説明

管内挿入デバイス

【課題】内視鏡挿入部の深部への挿入操作が容易で、深部への挿入を確実、且つスムーズに行える、管内挿入デバイスを提供すること。
【解決手段】管内挿入デバイス1は、第1開閉部材15aのカム孔15acを設ける一方、第7連結ピンを設けている。第1部組本体14の切欠溝14bを形成する一方、に第4連結ピン34を設けている。第1開閉リンク機構部15は、第1開閉部材15aのカム孔15acに摺動自在に配置される第1突起15b2および第1部組本体14の第4連結ピン34に回動自在に配置される第1係合部15b3を備える第1連結部15bと、第1連結部15bと予め定めた位置で回動自在に連結される、第1開閉部材15aの第7連結ピン37に回動自在に配置される第1開閉部材固定部15c5および第1部組本体14の切欠溝14bに摺動自在に配置されるスライダー連結部15c4を備えて構成された第1連結板15cと、を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡を管内の深部に導入する際に使用される管内挿入デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療分野において、細長で可撓性を有する挿入部を備えた内視鏡が利用されている。この内視鏡の挿入部には一般に、先端側の先端部に観察光学系及び照明光学系が設けられ、その先端部の後方側に上下の二方向、或いは上下及び左右の四方向等に湾曲する湾曲部が設けられている。このような構成の内視鏡によれば、観察光学系で管内の観察をしつつ、湾曲部を適宜湾曲操作して、挿入操作を行うことにより、挿入部を管内の深部に向けて導入することが可能になる。
【0003】
しかし、可撓性を有する挿入部を例えば小腸等へ挿入する場合、術者は、腸管が複雑に屈曲していること、および、患者への負担を軽減する目的で、挿入力量を小さく抑えて挿入操作を行うようにしている。このため、術者が、単に挿入操作を行うだけでは小腸深部への挿入が困難であった。
【0004】
近年、内視鏡挿入手技においては、湾曲操作に加えて、捻り操作、たぐり寄せ操作、軸保持などの技術を要するとともに、管腔を拡げるための送気装置、或いは挿入状態を確認するX線装置等を併用して効率よく挿入を行えるように工夫がなされている。
【0005】
例えば、特許文献1には、簡単な操作で深部へ内視鏡機能を有する医療器具が挿入可能な内視鏡挿入装置が示されている。この内視鏡挿入装置においては、以下の操作を繰り返すことで確実に内視鏡機能を有する医療器具を深部に挿通できる。
まず、術者は、医療器具のバルーン部を膨張させて腸壁に固定した状態において、収縮状態のバルーン部を備えるオーバーチューブを膨張している医療器具のバルーン部よりも腸深部に挿入する操作を行う。続いて、術者は、オーバーチューブのバルーン部を膨張させて腸壁に固定する一方、医療器具のバルーン部を収縮させ、その収縮状態のバルーン部を備える医療器具を膨張しているオーバーチューブのバルーン部よりも腸深部に挿入する操作を行う。引き続き、術者は、医療器具のバルーン部を膨張させて腸壁に固定する一方、オーバーチューブのバルーン部を収縮させ、その収縮状態のバルーン部を備えるオーバーチューブを膨張している医療器具のバルーン部よりも腸深部に挿入する操作を繰り返し行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−50559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の内視鏡挿入装置においては、深部への挿入を行うために各バルーン部を膨張或いは収縮させる作業と、収縮されたバルーン部を有する医療器具又はオーバーチューブを前進させる作業とを交互に繰り返し行う必要が生じる。このため、挿入操作が煩雑であるとともに、バルーン部の膨張、収縮に時間を要するため効率良く挿入することが難しかった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、内視鏡挿入部を深部へ導く挿入操作を容易に行え、内視鏡挿入部の深部への挿入を確実且つスムーズに行える管内挿入デバイスを提供することを目的にしている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様の管内挿入デバイスは、挿入軸方向に移動自在な第1開閉ユニットと、前記第1開閉ユニットと同一軸上を移動自在な第2開閉ユニットと、前記第1開閉ユニットに設けられた固定部材の一面に対して近接した閉状態或いは該固定部材の一面から離間した開状態に変化可能で、管内に当接する当接面を有する当接部材を備えた第1開閉部と、 前記第2開閉ユニットに設けられた固定部材の一面に対して近接した閉状態或いは該固定部材の一面から離間した開状態に変化可能で、管内に当接する当接面を有する当接部材を備えた第2開閉部と、前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットが軸方向に移動されて、前記第1開閉部と前記第2開閉部との前後の位置関係が入れ替わるときに、前記第1開閉部及び前記第2開閉部の開閉状態を切り替える開閉状態切替手段と、前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、該第1開閉ユニットと該第2開閉ユニットとがそれぞれ挿入軸方向に移動することによって、それぞれの該開閉ユニットに設けられている開閉部を開閉させる開閉機構部と、を備える管内挿入デバイスにおいて、
前記開閉部は、第1の位置にカム孔を設ける一方、第2の位置に軸部を設け、前記固定部材は、第1の位置に溝を形成する一方、第2の位置に軸部を設け、前記開閉機構部は、前記開閉部の前記カム孔に摺動自在に配置される一端部および前記固定部材の前記軸部に回動自在に配置される他端部を備えて予め定めた形状に構成された第1リンク部材、および前記第1リンク部材と予め定めた位置で回動自在に連結される、前記開閉部の前記軸部に回動自在に配置される一端部および前記固定部材に形成された溝に摺動自在に配置される他端部を備えて予め定めた形状に構成された第2リンク部材を具備している。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、内視鏡挿入部を深部へ導く挿入操作を容易に行え、内視鏡挿入部の深部への挿入を確実且つスムーズに行える管内挿入デバイスを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】管内挿入デバイスを説明する、先端部拡大図を含む説明図
【図2】摺動操作連動開閉ユニットの概略構成を説明する図、及び該摺動操作連動開閉ユニット、第1摺動部材、および第2摺動部材等を含んで構成される管内挿入デバイスの分解斜視図
【図3】摺動操作連動開閉ユニットを構成する第1開閉ユニットの開閉部組及び第2開閉ユニットの開閉部が共に開状態となった、全開状態を説明する説明図
【図4】摺動操作連動開閉ユニットを構成する先端カバー部材、第1開閉ユニット、第2開閉ユニット、挟み込み防止部材等を説明する図
【図5】突き当て部を説明する図
【図6】第1開閉部組の構成を説明する長手方向断面図
【図7A】第1開閉部組を構成する当接部材を説明する図
【図7B】第1開閉部組の第1開閉リンク機構部を構成する第1開閉部材を説明する図
【図7C】第1開閉部組の第1開閉リンク機構部を構成する第1連結部を説明する図
【図7D】第1開閉部組の第1開閉リンク機構部を構成する第1連結板を説明する図
【図7E】第1開閉部組の第1開閉リンク機構部を構成するスライダーを説明する図
【図7F】第1開閉部組を構成する第1開閉保持部を説明する図
【図7G】第1開閉部組を構成する第1部組本体を説明する図
【図8】第1開閉部組本体、第1開閉リンク、第1開閉保持部、リンク用バネ、保持部用バネ、当接部材等を含んで構成される第1開閉部組の分解斜視図
【図9A】ユニット本体の第1平面に固設された第1開閉部組を説明する図
【図9B】スライダーの基端側への移動と、その移動に伴って開状態に変化する当接部材との関係を説明する図
【図9C】スライダーの更なる基端側への移動によって、さらに開状態に変化した当接部材を示す図
【図9D】スライダーのまた更なる基端側への移動によって、当接部材がまたさらに開いた状態を示す図
【図9E】スライダーが最も基端側に移動されて当接部材が最大に開いた状態を示す図
【図10】基端部構成フレームを説明する図
【図11】第2開閉部組の構成を説明する長手方向断面図
【図12A】第2開閉部組の第2開閉リンク機構部を構成する第2開閉部材を説明する図
【図12B】第2開閉部組の第2開閉リンク機構部を構成する第2連結部を説明する図
【図12D】第2開閉部組を構成する第2開閉保持部を説明する図
【図12E】第2開閉部組を構成する第2部組本体を説明する図
【図13】第2開閉部組本体、第2開閉リンク、第2開閉保持部、リンク用バネ、保持部用バネ、当接部材等を含んで構成される第2開閉部組の分解斜視図
【図14A】基端部構成フレームの固定面に固設された第2開閉部組を説明する図
【図14B】突き当てピンの基端側への移動と、その移動に伴って開状態に変化する第2開閉部材との関係を説明する図
【図14C】突き当てピンの更なる基端側への移動によって、さらに開状態に変化した第2開閉部材を示す図
【図14D】突き当てピンのまた更なる基端側への移動によって、第2開閉部材がまたさらに開いた状態を示す図
【図14E】突き当てピンが最も基端側に移動されて第2開閉部材が最大に開いた状態を示す図
【図15】先端部構成フレームを説明する図
【図16】管内挿入デバイスと内視鏡とを組み合わせて構成された内視鏡システムを説明する図
【図17A】内視鏡システムを構成する管内挿入デバイスの挿入装置挿入部を配管に挿入した状態を説明する図
【図17B】管内挿入デバイスの挿入装置挿入部を配管の深部に挿入した状態を説明する図
【図18】内視鏡システムを構成する管内挿入デバイスの挿入装置挿入部を大腸に挿入した状態を説明する図
【図19】管内挿入デバイスを大腸の深部に挿入するための手技を説明する図であって、図19の(A)は大腸の襞のたぐり寄せ開始時を説明する図、図19の(B)はたぐり寄せ動作を複数回行って大腸の襞をたぐり寄せた状態を説明する図、図19の(C)はひっぱり操作を行って大腸の直線化を図った状態を説明する図
【図20】管内挿入デバイスを直線化を図った大腸内の深部に向けて進める手技を説明する図であって、図20の(A)は管内挿入デバイスの前進開始状態を示す図、図20の(B)は管内挿入デバイスの前進させた状態を示す図
【図21】第1摺動部材と第2摺動部材との手元操作を説明する図であって、図21の(A)は第1開閉部材及び第2開閉部材が閉状態である初期状態における第1摺動部材と第2摺動部材との位置関係を示す図、図21の(B)−図21の(H)はたぐり寄せ操作の一例であって、第1摺動部材の基端を動かすことなく、第2摺動部材を操作して、第1開閉部材及び第2開閉部材を開閉操作させる手元操作を説明する図である。図21の(I)は、管内挿入デバイスを前進させる際の操作を説明する図である。
【図22】図21の(A)の操作部初期状態であって、第1開閉部材及び第2開閉部材が閉状態の連動開閉ユニット初期状態を説明する図
【図23】図21の(B)の矢印に示すように第2摺動部材を先端側に移動して、第2摺動部材の基端と第1摺動部材の基端との間隔を距離Lより徐々に大きくしているときの第2開閉ユニットの動作を説明する図
【図24】図21の(B)の実線に示すように第2摺動部材を最も先端側に移動させて第2開閉部材が最大の開状態になった図
【図25】第2開閉部材が最大開状態になった後、図21の(C)に示すように第2摺動部材を図23とは逆方向に移動させて、第2開閉ユニットの羽根部材と第1開閉ユニットの羽根部材とが当接し非係止状態になった後、さらに移動して、先端部構成フレームの基端部が第1開閉ユニットのスライダーの係入突起に当接した図
【図26】先端部構成フレームの基端部が第1開閉ユニットの係入突起に当接した後、図21の(E)に示すように第2摺動部材が最も第1摺動部材の基端に近接して、第1開閉ユニット及び第2開閉ユニットの開閉部材が最大開状態になった図
【図27】第1開閉ユニット及び第2開閉ユニットの開閉部材が最大開状態になった後、図21の(F)に示すように再び第2摺動部材が先端側に移動されて、第2開閉ユニットの羽根部材と第1開閉ユニットの羽根部材とが当接した状態を示す図
【図28】図28の(G)に示すように第2摺動部材をさらに先端側に移動させて、第2開閉ユニットのノッチ部と歯部とが非係止状態になるとともに、第2開閉部材が開状態から閉状態に変化した図
【図29】第2開閉部材が閉状態に変化した後、さらに第2摺動部材を先端側に移動させて、再び、第2摺動部材を先端側に向けて移動させている図
【図30】図26と同様に第2摺動部材を最も先端側に移動させて、第1開閉部材及び第2開閉部材を最大の開状態にした図
【図31】連動開閉ユニットをカバーで覆った管内挿入デバイスを説明する図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1−図15を参照して管内挿入デバイス1の構成を説明する。
図1に示すように管内挿入デバイス1は、先端部に位置する摺動操作連動開閉ユニット(以下、連動開閉ユニットと略記する)2と、例えば、連動開閉ユニット2に連接する挿入装置挿入部3とを備えて主に構成されている。
【0013】
挿入装置挿入部3は、第1摺動部材4と第2摺動部材5とを備えて構成されている。第1摺動部材4と第2摺動部材5とは摺動自在である。連動開閉ユニット2は、開閉機構部を有する第1開閉ユニット10及び第2開閉ユニット20を主に備えて構成されている。
【0014】
第1摺動部材4及び第2摺動部材5は、移動手段であって、長手軸方向の貫通孔を有する管部材である。
第1摺動部材4は、例えば可撓性を有する可撓管、或いは硬質な硬性管である。第1摺動部材4の先端部には第1開閉ユニット10が固設され、第1摺動部材4の基端部には第1のグリップ部6が一体に固設される。
【0015】
一方、第2摺動部材5は、例えば可撓性を有する可撓管、或いは硬質な硬性管である。第2摺動部材5の先端部には第2開閉ユニット20が固設され、第2摺動部材5の基端部には第2のグリップ部7が一体に固設される。
【0016】
管内挿入デバイス1は、第1のグリップ部6と第2のグリップ部7とによって操作部8が構成される。
なお、本実施形態において第1摺動部材4及び第2摺動部材5は可撓管として説明を行う。また、本実施形態においては、第1摺動部材4が、第2摺動部材5の管内に摺動自在に配置される。
【0017】
図1、図2に示すように第1摺動部材4及び第2摺動部材5の断面形状は、円形、或いは四角形、六角形等の角形であり、本実施形態における断面形状は円形である。また、第1のグリップ部6及び第2のグリップ部7の断面形状は、第1摺動部材4及び第2摺動部材5の断面形状と同一であり、本実施形態においては円形である。
【0018】
第1摺動部材4は、第2摺動部材5及び第2のグリップ部7の貫通孔内に摺動自在に配置される。この構成において、第1のグリップ部6が一体な第1摺動部材4の長さ寸法は、第2のグリップ部7が一体な第2摺動部材5の長さ寸法より予め定めた寸法長く設定されている。第1のグリップ部6の貫通孔及び第1摺動部材4の貫通孔内には、後述する内視鏡の挿入部が挿通されるようになっている。
【0019】
符号4aは、第1摺動部材4の先端開口を構成する第1開閉ユニット連結部材(以下、第1連結部材と略記する)である。第1連結部材4aは、第1摺動部材4の先端に例えば螺合、接着等によって一体に固設される。第1連結部材4aには連動開閉ユニット2を構成する第1開閉ユニット10の後述する連動開閉ユニット本体(以下、ユニット本体と略記する)12が例えば締結部材である組付ネジ2m1によって一体に固定されるようになっている。
【0020】
一方、符号5aは、第2摺動部材5の先端開口を構成する第2開閉ユニット連結部材(以下、第2連結部材と略記する)である。第2連結部材5aは、第2摺動部材5の先端に例えば螺合、接着等によって一体に固設される。第2連結部材5aには連動開閉ユニット2を構成する第2開閉ユニット20の基端部構成フレーム22が例えば第2組付ネジ2m2によって一体に固定されるようになっている。
【0021】
