説明

筒状部材内の除染方法及び除染装置

【課題】筒状部材の内面に付着した放射性物質を含むスケールを効率よく均一に剥離除去することができる筒状部材内の除染方法及び除染装置を提供する。
【解決手段】内面に放射性物質を含むスケールが付着した筒状部材Pに接続される管状部材2aと、管状部材2aに接続され非ニュートン流体Mを筒状部材P内に圧送するポンプ3aとを有しており、ポンプ3aにより圧送された非ニュートン流体Mを筒状部材P内にて移動させ、非ニュートン流体Mの剪断応力を利用してスケールを筒状部材Pの内面から剥離するようにした。非ニュートン流体Mは、流れの剪断応力が流れの剪断速度と線形の関係ではない粘性特性を有するため、筒状部材Pの内面に付着したスケールを効率よく均一に剥離除去することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状部材内の除染方法及び除染装置に関し、特に、筒状部材の内面に付着した放射性物質を含むスケールを除去し、筒状部材内を除染する筒状部材内の除染方法及び除染装置に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所等に設置されている蒸気発生器や熱交換器(沸騰水型炉の復水器を含む)等の伝熱管には、放射性を帯びた流体が流れるため、伝熱管の内面には、発電所の運転に伴って、放射性物質を含むスケールが付着する。従って、上述した蒸気発生器等の保守や廃止措置に当たっては、作業者の被爆や放射性廃棄物の低減を図るべく、伝熱管内に残存する放射性物質を除染する必要がある。
【0003】
この伝熱管のように、内面に放射性物質を含むスケールが付着した筒状部材内を除染する方法として、種々の発明が提案されている。例えば、特許文献1に記載された筒状部材内の除染方法は、洗浄対象配管の両端のそれぞれに洗浄装置を連結し、一方の洗浄装置内の洗浄液体を前記配管に流入させて他方の洗浄装置に送り出した後、他方の洗浄装置内の洗浄液体を前記配管に流入させて一方の洗浄装置に送り返す工程を繰り返し、前記配管内を洗浄するようにしたものである。
【0004】
また、その他の筒状部材内の除染方法として、対象配管内に粒状の研掃剤を噴射してスケールを剥離させるブラストによる物理除染や、対象配管内に薬剤を導いて化学反応によってスケールを除去するようにした化学除染も従来から行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−136283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された筒状部材内の除染方法は、洗浄対象配管内にて洗浄液体を往復移動させて配管内面のスケールを剥離させるものである。ここで、スケールを配管内面から効率よく剥離させるには、洗浄液体の流れの剪断応力を高めればよい。一般に、液体の剪断応力は流れの剪断速度と線形の関係にあるため、剪断応力を高めるためには、それに比例させて剪断速度を速める必要がある。したがって、スケールを効果的に剥離させるには、洗浄液体をある程度速い速度で往復移動させたり、長時間往復移動させたりしなければならず、コストアップの要因となってしまうという問題があった。
【0007】
物理除染においては、粒状の研掃剤が対象配管の内面(除洗面)に衝突したときの衝撃力を利用しているため、対象配管に曲がり部が存在する場合、ブラストされた粒状の研掃剤がその曲がり部に集中して衝突し、局所的な減肉が生じて除染を均一に行うことができないという問題があった。また、除洗面に衝突した研掃剤が損耗して粉塵化し、使用済み研掃剤として二次廃棄物となってしまうという問題もあった。さらに、この粉塵化した放射性物質を含む二次廃棄物は、ブラスト作業中、作業雰囲気に飛散する可能性があるため、粉塵対策も必要となってしまう。また、研掃剤として、二次廃棄物となったときの処理が容易なもの選択した場合であっても、衝撃に弱く損耗し易いものや比重が軽く衝撃力が小さいものでは、研磨力が低下してしまい、効果的な除染を行うことができない。
【0008】
化学除染においては、対象配管の系統単位での一括除染が可能ではあるが、二次廃棄物として廃液が多量に発生してしまうという問題があった。したがって、廃液処理設備が必要となり、設備規模が大きくなってしまう。また、除染係数を確保するには、所定温度以上(例えば70℃以上)に昇温した腐食性の強い薬剤を使用しなければならない。このような薬剤を用いると、作業の安全性を確保するために種々の対策が必要となる上、腐食の強さによっては対象配管の肉厚が過剰に薄くなってしまい、メンテナンスしても再利用不可となってしまう可能性があった。
