説明

筋力補助装置

【課題】用途や負荷に応じて関節を硬くしたり、柔らかくすることができる筋力補助装置を提供すること。
【解決手段】関節の一方の骨に沿って配置される第1の装着具11と、関節の他方の骨に沿って配置される第2の装着具21と、第1の装着具11と第2の装着具21とを連結する流体圧式弾性体関節30とを備え、流体圧式弾性体関節30内の流体の充填圧を変更することで流体圧式弾性体関節30の弾性力を変化させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の肘、膝、又は手首の動作を支援する筋力補助装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、コイルバネによって関節を構成することで、関節とのズレがある場合でも、スムーズな動作を確保することができる筋力補助装置を既に提案している(特許文献1)。
人間の関節は理想的な1軸ではないため、装置に明確な軸を持たせると、屈曲・伸展の繰り返しで関節に負荷がかかりやすい。また、体格差や装着時のズレもあるため、関節を痛める危険性も生じてしまう。このような状況の中では、関節部材として弾性体を用いることは、関節の軸ズレ、装着時のズレ、体格差の影響などを緩和する効果があり、コイルバネによって関節を構成することで、回転軸が一意的に規定されず、弾性体関節が人の関節の動きに追従するため、関節への負荷を低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−160108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、関節に金属のバネを使用する場合、重たくて硬く、体に当たると痛く、皮膚を挟み込むことを防止する必要がある。また、ゴムなどの弾性体を使用した場合には、非動作時にも関節が弾性力を持つため、アクチュエータの補助なしで曲げ伸ばしがしにくい場合もある。
【0005】
そこで本発明は、このような従来の課題を解決するもので、用途や負荷に応じて関節を硬くしたり、柔らかくすることができる筋力補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明による筋力補助装置は、関節の一方の骨に沿って配置される第1の装着具と、前記関節の他方の骨に沿って配置される第2の装着具と、前記第1の装着具と前記第2の装着具とを連結する流体圧式弾性体関節とを備え、前記流体圧式弾性体関節内の流体の充填圧を変更することで前記流体圧式弾性体関節の弾性力を変化させることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明における筋力補助装置において、前記第1の装着具及び前記第2の装着具の少なくとも一方を、内部の空間に流体を充填することにより非充填時よりも剛性が上がる流体圧式装着具としたことを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明における筋力補助装置において、前記流体圧式弾性体関節を、前記流体が充填される空間を形成する筒状部材と、前記空間に配置するメッシュ部材又は連続発泡構造とによって構成したことを特徴とする。
第4の発明は、第1又は第2の発明における筋力補助装置において、前記流体圧式弾性体関節を、前記流体が充填される空間を形成する筒状部材と、前記筒状部材の長手方向に配置するワイヤー又は拘束フレームとによって構成したことを特徴とする。
第5の発明は、第1又は第2の発明における筋力補助装置において、前記流体圧式弾性体関節を、前記流体が充填される空間を形成する筒状部材と、前記筒状部材の内部に配置する拘束スリーブとによって構成したことを特徴とする。
第6の発明は、第1又は第2の発明における筋力補助装置において、前記流体圧式弾性体関節を、連結したリング部材又はバネ形状部材によって構成し、前記リング部材内部又は前記バネ形状部材内部に前記流体が充填されることを特徴とする。
第7の発明は、第2の発明における筋力補助装置において、前記流体圧式装着具に前記流体を充填した状態では、前記骨に沿う方向となる前記流体圧式装着具の軸方向の剛性が、前記流体圧式装着具の円周方向の剛性より大きいことを特徴とする。
第8の発明は、第1から第7の発明のいずれかに記載の筋力補助装置において、前記第2の装着具に対して前記第1の装着具を駆動するアクチュエータへの入力信号を検出する検出器を備え、前記検出器からの検出値に応じて前記流体圧式弾性体関節内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする。
第9の発明は、第1から第7の発明のいずれかに記載の筋力補助装置において、前記第2の装着具に対して前記第1の装着具を駆動するアクチュエータの駆動力、トルク、変位、速度、加速度、角度、角速度、及び回転数のいずれかもしくは複数を検出する、圧力センサ、加速度センサ、角速度センサ、トルクセンサ、ひずみセンサ、ポテンシオメータ、及びエンコーダの内の少なくとも一つのセンサ、もしくは検出器を備え、前記センサもしくは前記検出器からの検出値に応じて前記流体圧式弾性体関節内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする。
第10の発明は、第1から第7の発明のいずれかに記載の筋力補助装置において、前記第1の装着具と前記第2の装着具との屈曲の角度、姿勢、速度、加速度、及び負荷のいずれかもしくは複数を検出する、加速度センサ、角速度センサ、傾斜センサ、及び圧力センサの内の少なくとも一つのセンサを備え、前記センサからの検出値に応じて、前記流体圧式弾性体関節内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする。
第11の発明は、第2から第7の発明のいずれかに記載の筋力補助装置において、前記第2の装着具に対して前記第1の装着具を駆動するアクチュエータへの入力信号を検出する検出器を備え、前記検出器からの検出値に応じて前記流体圧式装着具内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする。
第12の発明は、第2から第7の発明のいずれかに記載の筋力補助装置において、前記第2の装着具に対して前記第1の装着具を駆動するアクチュエータの駆動力、トルク、変位、速度、加速度、角度、角速度、及び回転数のいずれかもしくは複数を検出する、圧力センサ、加速度センサ、角速度センサ、トルクセンサ、ひずみセンサ、ポテンシオメータ、及びエンコーダの内の少なくとも一つのセンサ、もしくは検出器を備え、前記センサもしくは前記検出器からの検出値に応じて前記流体圧式装着具内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする。
第13の発明は、第2から第7の発明のいずれかに記載の筋力補助装置において、前記第1の装着具と前記第2の装着具との屈曲の角度、姿勢、速度、加速度、及び負荷のいずれかもしくは複数を検出する、加速度センサ、角速度センサ、傾斜センサ、及び圧力センサの内の少なくとも一つのセンサを備え、前記センサからの検出値に応じて、前記流体圧式装着具内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする。
第14の発明は、第8の発明に記載の筋力補助装置において、前記検出器からの検出値に応じて前記流体圧式装着具内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする。
第15の発明は、第9の発明に記載の筋力補助装置において、前記センサもしくは前記検出器からの検出値に応じて前記流体圧式装着具内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする。