連動開閉ユニット2を構成する第1開閉ユニット10には、開閉状態切替手段として、複数、例えば4つの第1開閉部組11が設けられる。また、連動開閉ユニット2を構成する第2開閉ユニット20にも、開閉状態切替手段として、複数、例えば4つの第2開閉部組21が設けられる。
【0022】
図1、2に示すように連動開閉ユニット2には、第1開閉部組11と第2開閉部組21とが周方向に対して交互に配列して構成されている。
なお、図1、2に示す第1開閉部組11及び第2開閉部組21はそれぞれ閉状態(初期状態とも記載する)である。
【0023】
符号9は、先端カバー部材である。先端カバー9は、中央部に後述する内視鏡挿入部(図16の符号51参照)が通過可能な貫通孔である内視鏡通過孔9aを備えた環状部材である。先端カバー9は、第1開閉ユニット10に弾性部材である例えば先端バネ(図4の符号9b参照)を介して取り付けられる。
【0024】
先端バネ9bの先端側端部は、溶接、或いは半田等のろう付け、或いは接着によって先端カバー9の内視鏡通過孔9aの周囲に一体に固定される。先端バネ9bのコイル内径寸法は、内視鏡挿入部51が通過可能に設定されている。
先端バネ9bの基端側端部は、ユニット本体12の内孔12aの先端開口周囲に、接着、或いは溶接、或いは半田等のろう付けによって、該ユニット本体12に一体的に固定されるようになっている。
なお、先端バネ9bのコイル内径寸法は、内視鏡通過孔9aの内径寸法より、予め定められた寸法だけ大きくなっている。
【0025】
符号40は、挟込防止部材であって、帯状で伸縮自在なシリコーンゴム等のエラストマーで形成されている。挟込防止部材40は、第1開閉部組11及び第2開閉部組21を構成する当接部材30に対して摺動自在に配置され、一端側である先端部を先端カバー9にネジ、或いは接着で固定し、他端側である基端部を基端部構成フレーム22にネジ、或いは接着で固定している。また、挟込防止部材40は、この固定状態において、閉状態において弛むことなく、予め定めた張力で張られた状態である。
【0026】
第1開閉ユニット10の複数の第1開閉部組11及び第2開閉ユニット20の複数の第2開閉部組21は、基端部構成フレーム22とユニット本体12との相対的な位置が変化することによって、例えば図3に示すように全ての開閉部組が拡開したな全開状態等を得られる構成になっている。第2開閉ユニット20に固定される基端部構成フレーム22は、第1開閉ユニット10に対しては摺動自在な構成である。
なお、複数の第1開閉部組11及び複数の第2開閉部組21が、全開状態のとき、挟込防止部材40は、伸長されてさらに張った状態に変化する。
【0027】
図4−図15を参照して連動開閉ユニット2の構成を説明する。
なお、以下の説明において、図中の上側を一面側、図中の下側を他面側、図中の左側を先端側、図中の右側を基端側と記している。
【0028】
図4に示すように連動開閉ユニット2は、先端バネ9bが一体に固定される先端カバー9と、先端部構成フレーム2fと、複数の第1開閉部組11及びユニット本体12を備える第1開閉ユニット10と、複数の第2開閉部組21及び基端部構成フレーム22を備える第2開閉ユニット20と、複数の挟込防止部材40と、を有して構成されている。
なお、図中において第1開閉部組11、第2開閉部組21、及び挟込防止部材40は、1つだけ記載してある。
【0029】
先端カバー9は、先端バネ9bの付勢力によって先端カバー9のカバー基端面をユニット本体12の先端面に近接されている。先端バネ9bは、付勢力に抗して先端方向に予め定められた距離、移動する弾性変形量を備えた引っ張りコイルバネで構成されている。
【0030】
なお、先端カバー9のカバー基端面は、ユニット本体12の先端面に近接されると共に、初期状態において、先端部構成フレーム2fの先端面に当接するように形作られている。
【0031】
先端部構成フレーム2fは、第1環状部材であって、第2開閉ユニット20に取りつけられる。先端部構成フレーム2fは、第2開閉部組21の後述する第2部組本体24の先端側と一体に固定されて、第1開閉ユニット10を構成するユニット本体12に対して摺動自在に配置される。
【0032】
第1開閉ユニット10は、ユニット本体12と例えば4つの第1開閉部組11とで構成される。
ユニット本体12は、貫通孔である内孔12aを有する細長な管部材である。該ユニット本体12の外形形状は、多角形形状であって、第1開閉部組11及び第2開閉部組21の数を考慮して設定される。本実施形態においては八角形形状である。つまり、ユニット本体12は、外表面に、第1開閉部組11及び第2開閉部組21を配設するための配設部となる、例えば8つの平面12pを周方向に有している。
これに対して、ユニット本体12の軸方向貫通孔である内孔12aの形状は、円形である。内孔12aの内径は、内視鏡挿入部51が挿通可能な寸法に設定されている。
【0033】
ユニット本体12の8つの平面12pのうち、4つの平面12p1は、第1開閉部組固定用平面(以下、第1平面と略記する)であり、第1開閉部組11を固定するための配設部である。その他の4つの平面12p2は、第2開閉部組配置用平面(第2平面と略記する)であり、第2開閉部組21が配置される。第1平面12p1と第2平面12p2とは、軸方向に細長な平面であって、内孔12aの周方向に対して交互に設けられている。
各第1開閉部組11は、ユニット本体12のそれぞれの第1平面12p1に、溶接、或いは半田等のろう付け、或いは接着によって一体的に固定される。
【0034】
なお、ユニット本体12の第2平面12p2の先端面には、図5に示す突き当て部材23が固設される。突き当て部材23は、略直方体形状であって、一面側の両側部に摺動溝23dが形成されている。摺動溝23dには、後述する摺動突起(図13の符号24ar参照)が配置される。また、突き当て部材23には、ピン当接部23cが形成されている。ピン当接部23cには、後述する突き当てピン39(図13参照)が当接する。
符号23pは、固定面である。突き当て部材23は、ユニット本体12の第2平面12p2の予め定められた位置に固定面23pを配置した後、接着、或いは溶接、或いは半田等のろう付けによって一体的に固定されるようになっている。
【0035】
図6−図8を参照して第1開閉部組11の構成を説明する。
第1開閉部組11は、図6、図8に示すように主に、第1開閉部組本体(以下、第1部組本体と略記する)14と、第1開閉リンク機構部15と、第1開閉保持部16とを備えて構成されている。符号17はリンク用バネ、符号18は保持部用バネ、符号30は当接部材、符号31−37は連結ピン、符号38は固定ネジである。
【0036】
リンク用バネ17は、両端部にフック部17fを備える引っ張りコイルバネである。リンク用バネ17は、予め定められたバネ定数を有し、第1開閉リンク機構部15を閉状態にする付勢力を有する。保持部用バネ18は、圧縮コイルバネであり、予め定められたバネ定数を有する。
【0037】
図6、図7Aに示すように当接部材30は、体内の管腔壁等に面接触する部材であり、扁平で細長な直方体形状に形作られている。当接部材30は、一面側に当接面30tを有し、他面側の先端部30aと基端部30bとの間には凹み空間30dを有している。凹み空間30dには、第1開閉部材15aが配設される。
【0038】
当接面30tは、平面部30pと斜面部30sとを備えている。先端部30aには先端側開口30m1及び先端側ネジ頭配置穴30hが形成されている。一方、基端部30bには基端側開口30m2及び基端側ネジ頭配置穴(不図示)が設けられている。
【0039】
先端側開口30m1及び基端側開口30m2は、凹み空間30dに連通する軸方向貫通孔である。先端側開口30m1、第1開閉部材15aが配設された凹み空間30dの隙間30d1及び基端側開口30m2には、挟込防止部材40が進退自在に配置されるようになっている。先端側開口30m1及び基端側開口30m2には、挟込防止部材40が摺動可能に配置される曲面30c、30eを有している。
なお、隙間30d1を設けられない場合、当接部材30に、先端側開口30m1と基端側開口30m2とを連通する軸方向貫通孔を設け、この軸方向貫通孔に挟込防止部材40を進退自在に配置する。先端側ネジ頭配置穴30h及び基端側ネジ頭配置穴(不図示)には固定ネジ38が配置される。
【0040】
当接部材30は、管内挿入デバイス1が体内に挿入される場合、生体適合性を有する金属製、或いは樹脂製である。一方、当接部材30は、管内挿入デバイス1がガス或いは水道等の配管等である場合、剛性を備えた金属製或いは樹脂製、或いは弾性を備えた樹脂製である。
【0041】
図6、図7B−図7Eを参照して第1開閉リンク機構部15について説明する。
第1開閉リンク機構部15は、開閉機構部であって第1開閉部材15aと、第1リンク部材である第1開閉部材先端側連結部材(以下、第1連結部と略記する)15bと、第2リンク部材である第1開閉部材基端側連結部材(以下、第1連結板と略記する)15cと、スライダー15dとで主に構成されている。
【0042】
図6、図7Bに示すように第1開閉部材15aは、第1開閉部である。第1開閉部材15aは、直方体形状であって、本体部15a1と基端凸部15a2とを備える。第1開閉部材15aは、当接部材30の凹み空間30dに配置されて、固定ネジ38によって当接部材30と一体に固定される。
符号15a1fは、雌ネジ部であり、本体部15a1の先端側の予め定められた位置に設けられ、固定ネジ38が螺合する。符号15a2fは、雌ネジ部であり、基端凸部15a2の予め定められた位置に設けられ、固定ネジ38(図8参照)が螺合する。
【0043】
本体部15a1には、軸方向に細長な第1長孔15a3、第2長孔15a4及び凹部15a5が設けられている。
第1長孔15a3は、一面側の外部と他面側の外部とを連通する貫通孔である。符号15a6は、側壁であり、第1長孔15a3を挟んで対設している。側壁15a6には予め定めた形状のカム孔15acが形成されている。カム孔15acは、第1長孔15a3と外部とを連通する貫通孔であり、例えば、先端側の傾斜孔15ac1と、傾斜孔15ac1に連続するストレート孔15ac2とを備えて構成される。傾斜孔15ac1の傾斜角度及び長さ、ストレート孔15ac2の長さ等は、第1開閉部材15aの開動作を考慮して適宜設定される。
なお、カム孔15acは、傾斜孔15ac1と、ストレート孔15ac2との組合せに限定されるものではなく、曲線で形成されるカム孔、曲線と傾斜孔、或いはストレート孔を組み合わせたカム孔等であってもよい。
【0044】
第1長孔15a3には、第1連結部15bの後述する第1突起15b2が遊嵌配置される。一対のカム孔15acには、後述する第6連結ピン36(図8参照)のそれぞれの端部が配置される。カム孔15acの幅寸法は、第6連結ピン36の直径より予め定めた寸法大きく設定してある。第6連結ピン36は、カム孔15ac内を自在に摺動する。
【0045】
第2長孔15a4は、一面側の外部と他面側の外部とを連通する貫通孔である。第2長孔15a4には、第1連結板15cの第1開閉部材固定部15c5が配置される。
符号15ah7は、第7連結ピン固定孔であり、第7連結ピン37(図8参照)が配置される貫通孔である。第7連結ピン固定孔15ah7の長手軸と、第1開閉部材15aの長手軸とは一面側から見て直交する位置関係(以下、直交関係と略記する)である。
【0046】
第7連結ピン固定孔15ah7は、第2長孔15a4を挟んで対設して形成されている。第7連結ピン37(図8参照)の長さ寸法は、本体部15a1の幅寸法と略同一、或いはそれより短く設定されている。
【0047】
凹部15a5には、第1連結部15bの後述する第1本体15b1、第1係合部15b3と、第1開閉保持部16と、第1連結板15cの後述する当接部材開閉部15c3とが配設される。
【0048】
図6、図7Cに示すように第1連結部15bは、第1連結部本体(以下、第1本体と略記する)15b1と、第1突起15b2と、第1係合部15b3とを備えて構成されている。
第1本体15b1は、軸方向に細長な長孔15b4を備える。長孔15b4は、一面側の外部と他面側の外部とを連通する貫通孔である。長孔15b4の長さ寸法及び幅寸法は、予め定められた寸法に設定されており、幅寸法に関しては、第1連結板15cの幅寸法よりも幅広である。
【0049】
符号15bh1は、第1連結ピン固定孔である。第1連結ピン固定孔15bh1は、第1連結ピン31(図8参照)が配置される貫通孔であり、長孔15b4を挟んで対設して形成されている。第1連結ピン固定孔15bh1の長手軸と、第1連結部15bの長手軸とは直交関係である。第1連結ピン固定孔15bh1には、回転軸と保持部とを構成する第1連結ピン31が挿通配置される。第1連結ピン31の長さ寸法は、第1連結部15bの幅寸法と略同一、或いはそれより所定の寸法、短く設定されている。
【0050】
第1突起15b2は、第1本体15b1の先端面より突出して設けられている。第1突起15b2の幅寸法は、第1本体15b1の幅寸法より予め定めた寸法幅が狭くなっており、第1開閉部材15aの第1長孔15a3内に遊嵌配置される。第1突起15b2の先端側にはスリット15b5が形成されている。スリット15b5は、接着剤溜まりであって、接着剤、或いは半田等が流し込まれる。
【0051】
符号15bh6は、第6連結ピン固定孔である。第6連結ピン固定孔15bh6は、第6連結ピン36が挿通する貫通孔であり、第6連結ピン固定孔15bh6の長手軸と、第1連結部15bの長手軸とは直交関係である。第6連結ピン固定孔15bh6に配置された第6連結ピン36は、スリット15b5に流し込まれたた接着剤或いは半田等によって第1突起15b2に固定される。第6連結ピン36の長さ寸法は、第1突起15b2の幅寸法より長く、本体部15a1の幅寸法法とは略同一、或いはそれより所定の寸法、短く設定されている。
【0052】
第1係合部15b3は、第1連結部15bの基端部を構成する。第1係合部15b3には第1歯部15bgが形成されている。第1歯部15bgは、係止機構部の一つであるラチェット機構の歯車部に相当する。第1歯部15bgには、第1開閉保持部16が備える後述する第1ノッチ部16anが係合して係止状態を得られる構成になっている。第1歯部15bg及び第1ノッチ部16anは第1係止機構部である。
【0053】
第1連結部15bの他面側には、平面部15bpと、リンク凸部15b6とが備えられている。第1突起15b2側の平面部15bpは、第1連結板15cの予め定めた後述する第1部組本体摺動部15c1上に配置される。リンク凸部15b6は、第1歯部15bgの反対側面に設けられて第1係合部15b3を構成する。リンク凸部15b6は、平面部15bpより予め定めた寸法突出した凸部である。リンク凸部15b6には、第4連結ピン34(図8参照)が挿通される第4連結ピン挿通孔15bh4が形成されている。第4連結ピン挿通孔15bh4の長手軸と、第1連結部15bの長手軸とは直交関係である。
【0054】
図6、図7Dに示すように第1連結板15cは、予め定めた幅寸法で、予め定めた形状に形成された細長板部材である。第1連結板15cは、先端側より順に第1部組本体摺動部15c1、第1本体係入部15c2及び当接部材開閉部15c3とを備えて構成されている。
【0055】
第1部組本体摺動部15c1は、その先端部にスライダー連結部15c4を備える。スライダー連結部15c4は、第2連結ピン32(図8参照)が挿通配置される第2連結ピン挿通孔15ch2を有する。スライダー連結部15c4は、スライダー15dの後述する長孔15d3内に配置されて、回転軸を構成する第2連結ピン32によってスライダー15dに回動自在に連結される構成になっている。第2連結ピン挿通孔15ch2の長手軸と第1連結板15cの長手軸とは直交関係である。
【0056】
一方、当接部材開閉部15c3は、その基端部に第1開閉部材固定部15c5を備える。第1開閉部材固定部15c5は、第7連結ピン37が挿通配置される第7連結ピン挿通孔15ch7を有する。第1開閉部材固定部15c5は、本体部15a1の第2長孔15a4内に配置されて、回転軸を構成する第7連結ピン挿通孔15ch7によって第1開閉部材15aに回動自在に連結される構成になっている。第7連結ピン挿通孔15ch7の長手軸と第1連結板15cの長手軸とは直交関係である。
【0057】
第1本体係入部15c2は、傾斜部であり、第1部組本体摺動部15c1と当接部材開閉部15c3とを連結する。第1本体係入部15c2は、第1連結ピン31が挿通配置される第1連結ピン挿通孔15ch1を有する。第1連結ピン挿通孔15ch1の長手軸と、第1連結板15cの長手軸とは直交関係である。