【0009】
本発明は、上述した問題点に鑑みて創案されたものであり、筒状部材の内面に付着した放射性物質を含むスケールを効率よく均一に剥離除去することができ、作業雰囲気中に放射性物質を含む粉塵が飛散することがなく、安全性が高い筒状部材内の除染方法及び除染装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、筒状部材の内面に付着した放射性物質を含むスケールを除去して筒状部材内を除染する筒状部材内の除染方法であって、前記筒状部材の内部に非ニュートン流体を導入して移動させ、該非ニュートン流体を前記筒状部材の内面に押付けて前記スケールを剥離する、ことを特徴とする筒状部材内の除染方法が提供される。
【0011】
前記非ニュートン流体は、前記筒状部材内にて、加圧した状態で移動されてもよいし、往復動されてもよいし、圧力を脈動させつつ移動されてもよい。
【0012】
前記非ニュートン流体は、例えば、ダイラタント流体又は氷粒含有流体である。また、 前記ダイラタント流体は、例えば、粉末状又は粒子状の研磨剤に液体を含有させたものである。
【0013】
前記非ニュートン流体は、粉末状又は粒子状の研磨剤を有し、該研磨剤の濃度が高い高濃度非ニュートン流体を前記筒状部材の内面に沿って環状に配置すると共に、該高濃度非ニュートン流体の内方に前記研磨剤の濃度が低い低濃度非ニュートン流体を配置するようにしてもよい。
【0014】
前記非ニュートン流体は、粉末状又は粒子状の研磨剤を有し、該研磨剤の濃度が高い高濃度非ニュートン流体と前記研磨剤の濃度が低い低濃度非ニュートン流体とを、前記筒状部材内で軸方向に交互に配置するようにしてもよい。
【0015】
なお、本発明において、低濃度非ニュートン流体とは、濃度がゼロの場合、すなわち、研磨剤を含まない非ニュートン流体の場合も含む趣旨である。
【0016】
また、本発明によれば、筒状部材の内面に付着した放射性物質を含むスケールを除去して筒状部材内を除染する筒状部材内の除染装置であって、前記筒状部材の一端に接続される管状部材と、該管状部材に接続され非ニュートン流体を前記筒状部材内に圧送するポンプと、を備えた供給手段を有し、該供給手段により前記筒状部材内に圧送された前記非ニュートン流体を前記筒状部材の内面に押付けて移動させ前記スケールを剥離する、ことを特徴とする筒状部材内の除染装置が提供される。ここで、前記非ニュートン流体は、例えば、ダイラタント流体又は氷粒含有流体であり、前記ダイラタント流体は、例えば、粉末状又は粒子状の研磨剤に液体を含有させたものである。
【0017】
前記筒状部材の他端に接続される第二管状部材と、該第二管状部材に接続され非ニュートン流体を前記筒状部材内に圧送する第二ポンプと、を備えた第二供給手段を有し、該第二供給手段と前記供給手段とを互いに逆運転させ、前記非ニュートン流体を前記筒状部材内にて往復動させるようにしてもよい。
【0018】
前記管状部材に、該管状部材内に充填された非ニュートン流体の圧力を脈動させる加振器を接続してもよい。また、前記筒状部材の他端に接続される第二管状部材に、前記加振器よって生じた前記非ニュートン流体の圧力の脈動を吸収する空気貯槽を接続してもよい。
【0019】
前記供給手段に接続され使用済みの非ニュートン流体を取り出す取出管と、該取出管から取り出された使用済みの非ニュートン流体を受ける受液槽と、を有し、該受液槽は、沈殿したスラッジを排出する排出管と、上澄み液を前記供給手段に戻す配送管と、を有していてもよい。
【発明の効果】
【0020】
上述した本発明に係る筒状部材内の除染方法及び除染装置によれば、筒状部材の内部に導入された非ニュートン流体を筒状部材内にて移動させ、非ニュートン流体の粘性特性を利用して筒状部材の内面から放射性物質を含むスケールを剥離除去するようにしている。非ニュートン流体は、流れの剪断応力が流れの剪断速度に対して線形ではない粘性特性を有するため、筒状部材の内面に付着したスケールを効率よく均一に剥離除去することができる。
【0021】
また、湿式であるため、ブラストによる物理除染のように雰囲気中に粉塵が飛散することがなく、且つ、非ニュートン流体の粘性特性を利用してスケールを剥離除去しているため、化学除染のように高温・高圧や毒性の強い媒体を使用する必要がなく、安全性を可及的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第一実施形態に係る筒状部材内の除染装置の概要を示す全体構成図である。
【図2】本発明の第二実施形態に係る筒状部材内の除染装置の概要を示す全体構成図である。
