説明

管理情報記憶装置、およびそれを用いた再生装置

【課題】ディスクの管理情報を記憶装置に記憶しても、別の光ディスク再生装置で同じディスクを再生する場合、以前記憶した管理情報を利用できない。
【解決手段】光ディスク再生装置の外部から着脱可能な外部記憶手段29を備え、ディスク1の管理情報を外部記憶手段29に記憶させ、外部記憶手段29を別の光ディスク再生装置に差し替えることにより、以前記憶した管理情報を利用することを可能にする。また、管理情報を記憶させる手段として、装置に対して着脱自在な外部記憶手段29を用いることで、以下のような様々な効果が得られる。まず、外部記憶手段29を複製により複数作成し、複数台の光ディスク再生装置に装着すれば、同時に上記効果を得られる。さらに、外部記憶手段29の空き容量が不足する場合、空き容量が存在する別の外部記憶手段29を装着すれば、管理情報を簡単/確実に記憶出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DVD(デジタル多用途ディスク)やCD(Compact Disc)などに管理情報と共に記録されている動画データや音声データを再生可能な光ディスク再生装置に搭載してある管理情報記憶装置およびそれを用いた再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光ディスク再生装置は特開平11−185449号公報に記載されたものが知られている。
【0003】
図3に従来の管理情報記憶装置のブロック図を示す。ディスク1の管理情報21は内部記憶手段26に記憶されているが、容量やコストの制限により揮発性記憶手段が用いられることが多く、電源を切ると管理情報21の記憶が消去してしまうため、毎回ディスク再生毎に管理情報を読み取る必要があった。
【0004】
ディスクに記録されている画像及び音声データのツリー構造が複雑になる程、管理情報の容量は増加する傾向にあり、再生開始までに時間がかかってしまう。
図4に従来の管理情報の格納図を示し、ディスク番号、第1トラック開始時間、第2トラック開始時間、…、第nトラック開始時間の順に格納する。
【0005】
図5に従来の再生履歴情報の格納図を示し、ディスク番号、再生終了トラック番号と時間の順に格納する。このように管理情報と再生履歴情報を別々に記憶しているため記憶容量が増加していた。
近年、SDカードメモリのような安価で高容量、不揮発性の記憶手段の出現により利用価値や用途が高まって来た。
【特許文献1】特開平11−185449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような光ディスク再生装置においては、ディスク装着から音声・画像の出力まで、高速な再生立ち上げが要求されている。フラッシュROMなどの内部記憶手段は記憶容量に制限がありファイルの有効な使用が求められている。長時間の内容を記録出来るディスクが増えてきており、再生の動作を途中で停止して、再度その続きから再生する事が要望されている。
【0007】
本発明は同じディスクの2回目の再生立ち上げでは管理情報を読み取る動作を省略し、高速再生立ち上げが可能で、外部記憶手段の管理情報ファイルを再生回数の多い順に並べ替えることが可能で、再生履歴情報を記憶して再生を終了した箇所からの速やかな再生が可能な管理情報記憶装置を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するために本発明の管理情報記憶装置は、管理情報記憶装置の内部に配置されている内部記憶手段と、管理情報記憶装置の外部から着脱可能な外部記憶手段と、ディスクに記録されている管理情報を読み取る管理情報読み取り手段と、内部記憶手段及び外部記憶手段に記憶されている管理情報を読み取りディスクを再生制御するディスク再生制御手段と、光ディスク再生終了箇所を表す再生履歴情報を読み取る再生履歴情報読み取り手段と、管理情報に再生回数情報と再生履歴情報を付加し外部記憶手段及び内部記憶手段に記憶する再生回数情報再生履歴情報付加手段と、再生回数情報の付加された管理情報を再生回数の多い順に並び替える管理情報配列手段と、を備えたものである。
【0009】
これにより、高速再生立ち上げが可能な管理情報記憶装置が得られる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明によれば、外部記憶手段を第2の光ディスク再生装置に差し替えて再生した場合に同一ディスクの2回目の再生立ち上げで管理情報を読み取ることを省略出来、速やかな再生立ち上げが可能になる。また、外部記憶手段を複製により複数作成し複数台の光ディスク再生装置に装着すれば、同時に上記効果を得られる。外部記憶手段の空き容量が不足する場合、別の空いた外部記憶手段を装着すれば管理情報を簡単に記憶出来る。