【0058】
第1本体係入部15c2には、リンク用バネ17のフック部17fが配置される長孔15c6が形成されている。長孔15c6は、一面側の外部と他面側の外部とを連通する貫通孔であり、第1連結ピン挿通孔15ch1を分割する。長孔15b4の長さ寸法及び幅寸法は、予め定められた寸法に設定されており、幅寸法に関しては、該バネ17の線経よりも大きい。
第1本体係入部15c2の傾斜角度及び長さは、第1開閉部材15aの開動作を考慮して適宜設定される。
【0059】
図6、図7Eに示すようにスライダー15dは、第1摺動体であって、摺動部15d1と、一対の係入突起15d2と、長孔15d3とを備えて構成されている。
摺動部15d1は、略直方体形状であって、予め設定した幅寸法、長さ寸法及び高さ寸法に設定されている。摺動部15d1の幅寸法は、第1部組本体14の幅寸法と略同寸法、或いはそれ以下に設定されている。摺動部15d1の他面は、摺動面15dpであって、第1平面12p1上に配置される。
【0060】
係入突起15d2は、摺動部15d1の基端部側部に対向して設けられた一対の凸部である。係入突起15d2は、摺動部15d1の一面である上面15duより予め定めた寸法、突出している。この構成によれば、スライダー15dは、一対の係入突起15d2で第1部組本体14の側面を挟持した状態で配置される。この配置状態において、スライダー15dは、第1部組本体14に沿って摺動自在となる。なお、係入突起15d2の先端面は、先端部構成フレーム2fの基端面が当接する当接面として構成されている。
【0061】
長孔15d3は、摺動部15d1に形成されている。長孔15d3は、摺動部15d1の上面15du側の外部と摺動面15dp側の外部とを連通する貫通孔である。長孔15d3内には、第1連結板15cを構成するスライダー連結部15c4が配置される。長孔15d3の長さ寸法及び幅寸法は予め定められた寸法に設定されており、幅寸法に関しては、第1連結板15cの幅寸法よりも幅広である。
【0062】
符号15dh2は、第2連結ピン固定孔である。第2連結ピン固定孔15dh2は、第2連結ピン32が挿通する貫通孔であり、長孔15d3を挟んで対設して形成されている。第2連結ピン固定孔15dh2の長手軸と、スライダー15dの長手軸とは直交関係である。第2連結ピン固定孔15dh2には、第2連結ピン32が挿通配置される。第2連結ピン32の長さ寸法は、摺動部15d1の幅寸法と略同一、或いはそれより所定の寸法、短く設定されている。
【0063】
図6、図7Fに示すように第1開閉保持部16は、保持部本体16aと、一対の羽根部材16bと、凸部16cとを備えて構成されている。
保持部本体16aは、予め設定した形状に形作られており、幅寸法は第1連結部15bの幅寸法と略同寸法である。保持部本体16aは、その先端面に傾斜面で構成された第1係止部16a1を備えている。第1係止部16a1は、第1ノッチ部16anを備えている。第1ノッチ部16anは、ラチェット機構の係止爪に相当し、第1連結部15bの第1歯部15bgに噛み合う歯部が配列されている。
なお、保持部本体16aの他面側には、該他面に開口を有する、有底の穴16ahが形成されている。穴16ahは、保持部用バネ18の一端側部が配置される穴であり、深さ寸法が所定寸法に設定されている。
【0064】
羽根部材16bは、保持部本体16aの基端部側の両側面16asに突出する係止状態解除部材である。羽根部材16bの基端側は、例えば、保持部本体16aの基端面から突出するように構成されている。羽根部材16bは、くさび形状に形成されており、第1当接面16b1と、第2当接面16b2と、傾斜面16b3とを備えている。傾斜面16b3は、羽根部材16bの一面側に予め設定した角度で傾いて形成され、第1当接面16b1及び第2当接面16b2は、羽根部材16bの他面側に予め設定した角度で傾いた傾斜面として形成されている。
【0065】
羽根部材16bは、保持部本体16aの側面16asより予め定めた寸法、突出している。凸部16cは、保持部本体16aの他面から予め定めた寸法突出している。凸部16cには第5連結ピン35(図8参照)が挿通される第5連結ピン挿通孔16ch5が形成されている。第5連結ピン挿通孔16ch5の長手軸と、保持部本体16aの長手軸とは直交関係である。
【0066】
図6、図7Gに示すように第1部組本体14は、固定部材であって細長な板状部材である。第1部組本体14の他面は、第1平面12p1に設置されて固定される固定面14aである。第1部組本体14の幅寸法は、第1平面12p1の幅寸法を基準に予め定めた寸法に設定されている。
【0067】
第1部組本体14は、切欠溝14b、第1長孔14c、第2長孔14d、バネ用穴14e、切り欠き部14f、複数の連結ピン固定孔14h3、14h4、14h5を備えている。
切欠溝14bは、固定面14a側に開口を有する。切欠溝14bは、第1部組本体14の先端面から予め設定した距離、離れた位置から予め設定した幅寸法及び深さ寸法で形成されている。切欠溝14bにはスライダー15dの摺動部15d1が摺動自在に配置される。したがって、切欠溝14bの深さ寸法は、摺動部15d1の厚み寸法に比べて予め大きく設定してある。符号14beは、基端側立ち上がり面である。
【0068】
第1長孔14cは、第1連通孔14c1と、第2連通孔14c2とを有して構成されている。第1連通孔14c1は、切欠溝14bの底面と一面側の外部と連通する。第2連通孔14c2は、固定面14a側の外部と一面側の外部とを連通する。
【0069】
第1連通孔14c1内には、第1連結板15cの第1部組本体摺動部15c1が配置される。これに対して、第2連通孔14c2は、フック配置空間を形成し、リンク用バネ17の基端部に形成されたフック部17fが配置される。第1長孔14cの幅寸法は、第1連結板15cの幅寸法及びリンク用バネ17の外形より、予め定めた寸法、幅広に設定してある。
【0070】
本実施形態において、スライダー15dの摺動部15d1、第1連結板15cの第1部組本体摺動部15c1及びリンク用バネ17は、第1長孔14cを含む切欠溝14b内に予め定めた状態で収容されるように構成されている。
【0071】
第2長孔14dは、第1長孔14cに隣接した基端側の第2の位置に設けられ、予め定めた長さ寸法に設定されている。第2長孔14dは、固定面14a側の外部と一面側の外部とを連通する連通孔である。
【0072】
第2長孔14d内には、第1連結部15bの第1係合部15b3と、第1開閉保持部16の凸部16cとが配置されるようになっている。そして、第2長孔14dの幅寸法は、第1係合部15b3の幅寸法及び凸部16cの外形寸法より幅広に設定されている。
バネ用穴14eは、保持部用バネ18の他端側部が配置される穴であり、深さ寸法が所定寸法に設定されている。
【0073】
切り欠き部14fは、第1連結部材4aの一面が第1部組本体14の一面より出っ張ることを防止する逃がし部を構成する。符号14fhは、ネジ挿通孔であり、第1組付ネジ2m1のネジ部が挿通する。
【0074】
第3連結ピン固定孔14h3は、第3連結ピン33(図8参照)が挿通する貫通孔であり、第2連通孔14c2を挟んで対設して形成されている。第3連結ピン固定孔14h3の長手軸と、第1部組本体14の長手軸とは直交関係である。
【0075】
第4連結ピン固定孔14h4は、第4連結ピン34が挿通する貫通孔であり、第5連結ピン固定孔14h5は、第5連結ピン35が挿通する貫通孔である。第4連結ピン固定孔14h4及び第5連結ピン固定孔14h5は、第2長孔14dを挟んで対設して形成されている。第4連結ピン固定孔14h4の長手軸と第5連結ピン固定孔14h5の長手軸とは、予め定めた間隔で形成されている。第4連結ピン固定孔14h4の長手軸と、第1部組本体14の長手軸とは直交関係であり、第5連結ピン固定孔14h5の長手軸と、第1部組本体14の長手軸とは直交関係である。
【0076】
図8を参照して第1開閉部組11の組み立てについて説明する。
第1開閉部組11は、以下に示す第1開閉部組組み付け工程を経て、組み立てられる。
第1開閉部組組み付け工程は、連結板連結部組付工程、第1連結板先端部組付工程、リンク用バネ組付工程、連結部基端部組付工程、開閉保持部組付工程、連結板基端部組付工程、連結部先端部組付工程及び当接部材組付工程を含んでいる。なお、第1開閉部組11を組み付ける順序は、上述の順に限定されるものではなく、適宜、設定される。
【0077】
以下、各組付工程について説明する。
連結板連結部組付工程を説明する。
連結板連結部組付工程は、第1連結部15bと第1連結板15cとをX字状に回動自在に組み付ける工程である。
【0078】
作業者は、まず、第1連結部15bと第1連結板15cとX字状に組み合わせるため、例えば第1連結板15cの第1開閉部材固定部15c5側を矢印A1に示すように第1連結部15bの長孔15b4内に挿入する。そして、作業者は、第1本体係入部15c2を長孔15b4内に配置させ、リンク用バネ17のフック部17fの一方を矢印A2に示すように第1連結板15cの長孔15c6内に配置する。
【0079】
次に、作業者は、第1連結ピン31を矢印A3に示すように第1連結部15bの第1連結ピン固定孔15bh1、第1連結板15cの第1連結ピン挿通孔15ch1、リンク用バネ17のフック部17f、第1連結ピン挿通孔15ch1、第1連結ピン固定孔15bh1の順に挿通する。このことによって、第1連結部15bと第1連結板15cとが第1連結ピン31を介してX字状に仮組みされる。
【0080】
次いで、作業者は、第1連結部15bのそれぞれの第1連結ピン固定孔15bh1に接着剤を塗布して、或いは溶接等の手段により第1連結ピン31のそれぞれの端部を第1連結部15bに一体的に固定する。
【0081】
このことによって、第1連結板15cの第1本体係入部15c2は、第1連結部15bの長孔15b4内に設けられた第1連結ピン31を中心に回動自在に取り付けられる。また、リンク用バネ17のフック部17fは、第1連結ピン31に引っ掛け配置される。
なお、以下の説明においては、上述した接着剤を塗布して、或いは溶接等の手段によってピンを孔に固定する作業のことをピン固定作業と記述する。
【0082】
第1連結板先端部組付工程を説明する。
第1連結板先端部組付工程は、第1連結板15cのスライダー連結部15c4をスライダー15dに回動自在に組み付ける工程である。
【0083】
作業者は、まず、第1連結板15cのスライダー連結部15c4を矢印A4に示すように第1部組本体14の第1長孔14cを通過させて、スライダー15dの長孔15d3内に配置する。
次に、作業者は、第2連結ピン32を矢印A5に示すようにスライダー15dの第2連結ピン固定孔15dh2、第1連結板15cの第2連結ピン挿通孔15ch2、第2連結ピン固定孔15dh2の順に挿通する。この後、作業者は、ピン固定作業を行って第2連結ピン32のそれぞれの端部をスライダー15dに一体的に固定する。
このことによって、第1連結板15cのスライダー連結部15c4は、スライダー15dの長孔15d3内に設けられた第2連結ピン32を中心に回動自在に取り付けられる。
なお、上記連結板連結部組付工程前に第1連結板先端部組付工程を行うようにしてもよい。
【0084】
リンク用バネ組付工程を説明する。
リンク用バネ組付工程は、リンク用バネ17の他方のフック部17fを第1部組本体14に組み付ける工程である。
作業者は、まず、リンク用バネ17のフック部17fを、矢印A6に示すように第2連通孔14c2内に配置する。
【0085】
次に、作業者は、第3連結ピン33を矢印A7に示すように第1部組本体14の第3連結ピン固定孔14h3、フック部17f、第3連結ピン固定孔14h3の順に挿通する。この後、作業者は、ピン固定作業を行って第3連結ピン33のそれぞれの端部を第1部組本体14に一体的に固定する。
このことによって、リンク用バネ17の基端部に形成されているフック部17fは、第3連結ピン33に引っ掛け配置される。
【0086】
なお、上述した工程においては、予め、リンク用バネ17のフック部17fを、長孔15c6、第2連通孔14c2内に配置するとしている。しかし、フック部17fに予め定めた隙間が設けられている場合、作業者は、連結ピン31、33をそれぞれ第1連結部15b、第1部組本体14に固定した後、リンク用バネ17のフック部17fを長孔15c6、第2連通孔14c2を介して連結ピン31、33に引っ掛けるようにしてもよい。
【0087】
連結部基端部組付工程を説明する。
連結部基端部組付工程は、第1連結部15bの第1係合部15b3を第1部組本体14に回動自在に組み付ける工程である。
【0088】
作業者は、まず、第1係合部15b3を矢印A8に示すように第2長孔14d内に挿入する。
次に、作業者は、第1係合部15b3を第2長孔14dの先端側に配置し、第4連結ピン34を矢印A9に示すように第1部組本体14の第4連結ピン固定孔14h4、第1連結部15bの第4連結ピン挿通孔15bh4、第4連結ピン固定孔14h4の順に挿通する。この後、作業者は、ピン固定作業を行って第4連結ピン34のそれぞれの端部を第1部組本体14に一体的に固定する。
このことによって、第1連結部15bは、第1部組本体14に設けられた第4連結ピン34を中心に回動自在に取り付けられる。
【0089】
開閉保持部組付工程を説明する。
開閉保持部組付工程は、第1開閉保持部16の凸部16cを第1部組本体14に回動自在に組み付ける工程である。
【0090】
作業者は、第1開閉保持部16の凸部16cを矢印A10に示すように第2長孔14d内に挿入する。この際、作業者は、予め、矢印A11に示すように保持部用バネ18の他端側部をバネ用穴14e内に配置しておく。
つまり、作業者は、保持部用バネ18をバネ用穴14eに配置した状態で、凸部16cを第2長孔14dに挿入する。このとき、作業者は、保持部用バネ18の一端部を第1開閉保持部16の穴16ah内に配置させる。このことによって、凸部16cは、第2長孔14d内の基端側に配置される。
【0091】
ここで、作業者は、保持部用バネ18の付勢力に抗して凸部16cを第2長孔14d内に押し込む。そして、作業者は、第1係止部16a1の第1ノッチ部16anを第1係合部15b3の第1歯部15bgに対して所定の係止状態で係止させる。
【0092】
作業者は、係止状態を保持しつつ、第5連結ピン35を矢印A12に示すように第1部組本体14の第5連結ピン固定孔14h5、第1開閉保持部16の第5連結ピン挿通孔16ch5、第5連結ピン固定孔14h5の順に挿通する。
この後、作業者は、ピン固定作業を行って第5連結ピン35のそれぞれの端部を第1部組本体14に一体的に固定する。
【0093】
このことによって、第1開閉保持部16は、第1部組本体14の第5連結ピン35を中心に回動自在に取り付けられる。この取り付け状態において、保持部用バネ18が凸部16cより基端側に位置していることによって、第1係止部16a1は、保持部用バネ18の付勢力によって第1係合部15b3側に押圧されて、第1ノッチ部16anが第1歯部15bgに係合した状態になる。
【0094】
なお、本実施形態において、第1ノッチ部16an及び第1歯部15bgの形状は、係合状態において、第1連結部15bが第4連結ピン34を中心に図9A−図9Eに示すように図中上方向から左方向である反時計方向に回転することを防止して開状態を保持する一方、第1連結部15bが時計方向へ回転して立ち上がることは可能となるように形作られている。
【0095】
また、上述においては、開閉保持部組付工程を連結部基端部組付工程後に行う場合を説明している。しかし、開閉保持部組付工程を連結部基端部組付工程前に行うようにしてもよい。この場合、第1歯部15bgを第1ノッチ部16anに係止させる作業は、連結部基端部組付工程で行われる。
【0096】
連結板基端部組付工程を説明する。
連結板基端部組付工程は、第1連結板15cの基端部を第1開閉部材15aに回動自在に組み付ける工程である。
作業者は、まず、第1連結板15cの第1開閉部材固定部15c5を、矢印A13に示すように第1開閉部材15aの第2長孔15a4内に配置する。
【0097】
次に、作業者は、第7連結ピン37を矢印A14に示すように第1開閉部材15aの第7連結ピン固定孔15ah7、第1連結板15cの第7連結ピン挿通孔15ch7、第7連結ピン固定孔15ah7の順に挿通する。この後、作業者は、ピン固定作業を行って第7連結ピン37のそれぞれの端部を第1開閉15aに一体的に固定する。