【図3】本発明の第三実施形態に係る筒状部材内の除染装置の概要を示す全体構成図である。
【図4】非ニュートン流体が充填された筒状部材の断面図であり、(a)は濃度一様の非ニュートン流体を用いた場合、(b)は高濃度非ニュートン流体の内方に低濃度非ニュートン流体を配置した場合、(c)は高濃度非ニュートン流体と低濃度非ニュートン流体とを軸方向に交互に配置した場合、を示している。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態に係る筒状部材内の除染装置及びそれを用いた除染方法について、図1〜図4を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の第一実施形態に係る筒状部材内の除染装置の概要を示す全体構成図である。
【0024】
本発明の第一実施形態に係る筒状部材P内の除染装置1は、筒状部材Pの内面に付着した放射性物質を含むスケールを除去して筒状部材P内を除染する装置であって、筒状部材Pの一端に接続される管状部材2aと、管状部材2aに接続され非ニュートン流体Mを筒状部材P内に圧送するポンプ3aと、を備えた供給手段4aを有し、供給手段4aにより筒状部材P内に圧送された非ニュートン流体Mを筒状部材Pの内面に押付けて移動させスケールを剥離するようにしたものである。
【0025】
除染対象の筒状部材Pは、例えば、原子力発電所に設置されている蒸気発生器や熱交換器(沸騰水型炉の復水器等を含む)の伝熱管である。伝熱管の内部には放射性を帯びた流体が流れるため、伝熱管の内面には発電所の運転に伴って放射性物質を含むスケールが付着する。伝熱管は、例えば、図1に示すようにU字状に屈曲され、両端が管板Pbに形成された穴に貫通支持されている。
【0026】
筒状部材Pには、供給手段4aによって、非ニュートン流体Mが導入される。供給手段4aは、筒状部材Pの一端に取り付けられるコネクタ21aを有する管状部材2aと、管状部材2aに接続され非ニュートン流体Mを圧送するポンプ3aとを有する。管状部材2aは、例えば、ゴム等からなるホース本体の外周面に金属等からなるメッシュが巻かれた耐圧ホースであり、屈曲可能であると共に、ポンプ3aから圧送されてきた非ニュートン流体Mの圧力による膨張を抑制し、その圧力を効率よく筒状部材Pに伝達する機能を有する。なお、管状部材2aは、かかるホースに限定されるものではなく、チューブ、配管等であってもよい。
【0027】
ポンプ3aは、例えば、先端が縮径されて管状部材2aに接続された筒状のケーシング31aと、ケーシング31aの内部に回転可能に収容された螺旋状のスクリュー32aと、スクリュー32aを回転駆動する電動機33aと、を備えたスラリポンプである。電動機33aは、減速機を有していてもよい。ポンプ3aは、スクリュー32aを回転させることによりケーシング31a内の非ニュートン流体Mを圧送する。なお、ポンプ3aは、このようなスクリュータイプに限られず、プランジャタイプや圧縮空気を用いて非ニュートン流体Mを圧送するものであってもよい。
【0028】
ケーシング31aには、ホッパ34aが接続されている。ホッパ34aには、液体投入手段35から液体が、研磨剤投入手段36から粉末状又は粒子状の研磨剤が供給されるようになっている。ホッパ34aに投入された液体及び研磨剤は、混合されて非ニュートン流体Mとなり、ポンプ3aにより筒状部材P内に圧送される。上述した研磨剤に少量の液体を含有させた混合物は、非ニュートン流体Mの一種であるダイラタント流体の性質を有し、剪断速度が速まるに連れて剪断応力が非線形に増大する。この剪断応力を利用することにより、筒状部材Pの内面のスケールを効率よく均一に剥離する。
【0029】
すなわち、研磨剤に少量の液体を含有させた混合物(非ニュートン流体M)をポンプ3aによって所定速度以上で筒状部材P内を移動させ、速度に対して非線形に増大する剪断応力を利用して研磨剤を筒状部材Pの内面に強い力で擦り付け、付着したスケールを剥離する。また、かかる混合物(非ニュートン流体M)は、速度の増加に対して剪断応力が指数関数的に増大するダイラタント流体の性質を有するので、混合物(非ニュートン流体M)を圧送するポンプ3aの能力がそれ程高くなくても研磨剤を強い力で筒状部材Pの内面に押し付けることができ、筒状部材Pの内面のスケールを短時間で剥離できる。ここで、所定速度とは、非ニュートン流体Mがスケールを剥離できる剪断応力が得られる速度であり、非ニュートン流体Mの組成や割合等によって適宜変更される。
【0030】
