説明

管を部材に冶金的に取り付けるための方法

【課題】管を部材に対し、冶金的に、より安価に取り付ける。
【解決手段】壁20を有する部材18は、第1及び第2の両側部22,24を備え、第1の側部22の上方に延在する部分押し出し部26を備える。部分押し出し部26は貫通孔28を有する。端部34を有する管32及び部材18は、端部34が部分押し出し部26に近接して壁20の第2の側部24と接触した状態で、配置される。抵抗溶接電流経路が端部34及び部分押し出し部26に近接したところに管32及び部材18を通して形成され、端部34は部分押し出し部26内へと相対的に移動されて該部分押し出し部に抗してこれを変形させ、溶接領域を形成し、溶接領域は、端部34の少なくとも一部と部分押し出し部26の少なくとも一部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して冶金方法に係り、より詳しくは、管を部材に冶金的に取り付けるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
抵抗溶接(電気抵抗溶接とも称される)は、既知の冶金プロセスである。このプロセスでは、金属は、非常に短い時間で非常に大きい電流が通過することによって、それ自身の抵抗により、半溶解状態(即ち、軟らかい)又は溶解状態(即ち、溶けた状態)へと加熱され、次に圧力を印加することによって溶接される。
【0003】
2つの部品を冶金的に一緒に取り付けるための従来の方法は、入口/出口管を車両燃料タンクカバーへと一緒に冶金的に取り付けるための既知の方法を更に備えている。既知の方法では、低炭素鋼の金属プレートが車両燃料タンクカバーのために得られ、低炭素鋼管は、入口/出口管のための得られる。貫通孔がプレートに打ち抜き穿孔され、該貫通孔を取り囲み該プレートから垂直に突出する全押し出し部を形成する。管の成形作業によって、該管には横断突出環状リムが形成される。この管は、それが、貫通孔の長さ方向の両端部を越えて長さ方向に延在するように貫通孔に挿入可能であるようにサイズが定められている。該管は、管のリムがプレート上に座して、プレートの全押し出し部がリムから突出するように貫通孔に挿入される。次に、管及びプレートは、貫通孔の近傍で一緒に溶接される。
【0004】
溶接作業に亘って、溶鉱炉は、特定の温度及び温度勾配を有することを要求される。溶鉱炉は、溶接が実際に実行される前にプレート及び管から酸化物を除去するため大気圧減少制御手段を備えて維持されなければならない。また、溶接を実行するため充填材料のための銅リングが使用されなければならない。溶鉱炉を通って部品を移動させるためのセラミックチェーンプーリー機構が要求される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
必要とされているものは、例えば入口/出口管を車両燃料タンクカバーに冶金的に取り付ける等の、管を部材に冶金的に取り付けるための方法をより安価にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の方法は、管を部材に冶金的に取り付けるための方法である。第1の方法は、工程(a)乃至(d)を備える。工程(a)は、壁を有する部材を得る工程を備え、該壁は、第1及び第2の両側部を備え、該第1の側部の上方に延在する部分押し出し部を備え、該部分押し出し部は貫通孔を有する。工程(b)は、端部を有する管を得る工程を備える。工程(c)は、工程(a)及び工程(b)の後、端部が部分押し出し部に近接して壁の第2の側部と接触した状態で、管及び部材を配置する工程を備える。工程(d)は、工程(c) の後、端部及び部分押し出し部に近接したところに管及び部材を通して抵抗溶接電流経路を形成し、端部を部分押し出し部内へと相対的に動かして該部分押し出し部に抗してこれを変形させ、溶接領域を形成し、該溶接領域は、端部の少なくとも一部と、部分押し出し部の少なくとも一部とを備える。第1の方法の一つの用途では、壁はプレートの壁であり、第1の方法の異なる用途では、壁は管状部材の壁である。
【0007】
本発明の第2の方法は、管を部材に冶金的に取り付けるための方法である。第2の方法は、工程(a)乃至(d)を備える。工程(a)は、壁を有する部材を得る工程を備え、
