説明

管理システムおよび管理プログラム

【課題】人的な協力を得ることなく且つ担当者あるいは元の使用者に特別な負荷をかけることなく、機器を管理する。
【解決手段】機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えた管理システムであって、前記機器は、電磁波を遮断する筐体と、非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付されたICタグとを含んで構成されており、前記管理サーバは、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断する、ことを特徴とする管理システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気製品や情報通信機器などの各種の機器を管理サーバの管理下に置き、使用開始後における機器を管理もしくは監視することを可能にした技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電気製品や情報通信機器などの各種の機器において、該機器の所在位置を把握するために、該機器毎にICタグを取り付けることが検討されている。
以下の特許文献1では、各種の機器にICタグを付しておき、各機器の所在位置を把握し、リコール対策に役立てようとした技術が提案されている。
【0003】
また、同様に、各機器の所在を明らかにすべく、以下の特許文献2〜4にも各種の提案がなされている。
【特許文献1】特許公開2005−129038号公報
【特許文献2】特許公開2006−195766号公報
【特許文献3】特許公開2003−339086号公報
【特許文献4】特許登録第3843894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、以上の特許文献1では、各機器にICタグを付して、該機器の位置把握やリコール対策を行っている。このため、ICタグリーダが存在する場合には、出荷倉庫、卸売り店、小売り販売店、輸送ターミナルなど、各地点でICタグが反応してしまい、該機器が実際に消費者(ユーザ)の手に渡っていないのに、該機器の位置情報がサーバに通知されてしまうという問題がある。
【0005】
同種の複数の機器が存在すれば、ユーザ以前の店側に存在すると判断する基準を設けることも可能であるが、店舗に1台だけしか存在しない場合や、ユーザが複数の機器を所有する場合などを考えると、正確な判断を行うことができない。
【0006】
また、ユーザ登録という制度があるものの、実際にはユーザが登録の手続を取らなかったり、あるいは、メーカー側でユーザから返信された登録葉書による登録手続が正確になされないなど、問題も存在している。
【0007】
すなわち、対象となる機器がユーザの手に渡った時点での位置情報を取得することが望まれているものの、そのような位置情報を正確に取得する手法が存在していなかった。
また、メーカーによる機器の保証は、販売や使用開始から1年などと定められていることが多い。しかし、販売店が保証書に販売日を記入しないため、保証期間が実質的に延長されてしまうという問題も存在している。このような場合にも、ユーザが実際に使用を開始した日を取得することが望まれていた。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑み創案されたもので、人的な協力を得ることなく且つ販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における所在場所や使用開始日時を正確に把握することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明は、以下に説明するものである。
(1)請求項1記載の発明は、機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サー
バと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えた管理システムであって、前記機器は、電磁波を遮断する筐体と、非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付されたICタグとを含んで構成されており、前記管理サーバは、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断する、ことを特徴とする管理システムである。
【0010】
(2)請求項2記載の発明は、機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えた管理システムであって、前記機器は、出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、包装が解かれると露出する位置に付されたICタグを含んで構成されており、前記管理サーバは、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断する、ことを特徴とする管理システムである。
【0011】
(3)請求項3記載の発明は、機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えた管理システムであって、前記機器は、電磁波を遮断する筐体と、非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付された第一のICタグと、非使用時に筐体内から露出する位置あるいは包装材のいずれかに付された第二のICタグとを含んで構成されており、前記管理サーバは、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られずに、前記第二のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合には前記機器が使用開始されていないと判断し、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断する、ことを特徴とする管理システムである。
【0012】
(4)請求項4記載の発明は、機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えた管理システムであって、前記機器は、出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、該包装が解かれると露出する位置(包装内部(内面)、機器など)に付された第一のICタグと、該包装の外部に付された第二のICタグとを含んで構成されており、前記管理サーバは、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られずに、前記第二のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合には前記機器が使用開始されていないと判断し、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断する、ことを特徴とする管理システムである。
【0013】
(5)請求項5記載の発明は、前記管理サーバは、前記ICタグリーダが保持する設置場所に関する情報、前記ICタグが付された前記機器で取得された情報、前記ICタグが付された前記機器において入力された情報、または、前記ICタグに付された前記機器固有の情報に関連する販売店における情報のいずれかを参照し、該機器の情報を取得する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の管理システムである。
【0014】
(6)請求項6記載の発明は、非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付されたICタグを含み、電磁波を遮断する筐体を外殻として有する機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えた管理システムを制御する管理プログラムであって、前記機器に付されたICタグを前記ICタグリーダに読み取らせ、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断するように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、ことを特徴とする管理プログラムである。
【0015】
(7)請求項7記載の発明は、出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、包装が解かれると露出する位置に付されたICタグを含む機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を
備えた管理システムを制御する管理プログラムであって、該機器に付されたICタグを前記ICタグリーダに読み取らせ、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断するように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、ことを特徴とする管理プログラムである。
【0016】
(8)請求項8記載の発明は、非使用時に電磁波遮断の筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付された第一のICタグと、非使用時に前記筐体内から露出する位置あるいは包装材のいずれかに付された第二のICタグとを含んで構成された機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えた管理システムを制御する管理プログラムであって、前記機器に付されたICタグを前記ICタグリーダに読み取らせ、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られずに、前記第二のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合には前記機器が使用開始されていないと判断し、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断する、ように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、ことを特徴とする管理プログラムである。
【0017】
(9)請求項9記載の発明は、非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付された第一のICタグと、出荷時に電磁波を遮断する部材での包装が解かれると露出する位置に付された第二のICタグとを含んで構成された機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えた管理システムを制御する管理プログラムであって、前記機器に付されたICタグを前記ICタグリーダに読み取らせ、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られずに、前記第二のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合には前記機器が使用開始されていないと判断し、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断する、ように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、ことを特徴とする管理プログラムである。
【0018】
(10)請求項10記載の発明は、前記ICタグリーダが保持する設置場所に関する情報、前記ICタグが付された前記機器で取得された情報、前記ICタグが付された前記機器において入力された情報、または、前記ICタグに付された前記機器固有の情報に関連する販売店における情報のいずれかを参照し、該機器の情報を取得するように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、ことを特徴とする請求項6乃至請求項9の何れか一項に記載の管理プログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)請求項1記載の発明では、機器は、電磁波を遮断する筐体と、非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付されたICタグとを含んで構成されている。
【0020】
ここで、機器が使用されるまではICタグは筐体により電磁遮蔽されており、ICタグリーダから読み取られることはない。
そして、機器が使用されることにより、機器の蓋やトレイのオープンして、非使用時に筐体に電磁遮蔽されているICタグは筐体からの露出する。このようにICタグが筐体から露出することで、ICタグはICタグリーダによって読み取られる状態になる。ここで、ICタグがICタグリーダにより読み取られた場合に機器が使用開始されたと、管理サーバが判断する。
【0021】
これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をか
けることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握することが可能になる。
【0022】
(2)請求項2記載の発明では、機器は、出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、包装が解かれると露出する位置に付されたICタグを含んで構成されている。
ここで、機器が使用されるまでは、電磁波を遮断する部材で包装されることによりICタグは電磁遮蔽されており、ICタグリーダから読み取られることはない。
【0023】
そして、機器の使用開始に伴って機器の包装が解かれると、ICタグの電磁遮蔽が取り除かれることになり、ICタグはICタグリーダによって読み取られる状態になる。ここで、ICタグがICタグリーダにより読み取られた場合に機器が使用開始されたと、管理サーバが判断する。
【0024】
これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握することが可能になる。
【0025】
(3)請求項3記載の発明では、機器は、電磁波を遮断する筐体と、非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付された第一のICタグと、非使用時に筐体内から露出する位置あるいは包装材のいずれかに付された第二のICタグとを含んで構成されている。
【0026】
ここで、機器が使用されるまでは第一のICタグは筐体により電磁遮蔽されていてICタグリーダから読み取られることはないが、第二のICタグはICタグリーダから読み取られうる状態にある。そこで、管理サーバは、第一のICタグがICタグリーダにより読み取られずに、第二のICタグがICタグリーダにより読み取られた場合には機器が使用開始されていないと判断する。
【0027】
そして、機器が使用されることにより、機器の蓋やトレイのオープンして、非使用時に筐体に電磁遮蔽されている第一のICタグは筐体からの露出する。このようにICタグが筐体から露出することで、ICタグはICタグリーダによって読み取られる状態になる。そこで、管理サーバは、第一のICタグがICタグリーダにより読み取られた場合に機器が使用開始されたと判断する
これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握することが可能になる。
【0028】
(4)請求項4記載の発明では、機器は、出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、該包装が解かれると露出する位置(包装内部(内面)、機器など)に付された第一のICタグと、該包装の外部に付された第二のICタグとを含んで構成されている。
【0029】
ここで、機器が使用されるまでは第一のICタグは包装により電磁遮蔽されていてICタグリーダから読み取られることはないが、第二のICタグはICタグリーダから読み取られうる状態にある。そこで、管理サーバは、第一のICタグがICタグリーダにより読み取られずに、第二のICタグがICタグリーダにより読み取られた場合には機器が使用開始されていないと判断する。
【0030】
そして、機器の使用開始に伴って機器の包装が解かれると、ICタグの電磁遮蔽が取り除かれることになり、ICタグはICタグリーダによって読み取られる状態になる。ここで、ICタグがICタグリーダにより読み取られた場合に機器が使用開始されたと、管理
サーバが判断する。
【0031】
これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握することが可能になる。
【0032】
(5)請求項5記載の発明では、管理サーバは、ICタグリーダが保持する設置場所に関する情報、ICタグが付された機器で取得された情報、ICタグが付された機器において入力された情報、または、ICタグに付された機器固有の情報に関連する販売店における情報のいずれかを参照し、該機器の情報を取得(位置を把握)する。これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握することが可能になる。
【0033】
(6)請求項6記載の発明では、機器は、電磁波を遮断する筐体と、非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付されたICタグとを含んで構成されている。
【0034】
ここで、機器が使用されるまではICタグは筐体により電磁遮蔽されており、ICタグリーダから読み取られることはない。
そして、機器が使用されることにより、機器の蓋やトレイのオープンして、非使用時に筐体に電磁遮蔽されているICタグは筐体からの露出する。このようにICタグが筐体から露出することで、ICタグはICタグリーダによって読み取られる状態になる。ここで、ICタグがICタグリーダにより読み取られた場合に機器が使用開始されたと、管理サーバが判断する。
【0035】
これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握することが可能になる。
【0036】
(7)請求項7記載の発明では、機器は、出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、包装が解かれると露出する位置に付されたICタグを含んで構成されている。
ここで、機器が使用されるまでは、電磁波を遮断する部材で包装されることによりICタグは電磁遮蔽されており、ICタグリーダから読み取られることはない。
【0037】
そして、機器の使用開始に伴って機器の包装が解かれると、ICタグの電磁遮蔽が取り除かれることになり、ICタグはICタグリーダによって読み取られる状態になる。ここで、ICタグがICタグリーダにより読み取られた場合に機器が使用開始されたと、管理サーバが判断する。
【0038】
これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握することが可能になる。
【0039】
(8)請求項8記載の発明では、機器は、電磁波を遮断する筐体と、非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付された第一のICタグと、非使用時に筐体内から露出する位置あるいは包装材のいずれかに付された第二のICタグとを含んで構成されている。
【0040】
ここで、機器が使用されるまでは第一のICタグは筐体により電磁遮蔽されていてIC
タグリーダから読み取られることはないが、第二のICタグはICタグリーダから読み取られうる状態にある。そこで、管理サーバは、第一のICタグがICタグリーダにより読み取られずに、第二のICタグがICタグリーダにより読み取られた場合には機器が使用開始されていないと判断する。
【0041】
そして、機器が使用されることにより、機器の蓋やトレイのオープンして、非使用時に筐体に電磁遮蔽されている第一のICタグは筐体からの露出する。このようにICタグが筐体から露出することで、ICタグはICタグリーダによって読み取られる状態になる。そこで、管理サーバは、第一のICタグがICタグリーダにより読み取られた場合に機器が使用開始されたと判断する
これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握することが可能になる。
【0042】
(9)請求項9記載の発明では、機器は、出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、該包装が解かれると露出する位置(包装内部(内面)、機器など)に付された第一のICタグと、該包装の外部に付された第二のICタグとを含んで構成されている。
【0043】
ここで、機器が使用されるまでは第一のICタグは包装により電磁遮蔽されていてICタグリーダから読み取られることはないが、第二のICタグはICタグリーダから読み取られうる状態にある。そこで、管理サーバは、第一のICタグがICタグリーダにより読み取られずに、第二のICタグがICタグリーダにより読み取られた場合には機器が使用開始されていないと判断する。
【0044】
そして、機器の使用開始に伴って機器の包装が解かれると、ICタグの電磁遮蔽が取り除かれることになり、ICタグはICタグリーダによって読み取られる状態になる。ここで、ICタグがICタグリーダにより読み取られた場合に機器が使用開始されたと、管理サーバが判断する。
【0045】
これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握することが可能になる。
【0046】
(10)請求項10記載の発明では、管理サーバは、ICタグリーダが保持する設置場所に関する情報、ICタグが付された機器で取得された情報、ICタグが付された機器において入力された情報、または、ICタグに付された機器固有の情報に関連する販売店における情報のいずれかを参照し、該機器の情報を取得(位置を把握)する。これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
〔A1〕第一実施形態:
〔A1−1〕第一実施形態の構成:
なお、以下の第一実施形態では、オーディオ機器、ビジュアル機器、生活家電品などの各種電気製品や、携帯電話装置、コンピュータなどの情報通信機器といった各種の機器を管理サーバの管理下に置き、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握するシステムを具体例にして説明を行う。
【0048】
まず、図1を用いてシステムの全体構成を説明する。この図1は本発明の第一実施形態としての管理システムの機能構成を示すブロック図である。
この図1に示す管理システムでは、電気製品や情報通信機器などの各種機器10は、利用者によって購入された後、利用者宅である使用場所2に設置された状態を示している。なお、使用場所2には、ICタグリーダ40が設置されている。
【0049】
ここで、使用場所2とは、個人の自宅だけではなく、職場、集会場など、機器10が使用される各種の場所を含む。すなわち、未使用状態で保管される、製造者の倉庫、販売店、輸送業者の倉庫、輸送途中の車内などは含まないものである。なお、販売店で展示のために使用される場合には、使用場所2に含まれることになる。
【0050】
そして、管理サーバ20は、ネットワーク30を介して、使用場所2に設置されたICタグリーダ40と通信可能に構成されている。なお、ICタグリーダ40は、設置された位置の情報あるいはネットワークアドレス情報などを保持しており、ICタグを読み取った結果の情報と合わせて管理サーバ20に送信する機能を有する。
【0051】
ここで、ネットワーク30は、LANやインターネットなど各種のネットワークであり、無線通信、有線通信(光ファイバ、電話回線、電灯線など)のいずれであってもよい。
ここで、機器10について図2以降を参照して説明する。
【0052】
図2において、機器10は、開閉式のトレイで構成された開閉部10Aを備えており、筐体は電磁波を遮断する金属や金属蒸着樹脂やカーボン含有樹脂などの部材で構成されている。そして、開閉部10Aが収納された状態、すなわち、非使用時には筐体内部であって、使用時の開閉部10Aが突出した状態では該筐体から露出する位置に付されたICタグe-aとを含んで構成されている。なお、このICタグ10e-aが第一のICタグを構成している。
【0053】
また、非使用時に筐体内から露出している位置に第二のICタグとして、ICタグ10e-bが付されている。このICタグ10e-bは、非使用時に筐体から露出していればよく、使用時・非使用時にかかわらず露出していてもよいし、非使用時にのみ筐体から露出する位置であってもよい。
【0054】
また、このICタグ10e-bは筐体外側ではなく、包装材や傷防止シートなどの保護部
材に貼付されていてもよい。この包装材や傷防止シートなどが電磁波遮断性質を有さない場合には、該包装材や傷防止シートなどの内側でも外側でも、いずれに貼付されていてもよい。この包装材や傷防止シートなどが電磁波遮断性質を有する場合には、該包装材や傷防止シートなどの外側に貼付されていればよい。
【0055】
そして、ICタグ10e-aとICタグ10e-bには、少なくとも、機器固有の製造番号(識別番号)や機器名称などの情報が、製造時に入力されて保持されている。また、後述するように、機器10の機能に応じて可能であれば、利用者の操作によって入力された利用者に関する情報(住所、氏名など)も保持されうる。
【0056】
図3において、機器10は、開閉式の蓋で構成された開閉部10Aを備えており、筐体は電磁波を遮断する金属や金属蒸着樹脂やカーボン含有樹脂などの部材で構成されている。そして、開閉部10Aが閉じた状態、すなわち、非使用時には筐体内部であって、使用時の開閉部10Aが開いた状態では該筐体から露出する位置に付されたICタグe-aとを
含んで構成されている。なお、このICタグ10e-aが第一のICタグを構成している。
【0057】
また、非使用時に筐体内から露出している位置に第二のICタグとして、ICタグ10e-bが付されている。このICタグ10e-bは、非使用時に筐体から露出していればよく、使用時・非使用時にかかわらず露出していてもよいし、非使用時にのみ筐体から露出する位置であってもよい。
【0058】
また、図3に示した箱のようなものだけではなく、機器10に密着した状態で貼付される傷防止シートを電磁波遮断の部材で構成しておいて(図16参照)、その傷防止シートの内側に第一のICタグとしてのICタグ10e-aを付しておいてもよい。この場合、使
用開始時に剥がす必要が生じる場所、例えば、表示部などに貼付される傷防止シートであることが望ましい。
【0059】
また、このICタグ10e-bは筐体外側ではなく、包装材や傷防止シートなどの保護部
材に貼付されていてもよい。この包装材や傷防止シートなどが電磁波遮断性質を有さない場合には、該包装材や傷防止シートなどの内側でも外側でも、いずれに貼付されていてもよい。この包装材や傷防止シートなどが電磁波遮断性質を有する場合には、該包装材や傷防止シートなどの外側に貼付されていればよい。
【0060】
そして、ICタグ10e-aとICタグ10e-bには、少なくとも、機器固有の製造番号(識別番号)や機器名称などの情報が、製造時に入力されて保持されている。また、後述するように、機器10の機能に応じて可能であれば、利用者の操作によって入力された利用者に関する情報(住所、氏名など)も保持されうる。
【0061】
図4において、機器10は、購入時には箱や保護シートや緩衝材などの包装材10Cに収容されている。ここで、機器10は、出荷時に電磁波を遮断する部材を有する包装材10Cで包装され、包装が解かれると露出する位置に、第一のICタグとしてのICタグ10e-aが付されている。
【0062】
また、開封前(未使用時)に該包装材10Cから露出している位置に第二のICタグとして、ICタグ10e-bが付されている。このICタグ10e-bは、非使用時に外部から読み出し可能な位置であればよく、包装材10Cの内部であっても、電磁遮蔽されない位置であればよい。
【0063】
なお、この実施形態において、電磁波を遮断する、あるいは、電磁遮蔽とは、電磁波を完全に遮断することではなく、ICタグが使用する周波数の電波を一定レベル減衰させる性能を有していればよい。すなわち、ICタグリーダ40によるICタグの読み取りが安定して行えない程度に電磁波を減衰させる性能を有していればよい。
【0064】
なお、第一のICタグとしてのICタグ10e-aと第二のICタグとしてのICタグ1
0e-bの設置については、ここに図示したものは一例であり、設置する機器10の種類や
使用法や形態に応じて、各種の変形が可能である。
【0065】
また、ICタグ10e-aには機器10内部に付されたICタグであることを示す情報が
、ICタグ10e-bには機器10外部あるいは包装材10Cの外部に付されたICタグで
あることを示す情報が保持されている。
【0066】
また、図2と図4を組合せ、または、図3と図4とを組み合わせて、電磁波を遮断する筐体内部の第一のICタグ、未使用時に電磁波を遮断する包装材10Cの内側であって筐体外部の第二のICタグ、電磁遮蔽を遮断する包装材10Cの外側の第三のICタグというように、三種類のICタグを設けることも可能である。
【0067】
また、以上の説明において、ICタグが露出とは物理的な露出だけではなく、電磁気的な意味で露出する/しないという意味も有している。すなわち、物理的には筐体表面と一体、あるいは、塗装の内側になっていても、ICタグリーダで読み取り可能な場合には、露出していることを意味する。逆に、物理的に筐体からICタグが突出しているように見えても、電磁遮蔽部材で表面が覆われていれば、露出していないことを意味する。
【0068】
〔A1−2〕第一実施形態の動作:
以下、図5のフローチャートを参照して、本実施形態の管理システムの動作説明を行う。
【0069】
まず、販売店から利用者が機器10を購入し、機器10を使用場所2に載置する(図5中のステップS501)。なお、一般的な購入以外にも、個人間のプレゼント、懸賞の当選などであってもよい。すなわち、何らかの方法により、機器10が使用場所2に配送あるいは載置される。
【0070】
この状態において、使用場所2に設置されているICタグリーダ40により、機器10の外部あるいは包装材10Cの外部に付されている第二のICタグとしてのICタグ10e-bが読み取られる(図5中のステップS502)。この時点でICタグリーダ40に読
み取られたICタグ10e-bの情報は、ネットワーク30を経由して管理サーバ20に送