研磨剤には、従来のブラストによる物理除染(ブラスト除染)で用いられてきた、アルミナ、ジルコンサンド、ガラスカレット、ステンレスショット等の硬質剤を用いてもよい。また、これらよりも軟らかい又は比重が軽い材質からなる、モルタル用サンド、コンクリート粉砕粒、氷粒、炭素粒及びこれらの混合物を用いることもできる。本発明においては、研磨剤を従来のブラスト除染のように筒状部材Pの内面に高速で衝突させてスケールを除去しているのではなく、研磨剤を非ニュートン流体Mの粘性特性を利用して筒状部材Pの内面に擦り付けることによりスケールを剥離しているからである。
【0031】
モルタル用サンドやコンクリート粉砕粒は、アルミナやジルコンサンド等に比べると軟らかく、ブラスト除染においては損耗が激しいため研磨剤に適さない。また、氷粒や炭素粒は、アルミナやジルコンサンド等に比べると比重が小さく、ブラスト除染においては衝撃力が不十分となるため研磨剤に適さない。しかしながら、本発明では研磨剤を非ニュートン流体化しているため、これらの研磨剤でも容易に適用することができる。したがって、本発明によれば、ブラストでは損耗の激しい媒体(モルタル用サンド、コンクリート粉砕粒等)や剥離能力の小さい媒体(氷粒、炭素粒等)をも研磨剤として用いることができ、研磨剤の適用範囲を広げることができる。
【0032】
特に、研磨剤としてのモルタル用サンドに、原子力発電所から廃棄される雑固体廃棄物をセメント固化するためのモルタル用サンドを用いることにより、専用の研磨剤を別途用意する必要が無く、コストダウンを図ることができる。また、研磨剤としてのコンクリート破砕粒に、原子力発電所の廃止措置に伴って発生する低レベルコンクリート破砕粒を用いることにより、新たな研磨剤を別途用意する必要が無く、廃棄物の低減を図ることができる。また、研磨剤としての炭素粒に、木炭粒やバイオコークス粒を用いることにより、焼却処理によって減容化を図ることができる。
【0033】
研磨剤と共にホッパ34aに投入される液体には、例えば、水(純水)や除染補助剤(蟻酸、シュウ酸、クエン酸等)を添加した水溶液が用いられる。除染補助剤の種類や添加割合は、筒状部材Pの汚染度や除染目的(メンテナンス目的、廃棄目的)に応じて適宜変更される。なお、除染補助剤としての蟻酸、シュウ酸、クエン酸は、除染終了後、最終的には過酸化水素水による酸化や紫外線分解、熱分解等により、二酸化炭素及び水に分解され、処理される。
【0034】
本実施形態では、非ニュートン流体Mとしての混合物には、例えば、JIS−R6001に準じて粒度F46に分級したモルタル用サンドを研磨剤とし、それに液体として純水を重量比15%混合した研磨剤・水混合物を用いている。この研磨剤・水混合物は、研磨剤投入手段36からホッパ34aに上述のモルタル用サンドを投入し、液体投入手段35からホッパ34aに純水を重量比15%投入し、スラリ化することにより得られる。ホッパ34a内の非ニュートン流体M(研磨剤・水混合物)は、例えば、ポンプ3aのスクリュー32aで圧送される際に攪拌され、均一なスラリとなって筒状部材P内に供給される。なお、ホッパ34aに撹拌器を設置して、研磨剤・水混合物をホッパ34a内で撹拌するようにしてもよい。
【0035】
ポンプ3aに接続された管状部材2aには、管状部材2a内に充填された非ニュートン流体Mの圧力を脈動させるための加振器22aが接続されていてもよい。加振器22aは、例えば、管状部材2aに接続されたシリンダと、シリンダ内に収容されたピストンと、ピストンに連結されたクランク機構と、を有し、クランク機構のクランク軸を回転させることによりピストンを昇降させ、管状部材2a内の非ニュートン流体Mの圧力を脈動させる。
【0036】
加振器22aによって生じた管状部材2a内の圧力の脈動は、筒状部材P内を移動する非ニュートン流体Mに伝播し、非ニュートン流体Mが筒状部材Pの内面を押し付ける力が周期的に変動することになり、スケールの剥離が促進される。ここで、管状部材2aとして、上述したようなメッシュが巻かれた耐圧ホースを使用した場合には、加振器22aによって生じた圧力の脈動による膨張が抑制され、脈動が減衰されることなく効率よく筒状部材P内に伝達される。なお、管状部材2a内の圧力を脈動させる必要がない場合には、加振器22aを省略してもよい。
【0037】
ポンプ3aのケーシング31aには、ケーシング31a内の非ニュートン流体Mを取り出すための取出管37aが接続されており、取出管37aを開閉するための開閉弁38aが設けられている。開閉弁38aは、筒状部材Pに非ニュートン流体Mを供給するとき及び筒状部材Pの内部を除染するときには閉鎖されており、除染終了後にスケールが混ざった使用済みの非ニュートン流体Mをケーシング31aから取り出すときに開放される。
【0038】