第16の発明は、第10の発明に記載の筋力補助装置において、前記センサからの検出値に応じて、前記流体圧式装着具内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする。
第17の発明は、第2の発明における筋力補助装置において、前記流体圧式装着具には、前記軸方向を長手方向とする複数のポケットを備え、前記ポケットに前記流体が充填されることを特徴とする。
第18の発明は、第17の発明における筋力補助装置において、複数の前記ポケットを所定厚さのシート部材内に配置することを特徴とする。
第19の発明は、第17又は第18の発明における筋力補助装置において、複数の前記ポケットが、前記円周方向に隣接して配置されるとともに前記軸方向にも隣接して配置され、前記円周方向に隣接する前記ポケット同士は、互いの前記ポケットの端部の位置をずらして配置することを特徴とする。
第20の発明は、第17から第19の発明における筋力補助装置において、前記ポケットの外周にポケット用スリーブを配置したことを特徴とする。
第21の発明は、第17から第20の発明における筋力補助装置において、前記ポケットを複数平面上に配置したことを特徴とする。
第22の発明は、第17から第19の発明における筋力補助装置において、前記ポケットを形成する弾性体シートの両面を布、メッシュ材、又は樹脂シートで覆い、前記弾性体シートと前記布、前記メッシュ材、又は前記樹脂シートとを拘束具にて拘束することを特徴とする。
第23の発明は、第17から第19の発明における筋力補助装置において、布、樹脂シート、硬質弾性シート、又はメッシュシートからなる非伸縮性素材を縫い合わせて拘束することでポケットを形成し、前記ポケットの中に弾性体のチューブを挿入したことを特徴とする。
第24の発明は、第17から第19の発明における筋力補助装置において、円柱状空間を残した形に3次元メッシュ構造を樹脂によって成型し、前記円柱状空間よりもひとまわり小さいポケットを弾性体で形成することを特徴とする。
第25の発明は、第1から第24の発明における筋力補助装置において、前記第1の装着具に一端を、前記第2の装着具に他端を設ける人工筋を備え、前記人工筋として、気体、液体、若しくは固体の物質、又はこれらの混合物の供給又は排出によって伸縮するアクチュエータを用いたことを特徴とする。
第26の発明は、第2の発明における筋力補助装置において、前記流体圧式装着具をスーツに連結したことを特徴とする。
第27の発明は、第2の発明における筋力補助装置において、前記流体圧式装着具と前記流体圧式弾性体関節をスーツに連結したことを特徴とする。
第28の発明は、第25及における筋力補助装置において、前記人工筋をスーツに連結したことを特徴とする。
第29の発明は、第28の発明における筋力補助装置において、前記流体圧式装着具と前記流体圧式弾性体関節をスーツに連結したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、流体圧式弾性体関節の弾性力を変化させることで用途や負荷に応じて関節を硬くしたり、柔らかくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施例における筋力補助装置を示す構成図
【図2】本発明の他の実施例における筋力補助装置を示す構成図
【図3】同実施例における筋力補助装置を示す構成図
【図4】本発明の更に他の実施例における筋力補助装置を示す斜視図
【図5】本発明の更に他の実施例における筋力補助装置の伸展状態を示す側面図
【図6】同筋力補助装置の屈曲途中の状態を示す側面図
【図7】本発明に適用可能な流体圧式弾性体関節の側面図
【図8】第1の実施例を示す流体圧式弾性体関節の図7におけるA−A線断面図
【図9】第2の実施例を示す流体圧式弾性体関節の図7におけるA−A線断面図
【図10】第3の実施例を示す流体圧式弾性体関節の図7におけるA−A線断面図
【図11】第4の実施例を示す流体圧式弾性体関節の図7におけるA−A線断面図
【図12】第5の実施例を示す流体圧式弾性体関節の図7におけるA−A線断面図
【図13】他の流体圧式弾性体関節の軸方向断面概略図
【図14】流体圧式弾性体関節におけるA−A線断面概略図
【図15】同流体圧式弾性体関節の第1の動作状態図
【図16】同流体圧式弾性体関節の第2の動作状態図
【図17】同流体圧式弾性体関節の第3の動作状態図
【図18】本発明に適用可能な流体圧式装着具を適用する筋力補助装置の構成図
【図19】図18におけるA−A線断面図であり、隣接するポケット同士が接続されている場合で流体を充填せずに湾曲された状態を示す断面図
【図20】図18におけるA−A線断面図であり、隣接するポケット同士を接続していない場合で流体を充填せずに湾曲された状態を示す断面図
【図21】図19及び図20の状態から流体を充填した状態を示す断面図
【図22】図18におけるA−A線断面図であり、一実施例による流体圧式装着具の断面図
【図23】図18におけるA−A線断面図であり、他の実施例による流体圧式装着具の断面図
【図24】図18におけるA−A線断面図であり、更に他の実施例による流体圧式装着具の断面図
【図25】図18におけるA−A線断面図であり、更に他の実施例による流体圧式装着具の断面図
【図26】図18におけるA−A線断面図であり、更に他の実施例による流体圧式装着具の断面図
【図27】本発明の実施例における筋力補助装置をスーツに適用した状態を示す概念構成による同スーツの正面図
【図28】同スーツの背面図
【図29】同スーツの側面図
【図30】図29の動作状態図
【図31】本発明の実施例における筋力補助装置をスーツに適用した状態を示す他の概念構成による同スーツの側面図
【図32】図31の動作状態図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による筋力補助装置は、関節の一方の骨に沿って配置される第1の装着具と、関節の他方の骨に沿って配置される第2の装着具と、第1の装着具と第2の装着具とを連結する流体圧式弾性体関節とを備え、流体圧式弾性体関節内の流体の充填圧を変更することで流体圧式弾性体関節の弾性力を変化させるものである。本実施の形態によれば、流体圧式弾性体関節の弾性力を変化させることで用途や負荷に応じて関節を硬くしたり、柔らかくすることができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による筋力補助装置において、第1の装着具及び第2の装着具の少なくとも一方を、内部の空間に流体を充填することにより非充填時よりも剛性が上がる流体圧式装着具としたものである。本実施の形態によれば、第1の装着具又は第2の装着具の装着感を高め、装具のズレを防止することができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による筋力補助装置において、流体圧式弾性体関節を、流体が充填される空間を形成する筒状部材と、空間に配置するメッシュ部材又は連続発泡構造とによって構成したものである。本実施の形態によれば、流体が充填される空間に架橋が入っていることにより剛性が高く、駆動時の変形(伸び/ふくらみ)が少なく、少ない流体で駆動することができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による筋力補助装置において、流体圧式弾性体関節を、流体が充填される空間を形成する筒状部材と、筒状部材の長手方向に配置するワイヤー又は拘束フレームとによって構成したものである。本実施の形態によれば、流体の充填で径方向には膨らむが、ワイヤー又は拘束フレームによって長手方向には寸法が変化しないため、動作時に装着具のズレが発生することを防ぐことができる。
