筐体部品
【課題】簡易な構成で強固に収納物を筐体内に固定することができる筐体部品を提供する。
【解決手段】開口面を有し、収納物を収納する下ケース3と、下ケース3の開口面を覆うように組み付けられる上ケース2とを備えた筐体部品1において、下ケース3に設けられ、収納物6と係合して支持する係合爪部7と、係合爪部7に設けられ、上ケース2を下ケース3に組み付けた際に、収納物6との係合が解除される方向へ係合爪部7が動くことを規制する支持壁9とを備える。
【解決手段】開口面を有し、収納物を収納する下ケース3と、下ケース3の開口面を覆うように組み付けられる上ケース2とを備えた筐体部品1において、下ケース3に設けられ、収納物6と係合して支持する係合爪部7と、係合爪部7に設けられ、上ケース2を下ケース3に組み付けた際に、収納物6との係合が解除される方向へ係合爪部7が動くことを規制する支持壁9とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板や重量物などの収納物を内部に固定して収納する筐体部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂等で形成された筐体内に収納物を収納する筐体部品において、多くの場合、筐体内に収納物をねじ止めで固定して収納していた。
一方、樹脂で形成された筐体に収納物を取り付ける従来の技術として、筐体側に設けた係合爪部を、収納物の表面に設けた係合凹部に引っ掛けて固定するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−135449号公報(第7頁、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来では、筐体内に収納物を収納する場合、ねじ止めで固定することが一般的であったが、ねじ止めは強固に固定できる反面、部品点数の増加や収納物の取り付け工程の煩雑化を招くという課題があった。また、特許文献1に代表される従来の技術では、振動や機械的な衝撃で収納物に印加される力によっては、係合爪部に対して係合凹部との係合が解除される方向に力が働き、収納物の固定が外れる場合がある。この挙動は、収納物が重量物である場合に顕著に表れる。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、簡易な構成で強固に収納物を筐体内に固定することができる筐体部品を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る筐体部品は、開口面を有し、収納物を収納する第1の筐体と、第1の筐体の開口面を覆うように組み付けられる第2の筐体とを備えた筐体部品において、第1の筐体に設けられ、収納物と係合して支持する第1の係合部と、第2の筐体に設けられ、当該第2の筐体を第1の筐体に組み付けた際に、収納物との係合が解除される方向へ第1の係合部が動くことを規制する支持壁とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、簡易な構成で強固に収納物を筐体内に固定することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係る筐体部品の外観を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る筐体部品の分解斜視図である。
【図3】実施の形態1に係る筐体部品の上ケースおよび下ケースの構成を示す図である。
【図4】図1のA−A線での断面を概略的に示す図である。
【図5】実施の形態1に係る筐体部品における筐体内への収納物の取り付けを説明する図である。
【図6】下ケースにおける係合爪部の配置例を示す図である。
【図7】上ケースにおける支持壁の構成例を示す図である。
【図8】実施の形態1に係る筐体部品の他の構成の断面を概略的に示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係る筐体部品の分解斜視図である。
【図10】実施の形態2に係る筐体部品の下ケースの構成を示す図である。
【図11】図10の符号Bを付した箇所の構成を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態3に係る筐体部品における収納物の係合部分の構成を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態4に係るモータ装置の外観を示す側面図である。
【図14】実施の形態4に係るモータ装置の分解斜視図である。
【図15】実施の形態4に係るモータ装置の断面図である。
【図16】この発明の実施の形態5に係る液晶ディスプレイ装置の外観を示す斜視図である。
【図17】実施の形態5に係る液晶ディスプレイ装置の分解斜視図である。
【図18】図16のC−C線での断面を概略的に示す図である。
【図19】この発明の実施の形態6に係る筐体部品の断面を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る筐体部品の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態1に係る筐体部品の分解斜視図であり、図1の筐体部品を各構成に分解して示している。また、図3は、図1の上ケースおよび下ケースの構成を示す図であり、図3(a)は上ケースの斜視図、図3(b)は上ケースを取り外した下ケースの上面図である。図4は、図1のA−A線での断面を概略的に示す図である。
【0010】
図1に示すように、本発明に係る筐体部品1は、樹脂などで形成した上ケース2および下ケース3を備える。下ケース3は一方向に開口面を有する箱形状の筐体であり、上ケース2は下ケース3の開口面を覆うように組み付けられる蓋形状の筐体である。上ケース2と下ケース3とを組み付けた筐体部品1の内部には、図2に示すように、基板などの収納物6が収納される。また、上ケース2を下ケース3に組み付けた際、図4に示すように、係合凹部4に対して係合凸部5が嵌合して組み付けが固定される。
【0011】
下ケース3の内部には係合爪部7および台座部8が設けられる。係合爪部7は、下ケース3の底面上の法線方向に沿って開口面側へ突出した突出片と、この突出片の先端に設けた爪部とを有する。この突出片は、少なくとも収納物6の厚さと台座部8の高さの和に相当する長さを有し、この先に爪部が形成される。また、台座部8は、下ケース3の底面上に設けられ、収納物6が配置される。図3(b)および図4に示すように、台座部8に配置した収納物6の外縁部に対して係合爪部7の爪部が引っ掛かり、この爪部と台座部8とが収納物6を挟み込むようにして固定保持する。
【0012】
一方、上ケース2には、図2および図3(a)に示すように、支持壁9が設けられる。収納物6を固定した下ケース3に上ケース2を組み付けた際、図4に示すように、下ケース3の内側面と係合爪部7との間に支持壁9が挿入される。これにより、支持壁9が係合爪部7に隣接して、収納物6との係合が解除される方向(爪部が収納物6から外れる方向)に係合爪部7が動く(突出片が撓む)ことが規制される。
【0013】
次に、筐体部品1内への収納物6の取り付けについて説明する。
図5は、実施の形態1に係る筐体部品における筐体内への収納物の取り付けを説明する図である。係合爪部7は樹脂などで形成され、その突出片が可撓性を有する。収納物6を下ケース3に固定する際、先ず、係合爪部7に力を掛けて、図5(a)に示す矢印方向に係合爪部7の突出片を撓ませてから、収納物6を台座部8に配置する。これにより、図5(b)に示すように、収納物6が、係合爪部7の爪部と台座部8とによって挟み込まれて固定保持される。
【0014】
続いて、上ケース2を下ケース3へ組み付ける。このとき、上ケース2を、支持壁9が下ケース3の内側面に沿うように挿入し、係合凹部4に係合凸部5を嵌合させて組み付ける。このとき、図5(c)に示すように、下ケース3の内側面と係合爪部7との間に支持壁9が挿入されて隣接することにより、支持壁9が、収納物6との係合が解除される方向に係合爪部7が動くことを規制するストッパとなる。このように、支持壁9は、係合爪部7の動きを規制するストッパ機能に加え、組み付け時のガイド機能も有する。
【0015】
なお、上記の説明では、収納物6が電子基板のような平板状の物体である場合を示したが、本発明は、電子基板以外の重量物であっても適用可能である。
また、係合爪部7の爪部で収納物6を保持する構成を示したが、本発明は、爪部に限定されるものではない。すなわち、上述の可撓性を有する突出片の先端に設ける係合部は、収納物6と係合して保持できる形状であればよい。例えば、収納物6の外表面に係合凸部を設けて、収納物6を下ケース3に取り付ける際、当該収納物6の係合凸部が、上記突出片の先端に設けた係合凹部に嵌合する構成であってもよい。
【0016】
以上のように、この実施の形態1によれば、開口面を有し、収納物を収納する下ケース3と、下ケース3の開口面を覆うように組み付けられる上ケース2とを備えた筐体部品1において、下ケース3に設けられ、収納物6と係合して支持する係合爪部7と、係合爪部7に設けられ、上ケース2を下ケース3に組み付けた際に、収納物6との係合が解除される方向へ係合爪部7が動くことを規制する支持壁9とを備える。