また、筒状部材Pの他端には、その他端から筒状部材Pの内部に非ニュートン流体Mを圧送可能な第二供給手段4bが接続されている。すなわち、図1に示した除染装置1は、筒状部材Pの他端に接続される第二管状部材2bと、第二管状部材2bに接続され非ニュートン流体Mを筒状部材P内に圧送する第二ポンプ3bと、を備えた第二供給手段4bを有し、第二供給手段4bと供給手段4aとを互いに逆運転させ、非ニュートン流体Mを筒状部材P内にて往復動させるように構成されている。かかる第二供給手段4bは、供給手段4aと同様の構成を有し、第二管状部材2bは、コネクタ21bにより管板Pbに接続され、第二ポンプ3bは、ケーシング31b、スクリュー32b、電動機33b、ホッパ34b、取出管37b、開閉弁38bを有する。また、第二ポンプ3bに接続された第二管状部材2bには、第二管状部材2b内に充填された非ニュートン流体Mの圧力を脈動させるための加振器22bが接続されていてもよい。
【0039】
そして、第二供給手段4bにおける第二ポンプ3bの電動機33bと、供給手段4aにおけるポンプ3aの電動機33aと、を周期的(所定期間毎)に互いに逆運転(逆回転)させることによって、筒状部材P内を流れる非ニュートン流体Mの流れの方向を周期的に切り替え、筒状部材P内にて非ニュートン流体Mを往復移動させることができるように構成されている。
【0040】
このように、筒状部材P内にて非ニュートン流体Mを繰り返し往復移動させることにより、筒状部材Pの内面に付着したスケールを剥離する方向が周期的に切り替わり、ダイラタント流体の性質を有する研磨剤・水混合物が固体的に振る舞う時間が長くなるため、スケールを効率良く剥離することができる。この際、ポンプ3a及び第二ポンプ3bによって非ニュートン流体Mを筒状部材P内に押し込んで加圧した状態にしておけば、非ニュートン流体Mの研磨剤が筒状部材Pの内面に押し付けられるため、更に効率よくスケールを剥離することができる。
【0041】
また、供給手段4aの加振器22aと第二供給手段4bの加振器22bとは、相互に連関してプッシュ・プル動作されるようになっている。すなわち、一方の加振器22aによって発生した脈動の山谷が、他方の加振器22bで吸収できるように、双方の加振器22a,22bのピストンの昇降タイミングが制御される。このように双方の加振器22a,22bを連関させることにより、非ニュートン流体Mを筒状部材P内にて高い周波数(例えば、10Hz程度)で脈動させることができ、研磨剤・水混合物が固体的に振る舞う状態が保持されるため、筒状部材Pの内周面に付着したスケールの剥離を促進することができる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態においては、筒状部材Pの内部に非ニュートン流体Mを導入して移動させ、非ニュートン流体Mを筒状部材Pの内面に押付けて、筒状部材Pの内面に付着した放射性物質を含むスケールを剥離する除染方法を採用している。具体的には、非ニュートン流体Mの一種であるダイラタント流体の性質を有する研磨剤・水混合物を筒状部材Pの内部にて移動(往復移動又は脈動)させて固体的に振る舞わせ、研磨材を筒状部材Pの内面に押し付け、スケールを剥離除去している。そして、非ニュートン流体Mは、流れの剪断応力が流れの剪断速度に対して線形ではない粘性特性を有するため、筒状部材Pの内面に付着したスケールを効率よく均一に剥離除去することができる。
【0043】
また、研磨剤・水混合物等の非ニュートン流体Mを用いた湿式であるため、ブラストによる物理除染(ブラスト除染)のように雰囲気中に粉塵が飛散することがなく、粉塵対策が不要である。
【0044】
また、ブラスト除染のように研磨剤を除洗面(筒状部材Pの内面)に高速で衝突させないので、筒状部材Pの曲がり部における局部減肉を抑制でき、ブラスト除染よりも研磨剤の損耗が緩和される。したがって、一度使用した研磨剤を再使用することができ、放射性廃棄物の発生を低減することができる。また、化学除染のように高温・高圧や毒性の強い媒体を使用する必要がなく、安全性を可及的に高めることができる。
【0045】
除染終了後、供給手段4aの開閉弁38a又は第二供給手段4bの開閉弁38bの少なくとも一方を開放し、ポンプ3a及び第二ポンプ3bの少なくとも一方のスクリュー32a,32bを正回転又は逆回転させることにより、スケールが混ざった使用済みの非ニュートン流体Mを、取出管37a,37bの少なくとも一方から取り出す。取り出された使用済みの非ニュートン流体Mは、図示しない配管等を介し、水Wが貯留された受液槽5に導かれるようになっている。受液槽5は、沈殿したスラッジ(剥離したスケールと研磨剤の摩耗粉の混合物)を排出する排出管51と、上澄み液を供給手段4a又は第二供給手段4bに戻す配送管52と、を有する。