られる。
【0071】
管理サーバ20では、ICタグリーダ40で読み取られたICタグ10e-bの情報を参
照し、機器10の製造番号や機器名称などの情報とICタグリーダ40の設置場所の情報とを格納する。また、第二のICタグ10e-bを読み取ったことにより、機器10が未使
用状態で使用場所2に載置されていると判断する。
【0072】
そして、利用者が機器10の包装材10Cの包装を解いたり、あるいは、機器10の使用を開始して開閉部10Aの操作をすることで、第一のICタグとしてのICタグ10e-aがICタグリーダ40によって読み取られる(図5中のステップS504)。この時点
でICタグリーダ40に読み取られたICタグ10e-aの情報は、ネットワーク30を経
由して管理サーバ20に送られる。
【0073】
なお、機器10の外部に付された第二のICタグ10e-bのみがICタグリーダ40に
よって読み取られ、第一のICタグ10e-aが読み取られない場合には、機器10が使用
状態にないため、この処理を終了する。
【0074】
また、機器10の外部に付された第二のICタグ10e-bがICタグリーダ40によっ
て読み取られずに、第一のICタグ10e-aが読み取られた場合には、機器10が使用状
態にあるとして、この処理を開始する。
【0075】
ここで、管理サーバ20では、ICタグリーダ40で読み取られたICタグ10e-aの
情報を参照し、機器10の製造番号や機器名称などの情報と既に登録されている情報(登録情報)とを照合し(図5中のステップS505)、初期段階での位置登録(初期登録)、あるいはユーザ登録が正常に終了しているか、あるいは、未完了であるかを判断する(図5中のステップS506)。
【0076】
ここで、初期登録は、後述するユーザ登録と同じであってもよいし、あるいは、リコールや初期不良などの対策のための簡易な最低限の情報の登録であってもよい。
初期登録あるいはユーザ登録が正常に終了している場合には(図5中のステップS506でYES)、後述する必要な処理(図5中のステップS512)を実行して、この処理を
終了する。なお、念のため、管理サーバ20は、後述する確認処理(図5中のステップS508)以降の処理を実行してもよい。
【0077】
初期登録やユーザ登録が完了していない場合には(図5中のステップS506でNO)、管理サーバ20は、利用者によって入力されてICタグ10e-aに保持されている利用者
に関する情報を参照する(図5中のステップS507)。なお、ICタグ10e-aやIC
タグ10e-bには、機器10の製造番号や機器名称などが、製造時に格納されており、こ
れに加え、後述するように、機器10の利用者により操作部が操作されて入力された情報として、利用場所(利用者の住所)や利用者の氏名や電子メールアドレスなどの利用者情報が、CPUの制御によって、ICタグ10e-aあるいはICタグ10e-bに格納される。また、機器10がGPSなどの位置情報取得手段を有している場合には、機器10のCPUの制御により、GPSなどから得た位置情報がICタグに格納される。
【0078】
また、ICタグに保持されている情報が十分でない場合、管理サーバ20は、ICタグリーダ40を介してICタグから得た機器名称や製造番号の情報を元にして、販売店に登録されている利用者の住所や氏名などの情報を販売店から得ることも可能である(図5中のステップS507)。また、ICタグリーダ40が位置情報やIPアドレスを有している場合には、この位置情報やIPアドレス情報も管理サーバ20によって利用される。
【0079】
そして、管理サーバ20は、ICタグ10e-aに保持されている利用者情報あるいは販
売店から得た利用者情報が正しい情報であるか、初期登録に使用しうる情報であるか、を利用者に確認する(図5中のステップS508)。
【0080】
この場合の確認としては、機器10がCPUや表示部や双方向通信の機能を有している場合には、機器10の表示部に確認のメッセージを表示させる。また、機器10に双方向通信の機能がなければ、登録された電子メールアドレス、登録された住所などに、確認のメッセージを送っても良い。
【0081】
なお、この場合、別人に個人情報を開示してしまう可能性を考慮し、先頭と末尾のみを表示するなど、本人が見た場合に正しい情報であるか否かを確認できる程度の表示であってもよい。
【0082】
ここで、管理サーバ20が得た情報がユーザ登録に使用して問題があるか、あるいは、正しい情報ではない(間違っている、一部不正確など)、と利用者に確認された場合(図5中のステップS509でNO)、管理サーバ20は、利用者に対して正しい情報の入力を求める(図5中のステップS510)。この場合も、機器10の機能に応じて、機器10経由、電子メール、郵送など、各種の手法を用いる。
【0083】
そして、この段階で利用者から情報が入力されれば(図5中のステップS510)、管理サーバ20は、入力された利用者情報が正しい情報であるかを利用者に確認する(図5中のステップS508)。
【0084】
ここで、管理サーバ20が得た情報が初期登録に使用して問題なく、正しい情報であると利用者に確認された場合(図5中のステップS509でYES)、該利用者情報を用いて
、機器10を所有する利用者の氏名や住所の情報について初期登録を実行する(図5中のステップS511)。
【0085】
なお、このように初期登録がなされた場合に、保証期間の開始日としては、第一のICタグ10e-aを読み取ったことにより、機器10が使用状態で使用場所2に載置されてい
ると判断し、ICタグの読み取りによって得た、最初に機器10を使用開始した日の情報
を用いることが望ましい。
【0086】
そして、管理サーバ20では、登録された機器10について、初期不良やリコールなどによって回収や点検の指示が出された製品であるか否かについて、別途作成された回収指示データベースと照合する(図5中のステップS512)。すなわち、管理サーバ20では、機器10について必要な所定の処理を実行する。たとえば、リコールや点検による回収の指示が出されている製品に機器10が該当する場合には、ネットワーク30を経由して、ICタグライタあるいはICタグリーダ40を介して機器10に所定の信号を送り、機器10の表示部に所定のメッセージを表示させる。
【0087】
この場合、機器10がCPUや表示部や双方向通信の機能を有している場合には、機器10の表示部に問い合わせのメッセージを表示させる。ここで、可能な場合には、利用者が機器10の操作部を操作して、住所の変更が必要か否かの返信を行ってもよい。また、この場合、機器10の表示部に、管理サーバ20からのお知らせが存在するランプを点滅させ、別途、郵送や電子メールが利用者に到達することを通知するようにしてもよい。
【0088】
また、ICタグリーダ40を介してICタグから得た機器名称や製造番号の情報を元にして、販売店に登録されている利用者の住所や氏名などの情報を販売店から得て、該利用者に対して初期不良やリコールの情報の通知を、電子メールや郵送などで行うことも可能である。
【0089】
また、ICタグリーダ40を介して得た使用場所2の情報に基づいて、利用者に対して情報の通知を行う。この場合、ICタグから得た製造番号を販売店に通知し、販売店経由で情報の通知を、電子メールや郵送などで行うことも可能である。
【0090】
なお、以上の説明において、第二のICタグ10e-bが存在しない機器10の場合には
、管理サーバ20では、第一のICタグとしてのICタグ10e-aの読み取り結果のみで
、使用場所2における機器10の使用開始などの検知と各種登録の処理を実行すればよい。
【0091】
以上のように、機器10は、電磁波を遮断する筐体と、非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付されたICタグとを含んで構成されているため、機器10が使用されるまではICタグは筐体により電磁遮蔽されており、ICタグリーダから読み取られることはない。そして、機器10が使用されることにより、機器の蓋やトレイのオープンして、非使用時に筐体に電磁遮蔽されているICタグは筐体からの露出する。このようにICタグが筐体から露出することで、ICタグはICタグリーダによって読み取られる状態になる。ここで、ICタグがICタグリーダにより読み取られた場合に機器が使用開始されたと、管理サーバが判断する。これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握することが可能になる。
【0092】
また、機器10は、出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、包装が解かれると露出する位置に付されたICタグを含んで構成されている。ここで、機器が使用されるまでは、電磁波を遮断する部材で包装されることによりICタグは電磁遮蔽されており、ICタグリーダから読み取られることはない。そして、機器の使用開始に伴って機器の包装が解かれると、ICタグの電磁遮蔽が取り除かれることになり、ICタグはICタグリーダによって読み取られる状態になる。ここで、ICタグがICタグリーダにより読み取られた場合に機器が使用開始されたと、管理サーバが判断する。これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握することが可能になる。
【0093】
また、機器10は、電磁波を遮断する筐体と、非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付された第一のICタグと、非使用時に筐体内から露出する位置あるいは包装材のいずれかに付された第二のICタグとを含んで構成されている。ここで、機器が使用されるまでは第一のICタグは筐体により電磁遮蔽されていてICタグリーダから読み取られることはないが、第二のICタグはICタグリーダから読み取られうる状態にある。そこで、管理サーバは、第一のICタグがICタグリーダにより読み取られずに、第二のICタグがICタグリーダにより読み取られた場合には機器が使用開始されていないと判断する。そして、機器が使用されることにより、機器の蓋やトレイのオープンして、非使用時に筐体に電磁遮蔽されている第一のICタグは筐体からの露出する。このようにICタグが筐体から露出することで、ICタグはICタグリーダによって読み取られる状態になる。そこで、管理サーバは、第一のICタグがICタグリーダにより読み取られた場合に機器が使用開始されたと判断する。これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握することが可能になる。
【0094】
また、機器10は、出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、該包装が解かれると露出する位置(包装内部(内面)、機器など)に付された第一のICタグと、該包装の外部に付された第二のICタグとを含んで構成されている。ここで、機器が使用されるまでは第一のICタグは包装により電磁遮蔽されていてICタグリーダから読み取られることはないが、第二のICタグはICタグリーダから読み取られうる状態にある。そこで、管理サーバは、第一のICタグがICタグリーダにより読み取られずに、第二のICタグがICタグリーダにより読み取られた場合には機器が使用開始されていないと判断する。そして、機器の使用開始に伴って機器の包装が解かれると、ICタグの電磁遮蔽が取り除かれることになり、ICタグはICタグリーダによって読み取られる状態になる。ここで、ICタグがICタグリーダにより読み取られた場合に機器が使用開始されたと、管理サーバが判断する。これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握することが可能になる。
【0095】
また、ICタグリーダ40が設置された位置に関する位置情報をICタグリーダが保持しており、ICタグを読み取って得た情報に位置情報を付加して管理サーバ20に送信する。たとえば、機器10内部にGPS受信部などを備えていて位置情報を取得し、この位置情報をICタグに記憶させ、ICタグリーダ40がICタグに保持された位置情報を取得する構成であってもよい。
【0096】
これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握することが可能になる。
【0097】
また、管理サーバ20は、ICタグリーダ40が保持する設置場所に関する位置情報、ICタグが付された機器で取得された位置情報、ICタグが付された機器において入力された位置情報、または、ICタグに付された機器固有の情報に関連する販売店における情報のいずれかを参照し、該機器の情報を取得(位置を把握)する。
【0098】
これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の使用開始時における機器の所在場所や使用開始日時を正確に把握することが可能になる。
【0099】
また、以上の実施形態では、実際の使用開始日を管理サーバ20で確認できるため、保
証書に日付が記載されていない場合であっても、保証期間を不正に延長することを防止することができる。
【0100】
また、以上の実施形態では、販売店や倉庫などで保管されている場合には、管理サーバ20に機器10の所在が通知されず、利用者が使用を開始してから管理サーバ20に通知がなされるため、必要な情報のみが通知されることになり、大量の製品を管理することも容易になる。
【0101】
また、販売店で展示品として使用されたものも管理サーバ20では管理することができるため、展示品を新品として販売することを防止することも可能になる。
また、機器10がリコール対象の機器である場合にも、リコール対象機器であるかの判定や所在位置の確認を、速やかに行うことが可能になる。
【0102】
〔A1−3〕第一実施形態の変形例(1):
以上の第一実施形態の説明では、機器10の使用開始時において機器10の所在位置の情報などを管理サーバ20が把握するようにしていた。これ以外にも、必要に応じて、管理サーバ20が機器10の所在位置を特定することが可能である。
【0103】
たとえば、リコール発生時に、管理サーバ20では各ICタグリーダ40にICタグの読み取りを指示する(図14中のステップS1401)。
なお、機器10の外部に付された第二のICタグ10e-bのみがICタグリーダ40に
よって読み取られ、第一のICタグ10e-aが読み取られない場合には、機器10が使用
状態にないため、この処理を終了する。また、機器10の外部に付された第二のICタグ10e-bがICタグリーダ40によって読み取られずに、第一のICタグ10e-aが読み取られた場合には、機器10が使用状態にあるとして、この処理を実行する。
【0104】
そして、各ICタグリーダ40で読み取った(図14中のステップS1402)ICタグ10e-aの情報(機器10の製造番号や機器名称などの情報)を、管理サーバ20内の
リコール情報に関するデータベースと照合する(図14中のステップS1403)。
【0105】
ここで、管理サーバ20では、ICタグリーダ40で読み取られたICタグ10e-aの
情報を参照し、機器10の製造番号や機器名称などの情報と既に登録されている情報(登録情報)とを照合し(図14中のステップS1403)、リコール対象であるか、初期段階での位置登録(初期登録)あるいはユーザ登録などが正常に終了しているか、あるいは、未完了であるかを判断する(図14中のステップS1404)。