【0011】
同一ディスクの2回目の再生立ち上げでは管理情報を1回目の読み取りで外部記憶手段に再生回数の多い順に記憶してあるため、管理情報を外部記憶手段から高速に検索し読み取り、再度ディスクから管理情報を読み取ることを省略するため、高速再生立ち上げが可能になる。外部記憶手段の空き容量が不足する場合、再生頻度の少ない管理情報から削除することが容易に実行出来る。
【0012】
管理情報と再生履歴情報とを同一箇所に記憶するため、少ない容量で記憶可能になると共に再生立ち上げの際に外部記憶手段から管理情報と再生履歴情報とを同時に検索し読み取ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の請求項1に記載の発明は、管理情報記憶装置の内部に配置されている内部記憶手段と、管理情報記憶装置の外部から着脱可能な外部記憶手段と、ディスクに記録されている管理情報を読み取る管理情報読み取り手段と、内部記憶手段及び外部記憶手段に記憶されている管理情報を読み取りディスクを再生制御するディスク再生制御手段と、を備えたものであり、同一ディスクの2回目の再生立ち上げで管理情報を読み取ることを省略出来るという作用を有する。
【0014】
請求項2に記載の発明は、光ディスク再生終了箇所を表す再生履歴情報を読み取る再生履歴情報読み取り手段と、管理情報に再生回数情報と再生履歴情報を付加し外部記憶手段及び内部記憶手段に記憶する再生回数情報再生履歴情報付加手段と、再生回数情報の付加された管理情報を再生回数の多い順に並び替える管理情報配列手段と、を備えたものであり、同一ディスクの2回目の再生立ち上げでは管理情報を1回目の読み取りで外部記憶手段に再生回数の多い順に記憶してある管理情報を外部記憶手段から高速に検索し読み取り、再度ディスクから管理情報を読み取ることを省略するため、高速再生立ち上げが可能になるという作用を有する。
【0015】
また、管理情報と再生履歴情報とを別々に記憶した時よりも少ない容量で記憶可能になり、再生立ち上げの際に管理情報と再生履歴情報とを同時に検索出来るため、一旦電源を切り再度電源を入れた時でも、前回再生を終了した箇所から再度再生することが可能になるという作用を有する。
【0016】
請求項3に記載の発明は、管理情報と映像および/または音声信号とが記録された記録媒体を再生可能な再生装置であって、前記記録媒体を再生する再生手段と、前記再生手段により再生された信号から管理情報を読みとる管理情報読み取り手段と、本装置に対して外部から着脱可能な外部記憶手段と、前記外部記憶手段に記憶されている管理情報を読み取りディスクを再生制御するディスク再生制御手段とを備えたことを特徴とする再生装置である。
【0017】
以下本発明の実施の形態について、図1から図2を用いて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における管理情報記憶装置のブロック図を示し、図1において、1は管理情報と共に画像データや音声データが記録されている記録媒体であるディスクで、本実施の形態ではDVDやCDなどの光ディスクを一例としているが、管理情報が記録された記録媒体であれば光ディスクに限定されるものではない。2はディスク1を再生する光ピックアップで、本実施の形態では記録媒体として光ディスクを用いているため光ピックアップとしているが、本手段には記録媒体の種類に応じた再生手段が用いられる。4は光ピックアップ2でディスク1のピットを読み取ったRF(Radio Frequency)信号3をデジタルデータ5に信号処理するデジタル信号処理手段、6はデジタルデータ5を画像データ7と音声データ8に復号処理する画像音声復号処理手段、9は画像データ7をアナログ画像信号11にデジタル−アナログ変換する画像DA変換手段、10は音声データ8をアナログ音声信号12にデジタル−アナログ変換する音声DA変換手段、18は画像信号11を出力する画像出力端子、20はアナログ音声信号12を出力する音声出力端子である。
【0019】