特に、係合爪部7が、下ケース3の開口面に対向する面から開口面側へ突出した突出片と、その先端部に設けられ、収納物6の外縁部と係合して当該収納物6を保持する爪部とからなり、支持壁9が、上ケース2を下ケース3に組み付けた際に、突出片に隣接して収納物6の外縁部との係合が解除される方向へ突出片が動くことを規制する。
このように構成することにより、係合爪部7による収納物6の保持力を向上させることができる。また、収納物6のねじ止めを省略できることから、ねじ止め用の工具が不要であり、製造工程の簡略化を図ることができる。従って、簡易な構成で強固に収納物6を筐体部品1に固定することが可能である。
【0017】
また、上記実施の形態1では、収納物6である矩形状の基板の各辺に対して、1つずつ係合爪部7を設けた場合を示したが、係合爪部7の数および配置位置は下記でもよい。
図6は、下ケースにおける係合爪部の配置例を示す図である。例えば、図6(a)に示すように、矩形状の収納物6の対向する一対の辺のそれぞれに対応して2つずつ係合爪部7を設けてもよい。また、図6(b)に示すように、矩形状の収納物6の対向する一対の辺のそれぞれに対応して1つずつ係合爪部7を設けるとともに、対向するもう一対の辺の一方に対応して1つの係合爪部7を設けてもよい。さらに、図6(c)に示すように、基板の各辺に対応して2つ以上の係合爪部7を設けてもよい。
【0018】
さらに、上記実施の形態1では、組み付け時に収納物6を囲むように支持壁9を設けた場合を示したが、支持壁9は下記のように構成してもよい。
図7は、上ケースにおける支持壁の構成例を示す図である。図7(a)に示す上ケース2は、図6(a)に示した下ケース3に対応している。すなわち、矩形状の収納物6の対向する一対の辺のそれぞれに対応して設けた係合爪部7の係合解除側への動きを規制するために、係合爪部7に対応する位置に支持壁9Aを設けている。
図7(b)に示す上ケース2は、図3(b)に示した下ケース3に対応している。すなわち、矩形状の収納物6の各辺に対応して1つずつ設けた係合爪部7の係合解除側への動きを規制するため、一辺分の大きさでなく、係合爪部7の周辺部分に対応する大きさで支持壁9Bを設けている。
【0019】
図7(c)に示す下ケース3では、円形もしくは円柱状の収納物6を保持するために、収納物6の円形面の外周に対応する当該下ケース3の底面上の位置に係合爪部7を設けた場合を示している。すなわち、図7(c)では、収納物6の円形面の外周に対応する位置に設けた係合爪部7の係合解除側への動きを規制するため、収納物6の円形の外形サイズよりも若干大きな円(収納物6の円形の外形サイズに対して少なくとも支持壁9Cの厚さ分を加えた径を持つ円)に沿って支持壁9Cを設けている。
【0020】
図7(d)に示す上ケース2は、図6(b)に示した下ケース3に対応している。すなわち、矩形状の収納物6の対向する一対の辺のそれぞれに対応して設けた係合爪部7と、もう一対の辺の一方に対応して設けた係合爪部7とが、それぞれ係合解除側へ動くことを規制するため、一辺分の大きさでなく、係合爪部7の周辺部分に対応する大きさで支持壁9Dを設けている。
【0021】
また、上記実施の形態1による筐体部品1は、下記のように構成してもよい。
図8は、実施の形態1に係る筐体部品の他の構成の断面を概略的に示す図である。上記実施の形態1では、支持壁9が下ケース3の内側面と係合爪部7との間に嵌り込む場合を示したが、図8に示す上ケース2Aの支持壁9Eのように、下ケース3への組み付け時に下ケース3の内壁面に当接せず、隙間が形成される位置に構成してもよい。
この構成は、支持壁9Eのみで、収納物6との係合が解除される方向へ係合爪部7が動くことを規制する剛性を有している場合、例えば上ケース2Aを金属部材で形成した場合などに適している。なお、図8では、支持壁9Eを下ケース3の内壁面に沿って挿入しても、組み付け時のガイドにはならない。
【0022】
さらに、上記実施の形態1によれば、上ケース2と下ケース3とを組み付けた際に係合して両ケースの組み付けを固定する係合凹部4と係合凸部5とを備える。このように構成することにより、収納物6のねじ止めを省略できることから、ねじ止め用の工具が不要であり、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0023】
実施の形態2.
上記実施の形態1は、基板などの収納物6の外縁部を保持する構成を示したが、収納物6の重量やサイズが大きくなると、その保持力が低下する懸念がある。そこで、この実施の形態2では、収納物6とより強固に係合する係合部を設けた構成について示す。
【0024】
図9は、この発明の実施の形態2に係る筐体部品の分解斜視図である。図10は、実施の形態2に係る筐体部品の下ケースの構成を示す図である。図11は、図10の符号Bを付した箇所の構成を示す図である。
上記実施の形態1と同様に、実施の形態2に係る筐体部品1は、樹脂などで形成した上ケース2Bおよび下ケース3Aを備える。下ケース3Aは、一方向に開口面を有する箱形状の筐体であり、上ケース2Bは、下ケース3Aの開口面を覆うように組み付けられる蓋形状の筐体である。上ケース2Bと下ケース3Aとを組み付けた筐体部品1の内部には、図9および図10に示すように、板状の収納物6Aが収納される。また、上ケース2Bを下ケース3Aに組み付ける際、上記実施の形態1と同様に、係合凹部4に対して係合凸部5が嵌合して組み付けが固定される。
【0025】
下ケース3Aの内部には係合爪部7Aおよび台座部8a,8bが設けられる。係合爪部7Aは、下ケース3Aの底面上の法線方向に沿って開口面側へ並んで突出した2本の突出片と、これらの突出片の先端にそれぞれ設けた爪部とを有する。これらの突出片は、上記実施の形態1と同様に、少なくとも収納物6Aの厚さと台座部8a,8bの高さの和に相当する長さを有し、その先に互いの爪部が逆向きになるように形成される。また、台座部8aは、下ケース3Aの底面上で中央の係合爪部7Aを囲むように設けられ、台座部8bは、下ケース3Aの底面上に側壁に沿って設けられ、収納物6Aが配置される。
【0026】
矩形状の収納物6Aには係合孔部10が複数の箇所に設けられる。図10および図11(a)に示すように、下ケース3Aの係合爪部7Aの2つの係合爪部が、収納物6Aの係合孔部10を貫通して、それぞれの爪部が係合孔部10の開口周辺部に引っ掛かり、爪部と台座部8a,8bが収納物6Aを挟み込むようにして固定保持する。なお、上記説明では、係合孔部10が円形である場合を示したが、係合爪部7Aの爪部が引っ掛かる開口周辺部を有していれば、矩形状であっても、その他の多角形形状であってもよい。
【0027】
一方、上ケース2Bには、図11(b)に示すように、支持壁9Fが設けられる。収納物6Aを固定した下ケース3Aに上ケース2Bを組み付けた際、係合爪部7Aの2つの係合爪部の間に支持壁9Fが挿入される。これにより、支持壁9Fが係合爪部7Aの2つの係合爪部に隣接して、係合爪部が互いに収納物6Aとの係合が解除される方向(爪部が収納物6Aの係合孔部10から外れる方向)へ動く(突出片が撓む)ことが規制される。
このように構成することにより、収納物6の重量やサイズが大きくなっても保持力を維持できる。なお、実施の形態2に係る係合保持構造は、重量が軽く、またサイズが小さい収納物にも適用可能である。
【0028】
図9〜11では、係合爪部7Aが、相互に逆方向の爪部を有する2本の係合爪部の対である場合について示したが、当該対の一方の係合爪部だけであってもよい。つまり、支持壁9Fが、一方の係合爪部の係合解除側へ動きを規制するために十分な剛性を有していればよい。
【0029】
以上のように、この実施の形態2によれば、収納物6Aが、係合孔部10を有し、係合爪部7Aが、下ケース3Aの開口面に対向する面から開口面側へ突出した突出片と、その先端部に設けた収納物6Aの係合孔部10の開口周辺と係合して、当該収納物6Aを保持する係合爪とからなり、支持壁9Fが、上ケース2Bを下ケース3Aに組み付けた際に、突出片に隣接して収納物6Aの係合孔部10の開口周辺との係合が解除される方向へ突出片が動くことを規制する。このように構成することにより、上記実施の形態1と比較してさらに係合爪部7Aによる収納物6Aの保持力を向上させることができる。また、収納物6Aのねじ止めを省略できるので、ねじ止め用の工具が不要であり、製造工程の簡略化を図ることができる。従って、簡易な構成で強固に収納物6Aを筐体部品1に固定することが可能である。
【0030】
また、上記実施の形態2の構成は、上記実施の形態1の構成と組み合わせることも可能である。例えば、矩形状の収納物6Aの外縁部を、実施の形態1の係合爪部7で係合保持し、当該収納物6Aの内側に設けた係合孔部10を、実施の形態2の係合爪部7Aで係合保持する。このように構成することにより、さらに収納物6Aの保持力を向上できる。
【0031】
なお、上記実施の形態2では、係合爪部7Aの爪部で収納物6Aを保持する構成を示したが、本発明は、爪部に限定されるものではない。すなわち、上述の可撓性を有する突出片の先端に設ける係合部は、係合孔部10の開口周辺と係合して支えることができる形状であればよい。例えば、下ケース3Aの突出片の先端に、係合孔部10の開口周辺が嵌合して、収納物6Aを固定保持する係合溝部を設ける。
【0032】
実施の形態3.