【0046】
受液槽5の排出管51から排出された研磨剤は、廃棄されずに、次に除染すべき筒状部材Pの研磨剤として再使用される。このように研磨剤をリサイクルすることにより、二次廃棄物(除染により生じた廃棄物)を低減することができる。除染すべき筒状部材Pとしての伝熱管は、原子力発電所において多数存在するため、研磨剤を何度も繰り返し使用できるメリットは大きく、全体として二次廃棄物を大幅に低減することができる。なお、研磨剤に比重が1より小さいものを用いた場合には、受液槽5内の水面に研磨剤が浮遊するため、人為的、構造的又は機械的に回収するようにしてもよい。
【0047】
受液槽5の配送管52から取り出された上澄み液は、ホッパ34a,34bの少なくとも一方に戻される。戻された上澄み液は、ポンプ3a又は第二ポンプ3bの少なくとも一方のスクリュー32a,32bを正回転又は逆回転させることにより、ケーシング31a,31b、管状部材2a及び第二管状部材2b並びに筒状部材Pの内部に残留している研磨剤を洗い流し、研磨剤と共に取出管37a,37bの少なくとも一方から受液槽5に回収される。その後、受液槽5内にて、研磨剤はスラッジとして排出管51から排出される、上澄み液は再び配送管52からホッパ34a,34bに戻される。このように上澄み液を洗浄液として循環させて繰り返し使用することにより、廃液を大幅に低減することができる。なお、受液槽5の排出管51からはスラッジと共にある程度の水分も排出されてしまうため、その排出分を補うため、液体投入手段35からホッパ34a,34bに水を供給するようにしてもよい。
【0048】
次に、本発明の他の実施形態に係る筒状部材内の除染装置及びそれを用いた除染方法について説明する。図2は、本発明の第二実施形態に係る筒状部材内の除染装置の概要を示す全体構成図である。図3は、本発明の第三実施形態に係る筒状部材内の除染装置の概要を示す全体構成図である。なお、上述した第一実施形態の除染装置1と同じ構成部品については、同じ符号を付して重複した説明を省略する。
【0049】
図2に示した第二実施形態に係る筒状部材P内の除染装置11は、図1に示した第一実施形態に係る筒状部材P内の除染装置1において、筒状部材Pの他端から第二供給手段4bを取り外し、替わりに、筒状部材Pの他端に、コネクタ21bを介して第二管状部材2bを接続し、第二管状部材2bに、加振器22aによって生じた非ニュートン流体Mの圧力の脈動を吸収する空気貯槽6を接続したものである。また、供給手段4aの管状部材2aには、加振器22aとポンプ3aとの間に封止弁7aが設けられ、空気貯槽6が接続された第二管状部材2bの端部には、第二封止弁7bが設けられている。かかる第二実施形態の構成によっても、第一実施形態と同様の効果を奏する。
【0050】
筒状部材P内を除染するには、ホッパ34aに非ニュートン流体Mとして上述した研磨剤及び液体の混合物を投入し、封止弁7a及び第二封止弁7bを開放した状態で、ポンプ3aを駆動させ、スラリ化された研磨剤・水混合物を筒状部材Pに圧送する。筒状部材P、管状部材2a及び第二管状部材2b内の空気が第二管状部材2bの端部から排出された後、非ニュートン流体Mが排出されるようになったら、第二封止弁7bを閉鎖する。さらに、筒状部材P内が所定の加圧状態(例えば、300kPa程度)になるまで、ポンプ3aを駆動して研磨剤・水混合物を筒状部材P内に押し込む。なお、管状部材2a及び第二管状部材2bには、内部の圧力を検出する圧力センサを設置するようにしてもよい。
【0051】
その後、封止弁7aを閉鎖して筒状部材P内の圧力を保持し、必要に応じて空気貯槽6に圧縮空気を供給して筒状部材P内の圧力を更に上げるようにしてもよい。空気貯槽6には、コンプレッサ等が接続される接続管61が配置されている。加振器22aを駆動し、筒状部材P内の非ニュートン流体Mの圧力に脈動を与え、筒状部材Pの内面のスケールを剥離する。このとき、空気貯槽6は、非ニュートン流体Mの圧力の脈動を吸収するアキュームレーターとして機能する。かかる第二実施形態によれば、図1に示した第二供給手段4bを省略し、圧力の脈動を空気貯槽6で吸収するようにしたことにより、第一実施形態よりも設備を簡素化することができ、コストダウンを図ることができる。
【0052】
