く、さらに、フィラメントの表面は平坦状をなしているので、掻き取り性や保持性が悪く、それ故に、少量の塗布液しか保持させることができず、長時間に渡る塗布には些か不便性を感じさせるものである。また、凹部や凸部が形成されたフィラメントもあるが、その凹部と凸部の間隔が大きく、塗布液の掻き取り性は良いが、保持性は悪いものとなってしまっている。つまり、凹部と凸部の間隔が広いため、その凹部と凸部間に形成される平坦部には塗布液が保持されないのである。
尚、フィラメント4は、直径が0.05〜0.10mmの範囲が好ましく、この範囲であれば何種類使用しても良い。
【0015】
表面に角部が形成された微細な複数の凹部4aと凸部4bとを隙間無く連続的にランダムに配置すると共に、その凹部4aや凸部4bに長手方向に向かって抉られた凹陥部4dを形成したフィラメント4は、凸部4bと凹部4aの最大高低差が300nm〜120nmの間が好ましい。その理由は、凸部4bと凹部aの最大高低差が120nm以下であると、高低差が微細すぎて塗布液の掻き取リ性が悪くなったり、また、微細な凹部4aに保持され難くなり、その結果、フィラメントの表面の全体に塗布液が付着しにくく、塗布液の吐出が悪くなる問題がある。また、凸部4bと凹部aの最大高低差が300nm以上であると、高低差が大きくなりすぎて、塗布液の掻き取り性は良いが高低差が大きいため、塗布液の掻き取り性のバラツキが大きくなったり、塗布液が凹部4aに入り込みやすく、塗布液が塗布する際に表面から離れが悪くなり、その結果、フィラメントの表面に塗布液が均一に付着しにくく、ある部分では吐出が良く、ある部分では吐出が悪いといった問題があるからである。
又、表面に角部が形成された微細な複数の凹部4aと凸部4bとを隙間無く連続的にランダムに配置すると共に、その凹部4aや凸部4bに長手方向に向かって抉られた凹陥部4dを形成したフィラメント4は、凸部4bと凹部4aの高低差の算術平均高さが10nm〜30nmの間が好ましい。その理由は、凸部4bと凹部aの最大高低差の算術平均高さが10nm以下であると、最大高低差の算術平均高さが微細すぎて塗布液の掻き取リ性が悪くなり、微細な凹部4aに塗布液が保持され難くなり、その結果、フィラメントの表面の全体に塗布液が付着しにくく、塗布液の吐出が悪くなる問題がある。また、凸部4bと凹部aの最大高低差の算術平均高さが30nm以上であると、高低差の算術平均高さが大きくなりすぎて、塗布液の掻き取り性は良いが高低差の算術平均高さが大きいため、塗布液の掻き取り性のバラツキが大きくなったり、塗布液が凹部4aに入り込みやすく、塗布液が塗布する際に表面から離れが悪くなる問題や、フィラメントの表面に塗布液が均一に付着しにくく、ある部分では吐出が多く、ある部分では吐出が悪いといった塗布液の吐出のバラツキが生じるからである。
【0016】
クリンプを有するフィラメント5は、塗布液の保持性及び使用感を柔らかくする目的のために使用するものであって、そのクリンプ状態としては種々のものが採用できる。その直径としては、0.05mm〜0.10mm程度が好ましい。その理由は、直径が0.05mmに満たないとテーパー加工上テーパーが形成されていない粗い毛が混入することがあり、直径が0.10mmを超えると塗布時の肌当たりがハードになり使用感が悪くなるからである。
尚、フィラメント5のクリンプのピッチPは、1.0mm〜6.0mmのものを、クリンプ高さHは、0.02mm〜1.0mmのものを用いることが好ましい。又、尚、フィラメントの直径Dが0.05〜0.10mmの範囲であれば、何種類使用しても良い。
【0017】
ストレートな断面形状が円形なフィラメント6は、塗布時の腰安定と筆穂のまとまりを良くする目的で使用するものである。その直径としては、0.05mm〜0.16mm程度のものが好ましい。その理由としては、直径が0.05mmに満たないとテーパー加工上、そのテーパーが形成されていない粗い毛が混入することがあり、直径が0.16mmを超えると塗布時の腰が硬くなってしまい使用感が悪くなるからである。
【0018】
断面形状が異形なフィラメント7は、塗布時の塗布液の保持性を良くする目的で使用するものである。その直径としては、0.07mm〜0.16mm程度が好ましい。その理由は、0.07mmに満たないと空間率が小さくなりすぎて塗布液の保持性が悪くなるからであり、直径が0.16mmを超えると空間率が大きくなりすぎて塗布ブラシ1のまとまりが悪くなるからである。
【0019】
本発明の塗布ブラシ1を製造するに当たっては、表面に微細な凹部4aと凸部4bを連続して形成すると共に、それら凹部4aと凸部4bに角部4cを形成したフィラメントを少なくとも混毛し、後端を溶着・接着又は、後部を糸などで縛ってフィラメントの脱落を防止して塗布ブラシ1となす訳であるが、混毛された塗布ブラシ1は、表面に微細な凹部4aと凸部4bを連続して形成すると共に、それら凹部4aと凸部4bに角部4cを形成したフィラメント4とクリンプを有するフィラメント5とストレートな断面形状が円形なフィラメント6がお互いに均一に配列されていることが好ましい。今回使用したフィラメント4は、表面に微細な凹部4aと凸部4bを連続して形成すると共に、それら凹部4aと凸部4bに角部4cを形成したものを含む3種類のフィラメントを使用したが、これに限られることはなく、表面に微細な凹部4aと凸部4bを連続して形成すると共に、それら凹部4aと凸部4bに角部を形成したフィラメントを含めば、何種類フィラメントを混毛しても良い。