図12は、この発明の実施の形態3に係る筐体部品における収納物の係合部分の構成を示す図であり、図12(a)は、実施の形態3を上記実施の形態1の図4に示した構成に適用した場合を示しており、図12(b)は、実施の形態3を上記実施の形態2の構成に適用した場合を示している。図12(a)および図12(b)に示すように、実施の形態3に係る上ケース2の支持壁9Gもしくは支持壁9Hは、その端部から上ケース2に接続する基部へ向かって厚くなるように形成されている。
【0033】
収納物6(もしくは収納物6A)を固定した下ケース3(もしくは下ケース3A)に、上ケース2(もしくは上ケース2B)を組み付けた際、図12(a)または図12(b)に示すように、下ケース3(もしくは下ケース3A)の係合爪部7に隣接して支持壁9Gが挿入される。このとき、支持壁9Gが挿入されるにつれて、当該支持壁9Gに当接する係合爪部7(もしくは係合爪部7A)の爪部が、図12(a)(もしくは図12(b))において矢印で示す収納物6の外縁部側(若しくは係合孔部10の開口部周辺側)へ押し付けられる。
【0034】
以上のように、この実施の形態3によれば、支持壁9Gもしくは支持壁9Hを、その端部から上ケース2(もしくは上ケース2B)に接続する基部へ向かって厚くなるように形成したので、係合爪部7(もしくは係合爪部7A)による収納物6(もしくは収納物6A)の保持力を向上させることができるとともに、係合爪部7(もしくは係合爪部7A)の爪部と、収納物6(もしくは収納物6A)との間の隙間やガタを低減もしくは無くすことができる。これにより、振動やがたつきによる異音の発生を抑制できる。
【0035】
実施の形態4.
図13は、この発明の実施の形態4に係るモータ装置の外観を示す斜視図であり、上記実施の形態1に係る筐体部品をモータ装置に適用した場合を示している。図14は、実施の形態4に係るモータ装置の分解斜視図である。また、図15は、実施の形態4に係るモータ装置の断面図である。図13〜15において、実施の形態4に係るモータ装置1Aの下ケース3Bが、一方向に開口面を有する円筒状の筐体であり、上ケース2Cが、下ケース3Bの開口面を覆うように組み付けられる蓋形状の筐体である。上ケース2Cを下ケース3Bに組み付けたモータ装置1Aの内部には、図14に示すように、収容物であるモータ6Bが収納される。また、上ケース2Cを下ケース3Bに組み付けた際、図13および図15に示すように、係合凹部4に係合凸部5が嵌合して組み付けが固定される。
【0036】
下ケース3Bの内部には、モータ6Bの回転軸が貫通する孔部と、係合爪部7とが設けられる。係合爪部7は、下ケース3Bの底面上の法線方向に沿って開口面側へ突出した突出片と、この突出片の先端に設けた爪部を有する。また、モータ6Bの外表面には、係合凹部11が形成される。図15に示すように、下ケース3Bの孔部にモータ6Bの回転軸を通して下ケース3Bの底面上にモータ6Bを配置する際、下ケース3Bの係合爪部7の爪部がモータ6Bの係合凹部11に引っ掛かり、この爪部と下ケース3Bの底面とで挟み込むようにモータ6Bを固定保持する。なお、図14に示すように、係合爪部7を、モータ6Bの円周に沿って3箇所に設けた場合を示したが、係合爪部7Aの爪部が引っ掛かる開口周辺部を有していれば、矩形状であっても、その他の多角形形状であってもよい。
【0037】
一方、上ケース2Cには、図14および図15に示すように、支持壁9Iが設けられる。モータ6Bを固定した下ケース3Bに上ケース2Cを組み付けた際、係合爪部7に隣接して支持壁9Iが挿入される。これにより、支持壁9Iが係合爪部7に隣接して、係合爪部7がモータ6Bの係合凹部11との係合が解除される方向(爪部が係合凹部11から外れる方向)へ動く(突出片が撓む)ことが規制される。このように構成することにより、モータ6Bの保持力を向上できる。
【0038】
以上のように、この実施の形態4によれば、開口面を有し、モータ6Bを収納する下ケース3Bと、下ケース3Bの開口面を覆うように組み付けられる上ケース2Cとを備えたモータ装置1Aにおいて、下ケース3Bに設けられ、モータ6Bと係合して支持する係合爪部7と、係合爪部7に設けられ、上ケース2Cを下ケース3Bに組み付けた際、モータ6Bとの係合が解除される方向へ係合爪部7が動くことを規制する支持壁9Iを備える。
特に、係合爪部7が、下ケース3Bの開口面に対向する面から開口面側へ突出した突出片と、その先端部に設けられ、モータ6Bの係合凹部11と係合して当該モータ6Bを保持する爪部とからなり、支持壁9Iが、上ケース2Cを下ケース3Bに組み付けた際に、突出片に隣接してモータ6Bの係合凹部11との係合が解除される方向へ突出片が動くことを規制する。このように構成することにより、係合爪部7によるモータ6Bの保持力を向上させることができる。また、モータ6Bのねじ止めを省略できることから、ねじ止め用の工具が不要であり、製造工程の簡略化を図ることができる。従って、簡易な構成で強固にモータ6Bを固定することが可能である。
【0039】
また、上記実施の形態4では、係合爪部7の爪部が係合凹部11と係合してモータ6Bを保持する構成を示したが、本発明は、爪部に限定されるものではない。すなわち、上述の可撓性を有する突出片の先端に設ける係合部は、モータ6Bと係合して支えることができる形状であればよい。例えば、モータ6B側面に係合凸部を設けて、モータ6Bを下ケース3Bに取り付ける際に、突出片の先端に設けた係合凹部が、モータ6B側面の係合凸部に係合する構成であってもよい。
【0040】
実施の形態5.