【0106】
機器10が製造番号との照合によってリコールや点検の対象でない場合(図14中のステップS1404で「該当せず」)、原則として、この処理を終了する。ただし、後述する登録が完了していない場合には、登録情報を得るために、管理サーバ20は、以下の処理を実行してもよい。
【0107】
リコール対象であって、初期登録あるいはユーザ登録が正常に終了している場合には(図14中のステップS1404で「該当で登録済」)、後述するリコール処理(図14中のステップS1410)を実行して、この処理を終了する。なお、所有者変更や住所変更などが生じている場合もあるので、念のため、管理サーバ20は、後述する確認処理(図14中のステップS1406)以降の処理を実行してもよい。
【0108】
リコール対象であって、初期登録やユーザ登録が完了していない場合には(図14中のステップS1404で「該当で未登録」)、管理サーバ20は、利用者によって入力されてICタグ10e-aに保持されている利用者に関する情報を参照する(図14中のステッ
プS1405)。なお、ICタグ10e-aやICタグ10e-bには、機器10の製造番号や機器名称などが、製造時に格納されており、これに加え、後述するように、機器10の利用者により操作部が操作されて入力された情報として、利用場所(利用者の住所)や利用者の氏名や電子メールアドレスなどの利用者情報が、CPUの制御によって、ICタグ10e-aあるいはICタグ10e-bに格納される。また、機器10がGPSなどの位置情報取得手段を有している場合には、機器10のCPUの制御により、GPSなどから得た位置情報がICタグに格納される。
【0109】
また、ICタグに保持されている情報が十分でない場合、管理サーバ20は、ICタグリーダ40を介してICタグから得た機器名称や製造番号の情報を元にして、販売店に登録されている利用者の住所や氏名などの情報を販売店から得ることも可能である(図14中のステップS1405)。また、ICタグリーダ40が位置情報やIPアドレスを有している場合には、この位置情報やIPアドレス情報も管理サーバ20によって利用される。
【0110】
そして、管理サーバ20は、ICタグ10e-aに保持されている利用者情報あるいは販
売店から得た利用者情報が正しい情報であるか、初期登録に使用しうる情報であるか、を利用者に確認する(図14中のステップS1406)。
【0111】
この場合の確認としては、機器10がCPUや表示部や双方向通信の機能を有している場合には、機器10の表示部に確認のメッセージを表示させる。また、機器10に双方向通信の機能がなければ、登録された電子メールアドレス、登録された住所などに、確認のメッセージを送っても良い。
【0112】
なお、この場合、別人に個人情報を開示してしまう可能性を考慮し、先頭と末尾のみを表示するなど、本人が見た場合に正しい情報であるか否かを確認できる程度の表示であってもよい。
【0113】
ここで、管理サーバ20が得た情報がユーザ登録に使用して問題があるか、あるいは、正しい情報ではない(間違っている、一部不正確など)、と利用者に確認された場合(図14中のステップS1407でNO)、管理サーバ20は、利用者に対して正しい情報の入力を求める(図14中のステップS1408)。この場合も、機器10の機能に応じて、機器10経由、電子メール、郵送など、各種の手法を用いる。
【0114】
そして、この段階で利用者から情報が入力されれば(図14中のステップS1408)、管理サーバ20は、入力された利用者情報が正しい情報であるかを利用者に確認する(図14中のステップS1406)。
【0115】
ここで、管理サーバ20が得た情報が初期登録に使用して問題なく、正しい情報であると利用者に確認された場合(図14中のステップS1407でYES)、該利用者情報を用
いて、機器10を所有する利用者の氏名や住所の情報についての登録を実行する(図14中のステップS1409)。
【0116】
なお、初期登録やユーザ登録が未だなされていない場合には、この段階の登録を、初期登録やユーザ登録に用いても良い。
以上のようにして、ICタグリーダ40やICタグが保持する位置情報や入力あるいは登録された情報を参照し、リコール対象の機器10の所在位置や所有者などを特定する(図14中のステップS1410)。
【0117】
この後、管理サーバ20では、機器10について必要な所定の処理を実行する(図14
中のステップS1411)。たとえば、リコールや点検による回収の指示が出されている製品に機器10が該当する場合には、ネットワーク30を経由して、ICタグライタあるいはICタグリーダ40を介して機器10に所定の信号を送り、機器10の表示部に所定のメッセージを表示させる。
【0118】
この場合、機器10がCPUや表示部や双方向通信の機能を有している場合には、機器10の表示部に問い合わせのメッセージを表示させる。
ここで、可能な場合には、機器10の表示部に、管理サーバ20からのお知らせが存在するランプを点滅させ、別途、郵送や電子メールが利用者に到達することを通知するようにしてもよい。
【0119】
また、ICタグリーダ40を介してICタグから得た機器名称や製造番号の情報を元にして、販売店に登録されている利用者の住所や氏名などの情報を販売店から得て、該利用者に対して初期不良やリコールの情報の通知を、電子メールや郵送などで行うことも可能である。
【0120】
また、ICタグリーダ40を介して得た使用場所2の情報に基づいて、利用者に対して情報の通知を行う。この場合、ICタグから得た製造番号を販売店に通知し、販売店経由で情報の通知を、電子メールや郵送などで行うことも可能である。
【0121】
なお、以上の説明において、第二のICタグ10e-bが存在しない機器10の場合には
、管理サーバ20では、第一のICタグとしてのICタグ10e-aの読み取り結果のみで
、使用場所2における機器10の使用開始などの検知と各種登録の処理を実行すればよい。
【0122】
なお、ICタグリーダ40を介して得た使用場所2の情報に基づいて、利用者に対して情報の通知を行う。この場合、ICタグから得た製造番号を販売店に通知し、販売店経由で情報の通知を、電子メールや郵送などで行うことも可能である。
【0123】
以上のように機器10の使用開始後に発生したリコールについても、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、リコール対象の機器の特定や回収が可能になる。
【0124】
また、リコールについての対策に急を要する場合には、管理サーバ20は、以上の情報の確認(図14中のステップS1406)〜登録実行(図14中のステップS1409)を省略して、リコール対策を実行してもよい。
【0125】
この場合、予め定めておいたリコールに関する緊急度などを参照して、以上の情報確認・登録を実行するか否かを判断するようにしてもよい。
〔A1−4〕第一実施形態の変形例(2):
以上の第一実施形態の説明では、機器10の使用開始時において機器10の所在位置の情報などを管理サーバ20が把握するようにしていた。
【0126】
これ以外に、定期的なICタグリーダ40におけるICタグの読み取り結果により、機器10の所在位置が変更されたと管理サーバ20が判断した場合に、利用者や機器10に対して、住所の変更が必要か否かの問い合わせを行うことが可能である。
【0127】
利用者に対する問い合わせとしては、登録された電子メールアドレスへの電子メール、郵送による問い合わせなどが可能である。機器10に対する問い合わせとしては、機器10がCPUや表示部や双方向通信の機能を有している場合には、機器10の表示部に問い
合わせのメッセージを表示させる。ここで、可能な場合には、利用者が機器10の操作部を操作して、住所の変更が必要か否かの返信を行ってもよい。
【0128】
また、機器10の表示部に、管理サーバ20からのお知らせが存在するランプを点滅させ、別途、郵送や電子メールが利用者に到達することを通知するようにしてもよい。
以上のようにすることで、機器10の使用開始後に使用場所の変更が発生したとしても、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、登録や登録変更が可能になる。
【0129】
〔A1−5〕第一実施形態の変形例(3):
以上の変形例(1)において、リコール発生時に管理サーバ20から機器10の所在を確認するようにしていたが、これと同様にして、定期点検が必要な場合、あるいは、リコールにはならないレベルの軽微な点検が必要な場合などにも、管理サーバ20から機器10の所在を確認することが可能である。この場合も、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の管理が可能になる。
【0130】
〔A1−6〕第一実施形態の変形例(4):
以下、図15のフローチャートを参照して、本実施形態の管理システムにおけるユーザ登録についての動作説明を行う。
【0131】
利用者が機器10を使用場所2に載置している状態において、管理サーバ20の指示に基づいて、該使用場所2に設置されているICタグリーダ40により、機器10に付されているICタグ10e-aが読み取られる(図15中のステップS1501、S1502)
。ICタグリーダ40に読み取られたICタグ10e-aの情報は、ネットワーク30を経
由して管理サーバ20に送られる。
【0132】
なお、機器10の外部に付された第二のICタグ10e-bのみがICタグリーダ40に
よって読み取られ、第一のICタグ10e-aが読み取られない場合には、機器10が使用
状態にないため、ユーザ登録を必要としていないと判断して、この処理を終了する。
【0133】
また、機器10の外部に付された第二のICタグ10e-bがICタグリーダ40によっ
て読み取られずに、第一のICタグ10e-aが読み取られた場合には、機器10が使用状
態にあるとして、この処理を開始する。
【0134】
管理サーバ20では、ICタグリーダ40で読み取られたICタグ10e-aの情報を参
照し、機器10の製造番号や機器名称などの情報と既に登録されている情報(登録情報)とを照合し(図15中のステップS1503)、ユーザ登録が正常に終了しているか、あるいは、未完了であるかを判断する。
【0135】
ユーザ登録が正常に終了している場合には(図15中のステップS1504でYES)、
この処理を終了する。なお、利用者の住所変更、所有者の変更などの可能性もあるため、管理サーバ20は、後述する確認処理(図15中のステップS1506)を定期的に実行してもよい。
【0136】
ユーザ登録が完了していない場合には(図15中のステップS1504でNO)、管理サーバ20は、利用者によって入力されたICタグ10e-aに保持されている利用者に関す
る情報を参照する(図15中のステップS1505)。なお、ICタグ10e-aやICタ
グ10e-bには、機器10の製造番号や機器名称などが、製造時に格納されており、これ
に加え、機器10の利用者により操作部17が操作されて入力された情報として、利用場所(利用者の住所)や利用者の氏名や電子メールアドレスなどの利用者情報が、CPU1
0aの制御によって、ICタグ10e-aあるいはICタグ10e-bに格納される。また、機器10がGPSなどの位置情報取得手段を有している場合には、機器10のCPUの制御により、GPSなどから得た位置情報がICタグに格納される。
【0137】
また、ICタグに保持されている情報が十分でない場合、管理サーバ20は、ICタグリーダ40を介してICタグから得た機器名称や製造番号の情報を元にして、販売店に登録されている利用者の住所や氏名などの情報を販売店から得ることも可能である(図15中のステップS1505)。また、ICタグリーダ40が位置情報やIPアドレスを有している場合には、この位置情報やIPアドレス情報も管理サーバ20によって利用される。
【0138】
そして、管理サーバ20は、ICタグ10e-aに保持されている利用者情報あるいは販
売店から得た利用者情報が正しい情報であるか、ユーザ登録に使用する情報であるか、を利用者に確認する(図15中のステップS1506)。
【0139】
この場合の確認としては、機器10がCPUや表示部や双方向通信の機能を有している場合には、機器10の表示部に確認のメッセージを表示させる。また、機器10に双方向通信の機能がなければ、登録された電子メールアドレス、登録された住所などに、確認のメッセージを送っても良い。
【0140】
なお、この場合、別人に個人情報を開示してしまう可能性を考慮し、先頭と末尾のみを表示するなど、本人が見た場合に正しい情報であるか否かを確認できる程度の表示であってもよい。
【0141】
ここで、管理サーバ20が得た情報がユーザ登録に使用して問題があるか、あるいは、正しい情報ではない(間違っている、一部不正確など)、と利用者に確認された場合(図15中のステップS1507でNO)、管理サーバ20は、利用者に対して正しい情報の入力を求める(図15中のステップS1508)。この場合も、機器10の機能に応じて、機器10経由、電子メール、郵送など、各種の手法を用いる。
【0142】
そして、この段階で利用者から情報が入力されれば(図15中のステップS1508)、管理サーバ20は、入力された利用者情報が正しい情報であるかを利用者に確認する(図15中のステップS1506)。
【0143】
ここで、管理サーバ20が得た情報がユーザ登録に使用して問題なく、正しい情報であると利用者に確認された場合(図15中のステップS1507でYES)、該利用者情報を
用いてユーザ登録を実行する(図15中のステップS1509)。なお、このようにユーザ登録がなされた場合にも、保証期間の開始日としては、既に説明したように、ICタグの読み取りによって得た、最初に機器10を使用開始した日の情報を用いることが望ましい。
【0144】
これにより、人的な協力を得ることなく且つ、販売者あるいは消費者に特別な負荷をかけることなく、機器の利用者に関するユーザ登録の処理を確実に実行することが可能になる。
【0145】
なお、利用者の住所変更、所有者の変更などの可能性もあるため、管理サーバ20は、以上の確認処理(図15中のステップS1506)以降の処理を機器10に対して定期的に実行してもよい。
【0146】
〔A2〕第二実施形態:
また、以上の各実施形態において、ICタグやICタグリーダとして説明してきた部分は、無線LANの送受信装置、あるいは、これに類する各種送受信手段を用いて構成することも可能である。すなわち、小型の無線LAN送受信装置、あるいは、無線LAN送受信チップを機器のいずれかの位置に配置すると共に、集積回路1050内部に配置することでも、上述したように機器の分解を監視する実施形態と同様の動作を実現して良好な結果を得ることができる。また、この無線LAN送受信装置や無線LAN送受信チップと、上述したICタグとを混合した状態に組み合わせて用いることも可能である。
【0147】
〔A3〕第三実施形態:
図6は第一実施形態の機器10の機能構成を示すブロック図である。この図6に示す機器10は、電気製品、情報通信機器あるいは自動車など各種の機器のそれぞれにおいて異なる動作実行部(エアコンのコンプレッサー、テレビ受像器における映像処理部や映像表示部、自動車におけるエンジン)10Bを有するものである。ただし、この実施形態では、各種の具体例や具体的名称を単に動作実行部10Bとして表している。
【0148】