除染終了後、封止弁7a、第二封止弁7b及び開閉弁38aを開放し、ポンプ3aを駆動し、筒状部材P内の非ニュートン流体Mを第二管状部材2bの端部及び取出管37aから受液槽5に排出する。その後、第二封止弁7bのみを閉鎖し、水(純水)を空気貯槽6の接続管61から第二管状部材2b内に供給し、残留している研磨剤を押し流すように洗浄し、取出管37aから受液槽5に排出して回収する。このとき、加振器22a及びポンプ3aの少なくとも一方を作動させ、回収効率を高めるようにしてもよい。
【0053】
図3に示した第三実施形態に係る筒状部材P内の除染装置12は、図2に示した第二実施形態に係る筒状部材P内の除染装置11において、封止弁7a、第二封止弁7b及び空気貯槽6を省略し、非ニュートン流体として氷粒含有流体Miを用いて除染するようにしたものである。氷粒含有流体Miは、研磨剤としての氷粒(例えばシャーベット状)に、液体として氷粒の溶融水を混合したものであり、筒状部材P内にて詰まることなく流れるように、製氷温度及びポンプ3aによる流量が調節される。かかる第三実施形態の構成によっても、第一実施形態と同様の効果を奏する。
【0054】
受液槽5の配送管52には、受液槽5から取り出した上澄み液を凍らせる製氷器8が設けられ、製氷器8で製氷された氷を砕いて氷粒とする砕氷器9が設けられ、砕氷器9で砕かれた氷粒が、ホッパ34aに戻されるようになっている。かかる第三実施形態によれば、研磨剤に氷粒を用いた氷粒含有流体Miによって筒状部材Pの内面のスケールを剥離するようにしているため、研磨剤である氷粒が溶けてしまっても凍らせて循環させて再利用することができ、廃棄物を低減することができる。なお、ホッパ34aに溶融水供給手段39から新たな溶融水を適宜投入するようにしてもよく、筒状部材Pの両端のコネクタ21a,21bの接続を切り替えることにより流れの方向を変更できる。
【0055】
ここで、非ニュートン流体Mの圧送方法について説明する。図4は、非ニュートン流体が充填された筒状部材の断面図であり、(a)は濃度一様の非ニュートン流体を用いた場合、(b)は高濃度非ニュートン流体の内方に低濃度非ニュートン流体を配置した場合、(c)は高濃度非ニュートン流体と低濃度非ニュートン流体とを軸方向に交互に配置した場合、を示している。
【0056】
上述した各実施形態においては、図4(a)に示すように、一様な研磨剤濃度を有する非ニュートン流体Mを筒状部材P内に導入して圧送する場合を想定している。しかしながら、剥離対象のスケールは筒状部材Pの内面に付着しており、筒状部材Pの内面に接触しない研磨剤は無駄になってしまう。そこで、図4(b)及び(c)に示したように、高濃度非ニュートン流体MHと低濃度非ニュートン流体MLとを使用して除染するようにしてもよい。
【0057】
図4(b)に示した除染方法は、研磨剤の濃度が高い高濃度非ニュートン流体MHを筒状部材Pの内面に沿って環状に配置すると共に、高濃度非ニュートン流体MHの内方に研磨剤の濃度が低い低濃度非ニュートン流体MLを配置したものである。このように、剥離に寄与する部分の非ニュートン流体Mの研磨剤濃度を高くし、剥離に寄与しない又はし難い部分の非ニュートン流体Mの研磨剤濃度を低くすることにより、研磨剤の使用量を低減することができ、コストダウンを図ることができる。なお、非ニュートン流体Mの研磨剤濃度を径方向に多重に変化させるようにしてもよい。
【0058】
図4(b)に示した状態を作り出すには、例えば、管状部材2a又は第二管状部材2bを二重管に構成し、内管に低濃度非ニュートン流体MLを送流し、外管に高濃度非ニュートン流体MHを送流するようにすればよい。
【0059】
図4(c)に示した除染方法は、研磨剤の濃度が高い高濃度非ニュートン流体MHと研磨剤の濃度が低い低濃度非ニュートン流体MLとを、筒状部材P内で軸方向に交互に配置したものである。このように軸方向に研磨剤濃度の高低差を設けることにより、必要最小限の研磨剤濃度まで任意に調整することができ、研磨剤の使用量を低減することができる。また、研磨剤の濃度差により、スケールの剥離を促進することもできる。なお、非ニュートン流体Mの研磨剤濃度を軸方向に三種類以上に変化させるようにしてもよい。
【0060】
図4(c)に示した状態を作り出すには、例えば、管状部材2a又は第二管状部材2bのそれぞれに複数の供給手段を接続し、各供給手段により濃度が異なる非ニュートン流体Mを筒状部材P内に圧送するようにすればよい。
【0061】
図4(b)及び図4(c)に示した除染方法において、高濃度非ニュートン流体MHは、少なくとも除染対象の筒状部材Pのスケールを剥離することができる研磨剤の濃度を有していればよい。また、低濃度非ニュートン流体MLは、高濃度非ニュートン流体MHよりも研磨剤の濃度が低ければよく、濃度がゼロの場合、すなわち、研磨剤を含まない非ニュートン流体の場合も含む趣旨である。
【0062】