図16は、この発明の実施の形態5に係る液晶ディスプレイ装置の外観を示す斜視図であり、上記実施の形態1に係る筐体部品を液晶ディスプレイ装置に適用した場合を示している。図17は、実施の形態5に係る液晶ディスプレイ装置の分解斜視図である。また、図18は、実施の形態5に係る液晶ディスプレイ装置の断面図である。
図16〜18において、実施の形態5に係る液晶ディスプレイ装置1Bの下ケース3Cが、一方向に開口面を有する箱形状の筐体であり、上ケース2Dが、下ケース3Cの開口面を覆うように組み付けられる蓋形状の筐体である。上ケース2Dを下ケース3Cに組み付けた液晶ディスプレイ装置1Bの内部には、図17に示すように、収容物である液晶ディスプレイ6Cが収納される。また、上ケース2Dを下ケース3Cに組み付けた際に、図16および図18に示すように、係合凹部4に係合凸部5が嵌合して組み付けが固定される。
【0041】
下ケース3Cの内部には、係合爪部7Bおよび台座部8cが設けられる。係合爪部7Bは、図18に示すように下ケース3Cの内側壁部に設けられ、下ケース3Cの開口面側へ突出した突出片と、その先端部に設けられ、液晶ディスプレイ6Cと係合して当該液晶ディスプレイ6Cを保持する爪部とからなる。また、台座部8cは、この係合爪部7Bの爪部に係合された液晶ディスプレイ6Cの外縁部に対応する位置に設けられる。
図18に示すように、係合爪部7Bの爪部が液晶ディスプレイ6Cの外縁部に引っ掛かると、この外縁部が台座部8cに配置されて、液晶ディスプレイ6Cを係合爪部7Bの爪部と台座部8cで挟み込むようにして固定保持する。
【0042】
一方、上ケース2Dには、図16〜18に示すように、液晶ディスプレイ6Cの画面を露出させるための開口部12と、支持壁9Jが設けられる。液晶ディスプレイ6Cを固定した下ケース3Cに上ケース2Dを組み付けた際、図18に示すように、下ケース3Cの内側面と係合爪部7Bとの間に支持壁9Jが挿入される。これにより、支持壁9Jが係合爪部7Bに隣接して、液晶ディスプレイ6Cとの係合が解除される方向(爪部が液晶ディスプレイ6Cの外縁部から外れる方向)に係合爪部7Bが動く(突出片が撓む)ことが規制される。
【0043】
以上のように、この実施の形態5によれば、開口面を有し、液晶ディスプレイ6Cを収納する下ケース3Cと、下ケース3Cの開口面を覆うように組み付けられる上ケース2Dとを備えた液晶ディスプレイ装置1Bにおいて、下ケース3Cに設けられ、液晶ディスプレイ6Cと係合して支持する係合爪部7Bと、係合爪部7Bに設けられ、上ケース2Dを下ケース3Cに組み付けた際、液晶ディスプレイ6Cとの係合が解除される方向へ係合爪部7Bが動くことを規制する支持壁9Jを備える。
特に、係合爪部7Bが、下ケース3Cの開口面側へ突出した突出片と、その先端部に設けられ、液晶ディスプレイ6Cの外縁部と係合して当該液晶ディスプレイ6Cを保持する爪部とからなり、支持壁9Jが、上ケース2Dを下ケース3Cに組み付けた際に、突出片に隣接して液晶ディスプレイ6Cの外縁部との係合が解除される方向へ突出片が動くことを規制する。このように構成することにより、係合爪部7Bによる液晶ディスプレイ6Cの保持力を向上させることができる。また、液晶ディスプレイ6Cのねじ止めを省略できることから、ねじ止め用の工具が不要であり、製造工程の簡略化を図ることができる。従って、簡易な構成で強固に液晶ディスプレイ6Cを固定することが可能である。
【0044】
また、上記実施の形態5では、係合爪部7Bの爪部が液晶ディスプレイ6Cの外縁部と係合して液晶ディスプレイ6Cを保持する構成を示したが、本発明は、爪部に限定されるものではない。すなわち、上述の可撓性を有する突出片の先端に設ける係合部は、液晶ディスプレイ6Cと係合して支えることができる形状であればよい。例えば、液晶ディスプレイ6C側面に係合凸部を設けて、液晶ディスプレイ6Cを下ケース3Cに取り付ける際に、突出片の先端に設けた係合凹部が、液晶ディスプレイ6C側面の係合凸部に係合する構成であってもよい。
【0045】
実施の形態6.
上記実施の形態1〜5では、上ケースを下ケースに組み付ける際に係合凹部4に係合凸部5を嵌合させて固定する構成を示したが、この実施の形態6は、特別な構成を有さず、上ケースと下ケースとを接着する構成について示す。
【0046】
図19は、この発明の実施の形態6に係る筐体部品の断面を概略的に示す図であり、実施の形態6を図8の構成に適用した場合を示している。実施の形態6に係る筐体部品1Cでは、図19に示すように、上ケース2Eと下ケース3Dとを組み付けた際の接触部13を接着している。例えば、上ケース2Eと下ケース3Dを樹脂で形成した場合に、接触部13を溶着によって固定する。
【0047】
以上のように、この実施の形態6によれば、上ケース2Eと下ケース3Dとを組み付けた際に、上ケース2Eと下ケース3Dとの接触部13を接着して固定したので、特別な係合固定構造を設けることなく、上ケース2Eと下ケース3Dの組付けを固定できる。これにより、収納物6のねじ止めを省略できることから、ねじ止め用の工具が不要であり、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0048】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0049】
1,1A 筐体部品、1B モータ装置、1C 液晶ディスプレイ装置、2,2A〜2E 上ケース、3,3A〜3D 下ケース、4 係合凹部、5 係合凸部、6,6A 収納物、6B モータ(収納物)、6C 液晶ディスプレイ(収納物)、7,7A,7B 係合爪部、8,8a〜8c 台座部、9,9A〜9J 支持壁、10 係合孔部、11 係合凹部、12 開口部、13 接触部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板や重量物などの収納物を内部に固定して収納する筐体部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂等で形成された筐体内に収納物を収納する筐体部品において、多くの場合、筐体内に収納物をねじ止めで固定して収納していた。
一方、樹脂で形成された筐体に収納物を取り付ける従来の技術として、筐体側に設けた係合爪部を、収納物の表面に設けた係合凹部に引っ掛けて固定するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−135449号公報(第7頁、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来では、筐体内に収納物を収納する場合、ねじ止めで固定することが一般的であったが、ねじ止めは強固に固定できる反面、部品点数の増加や収納物の取り付け工程の煩雑化を招くという課題があった。また、特許文献1に代表される従来の技術では、振動や機械的な衝撃で収納物に印加される力によっては、係合爪部に対して係合凹部との係合が解除される方向に力が働き、収納物の固定が外れる場合がある。この挙動は、収納物が重量物である場合に顕著に表れる。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、簡易な構成で強固に収納物を筐体内に固定することができる筐体部品を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る筐体部品は、開口面を有し、収納物を収納する第1の筐体と、第1の筐体の開口面を覆うように組み付けられる第2の筐体とを備えた筐体部品において、第1の筐体に設けられ、収納物と係合して支持する第1の係合部と、第2の筐体に設けられ、当該第2の筐体を第1の筐体に組み付けた際に、収納物との係合が解除される方向へ第1の係合部が動くことを規制する支持壁とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、簡易な構成で強固に収納物を筐体内に固定することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明の実施の形態1に係る筐体部品の外観を示す斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る筐体部品の分解斜視図である。
【図3】実施の形態1に係る筐体部品の上ケースおよび下ケースの構成を示す図である。
【図4】図1のA−A線での断面を概略的に示す図である。
【図5】実施の形態1に係る筐体部品における筐体内への収納物の取り付けを説明する図である。
【図6】下ケースにおける係合爪部の配置例を示す図である。
【図7】上ケースにおける支持壁の構成例を示す図である。
【図8】実施の形態1に係る筐体部品の他の構成の断面を概略的に示す図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係る筐体部品の分解斜視図である。
【図10】実施の形態2に係る筐体部品の下ケースの構成を示す図である。
【図11】図10の符号Bを付した箇所の構成を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態3に係る筐体部品における収納物の係合部分の構成を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態4に係るモータ装置の外観を示す側面図である。