そして、この機器10は、動作実行部10Bでの各種動作を制御するために電子制御ユニット(ECU)10ECU、センサ10s、操作部17、表示部18、電源部19を備えて構成されている。
【0149】
電子制御ユニット10ECUでは、各種処理を実行する制御部としてのCPU(演算処理部)10aと、各種データを保持しうる半導体メモリで構成された記憶部10bとを備えるほか、各機器の必要性に応じて、動作実行部10Bの駆動のためのドライバ部10D、各種操作入力を行う操作部17、各種表示を行う表示部18、各部に電源を供給する電源部19を備えて構成されている。
【0150】
また、個々の機器10を管理するためのICタグとして、第一のICタグ10e-a、第二のICタグ10e-bとが備えられている。
なお、この実施形態において、ICタグ10e-aは、独立したICタグという形ではな
く、多層の基板の内部に、ICチップやアンテナとしての配線パターンなどが存在する、という構成も可能である。
【0151】
なお、ICタグ10e-aやICタグ10e-bには、機器10の製造番号や機器名称などが、製造時に格納されている。そして、機器10の利用者により操作部17が操作されて入力された情報として、利用場所(利用者の住所)や利用者の氏名や電子メールアドレスなどの利用者情報は、CPU10aの制御によって、ICタグ10e-aあるいはICタグ1
0e-bに格納される。その他、後述する実施形態で説明するように、管理対象情報の有無
についての情報も格納されうる。
【0152】
〔A4〕第四実施形態:
〔A4−1〕第四実施形態の構成:
以上の実施形態において、機器10に内蔵される制御部がCPUを有しており、コンピュータとして機能することが可能であって、個人情報や機密情報を記憶部に記憶する場合の具体例を説明する。
【0153】
このように機器10が個人情報や機密情報を保持している場合には、上述した使用開始時の位置の把握だけでなく、継続的な機器10の位置の把握が必要となる。
そこで、管理の対象となる機器10としてのクライアントの記憶媒体に個人情報や機密情報などの各種情報の保護すべき情報が格納されている場合を具体例にして説明を行う。このため、機器の所在位置を検知する具体例として説明する。なお、管理システムとしては情報管理システム、管理サーバとしては情報管理サーバ、管理プログラムとしては情報
管理プログラムを具体例にして説明する。
【0154】
なお、以下の具体例では管理の対象となる保護すべき情報として個人情報を例にするが、それ以外の各種の情報、たとえば、法人(組織)情報、建築物などの営造物情報、各種設備・配備情報、警備情報、自然公園などでの植物情報、動物園などでの動物情報、その他各種の保護すべき情報や管理すべき情報(管理対象情報)を管理することが可能である。
【0155】
なお、この明細書において、機器10とは、パーソナルコンピュータを具体例にするが、同様の機能を有する携帯電話装置、携帯型ゲーム機器、その他各種のデータ端末をも含むものとする。
【0156】
ここで、個人情報ファイルとは、個人情報を含むレコードを所定数以上保有しているものであり、個人情報は、前述した通り、単体もしくは組合せによって特定の個人を識別することのできる情報、例えば氏名,生年月日,連絡先(住所,居所,電話番号,メールアドレス)などを含むものである。なお、個人情報としては、これら以外に、役職名,住民基本台帳番号,口座番号,クレジットカード番号,免許証番号,パスポート番号なども挙げられる。
【0157】
なお、個人情報ファイル以外に、上述した保護すべき情報を含むレコードを所定数以上保有している保護対象情報ファイルの場合には、上述した法人(組織)情報、建築物などの営造物情報、各種設備・配備情報、警備情報、自然公園などでの植物情報、動物園などでの動物情報、などのそれぞれの分野における各種情報を含むものが該当する。
【0158】
図7は各機器10の機能構成を示すブロック図で、この図7に示す機器10は、各種処理を実行するCPU(演算処理部)10aと、個人情報等のデータ集合体(ファイル)を保持しうる記憶部10bとを備えるほか、情報管理サーバ20から提供される検疫テーブル10cと、記憶部10bに保持されるデータ集合体(データファイル)のPマーク(プライバシレベルマーク;個人情報ファイルである可能性の高さを示すレベルであり、後述する判定値によって決定されるレベル)を保持するPマークテーブル10dと、個々の機器10を管理するためのICタグ10e(10e-a,10e-b)、各機器の位置情報をGPSやネットワーク経由で取得する位置情報取得手段10fと、を備えて構成されている。
【0159】
ここで、記憶部10bは、機器10に内蔵されるハードディスク装置、大容量の不揮発性メモリなどの記録媒体を用いる記憶装置である。
また、検疫テーブル10cおよびPマークテーブル10dは、機器10を構成するRAM(Random Access Memory)やハードディスク等に保持される。
【0160】
CPU10aは、個人情報検索手段11,CPU使用率監視手段12,入出力監視手段13,起動制御手段14,アクセス監視手段15および送受信手段16としての機能を果たすもので、これらの機能は、CPU10aが、後述するごとく情報管理サーバ20からインストールされた個人情報検索プログラムを実行することによって実現される。
【0161】
個人情報検索手段11は、情報管理サーバ20からインストールされる個人情報検索プログラムを実行することにより図11を参照しながら後述するごとく動作するもので、記憶部10bに保存されているデータファイル(対象ファイル)をテキストファイルにするテキスト抽出エンジンとして機能するとともに、検疫テーブル10cを用いて記憶部10bにおけるデータの中から個人情報ファイルを特定して検索する検索エンジンとして機能するものである。つまり、個人情報検索手段11は、情報管理サーバ20から指示された
条件(検疫テーブル10c)に従って、機器10の記憶部10bに存在する各種ファイル(データ集合体)に対する検索を行ない、対象ファイル(個人情報ファイルであると判定されたファイル)をログ(ローカルキャッシュデータベース)に書き出すものである。この個人情報検索手段11で得られた検索結果(判定値)に基づいて決定されたPマークがPマークテーブル10dに登録される。この個人情報検索手段11の機能の詳細については後述する。
【0162】
CPU使用率監視手段12は、本機器10で各種処理を実行するCPU10aの使用率を監視するものであり、入出力監視手段13は、記憶部10bにおけるデータの入出力動作(I/O動作)を監視するものである。
【0163】
起動制御手段14は、情報管理サーバ20からインストールされる個人情報検索プログラムを実行することにより図12および図13を参照しながら後述するごとく動作するもので、CPU使用率監視手段12によって監視されているCPU10aの使用率が所定閾値以下である場合に個人情報検索手段11を起動させる一方、その使用率が所定閾値を超えている場合に個人情報検索手段11の動作を停止させるほか、入出力監視手段13によって入出力動作の発生を検知した時点で個人情報検索手段11を起動させるものである。つまり、起動制御手段14は、基本的には、最低閾値で個人情報検索手段11を起動し、最高使用率で個人情報検索手段11をアイドル状態(検索ホールド)にするもので、個人情報検索手段11をスクリーンセーバー的に動作させる。
【0164】
アクセス監視手段15は、個人情報検索手段11で個人情報ファイルであると判定されたデータファイル(Pマークを付与されたデータファイル)を監視し、そのデータファイルに対するアクセス(例えば、リネイム,コピー,消去,移動などによるデータ変更)が生じた場合にはその旨をログ情報として書き出し送受信手段16によって情報管理サーバ20に送信させるものである。
【0165】
送受信手段16は、ネットワーク30を介して情報管理サーバ20との間で各種情報を送受信するもので、個人情報検索手段11による自己検索の結果や、取得した位置情報を情報管理サーバ20へ送信する送信手段として機能するものである。送受信手段16が上記送信手段として機能する際、検索結果(個人情報ファイルのリンク先情報や判定値など)を、前回送信した検索結果との差分を得て、その差分を情報管理サーバ20へ送信するほか、送信すべき情報を暗号化するようになっている。
【0166】
図8は第四実施形態の情報管理サーバ20の機能構成を示すブロック図で、この図8に示す情報管理サーバ20は、各種処理を実行するCPU20aと、各機器10からのログ情報や個人情報ファイルなどを格納・保存するデータベース(RDB:Relational DataBase)20bと、このデータベース20bに保存されたログ情報や個人情報を含む各種情
報を表示する表示部20cとを備えて構成されている。
【0167】
CPU20aは、クライアント情報収集手段21,インストール手段22,収集手段23,管理コンソール24,個人情報管理手段25,表示制御手段26および送受信手段27としての機能を果たすもので、これらの機能は、CPU20aが、情報管理プログラムを実行することによって実現される。
【0168】
クライアント情報収集手段21は、個人情報の検索・管理を開始する際に、ネットワーク30を介して通信可能に接続された複数の機器10からクライアント情報(ホスト情報)を収集し、個人情報の検索・管理対象の機器10を認識するものである。
【0169】
インストール手段22は、ネットワーク30を介して、各機器10に、個人情報の自己
検索を実行させる個人情報検索プログラムをインストールするものである。
収集手段23は、ネットワーク30および送受信手段27を介して、各機器10で実行された自己検索の結果(個人情報ファイルのリンク先情報や判定値など)を受信・収集し、データベース20bに格納するものである。
【0170】
管理コンソール24は、各機器10に対して指示する検索条件(上記検疫テーブル10cや、個人情報ファイルやPマークを判定するために必要になる所定閾値など)を設定して管理するものである。検疫テーブル10cは、個人情報において特徴的に出現する文字もしくは文字列である特徴文字もしくは特徴文字列を指定するためのもので、その詳細については図9を参照しながら後述する。
【0171】
また、この管理コンソール24が、個人情報ファイルを有すると判定された各機器10がICタグリーダ40を通過して使用場所2外に出ようとした場合に警報装置を介して警報を発する制御と、持ち出し許可を得た機器10がICタグリーダ40を通過して設置スペース外に出た場合に機器10から位置情報を収集して追跡管理する制御と、を行う。
【0172】
個人情報管理手段25は、収集手段23によって収集されデータベース20bに格納された検索結果に基づいて、各機器10における個人情報ファイルを管理するもので、各機器10の個人情報検索手段11で個人情報ファイルの可能性があると判定されたデータファイル(Pマークの付与されたデータファイル)を管理対象としている。この個人情報管理手段25は、具体的には後述するごとく、各データファイルの判定値(またはPマーク)に応じて、データファイルの利用者(保有者)に注意情報/警告情報を通知したり、データファイルを、そのデータファイルを保存している機器10から強制的に捕獲・回収したりする。また、個人情報管理手段25は、各機器10もしくはデータベース20bに格納された個人情報ファイルを種々の確度で検索する機能や、表示制御手段26によってその検索結果等を表示部20cに表示させる機能を有している。
【0173】
また、個人情報管理手段25は、個人情報管理の一貫として、処分の指定、処分指定された機器の管理についての機能を有している。表示制御手段26は、表示部20cに各種情報を表示させるべく表示部20cの表示状態を制御するものである。送受信手段27は、ネットワーク30を介して各機器10との間で各種情報を送受信するものである。
【0174】
〔A4−2〕第四実施形態の動作:
次に、図9以降を参照しながら、上述のごとく構成された第四実施形態の情報管理システム1(クライアント&サーバ)の動作について説明する。
【0175】
まず、第四実施形態の個人情報検索手段11(個人情報検索プログラム)による、個人情報ファイルの検索手法について、図9〜図11を参照しながら説明する。ここで、図9は第四実施形態の検疫テーブル10cの例を示す図、図10はタイトルヘッダの具体例を示す図、図11は第四実施形態の各機器10における個人情報検索手段11の動作を説明するためのフローチャートである。
【0176】
第四実施形態の個人情報検索手段11では、以下のように、住所,電話番号,メールアドレス,氏名の出現頻度を数値化し、個人情報ファイルの特定を行なっている。
より具体的には、個人情報検索手段11によって実行される計数ステップにおいて、まず、データファイルに含まれる文字もしくは文字列と個人情報において特徴的に出現する文字/文字列として予め設定された特徴文字/特徴文字列とを照合し、特徴文字/特徴文字列がデータファイルにおいて出現する回数を計数している。ただし、第四実施形態では、文字列による照合・認識を行なうとCPU10aにかかる負荷が極めて大きくなるので、1文字ずつの照合・認識を行なうものとする。従って、検疫テーブル10cには、図9
を参照しながら後述するごとく、特徴文字が1文字ずつ設定されている。なお、CPU10aの演算処理能力が十分に高い場合には文字列による照合・認識を行なってもよい。
【0177】
そして、対象ファイル(テキストファイル)から抽出された文字を、1文字ずつ、検疫テーブル10cにおける特徴文字と照合し、これらが一致する場合には、その特徴文字が出現したものと判断して、その特徴文字のカウント値を“1”カウントアップする。このようにして対象ファイルに含まれる全ての文字における、特徴文字の出現回数を計数してから、その計数結果に基づいて個人情報ファイルの特定(対象ファイルが個人情報ファイルであるか否かの判定)を行なっている。
【0178】
ここで、検疫テーブル10cに予め設定される特徴文字について具体的に説明する。
一般的な個人情報では、通常、住所が必須となる。そこで、図9に示すように、日本国内の住所において特徴的に出現する文字を特徴文字として検疫テーブル10cに設定登録しておく。例えば、住所情報には“都”,“道”,“府”,“県”,“市”,“区”,“町”,“村”,“郡”などが含まれている可能性が高く、“東京都”の場合、“東”,“京”の文字は通常文書中にも出現するが住所情報の場合、“都”と組合わせて出現することになるので、“都”の出現回数を住所数として見なすことが可能になる。同様に“府”や“県”や“道”も住所の見なし情報となるほか、“@”についてはメールアドレスの見なし情報として用いることが可能になる。
【0179】
図9に示す検疫テーブル10cでは、以下のような特徴文字およびポイントが設定されている。
(1)住所の見なし情報(特徴文字)として“東”,“京”,“都”,“大”,“阪”,
“府”,“北”,“海”,“道”が設定され、これらの特徴文字の計数値の合計が住所ポイント1として計数・算出される。
【0180】
(2)住所の見なし情報(特徴文字)として、住所ポイント1以外の府県名、つまり“山
”,“形”,“神”,“奈”,“川”,“埼”,“玉”,…,“福”,“岡”,“県”などが設定され、これらの特徴文字の計数値の合計が住所ポイント2として計数・算出される。
【0181】
(3)住所の見なし情報(特徴文字)として“市”,“区”,“町”,“村”,“郡”が
設定され、これらの特徴文字の計数値の合計が住所ポイント3として算出される。