このことによって、第1連結板15cの基端部は、第1開閉部材15aの長孔15a4内に設けられた第7連結ピン37を中心に回動自在に取り付けられる。
【0098】
なお、上述の工程においては、予め、リンク用バネ17が第1部組本体14及び第1連結板15cに取り付けられているので、バネ17の付勢力が作業の妨げになることも考えられる。このため、連結板基端部組付工程を連結板連結部組付工程前に行うようにしてもよい。
【0099】
連結部先端部組付工程を説明する。
連結部先端部組付工程は、第1連結部15bの第1突起15b2の先端部を第1開閉部材15aのカム孔15acに組み付ける工程である。
作業者は、まず、第1連結部15bの第1突起15b2を、矢印A15に示すように第1開閉部材15aの第1長孔15a3内に配置する。
【0100】
次に、作業者は、第6連結ピン36を矢印A16に示すように第1開閉部材15aのカム孔15ac、第1連結部15bの第6連結ピン固定孔15bh6、スリット15b5、第6連結ピン固定孔15bh6、カム孔15acの順に挿通する。この後、作業者は、スリット15b5に接着剤を塗布して、或いは溶接等の手段により第6連結ピン36の中央部を第1連結部15bに一体的に固定する。
このことによって、第1連結部15bの第1突起15b2は、第1開閉部材15aのカム孔15acに摺動自在に取り付けられる。
【0101】
最後に、当接部材組付工程について説明する。
当接部材組付工程は、当接部材30と第1開閉部材15aとを一体に組み付ける工程である。
作業者は、まず、当接部材30を矢印A17に示すように第1開閉部材15aに被せる。即ち、当接部材30の凹み空間30d内に第1開閉部材15aを収める。
次に、作業者は、矢印A18に示すようにワッシャー38aを先端側のネジ頭配置穴30h及び基端側のネジ頭配置穴(不図示)に配置する。この後、固定ネジ38をワッシャー38aの開口及びネジ頭配置穴30hの開口を介して第1開閉部材15aの雌ネジ部15a1f、15a2fに螺合する。
このことによって、当接部材30は、第1開閉部材15aの所定位置に一体に固設される。
【0102】
上述した第1開閉部組組み付け工程を経て組み立てられた第1開閉部組11は、図9Aに示すようにユニット本体12の第1平面12p1に対して固設される。
なお、図9A−図9Eにおいては、カム孔15ac内を摺動する第6連結ピン36を説明できるように、第1開閉部材15aに当接部材30が固定されていない図としている。
【0103】
第1開閉部組11の第1開閉部材15aが第1部組本体14に最も近接した閉状態において、スライダー15dの摺動部15d1の先端面は、切欠溝14bの先端側立ち上がり面に近接、或いは当接して配置される。そして、第1開閉部材15aが閉状態のとき、第1連結部15b及び第1連結板15cは、第1開閉部材15aの第1長孔15a3及び凹部15a5の空間内に横たわるように収容される。
【0104】
第1開閉部材15aは、スライダー15dの切欠溝14bの基端側立ち上がり面14beに向かう移動に伴って、図9Aに示す閉状態から図9B−図9Dに示すように第1部組本体14から徐々に離間して開状態に変化し、図9Eに示すように予め定められた最大開状態になるように構成されている。
【0105】
具体的に、スライダー15dは、図9B、…、図9Eの順に切欠溝14b内を第1部組本体14に沿って基端方向に移動する。
図9Bに示すようにスライダー15dが移動すると、第1連結板15cが第2連結ピン32を中心に図中反時計方向に回転して、第1開閉部材固定部15c5側が徐々に立ち上げられていく。
【0106】
また、第1連結ピン31によって第1連結部15bと第1連結板15cとが回動自在に連結されていることにより、第1連結部15bがリンク用バネ17の付勢力に抗して第4連結ピン34を中心に図中時計方向に回転する。
すると、第1連結部15bに固定された第6連結ピン36がカム孔15acの傾斜孔15ac1内を基端側に向けて移動していく。この結果、第1開閉部材15aは、角度θ、前傾した状態で第1部組本体14から離間していく。
【0107】
本実施形態においては、第1開閉リンク機構部15を構成する第1開閉部材15a、第1連結部15b、第1連結板15c、及びスライダー15dが上述したように予め定めた形状に形成され、且つ各連結ピン31−37が予め定めた位置に固定されていることにより、距離L2が距離L1より大きな状態で、第1開閉部材15aが第1部組本体14から離間していく。
なお、距離L1は、例えば第1平面12p1から第1開閉部材15aの先端までの距離であり、距離L2は、第1平面12p1から第1開閉部材15aの基端までの距離である。
【0108】
図9C、図9Dに示すようにスライダー15dが、更に、基端方向に移動することにより、第1連結部15bに固定された第6連結ピン36がカム孔15acのストレート孔15ac2内を基端側に向けて移動する。このことによって、角度θがさらに大きくなって、すなわち、距離L2と距離L1との間隔を徐々に拡げながら第1開閉部材15aが第1部組本体14から離間していく。
【0109】
そして、図9Eに示すようにスライダー15dの摺動部15d1の基端面が、切欠溝14bの基端側立ち上がり面14beに近接、或いは当接して配置されることによって、第1開閉部材15aが第1部組本体14から最大に離間した最大の開状態になる。
【0110】
なお、第1連結部15bが第4連結ピン34を中心に時計方向に回転して立ち上がっていくとき、第1歯部15bgと第1ノッチ部16anとの係合状態が、一歯毎に変化する。したがって、第1開閉部材15aは、スライダー15dの基端側への移動に伴って閉状態から開状態に段階的に切り換えられる。
【0111】
第1連結部15bは、第1歯部15bgに第1ノッチ部16anが係合していることによって、第4連結ピン34を中心に反時計方向へ回転することが規制されている。このため、第1開閉部材15aは、スライダー15dの移動距離に対応する例えば最大の開状態、或いは、摺動部15d1が切欠溝14bの中途部に位置している開状態で保持される。
【0112】
なお、開状態の第1開閉部材15aは、第1歯部15bgと第1ノッチ部16anとの係合状態が保持部用バネ18の付勢力に抗して解除されると、閉状態に復帰する。そして、係合状態が解除されたとき、第1連結板15cは、リンク用バネ17の付勢力によって第1連結ピン31を中心に時計方向に回転する。すると、スライダー15dが先端側に移動されて、第1連結部15b及び第1連結板15cが再び第1開閉部材15aの第1長孔15a3及び凹部15a5の空間内に収容されて第1開閉部材15aが閉状態になる。
【0113】
第2開閉ユニット20は、基端部構成フレーム22と例えば4つの第2開閉部組21とで構成される。
図10に示すように基端部構成フレーム22は、第2環状部材である。基端部構成フレーム22の内孔22aの形状は、第1開閉部組11が固設されたユニット本体12の外形形状を考慮して設定され、本実施形態において八角形形状である。また、基端部構成フレーム22の外形形状も多角形形状であって、本実施形態において八角形形状である。
【0114】
基端部構成フレーム22は、外表に、固定面22p1と、締結面22p2とを交互に有している。固定面22p1は、第2開閉部組21を一体的に固定するための平面である。締結面22p2は、組付ネジ2m2のネジ部が螺合されるネジ孔22pfを予め定められた位置に備える平面である。本実施形態において、固定面22p1及び締結面22p2は、4つずつ設けられている。
【0115】
基端部構成フレーム22の内孔22aの内面は、第1摺動面22a1と第2摺動面22a2とを交互に有して構成されている。
第1摺動面22a1は、締結面22p2の裏面を構成する。第1摺動面22a1は、ユニット本体12の第1平面12p1に固設された第1開閉部組11の第1部組本体14の一面上に摺動自在に配置されるように構成されている。
第2摺動面22a2は、固定面22p1の裏面を構成している。
【0116】
なお、締結面22p2は、予め定められた数のネジ山を得られるように、外表面より外側に突出して構成されている。このため、締結面22p2の厚みは、固定面22p1の厚みより厚くなっている。
【0117】
図11−図13を参照して第2開閉部組21の構成を説明する。
なお、第1開閉部組11と同部材には同符号を付して説明を省略する。
第2開閉部組21は、図11、図13に示すように主に、第2開閉部組本体(以下、第2部組本体と略記する)24と、第2開閉リンク機構部25と、第2開閉保持部26と、突当ピン39と、リンク用バネ17、保持部用バネ18、当接部材30、連結ピン31、33−37、固定ネジ38を備えて構成されている。
【0118】
そして、第2開閉部組21において、開閉機構部である第2開閉リンク機構部25は、第2開閉部材25aと、第1リンク部材である第2開閉部材先端側連結部材(以下、第2連結部)25bと、第2リンク部材である第2開閉部材基端側連結部材(以下、第2連結板25cと、突当ピン39とで主に構成されている。
【0119】
本実施形態においては、第2開閉リンク機構部25の第2開閉部材25aと第1開閉リンク機構部15の第1開閉部材15aとは同部材である。また、第2開閉リンク機構部25の第2連結部25bと第1開閉リンク機構部15の第1連結部15bとは同部材である。また、第2開閉リンク機構部25の第2連結板25cと第1開閉リンク機構部15の第1連結板15cとは同部材である。さらに、第2開閉保持部26と第1開閉保持部16とは同部材である。
このように、本実施形態の連動開閉ユニット2においては、部品の共通化を図って部品点数の低減を実現している。
【0120】
なお、上述したように第2開閉部材25aと第1開閉部材15aとは同部材であるが、第2開閉部組21用の開閉部材と第1開閉部組11用の開閉部材との区別を明確にするため、第2開閉部組21用の第2開閉部材については符号25aを付して第1開閉部材15aとの区別を可能にしている。同様に、第2連結部については符号25bを付して第1連結部15bとの区別を可能にしている。同様に、第2連結板については符号25cを付して第1連結板15cと区別を可能にしている。同様に、第2開閉保持部については符号26を付して第1開閉保持部16とを区別可能にしている。
【0121】
第2開閉部材25aは、前記第1開閉部材15aと同様な構成であり、図11、図12Aに示すように本体部25a1、基端凸部25a2、第1長孔25a3、第2長孔25a4、凹部25a5、側壁25a6、雌ネジ部25a1f、雌ネジ部25a2f、カム孔25ac、傾斜孔25ac1、ストレート孔25ac2及び第7連結ピン固定孔25ah7を備えて構成されている。第1長孔25a3は、第2開閉部材25aの第1の位置に設けられ、第2長孔25a4は第2の位置に設けられている。
【0122】
第2連結部25bは、第1連結部15bと同様な構成であり、図11、図12Bに示すように第1本体25b1、第1突起25b2、第1係合部25b3、長孔25b4、スリット25b5、リンク凸部25b6、第1歯部25bg、平面部25bp、第4連結ピン挿通孔25bh4、第6連結ピン固定孔25bh6を備えて構成されている。
【0123】
これに対して、図11、図12Cに示すように第2連結板25cは、第2連結ピン挿通孔15ch2の代わりに、突当ピン39が固定される突当ピン固定孔25ch9を備えて構成されている。なお、符号25c4は突当ピン連結部であり、突当ピン固定孔25ch9が形成される。その他の構成は第1連結板15cと同様な構成であり、第1部組本体摺動部25c1、第1本体係入部25c2、当接部材開閉部25c3、長孔25c6、第7連結ピン挿通孔25ch7とを備えて構成されている。
【0124】
突当ピン39は、第2摺動体であって、突当ピン固定孔25ch9に固設される。突当ピン39の長さ寸法は、その両端部がそれぞれ第2連結板25cの側面から予め定められた長さ突出するように設定されている。
【0125】
第2開閉保持部26は、第1開閉保持部16と同様な構成であり、図11、図12Dに示すように保持部本体26aと、一対の羽根部材26bと、凸部26cとを備えて構成されている。保持部本体26aは、第2係止機構部を構成する第2ノッチ部26anを備えた第2係止部26a1、有底の穴26ah、両側面26asに設けられ羽根部材26bを備えて構成されている。
【0126】
羽根部材26bは、保持部本体26aの基端部側の両側面26asに突出する係止状態解除部材である。羽根部材26bは、ユニット本体12の第1平面12p1に固設された第1部組本体14の羽根部材16bと当接する位置関係となるように配置されている。
凸部26cには、第5連結ピン挿通孔26ch5が形成されている。
【0127】
図11、図12Eに示すように固定部材である第2部組本体24は、第1部組本体14と異なる形状である。第2部組本体24は、クランク形状の角柱部材であって、先端部24a1と、屈曲部24a2と、基端部24a3とを備えている。第2部組本体24の幅寸法は、第2平面12p2の幅寸法を基準に予め定めた寸法に設定されている。
【0128】
第2部組本体24は、第1切欠部24ap、第1長孔24c、第2長孔24d、バネ用穴24e、第2切欠部24f、複数の連結ピン固定孔24h3、24h4、24h5、を備えている。
【0129】
先端部24a1の一面側先端部は、先端接合面24bとして構成されている。先端部24a1の他面は、第2平面12p2上に摺動自在に配置される摺動面である。先端部24a1の摺動面先端側には、突当ピン39が配置される空間を構成する第1切欠部24ap(以下、第1切欠部と記載する)が第1の位置に形成されている。
【0130】
第1切欠部24apの長さ寸法は、突当ピン39の移動距離を考慮して設定される。一方、第1切欠部24apの深さ寸法は、第2連結板25cの厚み寸法及び突当ピン39の直径を考慮して設定される。符号24aeは、基端側立ち上がり面であって、突当ピン39が当接する面である。
【0131】
第1切欠部24apには、軸方向溝24adが形成されている。軸方向溝24adは、第1切欠部24apの他面中央部に細長に形成され、第1切欠部24apの両側部に突出する摺動突起24arを構成する。軸方向溝24adは、第2部組本体24の先端から第2長孔24dに至る溝である。
【0132】
第1長孔24cは、第1連通孔24c1と、第2連通孔24c2とを有して構成されている。第1連通孔24c1は、第1切欠部24apと一面側の外部と連通する。第2連通孔24c2は、摺動面側の外部と一面側の外部とを連通する。
【0133】
第1連通孔24c1内には、第2連結板25cが配置される。これに対して、第2連通孔24c2は、リンク用バネ17の基端部に形成されたフック部17fが配置されるフック配置空間を形成する。そして、第1長孔24cの幅寸法は、第2連結板25cの幅寸法及びリンク用バネ17の外形より、予め定めた寸法、幅広に設定してある。
【0134】
本実施形態において、突当ピン39を固設した第2連結板25c及びリンク用バネ17は、第1長孔24c及び第1切欠部24ap内に予め定めた状態で収容されるように構成されている。
【0135】
第2長孔24dは、第1長孔24cに隣接して第2の位置に設けられ、予め定めた長さ寸法に設定されている。第2長孔24dは、摺動面側の外部と一面側の外部とを連通する連通孔である。
【0136】
第2長孔24d内には、第2連結部25bの第2係合部25b3と、第1開閉保持部26の凸部26cとが配置されるようになっている。そして、第2長孔24dの幅寸法は、第2係合部25b3の幅寸法及び凸部26cの外形寸法より幅広に設定されている。
【0137】
第3連結ピン固定孔24h3は、第3連結ピン33が挿通する貫通孔であり、第2連通孔24c2を挟んで対設して形成されている。第3連結ピン固定孔24h3の長手軸と、第2部組本体24の長手軸とは直交関係である。
【0138】
第4連結ピン固定孔24h4は、第4連結ピン34が挿通する貫通孔であり、第5連結ピン固定孔24h5は、第5連結ピン35が挿通する貫通孔である。第4連結ピン固定孔24h4及び第5連結ピン固定孔24h5は、第2長孔24dを挟んで対設して形成されている。第4連結ピン固定孔24h4の長手軸と第5連結ピン固定孔24h5の長手軸とは、予め定めた間隔で形成されている。第4連結ピン固定孔24h4の長手軸と、第2部組本体24の長手軸とは直交関係であり、第5連結ピン固定孔24h5の長手軸と、第2部組本体24の長手軸とは直交関係である。