本発明の第5の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による筋力補助装置において、流体圧式弾性体関節を、流体が充填される空間を形成する筒状部材と、筒状部材の内部に配置する拘束スリーブとによって構成したものである。本実施の形態によれば、拘束スリーブによって径及び軸方向に伸びないため、動作時に装着具のズレが発生することを防ぎ、屈曲を阻害しないように、曲げに対する側面部を拘束することができる。
本発明の第6の実施の形態は、第1又は第2の実施の形態による筋力補助装置において、流体圧式弾性体関節を、連結したリング部材又はバネ形状部材によって構成し、リング部材内部又はバネ形状部材内部に流体が充填されるものである。本実施の形態によれば、簡単な形状で実現することができる。
本発明の第7の実施の形態は、第2の実施の形態による筋力補助装置において、流体圧式装着具に流体を充填した状態では、骨に沿う方向となる流体圧式装着具の軸方向の剛性が、流体圧式装着具の円周方向の剛性より大きいものである。本実施の形態によれば、腕などへの装着感を高めることができる。
本発明の第8の実施の形態は、第1から第7の実施の形態のいずれかに記載の筋力補助装置において、第2の装着具に対して第1の装着具を駆動するアクチュエータへの入力信号を検出する検出器を備え、検出器からの検出値に応じて流体圧式弾性体関節内の流体の充填圧を変更するものである。本実施の形態によれば、例えば伸展状態から屈曲を始める場合には軸方向の大きな駆動力を受け止めて駆動力をトルクに変換する必要があるため流体圧式弾性体関節を硬くしておき、一方で屈曲の角度が大きくなるにつれて軸方向の負荷は少なくなるので流体圧式弾性体関節を柔らかくすることでスムーズなサポートを実現することができる。
本発明の第9の実施の形態は、第1から第7の実施の形態のいずれかに記載の筋力補助装置において、第2の装着具に対して第1の装着具を駆動するアクチュエータの駆動力、トルク、変位、速度、加速度、角度、角速度、及び回転数のいずれかもしくは複数を検出する、圧力センサ、加速度センサ、角速度センサ、トルクセンサ、ひずみセンサ、ポテンシオメータ、及びエンコーダの内の少なくとも一つのセンサ、もしくは検出器を備え、センサもしくは検出器からの検出値に応じて流体圧式弾性体関節内の流体の充填圧を変更するものである。本実施の形態によれば、これらのセンサもしくは検出器から検出した駆動力、トルク、変位、速度、加速度、角度、角速度、回転数などに応じて流体の充填圧を制御し、流体圧式弾性体関節の弾性を制御することができるので、スムーズなサポートを実現することができる。
本発明の第10の実施の形態は、第1から第7の実施の形態のいずれかに記載の筋力補助装置において、第1の装着具と第2の装着具との屈曲の角度、姿勢、速度、加速度、及び負荷のいずれかもしくは複数を検出する、加速度センサ、角速度センサ、傾斜センサ、及び圧力センサの内の少なくとも一つのセンサを備え、センサからの検出値に応じて、流体圧式弾性体関節内の流体の充填圧を変更するものである。本実施の形態によれば、これらのセンサの検出値に応じて流体の充填圧を制御し、流体圧式弾性体関節の弾性を制御することができるので、スムーズなサポートを実現することができる。
本発明の第11の実施の形態は、第2から第7の実施の形態のいずれかに記載の筋力補助装置において、第2の装着具に対して第1の装着具を駆動するアクチュエータへの入力信号を検出する検出器を備え、検出器からの検出値に応じて流体圧式装着具内の前記流体の充填圧を変更するものである。本実施の形態によれば、第1の装着具又は第2の装着具の装着感を更に高めることができる。
本発明の第12の実施の形態は、第2から第7の実施の形態のいずれかに記載の筋力補助装置において、第2の装着具に対して第1の装着具を駆動するアクチュエータの駆動力、トルク、変位、速度、加速度、角度、角速度、及び回転数のいずれかもしくは複数を検出する、圧力センサ、加速度センサ、角速度センサ、トルクセンサ、ひずみセンサ、ポテンシオメータ、及びエンコーダの内の少なくとも一つのセンサ、もしくは検出器を備え、センサもしくは検出器からの検出値に応じて流体圧式装着具内の流体の充填圧を変更するものである。本実施の形態によれば、これらのセンサもしくは検出器から検出した駆動力、トルク、変位、速度、加速度、角度、角速度、回転数などに応じて流体の充填圧を制御し、流体圧式装具の弾性を制御することができるので、スムーズなサポートを実現することができる。
本発明の第13の実施の形態は、第2から第7の実施の形態のいずれかに記載の筋力補助装置において、第1の装着具と第2の装着具との屈曲の角度、姿勢、速度、加速度、負荷のいずれかもしくは複数を検出する、加速度センサ、角速度センサ、傾斜センサ、及び圧力センサの内の少なくとも一つのセンサを備え、センサからの検出値に応じて、流体圧式装着具内の流体の充填圧を変更するものである。本実施の形態によれば、第1の装着具又は第2の装着具の装着感を更に高めることができる。
本発明の第14の実施の形態は、第8の実施の形態の筋力補助装置において、検出器からの検出値に応じて流体圧式装着具内の流体の充填圧を変更するものである。本実施の形態によれば、動作時にスムーズなサポートを実現すると共に第1の装着具又は第2の装着具の装着感を更に高めることができる。
本発明の第15の実施の形態は、第9の実施の形態に記載の筋力補助装置において、センサもしくは検出器からの検出値に応じて流体圧式装着具内の流体の充填圧を変更するものである。本実施の形態によれば、動作時にスムーズなサポートを実現すると共に第1の装着具又は第2の装着具の装着感を更に高めることができる。
本発明の第16の実施の形態は、第10の実施の形態に記載の筋力補助装置において、センサからの検出値に応じて、流体圧式装着具内の流体の充填圧を変更するものである。
本実施の形態によれば、動作時にスムーズなサポートを実現すると共に第1の装着具又は第2の装着具の装着感を更に高めることができる。
本発明の第17の実施の形態は、第2の実施の形態による筋力補助装置において、流体圧式装着具には、軸方向を長手方向とする複数のポケットを備え、ポケットに流体が充填されるものである。本実施の形態によれば、複数のポケットによって流体圧式装着具を実現することで、骨に沿う方向となる流体圧式装着具の軸方向の剛性を、流体圧式装着具の円周方向の剛性より大きくすることができる。
本発明の第18の実施の形態は、第17の実施の形態による筋力補助装置において、複数のポケットを所定厚さのシート部材内に配置するものである。本実施の形態によれば、複数のポケットによる凹凸が無いために装着感がよい。
本発明の第19の実施の形態は、第17又は第18の実施の形態による筋力補助装置において、複数のポケットが、円周方向に隣接して配置されるとともに軸方向にも隣接して配置され、円周方向に隣接するポケット同士は、互いのポケットの端部の位置をずらして配置するものである。本実施の形態によれば、軸方向の剛性を高めることができる。
本発明の第20の実施の形態は、第17から第19の実施の形態による筋力補助装置において、ポケットの外周にポケット用スリーブを配置したものである。本実施の形態によれば、ポケットの膨らみを防止することができる。
本発明の第21の実施の形態は、第17から第20の実施の形態による筋力補助装置において、ポケットを複数平面上に配置したものである。本実施の形態によれば、剛性を高めることができる。
本発明の第22の実施の形態は、第17から第19の実施の形態による筋力補助装置において、ポケットを形成する弾性体シートの両面を布、メッシュ材、又は樹脂シートで覆い、弾性体シートと布、メッシュ材、又は樹脂シートとを拘束具にて拘束するものである。本実施の形態によれば、流体充填時のポケットの膨らみを防止することができる。
本発明の第23の実施の形態は、第17から第19の実施の形態による筋力補助装置において、布、樹脂シート、硬質弾性シート、又はメッシュシートからなる非伸縮性素材を縫い合わせて拘束することでポケットを形成し、ポケットの中に弾性体のチューブを挿入したものである。本実施の形態によれば、流体充填時のポケットの膨らみを防止するとともに軸方向の剛性を高めることができる。