該壁は、第1及び第2の両側部を備え、該第1の側部の上方に延在する部分押し出し部を備え、該部分押し出し部は貫通孔と該壁に略垂直に整列された長さ方向軸とを有し、貫通孔は長さ方向軸と略同軸に整列されている。工程(b)は、部分押し出し部の角度に合致するテーパー端部を有する管を得る工程を備える。工程(c)は、工程(a)及び(b)の後、管が長さ方向軸と略同軸に整列し、テーパー端部が実質的に部分押し出し部のところで壁の第2の側部と接触した状態で、管及び部材を配置する工程を備える。工程(d)は、工程(c)の後、テーパー端部において部分押し出し部に近接したところに管及び部材を通して環状抵抗溶接電流経路を形成し、テーパー端部を部分押し出し部内へと相対的に動かして該部分押し出し部に抗してこれを変形させ、溶接領域を形成し、該溶接領域は、テーパー端部の少なくとも一部と、部分押し出し部の少なくとも一部とを備える。
【0008】
本発明の第3の方法は、管を部材に冶金的に取り付けるための方法である。第3の方法は、工程(a)乃至(d)を備える。工程(a)は、壁を有する部材を得る工程を備え、該壁は、第1及び第2の両側部を備え、該第1の側部の上方に延在する部分押し出し部を備え、該部分押し出し部は貫通孔と壁に略垂直に整列された長さ方向軸を有し、該貫通孔は長さ方向軸と略同軸に整列されている。工程(b)は、フランジ付き端部を有する管を得る工程を備える。工程(c)は、工程(a)及び(b)の後、管が長さ方向軸と略同軸に整列し、フランジ付き端部が実質的に部分押し出し部のところで壁の第2の側部と接触した状態で、管及び部材を配置する工程を備える。工程(d)は、工程(c)の後、フランジ付き端部において部分押し出し部に近接したところに管及び部材を通して環状抵抗溶接電流経路を形成し、フランジ付き端部を部分押し出し部内へと相対的に動かして該部分押し出し部に抗してこれを変形させ、溶接領域を形成し、該溶接領域は、フランジ付き端部の少なくとも一部と、部分押し出し部の少なくとも一部とを備える。
【0009】
幾つかの利点及び効果が本発明の方法のうち1つ以上から引き出される。抵抗溶接は、ブレーズ溶接よりも安価である。車両燃料タンクカバー及び入口/出口管を一緒に冶金的に取り付けるための用途においては、取り付け毎に約1ドルのコストがかかる代わりに、取り付け毎に数セントしかコストがかからない。
【実施例】
【0010】
本発明の第1の方法は、管を部材に冶金的に取り付けるためのものであり、図1におけるブロック図形態で示されている。第1の方法は、工程(a)乃至(d)を備えている。工程(a)は、図1のブロック10において「壁を有する部材を得る」工程として記載されている。工程(a)は、壁を有する部材を得る工程を備えており、当該壁は、第1及び第2の両側部を備え、第1の側部の上方に延在する部分押し出し部を備え、該部分押し出し部は貫通孔を有する。壁の「貫通孔を有する部分押し出し部」は、如何なる手段であろうが、壁の連結表面の上方に隆起され、壁の貫通孔を取り囲んだ壁の一部分であり、隆起壁部がその隆起されていない状態から垂直より小さい角度で隆起されたものである。これは、壁の隆起部が、その隆起されていない状態から略90度に等しい角度にまで隆起されているところの該壁の「貫通孔を有する完全な押し出し部」とは対照的である。工程(b)は、図1のブロック12において、「管を得る」工程として記載されている。工程(b)は、端部を有する管を得る工程を備えている。工程(c)は、「管及び部材を配置する」工程として図1のブロック14に記載されている。工程(c)は、工程(a)及び(b)の後に、端部が部分押し出し部に近接して壁の第2の側部と接触した状態に管及び部材を配置する工程を備える。「近接」という用語は、「接触場所」をも包含しているが、これに制限するものではない。工程(d)は、図1のブロック16において「溶接領域を形成する」工程として記載されている。工程(d)は、工程(c)の後で、端部及び部分押し出し部に近接して、管及び部材を介した抵抗溶接電流経路を形成し、端部を部分押し出し部に対して相対的に動かし、部分押し出し部に抗してこれを変形させ、該端部の少なくとも一部及び部分押し出し部の少なくとも一部を含む溶接領域を形成する。当業者に理解
されるように、「相対的に動かす」という用語によって、部分押し出し部が静止した状態で端部を動かすこと、端部が静止した状態で部分押し出し部を動かすこと、又は、端部及び部分押し出し部の両方を動かすこと、が意味されている。