【0139】
バネ用穴24eは、保持部用バネ18の他端部が配置される穴であり、深さ寸法が所定寸法に設定されている。
第2切欠部24fは、基端部構成フレーム22の固定面22p1に配置される接合面を有する。第2部組本体24は、第2切欠部24fの接合面を固定面22p1に例えば溶接によって接合して、基端部構成フレーム22に一体に固設されるようになっている。符号24hはネジ頭配置穴である。
【0140】
図13を参照して第2開閉部組21の組み立てについて説明する。
第2開閉部組21は、以下に示す第2開閉部組組み付け工程を経て、組み立てられる。
第2開閉部組組み付け工程は、第1開閉部組組み付け工程で説明した連結板連結部組付工程、リンク用バネ組付工程、連結部基端部組付工程、開閉保持部組付工程、連結板基端部組付工程、連結部先端部組付工程、及び当接部材組付工程と、この第2開閉部組21特有の組付工程である第2連結板先端部組付工程とを含んでいる。
【0141】
ここで、第2開閉部組組み付け工程における、前記第1開閉部組組み付け工程で説明した連結板連結部組付工程、リンク用バネ組付工程、連結部基端部組付工程、開閉保持部組付工程、連結板基端部組付工程、連結部先端部組付工程、及び当接部材組付工程に付いて簡単に説明する。
【0142】
連結板連結部組付工程を説明する。
連結板連結部組付工程は、第2連結部25bと第2連結板25cとをX字状に回動自在に組み付ける工程である。
【0143】
まず、作業者は、例えば第2連結板25cの第2開閉部材固定部25c5側を矢印A1に示すように第2連結部25bの長孔25b4内に挿入する。そして、第2本体係入部25c2を長孔25b4内に配置させ、リンク用バネ17のフック部17fの一方を矢印A2に示すように第2連結板25cの長孔25c6内に配置する。
【0144】
次に、作業者は、第1連結ピン31を矢印A3に示すように第2連結部25bの第1連結ピン固定孔25bh1、第2連結板25cの第1連結ピン挿通孔25ch1、リンク用バネ17のフック部17f、第1連結ピン挿通孔25ch1、第1連結ピン固定孔25bh1の順に挿通して、第2連結部25bと第2連結板25cとをX字状に仮組みする。この後、作業者は、ピン固定作業によって第1連結ピン31のそれぞれの端部を第2連結部25bに一体的に固定する。
【0145】
このことによって、第2連結板25cの第2本体係入部25c2は、第2連結部25bの長孔25b4内に設けられた第1連結ピン31を中心に回動自在に取り付けられる。また、リンク用バネ17のフック部17fは、第1連結ピン31に引っ掛け配置される。
【0146】
リンク用バネ組付工程を説明する。
リンク用バネ組付工程は、リンク用バネ17のフック部17fの他方を第2部組本体24に組み付ける工程である。
作業者は、まず、リンク用バネ17のフック部17fを、矢印A6に示すように第2連通孔24c2内に配置する。
【0147】
次に、作業者は、第3連結ピン33を矢印A7に示すように第2部組本体24の第3連結ピン固定孔24h3、フック部17f、第3連結ピン固定孔24h3の順に挿通する。この後、作業者は、ピン固定作業を行って第3連結ピン33のそれぞれの端部を第2部組本体24に一体的に固定する。
このことによって、リンク用バネ17の基端部に形成されているフック部17fは、第3連結ピン33に引っ掛け配置される。
【0148】
連結部基端部組付工程を説明する。
連結部基端部組付工程は、第2連結部25bの第2係合部25b3を第2部組本体24に回動自在に組み付ける工程である。
作業者は、まず、第2係合部25b3を矢印A8に示すように第2長孔24d内に挿入する。の先端側に配置する。
【0149】
次に、作業者は、第2係合部25b3を第2長孔24dの先端側に配置し、第4連結ピン34を矢印A9に示すように第2部組本体24の第4連結ピン固定孔24h4、第2連結部25bの第4連結ピン挿通孔25bh4、第4連結ピン固定孔24h4の順に挿通する。この後、作業者は、ピン固定作業を行って第4連結ピン34のそれぞれの端部を第2部組本体24に一体的に固定する。
このことによって、第2連結部25bは、第2部組本体24に設けられた第4連結ピン34を中心に回動自在に取り付けられる。
【0150】
開閉保持部組付工程を説明する。
開閉保持部組付工程は、第2開閉保持部26の凸部26cを第2部組本体24に回動自在に組み付ける工程である。
【0151】
作業者は、第2開閉保持部26の凸部26cを矢印A10に示すように第2長孔24d内に挿入する。この際、作業者は、予め、矢印A11に示すように保持部用バネ18の他端部をバネ用穴24e内に配置しておく。
つまり、作業者は、保持部用バネ18をバネ用穴24eに配置させた状態で、凸部26cを第2長孔24dに挿入する。このとき、作業者は、保持部用バネ18の一端部を第2開閉保持部26の穴26ah内に配置させる。このことによって、凸部26cは、第2長孔24d内の基端側に配置される。
【0152】
ここで、作業者は、凸部26cを第2長孔24d内に押し込み、第2ノッチ部26anを第2歯部25bgに対して所定の係止状態で係止させる。そして、作業者は、係止状態を保持しつつ、第5連結ピン35を矢印A12に示すように第2部組本体24の第5連結ピン固定孔24h5、第2開閉保持部26の第5連結ピン挿通孔26ch5、第5連結ピン固定孔24h5の順に挿通する。
この後、作業者は、ピン固定作業を行って第5連結ピン35のそれぞれの端部を第2部組本体24に一体的に固定する。
【0153】
このことによって、第2開閉保持部26は、第2部組本体24の第5連結ピン35を中心に回動自在に取り付けられる。
連結板基端部組付工程を説明する。
連結板基端部組付工程は、第2連結板25cの基端部を第2開閉部材25aに回動自在に組み付ける工程である。
作業者は、まず、第2連結板25cの第2開閉部材固定部25c5を、矢印A13に示すように第2開閉部材25aの第2長孔25a4内に配置する。
【0154】
次に、作業者は、第7連結ピン37を矢印A14に示すように第2開閉部材25aの第7連結ピン固定孔25ah7、第2連結板25cの第7連結ピン挿通孔25ch7、第7連結ピン固定孔25ah7の順に挿通する。この後、作業者は、ピン固定作業を行って第7連結ピン37のそれぞれの端部を第2開閉部材25aに一体的に固定する。
このことによって、第2連結板25cの基端部は、第2開閉部材25aの長孔15a4内に設けられた第7連結ピン37を中心に回動自在に取り付けられる。
【0155】
連結部先端部組付工程を説明する。
連結部先端部組付工程は、第2連結部25bの第2突起25b2の先端部を第2開閉部材25aのカム孔25acに組み付ける工程である。
作業者は、まず、第2連結部25bの第2突起25b2を、矢印A15に示すように第2開閉部材25aの第1長孔25a3内に配置する。
【0156】
次に、作業者は、第6連結ピン36を矢印A16に示すように第2開閉部材25aのカム孔25ac、第2連結部25bの第6連結ピン固定孔25bh6、スリット25b5、第6連結ピン固定孔25bh7、カム孔25acの順に挿通する。この後、作業者は、スリット25b5に接着剤を塗布して、或いは溶接等の手段により第6連結ピン36の中央部を第2連結部25bに一体的に固定する。
このことによって、第2連結部25bの第2突起25b2は、第2開閉部材25aのカム孔25acに摺動自在に取り付けられる。
【0157】
当接部材組付工程について説明する。
当接部材組付工程は、当接部材30を第2開閉部材25aに組み付ける工程である。
作業者は、まず、当接部材30を矢印A17に示すように第2開閉部材25aに被せる。即ち、当接部材30の凹み空間30d内に第2開閉部材25aを収める。
【0158】
次に、作業者は、矢印A18に示すようにワッシャー38aをネジ頭配置穴30h及び基端側段付き穴(不図示)に配置する。この後、固定ネジ38をワッシャー38aの開口及びネジ頭配置穴30hの開口を介して第2開閉部材25aの雌ネジ部25a1f、25a2fに螺合する。
このことによって、当接部材30は、第2開閉部材25aの所定位置に一体に固設される。
【0159】
最後に、第2開閉部組21特有の組付工程である第2連結板先端部組付工程について説明する。
第2連結板先端部組付工程は、突当ピン連結部25c4に形成されている突当ピン固定孔25ch9に突当ピン39を組み付ける工程である。
作業者は、上述した連結板連結部組付工程後に、第2連結板先端部組付工程に取りかかる場合、第2連結板25cの突当ピン連結部25c4を矢印A4に示すように第2部組本体24の第1長孔24cを通過させる。そして、作業者は、突当ピン連結部25c4を第1切欠部24ap側に配置する。
【0160】
次に、作業者は、突当ピン39を矢印A5に示すように第1切欠部24ap側に配置された破線に示す突当ピン連結部25c4の突当ピン固定孔25ch9に挿通する。そして、作業者は、突当ピン39の両端部を略均等に第2連結板25cの側面から突出させる。この後、作業者は、ピン固定作業を行って突当ピン39を第2連結板25cに一体的に固定する。
【0161】
このことによって、第2連結板25cの突当ピン連結部25c4に固設された突当ピン39が、第1切欠部24ap側に配置されて、第2連結板25cの先端部が第1切欠部24ap側の所定位置に摺動自在に配置される。
なお、上記連結板連結部組付工程前に第2連結板先端部組付工程を行うようにしてもよい。
【0162】
上述した第2開閉部組組み付け工程を経て組み立てられた第2開閉部組21は、図14Aに示すように基端部構成フレーム22の固定面22p1に対して固設される。
なお、図14A−図14Eにおいても、カム孔25ac内を摺動する第6連結ピン36を説明できるように、第2開閉部材25aに当接部材30が固定されていない図としている。
【0163】
第2開閉部組21の第2開閉部材25aが第2部組本体24に最も近接した閉状態において、第2連結板25cに設けられた突当ピン39は、第1切欠部24ap内の予め定められた位置に配置される。また、第2開閉部材25aが閉状態のとき、第2連結部25b及び第2連結板25cは、固定面22p1に対して横たわるように配置される。
【0164】
第2開閉部材25aは、突当ピン39の切欠部24apの立ち上がり面24aeに向かう移動に伴って、図14Aに示す閉状態から図14B−図14Dに示すように第2部組本体24から徐々に離間して開状態に変化し、図14Eに示すように予め定められた最大開状態になるように構成されている。
【0165】
具体的に、突当ピン39は、図14B、…、図14Eの順に切欠部24ap内を第2部組本体24に沿って基端方向に移動する。
図14Bに示すように突当ピン39が移動すると、第2連結板25cが突当ピン39を中心に図中反時計方向に回転して、第2開閉部材固定部25c5側が徐々に立ち上げられていく。
【0166】
また、第1連結ピン31によって第2連結部25bと第2連結板25cとが回動自在に連結されていることにより、第2連結部25bがリンク用バネ17の付勢力に抗して第4連結ピン34を中心に図中時計方向に回転する。
すると、第2連結部25bに固定された第6連結ピン36がカム孔25acの傾斜孔25ac1内を基端側に向けて移動していく。この結果、当接部材30は、角度θ1、前傾した状態で第2部組本体24から離間していく。
【0167】
本実施形態においては、第2開閉リンク機構部25を構成する第2開閉部材25a、第2連結部25b、第2連結板25c、及び突当ピン39が上述したように予め定めた形状に形成され、且つ各連結ピン31、33−37が予め定められた位置に固定されていることにより、距離L4が距離L3より大きな状態で、第2開閉部材25aが第2部組本体24から離間していく。
なお、距離L3は、第2部組本体24の例えば先端接合面24bから第2開閉部材25aの先端部までの距離であり、距離L4は、先端接合面24bから第2開閉部材25aの基端までの距離である。
【0168】
図14C、図14Dに示すように突当ピン39が、更に、基端方向に移動することにより、第2連結板25cに固定された第6連結ピン36がカム孔25acのストレート孔25ac2内を基端側に向けて移動する。このことによって、角度θ1がさらに大きくなって、すなわち、距離L4と距離L3との間隔を徐々に拡げながら第2開閉部材25aが第2部組本体24から離間していく。
【0169】
そして、図14Eに示すように突当ピン39が、切欠部24apの基端側立ち上がり面24aeに近接、或いは当接して配置されることによって、第2開閉部材25aが第2部組本体24から最大に離間した最大の開状態になる。
【0170】
なお、第2連結部25bが第4連結ピン34を中心に時計方向に回転して立ち上がっていくとき、第2歯部25bgと第2ノッチ部26anとの係合状態が、一歯毎に変化する。したがって、第2開閉部材25aは、突当ピン39の基端側への移動に伴って閉状態から開状態に段階的に切り換えられる。
【0171】
第2連結部25bは、第2歯部25bgに第2ノッチ部26anが係合していることによって、第4連結ピン34を中心に反時計方向へ回転することが規制されている。このため、第2開閉部材25aは、突当ピン39の移動距離に対応する例えば最大の開状態、或いは、突当ピン39が切欠部24apの中途部に位置している開状態で保持される。
【0172】
なお、開状態の第2開閉部材25aは、第2歯部25bgと第2ノッチ部26anとの係合状態が保持部用バネ18の付勢力に抗して解除されると、閉状態に復帰する。そして、係合状態が解除されたとき、第2連結板25cは、リンク用バネ17の付勢力によって第1連結ピン31を中心に時計方向に回転する。すると、突当ピン39が先端側に移動されて、第2連結部25b及び第2連結板25cが再び固定面22p1に対して横たわるように配置されて第2開閉部材25aが閉状態になる。
【0173】
ここで先端部構成フレーム2fについて説明する。
図15に示すように先端部構成フレーム2fは、内面側に、第1部組本体配置凹部2f1と第2部組本体固定凹部2f2とを交互に4つずつ備えている。
【0174】
第1部組本体配置凹部2f1内には、第1部組本体14が摺動自在に配置される。第1部組本体配置凹部2f1の基端側には第1連結板15cが配置される逃げ部2f3が形成されている。
一方、第2部組本体固定凹部2f2は、底面2f4を備え、その底面2f4には第2部組本体24の先端接合面24bが配置される。
【0175】
第1部組本体配置凹部2f1と第2部組本体固定凹部2f2とは壁部2f5によって区分されている。壁部2f5は、前記第1開閉部組11の第1開閉リンク機構部15を構成するスライダー15dの係入突起15d2に当接する当接部として構成されている。
【0176】
ここで、連動開閉ユニット2の組み立てについて説明する。
作業者は、連動開閉ユニット2を組み立てるに当たって、先端バネ9bが一体に固定された先端カバー9と、先端部構成フレーム2fと、第1開閉ユニット10と、第2開閉ユニット20とを用意する。
作業者は、第2開閉ユニット20の第2部組本体24を、第1開閉ユニット10の基端側からユニット本体12に設けられているそれぞれの第2平面12p2上に所定の状態となるように嵌め合わせる。
【0177】
次に、作業者は、先端部構成フレーム2fを、ユニット本体12に嵌め合わされている第2開閉ユニット20の先端側に嵌め合わせる。つまり、第2部組本体固定凹部2f2内に第2部組本体24の先端接合面24bを配置させる。そして、作業者は、第2部組本体24の先端接合面24bと、先端部構成フレーム2fの底面2f4とを、例えば溶接によって接合する。
【0178】
このことによって、第2開閉ユニット20を構成する第2部組本体24の先端側に先端部構成フレーム2fが一体に固設される。
ここで、作業者は、第2開閉ユニット20を第1開閉ユニット10の軸方向に対して摺動させて、第1開閉保持部16の羽根部材16bと第2開閉保持部26の羽根部材26bとの当接状態における作用及び非当接状態における作用等を確認する。
【0179】
具体的に、作業者は、まず、先端部構成フレーム2fに固設された第2部組本体24の摺動突起24arが、ユニット本体12の第2平面12p2に固設された突き当て部材23の摺動溝23dに配置されているか否かを確認する。その後、作業者は、摺動突起24arが摺動溝23dをスムーズに移動するか否かを確認する。
【0180】