本発明の第24の実施の形態は、第17から第19の実施の形態による筋力補助装置において、円柱状空間を残した形に3次元メッシュ構造を樹脂によって成型し、前記円柱状空間よりもひとまわり小さいポケットを弾性体で形成するものである。本実施の形態によれば、流体充填時のポケットの膨らみを防止することができる。
本発明の第25の実施の形態は、第1から第24の実施の形態による筋力補助装置において、第1の装着具に一端を、第2の装着具に他端を設ける人工筋を備え、人工筋として、気体、液体、若しくは固体の物質、又はこれらの混合物の供給又は排出によって伸縮するアクチュエータを用いたものである。本実施の形態によれば、硬い構造体を用いることなく、動作のサポートを実現することができる。
本発明の第26の実施の形態は、第2の実施の形態による筋力補助装置において、流体圧式装着具をスーツに連結したものである。本実施の形態によれば、スーツと一体に流体圧式装着具を設けることでスムーズなサポートを実現することができる。
本発明の第27の実施の形態は、第2の実施の形態における筋力補助装置において、流体圧式装着具と流体圧式弾性体関節をスーツに連結したものである。本実施の形態によれば、スーツと一体に流体圧式装着具と流体圧式弾性体関節を設けることでスムーズなサポートを実現することができる。
本発明の第28の実施の形態は、第25の実施の形態による筋力補助装置において、人工筋をスーツに連結したものである。本実施の形態によれば、スーツと一体に人工筋を設けることでスムーズなサポートを実現することができる。
本発明の第29の実施の形態は、第28の実施の形態による筋力補助装置において、流体圧式装着具と流体圧式弾性体関節をスーツに連結したものである。本実施の形態によれば、スーツと一体に流体圧式装着具と流体圧式弾性体関節及び人工筋を設けることでスムーズなサポートを実現することができる。
【実施例】
【0010】
以下に、本発明の筋力補助装置の一実施例について説明する。
図1は本発明の一実施例における筋力補助装置を示す構成図である。
本実施例による筋力補助装置は、関節の一方の骨に沿って配置される第1の装着具11と、関節の他方の骨に沿って配置される第2の装着具21と、第1の装着具11と第2の装着具21とを連結する流体圧式弾性体関節30とを備えている。本実施例における筋力補助装置は、例えば肘に設ける場合には、第1の装着具11は上腕に配置され、第2の装着具21は前腕に配置される。
本実施例における第1の装着具11及び第2の装着具21は、あらかじめ所定の湾曲形状に成型された剛体フレームを用いている。なお、第1の装着具11及び第2の装着具21には、複数のバンド41を設けている。
本実施例における流体圧式弾性体関節30は、気体、液体、粉、及び粒状の固体のいずれか、又はこれらの混合物(以下流体と称す)を充填することで動作させる。流体圧式弾性体関節30に流体を充填していない状態では容易に屈曲するが、流体を充填すると、この流体の充填圧で流体圧式弾性体関節30が硬くなり、曲げ方向、圧縮/伸展方向に弾性力を発生する。なお、例えばバネ材のような単なる弾性体関節では、弾性力は初期的に決まるが、本実施例における流体圧式弾性体関節30では、用途や負荷に応じて弾性力を調節することが可能となる。筋力補助装置は、流体の充填・排気によって充填圧を制御でき、圧力を任意に制御する制御機構を備えることが望ましい。この制御機構では、例えば負荷が大きいときには関節を硬くし、負荷が小さいときには関節を柔らかくする。また、肘用筋力補助装置では、伸展状態から屈曲を始めるときには、軸方向の大きな駆動力を受け止め、駆動力をトルクに変換する必要があるため、屈曲動作の初期段階では制御機構によって流体圧を上げて関節を硬くしておく。また、屈曲の角度が大きくなるにつれて、軸方向の負荷は少なくなるので、大きな弾性は必要なく、むしろ屈曲動作の邪魔になるため、制御機構によって流体圧を下げて関節の弾性を下げるとよい。
このように、弾性体関節に最適な弾性(硬さ)は、使用する人の体形、動作の種類や角度、姿勢などによって変化する。このため、第1の装着具11および第2の装着具21に、図示しない加速度センサ、角速度センサ、傾斜センサ、圧力センサなどのセンサを設け、これらのセンサから検出した曲げの角度、姿勢、速度、加速度、負荷に応じて流体の充填圧を制御し、流体圧式弾性体関節30の弾性を制御することが望ましい。なお、これらのセンサは、第1及び第2の装着具11,21に取り付けるほか、バンド41やその他の装着体、流体圧式弾性体関節30に設けてもかまわない。
また、弾性体関節に最適な弾性(硬さ)は、筋力補助装置を動作させるアクチュエータ(図示しない)の駆動力やトルク、変位量や角度などによっても変化する。このため、図示しないアクチュエータに、図示しない圧力センサ、加速度センサ、角速度センサ、トルクセンサ、ひずみセンサ、ポテンシオメータ、エンコーダなどのセンサもしくは検出器を設け、これらのセンサもしくは検出器から検出した駆動力、トルク、変位、速度、加速度、角度、角速度、回転数などに応じて流体の充填圧を制御し、流体圧式弾性体関節30の弾性を制御することも有効である。このほか、アクチュエータへの入力信号を検出する検出器(図示しない)を設け、検出器からの検出値に応じて流体の充填圧を制御し、流体圧式弾性体関節30の弾性を制御してもかまわない。これによって、アクチュエータを駆動させないときには弾性体関節の弾性を低くして通常の動きを阻害せず、アクチュエータを駆動させるときには適切な弾性を持つことで、筋力補助装置を動作させることができる。
流体圧式弾性体関節30は、流体の充填によって、大きさがあまり変化しない構造が望ましい。流体圧式弾性体関節30の形状変化が大きいと、装着の邪魔になり、他部品との干渉を生じ、また寸法変化によって予定動作が実現できない場合が生じるためである。
以上のように、本実施例によれば、流体圧式弾性体関節30の弾性力を変化させることで用途や負荷に応じて関節を硬くしたり、柔らかくすることができる。
また、本実施例によれば、例えば伸展状態から屈曲を始める場合には軸方向の大きな駆動力を受け止めて駆動力をトルクに変換する必要があるため流体圧式弾性体関節30を硬くしておき、一方で屈曲の角度が大きくなるにつれて軸方向の負荷は少なくなるので流体圧式弾性体関節30を柔らかくすることでスムーズなサポートを示現することができる。
また、本実施例によれば、流体圧式弾性体関節30を用いることで、硬い構造体を使用しなくても、動作補助装置を構成することが可能であり、装着時の違和感が少ない。また、やわらかく危険性が低く、軽量化も図れ、非動作時には、余計な力がかからず違和感がないなどのメリットがある。
【0011】
図2及び図3は本発明の他の実施例における筋力補助装置を示す構成図である。なお、同一機能を有する部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例における第1の装着具13及び第2の装着具23は、フレームを流体圧式装着具として構成したものであり、第1の装着具13及び第2の装着具23の骨に沿う方向となる軸方向を長手方向とする複数のポケット52をシート状のフレームに設けている。複数のポケット52は、それぞれを平行に隣接して配置することで円周方向に並べるとともに、軸方向にも隣接して配置し、円周方向に隣接するポケット52同士は、互いのポケットの端部の位置をずらして配置している。
なお、図示はしないが、それぞれのポケット52に流体の流入・排出を行う接続口を備えている。ポケット52は、長手方向に拘束され、径方向にも所定の径以上に膨張しないように拘束されている。そして、ポケット52に、流体を充填していないときには柔らかく、流体を充填すると剛性が上がる。ただし流体充填時のシート状のフレームの断面形状(長手方向に対する断面)は変形が可能で、異なる体形の被装着者に対しても第1の装着具13及び第2の装着具23を密着させることができる。