【0011】
第1の方法の一つの用途では、そのような相対運動は、端部と部分押し出し部との間から表面汚染物質を押し出し、そのような相対運動は、端部と部分押し出し部との接触表面の間で丘部及び谷部を水平にし、端部の表面原子を部分押し出し部の表面原子と原子間結合距離以内に収める。第1の方法の一つの設備では、工程(d)は、端部を溶解させず、部分押し出し部を溶解させない。別の設備では、工程(d)は、端部の少なくとも一部若しくは部分押し出し部の少なくとも一部を溶解させるか、又は、端部の少なくとも一部及び部分押し出し部の少なくとも一部を溶解させる。
【0012】
第1の方法の一例では、壁は、プレートの壁である。別の例では、壁は環状部材の壁である。一つの変形例では、管状部材は、略直円柱管状部材である。別の変形例では、管状部材は、略矩形形状を有する断面を持つ。該断面のための切断平面は、管状部材の長さ方向軸に垂直である。壁の他の例及び変形は、当業者には明らかである。
【0013】
第1の方法の一つの可能性では、部分押し出し部は、壁に略垂直に整列した長さ方向軸を有し、貫通孔が、押し出し部の長さ方向軸と略同軸に整列されている。一つの変形では、貫通孔は、略円形又は略矩形の断面である断面を有し、断面のための切断平面は、管状部材の長さ方向軸に垂直である。部分押し出し部及び貫通孔の他の可能性及び変形は、当業者には明らかである。
【0014】
第1の方法の一実施例では、管は、略直円柱管である。別の実施例では、管は、略矩形形状を持つ断面を有し、断面のための切断平面は、管の長さ方向軸に垂直である。管の他の例及び変形は、当業者には明らかである。
【0015】
第1の方法の一つの用途では、端部は、テーパー端部である。第1の(又は任意の)方法を記載するという目的のために、管のテーパー端部は、略90度よりも小さい角度で内側に延在する管端部である。別の用途では、端部はフランジ付き端部である。第1の(又は任意の)方法を記載するという目的のために、管のフランジ付き端部は、略90度と等しい角度で外側に延在する管端部である。異なる用途では、端部は、管の長さ方向軸に略平行である略直線端部である。端部の他の形状は、当業者には明らかである。
【0016】
第1の方法の一つの実施形態では、工程(c)は、管を壁に略垂直に整列する工程を備えている。同じか又は別の実施形態では、工程(d)は、環状(又は非環状)溶接領域を形成する。同じか又は別の実施形態では、工程(d)は、部分押し出し部の形成箇所面前で壁の第1の側部と接触する抵抗溶接式の第1の電極と、管と接触する抵抗溶接式の第2の電極とを使用する。工程(d)は、端部を部分押し出し部に対して相対的に動かして、部分押し出し部に抗してこれを変形させるように、第1及び第2の電極を相対的に動かす。一つの変形例では、第2の電極は、管の内部に配置されている。別の変形例では、第2の電極は、管の外側に配置されている。いずれかの変形例の一つの変更においては、非電極支持部は、管の内部又は外部に配置され、一つの例では、管を径方向に支持し、及び/又は、工程(d)の間に管を軸方向に支持し、これを押すため、管の他方の端部の周りに延在している。
【0017】
図2乃至図5を参照すると、図面を通して類似の参照番号は類似の要素を表している。本発明の第2の方法は、管を部材に冶金的に取り付けるためのものであり、工程(a)乃至(d)を備えている。工程(a)は、壁20を有する部材18を得る工程を備えている。壁20は、第1及び第2の両側部22及び24を備え、第1の側部22の上方に延在す
る部分押し出し部26を備えている。部分押し出し部26は、貫通孔28を有し、壁20に略垂直に整列された長さ方向軸30を有している。貫通孔28は、長さ方向軸30と略同軸に整列されている。工程(b)は、(図2に示されるように)部分押し出し部26の角度に合致するテーパー端部34を有する管32を得る工程を備えている。工程(c)は、工程(a)及び(b)の後に、(図3に示されるように)管32が長さ方向軸30と略同軸に整列され、且つ、部分押し出し部26のところでテーパー端部34が壁20の第2の側部24と接触した状態で管32及び部材18を配置する工程を備えている。工程(d)は、工程(c)の後で、テーパー端部34において及び部分押し出し部26に近接して、管32及び部材18を通して環状抵抗性溶接電流経路を形成する工程と、(図3に示されるように)テーパー端部34を部分押し出し部26内へと相対的に動かして、(図4及び図5に示されるように)該部分押し出し部に抗してこれを変形させ、環状溶接領域36を形成する工程と、を備えている。環状溶接領域36は、テーパー端部34の少なくとも一部と部分押し出し部26の少なくとも一部とを備えている。