【図14】実施の形態4に係るモータ装置の分解斜視図である。
【図15】実施の形態4に係るモータ装置の断面図である。
【図16】この発明の実施の形態5に係る液晶ディスプレイ装置の外観を示す斜視図である。
【図17】実施の形態5に係る液晶ディスプレイ装置の分解斜視図である。
【図18】図16のC−C線での断面を概略的に示す図である。
【図19】この発明の実施の形態6に係る筐体部品の断面を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る筐体部品の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態1に係る筐体部品の分解斜視図であり、図1の筐体部品を各構成に分解して示している。また、図3は、図1の上ケースおよび下ケースの構成を示す図であり、図3(a)は上ケースの斜視図、図3(b)は上ケースを取り外した下ケースの上面図である。図4は、図1のA−A線での断面を概略的に示す図である。
【0010】
図1に示すように、本発明に係る筐体部品1は、樹脂などで形成した上ケース2および下ケース3を備える。下ケース3は一方向に開口面を有する箱形状の筐体であり、上ケース2は下ケース3の開口面を覆うように組み付けられる蓋形状の筐体である。上ケース2と下ケース3とを組み付けた筐体部品1の内部には、図2に示すように、基板などの収納物6が収納される。また、上ケース2を下ケース3に組み付けた際、図4に示すように、係合凹部4に対して係合凸部5が嵌合して組み付けが固定される。
【0011】
下ケース3の内部には係合爪部7および台座部8が設けられる。係合爪部7は、下ケース3の底面上の法線方向に沿って開口面側へ突出した突出片と、この突出片の先端に設けた爪部とを有する。この突出片は、少なくとも収納物6の厚さと台座部8の高さの和に相当する長さを有し、この先に爪部が形成される。また、台座部8は、下ケース3の底面上に設けられ、収納物6が配置される。図3(b)および図4に示すように、台座部8に配置した収納物6の外縁部に対して係合爪部7の爪部が引っ掛かり、この爪部と台座部8とが収納物6を挟み込むようにして固定保持する。
【0012】
一方、上ケース2には、図2および図3(a)に示すように、支持壁9が設けられる。収納物6を固定した下ケース3に上ケース2を組み付けた際、図4に示すように、下ケース3の内側面と係合爪部7との間に支持壁9が挿入される。これにより、支持壁9が係合爪部7に隣接して、収納物6との係合が解除される方向(爪部が収納物6から外れる方向)に係合爪部7が動く(突出片が撓む)ことが規制される。
【0013】
次に、筐体部品1内への収納物6の取り付けについて説明する。
図5は、実施の形態1に係る筐体部品における筐体内への収納物の取り付けを説明する図である。係合爪部7は樹脂などで形成され、その突出片が可撓性を有する。収納物6を下ケース3に固定する際、先ず、係合爪部7に力を掛けて、図5(a)に示す矢印方向に係合爪部7の突出片を撓ませてから、収納物6を台座部8に配置する。これにより、図5(b)に示すように、収納物6が、係合爪部7の爪部と台座部8とによって挟み込まれて固定保持される。
【0014】
続いて、上ケース2を下ケース3へ組み付ける。このとき、上ケース2を、支持壁9が下ケース3の内側面に沿うように挿入し、係合凹部4に係合凸部5を嵌合させて組み付ける。このとき、図5(c)に示すように、下ケース3の内側面と係合爪部7との間に支持壁9が挿入されて隣接することにより、支持壁9が、収納物6との係合が解除される方向に係合爪部7が動くことを規制するストッパとなる。このように、支持壁9は、係合爪部7の動きを規制するストッパ機能に加え、組み付け時のガイド機能も有する。
【0015】
なお、上記の説明では、収納物6が電子基板のような平板状の物体である場合を示したが、本発明は、電子基板以外の重量物であっても適用可能である。
また、係合爪部7の爪部で収納物6を保持する構成を示したが、本発明は、爪部に限定されるものではない。すなわち、上述の可撓性を有する突出片の先端に設ける係合部は、収納物6と係合して保持できる形状であればよい。例えば、収納物6の外表面に係合凸部を設けて、収納物6を下ケース3に取り付ける際、当該収納物6の係合凸部が、上記突出片の先端に設けた係合凹部に嵌合する構成であってもよい。
【0016】
以上のように、この実施の形態1によれば、開口面を有し、収納物を収納する下ケース3と、下ケース3の開口面を覆うように組み付けられる上ケース2とを備えた筐体部品1において、下ケース3に設けられ、収納物6と係合して支持する係合爪部7と、係合爪部7に設けられ、上ケース2を下ケース3に組み付けた際に、収納物6との係合が解除される方向へ係合爪部7が動くことを規制する支持壁9とを備える。
特に、係合爪部7が、下ケース3の開口面に対向する面から開口面側へ突出した突出片と、その先端部に設けられ、収納物6の外縁部と係合して当該収納物6を保持する爪部とからなり、支持壁9が、上ケース2を下ケース3に組み付けた際に、突出片に隣接して収納物6の外縁部との係合が解除される方向へ突出片が動くことを規制する。
このように構成することにより、係合爪部7による収納物6の保持力を向上させることができる。また、収納物6のねじ止めを省略できることから、ねじ止め用の工具が不要であり、製造工程の簡略化を図ることができる。従って、簡易な構成で強固に収納物6を筐体部品1に固定することが可能である。
【0017】
また、上記実施の形態1では、収納物6である矩形状の基板の各辺に対して、1つずつ係合爪部7を設けた場合を示したが、係合爪部7の数および配置位置は下記でもよい。
図6は、下ケースにおける係合爪部の配置例を示す図である。例えば、図6(a)に示すように、矩形状の収納物6の対向する一対の辺のそれぞれに対応して2つずつ係合爪部7を設けてもよい。また、図6(b)に示すように、矩形状の収納物6の対向する一対の辺のそれぞれに対応して1つずつ係合爪部7を設けるとともに、対向するもう一対の辺の一方に対応して1つの係合爪部7を設けてもよい。さらに、図6(c)に示すように、基板の各辺に対応して2つ以上の係合爪部7を設けてもよい。
【0018】
さらに、上記実施の形態1では、組み付け時に収納物6を囲むように支持壁9を設けた場合を示したが、支持壁9は下記のように構成してもよい。
図7は、上ケースにおける支持壁の構成例を示す図である。図7(a)に示す上ケース2は、図6(a)に示した下ケース3に対応している。すなわち、矩形状の収納物6の対向する一対の辺のそれぞれに対応して設けた係合爪部7の係合解除側への動きを規制するために、係合爪部7に対応する位置に支持壁9Aを設けている。
図7(b)に示す上ケース2は、図3(b)に示した下ケース3に対応している。すなわち、矩形状の収納物6の各辺に対応して1つずつ設けた係合爪部7の係合解除側への動きを規制するため、一辺分の大きさでなく、係合爪部7の周辺部分に対応する大きさで支持壁9Bを設けている。
【0019】
図7(c)に示す下ケース3では、円形もしくは円柱状の収納物6を保持するために、収納物6の円形面の外周に対応する当該下ケース3の底面上の位置に係合爪部7を設けた場合を示している。すなわち、図7(c)では、収納物6の円形面の外周に対応する位置に設けた係合爪部7の係合解除側への動きを規制するため、収納物6の円形の外形サイズよりも若干大きな円(収納物6の円形の外形サイズに対して少なくとも支持壁9Cの厚さ分を加えた径を持つ円)に沿って支持壁9Cを設けている。
【0020】
図7(d)に示す上ケース2は、図6(b)に示した下ケース3に対応している。すなわち、矩形状の収納物6の対向する一対の辺のそれぞれに対応して設けた係合爪部7と、もう一対の辺の一方に対応して設けた係合爪部7とが、それぞれ係合解除側へ動くことを規制するため、一辺分の大きさでなく、係合爪部7の周辺部分に対応する大きさで支持壁9Dを設けている。
【0021】
また、上記実施の形態1による筐体部品1は、下記のように構成してもよい。
図8は、実施の形態1に係る筐体部品の他の構成の断面を概略的に示す図である。上記実施の形態1では、支持壁9が下ケース3の内側面と係合爪部7との間に嵌り込む場合を示したが、図8に示す上ケース2Aの支持壁9Eのように、下ケース3への組み付け時に下ケース3の内壁面に当接せず、隙間が形成される位置に構成してもよい。
この構成は、支持壁9Eのみで、収納物6との係合が解除される方向へ係合爪部7が動くことを規制する剛性を有している場合、例えば上ケース2Aを金属部材で形成した場合などに適している。なお、図8では、支持壁9Eを下ケース3の内壁面に沿って挿入しても、組み付け時のガイドにはならない。
【0022】
さらに、上記実施の形態1によれば、上ケース2と下ケース3とを組み付けた際に係合して両ケースの組み付けを固定する係合凹部4と係合凸部5とを備える。このように構成することにより、収納物6のねじ止めを省略できることから、ねじ止め用の工具が不要であり、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0023】
実施の形態2.