【0012】
本実施例における第1の装着具13及び第2の装着具23は、複数のポケット52を円周方向に並べて配置することで、複数のポケット52に流体を充填した状態では、軸方向の剛性が円周方向の剛性より大きくなり、腕などへの装着感を高めることができる。また、複数のポケット52は、円周方向に隣接して配置されるとともに軸方向にも隣接して配置され、円周方向に隣接するポケット52同士は、互いのポケット52の端部の位置をずらして配置しているため、円周方向の剛性を高めることができる。
また、本実施例における第1の装着具13及び第2の装着具23は、非動作時(流体非充填)には柔らかいため、被装着者の動作を阻害しない。また、複数のポケット52に流体を充填(動作時)すると、第1の装着具13及び第2の装着具23に必要な剛性を付与して、アクチュエータの駆動力を受け止める。このとき、流体圧式弾性体関節30よりも第1の装着具13及び第2の装着具23の剛性を高く設定しておくことで、アクチュエータの駆動力によって流体圧式弾性体関節30は屈曲するが、第1の装着具13及び第2の装着具23は変形しないか、又は流体圧式弾性体関節30に比べて十分に変形が少ないため、アクチュエータの負荷を受け止め、関節の屈曲・伸展を実現することができる。
なお、第1の装着具13及び第2の装着具23は、流体圧式装着具と、その他の弾性体、金属、樹脂、布などの複合体によって構成されていても良い。特に、アクチュエータや流体圧式弾性体関節30を接合する拘束部は、樹脂や金属などによって補強されていることが望ましい。
【0013】
なお、図2及び図3に示す実施例では、第1の装着具13及び第2の装着具23を流体圧式装着具とした場合を説明したが、第1の装着具13及び第2の装着具23の少なくとも一方を流体圧式装着具としてもよく、第1の装着具13又は第2の装着具23の装着感を高め、装具のズレを防止することができる。
また、図2及び図3に示す実施例によれば、複数のポケット52によって流体圧式装着具を実現することで、骨に沿う方向となる流体圧式装着具の軸方向の剛性を、流体圧式装着具の円周方向の剛性より大きくすることができる。
また、図2及び図3に示す実施例によれば、複数のポケット52を所定厚さのシート部材内に配置するため、複数のポケット52による凹凸が無いために装着感がよい。
【0014】
図4は本発明の更に他の実施例における筋力補助装置を示す斜視図である。なお、同一機能を有する部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例における第1の装着具10及び第2の装着具20は、フレームを流体圧式装着具として構成したものであり、例えば図2における第1の装着具12及び第2の装着具22や図3における第1の装着具13及び第2の装着具23が適用される。
本実施例では、屈曲用のアクチュエータとして人工筋61を備えている。人工筋61は、その一端を第1の装着具10に、他端を第2の装着具20に接続している。また、人工筋61は、それぞれ腕の両側方に対として設けることが好ましい。ここで、人工筋61は、気体、液体、若しくは固体の物質、又はこれらの混合物の供給又は排出によって、少なくとも長手方向に伸縮するアクチュエータである。なお、この人工筋61を収縮させる動力源は図示を省略している。
本実施例によれば、第1の装着具10及び第2の装着具20、流体圧式弾性体関節30、人工筋61が全て、流体を充填していないときには柔らかく、流体を充填すると剛性が上がる機構とし、弾性素材、布やフィルム素材などから構成することで、流体を充填していない非駆動時には全体が柔軟な構造であるため、完全に服のように着用、利用が可能で、軽量、やわらかであり、見た目にも、装着にも違和感が少なく動きも自然となる。
【0015】
図5及び図6は本発明の更に他の実施例における筋力補助装置を示す側面図であり、図5は同筋力補助装置の伸展状態を示す側面図、図6は同筋力補助装置の屈曲途中の状態を示す側面図である。なお、同一機能を有する部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例では、屈曲用のアクチュエータとしての人工筋61とともに、肘側に伸展用の人工筋62を備えている。人工筋62についても、その一端を第1の装着具10に、他端を第2の装着具20に接続している。また、人工筋62は、対として2本設けることが好ましい。ここで、人工筋62は、気体、液体、若しくは固体の物質、又はこれらの混合物の供給又は排出によって、少なくとも長手方向に伸縮するアクチュエータである。なお、この人工筋62を収縮させる動力源は図示を省略している。
本実施例では、図6に示すように、液体を充填することで人工筋61を収縮させて肘を屈曲方向に動かす。また、図5に示すように、人工筋62を収縮させることで肘を伸展させる。いずれの人工筋61、62も収縮させない場合には、人工筋61、62による拘束を受けない。
本実施例のように、屈曲/伸展用のアクチュエータとして人工筋61、62を備えた筋力補助装置に使用する場合には、人工筋61、62の動作に先行して、流体圧式弾性体関節30に流体を充填する。流体圧式弾性体関節30は、流体の充填によって弾性体として機能する。
人工筋61、62と流体圧式弾性体関節30とを、オフセットして取り付けることにより、人工筋61、62を駆動させると、駆動力が流体圧式弾性体関節30周りのトルクに変換される。人工筋61、62が駆動すると、第1の装着具10と第2の装着具20とが流体圧式弾性体関節30の近接・離間方向に力が加わるが、流体圧式弾性体関節30による抗力によって、第1の装着具10と第2の装着具20とが近接・離間するのを防ぐことができる。
流体圧式弾性体関節30は曲げ方向にも一定の弾性力を発生するが、人工筋61、62の駆動力を流体圧式弾性体関節30よりも大きく設計することで、屈曲・伸展の動作が実現できる。
流体圧式弾性体関節30を配置する位置は、曲げ方向に対して関節の両側面に配置する。
本実施例における第1の装着具10と第2の装着具20は、流体圧式装着具でもかまわない。
伸展用の人工筋62近傍には、経路規制具63を備えている。経路規制具63は、人工筋62が関節に近づき圧迫することを防ぐと共に、人工筋62の駆動力を有効なトルクに変換し、自然な伸展動作を行うことができる。経路規制具63のほか動作に必要な部材で、剛性もしくは弾性特性を要する部材を、流体圧式装着具と同等の構造としてもかまわない。このとき流体圧式装着具と同様に、剛性、弾性を要する方向に、長手の流体を充填する空間(ポケット)を配置する。機構部材をやわらかい材料で構成することで、軽量化が行え、装着感も向上する。また、これら部材に充填する流体は、装着具、人工筋に設けられた負荷や動き、姿勢を検出するセンサ、もしくは人工筋の駆動入力信号を検出する検出器(図示せず)の検出値によって制御されることが望ましい。これによって、非動作時にはやわらかく動きを阻害しないが、動作時には適切な剛性や弾性を持つことで、筋力補助装置を動作させることができる。
【0016】
以下に本発明に適用可能な流体圧式弾性体関節について図7から図17を用いて説明する。
図7は同流体圧式弾性体関節の側面図である。
流体圧式弾性体関節30は、袋状の閉じた構造で、流体の流入/排出部(図示せず)を備える。流体圧式弾性体関節30は、両端に拘束具30A、30Bを取り付けた例を示しており、拘束具30A、30Bの一方又は両方から流体を充填/排出するように構成されている。流体圧式弾性体関節30は、ベースの素材として弾性体や樹脂シートを用いる。
【0017】
図8は第1の実施例を示す流体圧式弾性体関節の図7におけるA−A線断面図である。
図8に示す実施例では、流体圧式弾性体関節30は、外層として流体が充填される空間を形成する筒状部材31を備え、筒状部材31の内部の空間は空洞となっている。