15はデジタル信号処理手段4から出力される管理情報信号16を読み取り管理情報23を出力する管理情報読み取り手段、19はデジタル信号処理手段4から出力される再生履歴信号17を読み取り再生履歴情報24を出力する再生履歴情報読み取り手段、22は内部記憶手段26または外部記憶手段29に前回までに記憶した管理情報21と今回読み取った管理情報23とを比較し再生回数を算出し管理情報23に再生回数と再整理歴情報24を付加し管理情報27を出力する再生回数情報再生履歴情報付加手段、26は管理情報記憶装置の内部に予め搭載してある内部記憶手段で、従来から用いられている揮発性メモリに相当する。29は管理情報記憶装置の外部から着脱可能な外部記憶手段で、本実施の形態では不揮発性の半導体メモリを用いているが、これに限定されるものではない。28は管理情報27を内部記憶手段26と外部記憶手段29に記憶先を選択する切換スイッチ、33は外部記憶手段の装着の有無を検出し切換スイッチ28を切り換える外部記憶検出手段、31は外部記憶手段29に記憶されている管理情報を再生回数順に並び替える管理情報整列手段、13は内部記憶手段26または外部記憶手段29に記憶されている管理情報21に基づいて光ピックアップ2を制御しディスク1を再生させるディスク再生制御手段で構成している。
【0020】
なお、光ピックアップ2,デジタル信号処理手段4,画像音声復号処理手段6、画像DA変換手段9、音声DA変換手段10とで再生手段を構成している。
【0021】
以上のように構成された管理情報記憶装置について、以下その動作について説明する。
【0022】
まず、ディスク1のリードイン領域に記録されている管理情報を再生する。リードイン領域を再生して記録されているRF信号3を光ピックアップ2で読み取りデジタル信号処理手段4に送る。デジタル信号処理手段4はRF信号3を管理情報信号16に変換処理する。管理情報読み取り手段15はデジタル信号処理手段3から出力される管理情報信号16から管理情報23を読み取り再生回数情報再生履歴情報付加手段22に送る。
【0023】
再生回数情報再生履歴情報付加手段22は管理情報27を切換スイッチ28を通し内部記憶手段26または外部記憶手段29に書き込み記憶させる。ディスク再生制御手段13は内部記憶手段26または外部記憶手段29に書き込み記憶された管理情報21を読み取り、管理情報21に記載されている第1トラックの先頭に光ピックアップ2を移動するディスク再生制御信号送り第1トラックを再生させる。第1トラックのRF信号3はデジタル信号処理手段4でデジタル信号5に変換処理する。第1トラックのデジタル信号5は画像音声復号手段6でデジタル画像信号7とデジタル音声信号8に復号処理する。デジタル画像信号7は画像DA変換手段9に入力され、デジタル画像信号7をDA変換しアナログ画像信号11を画像出力端子18に出力する。また、デジタル音声信号8は音声DA変換手段10に入力され、デジタル音声信号8をDA変換しアナログ音声信号12を音声出力端子20に出力する。
【0024】
nトラックのm分s秒で再生を停止した場合、デジタル信号処理手段4は再生履歴情報信号17(つまりnトラックのm分s秒の信号)を再生履歴情報読み取り手段19に出力する。再生履歴情報読み取り手段19は再生履歴情報信号17を読み取り、再生履歴情報24(つまりnトラックのm分s秒の情報)を出力する。再生回数情報再生履歴情報付加手段22は再生履歴情報24と再生回数情報を内部記憶手段26または外部記憶手段29から読み出した管理情報21に付加し内部記憶手段26または外部記憶手段29に書き込み記憶させる。
【0025】
外部記憶検出手段33は外部記憶手段29が存在するか否かを検出し、外部記憶手段29が存在する場合は切換スイッチ28をb端子に切り換える。外部記憶手段29が存在しない場合は切換スイッチ28をa端子に切り換える。管理情報整列手段31は外部記憶手段29に記憶されている管理情報27を再生回数の多い順に整列させる。
【0026】
以前再生したディスク1を再度再生させると、再生回数情報再生履歴情報付加手段22は管理情報23のディスクNoと内部記憶手段26または外部記憶手段29に記憶させた管理情報21のディスクNoとを比較し、同じディスクNoが存在すればディスク再生制御手段13は内部記憶手段26または外部記憶手段29に記憶させた管理情報21を利用し、本来の管理情報の読み取りを完全に終了する前に第1トラックの再生に移る。また、再生履歴情報24が付加してあればディスク再生制御手段13は前回終了したポイントから再生する。
【0027】
図2に本発明の管理情報と再生回数情報と再生履歴情報の格納図を示す。このように、内部記憶手段26または外部記憶手段29には、ディスク番号、再生回数、第1トラック開始時間、第2トラック開始時間、…、第nトラック開始時間、再生終了トラック番号と時間の順に格納する。
【0028】
以上のように本実施形態によれば、外部記憶手段29に前回記憶させた管理情報を2回目の再生に利用すれば、光ディスク1の再生時に管理情報を読み込むための時間を削除あるいは低減させることができ、高速な再生立ち上げができることとなる。