上記実施の形態1は、基板などの収納物6の外縁部を保持する構成を示したが、収納物6の重量やサイズが大きくなると、その保持力が低下する懸念がある。そこで、この実施の形態2では、収納物6とより強固に係合する係合部を設けた構成について示す。
【0024】
図9は、この発明の実施の形態2に係る筐体部品の分解斜視図である。図10は、実施の形態2に係る筐体部品の下ケースの構成を示す図である。図11は、図10の符号Bを付した箇所の構成を示す図である。
上記実施の形態1と同様に、実施の形態2に係る筐体部品1は、樹脂などで形成した上ケース2Bおよび下ケース3Aを備える。下ケース3Aは、一方向に開口面を有する箱形状の筐体であり、上ケース2Bは、下ケース3Aの開口面を覆うように組み付けられる蓋形状の筐体である。上ケース2Bと下ケース3Aとを組み付けた筐体部品1の内部には、図9および図10に示すように、板状の収納物6Aが収納される。また、上ケース2Bを下ケース3Aに組み付ける際、上記実施の形態1と同様に、係合凹部4に対して係合凸部5が嵌合して組み付けが固定される。
【0025】
下ケース3Aの内部には係合爪部7Aおよび台座部8a,8bが設けられる。係合爪部7Aは、下ケース3Aの底面上の法線方向に沿って開口面側へ並んで突出した2本の突出片と、これらの突出片の先端にそれぞれ設けた爪部とを有する。これらの突出片は、上記実施の形態1と同様に、少なくとも収納物6Aの厚さと台座部8a,8bの高さの和に相当する長さを有し、その先に互いの爪部が逆向きになるように形成される。また、台座部8aは、下ケース3Aの底面上で中央の係合爪部7Aを囲むように設けられ、台座部8bは、下ケース3Aの底面上に側壁に沿って設けられ、収納物6Aが配置される。
【0026】
矩形状の収納物6Aには係合孔部10が複数の箇所に設けられる。図10および図11(a)に示すように、下ケース3Aの係合爪部7Aの2つの係合爪部が、収納物6Aの係合孔部10を貫通して、それぞれの爪部が係合孔部10の開口周辺部に引っ掛かり、爪部と台座部8a,8bが収納物6Aを挟み込むようにして固定保持する。なお、上記説明では、係合孔部10が円形である場合を示したが、係合爪部7Aの爪部が引っ掛かる開口周辺部を有していれば、矩形状であっても、その他の多角形形状であってもよい。
【0027】
一方、上ケース2Bには、図11(b)に示すように、支持壁9Fが設けられる。収納物6Aを固定した下ケース3Aに上ケース2Bを組み付けた際、係合爪部7Aの2つの係合爪部の間に支持壁9Fが挿入される。これにより、支持壁9Fが係合爪部7Aの2つの係合爪部に隣接して、係合爪部が互いに収納物6Aとの係合が解除される方向(爪部が収納物6Aの係合孔部10から外れる方向)へ動く(突出片が撓む)ことが規制される。
このように構成することにより、収納物6の重量やサイズが大きくなっても保持力を維持できる。なお、実施の形態2に係る係合保持構造は、重量が軽く、またサイズが小さい収納物にも適用可能である。
【0028】
図9〜11では、係合爪部7Aが、相互に逆方向の爪部を有する2本の係合爪部の対である場合について示したが、当該対の一方の係合爪部だけであってもよい。つまり、支持壁9Fが、一方の係合爪部の係合解除側へ動きを規制するために十分な剛性を有していればよい。
【0029】
以上のように、この実施の形態2によれば、収納物6Aが、係合孔部10を有し、係合爪部7Aが、下ケース3Aの開口面に対向する面から開口面側へ突出した突出片と、その先端部に設けた収納物6Aの係合孔部10の開口周辺と係合して、当該収納物6Aを保持する係合爪とからなり、支持壁9Fが、上ケース2Bを下ケース3Aに組み付けた際に、突出片に隣接して収納物6Aの係合孔部10の開口周辺との係合が解除される方向へ突出片が動くことを規制する。このように構成することにより、上記実施の形態1と比較してさらに係合爪部7Aによる収納物6Aの保持力を向上させることができる。また、収納物6Aのねじ止めを省略できるので、ねじ止め用の工具が不要であり、製造工程の簡略化を図ることができる。従って、簡易な構成で強固に収納物6Aを筐体部品1に固定することが可能である。
【0030】
また、上記実施の形態2の構成は、上記実施の形態1の構成と組み合わせることも可能である。例えば、矩形状の収納物6Aの外縁部を、実施の形態1の係合爪部7で係合保持し、当該収納物6Aの内側に設けた係合孔部10を、実施の形態2の係合爪部7Aで係合保持する。このように構成することにより、さらに収納物6Aの保持力を向上できる。
【0031】
なお、上記実施の形態2では、係合爪部7Aの爪部で収納物6Aを保持する構成を示したが、本発明は、爪部に限定されるものではない。すなわち、上述の可撓性を有する突出片の先端に設ける係合部は、係合孔部10の開口周辺と係合して支えることができる形状であればよい。例えば、下ケース3Aの突出片の先端に、係合孔部10の開口周辺が嵌合して、収納物6Aを固定保持する係合溝部を設ける。
【0032】
実施の形態3.