【0020】
(実施例)
以下、実施例を説明する。
図1は、本発明の化粧ブラシ用の塗布ブラシ1の使用例である筆を示すものである。参照符号1は、塗布ブラシ1であり、後述するフィラメント4・5・6を混毛し、その後部を溶着したものである。塗布ブラシ1は、前軸2に挿入固定され、この前軸2は、後軸3の前端に挿入固定され筆を形成している。
フィラメントは、先端をテーパー加工し、また、表面に微細な凹部4aと凸部4bを連続して形成すると共に、それら凹部4aと凸部4bに角部4cを形成したフィラメント4と、先端をテーパー加工したクリンプを有するフィラメント5と、ストレートな断面形状が円形なフィラメント6を用いるが、他の条件を表1に示す。
【0021】
【表1】

【0022】
実施例1〜16
表2に実施例1〜16、比較例1〜20の塗布ブラシのフィラメントの混毛を示す。
【0023】
【表2】

【0024】
上記実施例1〜16及び比較例1〜20の化粧ブラシ用塗布ブラシを用いて図1のように筆(チークブラシ)を形成し、化粧料の塗布性、塗布時の肌当り、穂先のまとまりについてアンケート調査をおこなった。
塗布試験(アンケート調査)
方法:任意に抽出した女性にチークブラシの使用性についてアンケート調査を実施した。
【0025】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本考案の一実施例の塗布ブラシを装着した筆の正面図である。
【図2】フィラメントの拡大模式図である。
【図3】表面に微細な凹部と凸部を連続して形成すると共に、それら凹部と凸部に角部を形成したフィラメント4の拡大模式図。
【図4】クリンプを有するフィラメントの拡大模式図である。
【図5】断面形状が異形なフィラメント7の横断面図
【図6】(a)塗布ブラシの先端変形例を示す正面図 (b)塗布ブラシの先端変形例を示す正面図
【図7】本発明に係るスクリュータイプのマスカラブラシ
【符号の説明】
【0027】
1 塗布ブラシ
2 前軸
3 後軸
4 先端をテーパー加工した表面に微細な凹部と凸部を連続して形成すると共に、それら凹部と凸部に角部を形成したフィラメント
5 先端をテーパー加工したクリンプ有するフィラメント
6 先端をテーパー加工したストレートな断面形状が円形なフィラメント
7 先端をテーパー加工した断面形状が異形なフィラメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製の複数種のフィラメントを混毛し束ねた塗布ブラシにおいて、前記複数種のフィラメントの少なくとも1種のフィラメントの表面に算術平均高さ(Ra)が10nm〜30nmで、かつ、最大高低差(Rz)が120nm〜300nmの微細な凹凸を形成したことを特徴とする塗布ブラシ。
【請求項2】
前記微細な凹部及び/又は凸部に角部を形成したことを特徴とする請求項1記載の塗布ブラシ。
【請求項3】
前記微細な凹部及び/又は凸部に長手方向に向かって抉られた凹陥部を形成したことを特徴とする請求項1、或いは、請求項2に記載の塗布ブラシ。
【請求項4】
前記フィラメントにクリンプを有するフィラメントを混毛したことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の塗布ブラシ。
【請求項5】
前記フィラメントに断面形状が異形を有するフィラメントを混毛したことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の塗布ブラシ。
【請求項6】
前記フィラメントにストレートな断面が円形なフィラメントを混毛したことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の塗布ブラシ。
【請求項7】
前記フィラメントにクリンプを有するフィラメントとストレートな断面が円形なフィラメントの3種類を混毛したことを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかにに記載の塗布ブラシ。
【請求項8】
前記フィラメントに断面形状が異形を有するフィラメントとストレートな断面が円形なフィラメントの3種類を混毛したことを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかにに記載の塗布ブラシ。
【請求項9】
前期フィラメントに円錐状のテーパー加工を施したことを特徴とする請求項1〜請求項8の何れかに記載の塗布ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−240412(P2009−240412A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88135(P2008−88135)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000005511)ぺんてる株式会社 (899)
【Fターム(参考)】