【0018】
第2の方法の一例では、工程(c)は、部分押し出し部26の形成箇所面前で壁20の第1の側部22と接触する環状抵抗溶接式の第1の電極38と、管32の内部に配置され、テーパー端部34と接触する円柱抵抗溶接式の第2の電極40とを使用する。一つの変形例では、第2の電極40は、管32のテーパー端部34の角度に合致し、該テーパー端部に接触するテーパー先端部42を有する。一つの変形例では、工程(d)は、(図4に示されるように)第2の電極40を長さ方向軸30と略平行に第1の端部38の内部で相対的に動かし、テーパー端部34を部分押し出し部26内へと相対的に動かし、該部分押し出し部に抗してこれを変形させる。図2乃至図5における番号が付与されていない矢印は、電極の相対運動の方向を指し示している。第1の方法のオプションの設備、例、可能性等は、当業者により理解することができるように、異なる形状の端部、又は、管の外側に配置された第2の電極で処理しなければならないものとは異なって、第2の方法に等しく適用可能である。
【0019】
図6を参照すると、本発明の第3の方法は、管を部材に冶金的に取り付けるためのものであり、工程(a)乃至(d)を備えている。工程(a)は、壁46を有する部材44を得る工程を備えている。壁46は、第1及び第2の両側部48及び50を備え、第1の側部48の上方に延在する部分押し出し部52を備えている。部分押し出し部52は、貫通孔54を有し、壁46に略垂直に整列された長さ方向軸56を有している。貫通孔54は、長さ方向軸56と略同軸に整列されている。工程(b)は、(図6に示されるように)フランジ付き端部60を有する管58を得る工程を備えている。工程(c)は、工程(a)及び(b)の後に、管58が長さ方向軸56と略同軸に整列され、且つ、フランジ付き端部60が実質的に部分押し出し部52のところで壁46の第2の側部50と接触した状態で管58及び部材44を配置する工程を備えている。工程(d)は、工程(c)の後で、フランジ付き端部60において及び部分押し出し部52に近接して、管58及び部材44を通して環状抵抗性溶接電流経路を形成する工程と、フランジ付き端部60を部分押し出し部52内へと相対的に動かして、該部分押し出し部に抗してこれを変形させ、環状溶接領域を形成する工程と、を備えている。該環状溶接領域は、フランジ付き端部60の少なくとも一部と部分押し出し部52の少なくとも一部とを備えている。
【0020】
第3の方法の一例では、工程(d)は、部分押し出し部52の形成箇所面前で壁46の第1の側部48と接触する環状抵抗溶接式の第1の電極62と、フランジ付き端部60に近接して管58の外側と接触する環状抵抗溶接式の第2の電極64と、を使用する。非電極支持部66は、管の内部に配置され、管58の他方の端部68に亘って延在する。図6で番号が付与されていない矢印は、電極及び支持部の相対運動の方向を指示している。図示しない一つの変形例では、第2の電極は、管の内部に配置され、管の他方の端部に亘って延在する円柱抵抗溶接式の第2の電極であり、非電極支持部は、管の外側に配置された
環状支持部である。なお、第1の方法のオプションの設備、例、可能性等は、当業者により理解することができるように、異なる形状の端部で処理しなければならないものとは異なって、第3の方法に等しく適用可能である。
【0021】
第1、第2及び/又は第3の方法のための一つの構成においては、部材は、略2mmの厚さを有する例えばAISI1008乃至1010等の低炭素鋼を備えるシート金属プレートであり、部分押し出し部のベースは、略10ミリメートルの直径を有し、貫通孔は略2ミリメートルの直径を有する。この構成では、管は、略6ミリメートルの外径と、略2ミリメートルの厚さとを有する、例えばAISI1008乃至1010等の低炭素鋼を備える。一つの実施形態では、約5000アンペア(一つの変形例では15,000乃至20,000アンペア)の電流のパルス(1秒間のうち合計1/3)が、約136kg乃至約363kg(約300乃至800ポンド)の力が電極/支持部に加えられている間に、印加される。第1、第2、及び/又は、第3の方法は、当業者により理解されるように、特定の材料、寸法、電流及び力に限定されない。例えば銅、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の任意の溶接可能材料を当業者により理解されるように使用することができる。管及び部材等の電流、力及び寸法の特定の選択は、当業者に通常のレベル以内に含まれている。