本実施例では、流体圧式弾性体関節30を最も単純な構成で実現できるが、流体の充填による変形が大きいと、位置ズレを起こしやすいため、筒状部材31の材料・厚み・流体の充填圧などのバランスが重要となる。
【0018】
図9は第2の実施例を示す流体圧式弾性体関節の図7におけるA−A線断面図である。
図9に示す実施例では、流体圧式弾性体関節30は、外層として流体が充填される空間を形成する筒状部材31と、筒状部材31の内部の空間に配置するメッシュ部材31aとによって構成したものである。なお、メッシュ部材31aを連続発泡構造としてもよい。
本実施例によれば、流体が充填される空間に架橋が入っていることにより剛性が高く、駆動時の変形(伸び/ふくらみ)が少なく、少ない流体で駆動することができる。
【0019】
図10は第3の実施例を示す流体圧式弾性体関節の図7におけるA−A線断面図である。
図10に示す実施例では、流体圧式弾性体関節30は、外層として流体が充填される空間を形成する筒状部材32には、長手方向に複数のワイヤー32aが設けられている。なお、複数のワイヤー32aをフレームとしてもよい。
本実施例によれば、筒状の弾性体からなる筒状部材32をワイヤー32aで長手方向に拘束することで、流体の充填で径方向には膨らむが、長手方向には寸法が変化しない。従って、動作時に装着具のズレが発生することを防ぐともに、屈曲を阻害しないように、曲げに対する側面部を拘束することができる。
【0020】
図11は第4の実施例を示す流体圧式弾性体関節の図7におけるA−A線断面図である。
図11に示す実施例では、流体圧式弾性体関節30は、外層として流体が充填される空間を形成する筒状部材33には、周囲に布33aを配置している。なお、布33aを拘束スリーブとしてもよく、伸びない強度のある素材とする。
本実施例によれば、径及び軸方向に伸びないため、動作時に装着具のズレが発生することを防ぎ、屈曲を阻害しないように、曲げに対する側面部を拘束することができる。
【0021】
図12は第5の実施例を示す流体圧式弾性体関節の図7におけるA−A線断面図である。
図12に示す実施例では、流体圧式弾性体関節30は、外層として流体が充填される空間を形成する筒状部材34には、弾性体に拘束スリーブ34aをインサートしている。拘束スリーブ34aは、素材として、樹脂、繊維、金属、硬質ゴムなどを用い、径及び軸方向に伸びない、シート状又はメッシュ構造として構成されている。
本実施の形態によれば、拘束スリーブ34aによって径及び軸方向に伸びないため、動作時に装着具のズレが発生することを防ぎ、屈曲を阻害しないように、曲げに対する側面部を拘束することができる。
図8から図12の実施例では、流体を充填する空間が軸方向に一つである例を示したが、軸方向に複数の空間を設けてもかまわない。この場合、各空間を流路で連結して流体を充填/排出するほか、各空間を独立して形成し、それぞれに流体の充填/排出部を設けてもかまわない。
また、図8から図12の実施例では、流体を充填する空間を関節内部に一つの軸として設けたが、軸状の空間をA−A線断面に複数備えてもかまわない。この場合、各空間を流路で連結して流体を充填/排出するほか、各空間を独立して形成し、それぞれに流体の充填/排出部を設けてもかまわない。
本実施例によれば、弾性体関節に充填する流体をより精密に制御することができ、弾性体関節の弾性をより精密に制御することができる。
【0022】
図13は他の流体圧式弾性体関節の軸方向断面概略図、図14は流体圧式弾性体関節におけるA−A線断面概略図、図15は同流体圧式弾性体関節の第1の動作状態図、図16は同流体圧式弾性体関節の第2の動作状態図、図17は同流体圧式弾性体関節の第3の動作状態図である。
流体圧式弾性体関節35は、連結したリング部材又はバネ形状部材で、流体の流入/排出部(図示せず)を備える。流体圧式弾性体関節35は、両端に拘束具30A、30Bを取り付けた例を示しており、拘束具30A、30Bの一方又は両方から流体を充填/排出するように構成されている。流体圧式弾性体関節30は、ベースの素材として弾性体や樹脂シートを用いる。
本実施例によれば、流体圧式弾性体関節35を、連結したリング部材又はバネ形状部材によって構成し、リング部材内部又はバネ形状部材内部に流体を充填する構成とすることで、簡単な形状で実現することができる。
図15では、流体圧式弾性体関節35を強制的に曲げた動作状態を示している。流体圧式弾性体関節35の内側は圧縮力が加わり、流体圧式弾性体関節35の外側は引っ張り力が加わる。
図16では、流体圧式弾性体関節35の内側を拘束した構成における動作状態を示しており、曲げによって流体圧式弾性体関節35の外側のリング部材又はバネ形状部材は離れる。
図17では、流体圧式弾性体関節35における曲げ角度をセンサー(図示しない)で感知し、曲げ角度にあわせてチューブ内の流体圧力を変化させた場合の動作状態を示している。なお、この場合には、流体圧式弾性体関節35を、曲げの内側と外側で部屋を区分している。
【0023】
以下に本発明に適用可能な流体圧式装着具について図18から図27を用いて説明する。なお、同一機能を有する部材には同一符号を付して説明を省略する。
図18は同流体圧式装着具を適用する筋力補助装置の構成図である。
図18に示すように、下記の説明における流体圧式装着具50は、第1の装着具10に適用した場合で説明するが、第2の装着具20に適用することもできる。また、第1の装着具10と第2の装着具20の両方に適用することもできる。
図18では、流体圧式装着具50は、複数のポケット52a、52bをシート状のフレーム53に設けている。本実施例では、ポケット52aとポケット52bとを、軸方向に隣接して配置し、円周方向に隣接するポケット52a同士は、互いのポケット52aの端部の位置をずらして配置している。
図19から図21は図18におけるA−A線断面図であり、図19は隣接するポケット同士が接続されている場合で流体を充填せずに湾曲された状態を示す断面図、図20は隣接するポケット同士を接続していない場合で流体を充填せずに湾曲された状態を示す断面図、図21は図19及び図20の状態から流体を充填した状態を示す断面図である。
流体圧式装着具50は、流体充填時には、軸方向の剛性が円周方向よりも大きくなるように構成している。流体充填時の円周方向の流体圧式装着具50の形状は、特に制限されないが、非充填時にも装着部の形状に類似した湾曲又は円筒形状を保持することが好ましい。流体の充填によって剛性が高くなるが、円周方向には変形が可能で、装着部に沿わせることができる。
また、流体圧式装着具50は、軸方向に長いポケット52a、52bを複数備えるが、全体としては1枚のシート状のフレーム53内に配置することで、流体圧式装着具50を作成するのが容易で、かつ、表面に凹凸がなく装着性に優れている。
また、軸方向に複数のポケット52a、52bを配置し、円周方向に互い違いに配置することで、ポケット52a、52bが長すぎることによる折れを防止でき、全体としての剛性を高めることができる。
また、流体圧式装着具50は、弾性体と樹脂、金属、繊維、布、又はその他の硬質弾性体との複合材料で構成することで、流体の充填による弾性体の膨張を制限することができる。また、流体の充填による弾性体の膨張を制限することで、流体の充填による高い剛性を実現することができる。ここで、弾性体に組み合わせる素材(樹脂、金属、繊維、布、又はその他の硬質弾性体)は伸縮性が無いか、又は弾性体よりも十分に剛性が高いものを用いることで、流体の充填による変形、膨張が少なく利用しやすい。
充填する流体は、空気などの気体とすることで、扱いやすく、軽量化に優れている。一方で流体として、水などの液体を用いた場合には、高い剛性を得やすく、圧力を保持しながら流体を循環させると、温熱、冷却効果を持たせることができ、快適な作業環境を実現できる。
【0024】
図22から図26は図18におけるA−A線断面図であり、それぞれ異なる実施例による流体圧式装着具の断面図である。