(4)メールアドレスの見なし情報(特徴文字)として“@”が設定され、この“@”の
計数値がメールアドレスポイントとして用いられる。
【0182】
(5)電話番号の見なし情報(特徴文字列)として、“N”(数字,ハイフンからなる所
定桁数の数字列)が設定され、その計数値が電話番号ポイントとして用いられる。より具体的には、電話番号は“090-XXXX-XXXX”,“03-XXXX-XXXX”,“048-XXX-XXXX”という
ように、携帯電話局番や市外局番に対応する特定の数字列“090”,“03”,“048”の後に8桁もしくは7桁の数字列が連続する構成となっており、このような数字列が出現した場合に電話番号ポイントを“1”カウントアップする。このとき、数字列中におけるハイフンの有無に関係なくカウントアップを行なう。
【0183】
(6)氏名の見なし情報(特徴文字)として、例えば日本国内における苗字のベスト50
に含まれる文字“佐”,“藤”,“田”,“中”,“高”,“橋”,…,“山”,“田”が設定され、これらの特徴文字の計数値の合計が氏名ポイントとして算出される。
【0184】
(7)検疫合計ポイントとして、上述した項目(1)〜(6)の各ポイントの合計値が計数・算
出される。
ここで、図9中において、「」には、各特徴文字の出現回数を示す計数値、もしくは、各ポイント(出現回数の合計値)が書き込まれ、最大、例えば1千万程度まで計数可能になっている。
【0185】
また、上述のような検疫テーブル10cを用いて得られた計数結果(出現回数)に基づいて各都道府県名の出現率を算出する際に、重複文字が存在する場合の取扱について説明する。例えば“東京都”と“京都府”とがテキストファイルに混在する場合、“都”が重複するため、“都”の計数値には“東京都”の計数値に“京都府”のカウントが混ざることになる。“京都府”の“府”は“大阪府”の“府”と重複するので、まず“大阪”の出現率を算定し、その出現率を“府”の出現率から減算すれば、“京都府”の出現率を予測することが可能になる。このようにして予測された“京都府”の出現率を“都”の出現率から減算することにより、“東京都”の出現率とすることができる。また、県名と市名とが重複するような場合(例えば大阪府大阪市)、“大阪”の出現率が2倍になるが、郵政省管理で公開されている日本の住所録に基づいて都道府県名別の重複率を算定し、算定された重複率に基づいて出現率の調整を行なうことにより、実際の出現率を推定することが可能である。
【0186】
さらに、都道府県表示が無い場合の取扱について説明する。データファイルにおいて、都道府県名について図10に示すようなタイトルヘッダを用いる場合や、政令指定都市の住所表示や郵便番号を使用した住所表示では、“都”,“道”,“府”,“県”の出現率が極端に低下することになる。その代わり県名等の名称出現率が高くなるので、名称出現率から、データファイルが住所情報を含む個人情報ファイルであることの特定を行なうことが可能になる。
【0187】
なお、上述した検疫テーブル10cでは、住所,メールアドレス,電話番号,氏名において特徴的に出現する文字/文字列を特徴文字/特徴文字列として設定しているが、本発明は、これらに限定されるものでなく、生年月日,役職名,個人識別情報(例えば、住民基本台帳番号,口座番号,クレジットカード番号,免許証番号,パスポート番号など)において特徴的に出現する文字/文字列を特徴文字/特徴文字列として設定してもよい。
【0188】
そして、個人情報検索手段11によって実行される算出ステップにおいて、上述した検疫テーブル10cを用いて得られた計数結果に基づき、対象ファイルが個人情報ファイルである度合いを示す判定値が算出される。その判定値としては、
(a)検疫テーブル10cの検疫合計ポイント(上記項目(7)参照)の値をそのまま用いてもよいし、
(b)特徴文字/特徴文字列の出現率が高いほど大きくなる判定ポイントを前記判定値とし
て算出してもよいし、
(c)特徴文字/特徴文字列毎に得られた計数結果に基づいて対象ファイルにおける特徴文
字/特徴文字列の出現パターンを求め、求められた出現パターンと特徴文字/特徴文字列の出現パターンとして予め設定された特徴出現パターンとの一致の度合いを示す一致度を前記判定値として算出してもよいし、
(d)これら3種類の判定値のうちの2以上を組み合わせ、2以上の判定値を所定関数に代
入して算出された値を前記判定値として用いてもよい。
【0189】
このとき、対象ファイルに複数種類の情報(例えば住所,メールアドレス,電話番号,氏名の4種類)に係る特徴文字/特徴文字列が存在している場合、対象ファイル中に1種類の情報に係る特徴文字/特徴文字列が存在している場合よりも、前記判定値が大きくなるように、計数結果に対する重み付けを行なう。つまり、データファイル中に、個人を特定しうる複数種類の情報が含まれている場合には、そのデータファイルが個人情報ファイルである可能性は、個人を特定しうる情報が1種類だけ含まれている場合よりも高いと考
えられるので、そのデータファイルについての判定値(重要度)が大きくなるように重み付けを行なう。また、その情報の種類数が多いほど、判定値が大きくなるように重み付けを行なうようにしてもよい。これにより、より確実に個人情報ファイルを特定することが可能になる。
【0190】
上述のような判定値が算出されると、個人情報検索手段11によって実行される判定ステップにおいて、その判定値に基づいて、対象ファイルが個人情報ファイルであるか否かを判定する。例えば、前記判定値が所定閾値を超えた場合に対象ファイルが個人情報ファイルであると判定する。このような判定を行なう際に、第四実施形態では、さらに、判定値の大きさに応じたPマーク(プライベートレベルマーク)を対象ファイルに付与してPマークテーブル10dに設定・登録し、ランク付けを行なっている。このPマークは、前述した通り、対象ファイルが個人情報ファイルである可能性の高さを示すレベルであり、判定値が大きいほどPマークは高いランクに設定される。
【0191】
例えば、前記判定値が10以上となった場合、対象ファイルが個人情報ファイルであると判定する。また、前記判定値が10以上100未満である場合、Pマークとして“P1”を付与し、前記判定値が100以上1000未満である場合、Pマークとして“P2”を付与し、前記判定値が1000以上10000未満である場合、Pマークとして“P3”を付与し、前記判定値が10000以上である場合、Pマークとして“P4”を付与する。なお、個人情報ファイルを判定するための所定閾値やPマークを決定するための基準値は、情報管理サーバ20の管理コンソール24によって適宜設定される。また、ここではPマークを“P1”〜“P4”の4つにランク分けしているが、ランク分けの数はこれに限定されるものではない。
【0192】
上述のように対象ファイルに付与されたPマーク(Pマークテーブル10d)は、送受信手段16およびネットワーク30を介して情報管理サーバ20へ送信され、収集手段23によりデータベース20bに保存される。そして、Pマークを付与されたデータファイルは、そのPマークのランクに応じて、情報管理サーバ20(個人情報管理手段25)により個人情報ファイルとして以下のように管理される。
【0193】
例えば、Pマークのランクが“P1”である場合、警告情報によるリコメンドは行なわないが“P1”のデータファイルが存在することをログとして記録する。Pマークのランクが“P2”である場合、そのデータファイルの利用者に対して注意を促すべくポップアップ表示による注意情報を通知する。Pマークのランクが“P3”である場合、そのデータファイルを保管している利用者が存在する旨を、システム管理者に対し警告情報としてメール等により通知するとともに、そのデータファイルの返却を指示する。Pマークのランクが“P4”である場合、そのデータファイルを機器10から強制的に捕獲・回収する。なお、Pマークのランクが“P4”でなくても、“P3”のデータファイルが所定日数放置された場合には、そのデータファイルを機器10から強制的に捕獲・回収する。
【0194】
上述した個人情報検索手段11によって実行される個人情報検索(個人情報ファイル特定)の一連の手順を、図11に示すフローチャート(ステップS11〜S18)に従って説明する。
【0195】
第四実施形態の情報管理システム1を構築する際には、まず、情報管理サーバ20として機能すべきコンピュータに個人情報管理用プログラムをインストールし、そのコンピュータが個人情報管理用プログラムを実行することにより情報管理サーバ20としての機能(クライアント情報収集手段21,インストール手段22,収集手段23,管理コンソール24,個人情報管理手段25,表示制御手段26および送受信手段27)を果たす。そして、個人情報の検索・管理を開始する際に、クライアント情報収集手段21により、ネ
ットワーク30を介して通信可能に接続された複数の機器10からクライアント情報が収集され、個人情報の検索・管理対象の機器10が認識され、個人情報の検索・管理対象として認識された機器10に、インストール手段22により、ネットワーク30を介して個人情報検索プログラムがインストールされる。この個人情報検索プログラムを機器10のCPU10aで実行することにより、CPU10aが個人情報検索手段11,CPU使用率監視手段12,入出力監視手段13,起動制御手段14,アクセス監視手段15および送受信手段16としての機能を果たす。なお、個人情報検索プログラムをインストールする際には、検疫テーブル10cも併せて送信される。また、個人情報検索プログラムは、個人情報管理用プログラムに予め含まれている。
【0196】
機器10においては、図12および図13を参照しながら後述するタイミングで個人情報検索手段11が起動されると、Pマークテーブル10dおよび記憶部10bが参照され、この記憶部10bにおけるPマーク未設定のデータファイルの有無が判定される(ステップS11)。Pマーク未設定のデータファイルが存在する場合(ステップS11のYESルート)、記憶部10bからPマーク未設定のデータファイルが対象ファイルとして一つ選択されて読み出され(ステップS12)、その対象ファイルが、テキスト抽出エンジンによりテキストファイルに変換される(ステップS13)。
【0197】
そして、テキストファイルから抽出された文字を、1文字ずつ、検疫テーブル10cにおける特徴文字と照合し、これらが一致する場合には、その特徴文字が出現したものと判断して、その特徴文字のカウント値を“1”カウントアップする(ステップS14;計数ステップ)。このようにして対象ファイルに含まれる全ての文字における、特徴文字の出現回数を計数してから、その計数結果に基づいて、対象ファイルが個人情報ファイルである度合いを示す判定値(例えば上記項目(a)〜(d)参照)を算出する(ステップS15;算出ステップ)。
【0198】
ステップS15で算出された判定値に基づいて、上述したように、対象ファイルが個人情報ファイルであるか否かの判定を行なうとともにPマークのランク付けを行なう(ステップS16;判定ステップ)。個人情報ファイルの判定結果やPマークのランク付けの結果は、Pマークテーブル10dに登録されるとともに、送受信手段16およびネットワーク30を介して、情報管理サーバ20にも送信され(ステップS17)、情報管理サーバ20において、収集手段23によりデータベース20bに保存される。
【0199】
この後、再度、記憶部10bにおけるPマーク未設定のデータファイルの有無を判定し(ステップS18)、他にPマーク未設定のデータファイルが存在する場合(ステップS18のYESルート)、ステップS12に戻り上述と同様の処理を実行する一方、Pマーク未設定のデータファイルが存在しない場合(ステップS18のNOルート)、個人情報の検索動作を終了する。
【0200】
次に、図12および図13を参照しながら、個人情報検索手段11(個人情報検索プログラム)の起動タイミングについて説明する。ここで、図12および図13は第四実施形態の各機器10における起動制御手段14の動作を説明するためのフローチャートである。
【0201】
第四実施形態の起動制御手段14は、図12に示すフローチャート(ステップS21〜S27)に従うCPU使用率による起動制御と、図13に示すフローチャート(ステップS31〜S33)に従う入出力動作(I/O動作)による起動制御とを実行するようになっている。
【0202】
CPU使用率による起動制御では、CPU使用率監視手段12によりCPU10aの使
用率を監視し(ステップS21)、その使用率が所定閾値以下であるか否かを判定し(ステップS22)、使用率が所定閾値以下である場合(ステップS22のYESルート)、個人情報検索手段11を起動する(ステップS23)。起動後、検索を終了したか否かを判定し(ステップS24)、終了していない場合(ステップS24のNOルート)、ステップS21に戻る。ステップS24で検索を終了したと判定された場合(YESルート)、検索結果の通知後(ステップS25)、ステップS21に戻る。
【0203】
ステップS22で使用率が所定閾値よりも大きいと判定された場合(NOルート)、個人情報検索手段11が起動中か否かを判定し(ステップS26)、起動中でなければ(ステップS26のNOルート)、ステップS21に戻る一方、起動中であれば(ステップS26のYESルート)、個人情報検索手段11による検索動作を中断させてから(ステップS27)、ステップS21に戻る。このようにして、個人情報検索手段11をスクリーンセーバー的に動作させることができる。
【0204】
入出力動作による起動制御では、入出力監視手段13により、記憶部10bにおけるデータの入出力動作(I/O動作)を監視し(ステップS31)、入出力動作の発生を検知した場合(ステップS31のYESルート)、直ちに個人情報検索手段11を起動させ(ステップS32)、検索結果の通知後(ステップS33)、ステップS31に戻る。
【0205】
なお、上述した2種類のタイミングによる起動制御は、両方とも採用して同時並列的に実行してもよいし、いずれか一方のみを採用して実行してもよい。
また、各機器10においては、アクセス監視手段15により、Pマークを付与されたデータファイル(個人情報検索手段11で個人情報ファイルであると判定されたデータファイル)が監視され、そのデータファイルに対するアクセス(例えば、リネイム,コピー,消去,移動などによるデータ変更)が生じた場合には、その旨が、ログ情報として書き出され、送受信手段16およびネットワーク30を介して情報管理サーバ20に送信され、情報管理サーバ20において、収集手段23によりデータベース20bに保存される。
【0206】
これにより、人的な協力を得ることなく且つ担当者あるいは元の使用者特別な負荷をかけることなく、機器10を管理可能な状態に置き、該機器10が使用開始されたか否かだけでなく、該機器10内部に個人情報が所有されているかを管理サーバ20側で把握することが可能になる。
【0207】
また、情報管理サーバ20は、以上の使用場所2のICタグリーダ40によるICタグの検知だけでなく、図示されない処分場のICタグリーダを介して機器10の所在を検知することも可能である。
【0208】
すなわち、機器10が処分場に持ち込まれた場合には、機器10が廃棄処分されたものとして、機器10に対する管理を打ち切るようにしてもよい。
〔B〕その他の変形例:
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0209】
〔B−1〕その他の変形例(1):