【0029】
また、管理情報を記憶させる手段として、装置に対して着脱自在な外部記憶手段29を用いることで、以下のような様々な効果が得られる。まず、外部記憶手段29を複製により複数作成し、複数台の光ディスク再生装置に装着すれば、同時に上記効果を得られる。さらに、外部記憶手段29の空き容量が不足する場合、空き容量が存在する別の外部記憶手段29を装着すれば、管理情報を簡単/確実に記憶出来る。
【0030】
同一ディスクの2回目の再生立ち上げでは管理情報を1回目の読み取りで外部記憶手段29に再生回数の多い順に記憶してあるため、管理情報を外部記憶手段29から高速に検索し読み取り、再度ディスクから管理情報を読み取ることを省略するため、高速再生立ち上げが可能になる。外部記憶手段の空き容量が不足する場合、再生頻度の少ない管理情報から削除することが容易に実行出来る。
【0031】
管理情報と再生履歴情報とを同一箇所に記憶するため、少ない容量で記憶可能になると共に再生立ち上げの際に外部記憶手段から管理情報と再生履歴情報とを同時に検索し読み取ることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明にかかる管理情報記憶装置は、据置のDVDプレーヤのみならずポータブルDVDプレーヤ、DVDプレーヤ搭載のミニコンステレオ又はDVDドライブ内蔵のパーソナルコンピュータでDVDディスクを再生する用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施の形態による管理情報記憶装置のブロック図
【図2】本発明の管理情報と再生回数情報と再生履歴情報の格納図
【図3】従来の管理情報記憶装置のブロック図
【図4】従来の管理情報の格納図
【図5】従来の再生履歴情報の格納図
【符号の説明】
【0034】
1 ディスク
2 光ピックアップ
3 RF信号
4 デジタル信号処理手段
5 デジタル信号
6 画像音声復号処理手段
7 デジタル画像信号
8 デジタル音声信号
9 画像DA変換手段
10 音声DA変換手段
11 アナログ画像信号
12 アナログ音声信号
13 ディスク再生制御手段
14 ディスク再生制御信号
15 管理情報読み取り手段
16 管理情報信号
17 再生履歴情報信号
18 画像出力端子
19 再生履歴情報読み取り手段
20 音声出力端子
21 管理情報
22 再生回数情報再生履歴情報付加手段
23 管理情報
24 再生履歴情報
26 内部記憶手段
27 管理情報
28 切換スイッチ
29 外部記憶手段
30 整列信号
31 管理情報整列手段
32 外部記憶検出信号
33 外部記憶検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理情報記憶装置の内部に配置されている内部記憶手段と、管理情報記憶装置の外部から着脱可能な外部記憶手段と、ディスクに記録されている管理情報を読み取る管理情報読み取り手段と、内部記憶手段及び外部記憶手段に記憶されている管理情報を読み取りディスクを再生制御するディスク再生制御手段とを備えたことを特徴とする管理情報記憶装置。
【請求項2】
光ディスク再生終了箇所を表す再生履歴情報を読み取る再生履歴情報読み取り手段と、管理情報に再生回数情報と再生履歴情報を付加し外部記憶手段及び内部記憶手段に記憶する再生回数情報再生履歴情報付加手段と、再生回数情報の付加された管理情報を再生回数の多い順に並び替える管理情報整列手段と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の管理情報記憶装置。
【請求項3】
管理情報と映像および/または音声信号とが記録された記録媒体を再生可能な再生装置であって、前記記録媒体を再生する再生手段と、前記再生手段により再生された信号から管理情報を読みとる管理情報読み取り手段と、本装置に対して外部から着脱可能な外部記憶手段と、前記外部記憶手段に記憶されている管理情報を読み取りディスクを再生制御するディスク再生制御手段とを備えたことを特徴とする再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−18936(P2006−18936A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−196532(P2004−196532)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】