図22(a)に示す流体圧式装着具50は、膨張、伸縮しない構造に編んだポケット用スリーブ54を弾性体からなる複数のポケット52の外周に配置し、一枚のシート状のフレーム53内に配置したものである。また、図22(b)に示す流体圧式装着具50は、少なくとも一部のポケット52の内部の空間にメッシュ部材55を配置したものである。なお、メッシュ部材55を連続発泡構造としてもよい。このように、流体が充填される空間にメッシュ部材55による架橋が入っていることにより剛性が高く、駆動時の変形(伸び/ふくらみ)が少なく、少ない流体で駆動することができる。
本実施例によれば、ポケット52の外周にポケット用スリーブ54を配置することで、ポケット52の膨らみを防止することができる。
【0025】
図23に示す流体圧式装着具50は、弾性体からなる複数のポケット52をハニカム状に配置し、膨張、伸縮しない構造に編んだポケット用スリーブ54をポケット52の外周に配置して、全体をシート状に成型したものである。なお、本実施例においても、少なくとも一部のポケット52の内部の空間にメッシュ部材55を配置してもよい。なお、メッシュ部材55を連続発泡構造としてもよい。このように、流体が充填される空間にメッシュ部材55による架橋が入っていることにより剛性が高く、駆動時の変形(伸び/ふくらみ)が少なく、少ない流体で駆動することができる。
本実施例によれば、ポケット52の外周にポケット用スリーブ54を配置することで、ポケット52の膨らみを防止することができる。
また本実施例によれば、複数のポケット52をハニカム状に配置することで剛性を高めることができる。
なお、図22及び図23に示す流体圧式装着具50は、ポケット用スリーブ54を挿入しながら、ポケット52とともにシート形態を一度に押し出し成型することもできる。
【0026】
図24に示す流体圧式装着具50は、非伸縮性素材(例えば布、樹脂シート、硬質弾性シート、メッシュシート)56を部分的に縫い合わせて拘束することでポケット52を形成し、ポケット52の中に弾性体のチューブ57を挿入したものである。
本実施例によれば、布、樹脂シート、硬質弾性シート、又はメッシュシートからなる非伸縮性素材56を縫い合わせてポケット52を形成し、ポケット52の中に流体を充填する弾性体のチューブ57を挿入することで、流体充填時のポケット52の膨らみを防止するとともに軸方向の剛性を高めることができる。
【0027】
図25に示す流体圧式装着具50は、弾性体からなるポケット52の膨張を制限する規制部の形態として、樹脂や金属・硬質弾性体による3次元メッシュ構造58としたものである。3次元メッシュ構造58としては、例えばフィルターのような構造やスリーブ構造を採用することができる。
3次元メッシュ構造58は、円柱状空間を残した形に3次元メッシュ素材を樹脂で成型し、その後円柱状空間よりもひとまわり小さいポケット52を形成するように、弾性体で全体をシート状に成型することによって製造できる。
本実施例によれば、3次元メッシュ構造58を樹脂によって成型してポケット52を形成することで、流体充填時のポケット52の膨らみを防止することができる。
【0028】
図26に示す流体圧式装着具50は、円筒穴を形成した弾性体シート59aの両面を布59bで挟んだ3層以上の構造としたもので、弾性体シート59aと布59bとは、円筒穴の間を拘束具59cで縫いつけたものである。なお、布59bに代えて、メッシュ材、又は樹脂シートとしてもよい。
本実施例によれば、ポケット52を形成する弾性体シート59aの両面を布59bで覆い、弾性体シート59aと布59bとを拘束具59cにて拘束することで、流体充填時のポケット52の膨らみを防止することができる。
【0029】
図27から図30は本発明の実施例における筋力補助装置をスーツに適用した状態を示す概念構成図であり、図27は同スーツの正面図、図28は同スーツの背面図、図29は同スーツの側面図、図30は図29の動作状態図である。なお、同一機能を有する部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例では、動作部となる関節の両側面部に流体圧式弾性体関節30を一体に形成したスーツを示している。なお、図示のように、動作のための人工筋61、62もスーツ70と一体に構成してもかまわない。
図29及び図30に示すように、スーツ70に一体構成した流体圧式弾性体関節30と人工筋61、62の両端は、関節の一方ごとに拘束具80で拘束される。またスーツ70は、拘束具80をそれぞれの腕に密着して取り付けることができる。

流体圧式弾性体関節30は、スーツ70に縫い付けるか、スーツ70と一体に同じ材料で成型される。関節の周辺のみに補強を入れることで、スーツ70と一体に形成しながら高い機能を実現することができる。流体圧式弾性体関節30を図8に示す筒状部材31で構成する場合には、スーツ70を弾性部材とし、部分的に袋状に筒状部材31を形成することでも実現できる。また、人工筋61、62についても同様の方法で、スーツ70の一部として構成することもできる。
流体圧式弾性体関節30や人工筋61、62をスーツ70と一体化する構成は、デザイン的な一体感、軽量化、コスト、装着感の面などで優れている。
人工筋61、62の駆動力を屈曲及び伸展のトルクに効率的に変換するため、人工筋61、62の両端は、関節をまたぐそれぞれの側で、 拘束具80を介して流体圧式弾性体関節30に固定されている。また、拘束具80は腕とずれないように、ベルトなどで密着して取り付けられる。また、スーツ70を伸縮性ある素材で構成することで、体に密着して取り付けることができる。また、流体圧を利用して、スーツ70を体に密着させる構成でもよい。例えば、ベルトを流体圧で引っ張るか、体とスーツ70の間にエアバックを備えてもかまわない。一方、スーツ70そのものに所定の剛性を持たせれば、拘束具80を省略することもできる。
本実施例によれば、スーツ70と一体に流体圧式弾性体関節30及び人工筋61、62を設けることでスムーズなサポートを実現することができる。
【0030】
図31及び図32は本発明の実施例における筋力補助装置をスーツに適用した状態を示す他の概念構成図であり、図31は同スーツの側面図、図32は図31の動作状態図である。なお、同一機能を有する部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例では、第1の装着具10及び第2の装着具20として、フレームを流体圧式装着具50として構成したものをスーツ70と一体に構成したものである。なお、本実施例においても、図18から図26で既に説明した流体圧式装着具50を適用することができる。
本実施例によれば、スーツ70と一体に流体圧式弾性体関節30、人工筋61、62、及び流体圧式装着具を設けることでスムーズなサポートを実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、肘、膝、又は手首などの関節での動作を支援する筋力補助装置として利用できる。
【符号の説明】
【0032】
10 第1の装着具
20 第2の装着具
30 流体圧式弾性体関節
50 流体圧式装着具
61、62 人工筋
70 スーツ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節の一方の骨に沿って配置される第1の装着具と、
前記関節の他方の骨に沿って配置される第2の装着具と、
前記第1の装着具と前記第2の装着具とを連結する流体圧式弾性体関節とを備え、
前記流体圧式弾性体関節内の流体の充填圧を変更することで前記流体圧式弾性体関節の弾性力を変化させることを特徴とする筋力補助装置。
【請求項2】
前記第1の装着具及び前記第2の装着具の少なくとも一方を
、内部の空間に流体を充填することにより非充填時よりも剛性が上がる
流体圧式装着具としたことを特徴とする請求項1に記載の筋力補助装置。
【請求項3】