また、作業者は、先端部構成フレーム2fがユニット本体12に対して基端側に移動することによって、壁部2f5の基端面が係入突起15d2の先端面に当接して、スライダー15dをユニット本体12に対して基端側に移動するか否か、及びスライダー15dの移動に伴って、第1連結板15c及び第1連結部15bが動作されて第1開閉部材15aが閉状態から開状態に変化するか否かを確認する。
【0181】
また、作業者は、先端部構成フレーム2fがユニット本体12の先端面より先端側に移動することによって、突当ピン39がピン当接部23cに当接して、突当ピン39をユニット本体12に対して基端側に移動させるか否か、及び突当ピン39の移動に伴って、第2連結板25c及び第2連結部25bが動作されて第2開閉部材25aが閉状態から開状態に変化するか否かを確認する。
【0182】
また、作業者は、羽根部材16bと羽根部材26bとが非当接状態のとき、保持部用バネ18の付勢力によって、第1係止部16a1の第1ノッチ部16anと第1係合部15b3の第1歯部15bgとが係合する係止状態を得られるか否かの確認、及び第2ノッチ部26anと第2歯部25bgとが係合する係止状態を得られるか否かを確認する。
【0183】
また、作業者は、第2開閉ユニット20を第1開閉ユニット10の先端側から基端側に向けて移動させて、羽根部材26bの第2当接面26b2と羽根部材16bの傾斜面16b3とが当接するか否かを確認する。
【0184】
その後、作業者は、羽根部材26bの第2当接面26b2及び第1当接面26b1が前記傾斜面16b3上を当接して通過することによって、第1係止部16a1の第1ノッチ部16anと第1係合部15b3の第1歯部15bgとの係止状態を解除する第1当接状態を得られるか否かを確認する。
このとき、先端側に配置されていた第1開閉部材15aに設けられていた当接部材30と、基端側に配置されていた第2開閉部材25aに設けられていた当接部材30との位置関係が入れ替わる。すなわち、第1開閉部材15aと第2開閉部材25aとの前後の位置関係が切り替わる。
【0185】
また、作業者は、第2開閉ユニット20を第1開閉ユニット10の基端側から先端側に向けて移動させて、羽根部材26bの傾斜面26b3と羽根部材16bの第2当接面16b2とが当接するか否かを確認する。その後、作業者は、羽根部材26bの傾斜面26b3が、羽根部材16bの第2当接面16b2及び第1当接面16b1を当接して通過することによって、第2ノッチ部26anと第2歯部25bgとの係止状態を解除する第2当接状態を得られるか否かを確認する。このとき、第2開閉部材25aと第1開閉部材15aの前後の位置関係が再び切り替わる。
【0186】
次に、作業者は、先端カバー9に取り付けられている先端バネ9bをユニット本体12の先端側から内孔12a内に配置し、接着剤を塗布して、或いは溶接等の手段により先端バネ9bを内孔12a内に一体的に接着固定する。
【0187】
ここで、作業者は、先端部構成フレーム2fをユニット本体12の先端面より先端側に移動させたとき、先端カバー9が先端バネ9bの付勢力に抗して先端部構成フレーム2fと一体で移動するか否かを確認する。
【0188】
また、作業者は、ユニット本体12の先端面より先端側に移動していた先端部構成フレーム2fを基端側に移動させたとき、先端カバー9が先端バネ9bの付勢力によって先端部構成フレーム2fと一体で移動するか否かを確認する。
この確認を終了して、連動開閉ユニット2を得られる。
【0189】
次に、作業者は、管内挿入デバイス1を得るため、連動開閉ユニット2を第1摺動部材4及び第2摺動部材5に組み付ける。この際、作業者は、挟込防止部材40を取り付ける作業も行う。
そのため、作業者は、まず、図示しない治具を用いて挟込防止部材40を当接部材30と第1開閉部材15aとの隙間及び挟込防止部材40を当接部材30と第2開閉部材25aとの隙間に配置する。当接部材30と、第1開閉部材15a及び第2開閉部材25aとの間に隙間が無く、当接部材30に軸方向貫通孔が設けられている場合は、挟込防止部材40を軸方向貫通孔に配置する。このとき、作業者は、挟込防止部材40の先端部を先端側開口30m1から導出させておくと共に、基端部を基端側開口30m2から導出させておく。
【0190】
次に、作業者は、挟込防止部材40の先端部を、ネジを用いて或いは接着により図2等に示すように先端カバー9に固定する。また、作業者は、連動開閉ユニット2の第1開閉ユニット10を第1摺動部材4に固設された第1連結部材4aに連結固定する組み付ける作業、及び連動開閉ユニット2の第2開閉ユニット20を第2摺動部材5に固設された第2連結部材5aに組み付ける作業を行う。
【0191】
次いで、作業者は、第1組付けネジ2m1を用いて、第1開閉ユニット10のユニット本体12を、第1連結部材4aに固定する。また、各挟込防止部材40の基端部をネジ或いは接着により、第2連結部材5aに固定する。このとき、作業者は、挟込防止部材40が、第1開閉部材15aが閉状態においても弛むことなく、予め定めた張力で張られた状態に調整する。
【0192】
最後に、作業者は、組付けネジ2m2を用いて、第2開閉ユニット20の第2部組本体24の基端部に固設された基端部構成フレーム22の基端部を第2連結部材5aに固定する。また、各挟込防止部材40の基端部をネジ或いは接着により、基端部構成フレーム22に固定する。
【0193】
この後、作業者は、操作部8を適宜操作して、挟込防止部材40を設けた連動開閉ユニット2が予め定められた動作をするか否かを確認する。即ち、挟込防止部材40が張られている状態で、当接部材30と一体な第1開閉部材15a及び第2開閉部材25aが挟込防止部材40に対してスムーズに摺動するか否かの確認、および挟込防止部材40の張力に抗して第1開閉部材15a及び第2開閉部材25aが開状態になるか否か、および第1開閉部材15a及び第2開閉部材25aが開状態になるときの挟込防止部材40の引っ張られた状態の確認を行う。
これらの確認を終了して、管内挿入デバイス1を得られる。
【0194】
上述のように構成した管内挿入デバイス1の作用を説明する。
図16に示すように管内挿入デバイス1は、内視鏡50と組み合わせて内視鏡システム100として構成される。
内視鏡50の挿入部51は、第1のグリップ部6の基端開口から第1摺動部材4の有する貫通孔に挿入される。そして、挿入部51は、ユニット本体12の内孔、先端バネ9bの内孔、連動開閉ユニット2の先端部を構成する先端カバー9の内視鏡通過孔9aを介して外部に突出される。
【0195】
本実施形態においては、挿入部51の先端部52、湾曲部53及び可撓管部54の先端側部を内視鏡通過孔9aから突出させる。このことによって、内視鏡50の図示しない操作部に備えられた湾曲操作手段を、術者が適宜操作することによって、湾曲部53を例えば上下左右方向に湾曲させることが可能である。
また、挿入部51の可撓管部54の外周面は、第1摺動部材4の内面に略密着している。このため、内視鏡50の挿入部51と管内挿入デバイス1とが略一体で移動可能である。
【0196】
また、管内挿入デバイス1の連動開閉ユニット2の第1開閉部組11及び第2開閉ユニット20の第2開閉部組21を共に閉状態にし、第1のグリップ部6と第2のグリップ部7と間隔を距離Lに保持することによって、連動開閉ユニット2の第1開閉部組11の閉状態及び第2開閉部組21の閉状態が保持される。
【0197】
上述のように構成した内視鏡システム100の管内への挿入例を図を参照して説明する。
図17A及び図17Bを参照して内視鏡システム100Aを、例えば細長な配管90内に挿入する場合を説明する。なお、内視鏡システム100Aの内視鏡50Aは、例えば工業用の内視鏡である。
【0198】
作業者は、内視鏡システム100を図17Aに示す配管90内に挿入する際、操作部8を構成する第1のグリップ部6と第2のグリップ部7と間隔を距離Lに保持しておく。そして、作業者は、挿入部51の先端側が先端カバー9の先端面から突出している挿入装置挿入部3を配管90内に配置する。
【0199】
その後、作業者は、第1のグリップ部6及び第2のグリップ部7を左右の手で把持して、管内挿入デバイス1の挿入装置挿入部3を配管90の深部に向けて挿入していく。このことによって、図17Bに示すように挿入装置挿入部3及び先端カバー9の先端面から突出している挿入部51の先端部52が配管90の深部に挿入される。
【0200】
このように、管内挿入デバイス1と内視鏡50とを組み合わせた内視鏡システム100においては、管内挿入デバイス1の連動開閉ユニット2の第1開閉部組11及び第2開閉部組21を共に閉状態にし、第1のグリップ部6と第2のグリップ部7と間隔を距離Lに保持して挿入装置挿入部3の挿入を行うことによって、連動開閉ユニット2の第1開閉部組11の閉状態及び第2開閉部組21の閉状態を開状態に変化させることなく、内視鏡50の先端部52を配管90の深部に導入することができる。
【0201】
なお、内視鏡システム100Aの内視鏡50Aは、工業用の内視鏡に限定されるものではなく、大腸等に挿入される医療用の内視鏡であっても良い。術者は、管内挿入デバイス1の連動開閉ユニット2の第1開閉部組11及び第2開閉部組21を共に閉状態にし、第1のグリップ部6と第2のグリップ部7と間隔を距離Lに保持して挿入装置挿入部3の挿入を行うことによって、連動開閉ユニット2の第1開閉部組11の閉状態及び第2開閉部組21の閉状態を変化させることなく、内視鏡50の先端部52を大腸内の深部に導入するようにしてもよい。
【0202】
図18乃至図30を参照して内視鏡システム100を、例えば患者の大腸99内に挿入する手技を説明する。なお、本実施形態で使用する内視鏡システム100の内視鏡50は、医療用の内視鏡である。
【0203】
内視鏡システム100において、内視鏡50の先端部52を大腸99の深部に挿入する場合、術者は、管内挿入デバイス1が備える連動開閉ユニット2の有する開閉機構部を例えば以下のように使用する。
【0204】
術者は、図18に示すように連動開閉ユニット2の有する開閉機構部を使用することなく、つまり、術者は、第1のグリップ部6と第2のグリップ部7と間隔を上述したように距離Lに保持して、内視鏡の挿入部51及び挿入装置挿入部3(以下、システム挿入部101と記載する)を肛門98から大腸99の深部に向けて挿入していく。
【0205】
そして、術者は、システム挿入部101の更なる挿入が難しくなったと判断したとき、操作部8の第1のグリップ部6及び第2のグリップ部7を適宜進退操作して、図19の(A)、(B)、(C)に示すように大腸の襞のたぐり寄せを行って大腸の直線化を図る。その後、術者は、直線化された大腸に対して、第1のグリップ部6及び第2のグリップ部7を適宜進退操作して図20の(A)、図20の(B)に示すようにシステム挿入部101の深部への挿入を行う。
【0206】
なお、内視鏡システム100の内視鏡50は、医療用の内視鏡に限定されるものではなく、配管等に挿入される工業用の内視鏡であっても良く、作業者は、配管内において、上述したようにシステム挿入部101の更なる挿入が難しくなったと判断したとき、操作部8の第1のグリップ部6及び第2のグリップ部7を適宜進退操作して、システム挿入部101の配管深部への挿入を行うようにしてもよい。
【0207】
ここで、大腸の襞のたぐり寄せ操作について説明する。
図21−図30を参照して腸管の襞をたぐり寄せる操作を行う際の操作部の操作状態と、第1開閉ユニット10の動作状態及び第2開閉ユニット20の動作状態との関係を説明する。
【0208】
なお、図21の(A)−図21の(I)においては、第1摺動部材4に第1のグリップ部6が含まれ、第2摺動部材5に第2のグリップ部7が含まれているものとする。また、図22−図30においては、第1開閉ユニット10が備える複数の第1開閉部組11のうち1つの第1開閉部組11を図示すると共に、第2開閉ユニット20が備える複数の第2開閉部組21のうち1つの第2開閉部組21を図示している。さらに、図22−図30において先端バネ9b、第1摺動部材4、第2摺動部材5の図示は省略し、挟込防止部材40は破線で示している。
【0209】
ここで、たぐり寄せ操作について説明する。
術者は、連動開閉ユニット2の有する開閉機構部を使用することなく、システム挿入部101の更なる挿入が難しくなったと判断したとき、たぐり寄せ操作を開始する。
【0210】
図21の(A)の操作部初期状態の図に示すように、操作部8は、第1摺動部材4の基端と第2摺動部材5の基端とが距離L、離間している。このとき、図22に示すように第1開閉部組11の第1開閉部材15a及び第2開閉部組21の第2開閉部材25aは、共に閉状態である。また、第2ノッチ部26anと第2歯部25bgとは非係止状態である。さらに、先端側開口30m1、基端側開口30m2からそれぞれ延出されている挟込防止部材40は、予め定めた張力で張られた状態である。
なお、以下の説明において、第1開閉部組11の第1開閉部材15aに一体な当接部材30を第1当接部材30t1と記載し、第2開閉部組21の第2開閉部材25aに一体な当接部材30を第2当接部材30t2と記載する。
【0211】
たぐり寄せ操作を行うに当たって術者は、図21の(B)に示すように例えば、第1摺動部材4の基端の位置を変化させることなく、矢印21Aに示すように第2摺動部材5を先端側に向けて移動する。すると、第1摺動部材4の基端と第2摺動部材5の基端との間隔が距離Lより徐々に大きくなっていく。
【0212】
このとき、図23に示すように第2開閉ユニット20及びその先端側に固設されている先端部構成フレーム2fが先端側に移動していく。先端部構成フレーム2fの先端側への移動に伴い、ユニット本体12の先端面に配置されていた先端カバー9は、先端部構成フレーム2fに押圧されて、先端バネ9bの付勢力に抗して先端部構成フレーム2fと共に先端側に移動していく。すると、挟込防止部材40が伸長を開始するとともに、第1開閉部組11及び第2開閉部組21が挟込防止部材40に対して移動していく。
【0213】
また、第2開閉ユニット20の先端側への移動に伴い第2開閉保持部26が先端側に移動することにより、第2開閉保持部26の羽根部材26bと図示されていない第1開閉保持部16の羽根部材16bとの当接状態が徐々に解除されていくとともに、突当ピン39がユニット本体12に固設された突き当て部材23のピン当接部23cに向かって移動していく。
【0214】
そして、術者が、引き続き、第2摺動部材5を先端側に移動させていくことによって、羽根部材26bと羽根部材16bとの当接状態が解除され、突当ピン39がピン当接部23cに当接する。その後、第2開閉ユニット20の先端側への移動に伴い、突当ピン39は、第1切欠部24ap内を立ち上がり面24aeに向けて移動されていく。
【0215】
突当ピン39が立ち上がり面24aeに向かって移動することにより、上述したように第2連結板25cが突当ピン39を中心に回転して、第2開閉部材固定部25c5側から徐々に立ち上がっていく。このとき、第2当接部材30t2の基端側開口30m2から延出している挟込防止部材40および、第2当接部材30t2の先端側開口30m1から延出している挟込防止部材40がさらに張った状態に変化する。
【0216】
また、第1連結ピン31によって第2連結板25cに回動自在に連結された第2連結部25bがリンク用バネ17の付勢力に抗して第4連結ピン34を中心に回転する。すると、第2連結部25bに固定された第6連結ピン36が第2開閉部材25aのカム孔25ac内を基端側に向けて移動していく。このことによって、閉状態であった第2開閉部材25aは、上述したようにθ1前傾した状態で最大開状態に変化していく。すると、第2当接部材30t2の先端側開口30m1及び基端側開口30m2から延出している挟込防止部材40がまたさらに張った状態に変化する。
【0217】
このように、第2当接部材30t2は、ユニット本体12の内孔12aの径方向外側に向かって移動することにより、4つの第2当接部材30t2が徐々に拡径して襞に当接する。このとき、挟込防止部材40は、徐々に引っ張られて伸長していく。
【0218】
そして、突当ピン39が立ち上がり面24aeに近接、或いは当接して、図24に示すように第2開閉ユニット20の第2当接部材30t2が最大開状態になる。このとき、第2当接部材30t2が襞に対して面接触して確実に当接配置される。また、挟込防止部材40が張られた状態で配置されるので、襞が第2当接部材30t2と第2部組本体24との間に入り込むことが防止される。