図12は、この発明の実施の形態3に係る筐体部品における収納物の係合部分の構成を示す図であり、図12(a)は、実施の形態3を上記実施の形態1の図4に示した構成に適用した場合を示しており、図12(b)は、実施の形態3を上記実施の形態2の構成に適用した場合を示している。図12(a)および図12(b)に示すように、実施の形態3に係る上ケース2の支持壁9Gもしくは支持壁9Hは、その端部から上ケース2に接続する基部へ向かって厚くなるように形成されている。
【0033】
収納物6(もしくは収納物6A)を固定した下ケース3(もしくは下ケース3A)に、上ケース2(もしくは上ケース2B)を組み付けた際、図12(a)または図12(b)に示すように、下ケース3(もしくは下ケース3A)の係合爪部7に隣接して支持壁9Gが挿入される。このとき、支持壁9Gが挿入されるにつれて、当該支持壁9Gに当接する係合爪部7(もしくは係合爪部7A)の爪部が、図12(a)(もしくは図12(b))において矢印で示す収納物6の外縁部側(若しくは係合孔部10の開口部周辺側)へ押し付けられる。
【0034】
以上のように、この実施の形態3によれば、支持壁9Gもしくは支持壁9Hを、その端部から上ケース2(もしくは上ケース2B)に接続する基部へ向かって厚くなるように形成したので、係合爪部7(もしくは係合爪部7A)による収納物6(もしくは収納物6A)の保持力を向上させることができるとともに、係合爪部7(もしくは係合爪部7A)の爪部と、収納物6(もしくは収納物6A)との間の隙間やガタを低減もしくは無くすことができる。これにより、振動やがたつきによる異音の発生を抑制できる。
【0035】
実施の形態4.
図13は、この発明の実施の形態4に係るモータ装置の外観を示す斜視図であり、上記実施の形態1に係る筐体部品をモータ装置に適用した場合を示している。図14は、実施の形態4に係るモータ装置の分解斜視図である。また、図15は、実施の形態4に係るモータ装置の断面図である。図13〜15において、実施の形態4に係るモータ装置1Aの下ケース3Bが、一方向に開口面を有する円筒状の筐体であり、上ケース2Cが、下ケース3Bの開口面を覆うように組み付けられる蓋形状の筐体である。上ケース2Cを下ケース3Bに組み付けたモータ装置1Aの内部には、図14に示すように、収容物であるモータ6Bが収納される。また、上ケース2Cを下ケース3Bに組み付けた際、図13および図15に示すように、係合凹部4に係合凸部5が嵌合して組み付けが固定される。
【0036】
下ケース3Bの内部には、モータ6Bの回転軸が貫通する孔部と、係合爪部7とが設けられる。係合爪部7は、下ケース3Bの底面上の法線方向に沿って開口面側へ突出した突出片と、この突出片の先端に設けた爪部を有する。また、モータ6Bの外表面には、係合凹部11が形成される。図15に示すように、下ケース3Bの孔部にモータ6Bの回転軸を通して下ケース3Bの底面上にモータ6Bを配置する際、下ケース3Bの係合爪部7の爪部がモータ6Bの係合凹部11に引っ掛かり、この爪部と下ケース3Bの底面とで挟み込むようにモータ6Bを固定保持する。なお、図14に示すように、係合爪部7を、モータ6Bの円周に沿って3箇所に設けた場合を示したが、係合爪部7Aの爪部が引っ掛かる開口周辺部を有していれば、矩形状であっても、その他の多角形形状であってもよい。
【0037】
一方、上ケース2Cには、図14および図15に示すように、支持壁9Iが設けられる。モータ6Bを固定した下ケース3Bに上ケース2Cを組み付けた際、係合爪部7に隣接して支持壁9Iが挿入される。これにより、支持壁9Iが係合爪部7に隣接して、係合爪部7がモータ6Bの係合凹部11との係合が解除される方向(爪部が係合凹部11から外れる方向)へ動く(突出片が撓む)ことが規制される。このように構成することにより、モータ6Bの保持力を向上できる。
【0038】
以上のように、この実施の形態4によれば、開口面を有し、モータ6Bを収納する下ケース3Bと、下ケース3Bの開口面を覆うように組み付けられる上ケース2Cとを備えたモータ装置1Aにおいて、下ケース3Bに設けられ、モータ6Bと係合して支持する係合爪部7と、係合爪部7に設けられ、上ケース2Cを下ケース3Bに組み付けた際、モータ6Bとの係合が解除される方向へ係合爪部7が動くことを規制する支持壁9Iを備える。
特に、係合爪部7が、下ケース3Bの開口面に対向する面から開口面側へ突出した突出片と、その先端部に設けられ、モータ6Bの係合凹部11と係合して当該モータ6Bを保持する爪部とからなり、支持壁9Iが、上ケース2Cを下ケース3Bに組み付けた際に、突出片に隣接してモータ6Bの係合凹部11との係合が解除される方向へ突出片が動くことを規制する。このように構成することにより、係合爪部7によるモータ6Bの保持力を向上させることができる。また、モータ6Bのねじ止めを省略できることから、ねじ止め用の工具が不要であり、製造工程の簡略化を図ることができる。従って、簡易な構成で強固にモータ6Bを固定することが可能である。
【0039】
また、上記実施の形態4では、係合爪部7の爪部が係合凹部11と係合してモータ6Bを保持する構成を示したが、本発明は、爪部に限定されるものではない。すなわち、上述の可撓性を有する突出片の先端に設ける係合部は、モータ6Bと係合して支えることができる形状であればよい。例えば、モータ6B側面に係合凸部を設けて、モータ6Bを下ケース3Bに取り付ける際に、突出片の先端に設けた係合凹部が、モータ6B側面の係合凸部に係合する構成であってもよい。
【0040】
実施の形態5.
図16は、この発明の実施の形態5に係る液晶ディスプレイ装置の外観を示す斜視図であり、上記実施の形態1に係る筐体部品を液晶ディスプレイ装置に適用した場合を示している。図17は、実施の形態5に係る液晶ディスプレイ装置の分解斜視図である。また、図18は、実施の形態5に係る液晶ディスプレイ装置の断面図である。
図16〜18において、実施の形態5に係る液晶ディスプレイ装置1Bの下ケース3Cが、一方向に開口面を有する箱形状の筐体であり、上ケース2Dが、下ケース3Cの開口面を覆うように組み付けられる蓋形状の筐体である。上ケース2Dを下ケース3Cに組み付けた液晶ディスプレイ装置1Bの内部には、図17に示すように、収容物である液晶ディスプレイ6Cが収納される。また、上ケース2Dを下ケース3Cに組み付けた際に、図16および図18に示すように、係合凹部4に係合凸部5が嵌合して組み付けが固定される。
【0041】
下ケース3Cの内部には、係合爪部7Bおよび台座部8cが設けられる。係合爪部7Bは、図18に示すように下ケース3Cの内側壁部に設けられ、下ケース3Cの開口面側へ突出した突出片と、その先端部に設けられ、液晶ディスプレイ6Cと係合して当該液晶ディスプレイ6Cを保持する爪部とからなる。また、台座部8cは、この係合爪部7Bの爪部に係合された液晶ディスプレイ6Cの外縁部に対応する位置に設けられる。
図18に示すように、係合爪部7Bの爪部が液晶ディスプレイ6Cの外縁部に引っ掛かると、この外縁部が台座部8cに配置されて、液晶ディスプレイ6Cを係合爪部7Bの爪部と台座部8cで挟み込むようにして固定保持する。
【0042】
一方、上ケース2Dには、図16〜18に示すように、液晶ディスプレイ6Cの画面を露出させるための開口部12と、支持壁9Jが設けられる。液晶ディスプレイ6Cを固定した下ケース3Cに上ケース2Dを組み付けた際、図18に示すように、下ケース3Cの内側面と係合爪部7Bとの間に支持壁9Jが挿入される。これにより、支持壁9Jが係合爪部7Bに隣接して、液晶ディスプレイ6Cとの係合が解除される方向(爪部が液晶ディスプレイ6Cの外縁部から外れる方向)に係合爪部7Bが動く(突出片が撓む)ことが規制される。
【0043】
以上のように、この実施の形態5によれば、開口面を有し、液晶ディスプレイ6Cを収納する下ケース3Cと、下ケース3Cの開口面を覆うように組み付けられる上ケース2Dとを備えた液晶ディスプレイ装置1Bにおいて、下ケース3Cに設けられ、液晶ディスプレイ6Cと係合して支持する係合爪部7Bと、係合爪部7Bに設けられ、上ケース2Dを下ケース3Cに組み付けた際、液晶ディスプレイ6Cとの係合が解除される方向へ係合爪部7Bが動くことを規制する支持壁9Jを備える。
特に、係合爪部7Bが、下ケース3Cの開口面側へ突出した突出片と、その先端部に設けられ、液晶ディスプレイ6Cの外縁部と係合して当該液晶ディスプレイ6Cを保持する爪部とからなり、支持壁9Jが、上ケース2Dを下ケース3Cに組み付けた際に、突出片に隣接して液晶ディスプレイ6Cの外縁部との係合が解除される方向へ突出片が動くことを規制する。このように構成することにより、係合爪部7Bによる液晶ディスプレイ6Cの保持力を向上させることができる。また、液晶ディスプレイ6Cのねじ止めを省略できることから、ねじ止め用の工具が不要であり、製造工程の簡略化を図ることができる。従って、簡易な構成で強固に液晶ディスプレイ6Cを固定することが可能である。
【0044】
また、上記実施の形態5では、係合爪部7Bの爪部が液晶ディスプレイ6Cの外縁部と係合して液晶ディスプレイ6Cを保持する構成を示したが、本発明は、爪部に限定されるものではない。すなわち、上述の可撓性を有する突出片の先端に設ける係合部は、液晶ディスプレイ6Cと係合して支えることができる形状であればよい。例えば、液晶ディスプレイ6C側面に係合凸部を設けて、液晶ディスプレイ6Cを下ケース3Cに取り付ける際に、突出片の先端に設けた係合凹部が、液晶ディスプレイ6C側面の係合凸部に係合する構成であってもよい。
【0045】
実施の形態6.