たとえば、図2と図4を組合せ、または、図3と図4とを組み合わせて、電磁波を遮断する筐体内部の第一のICタグ、未使用時に電磁波を遮断する包装材10Cの内側であって筐体外部の第二のICタグ、電磁遮蔽を遮断する包装材10Cの外側の第三のICタグというように、三種類のICタグを設けることも可能である。
【0210】
〔B−2〕その他の変形例(2):
また、以上の実施形態において、ICタグが露出する、露出しないと記述されている場合、露出とは物理的な露出だけではなく、電磁気的な意味で露出する/しないという意味も有している。すなわち、物理的には筐体表面と一体、あるいは、塗装の内側になっていても、ICタグリーダで読み取り可能な場合には、露出していることを意味する。
【0211】
〔B−3〕その他の変形例(3):
また、以上の実施形態において、管理サーバ20が参照する利用者についての販売店での登録情報とは、店舗における会員情報などを意味しているが、これ以外に、店舗で会員登録していない場合であっても、商品購入時や商品修理時などにおける商品送付先情報などを用いることができる。
【0212】
また、以上の各実施形態で利用者が機器10の操作部を操作して利用者に関する情報を入力する代わりに、管理サーバ20から指定されたURLや電子メールアドレスに対して、利用者が携帯電話やコンピュータ端末を利用して情報を送信することも可能である。
【0213】
また、機器10の筐体表面、機器10の外箱、取扱説明書、管理サーバ20から送られてきた電子メール、管理サーバ20を運営するセンターから郵送されてきた郵便物、などのいずれかの位置に表示された二次元バーコードやカラー画像モアレなどを、携帯電話やコンピュータのカメラで読み込むことによって指定されるURLなどを利用して、利用者が携帯電話やコンピュータを利用して利用者に関する情報を送信することも可能である。
【0214】
〔C〕付記:
以下に記載する付記も、本願発明の一態様である。
〔付記A1〕
機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたリコール機器管理システムであって、
前記機器は、電磁波を遮断する筐体と、非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付されたICタグとを含んで構成されており、
前記管理サーバは、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断し、機器の情報をリコール情報と比較する、
ことを特徴とするリコール機器管理システム。
〔付記A2〕
機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたリコール機器管理システムであって、
前記機器は、出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、包装が解かれると露出する位置に付されたICタグを含んで構成されており、
前記管理サーバは、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断し、機器の情報をリコール情報と比較する、
ことを特徴とするリコール機器管理システム。
〔付記A3〕
機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたリコール機器管理システムであって、
前記機器は、
電磁波を遮断する筐体と、
非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付された第一のICタグと、
非使用時に筐体内から露出する位置あるいは包装材のいずれかに付された第二のICタグとを含んで構成されており、
前記管理サーバは、
前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られずに、前記第二のICタグ
が前記ICタグリーダにより読み取られた場合には前記機器が使用されていないと判断し、
前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断し、機器の情報をリコール情報と比較する、
ことを特徴とするリコール機器管理システム。
〔付記A4〕
機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたリコール機器管理システムであって、
前記機器は、
出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、
該包装が解かれると露出する位置に付された第一のICタグと、
該包装の外部に付された第二のICタグとを含んで構成されており、
前記管理サーバは、
前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られずに、前記第二のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合には前記機器が使用されていないと判断し、
前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断し、機器の情報をリコール情報と比較する、
ことを特徴とするリコール機器管理システム。
〔付記A5〕
前記管理サーバは、前記ICタグリーダが保持する設置場所に関する位置情報、前記ICタグが付された前記機器で取得された位置情報、前記ICタグが付された前記機器において入力された位置情報、または、前記ICタグに付された前記機器固有の情報に関連する販売店における情報のいずれかを参照し、該機器の情報を取得(位置を把握)する、
ことを特徴とする付記A1乃至付記A4の何れか一項に記載のリコール機器管理システム。
〔付記A6〕
非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付されたICタグを含み、電磁波を遮断する筐体を外殻として有する機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたリコール機器管理システムを制御するリコール機器管理プログラムであって、
前記機器に付されたICタグを前記ICタグリーダに読み取らせ、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断し、機器の情報をリコール情報と比較する、ように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、
ことを特徴とするリコール機器管理プログラム。
〔付記A7〕
出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、包装が解かれると露出する位置に付されたICタグを含む機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたリコール機器管理システムを制御するリコール機器管理プログラムであって、
該機器に付されたICタグを前記ICタグリーダに読み取らせ、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断し、機器の情報をリコール情報と比較する、ように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、
ことを特徴とするリコール機器管理プログラム。
〔付記A8〕
非使用時に電磁波遮断の筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付された第一のICタグと、非使用時に前記筐体内から露出する位置あるいは包装材のいずれかに付された第二のICタグとを含んで構成された機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたリコール機器管理システムを制御するリコール機器管理プログラムであって、
前記機器に付されたICタグを前記ICタグリーダに読み取らせ、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られずに、前記第二のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合には前記機器が使用されていないと判断し、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断し、機器の情報をリコール情報と比較する、ように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、
ことを特徴とするリコール機器管理プログラム。
〔付記A9〕
非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付された第一のICタグと、出荷時に電磁波を遮断する部材での包装が解かれると露出する位置に付された第二のICタグとを含んで構成された機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたリコール機器管理システムを制御するリコール機器管理プログラムであって、
前記機器に付されたICタグを前記ICタグリーダに読み取らせ、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られずに、前記第二のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合には前記機器が使用されていないと判断し、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断し、機器の情報をリコール情報と比較する、ように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、
ことを特徴とするリコール機器管理プログラム。
〔付記A10〕
前記ICタグリーダが保持する設置場所に関する位置情報、前記ICタグが付された前記機器で取得された位置情報、前記ICタグが付された前記機器において入力された位置情報、または、前記ICタグに付された前記機器固有の情報に関連する販売店における情報のいずれかを参照し、該機器の情報を取得(位置を把握)するように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、
ことを特徴とする付記A6乃至付記A9の何れか一項に記載のリコール機器管理プログラム。
〔付記B1〕
機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたユーザ登録管理システムであって、
前記機器は、電磁波を遮断する筐体と、非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付されたICタグとを含んで構成されており、
前記管理サーバは、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断し、該使用開始日を保証開始日とする、
ことを特徴とするユーザ登録管理システム。
〔付記B2〕
機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたユーザ登録管理システムであって、
前記機器は、出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、包装が解かれると露出する位置に付されたICタグを含んで構成されており、
前記管理サーバは、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断し、該使用開始日を保証開始日とする、
ことを特徴とするユーザ登録管理システム。
〔付記B3〕
機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたユーザ登録管理システムであって、
前記機器は、
電磁波を遮断する筐体と、
非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付された第一のICタ
グと、
非使用時に筐体内から露出する位置あるいは包装材のいずれかに付された第二のICタグとを含んで構成されており、
前記管理サーバは、
前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られずに、前記第二のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合には前記機器が使用されていないと判断し、
前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断し、該使用開始日を保証開始日とする、
ことを特徴とするユーザ登録管理システム。
〔付記B4〕
機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたユーザ登録管理システムであって、
前記機器は、
出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、
該包装が解かれると露出する位置に付された第一のICタグと、
該包装の外部に付された第二のICタグとを含んで構成されており、
前記管理サーバは、
前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られずに、前記第二のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合には前記機器が使用されていないと判断し、
前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断し、該使用開始日を保証開始日とする、
ことを特徴とするユーザ登録管理システム。
〔付記B5〕
前記管理サーバは、前記ICタグリーダが保持する設置場所に関する位置情報、前記ICタグが付された前記機器で取得された位置情報、前記ICタグが付された前記機器において入力された位置情報、または、前記ICタグに付された前記機器固有の情報に関連する販売店における情報のいずれかを参照し、該機器の情報を取得(位置を把握)する、
ことを特徴とする付記B1乃至付記B4の何れか一項に記載のユーザ登録管理システム。〔付記B6〕
非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付されたICタグを含み、電磁波を遮断する筐体を外殻として有する機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたユーザ登録管理システムを制御するユーザ登録管理プログラムであって、
前記機器に付されたICタグを前記ICタグリーダに読み取らせ、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断し、該使用開始日を保証開始日とする、ように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、
ことを特徴とするユーザ登録管理プログラム。
〔付記B7〕
出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、包装が解かれると露出する位置に付されたICタグを含む機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたユーザ登録管理システムを制御するユーザ登録管理プログラムであって、