【0022】
第1、第2、及び/又は、第3の方法のための一つの設計では、前述した電極は、抵抗溶接装置(図示せず)のT字形状の電極ホルダーに設置されている。一例では、図示されていないが、各々の電極は、管及び部材の対応する一つの周りに一緒に形成され管又は部材と係合する2つの区分から形成されている。該電極区分は、管又は部材の係合された部分の形状に略対応する表面を有する。該電極区分は、抵抗溶接装置のT字形状電極ホルダーのうち対応する上側又は下側に電極を設置する前に一緒に取り付けられている。
【0023】
幾つかの利点及び効果が本発明の方法のうち1つ以上から引き出される。抵抗溶接は、ブレーズ溶接よりも安価である。車両燃料タンクカバー及び入口/出口管を一緒に冶金的に取り付けるための用途においては、取り付け毎に約1ドルのコストがかかる代わりに、取り付け毎に数セントしかコストがかからない。
【0024】
本発明の幾つかの方法の前述した説明は、図示の目的のために与えられた。該説明は、包括的なものではなく、本発明を開示された正確な手続き又は正確な形態に限定するものではない。明らかに、多数の変更及び変形が上述した教えの観点で可能となる。本発明の範囲は、添付された請求の範囲によって画定されることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、管を部材に冶金的に取り付けるための本発明の第1の方法のブロック図である。
【図2】図2は、テーパー端部を有する管の第1の実施例、及び、管が部材と整列した状態を示す本発明の第2の方法で使用される部材の概略側断面図である。
【図3】図3は、図2に示されるような図であるが、管及び部材の更に後の配置を示す図である。
【図4】図4は、図3に示されるような図であるが、管のテーパー端部の部分押し出し部への更に後の相対運動及び該部分押し出し部に抗して変形させた状態を示す図である。
【図5】図5は、図4に示されるような図であるが、溶接電極を取り外した状態で、部材に冶金的に取り付けられた管を示す図である。
【図6】図6は、本発明の第3の方法で使用される、フランジ端部を有する管及び部材の第2の実施例の概略側断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管を部材に冶金的に取り付けるための方法であって、
(a) 壁を有する部材を得る工程であって、該壁は、第1及び第2の両側部を備え、該第1の側部の上方に延在する部分押し出し部を備え、該部分押し出し部は貫通孔を有する、前記工程と、
(b) 端部を有する管を得る工程と、
(c) 前記工程(a)及び(b)の後、前記端部が前記部分押し出し部に近接して前記壁の第2の側部と接触した状態で、前記管及び前記部材を配置する工程と、
(d) 前記工程(c)の後、前記端部及び前記部分押し出し部に近接したところに前記管及び前記部材を通して抵抗溶接電流経路を形成し、前記端部を前記部分押し出し部内へと相対的に動かして該部分押し出し部に抗してこれを変形させ、溶接領域を形成し、該溶接領域は、前記端部の少なくとも一部と、前記部分押し出し部の少なくとも一部とを備える、工程と、
を備える、方法。
【請求項2】