上記実施の形態1〜5では、上ケースを下ケースに組み付ける際に係合凹部4に係合凸部5を嵌合させて固定する構成を示したが、この実施の形態6は、特別な構成を有さず、上ケースと下ケースとを接着する構成について示す。
【0046】
図19は、この発明の実施の形態6に係る筐体部品の断面を概略的に示す図であり、実施の形態6を図8の構成に適用した場合を示している。実施の形態6に係る筐体部品1Cでは、図19に示すように、上ケース2Eと下ケース3Dとを組み付けた際の接触部13を接着している。例えば、上ケース2Eと下ケース3Dを樹脂で形成した場合に、接触部13を溶着によって固定する。
【0047】
以上のように、この実施の形態6によれば、上ケース2Eと下ケース3Dとを組み付けた際に、上ケース2Eと下ケース3Dとの接触部13を接着して固定したので、特別な係合固定構造を設けることなく、上ケース2Eと下ケース3Dの組付けを固定できる。これにより、収納物6のねじ止めを省略できることから、ねじ止め用の工具が不要であり、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0048】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0049】
1,1A 筐体部品、1B モータ装置、1C 液晶ディスプレイ装置、2,2A〜2E 上ケース、3,3A〜3D 下ケース、4 係合凹部、5 係合凸部、6,6A 収納物、6B モータ(収納物)、6C 液晶ディスプレイ(収納物)、7,7A,7B 係合爪部、8,8a〜8c 台座部、9,9A〜9J 支持壁、10 係合孔部、11 係合凹部、12 開口部、13 接触部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口面を有し、収納物を収納する第1の筐体と、前記第1の筐体の開口面を覆うように組み付けられる第2の筐体とを備えた筐体部品において、
前記第1の筐体に設けられ、前記収納物と係合して支持する第1の係合部と、
前記第2の筐体に設けられ、当該第2の筐体を前記第1の筐体に組み付けた際に、前記収納物との係合が解除される方向へ前記第1の係合部が動くことを規制する支持壁とを備えたことを特徴とする筐体部品。
【請求項2】
前記第1の係合部は、前記第1の筐体の開口面に対向する面から開口面側へ突出した突出片と、その先端部に設けられ、前記収納物の外縁部と係合して当該収納物を保持する係合爪とからなり、
前記支持壁は、前記第2の筐体を前記第1の筐体に組み付けた際に、前記突出片に隣接して前記収納物の外縁部との係合が解除される方向へ前記突出片が動くことを規制することを特徴とする請求項1記載の筐体部品。
【請求項3】
前記収納物は、係合孔部を有し、
前記第1の係合部は、前記第1の筐体の開口面に対向する面から開口面側へ突出した突出片と、その先端部に設けた前記収納物の前記係合孔部の開口周辺と係合して当該収納物を保持する係合爪とからなり、
前記支持壁は、前記第2の筐体を前記第1の筐体に組み付けた際に、前記突出片に隣接して前記収納物の前記係合孔部の開口周辺との係合が解除される方向へ前記突出片が動くことを規制することを特徴とする請求項1記載の筐体部品。
【請求項4】
前記支持壁を、端部から前記第2の筐体に接続する基部へ向かって厚くなるように形成したことを特徴とする請求項2または請求項3記載の筐体部品。
【請求項5】
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを組み付けた際に係合して両筐体の組み付けを固定する第2の係合部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の筐体部品。
【請求項6】
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを組み付けた際に、前記第1の筐体と前記第2の筐体との接触部を接着して固定したことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の筐体部品。
【請求項1】
開口面を有し、収納物を収納する第1の筐体と、前記第1の筐体の開口面を覆うように組み付けられる第2の筐体とを備えた筐体部品において、
前記第1の筐体に設けられ、前記収納物と係合して支持する第1の係合部と、
前記第2の筐体に設けられ、当該第2の筐体を前記第1の筐体に組み付けた際に、前記収納物との係合が解除される方向へ前記第1の係合部が動くことを規制する支持壁とを備えたことを特徴とする筐体部品。
【請求項2】
前記第1の係合部は、前記第1の筐体の開口面に対向する面から開口面側へ突出した突出片と、その先端部に設けられ、前記収納物の外縁部と係合して当該収納物を保持する係合爪とからなり、
前記支持壁は、前記第2の筐体を前記第1の筐体に組み付けた際に、前記突出片に隣接して前記収納物の外縁部との係合が解除される方向へ前記突出片が動くことを規制することを特徴とする請求項1記載の筐体部品。
【請求項3】
前記収納物は、係合孔部を有し、
前記第1の係合部は、前記第1の筐体の開口面に対向する面から開口面側へ突出した突出片と、その先端部に設けた前記収納物の前記係合孔部の開口周辺と係合して当該収納物を保持する係合爪とからなり、
前記支持壁は、前記第2の筐体を前記第1の筐体に組み付けた際に、前記突出片に隣接して前記収納物の前記係合孔部の開口周辺との係合が解除される方向へ前記突出片が動くことを規制することを特徴とする請求項1記載の筐体部品。
【請求項4】
前記支持壁を、端部から前記第2の筐体に接続する基部へ向かって厚くなるように形成したことを特徴とする請求項2または請求項3記載の筐体部品。
【請求項5】
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを組み付けた際に係合して両筐体の組み付けを固定する第2の係合部を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の筐体部品。
【請求項6】
前記第1の筐体と前記第2の筐体とを組み付けた際に、前記第1の筐体と前記第2の筐体との接触部を接着して固定したことを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載の筐体部品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−4617(P2013−4617A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132387(P2011−132387)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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