該機器に付されたICタグを前記ICタグリーダに読み取らせ、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断し、該使用開始日を保証開始日とする、ように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、
ことを特徴とするユーザ登録管理プログラム。
〔付記B8〕
非使用時に電磁波遮断の筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付された
第一のICタグと、非使用時に前記筐体内から露出する位置あるいは包装材のいずれかに付された第二のICタグとを含んで構成された機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたユーザ登録管理システムを制御するユーザ登録管理プログラムであって、
前記機器に付されたICタグを前記ICタグリーダに読み取らせ、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られずに、前記第二のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合には前記機器が使用されていないと判断し、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断し、該使用開始日を保証開始日とする、ように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、
ことを特徴とするユーザ登録管理プログラム。
〔付記B9〕
非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付された第一のICタグと、出荷時に電磁波を遮断する部材での包装が解かれると露出する位置に付された第二のICタグとを含んで構成された機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたユーザ登録管理システムを制御するユーザ登録管理プログラムであって、
前記機器に付されたICタグを前記ICタグリーダに読み取らせ、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られずに、前記第二のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合には前記機器が使用されていないと判断し、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断し、該使用開始日を保証開始日とする、ように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、
ことを特徴とするユーザ登録管理プログラム。
〔付記B10〕
前記ICタグリーダが保持する設置場所に関する位置情報、前記ICタグが付された前記機器で取得された位置情報、前記ICタグが付された前記機器において入力された位置情報、または、前記ICタグに付された前記機器固有の情報に関連する販売店における情報のいずれかを参照し、該機器の情報を取得(位置を把握)するように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、
ことを特徴とする付記B6乃至付記B9の何れか一項に記載のユーザ登録管理プログラム。
〔付記C1〕
機器と、
該機器を管理する管理サーバと、
前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたユーザ登録管理システムであって、
前記機器は、電磁波を遮断する筐体と、非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付されたICタグとを含んで構成されており、
前記管理サーバは、前記ICタグリーダによって読み取られた前記ICタグの情報を参照し、前記ICタグに付された製造番号などの前記機器固有の情報に関連して販売店で登録されている顧客情報を参照して該機器の情報を取得する、
ことを特徴とする管理システム。
〔付記C2〕
機器と、
該機器を管理する管理サーバと、
前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えたユーザ登録管理システムであって、
前記機器は、電磁波を遮断する筐体と、非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付されたICタグとを含んで構成されており、
前記管理サーバは、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用開始されたと判断すると共に、
前記ICタグに付された製造番号などの前記機器固有の情報に関連して販売店で登録されている顧客情報を参照して該機器の情報を取得する、
ことを特徴とする管理システム。
〔付記C3〕
前記管理サーバは、初期登録、ユーザ登録、リコール対策時の利用者情報登録のいずれかを実行する、
ことを特徴とする管理システム。
【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1】第一実施形態の機器の機能構成を示すブロック図である。
【図2】第一実施形態の機器の主要部の機能構成を示す構成図である。
【図3】第一実施形態の機器の主要部の機能構成を示す構成図である。
【図4】第一実施形態の機器の主要部の機能構成を示す構成図である。
【図5】第一実施形態の各機器における動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】第三実施形態の機器の機能構成を示すブロック図である。
【図7】第四実施形態の機器の機能構成を示すブロック図である。
【図8】第四実施形態の機器の機能構成を示すブロック図である。
【図9】検疫テーブルの例を示す図である。
【図10】タイトルヘッダの具体例を示す図である。
【図11】各機器における起動制御手段の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】各機器における個人情報検索手段の動作を説明するためのフローチャートである。
【図13】各機器における起動制御手段の動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】第一実施形態の変形例の動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】第一実施形態の変形例の動作を説明するためのフローチャートである。
【図16】第一実施形態の機器の主要部の機能構成を示す構成図である。
【0216】
1 管理システム
10 機器
10e-a 第一のICタグ
10e-b 第二のICタグ
20 管理サーバ
30 ネットワーク(LAN)
40 ICタグリーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えた管理システムであって、
前記機器は、電磁波を遮断する筐体と、非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付されたICタグとを含んで構成されており、
前記管理サーバは、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用されたと判断する、
ことを特徴とする管理システム。
【請求項2】
機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えた管理システムであって、
前記機器は、出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、包装が解かれると露出する位置に付されたICタグを含んで構成されており、
前記管理サーバは、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用されたと判断する、
ことを特徴とする管理システム。
【請求項3】
機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えた管理システムであって、
前記機器は、
電磁波を遮断する筐体と、
非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付された第一のICタグと、
非使用時に筐体内から露出する位置あるいは包装材のいずれかに付された第二のICタグとを含んで構成されており、
前記管理サーバは、
前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られずに、前記第二のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合には前記機器が使用されていないと判断し、
前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用されたと判断する、
ことを特徴とする管理システム。
【請求項4】
機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えた管理システムであって、
前記機器は、
出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、
該包装が解かれると露出する位置に付された第一のICタグと、
該包装の外部に付された第二のICタグとを含んで構成されており、
前記管理サーバは、
前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られずに、前記第二のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合には前記機器が使用されていないと判断し、
前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用されたと判断する、
ことを特徴とする管理システム。
【請求項5】
前記管理サーバは、前記ICタグリーダが保持する設置場所に関する情報、前記ICタグが付された前記機器で取得された情報、前記ICタグが付された前記機器において入力
された情報、または、前記ICタグに付された前記機器固有の情報に関連する販売店における情報のいずれかを参照し、該機器の情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の管理システム。
【請求項6】
非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付されたICタグを含み、電磁波を遮断する筐体を外殻として有する機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えた管理システムを制御する管理プログラムであって、
前記機器に付されたICタグを前記ICタグリーダに読み取らせ、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用されたと判断するように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、
ことを特徴とする管理プログラム。
【請求項7】
出荷時に電磁波を遮断する部材で包装され、包装が解かれると露出する位置に付されたICタグを含む機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えた管理システムを制御する管理プログラムであって、
該機器に付されたICタグを前記ICタグリーダに読み取らせ、前記ICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用されたと判断するように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、
ことを特徴とする管理プログラム。
【請求項8】
非使用時に電磁波遮断の筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付された第一のICタグと、非使用時に前記筐体内から露出する位置あるいは包装材のいずれかに付された第二のICタグとを含んで構成された機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えた管理システムを制御する管理プログラムであって、
前記機器に付されたICタグを前記ICタグリーダに読み取らせ、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られずに、前記第二のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合には前記機器が使用されていないと判断し、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用されたと判断する、ように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、
ことを特徴とする管理プログラム。
【請求項9】
非使用時に筐体内部であって使用時に該筐体から露出する位置に付された第一のICタグと、出荷時に電磁波を遮断する部材での包装が解かれると露出する位置に付された第二のICタグとを含んで構成された機器と、該機器を管理する管理サーバと、前記管理サーバと通信可能に構成されICタグのデータを読み取るICタグリーダと、を備えた管理システムを制御する管理プログラムであって、
前記機器に付されたICタグを前記ICタグリーダに読み取らせ、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られずに、前記第二のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合には前記機器が使用されていないと判断し、前記第一のICタグが前記ICタグリーダにより読み取られた場合に前記機器が使用されたと判断する、ように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、
ことを特徴とする管理プログラム。
【請求項10】
前記ICタグリーダが保持する設置場所に関する情報、前記ICタグが付された前記機器で取得された情報、前記ICタグが付された前記機器において入力された情報、または、前記ICタグに付された前記機器固有の情報に関連する販売店における情報のいずれかを参照し、該機器の情報を取得するように前記管理サーバのコンピュータを機能させる、
ことを特徴とする請求項6乃至請求項9の何れか一項に記載の管理プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−217639(P2009−217639A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−61754(P2008−61754)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【特許番号】特許第4214252号(P4214252)
【特許公報発行日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(592112938)クオリティ株式会社 (121)
【Fターム(参考)】