【0219】
第2当接部材30t2の最大開状態は、第2係止部26a1の第2ノッチ部26anが第2係合部25b3の第2歯部25bgに係止していることによって保持される。このとき、図21の(B)の第2摺動部材最大前進状態の図に示すように第1摺動部材4の基端と第2摺動部材5の基端との間隔が距離(L+M)離間した最大離間状態になる。
【0220】
なお、開状態のとき、第2当接部材30t2のそれぞれの拡径状態、言い換えれば第2当接部材30t2の傾き状態は、図示されていない腸など被挿入部の内径によって変化する。したがって、腸の径寸法が小さな場合には、図示されている開状態よりも小さな拡径状態或いは傾き角度で最大開状態に到達する。
【0221】
つまり、被挿入部の内径寸法の違いによって、第2当接部材30t2の当接面30tの略全面が被挿入部の内壁に当接する状態、或いは、当接面30tの基端から当接面30tの先端までの途中のいずれかまでが当接する状態等に変化する。挟込防止部材40は、第2当接部材30t2が閉状態において、予め定めた張力で張られた状態であるので、このような場合であっても、常に張った状態になって、襞等の入り込みを防止している。
【0222】
図21の(B)に示したように第2摺動部材5を最大前進状態にした後、術者は、図21の(C)の矢印21Bに示すように第2摺動部材5を手元側に引き寄せる操作を行う。すると、第2開閉ユニット20及びその先端側に固設されている先端部構成フレーム2fの基端側への移動が開始される。
【0223】
先端部構成フレーム2fの基端側への移動に伴い、先端カバー9は、先端バネ9bの付勢力によって先端部構成フレーム2fに密着した状態で基端側に移動していく。このとき、挟込防止部材40に対して第1開閉部組11及び第2開閉部組21が移動していく。
【0224】
また、第2開閉ユニット20の基端側への移動に伴い第2開閉保持部26が基端側に移動して、羽根部材26bの第2当接面26b2が羽根部材16bの傾斜面16b3に当接する。すなわち、図21の(C)は、第1開閉保持部当接状態であって、第2開閉保持部26の羽根部材26bが後退して第1開閉保持部16の羽根部材16bに当接した状態である。
【0225】
術者は、第1開閉保持部当接状態から引き続き第2摺動部材5を基端側に移動させていく。すると、先端カバー9が先端部構成フレーム2fと共に基端側に移動するとともに、羽根部材26bの第2当接面26b2が羽根部材16bの傾斜面16b3上を当接しながら保持部用バネ18の付勢力に抗して移動していく。
【0226】
そして、操作部8が図21の(D)に示す位置関係になったとき、第1係止部16a1の第1ノッチ部16anと第1係合部15b3の第1歯部15bgとの係止状態が非係止状態に変化する。すると、第1連結部15bは、リンク用バネ17の付勢力によって閉状態になる。ただし、本説明においては、直前の状態である図22−図24で第1連結部15bは、既に閉状態であったため、ここでは、変化はみられない。すなわち、図21の(D)は、第1当接状態であって、第1開閉ユニット10の第1ノッチ部16anと第1歯部15bgとの係止状態が非係止状態に変化した状態である。
【0227】
術者は、第1当接状態から引き続き第2摺動部材5を基端側に移動させていく。すると、第1摺動部材4の基端と第2摺動部材5の基端との間隔が再び距離Lになる。このとき、先端カバー9は、再び、ユニット本体12の先端面に当接する。
【0228】
そして、その後、第2摺動部材5がさらに基端側へ移動されていくことにより、第1摺動部材4の基端と第2摺動部材5の基端との間隔が徐々に距離Lより小さくなっていく。この間隔が、徐々に小さくなるにつれて、先端部構成フレーム2fがユニット本体12上を移動して、図25に示すようにスライダー15dの係入突起15d2の先端面に当接する。このとき、第2開閉保持部26は、第1開閉保持部16よりも基端側に位置する。
【0229】
術者は、先端部構成フレーム2fの基端部が係入突起15d2の先端面に当接した状態から引き続き第2摺動部材5を基端側に移動させていく。すると、先端部構成フレーム2fの基端側への移動に伴って、スライダー15dが切欠溝14b内を基端側立ち上がり面14beに向けて移動する。すると、上述したように第1連結板15cが第2連結ピン32を中心に回転して、第1開閉部材固定部15c5側が徐々に立ち上がっていく。このとき、第1当接部材30t1の基端側開口30m2から延出している挟込防止部材40および、第1当接部材30t1の先端側開口30m1から延出している挟込防止部材40が張った状態に変化する。
【0230】
また、第1連結ピン31によって第1連結板15cに回動自在に連結された第1連結部15bがリンク用バネ17の付勢力に抗して第4連結ピン34を中心に回転する。すると、第1連結部15bに固定された第6連結ピン36が第1開閉部材15aのカム孔15ac内を基端側に向けて移動して第1開閉部材25aが上述した傾いた状態で閉状態から最大開状態に向かって変化していく。すると、第1当接部材30t1の基端側開口30m2から延出している挟込防止部材40および、第1当接部材30t1の先端側開口30m1から延出している挟込防止部材40がさらに張られた状態に変化する。
【0231】
このように、第1当接部材30t1も、ユニット本体12の内孔12aの径方向外側に向かって移動することにより、4つの第2当接部材30t2が徐々に拡径して襞に当接する。このとき、挟込防止部材40は、徐々に引っ張られて伸長していく。
【0232】
そして、スライダー15dの基端面が切欠溝14bの基端側立ち上がり面14beに近接する或いは当接して、図26及び前記図3に示すように第2当接部材30t2と共に、第1当接部材30t1が最大開状態になる。このとき、第1当接部材30t1が襞に対して面接触して確実に当接配置される。また、挟込防止部材40が張られた状態になっているので、襞が第1当接部材30t1と第1部組本体14との間に入り込むことが防止される。
【0233】
なお、上述したように開状態のとき、第1当接部材30t1の拡径状態、言い換えれば第1当接部材30t1の傾き状態は、図示されていない腸など被挿入部の内径によって変化する。したがって、腸の径寸法が小さな場合には、図示されている開状態よりも小さな拡径状態或いは傾き角度で最大開状態になる。
【0234】
つまり、被挿入部の内径寸法の違いによって、第1当接部材30t1の当接面30tの略全面が被挿入部の内壁に当接する状態、或いは、当接面30tの基端から当接面30tの先端までの途中のいずれかまでが当接する状態になる。
【0235】
そして、第1当接部材30t1の最大開状態は、第1係止部16a1の第1ノッチ部16anが第1係合部15b3の第1歯部15bgに係止していることによって保持される。このとき、操作部8は、図21の(E)に示すように第1摺動部材4の基端と第2摺動部材5の基端との間隔が距離S、離間した最小離間状態になる。
【0236】
上述したように操作部8を、図21の(B)の状態から図21の(E)に示す状態まで変化させることによって、最大開状態の第2開閉部材25aが距離((L+M)−S)移動して、大腸の襞のたぐり寄せを行うことができる。また、このとき、第1当接部材30t1が最大開状態になることによって、第2当接部材30t2によってたぐり寄せられた襞は、第2当接部材30t2及び第1当接部材30t1によってたぐり寄せた状態が保持される。
【0237】
この最小離間状態から術者が、第2摺動部材5を再び、先端側に押し出す操作を行うと、図21の(F)の矢印21Cに示すように第1摺動部材4の基端と第2摺動部材5の基端との間隔が距離Sから距離Lに徐々に近づいてくる。そして、第2開閉ユニット20及びその先端側に固設されている先端部構成フレーム2fが、ユニット本体12上を先端側に向かって移動していく。
【0238】
先端部構成フレーム2fの先端側への移動に伴い、第2開閉保持部26が先端側に移動する。すると、図27に示すように第2開閉保持部26の羽根部材26bの傾斜面26b3が第1開閉保持部16の羽根部材16bの第2当接面16b2に当接する。すなわち、図21の(F)は、第2開閉保持部26の羽根部材26bが前進して第1開閉保持部16の羽根部材16bに当接した状態である。
【0239】
術者は、第2開閉保持部26の羽根部材26bが前進して第1開閉保持部16の羽根部材16bに当接した状態において、引き続き、第2摺動部材5を先端側に移動させていく。すると、羽根部材26bの傾斜面26b3が羽根部材16bの第2当接面16b2上、第1当接面16b1上を当接しながら保持部用バネ18の付勢力に抗して移動していく。そして、第2係止部26a1の第2ノッチ部26anと第2係合部26a1の第2歯部25bgとの係止状態が非係止状態に変化する。このとき、図28に示すように第2開閉部材25aが開状態から閉状態に変化する。すなわち、拡径していた第2当接部材30t2が一気に縮径される。
【0240】
このことによって、第2開閉部材25aに固定された当接部材30の襞に対する当接配置状態が解除される。このとき、第2開閉部材25aによってたぐり寄せた襞は、第1連結部15bによってたぐり寄せ状態のまま保持される。また、挟込防止部材40は、第2当接部材30t2が縮径されたときも、弛むことなく予め定めた張力で張られた状態になっているので、第2開閉部材25aと第2部組本体24との間に襞が入り込むことが防止される。
なお、図21の(G)は、第2当接状態であって、第2開閉ユニット20の第2ノッチ部26anと第2歯部25bgとの係止状態が非係止状態に変化した状態である。
【0241】
術者が、第2当接状態から引き続き、第2摺動部材5を先端側に移動させることによって、第1摺動部材4の基端と第2摺動部材5の基端との間隔が再び距離Lになり、その後、第1摺動部材4の基端と第2摺動部材5の基端との間隔が徐々に距離Lより大きくなっていく。
【0242】
第2摺動部材5の先端側への移動に伴って、先端部構成フレーム2fは、ユニット本体12の先端側に向かって移動していく。また、突当ピン39は、突き当て部材23に向かって移動していく。そして、図29に示すように先端カバー9が先端部構成フレーム2fの移動と共に先端側に移動するとともに、突当ピン39が再度、ユニット本体12に固設された突き当て部材23のピン当接部23cに当接する。
【0243】
ここで、術者によって、引き続き、第2摺動部材5が先端側に移動されて図21の(H)に示す第2摺動部材最大前進状態に向けて移動されていくと、突当ピン39が第1切欠部24ap内を立ち上がり面24aeに向けて移動されていく。この結果、上述したように、第2開閉ユニット20の第2連結板25cが徐々に立ち上げられて、図30に示すように再び突当ピン39が立ち上がり面24aeに近接、或いは当接して、第1当接部材30t1と共に、第2当接部材30t2が最大開状態になって襞に対して確実に当接配置される。このとき、それぞれの当接部材30t1、30t2の先端側開口30m1及び基端側開口30m2から延出されている40は、張られた状態になっている。
【0244】
この後、術者は、図21の(C)、図21の(D)で示したように操作部8を操作する。このとき、第1当接部材30t1が最大開状態で、最大開状態に変化した第2当接部材30t2を備える第2開閉ユニット20が基端側に移動されていく。
【0245】
そして、第2開閉保持部26の羽根部材26bの第2当接面26b2が第1開閉保持部16の羽根部材16bの傾斜面16b3に当接する。ここで、術者が、引き続き、第2摺動部材5を基端側に移動させることによって、第1開閉保持部16が第5連結ピン35を中心に時計方向に回転されて図25に示すように第1係止部16a1の第1ノッチ部16anと第1係合部15b3の第1歯部15bgとの係止状態が非係止状態に変化する。
【0246】
すると、第1当接部材30t1は、縮径されて襞に対する当接配置状態が解除される。このとき、最大開状態の第2当接部材30t2が襞に当接配置状態であるため、第1当接部材30t1によって保持されていた襞のたぐり寄せ状態が該第2当接部材30t2で保持される。また、挟込防止部材40は、第1当接部材30t1が縮径されたときも、弛むことなく予め定めた張力で張られた状態になっているので、第1開閉部材15aと第1部組本体14との間に襞が入り込むことが防止される。
【0247】
そして、引き続き、図21の(E)−図21の(H)に示す操作を行うことにより、最大開状態の第2当接部材30t2の移動によって、2度目の大腸の襞のたぐり寄せを行うことができると共に、第1当接部材30t1が最大開状態になって、襞のたぐり寄せ状態を保持することができる。
【0248】
この後、術者が、図21の(C)−図21の(H)に示す操作を繰り返し行うことによって、言い換えれば、第1当接部材30t1と第2当接部材30t2との前後関係を切り替える操作を繰り返し行った回数分、襞のたぐり寄せを行って前記図19の(B)に示すようなたぐり寄せ状態を得ることができる。
【0249】
また、第1開閉部材15aに固設されている第1当接部材30t1、又は第2開閉部材25aに固設されている第2当接部材30t2の少なくとも一方が、腸壁に当接配置されている状態において、術者が操作部8を肛門から離間させるように操作を行うことによって、大腸の引っ張り操作を行って、図19の(C)に示すような大腸の直線化を行うことができる。
【0250】
図19の(c)に示すように直線化した大腸に対してシステム挿入部101を大腸深部に向けて挿入する場合、術者は、図21の(C)−図21の(H)で示したように患者の肛門から操作部8までの距離を変化させることなく繰り返しの手元操作を行うのではなく、図21の(I)に示すように第2開閉部材25aの第2当接部材30t2が襞に当接配置されている状態で、操作部の位置、具体的に第1摺動部材4の基端の位置を図の矢印21Dに示すように進行方向(肛門側)に向けて移動させる押し込み操作を行う。
【0251】
つまり、術者が、図21の(C)−図21の(H)に示す操作を行いつつ、この図21の(I)に示すように第1摺動部材4の基端の位置を進行方向に向けて移動する操作を繰り返し行うことによって、図20の(A)、(B)に示すようにシステム挿入部101を前進させることができる。
【0252】
なお、第1開閉部材15a及び第2開閉部材25aを共に閉状態にする場合、第1当接状態を得て第1開閉部材15aを閉状態にした後、第2開閉部材25aを閉状態にする、或いは第2当接状態を得て第2開閉部材25aを閉状態にした後、第1当接状態を得て第1開閉部材15aを閉状態にする。このことによって、第1開閉部材15a及び第2開閉部材25aを共に閉状態にすることができるようになっている。
【0253】
また、上述した実施形態においては、たぐり寄せ操作開始時、つまり、システム挿入部101の更なる挿入が難しくなったと判断したときに、第1摺動部材4の基端の位置を変化させることなく、例えば図21の(B)の矢印21Aに示すように第2摺動部材5を先端側に向けて移動する、としている。
【0254】
しかし、システム挿入部101の更なる挿入が難しくなったと判断したとき、術者は、第1摺動部材4の基端の位置を変化させることなく、第2摺動部材5を基端側に向けて移動させて、図21の(E)に示す状態を得た後、第2摺動部材5を移動させる操作を行って襞のたぐり寄せ操作を行うようにする、或いは、第2摺動部材5の基端の位置を変化させることなく、第1摺動部材4を先端側に向けて移動させて、図21の(E)に示す状態を得た後、第1摺動部材4を移動させて襞のたぐり寄せ操作を行うようにする、或いは、第2摺動部材5の基端の位置を変化させることなく、第1摺動部材4を基端側に向けて移動させて、図21の(B)に示す状態を得た後、第1摺動部材4を移動させて襞のたぐり寄せ操作を行うようにしてもよい。
【0255】
このように、管内挿入デバイス1においては、第1摺動部材4と、第2摺動部材5との相対位置を適宜、変化させることによって、第1摺動部材4の先端側に設けられている第1開閉ユニット10と第2摺動部材5の先端側に設けられている第2開閉ユニット20との相対的な位置を変化させて、それぞれの開閉部組11、21に設けられた開閉部材15a、25aを、連結部15b、25bと連結板15c、25cとを所定方向に回転させて、固定部材14、24から離間した開状態となる。この結果、開閉部材15a、25aに一体な当接部材30t1、30t2が確実に襞に面接触して大きな保持力を得ることができる。また、開閉部材15a、25aは、進行方向に対して角度θ前傾した状態で最大開状態に向かって立ち上がる。この結果、開閉部材15a、25aを先端側から後端側に動かすときの方が、後端側から先端側に動かすときより大きな保持力を得られ、たぐり寄せの際、大きな引き戻し力を得られる。