本発明は上述した各実施形態に限定されず、例えば、供給手段4aの管状部材2aを複数分岐してそれぞれを別々の筒状部材Pに接続することにより複数の筒状部材P内を同時に除染するようにしてもよい等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0063】
1,11,12 除染装置
2a 管状部材
2b 第二管状部材
3a ポンプ
3b 第二ポンプ
4a 供給手段
4b 第二供給手段
5 受液槽
6 空気貯槽
22a,22b 加振器
37a,37b 取出管
51 排出管
52 配送管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部材の内面に付着した放射性物質を含むスケールを除去して筒状部材内を除染する筒状部材内の除染方法であって、
前記筒状部材の内部に非ニュートン流体を導入して移動させ、該非ニュートン流体を前記筒状部材の内面に押付けて前記スケールを剥離する、
ことを特徴とする筒状部材内の除染方法。
【請求項2】
前記非ニュートン流体は、前記筒状部材内にて、加圧した状態で移動される、往復動される又は圧力を脈動させつつ移動される、ことを特徴とする請求項1に記載の筒状部材内の除染方法。
【請求項3】
前記非ニュートン流体は、ダイラタント流体又は氷粒含有流体である、ことを特徴とする請求項1に記載の筒状部材内の除染方法。
【請求項4】
前記ダイラタント流体は、粉末状又は粒子状の研磨剤に液体を含有させたものである、ことを特徴とする請求項3に記載の筒状部材内の除染方法。
【請求項5】
前記非ニュートン流体は、粉末状又は粒子状の研磨剤を有し、該研磨剤の濃度が高い高濃度非ニュートン流体を前記筒状部材の内面に沿って環状に配置すると共に、該高濃度非ニュートン流体の内方に前記研磨剤の濃度が低い低濃度非ニュートン流体を配置した、ことを特徴とする請求項1に記載の筒状部材内の除染方法。
【請求項6】
前記非ニュートン流体は、粉末状又は粒子状の研磨剤を有し、該研磨剤の濃度が高い高濃度非ニュートン流体と前記研磨剤の濃度が低い低濃度非ニュートン流体とを、前記筒状部材内で軸方向に交互に配置した、ことを特徴とする請求項1に記載の筒状部材内の除染方法。
【請求項7】
筒状部材の内面に付着した放射性物質を含むスケールを除去して筒状部材内を除染する筒状部材内の除染装置であって、
前記筒状部材の一端に接続される管状部材と、該管状部材に接続され非ニュートン流体を前記筒状部材内に圧送するポンプと、を備えた供給手段を有し、
該供給手段により前記筒状部材内に圧送された前記非ニュートン流体を前記筒状部材の内面に押付けて移動させ前記スケールを剥離する、
ことを特徴とする筒状部材内の除染装置。
【請求項8】
前記筒状部材の他端に接続される第二管状部材と、該第二管状部材に接続され非ニュートン流体を前記筒状部材内に圧送する第二ポンプと、を備えた第二供給手段を有し、該第二供給手段と前記供給手段とを互いに逆運転させ、前記非ニュートン流体を前記筒状部材内にて往復動させる、ことを特徴とする請求項7に記載の筒状部材内の除染装置。
【請求項9】
前記管状部材に、該管状部材内に充填された非ニュートン流体の圧力を脈動させる加振器を接続した、ことを特徴とする請求項7に記載の筒状部材内の除染装置。
【請求項10】
前記筒状部材の他端に接続される第二管状部材に、前記加振器よって生じた前記非ニュートン流体の圧力の脈動を吸収する空気貯槽を接続した、ことを特徴とする請求項9に記載の筒状部材内の除染装置。
【請求項11】
前記供給手段に接続され使用済みの非ニュートン流体を取り出す取出管と、該取出管から取り出された使用済みの非ニュートン流体を受ける受液槽と、を有し、該受液槽は、沈殿したスラッジを排出する排出管と、上澄み液を前記供給手段に戻す配送管と、を有する、ことを特徴とする請求項7に記載の筒状部材内の除染装置。
【請求項12】
前記非ニュートン流体は、ダイラタント流体又は氷粒含有流体である、ことを特徴とする請求項7に記載の筒状部材内の除染装置。
【請求項13】
前記ダイラタント流体が、粉末状又は粒子状の研磨剤に液体を含有させたものである、ことを特徴とする請求項12に記載の筒状部材内の除染装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−223710(P2012−223710A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93995(P2011−93995)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】