前記壁はプレートの壁である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記壁は管状部材の壁である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記管状部材は、略直円柱管状部材である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記部分押し出し部は、前記壁に略垂直に整列した長さ方向軸を有し、前記貫通孔は、該長さ方向軸と略同軸に整列されている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記管は、略直円柱管である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記端部は、テーパー状端部である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記端部は、フランジ付き端部である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記工程(c)は、前記壁に略垂直に前記管を整列させる工程を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記工程(d)では、前記部分押し出し部の形成箇所面前で前記壁の第1の側部と接触する抵抗溶接式の第1の電極と、前記管と接触する抵抗溶接式の第2の電極とを使用し、前記端部を前記部分押し出し部内へと相対的に移動させ、該押し出し部に抗してこれを変形させるように前記第1の電極及び前記第2の電極を相対的に移動させる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の電極は、前記管内部に配置されている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記工程(d)は、前記端部を溶かさず、前記部分押し出し部を溶かさない、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記工程(d)は、環状溶接領域を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
管を部材に冶金的に取り付けるための方法であって、
(a) 壁(46)を有する部材(44)を得る工程であって、該壁は、第1及び第2の両側部(48,50)を備え、該第1の側部(48)の上方に延在する部分押し出し部(52)を備え、該部分押し出し部は貫通孔(54)と前記壁に略垂直に整列された長さ方向軸(56)を有し、前記貫通孔は前記長さ方向軸と略同軸に整列されている、前記工程と、
(b) フランジ付き端部(60)を有する管(58)を得る工程と、
(c) 前記工程(a)及び(b)の後、前記管が前記長さ方向軸と略同軸に整列し、前記フランジ付き端部が実質的に前記部分押し出し部のところで前記壁の前記第2の側部と接触した状態で、前記管及び前記部材を配置する工程と、
(d) 前記工程(c)の後、前記フランジ付き端部で前記部分押し出し部に近接したところに前記管及び前記部材を通して環状抵抗溶接電流経路を形成し、前記フランジ付き端部を前記部分押し出し部内へと相対的に動かして該部分押し出し部に抗してこれを変形させ、溶接領域を形成し、該溶接領域は、前記フランジ付き端部の少なくとも一部と、前記部分押し出し部の少なくとも一部とを備える、工程と、
を備える、方法。
【請求項15】
前記工程(d)では、前記部分押し出し部の形成箇所面前で前記壁の第1の側部と接触する環状抵抗溶接式の第1の電極(62)と、前記フランジ付き端部に近接して前記管の外側と接触する環状抵抗溶接式の第2の電極(64)とを使用する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記工程(d)では、前記部分押し出し部の形成箇所面前で前記壁の第1の側部と接触
する環状抵抗溶接式の第1の電極と、前記管の内部に配置された円柱抵抗溶接式の第2の電極とを使用する、請求項14に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−184018(P2009−184018A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92370(P2009−92370)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【分割の表示】特願2004−530827(P2004−530827)の分割
【原出願日】平成15年7月16日(2003.7.16)
【出願人】(599023978)デルファイ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (281)
【Fターム(参考)】