前記流体圧式弾性体関節を、前記流体が充填される空間を形成する筒状部材と、前記空間に配置するメッシュ部材又は連続発泡構造とによって構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の筋力補助装置。
【請求項4】
前記流体圧式弾性体関節を、前記流体が充填される空間を形成する筒状部材と、前記筒状部材の長手方向に配置するワイヤー又は拘束フレームとによって構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の筋力補助装置。
【請求項5】
前記流体圧式弾性体関節を、前記流体が充填される空間を形成する筒状部材と、前記筒状部材の内部に配置する拘束スリーブとによって構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の筋力補助装置。
【請求項6】
前記流体圧式弾性体関節を、連結したリング部材又はバネ形状部材によって構成し、前記リング部材内部又は前記バネ形状部材内部に前記流体が充填されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の筋力補助装置。
【請求項7】
前記流体圧式装着具に前記流体を充填した状態では、前記骨に沿う方向となる前記流体圧式装着具の軸方向の剛性が、前記流体圧式装着具の円周方向の剛性より大きいことを特徴とする請求項2に記載の筋力補助装置。
【請求項8】
前記第2の装着具に対して前記第1の装着具を駆動するアクチュエータへの入力信号を検出する検出器を備え、前記検出器からの検出値に応じて前記流体圧式弾性体関節内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の筋力補助装置。
【請求項9】
前記第2の装着具に対して前記第1の装着具を駆動するアクチュエータの駆動力、トルク、変位、速度、加速度、角度、角速度、及び回転数のいずれかもしくは複数を検出する、圧力センサ、加速度センサ、角速度センサ、トルクセンサ、ひずみセンサ、ポテンシオメータ、及びエンコーダの内の少なくとも一つのセンサ、もしくは検出器を備え、前記センサもしくは前記検出器からの検出値に応じて前記流体圧式弾性体関節内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の筋力補助装置。
【請求項10】
前記第1の装着具と前記第2の装着具との屈曲の角度、姿勢、速度、加速度、及び負荷のいずれかもしくは複数を検出する、加速度センサ、角速度センサ、傾斜センサ、及び圧力センサの内の少なくとも一つのセンサを備え、前記センサからの検出値に応じて、前記流体圧式弾性体関節内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の筋力補助装置。
【請求項11】
前記第2の装着具に対して前記第1の装着具を駆動するアクチュエータへの入力信号を検出する検出器を備え、前記検出器からの検出値に応じて前記流体圧式装着具内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする請求項2から請求項7のいずれかに記載の筋力補助装置。
【請求項12】
前記第2の装着具に対して前記第1の装着具を駆動するアクチュエータの駆動力、トルク、変位、速度、加速度、角度、角速度、及び回転数のいずれかもしくは複数を検出する、圧力センサ、加速度センサ、角速度センサ、トルクセンサ、ひずみセンサ、ポテンシオメータ、及びエンコーダの内の少なくとも一つのセンサ、もしくは検出器を備え、前記センサもしくは前記検出器からの検出値に応じて前記流体圧式装着具内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする請求項2から請求項7のいずれかに記載の筋力補助装置。
【請求項13】
前記第1の装着具と前記第2の装着具との屈曲の角度、姿勢、速度、加速度、及び負荷のいずれかもしくは複数を検出する、加速度センサ、角速度センサ、傾斜センサ、及び圧力センサの内の少なくとも一つのセンサを備え、前記センサからの検出値に応じて、前記流体圧式装着具内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする請求項2から請求項7のいずれかに記載の筋力補助装置。
【請求項14】
前記検出器からの検出値に応じて前記流体圧式装着具内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする請求項8に記載の筋力補助装置。
【請求項15】
前記センサもしくは前記検出器からの検出値に応じて前記流体圧式装着具内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする請求項9に記載の筋力補助装置。
【請求項16】
前記センサからの検出値に応じて、前記流体圧式装着具内の前記流体の充填圧を変更することを特徴とする請求項10に記載の筋力補助装置。
【請求項17】
前記流体圧式装着具には、前記軸方向を長手方向とする複数のポケットを備え、前記ポケットに前記流体が充填されることを特徴とする請求項2に記載の筋力補助装置。
【請求項18】
複数の前記ポケットを所定厚さのシート部材内に配置することを特徴とする請求項17に記載の筋力補助装置。
【請求項19】
複数の前記ポケットが、前記円周方向に隣接して配置されるとともに前記軸方向にも隣接して配置され、前記円周方向に隣接する前記ポケット同士は、互いの前記ポケットの端部の位置をずらして配置することを特徴とする請求項17又は請求項18に記載の筋力補助装置。
【請求項20】
前記ポケットの外周にポケット用スリーブを配置したことを特徴とする請求項17から請求項19のいずれかに記載の筋力補助装置。
【請求項21】
前記ポケットを複数平面上に配置したことを特徴とする請求項17から請求項20のいずれかに記載の筋力補助装置。
【請求項22】
前記ポケットを形成する弾性体シートの両面を布、メッシュ材、又は樹脂シートで覆い、前記弾性体シートと前記布、前記メッシュ材、又は前記樹脂シートとを拘束具にて拘束することを特徴とする請求項17から請求項19のいずれかに記載の筋力補助装置。
【請求項23】
布、樹脂シート、硬質弾性シート、又はメッシュシートからなる非伸縮性素材を縫い合わせて前記ポケットを形成し、前記ポケットの中に弾性体の前記チューブを挿入したことを特徴とする請求項17から請求項19のいずれかに記載の筋力補助装置。
【請求項24】
円柱状空間を残した形に3次元メッシュ構造を樹脂によって成型し、前記円柱状空間よりもひとまわり小さいポケットを弾性体で形成することを特徴とする請求項17から請求項19のいずれかに記載の筋力補助装置。
【請求項25】
前記第1の装着具に一端を、前記第2の装着具に他端を設ける人工筋を備え、
前記人工筋として、気体、液体、若しくは固体の物質、又はこれらの混合物の供給又は排出によって伸縮するアクチュエータを用いたことを特徴とする請求項1から請求項24のいずれかに記載の筋力補助装置。
【請求項26】
前記流体圧式装着具をスーツに連結したことを特徴とする請求項2に記載の筋力補助装置。
【請求項27】
前記流体圧式装着具と前記流体圧式弾性体関節をスーツに連結したことを特徴とする請求項2に記載の筋力補助装置。
【請求項28】
前記人工筋をスーツに連結したことを特徴とする請求項25に記載の筋力補助装置。
【請求項29】
前記流体圧式装着具と前記流体圧式弾性体関節を前記スーツに連結したことを特徴とする請求項28に記載の筋力補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2011−200447(P2011−200447A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−70832(P2010−70832)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】