【0256】
また、挟込防止部材40を開閉部材15a、25aと当接部材30t1、30t2との間に摺動自在に配置し、先端側開口30m1及び基端側開口30m2からそれぞれ延出する挟込防止部材40の端部を所定の位置に固定する。この際、開閉部材15a、25aが閉状態において、挟込防止部材40が弛むことなく予め定めた張力で張った状態に設定している。この結果、開閉部材15a、25aが挟込防止部材40に対して摺動することにより、開閉部材15a、25aが閉状態から最大開状態に向かう間、挟込防止部材40の全体を略均等に伸長させることができる。
この結果、開閉部材15a、25aが閉状態、或いは最大開状態、或いは開状態から開状態に向かう間等に関わらず、常時、当接部材30t1、30t2と部組本体14、24との間に張った状態の挟込防止部材40を配置させることができる。したがって、たぐり寄せ操作中等に、腸の襞が当接部材30t1、30t2と部組本体14、24との間に侵入することが防止されると共に、開閉部材15a、25aが開状態から閉状態に変化する際に襞が入り込むことが防止される。
【0257】
なお、上述した実施形態においては、第1摺動部材4と第2摺動部材5との相対的な移動に伴って、第1開閉ユニット10に対して第2開閉ユニット20を先端側、或いは基端側に摺動させるとしている。しかし、ユニット本体12に第2開閉ユニットを先端側、或いは基端側に摺動させる移動手段である駆動部を設けて、第2開閉ユニット20を先端側、或いは基端側に摺動させるようにしてもよい。
また、ユニット本体12が、内視鏡50の先端部を構成する先端構成部材であってもよい。
【0258】
管内挿入デバイス1において、図31に示すように連動開閉ユニット2をカバー110によって余裕を持たせて包み込むようにしてもよい。カバー110は、内径寸法が開閉部材15a、25aの最大開状態よりも予め定めた寸法大きく、長さ寸法はユニット本体12の長さよりも予め定めた寸法長く設定されている。そして、カバー110の先端部は、先端カバー9の外周に一体に密着固定され、その基端部は第2摺動部材5の先端部の外周に一体に密着固定する。
【0259】
このことにより、当接部材30t1、30t2を直接、腸壁に接触させることなく腸のたぐり寄せを行うことができる。この際、引き戻しを弾性チューブ体104越しに体壁等に確実に当接させることを確実に防止することができる。そして、挟込防止部材40を設けたことによって、弛んだ状態のカバー110が当接部材30t1、30t2と部組本体14、24との間に侵入することが防止される。
【0260】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0261】
1…管内挿入デバイス 2…連動開閉ユニット 2f…先端部構成フレーム
2f1…第1部組本体配置凹部 2f2…第2部組本体固定凹部 2f3…逃げ部
2f4…底面 2f5…壁部 2m1…第1組付ネジ 2m2…第2組付ネジ
3…挿入装置挿入部 4…第1摺動部材 4a…第1連結部材 5…第2摺動部材
5a…第2連結部材 6…第1のグリップ部 7…第2のグリップ部 8…操作部
9…先端カバー 9a…内視鏡通過孔 9b…先端バネ 10…第1開閉ユニット
11…第1開閉部組 12…ユニット本体 12a…内孔 12p…平面
12p1…第1平面 12p2…第2平面 14…第1部組本体 14a…固定面
14b…切欠溝 14be…基端側立ち上がり面 14c…第1長孔
14c1…第1連通孔 14c2…第2連通孔 14d…第2長孔
14e…バネ用穴 14f…切り欠き部 14fh…ネジ挿通孔
14h3…第3連結ピン固定孔 14h4…第4連結ピン固定孔
14h5…第5連結ピン固定孔 15…第1開閉リンク機構部15
15a…第1開閉部材 15a1…本体部 15a1f、15a2f…雌ネジ部
15a2…基端凸部 15a3…第1長孔 15a4…第2長孔 15a5…凹部
15a6…側壁 15a8…溝 15ac…カム孔 15ac1…傾斜孔
15ac2…ストレート孔 15ah7…第7連結ピン固定孔 15b…第1連結部
15b1…第1本体 15b2…第1突起 15b3…第1係合部
15b4…長孔 15b5…スリット 15b6…リンク凸部
15bg…第1歯部 15bh1…第1連結ピン固定孔
15bh4…第4連結ピン挿通孔 15bh6…第6連結ピン固定孔
15bp…平面部 15c…第1連結板 15c1…第1部組本体摺動部
15c2…第1本体係入部 15c3…当接部材開閉部
15c4…スライダー連結部 15c5…第1開閉部材固定部 15c6…長孔
15ch1…第1連結ピン挿通孔 15ch2…第2連結ピン挿通孔
15ch7…第7連結ピン挿通孔 15d…スライダー 15d1…摺動部
15d2…係入突起 15d3…長孔 15dh2…第2連結ピン固定孔
15dp…摺動面 15du…上面 16…第1開閉保持部 16a…保持部本体
16a1…第1係止部 16ah…穴 16an…第1ノッチ部 16as…側面
16b…羽根部材 16b1…第1当接面 16b2…第2当接面
16b3…傾斜面 16c…凸部 16ch5…第5連結ピン挿通孔
17…リンク用バネ 17f…フック部 18…保持部用バネ
20…第2開閉ユニット 21…第2開閉部組 22…基端部構成フレーム
22a…内孔 22a1…第1摺動面 22a2…第2摺動面 22p1…固定面
22p2…締結面 22pf…ネジ孔 23…ピン当接部材 23c…ピン当接部
23d…摺動溝 23p…固定面 24…第2部組本体 24a1…先端部
24a2…屈曲部 24a3…基端部 24ad…軸方向溝
24ae…立ち上がり面 24ap…第1切欠部 24ar…摺動突起
24b…先端接合面 24c…第1長孔 24c1…第1連通孔
24c2…第1連通孔 24d…第2長孔 24e…バネ用穴
24f…第2切欠部 24h…ネジ頭配置穴 24h3…第3連結ピン固定孔
24h4…第4連結ピン固定孔 24h5…第5連結ピン固定孔
25…第2開閉リンク機構部 25a…第2開閉部材 25a1…本体部
25a1f、25a2f…雌ネジ部 25a2…基端凸部 25a3…第1長孔
25a4…第2長孔 25a5…凹部 25a6…側壁 25ac…カム孔
25ac1…傾斜孔 25ac2…ストレート孔 25ah7…第7連結ピン固定孔
25b…第2連結部 25b1…第1本体 25b2…第2突起
25b3…第2係合部 25b4…長孔 25b5…スリット
25b6…リンク凸部 25bg…第2歯部 25bh1…第1連結ピン固定孔
25bh4…第4連結ピン挿通孔 25bh6…第6連結ピン固定孔
25bh7…第7連結ピン固定孔 25bp…平面部 25c…第2連結板
25c1…第2部組本体摺動部 25c2…第2本体係入部
25c3…当接部材開閉部 25c4…突当ピン連結部 25c5…開閉部材固定部
25c6…長孔 25ch1…第1連結ピン挿通孔
25ch7…第7連結ピン挿通孔 25ch9…突当ピン固定孔
26…第2開閉保持部 26a…保持部本体 26a1…第2係止部
26ah…穴 26an…第2ノッチ部 26as…側面 26b…羽根部材
26b1…第1当接面 26b2…第2当接面 26b3…傾斜面
26c…凸部 26ch5…第5連結ピン挿通孔 30…当接部材
30a…先端部 30b…基端部 30c、30e…曲面 30d…凹み空間
30d1…隙間 30h…ネジ頭配置穴 30m1…先端側開口
30m2…基端側開口 30p…平面部 30s…斜面部 30t…当接面
30t1…第1当接部材 30t2…第2当接部材 31…第1連結ピン
32…第2連結ピン 33…第3連結ピン 34…第4連結ピン
35…第5連結ピン 36…第6連結ピン 37…第7連結ピン 38…固定ネジ
38a…ワッシャー 39…突当ピン 40…挟込防止部材 50…内視鏡
50A…内視鏡 51…内視鏡挿入部 52…先端部 53…湾曲部
54…可撓管部 90…配管 98…肛門 99…大腸
100、100A…内視鏡システム 101…システム挿入部
104…弾性チューブ体 110…カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入軸方向に移動自在な第1開閉ユニットと、
前記第1開閉ユニットと同一軸上を移動自在な第2開閉ユニットと、
前記第1開閉ユニットに設けられた固定部材の一面に対して近接した閉状態或いは該固定部材の一面から離間した開状態に変化可能で、管内に当接する当接面を有する当接部材を備えた第1開閉部材と、
前記第2開閉ユニットに設けられた固定部材の一面に対して近接した閉状態或いは該固定部材の一面から離間した開状態に変化可能で、管内に当接する当接面を有する当接部材を備えた第2開閉部材と、
前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットが軸方向に移動されて、前記第1開閉部材と前記第2開閉部材との前後の位置関係が入れ替わるときに、前記第1開閉部材及び前記第2開閉部材の開閉状態を切り替える開閉状態切替手段と、
前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、該第1開閉ユニットと該第2開閉ユニットとがそれぞれ挿入軸方向に移動することによって、それぞれの該開閉ユニットに設けられている開閉部材を開閉させる開閉機構部と、を備える管内挿入デバイスにおいて、
前記開閉部材は、第1の位置にカム孔を設ける一方、第2の位置に軸部を設け、
前記固定部材は、第1の位置に溝を形成する一方、第2の位置に軸部を設け、
前記開閉機構部は、前記開閉部材の前記カム孔に摺動自在に配置される一端部および前記固定部材の前記軸部に回動自在に配置される他端部を備えて第1リンク部材、および前記第1リンク部材と回動自在に連結される、前記開閉部材の前記軸部に回動自在に配置される一端部および前記固定部材に形成された溝に摺動自在に配置される他端部を備えた第2リンク部材を具備することを特徴とする管内挿入デバイス。
【請求項2】
挿入軸方向に移動自在で、第1固定部材を有する第1開閉ユニットと、
前記第1開閉ユニットと同一軸上を移動自在で、第2固定部材を有する第2開閉ユニットと、
管内に当接する当接面を有する当接部材を備える第1開閉部材と、
管内に当接する当接面を有する当接部材を備える第2開閉部材と、
前記第1開閉部材と前記第1固定部材、前記第2開閉部材と前記第2固定部材を回動自在に連結する第1リンク部材及び第2リンク部材を備え、
前記第1リンク部材と前記第2リンク部材とをX字状に回動自在に組み付ける構成において、
前記第1リンク部材の一端部は、前記第1開閉部材及び前記第2開閉部材がそれぞれ備えるカム孔に摺動自在に配置され、その他端部は前記第1固定部材及び前記第2固定部材の軸部に回動自在に取り付けられる一方、前記第2リンク部材の一端部は、前記第1固定部材及び前記第2固定部材がそれぞれ備える溝に摺動自在に配置され、その他端部は前記第1開閉部材及び前記第2開閉部材の軸部に回動自在に取り付けられるものであって、
前記第1開閉ユニット又は前記第2開閉ユニットの移動に伴って、
前記当接部材が前記第1固定部材及び前記第2固定部材に近接した閉状態から離間した開状態、或いは離間した開状態から近接した閉状態に変化させることを特徴とする管内挿入デバイス。
【請求項3】
前記当接部材が前記第1固定部材及び前記固定部材に近接した閉状態から前傾しながら離間した開状態になることを特徴とする請求項2に記載の管内挿入デバイス。
【請求項4】
挿入軸方向に移動自在な第1開閉ユニットと、
前記第1開閉ユニットと同一軸上を移動自在な第2開閉ユニットと、
前記第1開閉ユニットに設けられた固定部材の一面に対して近接した閉状態或いは該固定部材の一面から離間した開状態に変化可能で、管内に当接する当接面を有する当接部材を備えた第1開閉部材と、
前記第2開閉ユニットに設けられた固定部材の一面に対して近接した閉状態或いは該固定部材の一面から離間した開状態に変化可能で、管内に当接する当接面を有する当接部材を備えた第2開閉部材と、
前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットが軸方向に移動されて、前記第1開閉部材と前記第2開閉部材との前後の位置関係が入れ替わるときに、前記第1開閉部材及び前記第2開閉部材の開閉状態を切り替える開閉状態切替手段と、を具備する管内挿入デバイスであって、
前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットは、該第1開閉ユニットと該第2開閉ユニットとがそれぞれ挿入軸方向に移動することによって、それぞれの該開閉ユニットに設けられている開閉部材を開閉させる開閉機構部を備え、
前記開閉機構部は、
前記開閉部材の第1の位置に形成されたカム孔に摺動自在に配置される一端部および前記固定部材の第2位置に固定された軸部に回動自在に配置される他端部を備えて予め定めた形状に構成された第1リンク部材と、
前記第1リンク部材と予め定めた位置で回動自在に連結される、前記開閉部材の第2の位置に固定された軸部に回動自在に配置される一端部および前記固定部材の第1位置に形成された溝に摺動自在に配置される他端部を備えて予め定めた形状に構成された第2リンク部材と、
を具備する構成において、
前記第1開閉ユニット又は前記第2開閉ユニットの移動に伴って、前記第2リンク部材の他端部を前記溝部に沿って挿入軸方向に移動させることによって、前記第2リンク部材が前記開閉部材の軸部を中心に回転し、且つ前記第1リンク部材が前記固定部材の軸部を中心に回転して、前記開閉部材が該固定部材の一面から離間されて前記当接部材が開状態になることを特徴とする管内挿入デバイス。
【請求項5】
前記第1リンク部材及び前記第2リンク部材を有する前記開閉機構部は、前記当接部材を備えた第1開閉部材及び第2開閉部材を閉状態から最大開状態にするまでの間、該当接部材を前傾させることを特徴とする請求項1、または請求項4に記載の管内挿入デバイス。
【請求項6】
前記当接部材と前記第1開閉部材との間、及び前記当接部材と前記第2開閉部材との間に形成される隙間に帯状で伸縮自在な挟込防止部材を配置し、該隙間から延出される挟込防止部材のそれぞれの端部を固定して、該挟込防止部材を予め定めた張力で張った状態で設けたことを特徴とする請求項4に記載の管内挿入デバイス。
【請求項7】
前記挟込防止部材は、前記当接部材と前記第1開閉部材との間の隙間、及び前記当接部材と前記第2開閉部材との間の隙間に摺動自在に配置されることを特徴とする請求項5に記載の管内挿入デバイス。
【請求項8】
挿入軸方向に移動自在な第1開閉ユニットと、
前記第1開閉ユニットと同一軸上を移動自在な第2開閉ユニットと、
前記第1開閉ユニットに設けられた固定部材の一面に対して近接した閉状態或いは該固定部材の一面から離間した開状態に変化可能で、管内に当接する当接面を有する当接部材を備えた第1開閉部材と、
前記第2開閉ユニットに設けられた固定部材の一面に対して近接した閉状態或いは該固定部材の一面から離間した開状態に変化可能で、管内に当接する当接面を有する当接部材を備えた第2開閉部材と、
前記第1開閉ユニット及び前記第2開閉ユニットが軸方向に移動されて、前記第1開閉部材と前記第2開閉部材との前後の位置関係が入れ替わるときに、前記第1開閉部材及び前記第2開閉部材の開閉状態を切り替える開閉状態切替手段と、を具備する管内挿入デバイスにおいて、
前記当接部材と前記第1開閉部材との間、及び前記当接部材と前記第2開閉部材との間に帯状で伸縮自在な挟込防止部材が摺動自在に配置される隙間、及び前記当接部材に該隙間に連通して該挟込防止部材が延出される先端側開口及び基端側開口を設け、
前記隙間に配置されて前記先端側開口及び基端側開口から延出する挟込防止部材のそれぞれの端部を固定して、該挟込防止部材を予め定めた張力で張った状態に設けたことを特徴とする管内挿入デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図14E】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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